JP2020192699A - ガスバリア積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材として、例えば二軸延伸ポリプロピレンを含むポリオレフィンなど耐熱性が劣る材料を用いた場合でも、ボイルやレトルト処理後も優れたガスバリア性を保つガスバリア積層体を提供する。【解決手段】基材21上に、金属酸化物を含む層(A)を少なくとも1層以上積層し、その上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含む層(B)を積層し、その上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含む層(C)を積層し、層(B)に含まれる(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)および(b)の樹脂分(b´)と、層(C)に含まれる(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)および(d)の樹脂分(d´)の重量比がa´/b´≧c´/d´の関係式を満たすガスバリア積層体10。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア積層体に関する。
近年、食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質、とくに食品においては蛋白質や油脂等の酸化、変質を抑制し、さらに味、鮮度を保持するために、また無菌状態での取り扱いが必要とされる医薬品においては有効成分の変質を抑制し、効能を維持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらの気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
そのため、従来からガスバリア性を備えた包装材料として、無機蒸着層や水溶性高分子を含むガスバリア層を備えたガスバリア積層体が一般的に使用されている。
特許文献1では、プラスチック基材上に蒸着薄膜層を形成し、その上にガスバリア層を形成してガスバリア性を発現している。しかしながら、プラスチック基材として例えば二軸延伸ポリプロピレンを用いた場合には、ボイル処理やレトルト処理等の加熱処理を施すとガスバリア性が劣化するという問題がある。特許文献2では、ポリオレフィン基材上に有機塩基を含む層を形成し、その上にガスバリア層を2層形成してガスバリア性を発現している。しかしながら、ボイル処理やレトルト処理等の加熱処理を施すとガスバリア性が劣化するという問題がある。一般にボイルやレトルト処理が可能なバリアフィルムの基材には耐熱性に優れたポリエチレンテレフタレート基材などが用いられており、二軸延伸ポリプロピレンを含むポリオレフィンは耐熱性が劣るため、ボイルやレトルト処理を施すバリアフィルムの基材として用いられない。
特開第5245507号公報 特許第4903370号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ガスバリア積層体の基材として、例えば二軸延伸ポリプロピレンを含むポリオレフィンなど耐熱性が劣る材料を用いた場合でも、ボイルやレトルト処理後も優れたガスバリア性を保つガスバリア積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、シリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料とポリビニルアルコールまたはその変性体とを特定の重量比で含有した層を積層することにより、ボイルやレトルト処理後も優れたガスバリア性を保つことを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は、以下の態様を有する。
<1>基材上に、金属酸化物を含む層(A)を少なくとも1層以上積層し、その上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含む層(B)を積層し、さらにその上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含む層(C)を積層し、層(B)に含まれる(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)および(b)の樹脂分(b´)と、層(C)に含まれる(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)および(d)の樹脂分(d´)の重量比がa´/b´≧c´/d´の関係式を満たすガスバリア積層体である。
<2>前記層(B)はシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含有し、(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)と(b)の樹脂分(b´)の重量比(a´/b´)が60/40以上80/20以下の範囲であることを特徴とする<1>に記載のガスバリア積層体である。
<3>前記層(C)はシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含有し、(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)と(d)の樹脂分(d´)の重量比(c´/d´)が3/97以上75/25以下の範囲であることを特徴とする<1>または<2>に記載のガスバリア積層体である。
<4>前記層(B)および(C)の膜厚がそれぞれ0.1μm以上1μm以下の範囲であることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のガスバリア積層体である。
<5>前記基材がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする<1>から<4>のいずれかに記載のガスバリア積層体である。
ガスバリア層を2層構造とすることで、同じ厚さの1層構造のガスバリア層より、ガスバリア性は非常に良好となる。また、蒸着層として金属酸化物を含む層を用いた場合、その蒸着層の上の2層のガスバリア層のうち、外側のガスバリア層の方の加水分解後のシリコン原子の割合を、内側のガスバリア層よりも少なく(もしくは同じ)とすることで、蒸着層としての金属酸化物を含む層に応力が掛かりにくくなるため、金属酸化物を含む層にクラックが発生しにくくなる。
以上により、耐熱性が劣る基材を用いた場合でも、ボイルやレトルト処理後も優れたガスバリア性を保つガスバリア積層体を提供することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るガスバリア積層体を示す断面図である。
図1は、本発明の一実施形態に係るガスバリア積層体(10)を示す断面図である。図1に示す通り、本発明のガスバリア積層体(10)は、基材(21)の上に、金属酸化物を含む層(A)を積層し、その上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含む層(B)を積層し、さらにその上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含む層(C)を積層している。層(B)と層(C)は、どちらもガスバリア層(22)である。
基材(21)として使用する材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン(二軸延伸ポリオレフィン含む)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、トリアセチルセルロース、シクロオレフィン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、ガスバリア積層体にシーラント層を設ける場合、そのシーラント層には、リサイクル性も考慮した環境にやさしいポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましく、基材にもこのシーラント層と同系の材料であるポリオレフィン系樹脂を使用することで、より環境にやさしいガスバリア積層体が形成される。基材(21)の膜厚は、制約を加える事項ではないが、3μm以上100μm以下程度の一般的な膜厚であることが望ましい。
基材(21)には、必要に応じて帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑り剤といった添加剤が含まれていてもよい。さらに、基材表面に、コロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理、易接着処理等の改質処理など施してもよいし、これらの処理を施したアンカーコート層を設けてもよい。また別途、基材の凹凸を低減するために平坦化層を施してもよい。
基材(21)に設けられ得るアンカーコート層や平坦化層のためのコーティング剤としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂が挙げられる。これらのコーティング剤の中でも、耐熱性及び層間接着強度の観点から、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂が好ましい。
上記基材(21)の上に、金属酸化物を含む層(A)を少なくとも1層以上積層する。この金属酸化物を含む層(A)は、少なくとも1層は真空成膜で形成することが必要である。真空成膜では、物理気相成長法あるいは化学気相成長法を用いることができる。物理気相成長法としては、真空蒸着法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。化学気相成長法(CVD法)としては、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
ここでは、特に、抵抗加熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、誘導加熱式真空蒸着法、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等が好ましく用いられる。
本発明で用いられる金属酸化物を含む層(A)は、所謂、酸化ケイ素もしくは酸化アルミニウムと呼ばれる金属酸化物層を用いることができるが、窒素やアルミ原子を含有しても差し支えない。
本発明で用いられる金属酸化物を含む層(A)は、3nm以上100nm以下であることが好ましい。膜厚が3nm未満であると、十分な水蒸気バリア性能を得ることができない。また、硬化膜厚が100nmより大きいと、硬化収縮の増加によりクラックが発生し、水蒸気バリア性が低下する。さらに、材料使用量の増加、膜形成時間の長時間化等に起因してコストが増加し、経済的観点から好ましくない。
本発明で用いられる層(B)および層(C)はそれぞれ、ポリビニルアルコールまたはその変性体と、シリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料を主剤とするコーティング剤からなる。このシリコン原子を含むアルコキシドの加水分解物を含む材料として、例えば、水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液などが挙げられる。
本発明に関わるガスバリア積層体(10)は、ポリビニルアルコールまたはその変性体と、シリコン原子を含むアルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなどの処理を行ったものとを混合した溶液を、基材(21)上の金属酸化物を含む層(A)上に層(B)次いで層(C)の順でコーティング、加熱乾燥し、形成したものである。このとき、層(B)に含まれるシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)の樹脂分(b´)と、層(C)に含まれるシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)の樹脂分(d´)は、重量比がa´/b´≧c´/d´の関係式を満たすことを特徴とする。
ガスバリア積層体の基材として、例えば、上述した環境にやさしいポリオレフィン系樹
脂など、熱による収縮が大きい基材を用いた場合、ボイルやレトルト処理後に基材の上の蒸着層である金属酸化物を含む層(A)にクラックが発生しやすい。金属酸化物を含む層(A)にクラックが発生する理由は、熱により収縮した基材に影響されて金属酸化物を含む層(A)に強い応力が掛かるためである。
そこで、上記の通り、層(B)、層(C)のそれぞれのガスバリア層における加水分解後のシリコン原子の割合を、外側のガスバリア層(層(C))の方を、内側のガスバリア層(層(B))よりも少なく(もしくは同じ)とすることで、金属酸化物を含む層(A)から外側に向けて、層の硬さが同じかまたは徐々に柔らかくなるため、ボイルやレトルト処理時の金属酸化物を含む層(A)の変形を緩和させて、金属酸化物を含む層(A)に応力が掛かりにくくなり、結果的に金属酸化物を含む層(A)にクラックが発生しにくくなる。ここで、図1に示す通り、基材(21)を基準として金属酸化物を含む層(A)側を外側、その反対側を内側とする。
本発明で用いられる層(B)はシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含有し、(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)および(b)の樹脂分(b´)の重量比(a´/b´)が60/40以上80/20以下の範囲であることを特徴とする。前記下限未満では、ポリビニルアルコールまたはその変性体(b)の樹脂分(b´)の割合が高いため層が柔らかくなり、下地である金属酸化物を含む層(A)を保護できずクラックが発生しやすくなり、水蒸気バリア性が低下する。前記上限より大きい場合では、ポリビニルアルコールまたはその変性体(b)の割合が低いため、十分な酸素バリア性が得られない。また、(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)および(b)の樹脂分(b´)の重量比が65/35以上75/25以下の範囲であればさらに好ましい。
本発明で用いられる層(C)はシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含有し、(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)および(d)の樹脂分(d´)の重量比(c´/d´)が3/97以上75/25以下の範囲であることを特徴とする。前記下限未満では、ポリビニルアルコールまたはその変性体(d)の樹脂分(d´)の割合が高いため耐水性が低下する。前記上限より大きい場合では、ポリビニルアルコールまたはその変性体(d)の樹脂分(d´)の割合が低いため、十分な酸素バリア性が得られない。また、(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)および(d)の樹脂分(d´)の重量比(c´/d´)が3/97以上25/75以下の範囲では、ボイル処理後も優れたガスバリア性を保つためより好ましく、重量比が5/95以上20/80以下の範囲では、レトルト処理後も優れたガスバリア性を保つためさらに好ましい。
本発明で、ガスバリア層(22)におけるコーティング剤に用いられるシリコン原子を含むアルコキシドは、テトラメトキシシラン〔Si(OCH〕、テトラエトキシシラン〔Si(OC〕などの一般式、R−Si(OR)n(R、R:CH、C等のアルキル基)で表せるものである。また、上記の中でも、テトラエトキシシランが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
さらにポリビニルアルコールまたはその変性体(b)は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。とくにポリビニルアルコールをガスバリア層(22)におけるコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうポリビニルアルコールは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるもので、酢酸基が数十パーセント残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数パーセントしか残存していない完全けん化ポリビニルアルコールまでを含み、とくに限定されるものではない。ま
た、ポリビニルアルコールの変性体として、ポリビニルアルコールに水溶性を保つ程度のエチレン基を導入したものを用いても差し支えない。
ガスバリア層(22)におけるコーティング剤は、シリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料とポリビニルアルコールまたはその変性体を含有すればよく、これら以外の材料を加えても良い。
例えば、ガスバリア層(22)におけるコーティング剤には、さらなるガスバリア性向上のために、他のバインダーを加えても良い。しかしポリビニルアルコールまたはその変性体を含んでいるため、水性の材料が好ましい。具体的にはポリアクリル酸やポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂の水分散体、ゾルゲル法による金属前駆体を使用した金属酸化物などが挙げられる。
また、ガスバリア層(22)におけるコーティング剤には、レベリング剤や消泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シランカップリング剤や金属キレート剤なども必要に応じて添加しても差し支えない。
ガスバリア層(22)におけるコーティング剤の塗布方式としては公知の方法を用いることができる。具体的には、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター等のウェット成膜法である。
本発明で用いられる層(B)および層(C)の膜厚は、それぞれ0.1μm以上1μm以下の範囲内であることを特徴する。前記下限未満では層が薄いため十分なガスバリア性が得られない。一方前記上限より厚い場合は、層が厚いためフィルムがカールして加工適性に優れない。
本発明で用いられる層(B)および層(C)はいずれもガスバリア層であるが、このようにガスバリア層を2層積層することで、同じ厚さの1層構造のガスバリア層より、ガスバリア性は非常に良好となる。すなわち、ガスバリア層を設ける際、たとえ1層目の塗布で塗布抜けやピンホールの発生があったとしても、さらには塗布する面の平滑性が劣っていたとしても、2層目の塗布により層全体がより均一で安定化するようになり、ガスバリア性が非常に良好となる。よって、例えば、上述した環境にやさしいポリオレフィン系樹脂のような耐熱性が劣る基材を用いた場合でも、ボイルやレトルト処理後も優れたガスバリア性を保つことができるようになる。
さらに本発明のガスバリア積層体(10)上には、必要に応じてヒートシール可能な熱可塑性樹脂層、印刷層をガスバリア層(22)上または基材(21)上に積層することで包装材料とすることができ、また複数の樹脂を接着層を介して積層して包装材料とすることも可能である。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
以下、本発明のガスバリア積層体(10)の実施例について詳細に説明する。ただし、本発明のガスバリア積層体(10)は、実施例で示した様態に限定されるものではない。
<コーティング液の調製1>
テトラエトキシシラン(商品名:KBE04、固形分100%、信越化学工業株式会社製、以下TEOSとする)とメタノール(関東化学)と0.1N 塩酸(関東化学)とを
重量比が18/10/72になるように混合・加水分解した溶液と、ポリビニルアルコール(商品名:クラレポバール60−98、株式会社クラレ製、以下PVAとする)の5%水溶液を、TEOSの加水分解後の重量とPVAの樹脂分の重量比が60/40になるように混合し、コーティング液(1)を調製した。
〔重量比の計算方法〕
TEOS(モル質量「208.3」)の加水分解後の重量を、二酸化ケイ素(SiO)結合1単位分(モル質量「60.1」)とし、計算を行った。この場合の固形分は28.8%である。
<コーティング液の調製2>
前記<コーティング液の調製1>においてTEOSの加水分解後の重量とPVAの樹脂分の重量比が70/30になるように混合した以外は同様にしてコーティング液(2)を得た。
<コーティング液の調製3>
前記<コーティング液の調製1>においてTEOSの加水分解後の重量とPVAの樹脂分の重量比が80/20になるように混合した以外は同様にしてコーティング液(3)を得た。
<コーティング液の調製4>
前記<コーティング液の調製1>においてTEOSの加水分解後の重量とPVAの樹脂分の重量比が3/97になるように混合した以外は同様にしてコーティング液(4)を得た。
<コーティング液の調製5>
前記<コーティング液の調製1>においてTEOSの加水分解後の重量とPVAの樹脂分の重量比が15/85になるように混合した以外は同様にしてコーティング液(5)を得た。
<コーティング液の調製6>
前記<コーティング液の調製1>においてTEOSの加水分解後の重量とPVAの樹脂分の重量比が20/80になるように混合した以外は同様にしてコーティング液(6)を得た。
<コーティング液の調製7>
前記<コーティング液の調製1>においてTEOSの加水分解後の重量とPVAの樹脂分の重量比が75/25になるように混合した以外は同様にしてコーティング液(7)を得た。
(実施例1)
三井化学東セロ社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムU−1(厚さ20μm、OPP)を基材とし、そのコロナ処理面上にアンカーコート層としてポリエステル樹脂を0.1g/m硬化させ、金属酸化物層として電子ビーム式真空蒸着法により、酸化珪素を蒸発させ、厚さ25nmの酸化ケイ素蒸着膜を形成した。さらにコーティング液(1)をバーコート法により硬化膜厚0.3μmになるように塗布し、60℃のオーブンにて1分間乾燥させた。さらにその上にコーティング液(4)をバーコート法により硬化膜厚0.3μmになるように塗布し、60℃のオーブンにて1分間乾燥させ、ガスバリア積層体を得た。
(実施例2)
コーティング液(4)の代わりにコーティング液(5)を塗布したこと以外は実施例1と同様にして、ガスバリア積層体を得た。
(実施例3)
コーティング液(4)の代わりにコーティング液(1)を塗布したこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例4)
コーティング液(1)の代わりにコーティング液(2)を塗布し、コーティング液(4)の代わりにコーティング液(6)を硬化膜厚1.2μmになるように塗布したこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例5)
コーティング液(6)が硬化膜厚0.7μmになるように塗布したこと以外は実施例4と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例6)
1層目のコーティング液(1)の代わりにコーティング液(3)を塗布し、2層目のコーティング液(1)を硬化膜厚0.5μmになるように塗布したこと以外は実施例3と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例7)
コーティング液(1)の代わりにコーティング液(3)を塗布したこと以外は実施例6と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(実施例8)
東レ株式会社製ポリエステルフィルム ルミラーP60(厚さ12μm、PET)を基材として用いたこと以外は実施例5と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例1)
コーティング液(4)を塗布しなかったこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例2)
コーティング液(4)の代わりにコーティング液(7)を硬化膜厚0.7μmになるように塗布したこと以外は実施例1と同様にしてガスバリア積層体を得た。
(比較例3)
コーティング液(6)の代わりにコーティング液(7)を硬化膜厚0.5μmになるように塗布したこと以外は実施例4と同様にしてガスバリア積層体を得た。
<評価>
(ラミネートフィルムの作製)
実施例1〜8、比較例1〜3で得られたそれぞれのガスバリア積層体に対して、ガスバリア層面と未延伸ポリプロピレンフィルム(CPP:東レフィルム加工社製 CPP、トレファンNO ZK207、厚さ70μm)とを、乾燥後の塗布量が3g/mがとなるように2液型の接着剤(三井化学社製 A525/A52)を介して、ドライラミネート法により積層してラミネートフィルムを作製した。
(ボイル処理)
ラミネートフィルムを用いて4辺をシール部とする縦210mm×横150mmの大きさのパウチを作製し、内容物として水を充填した。その後、90℃、30分間ボイル処理を行った。
(レトルト処理)
ラミネートフィルムを用いて4辺をシール部とする縦210mm×横150mmの大きさのパウチを作製し、内容物として水を充填した。その後、121℃、30分間レトルト
殺菌処理を行った。
(酸素透過度の測定)
実施例1〜8および比較例1〜3により得られた、ガスバリア積層体、ボイル処理を施したサンプルおよびレトルト処理を施したサンプルについて、酸素透過試験器(OXTRAN2/20、Modern Control社製)を用いて、温度30℃、相対湿度70%の条件で、サンプルの酸素透過度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2020192699
表1に示す通り、実施例1〜8のガスバリア積層体は、優れたガスバリア性を得ることが確認された。特に実施例2、4および5は、基材としてOPPを用いた場合でもレトルト処理後に優れたガスバリア性を得ることが確認された。
一方、比較例1〜3のガスバリア積層体は、十分なガスバリア性が得られないことが確認された。
本発明によれば、ガスバリア積層体の基材として、例えば二軸延伸ポリプロピレンを含むポリオレフィン系樹脂など耐熱性が劣る材料を用いた場合でも、ボイルやレトルト処理後も優れたガスバリア性を保つガスバリア積層体を提供することが可能になる。
10・・・ガスバリア積層体
21・・・基材
22・・・ガスバリア層
A・・・金属酸化物を含む層
B・・・シリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含む層
C・・・シリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含む層

Claims (5)

  1. 基材上に、金属酸化物を含む層(A)を少なくとも1層以上積層し、その上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含む層(B)を積層し、さらにその上にシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含む層(C)を積層し、層(B)に含まれる(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)および(b)の樹脂分(b´)と、層(C)に含まれる(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)および(d)の樹脂分(d´)の重量比がa´/b´≧c´/d´の関係式を満たすガスバリア積層体。
  2. 前記層(B)はシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(a)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(b)を含有し、(a)の加水分解後のシリコン原子(a´)と(b)の樹脂分(b´)の重量比(a´/b´)が60/40以上80/20以下の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載のガスバリア積層体。
  3. 前記層(C)はシリコン原子を含むアルコキシドまたはその加水分解物を含む材料(c)およびポリビニルアルコールまたはその変性体(d)を含有し、(c)の加水分解後のシリコン原子(c´)と(d)の樹脂分(d´)の重量比(c´/d´)が3/97以上75/25以下の範囲であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のガスバリア積層体。
  4. 前記層(B)および(C)の膜厚がそれぞれ0.1μm以上1μm以下の範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のガスバリア積層体。
  5. 前記基材がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のガスバリア積層体。
JP2019098448A 2019-05-27 2019-05-27 ガスバリア積層体 Active JP7439394B2 (ja)

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