JP2020187576A - タッチパネル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力位置の検出精度の低下を抑制できるタッチパネル装置を提供する。【解決手段】タッチパネル装置1は、上部シートの透明導電膜30または下部シートの透明導電膜40の少なくとも一方が、当該導電膜に設けられる電極対の対向方向と直行する方向に配列された複数の導電領域に区分され、複数の導電領域の少なくとも1つに、当該導電領域に設けられた電極対の対向方向に沿って延在するよう導電層が除去されて形成される導電層除去部としてのスリット33、43を有する。【選択図】図7

Description

本開示は、タッチパネル装置に関する。
従来、抵抗膜方式タッチパネルにてマルチ入力を実施するために、上部基板と下部基板の透明導電膜を複数に分割し、分割数に応じた電極を設けた構造(以下では「アナログマトリクス構造」という)のタッチパネル装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−9142号公報
従来のアナログマトリクス構造では、本来の入力位置の他にユーザが誤って別の位置を触れる場合がある。この場合、誤って触れた位置での上部基板と下部基板との接触によって電極間抵抗値が変動するため、本来の入力位置の検出電圧が変動し、入力位置の検出精度が低下する虞がある。
本開示は、入力位置の検出精度の低下を抑制できるタッチパネル装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態の一観点に係るタッチパネル装置は、抵抗膜方式のタッチパネル装置であって、第1の基板と、前記第1の基板と対向して配置される第2の基板と、前記第1の基板の前記第2の基板との対向面に形成される第1の導電層と、前記第2の基板の前記第1の基板との対向面に形成される第2の導電層と、前記第1の導電層に設けられる第1の電極対と、前記第2の導電層に設けられ、前記第1の電極対の対向方向と直交する方向に対向配置される第2の電極対と、を備え、前記第1の導電層または前記第2の導電層の少なくとも一方が、当該導電層に設けられる電極対の対向方向と直行する方向に配列された複数の導電領域に区分され、前記複数の導電領域の少なくとも1つに、当該導電領域に設けられた電極対の対向方向に沿って延在するよう導電層が除去されて形成される導電層除去部を有する。
本開示によれば、入力位置の検出精度の低下を抑制できるタッチパネル装置を提供することができる。
4線式のタッチパネル装置の断面図 4線式のタッチパネル装置の分解斜視図 参考例のアナログマトリクス構造の分解斜視図 アナログマトリクス構造の平面図 お手付き無し時の透明導電膜の等価回路を示す図 お手付き有り時の透明導電膜の等価回路を示す図 実施形態に係るタッチパネル装置の分解斜視図 スリットを設けない場合の電流の流れを示す模式図 スリットを設けた場合の電流の流れを示す模式図 実施形態のタッチパネル装置におけるお手付き有り時の透明導電膜の等価回路を示す図 ターゲット位置とお手付き位置とがy方向に並ぶときのスリットの配置を説明する図 スリット形状の変形例を示す図
以下、添付図面を参照しながら実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
以下の説明において、x方向、y方向、z方向は互いに垂直な方向である。z方向はタッチパネル装置1の各要素の積層方向である。z正方向側を上側、z負方向側を下側と表記する。x方向は矩形状のタッチパネル装置1の一方の対辺の延在方向であり、y方向は他方の対辺の延在方向である。
<4線式タッチパネル装置の基本構成>
図1及び図2を参照して、4線式のタッチパネル装置について説明する。図1はタッチパネル装置1の積層方向の断面図である。図2はタッチパネル装置1の分解斜視図である。
タッチパネル装置1は、抵抗膜方式の4線式タッチパネルである。抵抗膜方式のタッチパネル装置とは、上部電極基板及び下部電極基板に形成された透明導電膜同士を対向するように設置し、上部電極基板に力を加えたことによる透明導電膜同士の接触位置を検出するものである。
図1に示すように、タッチパネル装置1は、一方の面に透明導電膜30(第1の導電層)が形成された上部電極基板となるフィルム10(第1の基板)と、一方の面に透明導電膜40(第2の導電層)が形成された下部電極基板となるガラス20(第2の基板)とを有し、透明導電膜30及び透明導電膜40が対向するようにスペーサ50を介し接続されて形成されている。このようなタッチパネルはホストコンピュータ等と接続されている。透明導電膜30,40の材料は、例えばITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)である。
図2に示すように、フィルム10には、透明導電膜30が形成された面のx軸方向の両端に、y軸方向に沿って電極31、32(第1の電極対)が設けられている。ガラス20には、透明導電膜40が形成された面のy軸方向の両端に、x軸方向に沿って電極41、42(第2の電極対)が設けられている。
タッチパネル装置1においてタッチパネルに接触した点Pの位置を検出する場合、X座標検出のために電極31と電極32とに電圧を印加する。図2の例では、電極31を接地し、電極32に電源電圧VDD(例えば5V)を印加する。このとき、透明導電膜30には、電極31及び電極32によりX軸方向に電位勾配が生ずるように電圧が印加される。点Pにおいて透明導電膜30と透明導電膜40が接触すると、透明導電膜40より点Pにおける電位を検出することができる。この検出電位に基づき、点PにおけるX座標を検出することができる。
同様に、Y座標検出のために、例えば電極41を接地し、電極42に電源電圧VDDを印加して、透明導電膜40に電極41及び電極42によりY軸方向に電位勾配を生じさせる。点Pにおいて透明導電膜30と透明導電膜40が接触すると、透明導電膜30より点Pにおける電位を検出することができる。この検出電位に基づき点PにおけるY座標を検出することができる。
<アナログマトリクス構造>
次に図3〜図6を参照して、参考例のアナログマトリクス構造のタッチパネル装置について説明する。図3は、参考例のアナログマトリクス構造の分解斜視図である。図4は、アナログマトリクス構造の平面図である。
図3に示すタッチパネル装置100では、透明導電膜30、40が、共に透明導電膜に設けられる電極対の対向方向と直行する方向に配列された複数(図3では3つ)の導電領域に区分されている。
上部シートとしての透明導電膜30はy方向に沿って三分割され、3つの導電領域30−1、30−2、30−3(第1の導電領域群)に区分されている。導電領域30−1、30−2、30−3のそれぞれは互いに電気的に絶縁されている。透明導電膜30の区分に応じて電極31,32も三分割され、導電領域30−1、30−2、30−3には、それぞれx方向に対向する電極31−1、31−2、31−3と、電極32−1、32−2、32−3とが設けられている。
下部シートとしての透明導電膜40はx方向に沿って三分割され、3つの導電領域40−1、40−2、40−3(第2の導電領域群)に区分されている。導電領域40−1、40−2、40−3のそれぞれは互いに電気的に絶縁されている。透明導電膜40の区分に応じて電極41,42も三分割され、導電領域40−1、40−2、40−3には、それぞれy方向に対向する電極41−1、41−2、41−3と、電極42−1、42−2、42−3とが設けられている。
このようにそれぞれ三分割された透明導電膜30と透明導電膜40とが組み付けられると、図4に示すようにタッチパネルは9つの領域に区分される。導電領域30−1と導電領域40−1とが重なる領域Aでは、電極31−1と電極32−1、及び電極41−1と電極42−1の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−1と導電領域40−2とが重なる領域Bでは、電極31−1と電極32−1、及び電極41−2と電極42−2の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−1と導電領域40−3とが重なる領域Cでは、電極31−1と電極32−1、及び電極41−3と電極42−3の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−2と導電領域40−1とが重なる領域Dでは、電極31−2と電極32−2、及び電極41−1と電極42−1の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−2と導電領域40−2とが重なる領域Eでは、電極31−2と電極32−2、及び電極41−2と電極42−2の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−2と導電領域40−3とが重なる領域Fでは、電極31−2と電極32−2、及び電極41−3と電極42−3の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−3と導電領域40−1とが重なる領域Gでは、電極31−3と電極32−3、及び電極41−1と電極42−1の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−3と導電領域40−2とが重なる領域Hでは、電極31−3と電極32−3、及び電極41−2と電極42−2の組合せにより入力位置を検出できる。導電領域30−3と導電領域40−3とが重なる領域Iでは、電極31−3と電極32−3、及び電極41−3と電極42−3の組合せにより入力位置を検出できる。
アナログマトリクス構造では、複数の異なる領域に同時に接触した場合にもそれぞれの接触位置を検出でき、マルチ入力が可能となっている。
しかしながら、図3のアナログマトリクス構造では、接触する領域の組合せによっては検出精度が低下する場合がある。タッチパネルにペンで入力する際にペンを握る手が誤ってタッチパネルに触れる状況を例示して説明する。以降、ユーザが意図して接触した位置を「ターゲット位置P」、手などが誤って接触した位置を「お手付き位置T」と呼ぶ。
図3に示すように、ターゲット位置Pとお手付き位置Tとがx方向に並び、両者が共に導電領域30−2に接触する状況を考える。この場合、導電領域30−2は、ターゲット位置Pでは下部シートの中央の導電領域40−2に接触し、お手付き位置Tでは導電領域40−3に接触する。ターゲット位置Pは図4に示す領域Eに位置し、お手付き位置Tは領域Fに位置する。このとき、お手付き位置Tにおいて上部シートと下部シートとが広い範囲で接触することによって、ターゲット位置Pのx座標を求めるときに、お手付き位置Tの抵抗値が影響して、タッチパネル装置がペンの接触した位置とは異なる位置をターゲット位置として算出して位置検出精度が低下する場合がある。
位置検出精度の低下について、図5、図6を参照して説明する。図5、図6では、透明導電膜30、40の等価回路を示す。図5はお手付き無し時の透明導電膜30,40の等価回路を示し、図6は、お手付き有り時の透明導電膜30,40の等価回路を示す。
図5に示すように、お手付きが発生していない状態では、上部シートの透明導電膜30(図3の例では導電領域30−2)は、ターゲット位置Pよりx負方向側の抵抗R1と、ターゲット位置Pよりx正方向側の抵抗R3とが直列接続された回路と等価である。下部シートは、ターゲット位置Pにて上部シートと接続され、この部分に、ターゲット位置Pの接触抵抗Rpと下部シートの通電部分の導電膜の抵抗R2とが直列接続された構成と等価である。また、下部シートの通電しない部分の抵抗はR4である。抵抗R1と抵抗R3との大小関係は、x方向のターゲット位置Pと上部シートのx方向両端までとの距離によって決まる。図3、図4の例では、ターゲット位置Pから上部シートのx方向両端までの距離は略同一であるので、抵抗値の関係はR1=R3となる。したがって、ターゲット位置Pの電位は、上部シートの電極間の印加電圧の約半分の値となる。
図5の等価回路では、上部シートの電極間抵抗値Raは以下の(1)式で表される。
Ra=R1+R3 ・・・(1)
一方、お手付きが発生するとお手付き位置Tでも上部シートと下部シートとが接触するため、図6に示すように、お手付きによる接触抵抗Rt1、Rt2によって、上部シートの抵抗R3と下部シートの抵抗R4とが並列接続される。このとき、お手付き位置Tの合成抵抗Rは、R=1/(1/R3+1/R4)=(R4/(R3+R4))・R3と表され、図5と同様にR1=R3の関係にある場合、R1>Rとなる。上下シートの接触面積に応じて合成抵抗Rの値も変化するが、お手付きの場合の上下シートの接触面積はペンや指で押圧した際の接触面積よりも大きいため、抵抗R3と抵抗R4との並列回路による合成抵抗Rの影響も大きくなる。これにより、導電領域のx方向中央がペンによって押圧されているにもかかわらず、ターゲット位置Pより上流側の抵抗R1と下流側の合成抵抗Rとのバランスが崩れ、抵抗R1に印加される電圧が相対的に増えるので、ターゲット位置Pの電位が上部シートの電極間の印加電圧の約半分より小さい値となる。これにより、ターゲット位置Pは本来よりx正方向にずれた位置として認識されてしまう。
図6の等価回路では、上部シートの電極間抵抗値Rbは以下の(2)式で表される。
Figure 2020187576
<実施形態のタッチパネル構造>
次に図7〜図12を参照して、実施形態のタッチパネル装置1の構造について説明する。図7は、タッチパネル装置1の分解斜視図である。図8は、スリットを設けない導電領域における電流の流れを示す模式図である。図9は、スリットを設けた導電領域における電流の流れを示す模式図である。図10は、タッチパネル装置1におけるお手付き有り時の透明導電膜30,40の等価回路を示す図である。図11は、ターゲット位置Pとお手付き位置Tとがy方向に並ぶときのスリットの配置を説明する図である。図12は、スリット形状の変形例を示す図である。
図3のアナログマトリクス方式のタッチパネル装置では、お手付きが生じるとターゲット位置Pの位置検出精度が低下することが問題であった。本実施形態では、お手付きが発生した場合でも、お手付き位置Tの合成抵抗Rの値の低下を抑制することで、ターゲット位置Pの位置検出精度の低下を抑制する。
具体的には、図7に示すように、お手付き位置Tで上部シートと接触する下部シート側の導電領域40−3に、電極41−3と電極42−3とが対向する方向に沿って複数のスリット43が設けられている。スリット43は、お手付き位置Tで導電領域40−3が上部シートと接触する部分をx方向に沿って複数に分断するように配置されている。このようにスリット43を設けることによって、導電領域30−2の抵抗成分(図10のR3)と並列接続される導電領域40−3の抵抗成分(図10のR4´)を、図6に示した参考例の抵抗成分R4より相対的に増大させて、これによりお手付き位置Tの合成抵抗Rの減少を抑制できる。
スリット43は、例えばエッチングなどの手法を用いて導電領域40−3の導電性材料を除去することによって形成することができる。すなわち、スリット43は、「導電領域40−3に設けられた電極対41−3、42−3の対向方向に沿って延在するよう導電層(透明導電膜40)が除去されて形成される導電層除去部」とも表現できる。
図8に示すように、スリットを設けないアナログマトリクス構造では、お手付き位置Tで上部シートと接触する導電領域40−3において、接触している導電領域30−2と同方向、つまりx正方向に電流I1が流れる。このとき、電流I1の経路長L1は、導電領域40−3のx方向の長さとなり、電流I1の経路の幅D1は、電流I1の流れ方向と直交する電極41−3と電極42−3との間の距離となる。
一方、図9に示すように、電極41−3と電極42−3との間に複数のスリット43を設ける構成では、お手付きによって導電領域40−3に流れる電流I2は導電領域40−3のx負側からx正方向に流れようとするが、スリット43により阻害される。このため、電流I2はスリット43が延在するy方向に沿って電極41−3または電極42−3に向かって流れ、スリット43の端部を迂回し、その後はx正方向に流れると共に、電流I2の一部はスリット43の間の領域をy方向に沿って導電領域40−3のy方向中央部に向かって流れ、再びお手付き位置Tにて導電領域40−3と接触している上部シート側に流れる。電流I2がスリット43の延在方向に沿って迂回して流れるため、導電領域40−3を流れる電流の総距離L2は、図8に示したスリット43が無い構成の距離L1よりも増大する。電流I2の経路が長くなるほど、導電領域40−3にて電流I2が流れる部分の抵抗値(図10のR4´)は相対的に大きくなる。
また、スリット43の間をy方向に沿って流れる電流I2の経路の幅D2は、基本的には隣り合うスリット43の間の距離となり、図8に示したスリット43が無い構成の幅D1よりも狭くなる。電流I2の経路の幅が狭くなるほど、導電領域40−3にて電流I2が流れる部分の抵抗値(図10のR4´)は相対的に大きくなる。
つまり、図10に示すように、図9の構成における上部シートと接触する導電領域40−3のお手付き位置Tの部分の抵抗R4´は、図8の構成におけるお手付き位置Tでの導電領域40−3の抵抗R4より格段に大きい抵抗値となる(R4<<<R4´)。このとき、お手付き位置Tの合成抵抗Rは、R=1/(1/R3+1/R4´)=(R4´/(R3+R4´))・R3と表される。これにより、お手付き位置Tでの合成抵抗値Rは、抵抗値R4´の影響によって、図6に示した参考例の合成抵抗値よりも増大して抵抗R3の値に近づき、抵抗R1との差異が減少する。これにより、ターゲット位置Pの上流側と下流側の抵抗値のバランスが改善し、検出されるターゲット位置Pの電位が実際の位置とより近いものとなる。このように、本実施形態のタッチパネル装置1では、お手付き位置Tにスリット43を設けることにより、電極間の電流の流れを抑えることができ、電極間抵抗の変動値が限りなく少なくなる為、検出電圧の変動を抑えることが可能であり、この結果、入力位置の検出精度の低下を抑制できる。
図10の等価回路では、上部シートの電極間抵抗値Rcは以下の(3)式で表される。
Figure 2020187576
ここで、図5、図6、図10の等価回路における上部シートの電極間抵抗値Ra、Rb、Rcを比較する。
ターゲット位置Pが同一であれば、図5、図6、図10の各図において抵抗R1〜R4は500Ωの同一値と仮定することができる。このとき図5の等価回路における上部シートの電極間抵抗値Raは、(1)式を用いて以下のとおり1000Ωとなる。
Ra=R1+R3=500+500=1000Ω
図6の等価回路における上部シートの電極間抵抗値Rbは、(2)式を用いて以下のとおり750Ωとなり、図5より250Ω低くなる。
Rb=R1+(1/(1/R3+1/R4))
=500+(1/(1/500+1/500))
=500+1/(2/500)
=500+250=750
図9を参照して説明したとおり、下部シートにスリット43を設けると抵抗R4の抵抗値が上がることは自明である。スリット有りの場合の抵抗R4´の抵抗値を5000Ωと仮定すると、図10の等価回路における上部シートの電極間抵抗値Rcは、(3)式を用いて以下のように算出できる。
Rc=R1+(1/(1/R3+1/R4´)
=500+(1/(1/500+1/5000))
=500+1/(11/5000)
=500+454.54=954.54Ω
このように、図10の等価回路における上部シートの電極間抵抗値Rcは954.54Ωとなり、抵抗R4の抵抗値をR4´に増大させることにより、上部シートの電極間の抵抗の変動を抑えることが可能となる。
また、上記のスリットなしおよびスリット有りのタッチパネル装置のそれぞれの実機にお手付きエリアを再現して、抵抗値Ra、Rb、Rcを測定した。お手付きエリアは、上部シート電極間の抵抗値Raが2400Ωであるタッチパネル装置の上部シートに、半径50mm、300gのおもりを乗せて再現した。スリットがないタッチパネル装置では、抵抗値Rbの実測値は2260Ωだった。また、スリット43を10mm間隔で6本入れた構成では、抵抗値Rcの実測値は2360Ωであり、スリット43を5mm間隔で13本入れた構成では、抵抗値Rcの実測値は2398Ωであった。
このように、実測値でも、上記の等価回路の計算値と同様に、スリット43を入れた本実施形態の構成のほうが、スリットのないアナログマトリクス構造と比較してお手付き発生時の上部シートの電極間の抵抗値変動が抑制されることがわかる。また、スリットの数を増やすほど、抵抗値変動の抑制効果が高まることが示された。
なお、図11に示すように、ターゲット位置Pとお手付き位置Tとがy方向に並ぶ場合には、上部シートのうちお手付き位置Tに対応する導電領域30−3に、電極31−3と電極32−3との対向方向(x方向)に沿って複数のスリット33を設けることにより、y方向のターゲット位置Pの計測電圧の誤差を低減でき、ターゲット位置Pの推定位置の誤差を低減できる。
なお、スリット43は、下部シートの全ての導電領域に設けてもよいが、お手付きが生じ得ると想定される位置の下部シートの導電領域に設けられれば良い。図3、図7では導電領域40−3のみにスリット43を設けているが、導電領域40−3以外の導電領域40−1や導電領域40−2に設けるようにしてもよい。同様に、スリット33は、お手付きが生じ得ると想定される位置の上部シートの導電領域に設けられれば良く、導電領域30−3以外の導電領域30−1や導電領域30−2に設けるようにしてもよい。
スリット33もスリット43も、共にスリットが設けられる導電領域中の電極対の対向方向に沿って設けられるので、電極間に電圧を印加した際にはスリット33、43が電極間の電流の流れを阻害することがなく、位置計測時の電圧印加に影響はない。
また、アナログマトリクス構造では、図3などに例示した上部シート、下部シートの両方が複数の導電領域に区分される構成以外にも、上部シートまたは下部シートの一方のみが複数の導電領域に区分される構成もある。例えば上部シートが3分割され、下部シートが区分されない構成では、タッチパネルの接触位置の検出領域は3つの領域となる。このような構成でも、上部シート及び下部シートのうち複数の導電領域に区分される側のシートにおいて、上記と同様のスリットを設けることで、同様の効果を奏することができる。
図9を参照して、スリット33、43を設けることによってお手付き位置Tと接触する導電領域の抵抗値を大きくできることを説明したが、例えば図12に示すようにお手付き位置Tが電極と近い位置の場合には、電流の迂回距離が短くなるため、抵抗値の増加が不足して効果が薄れる可能性がある。特に下部シートのみ3分割で上部シート分割なしの構成、すなわちタッチパネルが、図4の領域A,D,Gを合わせた第1領域と、領域B,E,Hを合わせた第2領域と、領域C,F,Iを合わせた第3領域の3つの領域に区分させる構成では、例えばターゲット位置Pが第2領域、お手つき位置Tが第3領域の電極にごく近い部分になった場合に、スリットによる抵抗値増加の効果が薄れやすい。このような問題を解消するため、図12に示すように、スリット43の端部44が二股に分岐する構成としてもよい。これにより、隣り合うスリット43の端部44間の距離D3は、スリット43のy方向中央部分での距離D2より小さくなる。これにより、電極近傍では電流経路の幅D3を減少させて抵抗値を増大でき、抵抗値の増加不足を補填して位置精度を担保できる。
透明導電膜30に設けられるスリット33は、隣接するスリット同士が等間隔に配置されるのが好ましい。同様に、透明導電膜40に設けられるスリット43は等間隔に配置されるのが好ましい。これにより、電流経路の幅の変動による抵抗値の変動を抑制できる。また、スリット同士が等間隔であることにより、お手付き位置Tがどのような面積であっても、お手付き位置Tがスリットにより等間隔に区分されるので、電極間抵抗値変動を抑えることが可能である。
スリット33、43は、幅が0.5mm以下であるのが好ましい。0.5mmを超える太さで透明導電膜を除去した場合、ターゲット位置Pを含む領域内ではスリットが無いため、ペン入力などによる描画は問題ないが、お手つき位置Tを含むスリットを設けた領域で描画した際には、スリット部分の影響によって、上部シートと下部シートとで透明導電膜同士が接触する部分が小さくなり、入力を検出できない部分が多くなって直線描画性に影響を与えるためである。
スリット33、43の端部は電極と接触してもよいし、離れてもよい。ただし、電極から離れる構成でも、できる限り電極に接近するのが好ましく、電極とスリット端部との距離は1mm以内であるのが好ましい。電極から1mmを超えて離れた位置からスリットを設けた場合、電極とスリット端部との隙間に電流が流れやすくなり、お手付き位置Tの電流の流れを抑える効果が低下してしまうためである。
以上、具体例を参照しつつ本実施形態について説明した。しかし、本開示はこれらの具体例に限定されるものではない。これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素およびその配置、条件、形状などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
上記実施形態では、直線状のスリット33、43を例示したが、電極の対向方向に沿って延在すればよく、少なくとも連続する線分であればよい。例えば、波線や三角波形状や矩形波形状など、直線以外の形状でもよい。スリットが点線状である場合には、スリットの隙間に電流が流れ込み、お手付き位置Tの電流の流れを抑制できないが、スリットを連続する線分にすることで電流の流れを抑制できるためである。
上記実施形態では、導電領域に設けられた電極対の対向方向に沿って延在するよう導電層が除去されて形成される導電層除去部の一例としてスリット33、43を例示したが、導電層(透明導電膜30、40)を除去して形成され導電性を有しないものであればスリット以外のものでもよい。
1 タッチパネル装置
10 フィルム(第1の基板)
20 ガラス(第2の基板)
30 透明導電膜(第1の導電層、上部シート)
30−1、30−2、30−3 導電領域
31−1、31−2、31−3 電極(第1の電極対)
32−1、32−2、32−3 電極(第1の電極対)
33 スリット(導電層除去部)
40 透明導電膜(第2の導電層、下部シート)
40−1、40−2、40−3 導電領域
41−1、41−2、41−3 電極(第2の電極対)
42−1、42−2、42−3 電極(第2の電極対)
43 スリット(導電層除去部)
44 スリット端部

Claims (4)

  1. 抵抗膜方式のタッチパネル装置であって、
    第1の基板と、
    前記第1の基板と対向して配置される第2の基板と、
    前記第1の基板の前記第2の基板との対向面に形成される第1の導電層と、
    前記第2の基板の前記第1の基板との対向面に形成される第2の導電層と、
    前記第1の導電層に設けられる第1の電極対と、
    前記第2の導電層に設けられ、前記第1の電極対の対向方向と直交する方向に対向配置される第2の電極対と、
    を備え、
    前記第1の導電層または前記第2の導電層の少なくとも一方が、当該導電層に設けられる電極対の対向方向と直行する方向に配列された複数の導電領域に区分され、
    前記複数の導電領域の少なくとも1つに、当該導電領域に設けられた電極対の対向方向に沿って延在するよう導電層が除去されて形成される導電層除去部を有する、
    タッチパネル装置。
  2. 前記導電層除去部は、一の導電領域内に複数設けられ、
    前記複数の導電層除去部は等間隔に配置される、
    請求項1に記載のタッチパネル装置。
  3. 前記導電層除去部は連続する線分である、
    請求項1または2に記載のタッチパネル装置。
  4. 前記導電層除去部の両端は二股に分かれて形成される、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のタッチパネル装置。
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