JP2020193256A - 硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、積層フィルム、転写フィルム及び積層体 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、積層フィルム、転写フィルム及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、優れた耐摩耗性、伸び性、及び耐薬品性を有する硬化物を得ることが可能な、硬化性樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)重合性炭素−炭素二重結合含有基および水酸基を有する化合物(a1)と、イソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)との反応物であるウレタン化合物と、(B)ウレタン結合を含有しないイソシアヌレート環を有する重合性炭素−炭素二重結合含有化合物と、(C)平均一次粒径が10nm〜100nmの無機粒子とを含む、硬化性樹脂組成物。【選択図】図2

Description

本開示は、硬化性樹脂組成物、及びこれを用いた樹脂硬化物、積層フィルム、転写フィルム及び積層体に関する。
従来、有機ガラスの樹脂材料として、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等が知られており、中でも、ポリカーボネートは、耐衝撃性、耐熱性、透明性等に優れており、自動車等の車両や建築物の窓等への使用が試みられている。
上記有機ガラスの樹脂材料が上記自動車用窓等の用途に用いられる場合には、通常、耐摩耗性が求められる。そのため、近年では、有機ガラスの表面保護のために表面保護層が使用されている。このような表面保護層を物品表面に配置するためのフィルムとして、ハードコート層を有するハードコートフィルムが用いられている。
一方、紫外線や電子線等の活性エネルギー線照射により硬化する硬化性樹脂組成物は、硬化して耐擦傷性や耐薬品性を有する硬化物を形成することから、物品表面を保護したり、意匠性を付与したりするための塗料、コーティング剤から、所望の形状に成形して光学特性をもたらす光学材料といった幅広い用途で利用されており、上述したハードコート層としても用いられている。
さらに近年では、表面保護層を基材上に備えた保護フィルムや加飾フィルムを射出成形の金型内に挿入し、射出成形を行い、フィルム全体を成形品に貼り付けるインサート成形や、表面保護層を基材上に備えた保護フィルムや加飾フィルムを金型内に挿入し、射出成形を行った後、基材を剥がし、表面保護層と更に場合により加飾層を成形品に残すインモールド転写フィルムへの利用が拡大している。
一般的に、硬化性樹脂組成物は、硬化させて架橋密度を高くすることで表面硬度を向上させた硬化物層を形成する。しかしながら、このような硬化物層は、柔軟性が低下して脆くなるため、曲げたり、引っ張ったりするとクラックが発生したり、外力により衝撃を与えると容易に割れてしまう場合があった。また、上記インサート成形やインモールド転写フィルムへの利用の際には、表面保護層の硬化により、樹脂の伸びが低下し、加工性が悪くなるという問題があった。
このように、近年の表面保護用の硬化性樹脂組成物の硬化物には、高い耐摩耗性を有しながら、伸び性(以下、伸張性とする場合がある。)に優れることが求められている。
特許文献1には、硬化させた後も加工性に優れ、かつ、硬化膜の耐擦傷性に優れた加飾積層フィルムとして、2個以上のエチレン性不飽和基及びイソシアヌレート環を有する化合物(A)及び光重合開始剤(B)を含む組成物であって、エチレン性不飽和基濃度が0.1〜4.0meq/gである光硬化型加飾積層フィルム用組成物が開示されており、前記化合物(A)がオキシアルキレン基又は/及び−COC2NO−で表される基(Nは2〜6の整数)を有することが開示されている。しかしながら、上記発明の組成は加工性には優れるが、耐摩耗性が不十分であった。
特開2011−225679号公報
近年の表面保護用の硬化性樹脂組成物の硬化物には、高い耐摩耗性を有しながら、上述したように伸張性(引張伸び性)に優れることが求められている。さらに、自動車向けハードコート層付樹脂ガラスは、エタノール等の薬品で表面を洗浄する工程においてハードコート層に割れが発生する場合があった。そのため、ハードコート層には、耐摩耗性、伸長性に加え、耐薬品性、特には耐エタノール性が求められている。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた耐摩耗性、伸長性、及び耐薬品性を有する硬化物を得ることが可能な、硬化性樹脂組成物を提供することを主目的とする。
本開示は、
(A)下記一般式(1)で示される化合物(a1)と、下記一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)との反応物であるウレタン化合物と、
(B)下記一般式(3)で示されるイソシアヌレート環を有する化合物と、
(C)平均一次粒径が10nm〜100nmの無機粒子と、
を含む、硬化性樹脂組成物を提供する。
(式中、Zは、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rは、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Rは、単結合又は2価の炭化水素基である。nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、n+mは2〜4を満たす数である。nが2以上のとき、2つ以上のZ及びRは同一であっても異なってもよい。mが2以上のとき、2つ以上のRは同一であっても異なってもよい。4−n−mが2のとき、2つのRは同一であっても異なってもよい。)
(式中、Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
(式中、Zはそれぞれ独立に、同一又は異種の、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
本開示の硬化性樹脂組成物は、イソシアヌレート環を有する(A)、(B)成分を含むことによって、架橋密度と、イソシアヌレート環同士の分子間の凝集力とのバランスを向上させることができるため、硬化物に伸張性を保持しつつ、エタノールやメタノール等の薬品に対しての耐性を付与することができる。さらには、イソシアヌレート環と重合性炭素−炭素二重結合含有基との間の基によって疎水性や伸張性を付与することができる。そのため、硬化物に優れた伸長性、極性の高いエタノールやメタノール等の薬品に対しての耐性を付与することができる。更に、(C)成分を含むことによって、耐摩耗性に優れる硬化物となる。
本開示においては、上記(A)成分は、上記一般式(1)中におけるnが3、mが1、Zが(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRがメチレン基である化合物(a1)と、上記一般式(2)中におけるRが直鎖状、分岐状、または環状の2価の脂肪族炭化水素基であるイソシアネート(a2)との反応物であることが好ましい。
(A)成分が、このような化合物であることにより、疎水性および伸張性が良好な硬化物を得ることができるからである。
本開示においては、上記(B)成分は、上記一般式(3)中におけるZが(メタ)アクリロイルオキシ基であり、3つRのうち少なくとも1つが、エステル基を含む炭素数5〜15の2価の脂肪族炭化水素基である化合物であることが好ましい。
このような(B)成分であれば、疎水性が向上し、より耐薬品性に優れた硬化物を得ることができるからである。
本開示の硬化性樹脂組成物は、更に、上記一般式(1)で示される化合物と、イソシアヌレート構造を含まず、脂環構造を有するイソシアネートとの反応物を含むものであることが好ましい。
このように、(A)成分とは異なるウレタン化反応物を含むことにより、より一層伸張性に優れた硬化物となるからである。
また、本開示は、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物を提供する。
本開示の樹脂硬化物は、優れた耐摩耗性、伸び性、及び耐薬品性を有する硬化物となる。
本開示は、基材層上に、上述の樹脂硬化物の層である樹脂硬化物層を有する積層フィルムを提供する。
本開示は、転写用基材層と、該転写用基材層上に積層されたハードコート層とを有する転写フィルムであって、上記ハードコート層は、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である、転写フィルムを提供する。
本開示は、樹脂基体と、上記樹脂基体上に積層されたハードコート層とを有する積層体であって、上記樹脂基体と上記ハードコート層との間に、プライマー層及び接着層のいずれか一方又は両方を有し、上記ハードコート層は、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である、積層体を提供する。
本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層であるハードコート層は、耐薬品性を有する硬化物を得ることができるため、プライマー層や接着層の耐薬品性が低い場合にも、積層体の耐薬品性を向上させることができる。
本開示の硬化性樹脂組成物は、優れた耐摩耗性、加工性(伸張性)、及び耐薬品性を有する硬化物を得ることができる、といった効果を奏する。
本開示の積層フィルムの一例を示す概略断面図である。 本開示の転写フィルムの一例を示す概略断面図である。 本開示の積層体の一例を示す概略断面図である。 本開示の積層フィルムの他の一例(ラミネートフィルム)を示す概略断面図である。 本開示の積層体の他の一例を示す概略断面図である。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討した結果、脂肪族系化合物により疎水性を上げても、硬化物に伸びと耐摩耗性を付与することができるが、耐薬品性は付与できないことを知見した。一方、架橋密度を上げて耐薬品性を向上させた場合は伸張性を低下させてしまう。そこで、イソシアヌレート環を有する特定の2種以上の有機化合物を使用することで、硬化物内におけるイソシアヌレート環の濃度と適度な架橋密度とのバランスをとることにより、伸張性を損なうことなく硬化物の耐薬品性(特には耐エタノール)を向上させることを可能としたものである。これはすなわち、イソシアヌレート環による分子間凝集力の向上により耐薬品性を向上させると共に、イソシアヌレート環が有する分子間凝集力による結合が比較的着脱が容易であることが想定されることから、これによる優れた伸長性を得ることができるものとの推定によるものである。さらには、無機粒子を含むことにより、耐摩耗性を達成できることを見出した。
以下、本開示の硬化性樹脂組成物、樹脂硬化物、積層フィルム、転写フィルム及び積層体について詳述する。
本明細書において(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの各々を表し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルの各々を表し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの各々を表す。
なお、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の態様の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実施の態様に比べ、各部材の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
I.硬化性樹脂組成物
本開示の硬化性樹脂組成物は、
(A)下記一般式(1)で示される化合物(a1)と、下記一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)との反応物であるウレタン化合物と、
(B)下記一般式(3)で示されるイソシアヌレート環を有する化合物と、
(C)平均一次粒径が10nm〜100nmの無機粒子と、
を含む、硬化性樹脂組成物である。
(式中、Zは、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rは、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Rは、単結合又は2価の炭化水素基である。nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、n+mは2〜4を満たす数である。nが2以上のとき、2つ以上のZ及びRは同一であっても異なってもよい。mが2以上のとき、2つ以上のRは同一であっても異なってもよい。4−n−mが2のとき、2つのRは同一であっても異なってもよい)
(式中、Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
(式中、Zはそれぞれ独立に、同一又は異種の、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
本開示の硬化性樹脂組成物は、イソシアヌレート環を有する上記(A)および(B)成分を含むことによって、分子間の凝集力を向上させることができる。さらには、イソシアヌレート環と重合性炭素−炭素二重結合含有基との間の基によって疎水性を付与することができる。そのため、硬化物に優れた伸張性、および極性の高いエタノールやメタノール等の薬品に対しての耐性を付与することができる。さらに、(C)成分を含むことによって、耐摩耗性に優れる硬化物となる。(A)成分のみであると、組成物中のイソシアヌレート環同士の分子間凝集力による耐薬品性が不十分となるが、(B)成分を含むことによってこれを補い、硬化物に優れた伸び性、耐薬品性を付与することができる。
A.ウレタン化合物(A)
本開示の硬化性樹脂組成物に用いられるウレタン化合物(A)は、下記一般式(1)で示される化合物(a1)と、下記一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)との反応物である
(式中、Zは、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rは、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Rは、単結合又は2価の炭化水素基である。nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、n+mは2〜4を満たす数である。nが2以上のとき、2つ以上のZ及びRは同一であっても異なってもよい。mが2以上のとき、2つ以上のRは同一であっても異なってもよい。4−n−mが2のとき、2つのRは同一であっても異なってもよい。)
(式中、Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
1.一般式(1)で示される化合物(a1)
上記一般式(1)で示される化合物(a1)中、Zは、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。
重合性炭素−炭素二重結合含有基としては、重合性炭素−炭素二重結合を含んでいれば特に限定されるものではないが、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、及びアリル基が挙げられる。nが2以上(即ち、2または3)のとき、2つ又は3つのZは、同一でも又は相異なっていてもよい。
は、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基であり、例えば、炭素数1〜3の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の脂肪族炭化水素基や、当該脂肪族炭化水素基の炭素−炭素結合間に、1つ以上のエーテル結合、エステル結合、又はカルボニル基等を含む基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基であり、特に好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基である。nが2以上(即ち、2または3)のとき、2つ又は3つのRは、同一でも又は相異なっていてもよい。
は、水素原子又は1価の炭化水素基であり、好ましくは、水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキル基であり、特に好ましくは、水素原子又はメチル基である。4−n−mが2のとき、2つのRは、それぞれ同一でも又は相異なっていてもよい。
は、単結合又は2価の炭化水素基であり、好ましくは、単結合または炭素数1〜3の直鎖状、分岐状、若しくは環状のアルキレン基であり、特に好ましくは、単結合またはメチレン基である。mが2以上(即ち、2または3)のとき、2つ又は3つのRは、同一でも又は相異なっていてもよい。
nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、n+mは2〜4を満たす数である。すなわち、n及びmの組み合わせが、(n、m)=(1、1)、(1、2)、(2、1)、(3、1)、(2、2)または(1、3)である。
化合物(a1)としては、ペンタエリスリトールが(メタ)アクリル変性されたもの、すなわち、ペンタエリスリトールに含まれる4つのヒドロキシ基のうちの1つ、2つ、または、3つの水酸基が(メタ)アクリル酸と反応したものであることが好ましい。1つのヒドロキシ基が(メタ)アクリル酸と反応したものはペンタエリスリトールモノアクリレートであり、n=1、m=3、Z=(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRはメチレン基である。2つのヒドロキシ基が(メタ)アクリル酸と反応したものはペンタエリスリトールジアクリレートであり、n=2、m=2、Z=(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRはメチレン基である。3つのヒドロキシ基が(メタ)アクリル酸と反応したものはペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)であり、n=3、m=1、Z=(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRはメチレン基である。
特に、化合物(a1)は、ペンタエリスリトール中の3つの水酸基が(メタ)アクリル酸で変性されたペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)が主成分であることが好ましい。これは、ペンタエリスリトールモノアクリレートやペンタエリスリトールジアクリレートの量比が大きい場合は、後述する一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)と反応した場合に、反応物であるウレタン化合物(A)が高分子化する可能性があり、反応物であるウレタン化合物(A)と、後述する化合物(B)との分散性を低下させてしまい、諸物性に悪影響を与える可能性があるからである。
したがって、化合物(a1)は、上記一般式(1)中におけるnが3、mが1、Zが(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRがメチレン基である化合物が主成分であること好ましい。
ここで、主成分であるとは、上述した通り、ウレタン化合物(A)を高分子化させることなく、諸物性に悪影響を及ぼさない程度にペンタエリスリトールモノアクリレートやペンタエリスリトールジアクリレートが含まれていてもよいことを意味する。
なお、上記化合物(a1)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
また、化合物(a1)としては、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)も好ましい。この場合、n=1、m=1、Z=(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRはメチレン基、2つのRは水素原子及びメチル基である。
2.一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)
一般式(2)中、Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。
上記Rとしては、例えば、炭素数6〜13の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の脂肪族炭化水素基や、1つ以上のエーテル結合、エステル結合、又はカルボニル基等を含む炭素数7〜13の2価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
このように、Rが所定の炭素数を有する脂肪族炭化水素基であるイソシアネート(a2)である場合、硬化物とした際に伸張性が良好となり、加工性に優れる硬化物を得ることができる。また、疎水性を付与することが可能となることにより耐薬品性に優れた硬化物を得ることができる。さらには、硬化物内のイソシアヌレート環の移動度を向上させることができるため、イソシアヌレート環同士の分子間凝集力による結合を向上させることができると推定される。
中でも、炭素数6〜8のアルキレン基が好ましく、特には、へキシレン基、シクロヘキシレン基が好ましい。
このようなイソシアヌレート環を有するイソシアネートは、分子中に2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートから誘導される。上記ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等のジイソシアネートが挙げられるが、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが好ましい。
3.その他
本開示のウレタン化合物(A)は、上記一般式(1)で示される化合物(a1)と、上記一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)とをウレタン化反応させて得られる化合物である。特には、上記一般式(1)中におけるnが3、mが1、Zが(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRがメチレン基である化合物(a1)と、上記一般式(2)中におけるRが直鎖状、分岐状、又は環状の2価の脂肪族炭化水素基であるイソシアネート(a2)との反応物であることが好ましい。
ウレタン化合物(A)を得る方法としては特に限定されず、一般的に公知の方法に従って、製造することができる。例えば、反応容器に、上記一般式(1)で示される化合物(a1)と、上記一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)と、必要に応じてウレタン化触媒、重合禁止剤、及び有機溶剤を投入し、所定の温度を維持して反応させる。
各成分の反応割合は、上記一般式(1)で示される化合物(a1)に含まれる水酸基と、上記一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)が当量となるように反応させることが好ましいが、製造においては、水酸基/イソシアネート基の当量比が、通常0.8〜1.1の範囲で反応させる。
なお、イソシアネート(a2)及び化合物(a1)は、どちらか一方の原料を予め投入した後に、予め投入した原料以外の原料を滴下して反応させてもよい。また、ウレタン化反応は、通常60〜120℃の範囲で行われる。ウレタン化反応の終点は、イソシアネート基を示す2270cm−1の赤外吸収スペクトルの消失や、JIS K 7301に記載の方法でイソシアネート基の含有量を求めることで確認することができる。ウレタン化触媒としては、ジブチルスズジラウレート等のスズ化合物やトリエチルアミン等のアミンを用いることができる。
ウレタン化合物(A)の分子量については、反応物であるウレタン化合物(A)と、後述する化合物(B)との分散性を向上させ、均一な物性となる点において、重量平均分子量が1000以上25000以下であることが好ましい。
ここで、本明細書における重量平均分子量は(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値として求める。
例えば、測定装置としては、東ソー社製GPC HLC−8220を用い、カラムにはShodex LF−404×2本を直列で接続、検出器には示差屈折率(RI)検出器、標準ポリスチレンとして、Agilent Technologies製Easical Type PS−2ポリスチレン(分子量範囲580〜364,000)を用いることができる。
本開示の硬化性樹脂組成物中のウレタン化合物(A)の量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の固形分100質量部中18質量部〜60質量部の範囲内、特に36質量部〜54質量部の範囲内であることが好ましい。硬化物に必要とされる諸物性を得ることができるからである。
なお、ウレタン化合物(A)と、後述する「D.その他の成分」で示すウレタン化合物(D)との混合物の状態で配合する場合には、ウレタン化合物(A)と、後述するウレタン化合物(D)との混合物の配合量は、硬化性樹脂組成物の固形分100質量部中10質量部〜90質量部の範囲内、特に20質量部〜70質量部の範囲内であることが、硬化物に必要とされる諸物性をより向上させることができるため好ましい。
B.イソシアヌレート環を有する化合物(B)
本開示における(B)成分は、下記一般式(3)で示されるイソシアヌレート環を有する化合物である。
(式中、Zはそれぞれ独立に、同一又は異種の、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
(B)成分を加えることによって、硬化物の架橋密度とイソシアヌレート環の密度とのバランスを向上させることができ、伸張性を損なうことなく、耐薬品性を向上させることができるといった効果を奏することができる。
上記一般式(3)において、Zは、それぞれ独立に、同一又は異種の、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。
また、上記重合性炭素−炭素二重結合含有基としては、上記一般式(1)におけるZで例示したものと同様のものが挙げられる。特に、重合性の観点から、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基が好ましい。
はそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基であるが、好ましくは、炭素数2〜7のアルキレン基、又は、エステル基を含む炭素数5〜15の2価の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。疎水性とすることにより、耐アルコール性を向上させることができると共に、硬化物内のイソシアヌレート環の移動度を向上させることができるため、イソシアヌレート環同士の分子間凝集力による結合を向上させることができると推定されるからである。
本開示においては、特に3つRのうち少なくとも1つが、エステル基を含む炭素数5〜15の2価の脂肪族炭化水素基である化合物であることが好ましい。この場合、他のRが炭素数2〜7の直鎖状のアルキレン基であることが好ましい。
3つRのうち少なくとも1つが、エステル基を含む炭素数5〜15の2価の脂肪族炭化水素基である化合物としては、適宜選択して、市販品を用いてもよく、例えば、下記式で示されるεカプロラクトン変性トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(NKエステル A9300−1CL,NKエステル A9300−3CL(新中村化学工業製))が挙げられる。また、その他の(B)成分としては、下記式で示される、εカプロラクトン変性されていないトリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(NKエステル A9300(新中村化学工業製))が挙げられる。
A9300−1CL
A9300−3CL
A9300
また、このような3つのRのうち少なくとも1つが、エステル基を含む炭素数5〜15の2価の脂肪族炭化水素基である化合物は、ヒドロキシ基を有するイソシアヌル酸トリスヒドロキシアルキル(例えば、イソシアヌル酸トリスヒドロキシエチル)に、ε−カプロラクトンを付加し、さらにその後アクリル酸を付加するといった2段階で合成することができる。
化合物(B)の量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の固形分100質量部中36質量部〜82質量部の範囲内、特に46質量部〜72質量部の範囲内であることが、硬化物に必要とされる諸物性を得るためには好ましい範囲であるといえる。
C.無機粒子(C)
本開示における(C)成分は、平均一次粒径が10nm〜100nmの無機粒子である。無機粒子としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、沈降性シリカなど)、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛などの金属酸化物からなる無機粒子が好ましく挙げられ、透明性と耐摩耗性の向上の観点から、シリカあるいはアルミナからなる無機粒子であることが好ましい。粒子形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、特に制限されないが、硬度がより高くなり優れたハードコート性が得られる点で、球状が好ましい。
無機粒子としては、非反応性でもよいし、表面に反応性官能基を有する反応性無機粒子であってもよい。反応性官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、エポキシ基、およびシラノール基等が好ましく挙げられ、高硬度性および耐スクラッチ性の向上の観点から、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、およびアリル基がより好ましい。
本開示における(C)成分の平均一次粒径が10nm〜100nmの無機粒子は、平均連結数2〜20個で連結凝集した無機粒子群(異形無機粒子)を形成していても良い。連結凝集は、規則的であっても不規則的であってもよい。
また、異形無機粒子は表面に反応性官能基を有していてもよい。反応性官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、エポキシ基、およびシラノール基等が好ましく挙げられる。
本開示の硬化性樹脂組成物は、(C)成分の量は、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の固形分100質量部中5質量部〜20質量部の範囲内、特に10質量部〜15質量部の範囲内であれば、確実に、優れた耐摩耗性を得ることができるために好ましい。
D.その他の成分
本開示の硬化性樹脂組成物は、さらに、上記一般式(1)で示される化合物と、イソシアヌレート構造を含まず、脂環構造を有するイソシアネートとの反応物であるウレタン化合物(D)を含むものであることが好ましい。このような、イソシアヌレート構造を含まず、脂環構造を有するイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
このように、(A)成分とは異なるウレタン化反応物を含むことにより、より一層伸び性に優れた硬化物となるために好ましい。
また本開示の硬化性樹脂組成物は、組成物の粘度を調整したり、硬化被膜の平滑性、均一性、被塗体に対する密着性等を向上させるために、溶剤を含有していても良い。溶剤としては公知のものが使用でき、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−エトキシプロパノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。溶剤は、2種以上を混合して用いてもよい。
本開示の硬化性樹脂組成物において、溶剤の含有割合は、目的に応じて適宜調整されれば良く特に限定されないが、硬化性樹脂組成物100質量部に対し、25質量部以上70質量部以下であることが好ましく、更に30質量部以上50質量部以下であることが好ましい。
また本開示の硬化性樹脂組成物は、硬化に紫外線を用いる紫外線硬化性とする場合には、硬化を速やかに行うため、本開示の組成物に光重合開始剤、重合促進剤、光開始助剤等を添加してもよい。光重合開始剤としては、公知のものが使用でき、例えばアセトフェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物等が挙げられる。また、重合促進剤及び光開始助剤として、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が使用できる。
なお、硬化に電子線を用いる電子線硬化性とする場合には、光重合開始剤、重合促進剤、光開始助剤等を添加する必要は無い。この場合、固形分中のウレタン化合物(A)及び化合物(B)の含有割合を高めることができ、耐摩耗性及び引張伸び性を向上し易い点から好ましい。
また本開示の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、更に、例えば光安定剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、界面活性剤、レベリング剤、熱重合禁止剤、帯電防止剤、防曇剤、抗菌剤、充填剤、顔料、染料、着色剤等の各種の添加剤を含有させることができる。
E.その他
本開示の硬化性樹脂組成物は、ウレタン化合物(A)、上記化合物(B)、無機粒子(C)、及び必要に応じて各種添加剤や溶剤を所定の割合で配合し、常法により均一に混合して得ることができる。
II.樹脂硬化物
本開示では、上述した硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物を提供する。
本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物は、基材上に、上記本開示の硬化性樹脂組成物を所望の厚さで塗工し、所望により溶剤を用いた場合、乾燥して溶剤を除去し、次いで、活性エネルギー線を照射して硬化させることにより製造することができる。本開示の樹脂硬化物は、優れた耐摩耗性、伸び性、及び耐薬品性を有する硬化物となる。
上記硬化性樹脂組成物を基材上に塗工する方法として特に限定されず、適宜公知の方法を適用でききる。塗工方法としては例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、スピンコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ダイコート法、スリットリバース法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、オフセット法、バーコート法等のいずれの方法によっても塗布することもできる。また、グラビア印刷、グラビアオフセット印刷、スクリーン印刷等の印刷方法により画像様に塗工することもできる。
なお、塗工量については硬化物の目的に応じて適宜選択されればよく、特に制限されない。例えば、ガラス代替品を目的とする場合、活性エネルギー線の照射によって硬化した硬化物層の膜厚が、2μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下、より好ましくは4μm以上10μm以下となるように塗工することが好ましい。
本開示の硬化性樹脂組成物に、適宜必要に応じて加えた溶剤を蒸発させるためには、熱風加熱、赤外線加熱、遠赤外線加熱等の公知の乾燥方法を適宜採用できる。
乾燥条件は、溶剤の沸点、基材の材質、塗布量等によって、好ましい範囲が異なるが、一般的には、60℃以上180℃以下の温度で、10秒以上30分以下行う方法等が挙げられる。
活性エネルギー線としては、キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タングステンランプ等の光源から発せられる紫外線、通常20〜2000kVの粒子加速器から取り出される電子線、α線、β線、γ線等を用いることができる。
本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物は、各種光学製品、各種ディスプレイ部材、車載用内外装部品、壁紙、家具、窓ガラスなどに用いられる住宅用各種部材等に好適に用いることができる。
III.積層フィルム
本開示では、基材層上に、上述の樹脂硬化物の層である樹脂硬化物層を有する積層フィルムを提供する。図1は、本開示の積層フィルムの一例を示す概略断面図である。
図1に示されるように、本開示の積層フィルム10は、基材層1上に、上記本開示の硬化性樹脂組成物の樹脂硬化物層2を備える構成をとる。
本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層は、優れた耐摩耗性を有する。本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層表面を、JIS K7105に従って摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転数500回転の条件にて、テーバー摩耗試験を行い試験前後のヘーズ値の差ΔH%を測定した場合に、ΔH%は、10.0%未満であることが好ましく、さらに、8.0%未満であることが好ましい。
本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層は、優れた引張伸び性を有する。本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層を、引張試験機(島津製作所製AUTOGRAPH AG−X)を用いて、チャック間距離5cm、引っ張り速度50mm/分で、引張試験を実施し、硬化物層にクラックが生じたときの伸びの長さを測定し、下記のように伸度を求める場合の伸度は、25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがよりさらに好ましい。
伸度=(硬化物層にクラックが生じたときの伸びの長さ)/(試験前の硬化物層の長さ)×100(%)
本開示の積層フィルム10は、その使用態様に応じて、更に別の層を備えていても良いもよい。使用態様としては、下記で詳述するように、樹脂硬化物層の転写に供する転写フィルムと、フィルム全体を貼り付けるラミネートフィルムとに大別することができる。
A.転写フィルム
本開示では、転写用の基材層と、該基材層上に積層されたハードコート層とを有する転写フィルムであって、上記ハードコート層は、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である、転写フィルムを提供する。図2は、本開示の転写フィルムの一例を示す概略断面図である。
図2に示される本開示の転写フィルム10は、転写用基材層1と、本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層であるハードコート層2とを有し、更に、ハードコート層2上に、プライマー層3、接着層4をこの順に備えるものである。
また、図示しないが、本開示の転写フィルムは、基材層上に、ハードコート層とプライマー層とをこの順に備える態様であっても良い。さらに、本開示の転写フィルムは、加飾層など、接着層やプライマー層とは別の層をさらに備える態様であってもよい。加飾層など別の層は、公知の層を適宜選択して用いることができる。
図2に示される本開示の転写フィルム10は、転写用基材層1とは反対側の最外面に接着機能を有する接着層(例えば、ヒートシール層)4を有することで、転写用基材層を除く本態様のハードコートフィルムを、接着層4を介して被着体に転写貼付することができる。また、プライマー層3がハードコート層2及び被着体に接着性を有するものであれば、接着層4を設けなくてもよい。更に、本開示の転写フィルムは、加飾層が被着体との接着機能を有する場合には、接着層4を設けることなく、加飾層によって被着体に転写貼付することができる態様であってもよい。
この転写フィルムによれば、図3に示すように、接着層4側を樹脂基体21に貼付して積層体20としたときに、ハードコート層2と樹脂基体21との間に、プライマー層3や接着層4のいずれか一方又は両方が位置することになる。プライマー層3や接着層4に含まれる熱可塑性樹脂は、エタノール等の薬品に対する耐性が低い場合が多いが、このような耐薬品性が低い層が存在する場合にも、本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層であるハードコート層は、耐薬品性を有するため、積層体の耐薬品性を向上させることができる。
本開示の転写フィルムは、種々の使用態様を取ることができるが、特に、熱転写法、インモールド成形法に用いられることが好ましい。言い換えれば、転写フィルムは、熱転写法、インモールド成形法用途であることが好ましい。
以下、本開示の転写フィルムの各構成について説明する。
1.基材層
本開示の転写フィルムにおける転写用基材層は、本開示のハードコート層を樹脂基体に転写する際に、剥離される部材である。
上記基材層としては、特に限定されず、一般的な転写フィルムの剥離層として用いられるものを用いることができる。例えばポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム等の樹脂フィルムが挙げられる。
上記基材層は、透明性の有無、着色の有無は問わず、適宜設定することができる。
上記基材層のハードコート層側の面は、公知の離型処理がされていてもよく、シリコーン樹脂等の離型層が設けられていてもよい。上記基材層とハードコート層との間で容易に剥離可能となるからである。
上記基材層は、単層構成であってもよく、複層構成でもよい。複層構成の場合、複層構成全体で上記厚みの範囲とすることができる。
2.ハードコート層
ハードコート層は、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である。硬化性樹脂組成物及び硬化物については、上記「I. 硬化性樹脂組成物」「II.樹脂硬化物」の項で詳細に説明したため、ここでの説明は省略する。
3.プライマー層
プライマー層は、本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層と、上記接着層など別の層との接着性が不十分である場合に、更に設けてもよい。
プライマー層の材料としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等を使用できるが、これらに限定されるものではない。 また、プライマー層には、上述の本開示の硬化性樹脂組成物に含まれていてもよい添加剤を含んでいてもよい。
プライマー層の膜厚は、特に制限されないが、例えば、0.1μm以上10μm以下が挙げられ、好ましくは1μm以上5μm以下が挙げられる。
4.接着層
本開示の転写フィルムは、上記基材層側の面とは反対側の最外層に接着層を設けることができる。この態様においては、上記接着層が、ヒートシール性を有することで、本態様のハードコートフィルムを、上記接着層を介して樹脂基体に転写貼付することができる。なお、ヒートシール性とは、所望の条件で加熱し、接着層に含まれる樹脂を溶融することで被着体に接着可能となる性質を指す。
上記接着層がヒートシール性を有する場合、すなわちヒートシール層である場合、上記接着層は熱で溶着可能な熱可塑性樹脂を含む。上記熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えばアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、スチレン樹脂等とすることができる。上記樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
上記接着層の厚みは、特に限定されないが、本態様の転写フィルムを樹脂基体に貼付する際に十分な接着力が得られる厚みとなるように適宜設定することができる。上記厚みとしては、例えば1μm以上7μm以下とすることができ、好ましくは1μm以上6μm以下とすることができる。
5.加飾層
本態様において更に加飾層を設ける場合、加飾層は典型的には、図2におけるプライマー層3のハードコート層2とは反対側に配置される。
上記加飾層は、着色剤およびバインダー樹脂を含む。上記加飾層に含まれるバインダー樹脂は、特に限定されず、一般的な加飾層に用いられる樹脂とすることができる。上記樹脂としては、例えば、ポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
また、上記加飾層に含まれる着色剤は、特に限定されず、一般的な加飾層に用いられる公知の着色剤とすることができる。上記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系の有機顔料又は染料等が挙げられる。
上記加飾層は、プライマー層のハードコート層とは反対側の面の一部に配置されていてもよく、全面に配置されていてもよい。また、上記加飾層は、プライマー層のハードコート層とは反対側の面の全面を覆う非パターン状であってもよく、プライマー層のハードコート層とは反対側の面において、加飾層の配置領域と非配置領域とが生じるパターン状であってもよい。また、パターン状の加飾層は、所望の意匠を表していてもよい。上記意匠は特に限定されず、例えば文字、図形、記号等の柄や絵柄とすることができる。
上記加飾層は、透明であってもよく、半透明であってもよく、不透明であってもよい。
上記加飾層の厚みは、特に限定されないが、例えば5μm以上40μm以下とすることができ、好ましくは5μm以上30μm以下とすることができる。
また、本態様の転写フィルムにおいて、加飾層を設ける場合、加飾層と接着層とは、別体で形成されてもよいが、上記加飾層と上記接着層とが一体で形成されていてもよい。加飾層と接着層とが一体で形成された単一層を、加飾層兼接着層とすることができる。加飾層兼接着層は、例えば、加飾層が熱で溶着可能な熱可塑性樹脂を含むことで、加飾層としての機能と接着機能との両方の機能を発揮することができる。
6.製造方法
本開示の転写フィルムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、転写基材層上にハードコート層形成用組成物を塗布および硬化してハードコート層を形成する工程を少なくとも含む。図2で示される態様の転写フィルムを製造する場合、ハードコート層上にプライマー用組成物を塗布し、必要に応じて硬化してプライマー層を形成し、上記プライマー層上に熱可塑性樹脂を塗布して接着層を形成することで製造することができる。
B.ラミネートフィルム
図4は、本開示の積層フィルムの他の態様であるラミネートフィルムの一例を示す概略断面図であり、図2に例示した転写フィルム10における基材層1が、プライマー3層と接着層4との間に位置すること以外は、図2と同様である。即ち、図4で示される本態様の積層フィルム10は、本開示の硬化性樹脂組成物の硬化物層であるハードコート層2、プライマー層3、基材層1、および接着層4をこの順に備えている。また、加飾層を設ける場合、基材層とプライマー層との間に設けることが可能である。
本態様の積層フィルムは、ハードコート層側とは反対側の最外面に接着機能を有することで、ラミネート用積層フィルムとすることができ、被着体にラミネート貼付することができる。例えば、図4で例示するように、本開示の積層フィルム10は、ハードコート層2側の面とは反対側の面に、接着剤または粘着剤を含む接着層(接着剤層または粘着剤層)4を有することで、本態様の積層フィルムを、接着層を介して被着体にラミネート貼付することができる。また、本態様の積層フィルム10は、基材層1が被着体との接着機能を有することで、接着層を設けることなく被着体にラミネート貼付することができる態様であってもよい。
図5は、図4で示されるラミネートフィルムを樹脂基体にラミネート貼付して得られる積層体の例を示す概略断面図である。図5で例示する積層体20は、樹脂基体21と、接着層4と、基材層1と、プライマー層3と、ハードコート層2と、をこの順に有する。また、加飾層を設ける場合、基材層とプライマー層との間に設けることが可能である。
本態様のラミネートフィルムを樹脂基体にラミネートして積層体を得ることで、ハードコート層が最外層に位置するため、上記積層体の耐摩耗性、加工性(伸び性)、及び耐薬品性を向上させることができる。
以下、本態様のラミネートフィルムの各構成について説明する。なお、本態様のラミネートフィルムにおけるハードコート層、プライマー層、並びに加飾層の詳細については、上記「A.転写フィルム」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
1.基材層
本態様のラミネートフィルムにおける基材層は、上記プライマー層と上記接着層の間に配置される。本態様のラミネートフィルムにおいて上記基材層は、本態様のラミネートフィルムを樹脂基体にラミネート貼付する際に、剥離されずに他の構成をともに樹脂基体上に配置される。
上記基材層としては、特に限定されないが、例えばアクリル樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム等の樹脂フィルムを用いることができる。
上記基材層は、透明性は問わない。また、上記基材層は、着色剤を含む着色基材層であってもよく、無色であってもよい。
本態様において、上記基材層の少なくともハードコート層側の面は、公知の表面改質処理がされていてもよく、易接着コート剤の塗布層が設けられていてもよい。上記基材層とハードコート層との間の密着性を向上させることができるからである。
上記基材層の厚みは、特に限定されないが、例えば4μm以上200μm以下とすることができる。上記基材層は、単層構成であってもよく、複層構成でもよい。複層構成の場合、複層構成全体で上記厚みの範囲とすることができる。
2.接着層
本態様のラミネートフィルムは、上記基材層の上記プライマー層側の面とは反対側の面に接着層を有することができる。これにより本態様のハードコートフィルムを、接着層を介して樹脂基体にラミネート貼付することができるからである。
本態様においては、上記接着層は、粘着剤を含む接着層(粘着剤層)または接着剤を含む接着層(接着剤層)とすることができる。上記接着剤層または上記粘着剤層を構成する樹脂は、特に限定されず、ラミネート用途に用いられる一般的な接着剤または粘着剤に含まれる樹脂と同様とすることができる。例えばアクリル系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、ラテックス系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタンエステル系樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)やフッ化ビニル系樹脂(PVF)等のフッ素系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、ゴム等を挙げることができる。
また、本態様においては、上記接着層がヒートシール層であってもよい。ヒートシール層については、上記「A.転写フィルム」の「4.接着層」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記接着層の厚みは、特に限定されないが、本態様のラミネートフィルムを樹脂基体に貼付する際に、十分な接着力が得られる厚みとなるように適宜設定することができる。例えば1μm以上7μm以下とすることができ、好ましくは1μm以上6μm以下とする
ことができる。
本態様のラミネートフィルムにおいて、基材層と、上記接着層とは、別体で形成さているが、上記基材層と上記接着層とが一体で形成されていてもよい。上記基材層と上記基材層の上記加飾層側の面とは反対側の面に有する接着層とが一体で形成された単一層を、基材層兼接着層とすることができる。基材層兼接着層は、例えば、基材層が熱可塑性樹脂を含むことで、基材層としての機能と接着機能との両方の機能を発揮することができる。
3.製造方法
本態様のラミネートフィルムの製造方法は、特に限定されないが、例えば、基材層の一方の面上にプライマー用組成物を塗布し必要に応じて硬化してプライマー層を形成し、プライマー層上にハードコート層形成用組成物を塗布および硬化してハードコート層を形成し、上記基材層の、プライマー層側の面とは反対側の面に接着剤または粘着剤を塗布して接着層を形成して得ることができる。
IV.積層体
本開示においては、樹脂基体と、上記樹脂基体上に積層されたハードコート層とを有する積層体であって、上記樹脂基体と上記ハードコート層との間に、プライマー層及び接着層のいずれか一方又は両方を有し、上記ハードコート層は、上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である、積層体を提供する。本開示の積層体は、層構成に応じて2つの態様に大別される。以下、各態様の積層体についてそれぞれ説明する。
A.転写フィルムを用いた積層体
本態様の積層体は、上述した転写フィルムを用いて製造した積層体である。既に説明した図3は、本態様の積層体の一例を示す概略断面図である。この積層体20は、樹脂基体21と、接着層4と、プライマー層3と、ハードコート層2と、をこの順に有し、ハードコート層は上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である。また、上記「III.積層ィルム」の「A.転写フィルム」の項で詳述したように、加飾層を更に設けてもよい。
本態様の積層体によれば、ハードコート層が最外層に位置するため、積層体の耐摩耗性、加工性(伸び性)、及び耐薬品性を向上させることができる。
以下、本態様の積層体の各構成について説明する。なお、本態様の積層体における接着層、プライマー層、加飾層およびハードコート層等については、上記「III.積層ィルム」の「A.転写フィルム」の項で詳細に説明したため、ここでの説明は省略する。
1.樹脂基体
被着体となる樹脂基体については、特に制限されないが、例えば、一般住居や公共施設の建築構造物の外内装材、自動車内外装用の部品、太陽電池カバー、太陽電池基板、家電製品の部材、照明用カバー、各種ディスプレー装置の前面板又はカバー、信号機や光学機器に使用されるレンズ類等が挙げられる。本開示の転写シートにおいて、樹脂基体は、ハードコート性(耐傷性等)の付与が求められる樹脂成型品であればよいが、好ましくは、透明で強度があり、現状のガラス代替として使用可能な有機ガラスが挙げられる。有機ガラスとしては、具体的には、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオレフィン、ABS等が挙げられる。これらの有機ガラスの中でも、ポリカーボネートは耐衝撃性や透明性に優れており、好適に使用される。
B.ラミネートフィルムを用いた積層体
本態様の積層体は、上述したラミネートフィルムを用いて製造した積層体である。既に説明した図5は、本態様の積層体の一例を示す概略断面図である。この積層体20は、樹脂基体21と、接着層4と、基材層1と、プライマー層3と、ハードコート層2と、をこの順に有し、ハードコート層は上述の硬化性樹脂組成物の硬化物である。
本態様の積層体によれば、ハードコート層が最外層に位置するため、積層体の耐摩耗性、加工性(伸び性)、及び耐薬品性を向上させることができる。
以下、本態様の積層体の各構成について説明する。なお、本態様の積層体における樹脂基体、接着層、プライマー層、加飾層およびハードコート層等については、上記「III.積層フィルム」の「A.転写フィルム」および「B.ラミネートフィルム」、「IV.積層体」の「A.転写フィルムを用いた積層体」の項で詳細に説明したため、ここでの説明は省略する。
C.製造方法
本開示の積層体の製造方法としては、例えば、予め準備された樹脂基体の表面に積層フィルムを配置する工程であっても良い。また、上記樹脂基体の形成と上記積層フィルムの配置とが同時に行われる工程であっても良い。以下、前者の工程を第一の製造工程、後者の工程を第二の製造工程と称してそれぞれ説明する。
1.第一の製造工程
上記第一の製造工程によって積層体を製造する方法としては、押出し成形等により樹脂基体を成形し、その直後又は冷却後に、ロール等を用いて本開示の積層フィルムの接着層の面を、当該樹脂基体に圧着して積層する方法が挙げられる。樹脂基体に本開示の積層フィルムの接着層の面を圧着する際に、必要に応じて接着層が少なくとも1部が溶融する程度に加熱してもよい。積層フィルムの加熱は、圧着前の転写フィルムの予備加熱、熱圧ロールによる圧着と同時の加熱等によって行うことができる。また、転写前に樹脂基体を予備加熱してもよい。
本開示の積層フィルムが転写フィルムである場合、樹脂基体に本開示の転写フィルムを貼付した後に、転写用基材層を剥離して除去すればよい。また、樹脂基体に本開示の転写フィルムを貼付した後に、更に、これを曲げ加工等の成形処理に供してもよい。このような成形加工は、転写用基材層の剥離前又は後のいずれで行ってもよい。
本開示の積層フィルムは、硬化物層が加工性(伸び性)に優れるため、このような曲げ加工を行っても、クラックが生じにくい。
2.第二の製造工程
第二の製造工程においては、上記積層体の形成と上記積層フィルムの配置とが同時に行われる。第一の製造工程における樹脂基体は、通常樹脂固形物の成形体である。この場合、具体的な積層体の製造方法としては、例えば、インサート成形法、射出成形同時加飾法、ブロー成形法、ガスインジェクション成形法等の各種射出成形法が挙げられる。
すなわち、第二の製造工程は、射出成形法を用いて樹脂基体を形成し、かつ上記樹脂基体の表面に上記積層フィルムを配置する工程が同時に行われる工程であっても良い。
本開示においては、中でも、インサート成形法、または射出成形同時加飾法を用いることが好ましい。
(i)インサート成形法
本開示における第二加飾工程が、インサート成形法を用いる工程である場合について説明する。
ここで、インサート成形法は、樹脂基体の表面に積層フィルムを配置する方法であり、樹脂基体と積層フィルムの配置とを同時に行う方法である。インサート形成法においては、予め積層フィルムを物品表面形状に成形する成形工程と、成形された上記積層フィルムを射出成形型に配置した後、上記射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂の組成物を上記射出成形型内部に射出する射出工程と、射出された上記樹脂の組成物を固化させることにより、樹脂基体を成形し、上記樹脂基体の表面に積層フィルムを配置する固化工程とを少なくとも有する。
本開示の積層フィルムがインサート成形法に用いられる場合、積層フィルムの構成としては、上記ラミネートフィルムの態様であることが好ましい。
(ii)射出成形同時加飾法
本開示における第二加飾工程が、射出成形同時加飾法を用いる工程である場合について説明する。
ここで、射出成形同時加飾法は、樹脂基体の表面に積層フィルムを配置する方法であり、樹脂基体の成形と積層フィルムの配置とを同時に行う方法である。射出成形同時加飾法は、インモールド成形法とも称される方法である。射出成形同時加飾法においては、例えば、射出成形型における雌型と真空成形型との機能を備える兼用雌型を用いて積層フィルムを予備成形する予備成形工程と、予備成形された上記積層フィルムが配置された射出成形型を閉じ、流動状態の樹脂組成物を上記射出成形型内部に射出する射出工程と、射出された上記樹脂組成物を固化させることにより、物品を成形し、上記物品の表面に積層フィルムを配置する固化工程とを有する。
射出成形同時加飾法においては、上述した「III.積層フィルム B.ラミネートフィルム」で説明したラミネートフィルムを用いても良く、「III.積層フィルム A.転写フィルム」で説明した転写フィルムを用いても良いが、後者がより好ましい。固化工程後、射出成形型から加飾物品を良好に取り外すことができるからである。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、本開示について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本開示を制限するものではない。
(実施例1〜8、比較例1〜5)
(1)硬化性樹脂組成物の調製
下記表1の配合成分、配合割合(質量部)からなる硬化性樹脂組成物を調製した。用いたウレタン化合物(A)及びアクリレート化合物(B)、無機粒子(C)、溶剤は、以下の通りである。
・ウレタン化合物1:HDIヌレート体−(PETA)3
※ IPDI−(PETA)2との混合物
(HDIヌレート体−(PETA)3:ペンタエリスリトールトリアクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されたイソシアヌレート環を有するイソシアネートとの反応物、 IPDI−(PETA)2:ペンタエリスリトールトリアクリレートとイソホロンジイソシアネートとの反応物)
・ウレタン化合物2:HDIヌレート体−(HPA)3
HDIヌレート体−(HPA)3:ヘキサメチレンジイソシアネートから誘導されたイソシアヌレート環を有するイソシアネートとHPA(2−ヒドロキシプロピルアクリレート)との反応物
・アクリレート化合物1:下記式で表されるNKエステル A9300−1CL(新中村化学工業製)
・アクリレート化合物2:下記式で表されるNKエステル A9300(トリス−(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業製)
・アクリレート化合物3:下記式で表されるNKエステル A9300−3CL(新中村化学工業製)
・比較アクリレート化合物4:下記式で表されるPETA
・比較アクリレート化合物5:下記式で表される1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(NKエステルA−HDN)
・比較アクリレート化合物6:下記式で表されるネオペンチルグリコールジアクリレート(ライトアクリレートNP−A)
・無機粒子1:シリカ ELCON V8803−25(日揮触媒化成社製) 固形分40%、最大粒径25nm、溶剤MIBK(メチルイソブチルケトン)、反応性異形シリカ、平均一次粒径10nm〜100nmのシリカ粒子が2〜20個連結凝集したものであり、反応性基がエチレン性不飽和結合含有基
・無機粒子2:シリカ ELCON V8802(日揮触媒化成社製) 固形分40%、平均一次粒径12nm、溶剤MIBK(メチルイソブチルケトン)、球状シリカ
・溶剤:MEK(メチルエチルケトン)
(2)伸度評価
厚み75μmの離形処理を施したPETフィルム上に、各硬化性樹脂組成物を、バーコーター#10にて塗工量が5±1g/mで塗布後、90℃1分間乾燥し、塗膜を形成した。当該塗膜に、8Mrdの電子線照射を行い、上記硬化性樹脂組成物の硬化物層を表面に備えた積層フィルムを得た。
各例で得られた積層フィルムを2.5cm×10cmの大きさに切り出し、当該サンプルについて引張試験機(島津製作所製AUTOGRAPH AG−X)を用いて、チャック間距離5cm、引っ張り速度50mm/分で、PETフィルムごと引っ張り、引張試験を実施した。硬化物層にクラックが生じたときの伸びの長さを測定し、下記のように伸度を求めて評価した。
伸度=(硬化物層にクラックが生じたときの伸びの長さ)/(試験前の硬化物層の長さ)×100(%)
<評価基準>
○:30%以上
△:20%以上30%未満
×:20%未満
(3)耐摩耗性評価
厚み50μmの離形処理を施したPETフィルム上に、各硬化性樹脂組成物を、バーコーター#10にて塗工量が5±1g/mで塗布後、90℃1分間乾燥し、塗膜を形成した。当該塗膜に、8Mrdの電子線照射を行い、上記硬化性樹脂組成物の硬化物層を得た。
上記硬化物層に、バーコーター#20にて下記のプライマー層形成用樹脂組成物を塗工量7±1g/mで塗布後、90℃1分間乾燥させてプライマー層を得た。
(プライマー層形成用の樹脂組成物)
ポリカーボネート系ウレタンアクリル共重合体:100質量部
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤:17質量部
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤:13質量部
光安定剤:8質量部
粒子(シリカ粒子、平均粒径:3μm):9質量部
硬化剤(ヘキサンメチレンジイソシアネート):25質量部
更に、上記プライマー層に、バーコーター#20にて熱融着樹脂(アクリル樹脂)を塗工量が7±1g/mで塗布後、90℃1分間乾燥させ、積層フィルムとした。積層フィルムを10cm×10cm 厚み2mmのポリカーボネート(PC)板に熱ラミネートロールで貼り合わせた。その後、PC転写板のPETフィルムを剥がし、積層体を得た。
各例で得られた積層体を10cm×10cmの大きさに切り出し、当該サンプルについて、JIS K7105に従って摩耗輪CS−10F、荷重500g、回転数500回転の条件にて、テーバー摩耗試験を行い試験前後のヘーズ値の差ΔH%を測定した。
<評価基準>
○:ΔH%が3.0%未満
△:ΔH%が3.0%以上、5.5%未満
×:ΔH%が5.5%以上
(4)耐エタノール性評価
上記耐摩耗性評価と同様に製造した積層体のハードコート層表面に、1cm角のベンコットンにスポイトでネオエタノールを8〜10滴滴下し、溶剤の揮発防止のためにカバーを被せ、24時間放置した。
○:変化なし
△:僅かに割れが発生
×:大きく割れが発生
上記評価結果を表1に合わせて示す。
本開示の硬化性樹脂組成物は、優れた耐摩耗性、伸び性、及び耐薬品性を有する硬化物を得ることができた。
1… 基材層
2 … 樹脂硬化物層(ハードコート層)
3 … プライマー層
4 … 接着層
10 … 積層フィルム
20 … 積層体
21 … 樹脂基体

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(1)で示される化合物(a1)と、下記一般式(2)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート(a2)との反応物であるウレタン化合物と、
    (B)下記一般式(3)で示されるイソシアヌレート環を有する化合物と、
    (C)平均一次粒径が10nm〜100nmの無機粒子
    とを含む、硬化性樹脂組成物。
    (式中、Zは、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rは、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。Rは、水素原子又は1価の炭化水素基である。Rは、単結合又は2価の炭化水素基である。nは1〜3の整数であり、mは1〜3の整数であり、n+mは2〜4を満たす数である。nが2以上のとき、2つ以上のZ及びRは同一であっても異なってもよい。mが2以上のとき、2つ以上のRは同一であっても異なってもよい。4−n−mが2のとき、2つのRは同一であっても異なってもよい。)
    (式中、Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
    (式中、Zはそれぞれ独立に、同一又は異種の、重合性炭素−炭素二重結合含有基である。Rはそれぞれ独立に、同一又は異種の、酸素原子を含んでも良い2価の炭化水素基である。)
  2. 前記(A)成分は、前記一般式(1)中におけるnが3、mが1、Zが(メタ)アクリロイルオキシ基、R及びRがメチレン基である化合物(a1)と、前記一般式(2)中におけるRが直鎖状、分岐状、又は環状の2価の脂肪族炭化水素基であるイソシアネート(a2)との反応物である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記(B)成分は、前記一般式(3)中におけるZが(メタ)アクリロイルオキシ基であり、3つRのうち少なくとも1つが、エステル基を含む炭素数5〜15の2価の脂肪族炭化水素基である化合物である、請求項1又は請求項2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. さらに、上記一般式(1)で示される化合物と、イソシアヌレート構造を含まず、脂環構造を有するイソシアネートとの反応物を含むものである、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物。
  6. 基材層上に、請求項5に記載の樹脂硬化物の層である樹脂硬化物層を有する積層フィルム。
  7. 転写用基材層と、前記転写用基材層上に積層されたハードコート層とを有する転写フィルムであって、
    前記ハードコート層は、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、転写フィルム。
  8. 樹脂基体と、前記樹脂基体上に積層されたハードコート層とを有する積層体であって、
    前記樹脂基体と前記ハードコート層との間に、プライマー層及び接着層のいずれか一方又は両方を有し、
    前記ハードコート層は、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、積層体。
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