JP2020192506A - 粉砕機および粉砕分級装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】経時的に粉砕力が低下することを抑制する粉砕機を提供する。【解決手段】粉砕機30は、粉粒体99が流入する流入口34と、粉砕された粉粒体99が流出する流出口35が配置された粉砕室33に、円柱構造基体132と、該円柱構造基体132の上面に設けられた衝突用構造体部130と、を備え、流入口34から流入した粉粒体99を、衝突用構造体部130と粉砕室33の第1内壁面105B及び第2内壁面107Aに衝突させて粉砕する粉砕機30であって、衝突用構造体部130の表面131には、段差131Aが設けられている。【選択図】図2
Description
本発明は、粉砕機および粉砕分級装置に関する。
従来、被粉砕物を、高速で衝突部材に衝突させて粉砕する粉砕機が公知である。例えば、特許文献1に粉砕機としての粉砕装置が開示されている。特許文献1によると粉砕装置は、衝突用錐面が形成された円錐形状の衝突用錐体部と、衝突用錐面の下流側端から径方向外方に広がる環状の衝突用平板とを有する衝突部材の開示がある。粉砕装置は被粉砕物を衝突部材の衝突用錐面や衝突用平面に衝突させて、その衝撃により被粉砕物を細かく粉砕する。また、粉砕装置は衝突用平面で跳ね返った被粉砕物を粉砕室の内壁にも衝突させて、細かく粉砕する。
しかしながら、特許文献1に記載の粉砕分級装置は、衝突用錐体部の衝突用平面に被粉砕物を衝突させて、粉砕室内壁面の特定の狭い領域に高い確率で集中して衝突する構成となっている。この構成では、被粉砕物である粉粒体が粉砕室内壁面に衝突するとき、この特定の狭い領域において粉粒体の融着が生じる場合がある。粉砕室内壁面での融着状態が進行すると、粉砕室内壁面の融着物に粉粒体が衝突するようになり、粉粒体が粉砕され難くなる。このように、粉粒体の融着は、粉砕力の経時的低下に繋がるという課題があった。
粉砕機は、被粉砕物が流入する流入口と、粉砕された前記被粉砕物を粉砕物として流出する流出口と、が配置された粉砕室に、柱構造基体と、前記柱構造基体の前記流入口側の面に設けられた衝突用構造体部と、を備え、前記流入口から流入した前記被粉砕物を、前記衝突用構造体部と前記粉砕室の内壁とに衝突させて粉砕する粉砕機であって、前記衝突用構造体部の表面には、段差が設けられていることを特徴とする。
上記の粉砕機は、前記衝突用構造体部の表面には、同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状の衝突面が設けられ、前記シリンドリカル形状の前記衝突面に前記段差が付与されることが好ましい。
上記の粉砕機は、前記流入口と前記流出口との間の流路において、前記段差は、前記衝突用構造体部の前記衝突面の上流側から下流側に向けて複数設けられていることが好ましい。
上記の粉砕機は、前記柱構造基体の前記流入口側の前記面に、前記衝突用構造体部として、曲面を有した複数の半球状の衝突面が設けられていることが好ましい。
上記の粉砕機では、前記段差は、隣合う前記曲面の間に設けられることが好ましい。
粉砕分級装置は、被粉砕物が流入する流入口と、粉砕された前記被粉砕物を粉砕物として流出する流出口と、が配置された粉砕室に、柱構造基体と、前記柱構造基体の前記流入口側の面に設けられた衝突用構造体部と、を備え、前記流入口から流入した前記被粉砕物を、前記衝突用構造体部と前記粉砕室の内壁とに衝突させて粉砕する粉砕機と、前記流出口から流出する前記粉砕物を分級する分級機と、を備え、前記衝突用構造体部の表面には、段差が設けられていることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。また、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
(実施形態1)
図1は、粉砕分級装置の全体構成を示す模式図である。
粉砕分級装置1は、供給機10と、粉砕機30と、分級機50と、捕集機70と、を備える。
図1は、粉砕分級装置の全体構成を示す模式図である。
粉砕分級装置1は、供給機10と、粉砕機30と、分級機50と、捕集機70と、を備える。
供給機10は、被粉砕物の一例に対応する樹脂材料の被粉砕物としての粉粒体99を貯留するホッパー11を備える。ホッパー11はインジェクションフィーダー12に粉粒体99を供給する。インジェクションフィーダー12は、供給管13に接続される。供給管13は粉砕機30に接続される。インジェクションフィーダー12には圧縮空気源14が接続される。圧縮空気源14は圧縮空気をインジェクションフィーダー12に供給する。インジェクションフィーダー12に圧縮空気が供給されると、圧縮空気のエジェクタ作用により、ホッパー11から粉粒体99がインジェクションフィーダー12内に吸引される。インジェクションフィーダー12内に吸引された粉粒体99は供給管13を介して粉砕機30の内部に搬送される。
粉砕機30は粉粒体99を粉砕する粉砕機本体31と、粉粒体99を分級する分級部40とを備える。
粉砕機本体31には粉砕室33が配置される。粉砕室33に粉粒体99が流入する流入口34と、粉砕室33で粉砕された粉粒体99を粉砕物として流出する流出口35と、が粉砕室33に配置される。流入口34の上流側にはディフューザー部36が配置される。ディフューザー部36には圧縮空気を送る圧縮空気源37が接続される。ディフューザー部36は圧縮空気を超音速の連続噴流として吐出する。この超音速の連続噴流中に粉粒体99が流入することで、ディフューザー部36は、粉粒体99を含む固気混合流体を、流入口34を通じて粉砕室33に供給する。粉砕室33には固気混合流体が衝突する衝突部材38が配置される。衝突部材38は、錐体形状を有し、錐体形状の先端が流入口34に対向する向きで配置される。
固気混合流体は衝突部材38に衝突して、固気混合流体に含まれる粉粒体99が粉砕される。粉砕された粉粒体99は、流出口35を通じて粉砕室33から排出される。流出口35には循環管39が接続される。循環管39は供給管13に接続される。粉砕機30で粉砕された粉粒体99は、循環管39、供給管13を介して粉砕機30に再送される。
粉砕機本体31では粉粒体99が分級部40から流入し流出口35から排出される。よって、粉粒体99は分級部40側から流出口35側に移動する。そこで、粉砕機本体31では分級部40側を上流、流出口35側を下流とする。
粉砕機30の分級部40は、供給管13から供給された粉粒体99を分級する。分級部40は、筒状の分級粉砕室41を備える。分級粉砕室41の内部空間には分級センターコア42と分級セパレートコア43とが対向して配置される。分級センターコア42と分級セパレートコア43との間には分級空間44が形成される。分級空間44では旋回流が形成される。分級空間44に導入された粉粒体99は旋回流により遠心分離される。粉粒体99は分級部40で設定された分級点に基づく粒径の大きい粉粒体99、いわゆる、粗粉と、粒径の小さい粉粒体99、いわゆる、細粉に分級される。粗粉は分級セパレートコア43の外周側の導出口45から導出され粉砕機本体31へ移動する。細粉は分級セパレートコア43の中央部から分級粉砕室41の外部に延びる導出管46から導出される。細粉は、導出管46を介して分級機50に搬送される。粉砕機30では、粒径の大きい粉粒体99の粒径が小さくなるまで粉砕機30内に再送されて粉砕され、十分に粉砕されて粒径が小さくなると分級機50に搬送される。
分級機50は、粉砕機30の分級部40と略同様に構成されており、粉砕室51、センターコア52、セパレートコア53などを有する。センターコア52とセパレートコア53との間に分級空間54が形成される。分級空間54に導入された粉粒体99は、旋回流により遠心分離され、分級機50で設定された分級点に基づいた粗粉と細粉に分級される。粗粉はセパレートコア53の外周側の粗粉導出口55から分級空間54の外に移動する。分級空間54の外に移動した粗粉は、粉砕室51の下部から延びる粗粉排出管57で粉砕室51の外部に導出される。細粉はセパレートコア53の中央部から粉砕室51の外部に延びる細粉排出管56から導出される。この様に、流出口35から流出した粉粒体99を分級機50が分級する。
分級機50の下流側には捕集機70が配置される。捕集機70は第1捕集部71と第2捕集部72とを備える。第1捕集部71及び第2捕集部72は、例えば、バッグフィルターなどで構成される。第1捕集部71は分級機50から延びる粗粉排出管57に接続される。第1捕集部71には分級機50で分級された粗粉としての粉粒体99が捕集される。すなわち、粉砕機30で粉砕されて所定の粒径以下の粉粒体99のうち、所定の粒径以上の粉粒体99が捕集される。第2捕集部72は細粉排出管56と接続される。第2捕集部72には、分級機50で分級された細粉としての粉粒体99が捕集される。
[粉砕機本体の詳細な構成]
図2は、実施形態1に係る衝突用構造体部周辺の断面図である。図2を用いて粉砕機本体31について更に説明する。粉砕機本体31は回転体状に形成される。回転体状の中心を示す軸線300が上下方向に延びる。軸線300が延びる方向は上下方向に限定されず、水平方向に沿って延びる構成や、水平方向に対して傾斜する構成でも良い。
図2は、実施形態1に係る衝突用構造体部周辺の断面図である。図2を用いて粉砕機本体31について更に説明する。粉砕機本体31は回転体状に形成される。回転体状の中心を示す軸線300が上下方向に延びる。軸線300が延びる方向は上下方向に限定されず、水平方向に沿って延びる構成や、水平方向に対して傾斜する構成でも良い。
[粉砕機本体の粉粒体流路に関する構成]
粉砕室33の上流にノズル部105が配置される。ノズル部105の粉砕室33側に流入口34が配置されている。ノズル部105上流の内部空間には、ノズル部105上流から下流に沿って延びる柱状のディフューザー部36が配置される。ディフューザー部36の下流側に配置された吐出路123から圧縮空気を超音速の連続噴流410として吐出する。吐出路123は、断面円環状の流路とされる。ディフューザー部36とノズル部105との間の隙間に空間が形成される。この空間により粉粒体流路106が構成される。
粉砕室33の上流にノズル部105が配置される。ノズル部105の粉砕室33側に流入口34が配置されている。ノズル部105上流の内部空間には、ノズル部105上流から下流に沿って延びる柱状のディフューザー部36が配置される。ディフューザー部36の下流側に配置された吐出路123から圧縮空気を超音速の連続噴流410として吐出する。吐出路123は、断面円環状の流路とされる。ディフューザー部36とノズル部105との間の隙間に空間が形成される。この空間により粉粒体流路106が構成される。
ノズル部105は下流側に向けて円錐台状に凹んだ内周錐面105Aを備える。内周錐面105Aは、下流側ほど径方向中心へ傾斜する。ノズル部105は内周錐面105Aにより粉粒体99を径方向中心に案内する。
粉粒体流路106では粉粒体99が粉粒体流路106の断面円環状に倣って環状方向に均等に分散されながら移動する。そして、粉粒体99はノズル部105の内周錐面105Aに案内される。そして、連続噴流410の外周側から粉粒体99が連続噴流410に供給される。この際に、粉粒体99は連続噴流410に吸引されて、連続噴流410中に混合する。これにより、連続噴流410は、粉粒体99が均等に混合した固気混合流体411になる。固気混合流体411では粉粒体99と気流とが混合している。ノズル部105の内周錐面105Aにより固気混合流体411は環状を維持して粉砕室33に向かって移動する。
内周錐面105Aの径方向中心には、軸線300に沿って貫通する流入口34が形成される。流入口34の断面は円形に形成される。流入口34の断面形状は上流端から下流端まで同一の断面形状とされる。ディフューザー部36から吐出される連続噴流410により、粉粒体99は流入口34を通じて粉砕室33に流入する。
[粉砕室の構成]
図3は粉砕室の要部模式拡大図である。図2及び図3に示すように粉砕室33は上流側の粉砕室部107と粉砕室部107の下流側の導出部108とを備える。粉砕室部107の上流端及びノズル部105の下流端の平坦な面を内壁としての第1内壁面105Bとする。粉砕室部107の形状は円筒状である。粉砕室部107の内周側の面を内壁としての第2内壁面107Aとする。ノズル部105の第1内壁面105Bと粉砕室部107の第2内壁面107Aとにより囲まれた空間が粉砕室33である。
図3は粉砕室の要部模式拡大図である。図2及び図3に示すように粉砕室33は上流側の粉砕室部107と粉砕室部107の下流側の導出部108とを備える。粉砕室部107の上流端及びノズル部105の下流端の平坦な面を内壁としての第1内壁面105Bとする。粉砕室部107の形状は円筒状である。粉砕室部107の内周側の面を内壁としての第2内壁面107Aとする。ノズル部105の第1内壁面105Bと粉砕室部107の第2内壁面107Aとにより囲まれた空間が粉砕室33である。
導出部108は円錐形であり下流側になるほど縮径する。導出部108の下流端には流出口35が形成される。導出部108には粉砕室33から導出された粉粒体99が流入し、導出部108の内周面に沿うなどして移動する。そして、粉粒体99は、下流端に設けられた流出口35を通じて循環管39に排出される。
粉砕室33の内部には衝突部材38が配置される。衝突部材38は軸線300を中心とした回転体である。尚、この回転体は適当な平面曲線を同平面内の直線を回転の軸として回転させることにより得られる立体図形を示す。衝突部材38は柱構造基体としての円柱構造基体132と、該円柱構造基体132の流入口34側の面に設けられた衝突用構造体部130を備える。円柱構造基体132の上面は柱構造基体の流入口34側の面である。尚、円柱構造基体132は柱状であれば良く、断面形状は多角形や楕円形等でも良い。衝突部材38は粉砕室33の内部に配置される。衝突用構造体部130の頂点となる先端38Aが流入口34と対向する。衝突用構造体部130は固気混合流体411が衝突する位置に配置される。詳細には、衝突部材38の中心軸が軸線300上に配置され、先端38Aが軸線300上に配置される。
衝突部材38は支持部133に支持される。円柱構造基体132の下流端において、支持部133は粉砕室部107の第2内壁面107Aから延びている。衝突部材38と粉砕室部107の第2内壁面107Aとの間には空間が形成される。この空間が固気混合流体411が流れる粉砕室33の流路としての流動領域33Aとなっている。
軸線300に直交する衝突部材38の断面は円形状である。衝突部材38において軸線300に直交する断面の断面積は先端38Aにおいて最小となり、基端部38Bで断面積が最大となる。衝突部材38は軸線300を中心とする回転体である。軸線300から衝突用構造体部130の表面131までの半径399が、先端38Aにおいて最小となり、基端部38Bにおいて最大となる。衝突部材38の軸線300は、固気混合流体411の流入方向と略平行になっている。軸線300と直交する衝突部材38の断面の断面積は、先端38Aから基端部38Bにかけて拡大する。軸線300と直交する衝突部材38の断面の半径399が先端38Aから基端部38Bにかけて拡大する。
衝突用構造体部130は表面131を有する。表面131は衝突面及び衝突用構造体部130の表面に対応する。衝突用構造体部130の表面131には段差131Aが設けられている。段差131Aは、同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状の表面131を設けることで付与される。そして、段差131Aは、隣合う曲面の間に設けられている。
段差131Aは流入口34と流出口35との間の流動領域33Aに配置されている。そして、段差131Aは、衝突用構造体部130の表面131の上流側から下流側に向けて複数設けられていてもよい。
粉粒体99は光学における正反射と同様に挙動する。衝突用構造体部130の表面131の法線301に対する入射角302と反射角303は同じ角度である。
流入口34を通過した固気混合流体411は衝突部材38に衝突する。このとき、固気混合流体411中の粉粒体99は衝突用構造体部130の表面131に衝突し粉砕される。粉砕された粉粒体99は衝突部材38の周囲を流れる気流に乗って、粉砕室33から導出され、導出部108の流出口35から流出する。このように、粉砕機30は流入口34から流入した粉粒体99を、衝突用構造体部130と粉砕室33の第1内壁面105B及び第2内壁面107Aとに衝突させて粉砕する。
[比較例]
図8は比較例における衝突用構造体部の断面図である。図8を用いて、衝突用平面38Yを備える衝突部材38Zの作用を説明する。衝突用平面38Yを有する衝突部材38Zでは、衝突用平面38Yに衝突した粉粒体99は粉砕されると共に、上流側に戻る成分を持って跳ね返される。また、衝突用平面38Yは径方向に広がる面である。固気混合流体411は矢印412で示すように衝突用平面38Yに沿って流れ易い。したがって、粉砕された粉粒体99は第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で衝突し易い。このとき、衝突用平面38Yに衝突した後に、第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で連続的に衝突する。このため、特定の狭い領域では発熱量が大きくなり易く、粉粒体99が第2内壁面107Aに融着する場合がある。第2内壁面107Aの特定の狭い領域に粉粒体99が融着した後、第2内壁面107Aに融着した融着物99Aに後続の粉粒体99が続いて衝突する。このとき、後続の粉粒体99が粉砕され難くなるという課題が生じた。
図8は比較例における衝突用構造体部の断面図である。図8を用いて、衝突用平面38Yを備える衝突部材38Zの作用を説明する。衝突用平面38Yを有する衝突部材38Zでは、衝突用平面38Yに衝突した粉粒体99は粉砕されると共に、上流側に戻る成分を持って跳ね返される。また、衝突用平面38Yは径方向に広がる面である。固気混合流体411は矢印412で示すように衝突用平面38Yに沿って流れ易い。したがって、粉砕された粉粒体99は第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で衝突し易い。このとき、衝突用平面38Yに衝突した後に、第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で連続的に衝突する。このため、特定の狭い領域では発熱量が大きくなり易く、粉粒体99が第2内壁面107Aに融着する場合がある。第2内壁面107Aの特定の狭い領域に粉粒体99が融着した後、第2内壁面107Aに融着した融着物99Aに後続の粉粒体99が続いて衝突する。このとき、後続の粉粒体99が粉砕され難くなるという課題が生じた。
[作用および効果]
上述する本実施形態の構成によれば、粉粒体99は、複数の段差が設けられた衝突用構造体部130の表面131に衝突して粉砕されると、粉砕された粉粒体99は第2内壁面107Aの広範囲へ分散して拡散される。また、粉砕室33の内部においては、固気混合流体411が衝突部材38の衝突用構造体部130および円柱構造基体132に沿って滑らかに流れる。そして、跳ね返った粉粒体99は、上流側の第1内壁面105Bや、側方の第2内壁面107A等の特定された一部部分に向かい難くなり、上流側の第1内壁面105Bや、側方の第2内壁面107Aの広範囲に向かって飛翔するので、特定の狭い領域に高い確率で衝突することが抑制される。
上述する本実施形態の構成によれば、粉粒体99は、複数の段差が設けられた衝突用構造体部130の表面131に衝突して粉砕されると、粉砕された粉粒体99は第2内壁面107Aの広範囲へ分散して拡散される。また、粉砕室33の内部においては、固気混合流体411が衝突部材38の衝突用構造体部130および円柱構造基体132に沿って滑らかに流れる。そして、跳ね返った粉粒体99は、上流側の第1内壁面105Bや、側方の第2内壁面107A等の特定された一部部分に向かい難くなり、上流側の第1内壁面105Bや、側方の第2内壁面107Aの広範囲に向かって飛翔するので、特定の狭い領域に高い確率で衝突することが抑制される。
よって、粉粒体99が樹脂材料の場合でも、第1内壁面105B、第2内壁面107Aに衝突して、融着することが抑制される。これにより、粒度の経時的なバラつきが抑制された状態になり、粉粒体99が適切に粉砕され易くなる。その結果、粉砕された粉粒体99の回収量が増加する。
本実施形態の粉砕機30は、粉砕室33と、粉砕室33に被粉砕物としての粉粒体99が流入する流入口34と、粉砕室33で粉砕された粉粒体99が流出する流出口35を備える。また、本実施形態の粉砕機30は、粉粒体99を含む固気混合流体411を、流入口34を通じて粉砕室33に供給するディフューザー部36を備える。さらに、本実施形態の粉砕機30は、錐体形状を有し、この錐体形状の先端38Aが流入口34に対向する向きで粉砕室33の内部に配置され、固気混合流体411が衝突する位置に配置された衝突部材38を備える。そして、本実施形態の粉砕機30では、衝突部材38は、固気混合流体411の流入方向となる軸線300に直交する断面積が先端38Aにおいて最小となり、基端部38Bで断面積が最大となる形状を有する。基端部38Bは衝突用構造体部130と円柱構造基体132とが接合する部位である。本実施形態の粉砕機30では、衝突部材38は、先端38Aから基端部38Bにかけて断面積が拡大する。したがって、粉砕室33の第1内壁面105B、第2内壁面107Aに粉粒体99が衝突し難くなっており、樹脂材料の粉粒体99であっても第1内壁面105B、第2内壁面107Aに粉粒体99が融着し難い。
図4は粉粒体衝突位置および衝突範囲の説明図である。図4に示すように、衝突用構造体部130の表面131に、段差131Aが配置されている。このため、第2内壁面107Aの広範囲に粉粒体99が拡散されて衝突する。衝突用構造体部130の先端38A側から順に段差131Aを第1衝突点400、第2衝突点401とする。先端38Aで拡散された粉粒体99は第2内壁面107Aの先端衝突範囲38AAに衝突する。第1衝突点400で拡散された粉粒体99は第1衝突範囲400Aへ衝突する。第2衝突点401で拡散された粉粒体99は第2衝突範囲401Aへ衝突する。段差131Aによって拡散された粉粒体99は、各々第2内壁面107Aへ幅を持って衝突する。
粉砕分級装置1の粉砕機30は衝突用構造体部130の表面131に、段差131Aを設けることで、粉砕室33の第1内壁面105B及び第2内壁面107Aの広範囲に粉粒体99が拡散して衝突し易くなる。その結果、樹脂材料のように融着し易い被粉砕物であっても、粉砕室33の第2内壁面107Aの特定の狭い領域に集中して粉粒体99が衝突して融着することが低減される。このため、第2内壁面107Aに付着した融着物99Aと、粉粒体99と、の衝突機会が抑えられるため、安定した粉砕力が維持できる。安定した粉砕力で粉砕された粉粒体99は粉砕機30の上部に設けられた分級部40で分級され、規定の粒度になるまで粉砕され続けるため、粉砕分級装置1は粉砕力の安定により分級精度の向上ができる。
同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状を、衝突用構造体部130の表面131の上流側から下流側に向けて、複数配置することで段差131Aが複数付与されている。複数の段差131Aの付与によって、粉砕室33の第2内壁面107Aの高さ方向に衝突する粉粒体99が分散され易くなるため、粉粒体99を粉砕室33の第2内壁面107Aの広範囲に衝突させることができる。従って、粉砕力の向上および安定という効果を得ることができる。
このように、被粉砕物である粉粒体99を第2内壁面107Aの特定の場所の衝突から、広範囲へ衝突させることで、第2内壁面107Aに発生する融着を低減できる。このため、粉砕室33で粉砕される粉粒体99は融着物99Aとの接触が起きず、粉砕力が維持できる。また、広範囲へ拡散することで粉砕力の向上ができる。粉粒体99の粒度についても、融着物99Aが発生しないことで、時間的なバラつきが抑制される。時間的な粒度変化が小さくなるので粉体特性にバラつきが少ない粉粒体99を作成することができる。また、粉砕効率が上がることで、衝突用平面38Yを用いる場合の粉砕圧力より低い粉砕圧力で粉砕を行うことも可能であり、エネルギーの消費を少なくすることもできる。
また、本実施形態では、衝突部材38は同心円状に配置されたシリンドリカル形状を有し、固気混合流体411の流入方向に対応する軸線300と直交する断面の半径399が先端38Aにおいて最小となり、基端部38Bで半径399が最大となる。したがって、ディフューザー部36から、円環状に供給される固気混合流体411は、衝突部材38の周方向全体で均等に粉砕し易くなる。
同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状とすることで、粉砕室33内の粉粒体99の流入方向と交差した面内方向において、粉粒体99を全方向に広く拡散できる。また、段差131Aの付与によって、粉砕室33の第2内壁面107Aの軸線300方向に分散させて粉粒体99に衝突させることができる。従って、粉砕力の向上および安定という効果を得ることができる。
衝突用構造体部130に同心円状のシリンドリカル形状や複数の半球状の表面131を立体的に配置することで、隣り合う曲面の間に段差131Aが形成されている。衝突用構造体部130の表面131が段差を有するため、衝突用構造体部130の表面131に衝突した粉粒体99は段差131Aにより、進捗方向とは異なる向きの力を与えられ、粉粒体99は第1内壁面105B及び第2内壁面107Aの広範囲へ拡散できる。従って、粉砕力の向上および安定という効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の粉砕分級装置1は、上述の粉砕機30と、粉砕機30の流出口35から流出する粉粒体99を分級する分級機50とを備える。したがって、粉砕室33の第1内壁面105B、第2内壁面107Aに粉粒体99が衝突し難くなっており、樹脂材料の粉粒体99であっても第1内壁面105B、第2内壁面107Aに粉粒体99が融着し難い。このため、被粉砕物である粉粒体99の第1内壁面105B、第2内壁面107Aへの融着を低減させ、粉砕室33で粉砕された粉粒体99の粒度について、時間的なバラつきを抑制できる。時間的な粒度変化が小さくなるので粉粒体特性にバラつきが少ない粉末を作成することができる。また、粉砕効率が上がることで、衝突用平面38Yを用いる場合の粉砕圧力より低い粉砕圧力で粉砕を行うことも可能であり、粉砕分級装置1はエネルギーの消費を少なくすることもできる。
(実施形態2)
次に、衝突用構造体部の一実施形態について、図5の衝突用構造体部周辺の断面図を用いて説明する。上記実施形態1では、図2のように、衝突用構造体部130の段差131Aは、同心円状に配置された曲面を有する不連続な面の間に配置された。本実施形態が実施形態1と異なる点は衝突用構造体部130の表面131の段差131Aの形状が異なる点にある。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
次に、衝突用構造体部の一実施形態について、図5の衝突用構造体部周辺の断面図を用いて説明する。上記実施形態1では、図2のように、衝突用構造体部130の段差131Aは、同心円状に配置された曲面を有する不連続な面の間に配置された。本実施形態が実施形態1と異なる点は衝突用構造体部130の表面131の段差131Aの形状が異なる点にある。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図5に示すように、衝突部材38に対応する衝突部材238は衝突用構造体部230を備える。
衝突用構造体部230の頂点となる先端238Aが流入口34と対向する。衝突用構造体部230と円柱構造基体132とが基端部238Bにて接合する。衝突用構造体部230は略円錐形状の表面231を有する。表面231は衝突面及び衝突用構造体部230の表面に対応する。衝突用構造体部230の表面231は、段差231Aを有する。段差231Aは、衝突用構造体部230の表面231上に階段構造を作ることで付与される。また、段差231Aは、衝突用構造体部230の表面231の上流側から下流側に向けて複数設けられていてもよい。粉粒体99は光学の正反射と同様な挙動をする。衝突用構造体部230の表面231の法線301に対して入射角302で表面231に衝突する粉粒体99は反射角303で反射する。そして、入射角302と反射角303とは同じ角度になる。段差231A間の表面231は直線になっている。
衝突用構造体部230の頂点となる先端238Aが流入口34と対向する。衝突用構造体部230と円柱構造基体132とが基端部238Bにて接合する。衝突用構造体部230は略円錐形状の表面231を有する。表面231は衝突面及び衝突用構造体部230の表面に対応する。衝突用構造体部230の表面231は、段差231Aを有する。段差231Aは、衝突用構造体部230の表面231上に階段構造を作ることで付与される。また、段差231Aは、衝突用構造体部230の表面231の上流側から下流側に向けて複数設けられていてもよい。粉粒体99は光学の正反射と同様な挙動をする。衝突用構造体部230の表面231の法線301に対して入射角302で表面231に衝突する粉粒体99は反射角303で反射する。そして、入射角302と反射角303とは同じ角度になる。段差231A間の表面231は直線になっている。
衝突用構造体部230の表面231の段差231Aへ衝突した粉粒体99は軸線300と交差する方向へ拡散する。そして、粉粒体99は第2内壁面107Aへ衝突して粉砕される。図8の比較例において、衝突用平面38Yの気流を阻害する衝突用平面38Yは第2内壁面107Aの特定の狭い領域へ粉粒体99を誘導するが、本実施形態では、衝突用構造体部230の表面231に凹んだ段差231Aがある形状にすることで、気流の阻害を抑制できる、また、粉粒体99の拡散ができる。
以上説明したように、本実施形態の粉砕機30は、衝突部材238が異なる点以外は第1実施形態の粉砕機30と同様である。したがって、粉砕室33の第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で粉粒体99が衝突することが抑制される。このため、樹脂材料の粉粒体99であっても第2内壁面107Aに粉粒体99が融着し難い。従って、粉粒体99の第2内壁面107Aへの融着を低減させ、時間的な粉砕力低下を抑制できる。また、粉砕室33で粉砕された粉粒体99の粒度について、時間的なバラつきを抑制できる。時間的な粒度変化が小さくなるので粉粒体特性にバラつきが少ない粉粒体99を作成することができる。また、粉砕効率が上がることで、比較例における衝突用平面38Yを用いる場合の粉砕圧力より低い粉砕圧力で粉砕を行うことも可能であり、エネルギーの消費を少なくすることもできる。
(実施形態3)
[衝突部材の構成]
次に、衝突用構造体部の一実施形態について図6及び図7を用いて説明する。図6は衝突用構造体部周辺の断面図である。図7は粉砕室の要部模式拡大図である。本実施形態が実施形態1と異なる点は、衝突用構造体部330の形状が異なる点にある。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
[衝突部材の構成]
次に、衝突用構造体部の一実施形態について図6及び図7を用いて説明する。図6は衝突用構造体部周辺の断面図である。図7は粉砕室の要部模式拡大図である。本実施形態が実施形態1と異なる点は、衝突用構造体部330の形状が異なる点にある。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
図6および図7に示すように、実施形態3の粉砕機430は実施形態1の衝突部材38に代えて衝突部材338を備える。衝突部材338は円柱構造基体132と該円柱構造基体132の上面に設けられた衝突用構造体部330とを備える。衝突用構造体部330は表面331を有する。表面331は衝突面及び衝突用構造体部330の表面に対応する。
衝突部材338は、円柱構造基体132の流入口側の面に、衝突用構造体部330として、曲面を有した複数の半球状の表面331が設けられた構造体である。衝突部材338は半球状の表面331が隣同士で結合する態様をとる。衝突部材338は軸線300に直交する断面積が半球状の表面331の頂点331Bで断面積最小となり、基端部338Bで最大となる。基端部338Bは衝突用構造体部330と円柱構造基体132とが接合する部位である。
衝突部材338の表面331は4つの半球状の面を備えている。4つの半球状の面は交点331Aで交差する。また、衝突部材338は、軸線300および半球状の面の結合部420,421,422,423で不連続な面を有する。半球状の面の結合部以外は連続な曲面を有する。粉粒体99は軸線300に沿って衝突用構造体部330の表面331に衝突し、半球状の面の結合部420,421,422,423や表面331に沿って第2内壁面107Aに向かう。図7に示すように粉粒体99は第1軸402、第2軸403、第3軸404、第4軸405、第5軸406、第6軸407、第7軸408及び第8軸409等の各軸に沿う方向に向かう。
また、図7の下側の図に示すように、結合部420,421,422,423は軸線300と直交する方向に沿って配置されている。粉粒体99は半球状の連続な表面331に沿って第2内壁面107Aおよび第1内壁面105Bに向かうことで放射状に拡散する。軸線300を中心に粉粒体99の拡散される粉粒体の量は、第1軸402及び第5軸406に沿う方向に向かう量が多くなる。次に、第2軸403及び第4軸405に沿う方向に向かう量は、第1軸402及び第5軸406に沿う方向に向かう量より少なくなる。第3軸404に沿う方向に向かう量は、第2軸403及び第4軸405に沿う方向に向かう量より少なくなる。
[衝突部材の作用および効果]
本実施形態でも、流入口34を通過した固気混合流体411は衝突部材338に衝突する。このとき、固気混合流体411中の粉粒体99は、衝突部材338の衝突用構造体部330の表面331に衝突し粉砕される。粉砕された粉粒体99は、衝突部材338の周囲を流れる気流に乗って、粉砕室33から導出され、導出部108の流出口35から流出する。本実施形態の衝突部材338にも図8に示す比較例のような衝突用平面38Yが設けられていない。このため、側方の第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で粉粒体99が衝突し融着することが抑制される。その結果、粉砕された粉粒体99の回収量が増加する。
本実施形態でも、流入口34を通過した固気混合流体411は衝突部材338に衝突する。このとき、固気混合流体411中の粉粒体99は、衝突部材338の衝突用構造体部330の表面331に衝突し粉砕される。粉砕された粉粒体99は、衝突部材338の周囲を流れる気流に乗って、粉砕室33から導出され、導出部108の流出口35から流出する。本実施形態の衝突部材338にも図8に示す比較例のような衝突用平面38Yが設けられていない。このため、側方の第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で粉粒体99が衝突し融着することが抑制される。その結果、粉砕された粉粒体99の回収量が増加する。
特に、本実施形態では、比較例の衝突部材38Zに比べて、衝突部材338の衝突用構造体部330の表面331は軸線300に交差する角度が大きい面形状になっている。つまり、粉粒体99が表面331で変わる進行方向の角度変化が大きい。超音速の連続噴流410の固気混合流体411は軸線300に対し、直角方向で表面331に衝突することで、粉粒体99は粉砕され易くなる。さらに、衝突用構造体部330の表面331の面形状を衝突用平面38Yのように平坦にしないことで、粉粒体99に与える衝撃を大きくしつつ、粉砕された粉粒体99が第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で衝突することを抑制できる。
以上説明したように、本実施形態の粉砕機430は、衝突部材338が異なる点以外は実施形態1の粉砕機30と同様である。このときにも、粉砕室33の第2内壁面107Aの特定の狭い領域に高い確率で粉粒体99が衝突し難くなっており、樹脂材料の粉粒体99であっても第2内壁面107Aに融着し難い。このため、粉粒体99の第2内壁面107Aへの融着を低減させ、時間的な粉砕力低下を抑制できる。また、粉砕室33で粉砕された粉粒体99の粒度について、時間的なバラつきを抑制できる。時間的な粒度変化が小さくなるので粉粒体特性にバラつきが少ない粉末を作成することができる。また、粉砕効率が上がることで、衝突用平面38Yを用いる場合の粉砕圧力より低い粉砕圧力で粉砕を行うことも可能であり、エネルギーの消費を少なくすることもできる。
上述した各実施形態は、本発明を実施する具体的態様に過ぎず、本発明を限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、例えば以下に示すように、種々の態様において実施することが可能である。
上述した各実施形態において、粉砕分級装置1は、粉砕機30と、粉砕機30の下流側に配置された分級機50と、を備える構成を説明した。しかし、粉砕分級装置の一例に対応する構成としては、粉砕機30単体でも良い。すなわち、粉砕分級装置の一例に対応する粉砕機30では、粉砕機本体31が粉砕機の一例に対応し、循環管39を通じて、粉砕機本体31に対して流出口35から流出する粉粒体99を分級する分級部40が、分級機の一例に対応することになる。
上述した各実施形態において、粉粒体99は樹脂材料で全て構成された粉粒体99の構成を説明した。しかし、すべての粉粒体99が樹脂である必要はなく、樹脂が一部に含まれた粉粒体99であってもよい。
上記実施形態1および実施形態2において、衝突部材38は軸線300を中心とした回転体の形状であると説明したが、回転体の形状でなくても良い。例えば、衝突部材38は、角柱状であってもよい。また、衝突部材38は、略斜錐状であっても良い。
上記実施形態1および実施形態2では、例えば図2のように、被粉砕物が流入する流入口34と、粉砕室33で粉砕された被粉砕物が流出する流出口35が配置された粉砕室33として説明したが、この構成に限定するものではない。
以下、変形例に係る粉砕室33について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
以下、変形例に係る粉砕室33について説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
上述した各実施形態において、粉砕室33を構成する要素に第1内壁面105B及び第2内壁面107Aが含まれるが、インナーケーシングのような部材で第1内壁面105B及び第2内壁面107Aを覆ってもよい。そして、インナーケーシングに粉粒体99を衝突させても良い。インナーケーシングに粉粒体99が付着したときにはインナーケーシングを交換する。インナーケーシングがあることで、インナーケーシングが汚れた際のメンテナンスが容易になる。さらに、インナーケーシングの材質により粉砕力をコントロールできるなどの効果がある。また、表面処理し、内壁面およびインナーケーシングの表面を改質しても、衝突部材38の形状変更の効果は得られる。
上記実施形態3において、衝突用構造体部330の半球状の面は4つに限定されない。半球状の面は2つまたは3つでも良く、5つ以上でも良い。
上記実施形態1〜3において、衝突用構造体部130と円柱構造基体132とは一体に形成されてもよい。上記実施形態2において、衝突用構造体部230と円柱構造基体132とは一体に形成されてもよい。上記実施形態3において、衝突用構造体部330と円柱構造基体132とは一体に形成されてもよい。部品数を低減できる。また、衝突用構造体部130、衝突用構造体部230、衝突用構造体部330に接続してモーターを設置してもよい。衝突用構造体部130、衝突用構造体部230、衝突用構造体部330が回転することによって粉粒体99が拡散する拡散力を上げることができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
粉砕機は、被粉砕物が流入する流入口と、粉砕された前記被粉砕物を粉砕物として流出する流出口と、が配置された粉砕室に、柱構造基体と、前記柱構造基体の前記流入口側の面に設けられた衝突用構造体部と、を備え、前記流入口から流入した前記被粉砕物を、前記衝突用構造体部と前記粉砕室の内壁とに衝突させて粉砕する粉砕機であって、前記衝突用構造体部の表面には、段差が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、衝突用構造体部の表面に、段差を設けることで、粉砕室の内壁の広範囲に被粉砕物が拡散して衝突し易くなる。その結果、樹脂材料のように融着し易い被粉砕物であっても、粉砕室の内壁の特定の部位に集中して被粉砕物が衝突して融着することが低減される。このため、内壁に付着した融着物と被粉砕物との衝突機会が抑えられるため、安定した粉砕力が維持できる。
上記の粉砕機は、前記衝突用構造体部の表面には、同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状の衝突面が設けられ、前記シリンドリカル形状の前記衝突面に前記段差が付与されることが好ましい。
この構成によれば、外形形状を同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状とすることで、粉砕室内の被粉砕物の流入方向と交差した面内方向において、被粉砕物を全方向に広く拡散させることができると共に、段差の付与によって、粉砕室の内壁の高さ方向に分散させて被粉砕物を粉砕室の内壁に衝突させることができる。尚、高さ方向は流入する被粉砕物の上流側から下流側に向けた方向である。従って、粉砕力の向上および安定という効果を得ることができる。
上記の粉砕機は、前記流入口と前記流出口との間の流路において、前記段差は、前記衝突用構造体部の前記衝突面の上流側から下流側に向けて複数設けられていることが好ましい。
この構成によれば、同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状を、衝突用構造体部の上流側から下流側に向けて、複数配置することで段差が複数付与されている。複数の段差の付与によって、粉砕室の内壁の高さ方向に被粉砕物が分散され易くなるため、被粉砕物を粉砕室の内壁の広範囲に衝突させることができる。従って、粉砕力の向上および安定という効果を得ることができる。
上記の粉砕機は、前記柱構造基体の前記流入口側の前記面に、前記衝突用構造体部として、曲面を有した複数の半球状の衝突面が設けられていることが好ましい。
上記の粉砕機は、柱構造基体の上面に、軸線を中心として曲面を有した複数の半球状の衝突面を立体的に配置することで、粉砕室内の被粉砕物の流入方向と交差した面内方向において、被粉砕物が衝突用構造体部の径方向および粉砕室内壁の高さ方向に広く拡散させることができる。従って、粉砕力の向上および安定という効果を得ることができる。
上記の粉砕機では、前記段差は、隣合う前記曲面の間に設けられることが好ましい。
上記の粉砕機は、衝突用構造体部の表面に、同心円状のシリンドリカル形状や複数の半球状の衝突面を立体的に配置することで、隣合う曲面の間に段差を形成する。衝突用構造体部の表面が段差を有するため、衝突用構造体部の表面に衝突した被粉砕物は段差により、進行方向とは異なる向きの力を与えられ、被粉砕物は粉砕室内壁の広範囲へ拡散できる。従って、粉砕力の向上および安定という効果を得ることができる。
粉砕分級装置は、被粉砕物が流入する流入口と、粉砕された前記被粉砕物を粉砕物として流出する流出口と、が配置された粉砕室に、柱構造基体と、前記柱構造基体の前記流入口側の面に設けられた衝突用構造体部と、を備え、前記流入口から流入した前記被粉砕物を、前記衝突用構造体部と前記粉砕室の内壁とに衝突させて粉砕する粉砕機と、前記流出口から流出する前記粉砕物を分級する分級機と、を備え、前記衝突用構造体部の表面には、段差が設けられていることを特徴とする。
上記の粉砕機は、衝突用構造体部の表面に、段差を設けることで、粉砕室の内壁の広範囲に被粉砕物が拡散して衝突し易くなる。その結果、樹脂材料のように融着し易い被粉砕物であっても、粉砕室の内壁の特定の部位に集中して被粉砕物が衝突して融着することが低減される。このため、内壁に付着した融着物と、被粉砕物と、の衝突機会が抑えられるため、安定した粉砕力が維持できる。安定した粉砕力で粉砕された被粉砕物は粉砕機上部に設けられた分級機で分級され、規定の粒度になるまで粉砕され続けるため、粉砕分級装置は粉砕力の安定により分級精度の向上ができる。
1…粉砕分級装置、30…粉砕機、33…粉砕室、33A…流路としての流動領域、34…流入口、35…流出口、40…分級機としての分級部、50…分級機、99…被粉砕物及び粉砕物としての粉粒体、105B…内壁としての第1内壁面、107A…内壁としての第2内壁面、130,230,330…衝突用構造体部、131,231,331…衝突面及び衝突用構造体部の表面としての表面、131A…段差、132…柱構造基体としての円柱構造基体。
Claims (6)
- 被粉砕物が流入する流入口と、粉砕された前記被粉砕物を粉砕物として流出する流出口と、が配置された粉砕室に、柱構造基体と、前記柱構造基体の前記流入口側の面に設けられた衝突用構造体部と、を備え、
前記流入口から流入した前記被粉砕物を、前記衝突用構造体部と前記粉砕室の内壁とに衝突させて粉砕する粉砕機であって、
前記衝突用構造体部の表面には、段差が設けられていることを特徴とする粉砕機。 - 前記衝突用構造体部の表面には、同心円状に配置された曲面を有するシリンドリカル形状の衝突面が設けられ、前記シリンドリカル形状の前記衝突面に前記段差が付与されることを特徴とする請求項1に記載の粉砕機。
- 前記流入口と前記流出口との間の流路において、前記段差は、前記衝突用構造体部の前記衝突面の上流側から下流側に向けて複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の粉砕機。
- 前記柱構造基体の前記流入口側の前記面に、前記衝突用構造体部として、曲面を有した複数の半球状の衝突面が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粉砕機。
- 前記段差は、隣合う前記曲面の間に設けられることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の粉砕機。
- 被粉砕物が流入する流入口と、粉砕された前記被粉砕物を粉砕物として流出する流出口と、が配置された粉砕室に、柱構造基体と、前記柱構造基体の前記流入口側の面に設けられた衝突用構造体部と、を備え、前記流入口から流入した前記被粉砕物を、前記衝突用構造体部と前記粉砕室の内壁とに衝突させて粉砕する粉砕機と、
前記流出口から流出する前記粉砕物を分級する分級機と、を備え、
前記衝突用構造体部の表面には、段差が設けられていることを特徴とする粉砕分級装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7427 Effective date: 20200811 |
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