JP2020191008A - 自律移動装置および自律移動装置における搬送情報読取方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無人搬送にかかる搬送効率および作業性を最大化する自律移動装置を提供する。【解決手段】自律移動装置1であって、検出領域に光を射出し、射出された光が前記検出領域に存在する物体により反射された反射光を受光する第1のセンサ9と、前記第1のセンサからの信号に基づき、前記検出領域に存在する搬送対象物20に装着されていて当該搬送対象物にかかる搬送情報を含む識別部材21を検知する検知手段4と、当該自律移動装置の移動を制御する移動制御手段4と、を備え、前記検知手段により前記識別部材を検知すると、前記移動制御手段は、当該自律移動装置を減速走行あるいは一時停止させ、前記識別部材へ近づくよう制御し、前記検知手段は、前記移動制御手段によって近づいた前記識別部材における前記搬送対象物にかかる搬送情報を読み取る。【選択図】図1
Description
本発明は、自律移動装置および自律移動装置における搬送情報読取方法に関する。
従来、自律移動装置である無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)を用いて、倉庫内の搬送作業を自動化することは、世の中で広く検討されている。具体的には、無人搬送車に接続機構を設け、無人搬送車に搬送対象物(カゴ台車)を接続して倉庫内を搬送する、という構成は既に知られている。
特許文献1には、無人搬送車の走行速度を搬送経路におけるエリア毎に変更する技術が開示されている。より詳細には、特許文献1には、搬送効率を高めることを目的として、無人搬送車が単に走行するだけの第2のエリアにおける無人搬送車の最高走行速度が、搬送対象物が存在する可能性がある特定のエリアである第1のエリアにおける無人搬送車の最高走行速度よりも速くなるように、無人搬送車を走行させる技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、搬送対象物の有無に関わらず、特定のエリアを走行する際には減速して走行しているので、必要以上に搬送時間が掛かっており、搬送効率の向上(換言すると、生産性の向上)、という観点で改善の余地がある。
また、特許文献1に開示された技術によれば、搬送対象物を特定のエリアに停車させておく必要があるため、作業性という観点でも改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無人搬送にかかる搬送効率および作業性を最大化することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、自律移動装置であって、検出領域に光を射出し、射出された光が前記検出領域に存在する物体により反射された反射光を受光する第1のセンサと、前記第1のセンサからの信号に基づき、前記検出領域に存在する搬送対象物に装着されていて当該搬送対象物にかかる搬送情報を含む識別部材を検知する検知手段と、当該自律移動装置の移動を制御する移動制御手段と、を備え、前記検知手段により前記識別部材を検知すると、前記移動制御手段は、当該自律移動装置を減速走行あるいは一時停止させ、前記識別部材へ近づくよう制御し、前記検知手段は、前記移動制御手段によって近づいた前記識別部材における前記搬送対象物にかかる搬送情報を読み取る、ことを特徴とする。
本発明によれば、無人搬送にかかる搬送効率および作業効率を最大化することができる、という効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、自律移動装置および自律移動装置における搬送情報読取方法の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる搬送システムにおける自走ロボット1とカゴ台車2とを示す説明図である。本実施形態は、連結対象であるカゴ台車2のような搬送対象物に自動で接続して牽引することで、カゴ台車2を所望の搬送先へ自動搬送する無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)としての自走ロボット1を、自律移動装置に適用した誘導システムの一例である搬送システムの例である。
図1は、第1の実施の形態にかかる搬送システムにおける自走ロボット1とカゴ台車2とを示す説明図である。本実施形態は、連結対象であるカゴ台車2のような搬送対象物に自動で接続して牽引することで、カゴ台車2を所望の搬送先へ自動搬送する無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)としての自走ロボット1を、自律移動装置に適用した誘導システムの一例である搬送システムの例である。
自走ロボット1は、搬送物を積載するカゴ台車2に自動で連結する機能を持った自律移動装置である。これにより、自走ロボット1には積載が可能な構成を持たせることなく、自走ロボット1によってカゴ台車2を牽引させることで、カゴ台車2に積載された多数の搬送物を搬送することができる。
図1に示すように、自走ロボット1は、装置本体であるロボット本体部100、磁気センサ3、検出装置であるコントローラ4、電力源(バッテリー)6、動力モータ7、モータドライバ8、第1のセンサである測域センサ9、連結装置10、駆動車輪71及び従動車輪72等を備える。測域センサ9は、自走ロボット1の周辺環境を認識する。
本実施形態の搬送システムでは、自走ロボット1の走行可能な経路の床面にガイドテープとして磁気テープを設置し、自走ロボット1は、磁気センサ3を用いて磁気テープを検出することにより自走ロボット1が走行可能な経路上に位置していることを認識することができる。床面にテープを設置する誘導方式としては、磁気テープを用いる構成(磁気式)に限らず、光学テープを用いる構成(光学式)としてもよい。光学テープを用いる場合は、磁気センサ3の代わりに反射センサやイメージセンサなどが利用できる。
また、本実施形態の搬送システムでは、自走ロボット1は、二次元地図あるいは三次元地図と測域センサ9の検出結果との照合によって自己位置を認識する自律走行を行うことができる。測域センサ9は、物体にレーザ光を照射してその反射光から物体までの距離を測定する走査式のレーザ距離センサ(レーザレンジファインダ(LRF))である。
なお、検出結果と二次元地図あるいは三次元地図との照合によって自己位置の認識に用いるセンサとしては、レーザレンジファインダ(LRF)以外に、ステレオカメラやデプスカメラなども利用できる。
自走ロボット1は、磁気センサ3や測域センサ9の検出結果に基づいてコントローラ4がモータドライバ8を介して動力モータ7の駆動を制御し、動力モータ7が駆動車輪71を回動駆動することで自走ロボット1が自律走行を行う。
図1に示すように、カゴ台車2は、カゴ部20を保持する底板22と、四角形状の底板22の四隅に配置されたキャスター23と、カゴ部20の側面に配置された識別部材であるIDパネル21とを備える。
所定の場所に置かれたカゴ台車2には、IDパネル21の認識用マーカーが表示されたIDパネル21が取り付けられている。IDパネル21の認識用マーカーは、帯状部材である再帰反射テープ21b(図3参照)等を用いて構成されている。
本実施形態では、カゴ台車2に設置されたIDパネル21の認識用マーカーとして、再帰反射テープ21bを用いている。自走ロボット1は、周辺環境との距離を取得するレーザレンジファインダ(LRF)等の測域センサ9を用いてIDパネル21の認識用マーカーを読み取る。
自走ロボット1のコントローラ4は、測域センサ9を用いてIDパネル21の認識用マーカーを認識した場合、接続対象となるIDパネル21を備えたカゴ台車2であると認識する。
また、自走ロボット1のコントローラ4は、測域センサ9を用いて位置を認識したIDパネル21と測域センサ9との距離情報からIDパネル21の位置座標を算出する。算出したIDパネル21の位置座標を用いて、自走ロボット1のコントローラ4が動力モータ7の駆動制御を行うことで、自走ロボット1をカゴ台車2におけるIDパネル21正面の所定の位置に位置決めする。
また、IDパネル21の認識用マーカーは、搬送対象物であるカゴ台車2にかかる搬送情報を含んでいる。搬送情報も、帯状部材である再帰反射テープ21b(図3参照)等を用いて構成されている。搬送情報としては、カゴ台車2の識別番号情報(ID情報)、搬送位置などの搬送先情報、搬送の優先度情報などがコード化されている。
自走ロボット1には、搬送情報を読み取る読取装置が設置されている。読取装置は、測域センサ9と復号部とからなる。本実施形態ではコントローラ4が復号部としての機能を有する。コントローラ4は、測域センサ9の検出結果から搬送情報のコードを認識する。コントローラ4の復号部では認識した搬送情報のコード情報をデコードすることで、カゴ台車2の認識番号情報、搬送先情報、優先度情報を得る。
次に、IDパネル21について詳述する。
ここで、図2はカゴ台車2にIDパネル21が配置された例を示す斜視図である。図2に示すように、IDパネル21は、カゴ台車2の正面の略中央部に配置される。より詳細には、IDパネル21は、自走ロボット1の測域センサ9に対して対向する位置に配置される(図1参照)。IDパネル21は、カゴ台車2に着脱可能であって、カゴ台車2の中央の骨組み(縦棒)などの所定の位置に作業者によって設置される。なお、IDパネル21の角度は、カゴ台車2の角度と同義となるので、カゴ台車2の正面部分に対して平行になるように設置する。
自走ロボット1がカゴ台車2を連結するために、自走ロボット1は、カゴ台車2と自走ロボット1との距離と角度を検出して、カゴ台車2に向かって走行を行う必要がある。しかしながら、測域センサ9でカゴ台車2の形状を認識する場合、カゴ台車2の積載状況により認識すべき形状が変化することから、カゴ台車2との距離と角度を正確に検出することは難しい。そこで、本実施形態においては、カゴ台車2にIDパネル21を装着して、自走ロボット1に搭載した測域センサ9でIDパネル21を検出する。
ここで、識別部材であるIDパネル21を技術的に説明する。IDパネル21はレーザレンジファインダ(LRF)等の電磁波等を用いた測域センサ9により、検出対象の検出や識別を行うための識別部材である。IDパネル21は、電磁波等で検出するために、電磁波等が検出する定型のサイズの平面である検出面(例えば、IDパネル21の表面)を幾何学的に第一の方向(図2に示すIDパネル21では、水平方向)において少なくとも3つの領域に分割されている。そして、IDパネル21は、分割された複数の領域において、少なくとも隣り合う領域の電磁波等に対する反射率が異なるように設定されている。
この第一の方向は、測域センサ9による走査方向と平行する方向である。図3に示すIDパネル21の例では、紙面横方向(水平方向)において領域が分割されており、測域センサ9の走査方向は紙面横方向(水平方向)となる。
そして、自走ロボット1は、電磁波等を照射した際の反射信号の強度の違いを利用して特定のパターン(信号)を検出することで、検出対象の検出や識別を行う。
図3は、IDパネル21の例を示す図である。図3に示すように、本実施の形態においては、例えばA4サイズの厚紙のような板状部材を識別部材であるIDパネル21とする。該板状部材の表面21aに対して、該板状部材の表面21aの両端やその間に、再帰反射テープ21bを貼ることにより、認識用マーカーおよび搬送情報を形成する。また、板状部材の表面21aと再帰反射テープ21bにより、検出面21cを構成する。
板状部材の表面21aと再帰反射テープ21bとは電磁波等に対する反射率が異なるので、このように構成することで、上記した電磁波等が検出する検出面を幾何学的に第一の方向において少なくとも3つの領域a,b,cに分割し、分割された複数の領域a,b,cにおいて、少なくとも隣り合う領域の電磁波等に対する反射率が異なるように設定することを実現する。
図3(a)に示すように、分割された少なくとも3つの領域は、第一の方向における検出面21cの一端側から他端側に向かって、第一領域aである再帰反射テープ21b、第二領域bである板状部材の表面21a、第三領域cである再帰反射テープ21bであり、第一領域aの反射率と第二領域bの反射率は異なり、第三領域cの反射率と第二領域bの反射率は異なるように構成される。
ここで、第一領域aと第三領域cとに異なる反射率の再帰反射テープ21bを貼ることで、第一領域aの反射率と、第二領域bの反射率と、第三領域cの反射率と、を異ならせることを実現できる。また、第一領域aと第三領域cとに同じ反射率の再帰反射テープ21bを貼ることで、第一領域aの反射率と第三領域cの反射率とが等しくなるように構成してもよい。
また、第一領域aの反射率と第三領域cとは、第二領域bの反射率よりも高い必要はなく、第一領域aの反射率と第三領域cとの少なくとも一方が、第二領域bの反射率より低くてもよい。
また、識別部材であるIDパネル21は、一つの板状部材で構成されなくてもよく、例えば2つの板状部材を並べることで検出面21cを構成してもよい。
第1のセンサである測域センサ9により、第一領域aで反射された第一受光量と、第二領域bで反射された第二受光量と、及び第三領域cで反射された第三受光量と、測域センサ9から第一領域aまでの第一距離と、測域センサ9から第二領域bまでの第二距離と、測域センサ9から第三領域cまでの第三距離と、が検出される。
詳細は後述するが、IDパネル21は、第一受光量と、第二受光量と、第三受光量と、第一距離と、第二距離と、第三距離と、に基づいて識別される。
IDパネル21の両端の再帰反射テープ21bは、スタートビットおよびストップビットを表すものであり、認識領域を規定する。このスタートビットおよびストップビットを表す両端の再帰反射テープ21bの間に貼られたパターンを構成する再帰反射テープ21bの位置に応じて、IDパネル21が保有する情報(カゴ台車2の認識番号情報、搬送先情報、優先度情報)が表される。なお、パターンを構成する再帰反射テープ21bは、検出面21cの両端に配置された2つの再帰反射テープ21bに比べて、水平方向の長さが短く(すなわち、細く)なっていてもよい。すなわち、第二領域bに配置される再帰反射テープ21bは、情報を有するパターンである。
図3に示したIDパネル21の例では、板状部材の表面21aに対して再帰反射テープ21bを貼ることで、IDパネル21の表面である検出面を矩形形状の領域に分割しているが、分割される領域の形状は矩形に限定されるものではなく、幾何学的な形状であればよい。なお、この図3に示したIDパネル21の例は、再帰反射テープ21bを貼っているので、簡単で安価に識別部材を製造することが可能となる。
測域センサ9から照射されたレーザは、検出面21cを構成するIDパネル21の再帰反射テープ21bおよび板状部材の表面21aに当たった後、(反射率や入射角などに応じた強度で)反射し、測域センサ9内部のディテクタで検出される。測域センサ9の内部では、レーザの往復にかかった時間から距離を算出し、検出したレーザ光の強度値から反射強度を算出し、結果をコントローラ4に送信する。
図3(a)に示すIDパネル21の例によれば、Amm、Bmmのそれぞれの距離(幅)に応じて、IDパネル21が保有する情報(カゴ台車2の認識番号情報、搬送先情報、優先度情報)が識別される。また、図3(b)に示すIDパネル21の例によれば、Cmm、Dmm、Emmのそれぞれの距離(幅)に応じて、IDパネル21が保有する情報(カゴ台車2の認識番号情報、搬送先情報、優先度情報)が識別される。
なお、IDパネル21に貼り付ける再帰反射テープ21bは、IDパネル21の板状部材の表面21aに対して反射(輝度差の絶対値)に差があればよい。したがって、IDパネル21に貼り付ける部材は、光の再帰反射に限るものではなく、光を吸収するものであってもよい。
認識用マーカーおよび搬送情報を再帰反射テープ21bで構成することで、レーザレンジファインダ(LRF)である測域センサ9を用いた読み取りに好適となる。再帰反射テープ21bを用いる構成では、コントローラ4は、測域センサ9から得たIDパネル21の両端の再帰反射テープ21bまでの距離、反射強度を得て、距離および反射強度からカゴ台車2と自走ロボット1との距離と角度を計算する。
ここで、反射強度とは、測域センサ9の内部の受光素子で受光した光の強さに応じた電圧を数値化したものである。IDパネル21に貼り付ける再帰反射テープ21bは反射強度の値が高くでるので、位置を正確に識別し、連結時の自走ロボット1の位置決めに用いるフィードバック情報として用いることができる。
自走ロボット1を用いた本実施形態の搬送システムは、物流倉庫などにおける、カゴ台車2などの搬送対象物を搬送する作業を自動化するものである。本実施形態の搬送システムは、カゴ台車2などの搬送対象物にIDパネル21を配置して、所定のエリア内に置いておくだけで、周回走行している複数台の自走ロボット1が搬送対象となるカゴ台車2を見つけて、目的地の車庫に搬送するものである。自走ロボット1による搬送動作は、次の(1)〜(3)の三つの作業に分割される。
(1)仮置きエリアでの搬送対象の探索および連結
(2)走行エリアの走行
(3)保管エリアでの保管場所探索と荷卸し
(1)仮置きエリアでの搬送対象の探索および連結
(2)走行エリアの走行
(3)保管エリアでの保管場所探索と荷卸し
図4は、搬送システムを適用することが想定される物流倉庫1000の一例を示す説明図である。図4は、物流倉庫1000を天井側から見た床面を平面図として示している。図4に示されたXY平面が床面と並行な面であり、Z軸が高さ方向を示している。図4に示す物流倉庫1000において、上記(1)における仮置きエリアA1は、例えばピッキング(倉庫内での集荷作業)後の荷物や荷卸しされた荷物を整列しておく場所が想定される。上記(3)における保管エリアA2は、トラックバースの各方面別のトラック駐車位置前などのエリア、エレベータなどで他階へ移送する場合のエレベータ前エリアが想定される。また、上記(2)における走行エリアA3は、磁気テープにより示される周回経路(走行路)である走行ライン51のうち、仮置きエリアA1と保管エリアA2との側方に位置する走行ライン51を含む場所が想定される。本実施形態の搬送システムは、カゴ台車2などの搬送対象物や車庫の探索エリアを、自走ロボット1の走行エリアA3の側方における一定距離全域としている。
自走ロボット1は、本線動作は床面に設置された磁気テープの走行ライン51を磁気センサ3で認識するライン認識による誘導方式で移動する。また、自走ロボット1は、走行ライン51の横にあるエリアマーク52を検出してエリアを判断する。また、IDパネル21には、搬送先となる保管エリアA2の情報と優先順位の情報が含まれている。
図4に示すように、走行エリアA3には自走ロボット1の誘導用の磁気テープがライン状に設けられ、自走ロボット1が走行する走行ライン51が設けられている。また、走行エリアA3における仮置きエリアA1、保管エリアA2の開始位置と終了位置には、走行ライン51の近傍にエリアマーク52が配置されており、自走ロボット1がどのエリアに居るかを認識できるようになっている。
後述する自走ロボット1が実行するプログラムでは、エリアごとに動作を指定できるようになっている。自走ロボット1は、仮置きエリアA1ではカゴ台車2の接続動作、保管エリアA2ではカゴ台車2の車庫入れ動作を行う。自走ロボット1は、カゴ台車2の保管エリアA2への搬送が完了した後、次のカゴ台車2を運ぶためにカゴ台車2が置かれた仮置きエリアA1に作業者の手を借りず自走により移動する。
なお、本実施形態においては、走行エリアA3に自走ロボット1の誘導用の磁気テープによる走行ライン51を設けるようにしたが、これに限るものではない。例えば、走行エリアA3には走行ライン51は必須ではなく、所定の間隔でエリアマークが設置されていてもよい。この場合、自走ロボット1は、エリアマークの間は駆動車輪71及び従動車輪72の回転数等から自己位置を判断して走行する。
本実施形態においては、仮置きエリアA1と保管エリアA2とが、走行ライン51を含む走行エリアA3のすぐ横にある構成である。自走ロボット1は、カゴ台車2を搬送していない時は一定の走行速度で走行ライン51を走行したまま、仮置きエリアA1内であって走行ライン51から一定距離の範囲にあるカゴ台車2などの搬送対象物を連続的に検知する探索走行を行う。自走ロボット1は、仮置きエリアA1内に搬送対象となるカゴ台車2を見つけたら、走行ライン51上からカゴ台車2への連結動作に移行し、カゴ台車2の識別情報に従って目的地に搬送する。また、自走ロボット1は、一定の走行速度で走行ライン51を走行したまま、保管エリアA2に対しても、走行ライン51から保管エリアA2内の車庫の空き番地を探索して、カゴ台車2の車庫入れ動作を行う。
保管エリアA2に対するカゴ台車2の駐車が終わったら、自走ロボット1は、探索走行を再度開始するが、仮置きエリアA1と保管エリアA2とである探索エリアを明示的に指示せずにタスクを連続的に行わせる。このとき、自走ロボット1は、カゴ台車2の探索走行ではID検知のために速度を低下させずに走行するので、広い仮置きエリアA1だったとしても生産性が低下することは無い。
なお、自走ロボット1が搬送速度を低下させるのは、仮置きエリアA1においてカゴ台車2を接続する際と、保管エリアA2へカゴ台車2を駐車させる際だけで、走行エリアA3を走行している自走ロボット1の走行速度は一定である。このため、全体制御システムを使わなくても、走行エリアA3が複数の自走ロボット1で詰まったり、他の自走ロボット1を待たせたりすることがない。つまり、全体制御システムで複数の自走ロボット1を制御する必要がない。
加えて、図4に示す物流倉庫1000において、保管エリアA2に対して走行ライン51を挟んだ向かい側であって保管エリアA2から離間した位置には、反射材である再帰反射テープ53(案内部材)が複数設置されている。複数の再帰反射テープ53は、走行ライン51に沿った方向(X軸方向、所定方向)に設置されており、物流倉庫1000の壁面や棚を利用して、自走ロボット1の測域センサ9が検出できる位置に設置されている。自走ロボット1は、複数の再帰反射テープ53の設置情報をもとに、自己位置推定を行う。
図4に示されるように、保管エリアA2内には、自走ロボット1の誘導用の磁気テープによる走行ラインが設置されていない。すなわち、保管エリアA2付近などで、走行ライン51から外れた所定の位置にカゴ台車2を自走ロボット1から切り離ししようとする場合に、走行ライン51に拠らない自車位置の認識方法が必要となる。
そこで、本実施の形態においては、自走ロボット1は、保管エリアA2内の全体を測域センサ9によりスキャンし、複数の停車位置の中から停車する停車位置を決定し、決定した停車位置に対応する再帰反射テープ53の設置情報に基づいて、自己位置を判断しながら決定した停車位置に停車する。
ここで、複数の再帰反射テープ53を設置する際の間隔の条件について説明する。
ここで、図5は反射材の設置例を示す図である。図5に示すように、カゴ台車2を駐車する保管エリアA2と走行ライン51を挟んで向かい側であって、自走ロボット1の測域センサ9が検出できる位置に、反射材である複数の再帰反射テープ53が設置されている。自走ロボット1は、再帰反射テープ53の設置情報に基づく自己位置推定を、例えば次のように行う。自走ロボット1は、複数の再帰反射テープ53の設置間隔をあらかじめ記憶しておき、測域センサ9により自車位置から少なくとも2つの再帰反射テープ53を検出する。自走ロボット1は、間隔の分かっている2つの再帰反射テープ53に対する距離と角度から、三角測量を用いた自己位置推定を行う。
図5では、保管エリアA2内において、2行2列に配置された4つの車庫が示されている。そして、どちらの列の車庫に車庫入れする際にも測域センサ9が少なくとも2つの再帰反射テープ53を検出できるように、再帰反射テープ53を3つ設置している。これら3つの再帰反射テープ53はそれぞれがユニークな形状や大きさである必要はなく、再帰反射テープ53が再帰反射テープ53であることが認識できる形状や大きさであればよい。なお、ここでは3つの再帰反射テープ53は同一の形状で同一の大きさとしている。このように、再帰反射テープ53の形状や大きさに制約がないので、設置の容易性が高まり、また安価に設置することができる。また、同一の形状で同一の大きさの再帰反射テープ53を用いることで、より設置の容易性が高まり、より安価に設置することができる。
図5に示すように、保管エリアA2と走行ライン51を挟んで向かい側であって、自走ロボット1の測域センサ9が検出できる位置に、複数の再帰反射テープ53を設置することにより、次のような効果が得られる。例えば、棚などの障害物に囲まれていて複数に区切られた車庫を有する保管エリアA2内の空いている車庫に駐車したい場合、保管エリアA2に進入してからも進行する方向とは逆側の視野を使って再帰反射テープ53を認識することができるので、自車位置を推定することができる。
なお、物品棚の向かい側に保管エリアA2を設定する場合においては、棚の側面やフレームを利用して複数の再帰反射テープ53を貼り付けると良い。荷物を積載したカゴ台車2をけん引した状態での後進走行での車庫入れ時は、自走ロボット1の後方の視界確保が難しくなるが、視界が確保される前方に再帰反射テープ53が設置されていることで、自車位置が分かるので、このような後進走行での駐車に最適となる。
次に、自走ロボット1のコントローラ4について説明する。
ここで、図6は自走ロボット1のコントローラ4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コントローラ4は、図6に示すように、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの制御装置11と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶装置12と、SSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置13と、ディスプレイなどの表示装置14と、キーボードなどの入力装置15と、無線通信インタフェイスなどの通信装置16と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
制御装置11は、主記憶装置12や補助記憶装置13に記憶されている各種プログラムを実行することで、コントローラ4(自走ロボット1)全体の動作を制御し、後述する各種機能部を実現する。
自走ロボット1のコントローラ4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、自走ロボット1のコントローラ4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、自走ロボット1のコントローラ4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
次に、自走ロボット1のコントローラ4の制御装置11が主記憶装置12や補助記憶装置13に記憶されたプログラムを実行することによって、自走ロボット1のコントローラ4が発揮する機能について説明する。なお、ここでは従来から知られている機能については説明を省略し、本実施の形態の自走ロボット1のコントローラ4が発揮する特徴的な機能について詳述する。
なお、自走ロボット1のコントローラ4が発揮する機能の一部または全部をIC(Integrated Circuit)などの専用の処理回路を用いて構成してもよい。
図7は、自走ロボット1のコントローラ4が発揮する機能的構成例を示すブロック図である。図7に示すように、自走ロボット1のコントローラ4は、検知手段111と、移動制御手段112と、を備える。
検知手段111は、搬送対象物であるカゴ台車2に装着されたIDパネル21を検知する。
移動制御手段112は、カゴ台車2に装着されたIDパネル21までの自走ロボット1の移動を制御する。特に、移動制御手段112は、検知手段111がIDパネル21を検知した場合、減速走行するように制御してIDパネル21へと自走ロボット1を移動させる。
次に、検知手段111による仮置きエリアA1内での搬送対象物であるカゴ台車2に装着されたIDパネル21の検出手法について説明する。本実施形態の自走ロボット1は、走行速度を維持したまま、カゴ台車2に装着されたIDパネル21の検出を行うことを特徴としている。
ここで、図8はIDパネル21の検出処理およびID読取処理の流れを概略的に示すフローチャートである。図8に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、測域センサ9の反射強度値からピークを検出する(ステップS1)。
ここで、図9は仮置きエリアA1内でのカゴ台車2に装着されたIDパネル21の検知手法を示す図である。仮置きエリアA1では、図9に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、測域センサ9の値を確認しながら、走行ライン51上を一定の走行速度で走行する。
ここで、測域センサ9によるカゴ台車2に装着されたIDパネル21の検知範囲について説明する。図9に示すように、測域センサ9によるカゴ台車2に装着されたIDパネル21の検知範囲として、角度範囲φと検知距離Lとが予め設定される。
角度範囲φは、カゴ台車2を認識できる角度を設定する。カゴ台車2を認識してから停止するまでの距離が有るため、進行方向前方の角度を多めにとると良い。本実施形態においては、角度範囲φは、270度とする。
検知距離Lは、カゴ台車2に装着されたIDパネル21の設置範囲内までの距離を設定する。
上述したように、カゴ台車2に装着されるIDパネル21は、定型のサイズの平面である検出面(例えば、IDパネル21の表面)を有し、検出面中に再帰反射テープ21bによる高反射部分を有している。
そして、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、測域センサ9からの反射強度のピーク値を検出する。
図8に戻り、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、測域センサ9の反射強度値からピークを検出すると(ステップS1)、検出したピーク間距離(幅)がIDパネル21の再帰反射テープ21b間の距離(幅)に該当するかを判断する(ステップS2)。
ここで、図10は自走ロボット1によるIDパネル21の認識を示す図である。図10(a)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、測域センサ9を用いて読み取った角度ごとの反射強度に基づき、検出したピーク間の距離(幅)を計算し、IDパネル21の再帰反射テープ21b間距離と比較する。
自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、IDパネル21の再帰反射テープ21bの貼り付け幅と同じ反射のピークの幅Δθ(高反射部)を持つと判断した場合(ステップS2のYes)、IDパネル21の候補とし、ステップS3に進む。
一方、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、IDパネル21の再帰反射テープ21bの貼り付け幅と同じ反射のピークの幅Δθ(高反射部)を持たないと判断した場合(ステップS2のNo)、IDパネル21の候補とせず、ステップS1に戻る。
次いで、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、ピークを含めたピーク間における測域センサ9の距離情報値に基づく検出面がIDパネル21の検出面21cに該当するかを判断する(ステップS3)。
具体的には、図10(b)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、ステップS2で候補とされたIDパネル21のエリアについて、測域センサ9からIDパネル21までの距離を求める。なお、測域センサ9からの距離は、レーザが戻ってくる時間によって求めることが可能である。そして、測域センサ9により距離情報値に基づき、検出範囲内にある物体の測域センサ9から見た形状を検出することが可能となる。検出範囲内にIDパネル21が存在する場合は、測域センサ9から見たIDパネル21の検出面21cの形状(面形状)を検出することが可能となる。
例えば、測域センサ9の走査方向におけるIDパネル21の検出面21cの中心に対して正面からIDパネル21の検出面21cに正対して測域センサ9で検出動作を行った場合、測域センサ9が検出するIDパネル21までの距離情報値はほぼ同じ値となる(厳密にいえば、両端部が遠距離となるが、簡潔に説明するために、ここでは距離情報値はほぼ同じ値として説明する)ので、検出範囲内に測域センサ9から見た形状が平面の物体が存在する、と判断することができる。
すなわち、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、測域センサ9を用いて読み取った角度ごとの物体距離である距離情報値に基づき、IDパネル21の大きさに相当する一定幅の平面であることを認識する。
自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、IDパネルの検出面21cに該当すると判断した場合(ステップS3のYes)、接続対象となるIDパネル21を備えたカゴ台車2であると認識する(ステップS4)。
なお、IDパネル21の反射強度データは、走行中のぶれによってIDを認識できる解像力をもつデータにならなくても良く、高反射部があることを認識できれば良い。
一方、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、IDパネルの検出面21cに該当しないと判断した場合(ステップS3のNo)、IDパネル21とせず、ステップS1に戻る。
そして、自走ロボット1のコントローラ4(移動制御手段112)は、接続対象となるカゴ台車2に装着されるIDパネル21を認識した場合(ステップS4)、走行によるぶれの影響を低減できるように減速あるいは一時停止して、確実にIDパネル21のID読取を実行する(ステップS5)。
次に、自走ロボット1の仮置きエリアA1における探索動作について詳述する。
図11−1〜図11−2は、自走ロボット1の仮置きエリアA1における探索動作を示す図である。
図11−1〜図11−2に示す動作例は、自走ロボット1が、仮置きエリアA1においてカゴ台車2を接続した後に、再度走行ライン51上の走行動作に復帰する一連の動作である。
まず、図11−1(a)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(移動制御手段112)は、エリアマーク52を見つけるまで走行ライン51上を走行するよう自走ロボット1を制御する。
次に、図11−1(b)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111、移動制御手段112)は、エリアマーク52を検出すると、測域センサ9でカゴ台車2に装着されるIDパネル21を探索しながら走行(高速走行)する。
そして、図11−1(c)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111、移動制御手段112)は、カゴ台車2に装着されるIDパネル21を検知した場合、低速走行あるいは一時停止に切替えて、測域センサ9でのカゴ台車2に装着されたIDパネル21内の識別番号情報(ID情報)、搬送位置などの搬送先情報、搬送の優先度情報等についての検知を作動する。
図11−1(d)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111、移動制御手段112)は、カゴ台車2に装着されたIDパネル21内の識別番号情報(ID情報)、搬送位置などの搬送先情報、搬送の優先度情報等についての測域センサ9での読取りが完了した場合、カゴ台車2の接続動作に移行する。
次いで、図11−2(e)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(移動制御手段112)は、測域センサ9で接続対象となるカゴ台車2の位置を認識しながら接続動作を行う。
次いで、図11−2(f)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(移動制御手段112)は、接続対象となるカゴ台車2を接続し、走行ライン51に復帰する。
そして、図11−2(g)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(移動制御手段112)は、接続したカゴ台車2に装着されているIDパネル21から読み取った搬送先情報に従い目的地に搬送する。
このように本実施形態によれば、カゴ台車2の仮置きエリアA1内にカゴ台車2が無いかを探索する測域センサ9を自走ロボット1に有し、カゴ台車2を検知したときに減速あるいは一時停止するようにする。これにより、カゴ台車2に装着されたIDパネル21内の識別番号情報(ID情報)等についての読み取りが必要な区間のみを減速あるいは一時停止させることで、走行速度や振動によるブレの影響を低減させた精度の良い識別番号情報(ID情報)等の読取が可能になるとともに、減速や一時停止の区間を最小限にすることで無人搬送にかかる搬送効率を最大化することができる。
また、自走ロボット1(検知手段111、移動制御手段112)は、カゴ台車2を搬送していない場合に、周回経路(走行路)である走行ライン51から左右の一定距離の範囲にあるカゴ台車2を連続的に検知する探索走行を行い、自走ロボット1(移動制御手段112)は、カゴ台車2が見つかった場合、カゴ台車2を接続し、カゴ台車2の搬送情報に従って走行ライン51に沿って目的地に搬送する。これにより、搬送物探索エリアと走行エリアとを区別することなく、カゴ台車2を仮置きできることで、作業者が仮置きエリアまで搬送して並べる作業が削減できるので、作業者の工数削減に効果がある。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態は、カゴ台車2の4隅の縦フレームに再帰反射テープを貼り付ける点が、第1の実施の形態とは異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図12は、第2の実施の形態にかかる搬送システムにおけるカゴ台車2を示す斜視図である。図12に示すように、カゴ台車2には、IDパネル21に加え、カゴ部20の4隅の縦フレーム上であってIDパネル21を挟む位置に、再帰反射テープ24が貼り付けられている。
検知手段111は、搬送対象物であるカゴ台車2に装着されたIDパネル21を検知するとともに、再帰反射テープ24を検知する。
次に、検知手段111による仮置きエリアA1内での搬送対象物であるカゴ台車2に装着されたIDパネル21の検出手法について説明する。
ここで、図13はIDパネル21の検出処理の流れを概略的に示すフローチャートである。なお、図13に示すステップS1〜S3については、図8において説明したステップS1〜S3と何ら変わるものではないので、ここでの説明は省略する。
自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、IDパネルの検出面21cに該当すると判断した場合(ステップS3のYes)、検出したピーク間距離(幅)がカゴ部20の縦フレーム上の再帰反射テープ24間の距離(幅)に該当するかを判断する(ステップS11)。
ここで、図14は自走ロボット1によるIDパネル21および再帰反射テープ24の認識を示す図である。図14に示すように、自走ロボット1の検知手段111は、測域センサ9を用いて読み取った角度ごとの反射強度に基づき、IDパネル21の再帰反射テープ21bの貼り付け幅と同じ反射のピークの幅に加え、カゴ部20の縦フレーム上の再帰反射テープ24の貼り付け幅と同じ反射のピークの幅Δθ(高反射部)を持つことを認識する。
自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、検出したピーク間距離(幅)がカゴ部20の縦フレーム上の再帰反射テープ24間の距離(幅)に該当すると判断した場合(ステップS11のYes)、接続対象となるIDパネル21を備えたカゴ台車2であると認識する(ステップS4)。
一方、自走ロボット1のコントローラ4(検知手段111)は、検出したピーク間距離(幅)がカゴ部20の縦フレーム上の再帰反射テープ24間の距離(幅)に該当しないと判断した場合(ステップS11のNo)、IDパネル21とせず、ステップS1に戻る。
そして、自走ロボット1のコントローラ4(移動制御手段112)は、接続対象となるカゴ台車2に装着されるIDパネル21を認識した場合(ステップS4)、走行によるぶれの影響を低減できるように減速あるいは一時停止して、確実にIDパネル21のID読取を実行する(ステップS5)。
すなわち、本実施の形態においては、自走ロボット1の検知手段111は、カゴ部20の縦フレーム上の再帰反射テープ24のペアを更に認識することを条件として、接続対象となるIDパネル21を備えたカゴ台車2であることを認識する。
このように本実施形態によれば、カゴ台車2のカゴ部20の4隅の縦フレーム上であってIDパネル21を挟む位置に再帰反射テープ24を貼り付け、検知手段111が、測域センサ9を用いて読み取った角度ごとの反射強度に基づき、再帰反射テープ24の貼り付け幅と同じ反射のピークの幅Δθ(高反射部)を持つことを認識するようにした。これにより、特徴点を増やし、搬送対象物の認識精度を向上させることができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、更に識別手段(例えば、バーコードリーダなど)を備えて、IDパネル21内のコードを読み取る点が、第1の実施の形態ないし第2の実施の形態とは異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
図15は、第3の実施の形態にかかる搬送システムにおける自走ロボット1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図15に示すように、本実施の形態の自走ロボット1は、第2のセンサであるカメラ5を備えている。また、IDパネル21の第二領域bに配置されるバーコード(画像パターン)は、搬送対象物であるカゴ台車2にかかる搬送情報(カゴ台車2の識別番号情報(ID情報)、搬送位置などの搬送先情報、搬送の優先度情報など)を有するパターンである。
カメラ5は、復号部として機能するコントローラ4とともに識別手段を構成する。コントローラ4は、カメラ5の撮影画像から搬送情報の特徴の画像認識によって搬送情報のコードを認識する。コントローラ4の復号部では認識した搬送情報のコード情報をデコードすることで、カゴ台車2の認識番号情報、搬送先情報、優先度情報などを得る。
搬送情報の表示方法は、画像パターンとしての一般的なバーコードやQRコード(登録商標)を使うことができる。また、搬送情報としてカラーコードや、濃淡バーコードなどの画像パターンによって単位面積当たりの情報量を増やすことで、より遠くから認識できるようになる。
本実施形態では、カゴ台車2に設置されたIDパネル21の第二領域bに配置される搬送情報として、バーコードを用いているため、カメラ5をバーコードリーダとして用いて読み取っている。なお、カゴ台車2に設置されたIDパネル21の第二領域bに配置される搬送情報がQRコードの場合は、カメラ5をQRコードリーダとして用いることになる。
このように本実施の形態によれば、IDパネル21の検出とIDパネル21の搬送情報の識別とを分けて行うため、簡単な構成のセンサ(測域センサ9)で遠距離からでも安定してIDパネル21を検出した後に、検出したIDパネル21に近づいてから識別番号情報、搬送先情報、搬送の優先度情報等の詳細な搬送情報を取得することができる。
なお、本実施の形態においては、カゴ台車2に設置されたIDパネル21の第二領域bに配置される搬送情報として、バーコードやQRコードを用いるようにしたが、これに限るものではなく、搬送情報を表す特定の色の組み合わせ、または、幾何学的な模様を含むものであってもよい。例えば、カゴ台車2に設置されたIDパネル21の第二領域bに配置される搬送情報として、濃淡バーコード、カラーコード等を用いるようにしてもよい。
1 自律移動装置
5 第2のセンサ
9 第1のセンサ
111 検知手段
112 移動制御手段
5 第2のセンサ
9 第1のセンサ
111 検知手段
112 移動制御手段
Claims (7)
- 自律移動装置であって、
検出領域に光を射出し、射出された光が前記検出領域に存在する物体により反射された反射光を受光する第1のセンサと、
前記第1のセンサからの信号に基づき、前記検出領域に存在する搬送対象物に装着されていて当該搬送対象物にかかる搬送情報を含む識別部材を検知する検知手段と、
当該自律移動装置の移動を制御する移動制御手段と、
を備え、
前記検知手段により前記識別部材を検知すると、前記移動制御手段は、当該自律移動装置を減速走行あるいは一時停止させ、前記識別部材へ近づくよう制御し、
前記検知手段は、前記移動制御手段によって近づいた前記識別部材における前記搬送対象物にかかる搬送情報を読み取る、
ことを特徴とする自律移動装置。 - 当該自律移動装置が前記搬送対象物を搬送せずに移動している際に、前記検知手段は、走行路から左右の一定距離の範囲にある前記搬送対象物を検知する探索走行を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動装置。 - 前記移動制御手段は、前記搬送情報を読み取った後、当該自律移動装置を前記搬送対象物と接続し、前記搬送情報に従って走行路に沿って目的地に搬送する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の自律移動装置。 - 前記識別部材は、一定の大きさの平板と再起反射する部分を有する部材によって構成され、
前記第1のセンサは、レーザ光を水平方向に走査し、物体からの反射光を検知することで、物体までの距離と反射強度とを検知するレーザ測域センサであって、
前記検知手段は、前記識別部材の大きさに相当する平面の大きさと、予め定められた幅と、の両方を検知することで、前記識別部材を検知したことを認識する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自律移動装置。 - 前前記搬送情報は、前記再起反射する部分により表される、
ことを特徴とする請求項4に記載の自律移動装置。 - 画像を撮影する第2のセンサをさらに有し、
前記識別部材は、当該識別部材の前記搬送対象物にかかる搬送情報を表す特定の色の組み合わせ、または、幾何学的な模様を含み、
前記検知手段は、前記第2のセンサによって、前記移動制御手段により近づいた前記識別部材の前記搬送対象物にかかる搬送情報を読み取る、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の自律移動装置。 - 自律移動装置における搬送情報読取方法であって、
前記自律移動装置は、検出領域に光を射出し、射出された光が前記検出領域に存在する物体により反射された反射光を受光する第1のセンサと、
前記自律移動装置の移動を制御する移動制御部と、
を備え、
前記第1のセンサからの信号に基づき、前記検出領域に存在する搬送対象物に装着されていて当該搬送対象物にかかる搬送情報を含む識別部材を検知する検知工程と、
前記検知工程により前記識別部材を検知すると、前記移動制御部により前記自律移動装置を減速走行あるいは一時停止させ、前記識別部材へ近づくよう制御する移動制御工程と、
前記移動制御工程によって近づいた前記識別部材における前記搬送対象物にかかる搬送情報を読み取る工程と、
を含むことを特徴とする自律移動装置における搬送情報読取方法。
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