(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる搬送システムにおける自走ロボット1とカゴ台車2とを示す説明図である。本実施形態は、連結対象であるカゴ台車2のような被牽引台車に自動で接続して牽引することで、カゴ台車2を所望の搬送先へ自動搬送する無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)としての自走ロボット1を、自律移動装置に適用した搬送システムの例である。
自走ロボット1は、搬送物を積載するカゴ台車2に自動で連結する機能を持った自律移動装置である。これにより、自走ロボット1には積載が可能な構成を持たせることなく、簡易な移動装置によってカゴ台車2を牽引させることで、カゴ台車2に積載された多数の搬送物を搬送させることができる。
図1に示すように、自走ロボット1は、装置本体であるロボット本体部100、磁気センサ3、検出装置であるコントローラ4、電力源(バッテリー)6、動力モータ7、モータドライバ8、第1のセンサである測域センサ9、連結装置10、駆動車輪71及び従動車輪72等を備える。測域センサ9は、自走ロボット1の周辺環境を認識する。
本実施形態の搬送システムでは、自走ロボット1の走行可能な経路の床面にガイドテープである磁気テープを設置し、磁気センサ3を用いて磁気テープを検出することにより自走ロボット1が走行可能な経路上に位置していることを認識することができる。床面にテープを設置する誘導方式としては、磁気テープを用いる構成(磁気式)に限らず、光学テープを用いる構成(光学式)としてもよい。光学テープを用いる場合は、磁気センサ3の代わりに反射センサやイメージセンサなどが利用できる。
また、本実施形態の搬送システムでは、二次元あるいは三次元地図と測域センサ9の検出結果との照合によって自己位置を認識する自律走行を行うことができる。測域センサ9は、物体にレーザ光を照射してその反射光から物体までの距離を測定する走査式のレーザ距離センサ(レーザレンジファインダ(LRF))である。以降において、測域センサ9をLRF9と表記する場合がある。
なお、検出結果と二次元あるいは三次元地図との照合によって自己位置の認識に用いるセンサとしては、ステレオカメラやデプスカメラなども利用できる。
自走ロボット1は、磁気センサ3や測域センサ9の検出結果に基づいてコントローラ4がモータドライバ8を介して動力モータ7の駆動を制御し、動力モータ7が駆動車輪71を回動駆動することで自走ロボット1が自律走行を行う。
図1に示すように、カゴ台車2は、カゴ部20を保持する底板22と、四角形状の底板22の四隅に配置されたキャスター23と、カゴ部20の側面に配置された識別部材であるIDパネル21とを備える。
所定の場所に置かれたカゴ台車2には、認識用のマーカーが表示されたIDパネル21が取り付けられている。マーカーは、再帰反射テープ21b(図2や図3参照)等を用いて、カゴ台車2の識別番号情報(ID情報)、搬送位置などの搬送先情報、搬送の優先度情報がコード化されている。カゴ台車2の識別番号情報(ID情報)は、テーブル参照などによって認識することができる。
自走ロボット1には、マーカー読取装置が設置されている。マーカー読取装置はID認識手段である測域センサ9と復号部とからなる。本実施形態ではコントローラ4が復号部としての機能を有する。コントローラ4は、測域センサ9の検出結果からマーカーのコードを認識する。コントローラ4の復号部では認識したマーカーのコード情報をデコードすることで、カゴ台車2の認識番号情報、搬送先情報、優先度情報を得る。
本実施形態では、カゴ台車2に設置されたマーカーとして再帰反射テープ21bを用いている。自走ロボット1は、周辺環境との距離を取得するレーザーレンジファインダ(LRF)等の測域センサ9を用いて読み取る。コントローラ4は、測域センサ9によって位置を認識したIDパネル21と測域センサ9との距離情報からIDパネル21の位置座標を算出する。算出したIDパネル21の位置座標を用いて、コントローラ4が動力モータ7の駆動制御を行うことで、自走ロボット1をカゴ台車2におけるIDパネル21正面の所定の位置に位置決めする。
次に、IDパネル21について詳述する。
ここで、図2はカゴ台車2にIDパネル21が配置された例を示す斜視図である。図2に示すように、IDパネル21は、カゴ台車2の正面の略中央部に配置される。より詳細には、IDパネル21は、自走ロボット1の測域センサ9に対して対向する位置に配置される(図1参照)。IDパネル21は、カゴ台車2に着脱可能であって、カゴ台車2の中央の骨組み(縦棒)などの所定の位置に作業者によって設置される。なお、IDパネル21の角度は、カゴ台車2の角度と同義となるので、カゴ台車2の正面部分に対して平行になるように設置する。
自走ロボット1がカゴ台車2を連結するために、自走ロボット1は、カゴ台車2と自走ロボット1との距離と角度を検出して、カゴ台車2に向かって走行を行う必要がある。しかしながら、測域センサ9でカゴ台車2の形状を認識する場合、カゴ台車2の積載状況により認識すべき形状が変化することから、カゴ台車2との距離と角度を正確に検出することは難しい。そこで、本実施形態においては、カゴ台車2にIDパネル21を装着して、自走ロボット1に搭載した測域センサ9でIDパネル21を検出することでカゴ台車2を検出する。
この第一の方向は、検出装置による走査方向と平行する方向である。図3に示すIDパネル21の例では、紙面横方向(水平方向)において領域が分割されており、検出装置の走査方向は紙面横方向(水平方向)となる。
ここで、識別部材であるIDパネル21を技術的に説明する。IDパネル21はレーザーレンジファインダ(LRF)等の電磁波等を用いた検出装置により、検出対象の検出や識別を行うための識別部材である。電磁波等で検出するために、電磁波等が検出する検出面(例えば、IDパネル21の表面)を幾何学的に第一の方向において少なくとも3つの領域に分割し、分割された複数の領域において、少なくとも隣り合う領域の電磁波等に対する反射率が異なるように設定されている。
そして、検出装置は、電磁波等を照射した際の反射信号の強度の違いを利用して特定のパターン(信号)を検出することで、検出対象の検出や識別を行う。
ここで、識別部材であるIDパネル21を技術的に説明する。IDパネル21はレーザーレンジファインダ(LRF)等の電磁波等を用いた検出装置により、検出対象の検出や識別を行うための識別部材である。電磁波等で検出するために、電磁波等が検出する検出面(例えば、IDパネル21の表面)を幾何学的に第一の方向において少なくとも3つの領域に分割し、分割された複数の領域において、少なくとも隣り合う領域の電磁波等に対する反射率が異なるように設定されている。
この第一の方向は、検出装置による走査方向と平行する方向である。図3に示すIDパネル21の例では、紙面横方向(水平方向)において領域が分割されており、検出装置の走査方向は紙面横方向(水平方向)となる。
そして、検出装置は、電磁波等を照射した際の反射信号の強度の違いを利用して特定のパターン(信号)を検出することで、検出対象の検出や識別を行う。
図3は、IDパネル21の例を示す図である。図3に示すように、本実施の形態においては、例えばA4サイズの厚紙のような板状部材を識別部材であるIDパネル21とする。該板状部材の表面21aに対して、該板状部材の表面21aの両端やその間に、再帰反射テープ21bを貼ることにより、IDを表示するマーカーを形成する。また、板状部材の表面21aと再帰反射テープ21bにより、検出面21cを構成する。
板状部材の表面21aと再帰反射テープ21bとは電磁波等に対する反射率が異なるので、このように構成することで、上記した電磁波等が検出する検出面を幾何学的に第一の方向において少なくとも3つの領域a,b,cに分割し、分割された複数の領域a,b,cにおいて、少なくとも隣り合う領域の電磁波等に対する反射率が異なるように設定することを実現する。
図3(a)に示すように、分割された少なくとも3つの領域は、第一の方向における検出面21cの一端側から他端側に向かって、第一領域aである再帰反射テープ21b、第二領域bである板状部材の表面21a、第三領域cである再帰反射テープ21bであり、第一領域aの反射率と第二領域bの反射率は異なり、第三領域cの反射率と第二領域bの反射率は異なるように構成される。
自走ロボット1を用いた本実施形態の搬送システムは、物流倉庫などにおける、カゴ台車2などのキャスター付き搬送対象を搬送する作業を自動化するものである。自走ロボット1による搬送動作は、次の(1)~(3)の三つの作業に分割される。
(1)仮置きエリアでの搬送対象の探索および連結
(2)走行エリアの走行
(3)保管エリアでの保管場所探索と荷卸し
図4は、搬送システムを適用することが想定される物流倉庫1000の一例を示す説明図である。図4は、物流倉庫1000を天井側から見た床面を平面図として示している。図4に示されたXY平面が床面と並行な面であり、Z軸が高さ方向を示している。図4に示す物流倉庫1000において、上記(1)の仮置きエリアA1は、例えばピッキング(倉庫内での集荷作業)後の荷物や荷卸しされた荷物を整列しておく場所が想定される。上記(3)の保管エリアA2は、トラックバースの各方面別のトラック駐車位置前などのエリア、エレベータなどで他階へ移送する場合のエレベータ前エリアが想定される。また、上記(2)の走行エリアA3は図4中の矢印によって仮置きエリアA1と保管エリアA2との往復経路を示す場所が想定される。
自走ロボット1は、本線動作は床面に設置された磁気テープのラインをセンサで認識するライン認識による誘導方式で移動する。また、ラインの横にあるエリアマーク52を検出してエリアを判断する。また、IDパネル21には、搬送先となる保管エリアA2の情報と優先順位の情報が含まれている。
図4に示すように、走行エリアA3には自走ロボット1の誘導用の磁気テープがライン状に設けられ、自走ロボット1が走行する走行ライン51が設けられている。また、走行エリアA3における仮置きエリアA1、保管エリアA2の開始位置と終了位置には、走行ライン51の近傍にエリアマーク52が配置されており、自走ロボット1がどのエリアに居るかを認識できるようになっている。
後述する自走ロボット1が実行するプログラムでは、エリアごとに動作を指定できるようになっている。自走ロボット1は、仮置きエリアA1ではカゴ台車2の接続動作、保管エリアA2ではカゴ台車2の車庫入れ動作を行う。自走ロボット1は、カゴ台車2の保管エリアA2への搬送が完了した後、次のカゴ台車2を運ぶためにカゴ台車2が置かれた仮置きエリアA1に作業者の手を借りず自走により移動する。
なお、本実施形態においては、走行エリアA3に自走ロボット1の誘導用の磁気テープによる走行ライン51を設けるようにしたが、これに限るものではない。例えば、走行エリアA3には走行ライン51は必須ではなく、所定の間隔でエリアマークが設置されていてもよい。この場合、自走ロボット1は、エリアマークの間は駆動車輪71及び従動車輪72の回転数等から自己位置を判断して走行する。
本実施形態においては、仮置きエリアA1と保管エリアA2とが走行ライン51のすぐ横にある構成である。自走ロボット1は、走行ライン51を走行したまま、仮置きエリアA1や保管エリアA2のエリア内の探索を行う。仮置きエリアA1内に搬送対象となるカゴ台車2を見つけたら、走行ライン51上からカゴ台車2への連結動作に移行する。また、保管エリアA2に対しても、走行ライン51上から空き番地を探索して、カゴ台車2の車庫入れ動作を行う。
加えて、図4に示す物流倉庫1000において、保管エリアA2に対して走行ライン51を挟んだ向かい側には、反射材である複数の再帰反射テープ53が設置されている。複数の再帰反射テープ53は、自走ロボット1の測域センサ9が検出できる位置に設置されている。自走ロボット1は、複数の再帰反射テープ53の設置情報をもとに、自己位置推定を行う。
図4に示されるように、仮置きエリアA1内には、自走ロボット1の誘導用の磁気テープによる走行ラインが設置されていない。すなわち、仮置きエリアA1において、走行ライン51から外れた所定の位置にあるカゴ台車2を自走ロボット1でけん引しようとする場合に、走行ライン51に拠らない自車位置の認識方法が必要となる。
そこで、本実施の形態においては、自走ロボット1は、仮置きエリアA1内の全体を測域センサ9によりスキャンしてから、接続する搬送対象物(カゴ台車2)を決定し自動接続する。
なお、仮置きエリアA1は、自走ロボット1の搬送対象となる搬送対象物(カゴ台車2)を置いておくエリアである。自走ロボット1は、走行しながらカゴ台車2に設置されたIDパネル21を検出するため、カゴ台車2のIDパネル21が設置された面が自走ロボット1の走行経路に面した方向を向くようにカゴ台車2を整列しておくことが推奨される。
次に、自走ロボット1のコントローラ4について説明する。
ここで、図5は自走ロボット1のコントローラ4のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。コントローラ4は、図5に示すように、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などの制御装置11と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの主記憶装置12と、SSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置13と、ディスプレイなどの表示装置14と、キーボードなどの入力装置15と、無線通信インタフェイスなどの通信装置16と、を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
制御装置11は、主記憶装置12や補助記憶装置13に記憶されている各種プログラムを実行することで、コントローラ4(自走ロボット1)全体の動作を制御し、後述する各種機能部を実現する。
自走ロボット1のコントローラ4で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、自走ロボット1のコントローラ4で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、自走ロボット1のコントローラ4で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
次に、自走ロボット1のコントローラ4の制御装置11が主記憶装置12や補助記憶装置13に記憶されたプログラムを実行することによって、自走ロボット1のコントローラ4が発揮する機能について説明する。なお、ここでは従来から知られている機能については説明を省略し、本実施の形態の自走ロボット1のコントローラ4が発揮する特徴的な機能について詳述する。
なお、自走ロボット1のコントローラ4が発揮する機能の一部または全部をIC(Integrated Circuit)などの専用の処理回路を用いて構成してもよい。
図6は、自走ロボット1のコントローラ4が発揮する機能的構成例を示すブロック図である。図6に示すように、自走ロボット1のコントローラ4は、位置検知手段111(検知手段)と、選択手段112と、障害物検知手段113と、を備える。
位置検知手段111は、複数の搬送対象物(カゴ台車2)が置かれた仮置きエリアA1内の複数の搬送対象物(カゴ台車2)の位置情報を検知する。
選択手段112は、位置検知手段111により検知した複数の搬送対象物(カゴ台車2)の位置情報に基づいて、搬送対象となる搬送対象物(カゴ台車2)を予め定められたルールに従って選択する。
障害物検知手段113は、仮置きエリアA1内の障害物情報を検知する。
次に、自走ロボット1による仮置きエリアA1におけるカゴ台車2の接続動作について詳述する。
ここで、図7は自走ロボット1によるカゴ台車2の接続動作の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、まず、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、開始位置を示すエリアマーク52を測域センサ9により見つけるまで走行ライン51上を走行する(ステップS1)。なお、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、開始位置(終了位置)について、エリアマークを検出する方法ではなく、GPS、RFID、その他の自己位置推定などの他の方法で検知するようにしてもよい。
自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、開始位置を示すエリアマーク52を検知すると(ステップS2のYes)、仮置きエリアA1に到着したと判断し、ステップS3に進む。
次いで、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、走行しながら仮置きエリアA1内の全体を測域センサ9によりスキャンし、仮置きエリアA1に置かれているカゴ台車2のIDパネル21の検知を行う(ステップS3)。自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、IDパネル21の検知を、終了位置を示すエリアマーク52を検知するまで(ステップS5のYes)、続ける。
ここで、図8は仮置きエリアA1におけるカゴ台車2の検知の基本動作を示す図である。図8(a)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、エリアマーク52を見つけるまで走行ライン51上を走行する。
図8(b)(c)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、開始位置を示すエリアマーク52を検知すると、走行しながら仮置きエリアA1内の全体を測域センサ9によりスキャンし、IDパネル21の検知を行う。IDパネル21の検知は、終了位置を示すエリアマーク52を検知するまで続けられる。
図8(d)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、終了位置を示すエリアマーク52を検知すると、IDパネル21の検知を終了する。
なお、自走ロボット1とカゴ台車2(IDパネル21)の間を作業者が通過することによるカゴ台車2(IDパネル21)の検知漏れを防ぐため、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、一時停止したり、首振りしたりしながらIDパネル21の検知を行うようにしてもよい。
図9は、IDパネル21の検出におけるピーク値検出状態を示す図である。図9に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、測域センサ9の値を確認しながら、走行エリアA3における走行ライン51上を走行する。なお、図9(a)に示している測域センサ9の検出範囲は、本実施の形態においては約270度である。
そして、図9(b)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、測域センサ9からの反射強度のピーク値を検出する。
図10は、ピーク値を検出する手法について説明する図である。図10(a)に示すように、反射する部材までの距離が長い場合、測域センサ9が出力する反射強度値は低くなる。なお、一定の材質に対して、距離に応じた反射強度値の対応式を事前に算出しておく。そして、図10(b)に示すように、対応式を用いて正規化した後の値について、比率が一定値以上(この場合は80%)の値をピークとみなす。
具体的には、図9(b)に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、検出したピーク間の距離(幅)を計算し、IDパネル21の再帰反射テープ21b間距離と比較する。自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、検出したピーク間距離がIDパネル21の再帰反射テープ21b間の距離(幅)と該当すると判断した場合、IDパネル21の候補とする。一方、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、検出したピーク間距離がIDパネル21の再帰反射テープ21b間の距離(幅)と該当しないと判断した場合、IDパネル21の候補としない。
ここで、図11はIDパネル21の検出における距離情報値検出状態を示す図である。図11において、カゴ台車2は天井側から見た平面図として示している。図11に示すように、候補とされたIDパネル21のエリアについて、測域センサ9からIDパネル21までの距離を求める。なお、測域センサ9からの距離は、レーザが戻ってくる時間によって求めることが可能である。そして、測域センサ9により距離情報値に基づき、検出範囲内にある物体の測域センサ9から見た形状を検出することが可能となる。検出範囲内にIDパネル21が存在する場合は、測域センサ9から見たIDパネル21の検出面21cの形状(面形状)を検出することが可能となる。
例えば、測域センサ9の走査方向におけるIDパネル21の検出面21cの中心に対して正面からIDパネル21の検出面21cに正対して測域センサ9で検出動作を行った場合(測域センサ9とIDパネル21の検出面21cとの位置関係が図11(a)の場合)、測域センサ9が検出するIDパネル21までの距離情報値はほぼ同じ値となる(厳密にいえば、両端部が遠距離となるが、簡潔に説明するために、ここでは距離情報値はほぼ同じ値として説明する)ので、検出範囲内に測域センサ9から見た形状が平面の物体が存在する、と判断することができる。
また、IDパネル21の検出面21cが測距センサ9に対して斜めになっている場合は、測域センサ9が検出するIDパネル21までの距離情報値は、測域センサ9の走査方向における一方から他方に向かって一定の割合で変化するので、検出範囲内に測域センサ9から見た形状平面の物体が存在する、と判断することができる。
また、IDパネル21の検出面21cが曲面の場合は、測域センサ9が検出するIDパネル21までの距離情報値が、測距センサ9とIDパネル21の検出面21cとの位置関係、及び検出面21cの曲率とに応じて変化しているか否かを判断することで、検出範囲内に測域センサ9から見た形状が曲面の物体が存在する、と判断することができる。
図11(a)のグラフに示すように、測域センサ9の走査方向におけるIDパネル21の検出面21cの中心に対して正面からIDパネル21の検出面21cに正対して測域センサ9で検出動作を行った場合、反射強度のピークを含めたピーク間における測域センサ9が検出する距離情報値は、ほぼ同じ値となる。この場合、IDパネル21の候補とする。
このように、ピークを含めたピーク間の距離情報値、換言すると、第一領域a、第二領域b、第三領域cまでの距離情報値に基づき、IDパネル21の候補を検出する。
図11(b)に示すように、カゴ台車2のフレームも反射強度の値が高くでることが分かっている。そのため、反射強度比率のピーク値を見るだけでは、カゴ台車2のフレームをIDパネル21と勘違いする可能性がある。そこで、測域センサ9が検出した反射強度のピークを含めたピーク間の距離情報値に基づいて判断することで、IDパネル21の候補を検出する。カゴ台車2のフレームを検出している場合は、IDパネル21とフレームとで距離が異なるので、測域センサ9が検出した反射強度のピークを含めたピーク間の距離情報値に基づいて、IDパネル21の候補から除外されるようにしたものである。
このように測域センサ9で測定した距離情報により、カゴ台車2のフレームのような高反射を生じる小さな細いものをIDパネル21の再帰反射テープ21bとして誤認識しないようにすることができる。これは、カゴ台車2に荷物が載っていても同様である。
図7に戻り、自走ロボット1のコントローラ4(位置検知手段111)は、IDパネル21を検知した場合、検知したカゴ台車2(IDパネル21)の位置情報を取得し(ステップS4)、コントローラ4の記憶装置などに保持する。
ここで、カゴ台車2(IDパネル21)の位置情報の取得方法について詳述する。
図12は、カゴ台車2(IDパネル21)の位置情報の取得方法の一例を示す図である。図12は、物流倉庫1000を天井側から見た床面を平面図として示している。図12に示すように、開始位置を原点とし、原点から終了位置に向かう直線をX軸(原点を通りX軸に垂直な直線をY軸)となる座標系とする。このような座標系において、自走ロボット1やカゴ台車2(IDパネル21)等の位置は、(X軸における原点からの距離情報a,Y軸における原点からの距離情報b)として表記する。例えば、X軸上における原点からの距離が1000、Y軸上における原点からの距離が3000の位置は(1000,3000)と表記する。
自走ロボット1は、カゴ台車2(IDパネル21)の位置(a,b)を、自走ロボット1の絶対位置と、自走ロボット1を原点としたカゴ台車2(IDパネル21)の相対位置から算出する。なお、自走ロボット1の絶対位置は、測域センサ9による自己位置推定や、車輪回転量から移動量を算出するオドメトリなどで推定する。カゴ台車2(IDパネル21)の相対位置は、カゴ台車2(IDパネル21)の検知機能により取得する。
なお、図12では、自走ロボット1の走行経路を直線で示しているが、仮置きエリアA1内の棚や柱などのレイアウトの都合に応じて変更可能であり、直線である必要は無い。
自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、終了位置を示すエリアマーク52を検知すると(ステップS5のYes)、仮置きエリアA1が終了したものとして、カゴ台車2に接続するために、検知したカゴ台車2(IDパネル21)の位置情報を基に、搬送対象となるカゴ台車2を選択する(ステップS6)。
ここで、図13は搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の一例を示す図である。図13に示す例では、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、仮置きエリアA1におけるカゴ台車2の駐車位置(配置位置)毎に予め定められた優先順位に従い、カゴ台車2の搬送順(選択順)を決めるようにしたものである。
図13に示す例では、搬送物調査・情報取得により(500,1800)(1400,2700)(2700,2600)にIDパネル21が検知された場合を示している。なお、(500,1800)(1400,2700)(2700,2600)は、検知された各IDパネル21の検出面21cにおける中心位置の座標である。IDパネル21が検知されたことで、IDパネル21が検知された座標にカゴ台車2が有ることが分かる。事前に設定された優先順位表を参照すると(500,1800)(1400,2700)(2700,2600)の優先順位はそれぞれ「1」「5」「8」であるため、(500,1800)にあるカゴ台車2が搬送対象として選択される。
図7に戻り、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、搬送対象として選択されたカゴ台車2に向けて接続動作を開始する(ステップS7)。
このように本実施の形態によれば、仮置きエリアA1内全体をスキャンしてから、接続する搬送対象物(カゴ台車2)を検出した後で、自走ロボット1が定められたルールに従って搬送の優先順位の高い搬送対象物(カゴ台車2)を搬送するので、搬送対象物(カゴ台車2)を見つけて接続完了するまので時間を短縮できるとともに、自走ロボット1が仮置きエリアA1の面積利用効率の悪化を抑制しながら搬送対象物(カゴ台車2)の搬送順を管理することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態の搬送システムは、自走ロボット1による仮置きエリアA1におけるカゴ台車2の接続動作に際して、自走ロボット1の現在位置に基づいてカゴ台車2を選択する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図14は第2の実施の形態にかかる搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の一例を示す図である。図14に示す例では、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、自走ロボット1から最も近い位置のカゴ台車2を選択するようにしたものである。
図14に示す例では、搬送物調査・情報取得により(1000,3000)(2000,3000)(3000,3000)にカゴ台車2が有ることが分かる。現在の自走ロボット1の位置が(5000,0)である場合、最も自走ロボット1の近くにあるカゴ台車2は(3000,3000)にあるカゴ台車2(2-1)であるため、(3000,3000)にあるカゴ台車2(2-1)が搬送対象として選択される。
このように本実施の形態によれば、仮置きエリアA1内全体をスキャンしてから、接続する搬送対象物(カゴ台車2)を検出した後で、自走ロボット1が定められたルールに従って搬送の優先順位の高い搬送対象物(カゴ台車2)を搬送するので、搬送対象物(カゴ台車2)を見つけて接続完了するまので時間を短縮できるとともに、自走ロボット1が仮置きエリアA1の面積利用効率の悪化を抑制しながら搬送対象物(カゴ台車2)の搬送順を管理することができる。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態の搬送システムは、自走ロボット1による仮置きエリアA1におけるカゴ台車2の接続動作に際して、カゴ台車2に設置されたIDパネル21に紐づく優先順位に基づいてカゴ台車2を選択する点が、第1の実施の形態ないし第2の実施の形態と異なる。以下、第3の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第2の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第2の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図15は第3の実施の形態にかかる搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の一例を示す図である。図15に示す例では、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、カゴ台車2に設置されたIDパネル21に予め定められた優先順位に従いカゴ台車2を選択するようにしたものである。
図15に示す例では、搬送物調査・情報取得により(1000,3000)(2000,3000)(3000,3000)にカゴ台車2が有ることと各カゴ台車2のIDが「1」「4」「6」であることが分かる。ここで、ID優先順位テーブルを参照すると、「1」「4」「6」の優先順位はそれぞれ「1」「2」「3」であるため、(1000,3000)にあるカゴ台車2(2-2)が搬送対象として選択される。
このように本実施の形態によれば、仮置きエリアA1内全体をスキャンしてから、接続する搬送対象物(カゴ台車2)を検出した後で、自走ロボット1が定められたルールに従って搬送の優先順位の高い搬送対象物(カゴ台車2)を搬送するので、搬送対象物(カゴ台車2)を見つけて接続完了するまので時間を短縮できるとともに、自走ロボット1が仮置きエリアA1の面積利用効率の悪化を抑制しながら搬送対象物(カゴ台車2)の搬送順を管理することができる。
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態の搬送システムは、障害物検知による接続可能なカゴ台車2の判定機能を追加する点が、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる。以下、第4の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第3の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図16は第4の実施の形態にかかる自走ロボット1によるカゴ台車2の接続動作の流れを示すフローチャートである。図16に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(障害物検知手段113)は、仮置きエリアA1内の障害物情報の取得(ステップS11)を、カゴ台車2(IDパネル21)の位置情報の取得(ステップS4)と並行して実施する。自走ロボット1のコントローラ4(障害物検知手段113)は、取得した障害物情報をコントローラ4の記憶装置などに保持する。
図17は、搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の一例を示す図である。図17に示す例では、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、障害物による接続不可なカゴ台車2への接続を実施することを回避し、カゴ台車2を選択するようにしたものである。
図17に示す例では、搬送物調査・情報取得により(1000,3000)(2000,3000)(3000,3000)にカゴ台車2が有ることが分かる。また、障害物情報取得により(3200,2800)に障害物があることが分かる。カゴ台車2に接続するためには一定の範囲(=接続用のスペース)が必要であり、各カゴ台車2の前面の接続用地に障害物が存在しないカゴ台車2は、(1000,3000)(2000,3000)となる。自走ロボット1は、(1000,3000)(2000,3000)について、例えば第4の実施の形態で説明した選択方法を適用することで、(2000,3000)にあるカゴ台車2(2-3)を搬送対象として選択する。
このように本実施の形態によれば、仮置きエリアA1内全体をスキャンしてから、接続する搬送対象物(カゴ台車2)を検出した後で、自走ロボット1が定められたルールに従って搬送の優先順位の高い搬送対象物(カゴ台車2)を搬送するので、搬送対象物(カゴ台車2)を見つけて接続完了するまので時間を短縮できるとともに、自走ロボット1が仮置きエリアA1の面積利用効率の悪化を抑制しながら搬送対象物(カゴ台車2)の搬送順を管理することができる。
また、事前に搬送対象物(カゴ台車2)に接続可能かを判断可能とすることで、接続不可な搬送対象物(カゴ台車2)を対象として選択することを回避することができる。
(第5の実施の形態)
次に、第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態の搬送システムは、自走ロボット1が仮置きエリアA1の開始位置から終了位置を走行中(移動中)の任意のタイミングでカゴ台車2の選択を行う点が、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と異なる。以下、第5の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第4の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図18は第5の実施の形態にかかる自走ロボット1によるカゴ台車2の接続動作の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、カゴ台車2(IDパネル21)の位置情報の取得後(ステップS4)、取得した位置情報が搬送物選択エリアであるかを判断する(ステップS21)。ここで、搬送物選択エリアは、搬送物調査・情報取得で検出・取得したカゴ台車2のX座標を基準に±200mmの範囲とする。このように、搬送物選択エリアを設けることで、再帰反射テープ21bと同様な反射率の領域を備える物体をIDパネル21と誤検出することを防止する。
自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、取得した位置情報が搬送物選択エリアでないと判断すると(ステップS21のNo)、ステップS5に進む。一方、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、取得した位置情報が搬送物選択エリアであると判断すると(ステップS21のYes)、検出したカゴ台車2の正面付近に自走ロボット1がいるタイミングで、検知したカゴ台車2(IDパネル21)の位置情報を基に、自走ロボット1の位置からX軸方向(自走ロボット1の移動方向)に関して最も近い位置のカゴ台車2を選択する(ステップS22)。
自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、搬送対象となるカゴ台車2が有る場合(ステップS23のYes)、ステップS7に進む。一方、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、搬送対象となるカゴ台車2が無い場合(ステップS23のNo)、ステップS5に進む。
ここで、図19は搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の一例を示す図である。図19に示す例では、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、検出したカゴ台車2の正面付近に自走ロボット1がいるタイミングにカゴ台車2の選択を行い、自走ロボット1の位置からX軸方向(自走ロボット1の移動方向)に関して最も近い位置のカゴ台車2を運ぶようにしたものである。
図19に示す例では、自走ロボット1が最初の搬送物選択エリアに進入した際に、搬送物調査・情報取得により(1000,3000)(2000,3000)にカゴ台車2が有ることが分かる。自走ロボット1は、最も自走ロボット1の位置の近くにあるカゴ台車2は開始位置から3162mmの位置にある(1000,3000)であるため、(1000,3000)にあるカゴ台車2(2-4)を搬送対象として選択する。
ここで、図20は搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の別の一例を示す図である。図20は図19に示す例とは異なる仮置きエリアA1内の状況の場合のカゴ台車2の選択について示すものである。
図20に示す例では、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-A,カゴ台車2-B)が置かれているため、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、(800~1200)の位置でカゴ台車2の選択を行う。搬送物調査・情報取得によって、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-A,カゴ台車2-B)が検出されているため、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、X軸に関して自走ロボット1の位置に近いカゴ台車2-Aを選択する。
ここで、図21は搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の別の一例を示す図である。図21は図19に示す例とは異なる仮置きエリアA1内の状況の場合のカゴ台車2の選択について示すものである。
図21に示す例では、カゴ台車2(カゴ台車2-A)は置かれていなく、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-B,カゴ台車2-C)が置かれているため、自走ロボット1は、最初の搬送物選択エリアを通過する。その後、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、(1800~2200)の位置でカゴ台車2の選択を行う。搬送物調査・情報取得によって、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-B,カゴ台車2-C)が検出されているため、自走ロボット1は、X軸に関して自走ロボット1の開始位置に近いカゴ台車2-Bを選択する。
このように本実施の形態によれば、搬送対象物(カゴ台車2)を見つけて接続完了するまので時間を短縮できるとともに、自走ロボット1が仮置きエリアA1の面積利用効率の悪化を抑制しながら搬送対象物(カゴ台車2)の搬送順を管理することができる。
(第6の実施の形態)
次に、第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態の搬送システムは、X軸方向に関してではなく、Y軸方向(自走ロボット1の移動方向に直交する方向)に関して最も近い位置のカゴ台車2を選択する点が、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なる。以下、第6の実施の形態の説明では、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態ないし第5の実施の形態と異なる箇所について説明する。
ここで、図22は第6の実施の形態にかかる搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の一例を示す図である。図22に示す例では、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、自走ロボット1の位置からY軸方向(自走ロボット1の移動方向に直交する方向)に関して最も近い位置のカゴ台車2を選択するようにしたものである。
図22に示す例では、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-A,カゴ台車2-B)が置かれているため、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、(800~1200)の位置でカゴ台車2の選択を行う。搬送物調査・情報取得によって、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-A,カゴ台車2-B)が検出されているため、自走ロボット1は、Y軸に関して自走ロボット1の位置に近いカゴ台車2-Bを選択する。
図23は、搬送対象となるカゴ台車2の選択手法の別の一例を示す図である。図23に示す例では、カゴ台車2(カゴ台車2-A)は置かれていなく、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-B,カゴ台車2-C)が置かれているため、自走ロボット1は、最初の搬送物選択エリアを通過する。その後、自走ロボット1のコントローラ4(選択手段112)は、(1800~2200)の位置でカゴ台車2の選択を行う。搬送物調査・情報取得によって、2台のカゴ台車2(カゴ台車2-B,カゴ台車2-C)が検出されているため、自走ロボット1は、Y軸に関して自走ロボット1の位置に近いカゴ台車2-Bを選択する。
このように本実施の形態によれば、搬送対象物(カゴ台車2)を見つけて接続完了するまので時間を短縮できるとともに、自走ロボット1が仮置きエリアA1の面積利用効率の悪化を抑制しながら搬送対象物(カゴ台車2)の搬送順を管理することができる。