JP2020191248A - 端子付き電線、導電性素線、電線、端子付き通信ケーブル及びワイヤハーネス - Google Patents

端子付き電線、導電性素線、電線、端子付き通信ケーブル及びワイヤハーネス Download PDF

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中山 弘哲
Hirotetsu Nakayama
弘哲 中山
亮佑 松尾
Ryosuke Matsuo
亮佑 松尾
小島 学
Manabu Kojima
学 小島
泰治 内山
Yasuharu Uchiyama
泰治 内山
甫 笠原
Hajime Kasahara
甫 笠原
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Abstract

【課題】端子付き電線において、高い引張強さを確保しながら、圧着による端子との電気的接続性を改善する。【解決手段】端子付き電線10は、導体12と被覆層13により構成される被覆電線11と、該被覆電線11の端部に装着された端子を備えるものであって、前記導体12は、1本の導電性素線120、もしくは、複数本の導電性素線120を撚り合わせて構成され、前記導電性素線120は、内側芯線121と該内側芯線121の外周に形成される外層122とから構成され、前記内側芯線121と前記外層122の主成分が同じであって、前記内側芯線121は前記外層122よりも高強度であり、前記外層122は前記内側芯線121よりも高導電率である。【選択図】図1

Description

本発明は、端子付き電線、導電性素線、電線、端子付き通信ケーブル及びワイヤハーネスに関する。
自動車や産業機器などの様々な分野における電力線や信号線として、1本又は複数本の導電性素線からなる導体を絶縁被覆してなる電線が用いられている。導体を構成する導電性素線の材料としては、電気特性の観点から銅又は銅合金が一般に使用されている。
そして、実際の使用環境を考慮して、耐衝撃性に優れた導電性素線として、ステンレス鋼線からなる内層(内側芯線)と、この内層の外周に設けられる銅又は銅合金からなる外層と、内層と外層の間に設けられる鉄原子及び銅原子が混在してなる中間層とを備える構成が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2018−37324号公報
導電性素線からなる導体を絶縁被覆してなる電線と端子との接続においては、端子先端を電線に圧着させ、端子先端が導体に食い込むことで電気的な接続状態が確保される。しかし、上記のようなステンレス鋼線を含む導電性素線からなる導体を絶縁被覆してなる電線と端子とを接続する場合においては、ステンレス鋼線の硬度が原因で端子が導体に食い込みにくく、圧着性能、すなわち導体と端子間で電気的接続状態を十分に確保できなくなるおそれがあった。また、端子先端がステンレス鋼線に当接した際に端子が破損することにより、導体と端子間で電気的接続状態を十分に確保できなくなるおそれがあった。
本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高い引張強さを確保しながら、圧着による端子との電気的接続性を改善する端子付き電線を提供することにある。
すなわち、上記課題は以下の発明により達成される。
(1)導体と被覆層により構成される被覆電線と、該被覆電線の端部に装着された端子部を備える端子付き電線であって、前記導体は、1本の導電性素線、もしくは、複数本の導電性素線を撚り合わせて構成され、前記導電性素線は、内側芯線と該内側芯線の外周に形成される外層とから構成され、前記内側芯線と前記外層の主成分が同じであって、前記内側芯線は前記外層よりも高強度であり、前記外層は前記内側芯線よりも高導電率である、ことを特徴とする端子付き電線。
(2)前記内側芯線と前記外層の主成分がCuであることを特徴とする上記(1)記載の端子付き電線。
(3)前記内側芯線が、Cuを主成分として、Ni、Co、Be、Fe、Pb、Sn、Ag、Cr、Zr、Nb、W、Mo、Mg、Tiから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金であると共に、前記外層が、純度99.75%以上のCuもしくは、Cuを主成分として、Ag、Snから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金である、ことを特徴とする上記(2)に記載の端子付き電線。
(4)前記導電性素線の直径が45μm以上250μm以下であると共に、前記外層の厚さが5μm以上30μm以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の端子付き電線。
(5)前記導体の引張強さが400MPa以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の端子付き電線。
(6)前記導体の断面積が公称0.22mm以下であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の端子付き電線。
(7)前記端子部は前記導体に圧着接続されていることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の端子付き電線。
(8)内側芯線と該内側芯線の外周に形成される外層とから構成される導電性素線であって、前記内側芯線と前記外層の主成分が同じであって、前記内側芯線は前記外層よりも高強度であり、前記外層は前記内側芯線よりも高導電率である、ことを特徴とする導電性素線。
(9)前記内側芯線と前記外層の主成分がCuであることを特徴とする上記(8)に記載の導電性素線。
(10)前記内側芯線が、Cuを主成分として、Ni、Co、Be、Fe、Pb、Sn、Ag、Cr、Zr、Nb、W、Mo、Mg、Tiから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金であると共に、前記外層が、純度99.75%以上のCuもしくは、Cuを主成分として、Ag、Snから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金であることを特徴とする上記(9)に記載の導電性素線。
(11)素線直径が45μm以上250μm以下であると共に、前記外層の厚さが5μm以上30μm以下であることを特徴とする上記(8)〜(10)のいずれかに記載の導電性素線。
(12)引張強さが400MPa以上であることを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれかに記載の導電性素線。
(13)上記(8)〜(12)のいずれかに記載の導電性素線を1本で構成した導体もしくは複数本撚り合わせて構成した導体と、前記導体を絶縁する被覆層とを備えることを特徴とする電線。
(14)前記導体の断面積が公称0.22mm以下であることを特徴とする上記(13)に記載の電線。
(15)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の端子付き電線が、2本以上撚り合わされている、ことを特徴とする端子付き通信ケーブル。
(16)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の端子付き電線が、2本以上並んで配置されている、ことを特徴とする端子付き通信ケーブル。
(17)上記(15)又は(16)に記載の端子付き通信ケーブルに、さらに遮蔽体が設けられている端子付き通信ケーブル。
(18)上記(15)〜(17)のいずれかに記載の端子付き通信ケーブルを含んで構成されている、ことを特徴とするワイヤハーネス。
本発明に係る態様によれば、高い引張強さを確保しながら、圧着による端子との電気的接続性を改善することができる。また、高周波の高導電性を比較的低コストのCu系材料で実現することができる。特に、線径が0.22mm以下の電線において高周波の高導電性を実現することができる。
本実施の形態に係る端子付き電線を表す斜視図である。 本実施の形態に係る端子付き電線を構成する導電性素線の(A)側面断面図であり、(B)縦断面図である。 本発明に従う銅被覆銅導体線材の製造方法を説明するため(A)製造フロー図であり、(B)Cu内側芯線をCu外層に装入(組立)するときの状態を示す図であり、(C)複合ビレットを形成するときの状態を示す図であり、(D)複合ビレットを熱間押出しするときの状態を示す図であり、及び(E)銅被覆銅複合押出材を伸線加工するときの状態を示す図である。 (A)1本の導電性素線からなる導体を被覆層で被覆した電線の縦断面図であり、(B)複数本の導電性素線を撚り合わせてなる導体を被覆層で被覆した電線の縦断面図であり、(C)圧縮した複数本の導電性素線を撚り合わせてなる導体を被覆層で被覆した電線の縦断面図である。
本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
<端子付き電線の構成>
図1を用いて、本実施の形態に係る端子付き電線の構成について説明する。端子付き電線10は、端子1と被覆電線11とから構成される。
端子1は、端子本体2と、端子本体2の一端側に設けられ被覆電線11が圧着される圧着部3を有する。圧着部3は、圧着前においては、端子1の長手方向に垂直な断面形状が略U字状のバレル形状を有する。圧着部3は、被覆電線11の端部において後述する被覆層13から露出する導体12を圧着する導体圧着部3aと、被覆電線11の被覆層13を圧着する被覆圧着部3bとを有する。端子1は、例えば、銅もしくは黄銅などの銅合金あるいはそれらにスズなどがめっきされたもので構成される。
(被覆電線)
被覆電線11は、導体12と当該導体12を被覆する被覆層13とを有する。図2(A)(B)に示すように、導体12は、1本の導電性素線120もしくは複数本の導電性素線120を撚り合わせて構成されたものである。導電性素線120は、内側芯線121と内側芯線121の外周に設けられる外層122とを有する。内側芯線121と外層122の主成分は同じであり、主成分として銅(Cu)を挙げることができる。
内側芯線121は、Cuを主成分として、Ni、Co、Be、Fe、Pb、Sn、Ag、Cr、Zr、Nb、W、Mo、Mg、Tiから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金である。内側芯線121は、高強度の銅合金で構成されているのが好ましい。ここで主成分とは、内側芯線121においてCuが前記添加元素と不可避不純物を除いた残部(本明細書中において同じ)であることを意味する。
外層122は、純度99.75%以上のCuもしくは、Cuを主成分として、Ag、Snから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金である。外層122は、高導電性の銅合金で構成されているのが好ましい。
導電性素線120を構成する内側芯線121及び外層122において、内側芯線121は外層122よりも高強度であり、外層122は内側芯線121よりも高導電率である。このように外層122を高導電率とすることにより、高周波伝送においては、信号が導体全体を流れずに表皮部分(外層122)を流れるため、例えば、100Mbps、1Gbps等のEthernet(登録商標)などの高周波伝送に対して有効となる。
導電性素線120は、内側芯線121を高強度銅合金とすることで400MPa以上の高い引張強さを発現する。更に、内側芯線121と外層122を共に銅もしくは銅合金とすることで、銅合金系材料で構成された端子1との優れた圧着接続性を確保することができる。また、外層122を高導電性の銅もしくは銅合金とすることで、高周波での表皮効果による抵抗増の影響を受けにくくすることができる。導電性素線120は、直径が45μm以上250μm以下であり、外層122の厚さが5μm以上30μm以下であることが好ましい。ここで外層122の厚さが5μm以上である場合には、330MHz以上(例えば、1Gbpsの伝送に相当)の高周波での表皮効果による抵抗増の影響を受けにくくすることができ、且つ、端子付き電線10の圧着性が十分に担保される。また、外層122の厚さ30μm以下である場合には、33MHz以上(例えば、100Mbpsの伝送に相当)の高周波での表皮効果による抵抗増の影響を受けにくくすることができる。
導電性素線120は、内側芯線121と外層122とからなる構成について説明したが、これに限られず、内側芯線121と外層122との間にNbまたはTaからなる拡散防止層(図示せず)を設けてもよい。拡散防止層を設けることにより、導電性素線120の製造時に熱間押出し等の加熱処理が施される場合に、内側芯線121中の添加元素や、外層122中の添加元素が相互に熱拡散して、混在するのを有効に防止することができる。拡散防止層は、要求特性に応じて形成することが好ましい。
上記導電性素線120を1本からなる導体12、もしくは導電性素線120を複数本撚り合わせてなる導体12は、断面積が公称0.22mm以下であることが好ましい。また、導体12は、撚り線断面積が0.13mmである場合には引張強さが400MPa以上であることが好ましく、撚り線断面積が0.08mmである場合には引張強さが625MPa以上であることが好ましい。
被覆層13は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン等、この技術の分野において通常用いられるものを選択することができる。
<端子付き電線の製造方法>
次に、端子1に被覆電線11を圧着接続させて構成される端子付き電線10の製造方法について説明する。以下では、端子付き電線10を構成する導電性素線120の製造方法、被覆電線11の製造方法、及び端子10と被覆電線11との接続方法について説明する。
(導電性素線の製造方法)
図3を用いて、本実施の形態に係る端子付き電線を構成する導電性素線の製造方法について説明する。図3(A)には、導電性素線120の製造フローを示す。導電性素線120の製造方法は、高強度Cu系材料からなる円柱状の高強度Cu系内側芯線121および高導電性Cu系材料からなる円筒状の高導電性Cu外層122を選択する第1工程S1と、それぞれ選択したCu外層122およびCu系内側芯線121を用い、Cu外層122にCu系内側芯線121を装入する第2工程S2と、Cu系内側芯線121が封入されたCu外層122の複合ビレット123を形成する第3工程S3と、複合ビレット123を加熱しながら熱間押出しすることにより、Cu系内側芯線121およびCu外層122が一体化してなる棒状の銅被覆銅複合押出材20を得る第4工程S4と、銅被覆銅複合押材20に伸線加工をする第5工程S5とを順次行なうものである。
第1工程S1は、高強度Cu系材料からなる円柱状のCu系内側芯線121および高導電性Cu系材料からなる円筒状のCu外層122を選択する工程である。なお、Cu系内側芯線121に用いられる銅合金は時効析出型の合金で構成される。
図3(B)に示すように、第2工程S2は、第1工程S1でそれぞれ選択したCu外層122およびCu系内側芯線121を用い、Cu外層122にCu系内側芯線121を装入する工程である。Cu外層122は、Cu系内側芯線121の装入を容易にすることから、Cu外層122の内径を、Cu系内側芯線121の直径よりも0.1〜0.5mm程度大きくすることが好ましい。加えて、銅被覆銅複合押出材20において、Cu材相当部とCu外層相当部の間にNb等の拡散防止層を設ける場合には、Cu系内側芯線121の表面にNb等の箔を巻き付けてから、このCu系内側芯線121をCu外層122に装入する。また、Cu外層122の内周面とCu系内側芯線121の外周面とは、熱間押出し後に密着して一体化する必要があるため、Cu外層122の内周面とCu系内側芯線121の外周面は、Cu外層122にCu系内側芯線121を装入する前に、表面を洗浄することが好ましい。Cu外層122の内周面とCu材内側芯線121の外周面の線上は、例えば、酸洗浄によって行うことができる。
図3(C)に示すように、第3工程S3は、第2工程S2で、Cu系内側芯線121が装入されたCu外層122内に対して酸化防止処理を施して、Cu系内側芯線121が封入されたCu外層122の複合ビレット123を形成する工程である。酸化防止処理においては、Cu系内側芯線121が装入されたCu外層122内を、酸化物の生成を防止するために真空もしくは窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気とすることが好ましい。
図3(D)に示すように、第4工程S4は、複合ビレット123を750〜1000℃に加熱しながら熱間押出しすることにより、前記Cu材内側芯線121および前記Cu外層122が一体化してなる棒状の銅被覆銅複合押出材124を得る工程である。加熱温度が750℃よりも低いと、熱間押出しに用いるプレス機20の圧力が高くなりすぎ、熱間押出時の減面率を大きくすることができない。このため、所定の径の押出材124を得るためには、さらに伸線加工を行なうか、あるいは伸線加工の回数を多くしなくてはならず、効率良く製造することができない。一方、加熱温度が1000℃よりも高いと、Cuの熱拡散が生じやすくなる。複合ビレット123の熱間押出しは、具体的には複合ビレット123をコンテナ21の中に入れ、750〜1000℃に加熱した後にプレス機20によって複合ビレットに圧力を加えてダイスから押し出すことにより行うことができる。なお、熱間押出しの回数は、特に限定はしないが、歩留りやコストのことを考慮して、1回とすることが好ましい。なお、この第4工程S4は、銅被覆銅複合押し出し材124に対する溶体化熱処理を兼ねてもよい。
図3(E)に示すように、第5工程S5の伸線加工は、複数回行なわれる。1回の伸線加工における減面率は、5〜30%とすることが好ましい。減面率が30%を超えると、断線のおそれがあり、また、前記減面率が5%未満だと、伸線加工の回数が多くなるとともに、線材の内部に加工力が十分に伝わらないため、不均一な加工になりやすいため好ましくない。減面率は、15〜25%であることがより好ましい。また、伸線加工は、常温で行なわれ、加工によって銅被覆層に導入された加工歪みを除去する必要がある場合には、加工途中に200〜300℃程度の温度で1回または複数回の中間焼鈍を行うことが好ましい。この伸線加工により、所定の直径の導電性素線120が得られる。
(被覆電線の製造方法)
上記工程によって得られた導電性素線120に対して絶縁層13(ポリエチレン)で被覆することにより被覆電線11を製造する。製造される被覆電線11の1つの態様としては、図4(A)に示すように、1本の導電性素線120を導体12としてこれを絶縁層13で被覆した構成が挙げられる。また、被覆電線11の他の態様としては、図4(B)に示すように、7本の導電性素線120を撚り合わせたものを導体12としてこれを絶縁層13で被覆した構成が挙げられる。また、被覆電線11の他の態様としては、図4(C)に示すように、7本の導電性素線120を撚り合わせ、さらに圧縮したものを導体12としてこれを絶縁層13で被覆した構成が挙げられる。上記導体12においては、所定の断面積に形成するとともに、時効熱処理が施される。時効熱処理の条件は、組成に対応して適宜変化させることができる。時効熱処理が施された導体12を絶縁層13(ポリエチレン)で被覆し、被覆電線11を製造する。絶縁層13の厚さは、導体12の撚り線断面積が0.13mmの場合においては0.20mm、導体12の撚り線断面積が0.08mmの場合においては0.15mmとした。
(端子と被覆電線との接続方法)
端子1と被覆電線11との接続においては、まず、被覆電線11の端部における被覆層13を除去し導体12を露出させる。次に、被覆電線11を導体12が露出した部分から端子1の圧着部3に対して挿通させる。この状態において、一対の導体圧着部3aの先端が互いに内側に向けて折り曲げられることにより、露出した導体12に対して導体圧着部3aを圧着させる。これにより、導体12と端子1とが導体圧着部3aを介して電気的に圧着接続される。さらにこの状態において、一対の被覆圧着部3bが互いに内側に向けて折り曲げられることにより、被覆層13に対して被覆圧着部3bを圧着させる。これにより、被覆電線11の先端部分が端子1と固定された状態において接続される。以上の工程により、端子1と被覆電線11とが接続され、端子付き電線10が得られる。
上記のように得られた端子付き電線10は、例えば高速通信の用途においては、当該電線10を2本以上撚り合わせている端子付き通信ケーブルとして使用されることが好ましい。このような端子付き通信ケーブルとしては、例えば、ツイストペアケーブルが挙げられる。なお、端子付き通信ケーブルとしては、電線10を2本以上撚り合わせたものに限られず、電線10を撚り合わせず2本以上並んで配置されるものにも適用できる。電線10を2本以上撚り合わせた場合には、電線10の引張強さが高くなりすぎることにより、撚りが戻ってしまったり、端末の処理時に癖が付いたままとなったりする場合があるが、電線10を2本以上並んで配置される構成であればこのような問題が解消される。なお、上記問題は、同軸の通信ケーブルにおいても解消される。
上記端子付き通信ケーブルは、電磁波の漏洩や進入を防ぐ目的でケーブルの外周に遮蔽体が設けられた構成を有していてもよい。
また、上記端子付き通信ケーブルは、自動車等の各種産業機器に用いられるワイヤハーネス(端子付き通信ケーブルを含んで構成されるワイヤハーネス)に適用することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る実施例について説明する。なお以下の実施例は、本発明に係る態様を説明する例示にすぎず、本発明は当該実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
主成分がCu(不可避不純物を含む)であり、添加元素としてAg0.3質量%、Cr0.5質量%及びZr0.3質量%を含む内側芯線と、Cu(不可避不純物を除く)からなる外層(厚さ0.03mm)とで構成される導電性素線(径0.155mm)を7本撚り合わせて導体(撚り線断面積0.13mm)とし、これをポリエチレンからなる絶縁層(厚さ0.20mm)で被覆することで被覆電線を作製した。この被覆電線に端子を圧着接続させて端子付き電線を作製した。
(実施例2)
内側芯線に含まれる添加元素が、Cr1.3質量%、Zr0.1質量%及びSn0.2質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(実施例3)
内側芯線に含まれる添加元素が、Cr0.3質量%、Zr0.4質量%及びSn0.6質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(実施例4)
内側芯線に含まれる添加元素が、Ag0.5質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(実施例5)
内側芯線に含まれる添加元素が、Ag1.0質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(実施例6)
内側芯線に含まれる添加元素が、Ag2.0質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(比較例1)
内側芯線に含まれる添加元素が、Cr1.0質量%及びZr0.2質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(比較例2)
内側芯線に含まれる添加元素が、Cr0.3質量%及びSn0.2質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(比較例3)
内側芯線に含まれる添加元素が、Ag0.1質量%、Cr1.2質量%及びMg0.2質量%であること以外は、実施例1と同じである。
(実施例7)
主成分がCu(不可避不純物を含む)であり、添加元素としてAg2.0質量%を含む内側芯線と、Cu(不可避不純物を除く)からなる外層(厚さ0.01mm)とで構成される導電性素線(径0.12mm)を7本撚り合わせて導体(撚り線断面積0.08mm)とし、これをポリエチレンからなる絶縁層(厚さ0.15mm)で被覆することで被覆電線を作製した。この被覆電線に端子を圧着接続させて端子付き電線を作製した。
(実施例8)
内側芯線に含まれる添加元素が、Ag3.0質量%であること以外は、実施例7と同じである。
(実施例9)
内側芯線に含まれる添加元素が、Ag4.0質量%であること以外は、実施例7と同じである。
(比較例4)
内側芯線に含まれる添加元素が、Cr1.0質量%及びZr0.2質量%であること以外は、実施例7と同じである。
(比較例5)
内側芯線に含まれる添加元素が、Cr0.3質量%及びSn0.2質量%であること以外は、実施例7と同じである。
(比較例6)
内側芯線に含まれる添加元素が、Ag0.1質量%、Cr1.2質量%及びMg0.2質量%であること以外は、実施例7と同じである。
上記の方法により得られた各々の端子付き電線について、絶縁被覆前の導体の状態で引張強さを測定し、絶縁体で被覆して電線となった状態で端子圧着強度を測定した。引張強さと端子圧着強度の測定方法を以下に説明する。
(a)引張強さ
JIS C 3002−1992に準じて、各導体を3本測定し、その平均値(MPa)を示した。
(b)端子圧着強度
電線を圧着端子に接続し、それぞれの両端を掴んで引張試験を行い、破断が生じた時の強度を求めた。圧着の断面減少率は20%とした。なお、実用上、圧着強度が50N未満であると、配線時または配線後に断線が生じる可能性が高くなるため、50N以上を合格(○)として、50N未満を不合格(×)とした。
上記実施例1〜9及び比較例1〜7の測定及び評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2020191248
Figure 2020191248
表1に示すように、導体の撚り線断面積が0.13mmの実施例1〜6においては、導体の引張強さが400MPa以上であったため圧着強度が50N以上となり、高い引張強さと圧着強度を備えた端子付き電線が得られた。一方、比較例1〜3においては、導体の引張強さが400MPa未満であったため圧着強度が50N未満となり、十分な接続強度(圧着接続性)が得られなかった。
また、表2に示すように、導体の撚り線断面積が0.08mmの実施例7〜9においては、導体の引張強さが625MPa以上であったため圧着強度が50N以上となり、高い引張強さと圧着強度を備えた端子付き電線が得られた。一方、比較例4〜6においては、導体の引張強さが625MPa未満であったため圧着強度が50N未満となり、十分な接続強度(圧着接続性)が得られなかった。
1 端子
2 端子本体
3 圧着部
3a 導体圧着部
3b 絶縁圧着部
10 端子付き電線
11 被覆電線11
12 導体
120 導電性素線
121 内側芯線
122 外層
123 複合ビレット
124 押出材
13 絶縁層
20 プレス機
21 コンテナ

Claims (18)

  1. 導体と被覆層により構成される被覆電線と、該被覆電線の端部に装着された端子を備える端子付き電線において、
    前記導体は、1本の導電性素線、もしくは、複数本の導電性素線を撚り合わせて構成され、
    前記導電性素線は、内側芯線と該内側芯線の外周に形成される外層とから構成され、前記内側芯線と前記外層の主成分が同じであって、前記内側芯線は前記外層よりも高強度であり、前記外層は前記内側芯線よりも高導電率である、ことを特徴とする端子付き電線。
  2. 前記内側芯線と前記外層の主成分がCuである、ことを特徴とする請求項1に記載の端子付き電線。
  3. 前記内側芯線が、Cuを主成分として、Ni、Co、Be、Fe、Pb、Sn、Ag、Cr、Zr、Nb、W、Mo、Mg、Tiから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金であると共に、前記外層が、純度99.75%以上のCuもしくは、Cuを主成分として、Ag、Snから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金である、ことを特徴とする請求項2に記載の端子付き電線。
  4. 前記導電性素線の直径が45μm以上250μm以下であると共に、前記外層の厚さが5μm以上30μm以下である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  5. 前記導体の引張強さが400MPa以上である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  6. 前記導体の断面積が公称0.22mm以下である、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  7. 前記端子は前記導体に圧着接続されている、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の端子付き電線。
  8. 内側芯線と該内側芯線の外周に形成される外層とから構成される導電性素線であって、前記内側芯線と前記外層の主成分が同じであって、前記内側芯線は前記外層よりも高強度であり、前記外層は前記内側芯線よりも高導電率である、ことを特徴とする導電性素線。
  9. 前記内側芯線と前記外層の主成分がCuである、ことを特徴とする請求項8に記載の導電性素線。
  10. 前記内側芯線が、Cuを主成分として、Ni、Co、Be、Fe、Pb、Sn、Ag、Cr、Zr、Nb、W、Mo、Mg、Tiから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金であると共に、前記外層が、純度99.75%以上のCuもしくは、Cuを主成分として、Ag、Snから選択される1種以上の添加元素を合計で0.01質量%以上5質量%以下含有する銅合金である、ことを特徴とする請求項9に記載の導電性素線。
  11. 素線直径が45μm以上250μm以下であると共に、前記外層の厚さが5μm以上30μm以下である、ことを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の導電性素線。
  12. 引張強さが400MPa以上である、ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の導電性素線。
  13. 請求項8〜12のいずれか一項に記載の導電性素線を1本で構成した導体もしくは複数本撚り合わせて構成した導体と、前記導体を絶縁する被覆層とを備える、ことを特徴とする電線。
  14. 前記導体の断面積が公称0.22mm以下である、ことを特徴とする請求項13に記載の電線。
  15. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の端子付き電線が、2本以上撚り合わされている、ことを特徴とする端子付き通信ケーブル。
  16. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の端子付き電線が、2本以上並んで配置されている、ことを特徴とする端子付き通信ケーブル。
  17. 請求項15又は16に記載の端子付き通信ケーブルに、さらに遮蔽体が設けられている、端子付き通信ケーブル。
  18. 請求項15〜17のいずれか一項に記載の端子付き通信ケーブルを含んで構成されている、ことを特徴とするワイヤハーネス。
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