JP2014026582A - 接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同時に3点が押圧された場合に、実際には押圧されていない箇所が誤検出されるのを防止する。
【解決手段】YセグメントMyiがX方向に沿ってm個配列され、XセグメントMxjがY方向に沿ってn個配列され、m対の電極及びn対の電極への通電を制御する制御手段を有し、m×n個のセルが生成される、タッチパネル25の制御手段に対し、一次領域検出手順及び二次領域検出手順と、導通検出手順と、位置検出手順と、導通検出手順によって検出された少なくとも1つの押圧セルそれぞれについて、順次、YセグメントとXセグメントとの接触抵抗Rtを検出する、接触抵抗検出手順と、接触抵抗Rtが検出された各押圧セルのうち、対応する接触抵抗Rtが所定のしきい値の範囲外である押圧セルを除外することにより、実際にYセグメントとXセグメントとの導通が生じている接触導通点を含む押圧セルを決定する導通決定手順と、を実行させる。
【選択図】図14
【解決手段】YセグメントMyiがX方向に沿ってm個配列され、XセグメントMxjがY方向に沿ってn個配列され、m対の電極及びn対の電極への通電を制御する制御手段を有し、m×n個のセルが生成される、タッチパネル25の制御手段に対し、一次領域検出手順及び二次領域検出手順と、導通検出手順と、位置検出手順と、導通検出手順によって検出された少なくとも1つの押圧セルそれぞれについて、順次、YセグメントとXセグメントとの接触抵抗Rtを検出する、接触抵抗検出手順と、接触抵抗Rtが検出された各押圧セルのうち、対応する接触抵抗Rtが所定のしきい値の範囲外である押圧セルを除外することにより、実際にYセグメントとXセグメントとの導通が生じている接触導通点を含む押圧セルを決定する導通決定手順と、を実行させる。
【選択図】図14
Description
本発明は、アナログ抵抗膜式タッチパネルを用いて接触点の座標位置を検出する接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置に関する。
接触点の座標位置を検出するタッチパネルの方式の1つとして、アナログ抵抗膜式が知られている。アナログ抵抗膜式のタッチパネルは、平面状の2つの部材を互いに近接対向させた配置でそれらの対向面に導電膜が設けられている。導電膜に電位勾配が形成され、接触押下による導通点で検出された電圧値に基づいて接触点の座標位置が特定される。近年では複数の接触点を個別に検出できるよう、各平面部材で互いに直交する方向で導電膜を複数分割して設ける構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この場合、対向する導電膜どうしで重複する領域が、接触点を検出する最小単位となる。
しかしながら上記の構成では、同時に3点が押圧された場合に、実際には押圧されていない箇所を押圧箇所として誤検出(ゴースト検出)する可能性がある。例えば、長方形の4頂点のうち3頂点となるような各押圧点で同時に押圧が行われる場合である。
本発明の目的は、操作者によって同時に3点が押圧された場合に、実際には押圧されていない箇所が誤検出されるのを防止できる接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願第1発明は、接触検出処理プログラムであって、互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極の一方と、前記X方向及び前記Y方向を備えるとともに前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極の一方と、前記m対の前記第1電極の一方及び前記n対の前記第2電極の一方への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置の前記制御手段に対し、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続するとともに、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続するとともに、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、前記導通検出手順において導通があるとして検出された、少なくとも1つの導通格子領域それぞれについて、順次、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との接触抵抗値を検出する、接触抵抗検出手順と、前記接触抵抗検出手順で接触抵抗が検出された各導通格子領域のうち、対応する前記接触抵抗値が所定のしきい値の範囲外の導通格子領域を除外することにより、実際に前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている接触導通点を含む前記格子領域を決定する導通決定手順と、を実行させる。
本願発明の対象となるタッチパネル装置は、第1基材の第1配列面においてY方向(例えば縦方向)に伸びる第1導電膜領域がX方向(例えば横方向)に沿ってm個配列されるとともに、第2基材の第2配列面においてX方向に伸びる第1導電膜領域がY方向に沿ってn個配列される。これにより、平面視においてm×n個の格子領域が生成される。また、第1配列面に設けられたm対の第1電極の一方によって第1導電膜領域に対しY方向に沿った電位勾配が形成可能であり、第2配列面に設けられたn対の第2電極の一方によって第2導電膜領域に対しX方向に沿った電位勾配が形成可能である。そして、例えば操作者が所望の操作部位を押圧してその押圧箇所において第1導電膜領域と第2導電膜領域とが導通すると、制御手段がその導通部位を検出することで、上記操作が検出される。
すなわち、本願発明の接触検出処理プログラムが制御手段で実行されると、まず一次領域検出手順で、n個の第2導電膜領域すべてのn対の第2電極の一方が接地側に接続された状態で、m個の第1導電膜領域の各対の第1電極の一方に所定電位が接続される。これにより、上記押圧箇所が含まれる第1導電膜領域では第1電極の一方→第1導電膜領域→押圧による導通部位→第2導電膜領域→第2電極の一方の経路で電流が流れる。したがって、制御手段は、この電流の導通を検知することで、押圧箇所が含まれる少なくとも1つの第1導電膜領域を検出し特定することができる。
このようにして押圧箇所が含まれる第1導電膜領域が特定されると、二次領域検出手順で、当該特定された少なくとも1つの第1導電膜領域すべての第1電極の一方が接地側に接続された状態で、n個の第2導電膜領域の各対の第2電極の一方に所定電位が接続される。これにより、上記押圧箇所が含まれる第2導電膜領域では第2電極の一方→第2導電膜領域→押圧による導通部位→第1導電膜領域→第1電極の一方の経路で電流が流れる。制御手段は、この電流の導通を検知することで、押圧箇所が含まれる少なくとも1つの第2導電膜領域を検出し特定することができる。この結果、平面視において、前述のように一次領域検出手順で特定された上記少なくとも1つの第1導電膜領域と、この二次領域検出手順で特定された上記少なくとも1つの第2導電膜領域とに重複する、略矩形領域が特定される。
この略矩形領域は、前述の操作による押圧箇所(すなわち第1導電膜領域と第2導電膜領域との導通部位)に対応する少なくとも1つの格子領域を、矩形状に包含する領域となる。したがって、本願発明では、この略矩形領域に含まれる各格子領域を検出すべき押圧箇所の候補とし、これ以降、各格子領域ごとに実際に押圧箇所であったかどうかの判定処理が行われる。
すなわち、次の導通検出手順では、各格子領域について、対応する一対の第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の第1の一方に対し所定の電圧を印加する(あるいは、対応する一対の第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の第2電極の一方に対し所定の電圧を印加する)。これにより、上記押圧が行われている格子領域では、第1電極の一方→第1導電膜領域→押圧による導通部位→第2導電膜領域→第2電極の一方の経路で電流が流れることで、第1導電膜領域において電圧降下が生じる(あるいは第2電極の一方→第2導電膜領域→押圧による導通部位→第1導電膜領域→第1電極の一方の経路で電流が流れることで、第2導電膜領域において電圧降下が生じる)。したがって、制御手段は、この電圧降下を検知することで、上記押圧箇所の候補となった格子領域のうち、実際に操作者による押圧がなされた格子領域を特定することができる。
但し、上述の手法では、操作者によって同時に3点が押圧された場合、実際には押圧されていない箇所を押圧箇所として誤検出(ゴースト検出)する可能性がある。具体的には、例えば、上記m×n個の格子領域の配列において、長方形の4頂点のうち3頂点となるような各格子領域で同時に押圧が行われる場合である。この場合、4頂点それぞれを含む各格子領域(以下、「格子領域」を省略して単に「頂点」という)には、上記3頂点に含まれない点(実際には押圧されていない点)である第1頂点、この第1頂点に対し上記長方形の対角線上に対向する点である第2頂点、のこりの2つの頂点である第3頂点及び第4頂点が含まれる。
そして、上記導通検出手順で、例えば第1頂点と第2頂点とを含む第2導電膜領域の第2電極の一方が接地されるとともに第1頂点と第3頂点とを含む第1導電膜領域の第1電極の一方に所定の電圧が印加された場合を考える。この場合、上述のように第1頂点では押圧による導通が生じていないので、第1電極の一方→第1導電膜領域→第1頂点(非導通)→第2導電膜領域→第2電極の一方の経路では電流は流れない。しかしながら、その他の第2頂点、第3頂点、第4頂点が同時に押圧されていることから、第1電極の一方→第1導電膜領域→第1頂点(非導通)→第1導電膜領域→第4頂点(導通)→第2導電膜領域→第2頂点(導通)→第1導電膜領域→第3頂点(導通)→第2導電膜領域→第1頂点(非道通)→第2導電膜領域→第2電極の一方のような迂回経路(いわゆるまわりこみ電流)で電流が流れる。この結果、実際には第1頂点では第1導電膜領域と第2導電膜領域とは導通していないにもかかわらず、当該第1頂点において導通されている、との誤検出が生じうる。
そこで、本願発明では、上記導通検出手順で操作者による押圧がなされたとして特定された格子領域のそれぞれについて、さらに接触抵抗検出手順で、第1導電膜領域と第2導電膜領域との接触抵抗値が検出される。上述の第1頂点のように誤検出される部位では実際には第1導電膜領域と第2導電膜領域とは導通していない。したがって、当該誤検出部位での上記接触抵抗値は、実際の第1導電膜領域と第2導電膜領域との導通部位に比べて、上記接触抵抗値が著しく高い値となる。本願発明では、これを利用して、接触抵抗値に関する適宜のしきい値が設けられる。そして、導通決定手順では、上記導通検出手順において導通があるとして検出された各導通格子領域のうち、対応する前記接触抵抗値が所定のしきい値より大きい導通格子領域が除外される。これにより、実際に第1導電膜領域と第2導電膜領域との導通が生じている接触導通点を含む格子領域が正しく決定される。
以上のように、本願発明によれば、操作者によって同時に3点が押圧された場合に、実際には押圧されていない箇所が誤検出されるのを防止することができる。この結果、検出精度を向上することができる。
上記目的を達成するために、本願第5発明は、互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極の一方と、前記X方向及び前記Y方向を備えるとともに前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極の一方と、前記m対の前記第1電極の一方及び前記n対の前記第2電極の一方への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置が実行する、接触検出処理方法であって、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続するとともに、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続するとともに、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、前記導通検出手順において導通があるとして検出された、少なくとも1つの導通格子領域それぞれについて、順次、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との接触抵抗値を検出する、接触抵抗検出手順と、前記接触抵抗検出手順で接触抵抗が検出された各導通格子領域のうち、対応する前記接触抵抗値が所定のしきい値の範囲外の導通格子領域を除外することにより、実際に前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている接触導通点を含む前記格子領域を決定する導通決定手順と、を有することを特徴とする。
上記目的を達成するために、本願第6発明は、互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極の一方と、前記X方向及び前記Y方向を備えるとともに前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極の一方と、前記m対の前記第1電極の一方及び前記n対の前記第2電極の一方への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置であって、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続するとともに、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手段と、前記一次領域検出手段により導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続するとともに、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手段と、前記二次領域検出手段により検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の電圧を印加することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手段と、前記導通検出手段により導通があるとして検出された、少なくとも1つの導通格子領域それぞれについて、順次、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との接触抵抗値を検出する、接触抵抗検出手段と、前記接触抵抗検出手段により接触抵抗が検出された各導通格子領域のうち、対応する前記接触抵抗値が所定のしきい値の範囲外の導通格子領域を除外することにより、実際に前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている接触導通点を含む前記格子領域を決定する導通決定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、同時に5点が押圧された場合でも、接触点の位置を高精度に検出することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
<システム概略>
図1に、本実施形態のタッチパネル装置を備えた手書き入力システム1を示す。なお、以下の説明では、図1の紙面の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側を、それぞれ、電子筆記装置2の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側と定義して説明する。
図1に、本実施形態のタッチパネル装置を備えた手書き入力システム1を示す。なお、以下の説明では、図1の紙面の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側を、それぞれ、電子筆記装置2の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側と定義して説明する。
図1に示すように、手書き入力システム1は、例えば通常のボールペンやシャープペンシル等の汎用のペン3によって筆記される電子筆記装置2(タッチパネル装置に相当)と、ディスプレイ4と、を備えている。
<電子筆記装置>
電子筆記装置2は、平面視で上下方向に長い薄型の直方体状の形状を備えている。電子筆記装置2の下側に、電子筆記装置2の手前側の大部分を占めるように、凹部形状の載置部24が設けられている。載置部24には、例えば所定の用紙からなる紙媒体70(被筆記媒体)が載置される。
電子筆記装置2は、平面視で上下方向に長い薄型の直方体状の形状を備えている。電子筆記装置2の下側に、電子筆記装置2の手前側の大部分を占めるように、凹部形状の載置部24が設けられている。載置部24には、例えば所定の用紙からなる紙媒体70(被筆記媒体)が載置される。
<タッチパネル>
このとき、載置部24とほぼ同一の範囲となるように、圧力検出手段としてのタッチパネル25が設けられている。タッチパネル25は、ペン3の位置を表す座標情報(例えば載置部24の左上部を原点(0,0)とする。詳細は後述)を検出する。そして、載置部24は、紙媒体70を、この例では紙媒体70の左上の隅部が上記原点に一致する姿勢で保持する。
このとき、載置部24とほぼ同一の範囲となるように、圧力検出手段としてのタッチパネル25が設けられている。タッチパネル25は、ペン3の位置を表す座標情報(例えば載置部24の左上部を原点(0,0)とする。詳細は後述)を検出する。そして、載置部24は、紙媒体70を、この例では紙媒体70の左上の隅部が上記原点に一致する姿勢で保持する。
なお、タッチパネル25の構成は、例えば、ITO(インジウム・チン・オキサイド)による導電膜を用いた感圧方式とすることができる。この感圧方式では、公知技術であるアナログ抵抗膜センサによる感圧式構造の原理を応用しており、ペン3で押した位置を電圧変化の測定によって検知する。その内部構造は、図2に示すように、それぞれ導電膜である例えばITO導電層301を配置したガラス(フィルムでも良い)302及びフィルム303を、絶縁性の貼り合わせ材304を介して少しだけすき間を設けて貼り付けている。また、ガラス302又はフィルム303のいずれかの導電膜301の表面に絶縁性のドットスペーサ305が所定間隔ごとに配置されている。操作者が、通常の鉛筆やボールペンで文字を書く要領でペン3を用いて紙媒体70に筆記を行うと、ペン3の先端による押圧が紙媒体70を介してフィルム303に伝達され、当該フィルム303の押圧箇所において、フィルム303側とガラス302側の導電膜301同士が接触して通電する。このようにして、当該押圧箇所及びその押圧箇所における押圧力がタッチパネル25によって検出される。
<座標情報の検出>
上記のようにしてタッチパネル25において発生した導通信号は、タッチパネル25から電極306を介してCPU201(後述の図3参照)へ導かれ、これに基づいてペン3の位置が離散的な座標情報としてCPU201によって検出される。すなわち、CPU201は、操作者が上記筆記動作を行ったときのペン3の移動に対応する、複数の位置情報(すなわち、上記座標情報)を取得する。なお、図1において前述したように、本実施形態では、タッチパネル25の左上部の座標(X,Y)を原点(0,0)とし、右方向をX軸、下方向をY軸とする座標系を用いる。すなわち、X座標の値がタッチパネル25(言い換えれば載置部24)における左右方向の位置を表し、Y座標の値が上下方向の位置を表す。そして、上記取得された複数の座標情報に基づき、上記CPU201によって、上記紙媒体70に筆記された軌跡を示すストロークデータが生成される。
上記のようにしてタッチパネル25において発生した導通信号は、タッチパネル25から電極306を介してCPU201(後述の図3参照)へ導かれ、これに基づいてペン3の位置が離散的な座標情報としてCPU201によって検出される。すなわち、CPU201は、操作者が上記筆記動作を行ったときのペン3の移動に対応する、複数の位置情報(すなわち、上記座標情報)を取得する。なお、図1において前述したように、本実施形態では、タッチパネル25の左上部の座標(X,Y)を原点(0,0)とし、右方向をX軸、下方向をY軸とする座標系を用いる。すなわち、X座標の値がタッチパネル25(言い換えれば載置部24)における左右方向の位置を表し、Y座標の値が上下方向の位置を表す。そして、上記取得された複数の座標情報に基づき、上記CPU201によって、上記紙媒体70に筆記された軌跡を示すストロークデータが生成される。
なお、ディスプレイ4は電子筆記装置2に接続されており、操作者が電子筆記装置2の載置部24に載置した紙媒体70の外観に相当する画像データや、操作者による紙媒体70への記載内容に相当する画像データ(ストロークデータの集合体)を表示することができる。
<電子筆記装置の電気的構成>
図3を参照して、電子筆記装置2の電気的構成について説明する。図3に示すように、電子筆記装置2は、電子筆記装置2全体の制御を行うCPU201と、ROM202と、種々のデータが一時的に記憶されるRAM203と、フラッシュメモリ204と、駆動回路209,210と、を備えている。
図3を参照して、電子筆記装置2の電気的構成について説明する。図3に示すように、電子筆記装置2は、電子筆記装置2全体の制御を行うCPU201と、ROM202と、種々のデータが一時的に記憶されるRAM203と、フラッシュメモリ204と、駆動回路209,210と、を備えている。
ROM202、RAM203、フラッシュメモリ204、及び、駆動回路209,210は、CPU201に電気的に接続されている。ROM202は、プログラム記憶領域2021と、画像データ記憶領域2023とを備えている。プログラム記憶領域2021には、CPU201が電子筆記装置2を制御するために実行する各種プログラムが記憶されている。画像データ記憶領域2023には、例えば紙媒体70のフォーマット情報に対応した画像のデータが記憶されている。フラッシュメモリ204は、座標情報記憶領域2041を備えている。
駆動回路209は、タッチパネル25を駆動するための電子回路である。駆動回路210は、ディスプレイ4に画像を表示させるための電子回路である。なお、この駆動回路209が、各請求項記載の制御手段に相当する。
<タッチパネルの接続構成>
図4を参照して、タッチパネル25における導電膜の配置及びそれらの接続構成について説明する。図4に示すように、タッチパネル25は、フィルム303の対向内側面(下面)においてY方向(上述した上下方向)に伸びるYセグメントの導電膜がX方向(上述した左右方向)に沿ってm個配列されるとともに、ガラス302の対向内側面(上面)においてX方向(上述した左右方向)に伸びるXセグメントの導電膜がY方向(上述した上下方向)に沿ってn個配列されている。なお、図中では図示の煩雑をさけるためにm=n=3個の場合で略記している。
図4を参照して、タッチパネル25における導電膜の配置及びそれらの接続構成について説明する。図4に示すように、タッチパネル25は、フィルム303の対向内側面(下面)においてY方向(上述した上下方向)に伸びるYセグメントの導電膜がX方向(上述した左右方向)に沿ってm個配列されるとともに、ガラス302の対向内側面(上面)においてX方向(上述した左右方向)に伸びるXセグメントの導電膜がY方向(上述した上下方向)に沿ってn個配列されている。なお、図中では図示の煩雑をさけるためにm=n=3個の場合で略記している。
フィルム303の対向内面側に設けられたm対(図示する例では3対)のY電極によって、各Yセグメントの導電膜に対しY方向に沿った電位勾配が形成可能である。また、ガラス302の対向内面側に設けられたn対(図示する例では3対)のX電極によって、各Xセグメントの導電膜に対しX方向に沿った電位勾配が形成可能である。以下において、m個のYセグメントをX方向の原点側から順にMy1、・・・、Mymと表記し、各Yセグメントに設けたY方向原点側のY電極をTy1−1、・・・、Tym−1、逆側のY電極をTy1−2、・・・、Tym−2と表記する。同様にして、n個のXセグメントをY方向の原点側から順にMx1、・・・、Mxmと表記し、各Xセグメントに設けたX方向原点側のX電極をTx1−1、・・・、Txm−1、逆側のX電極をTx1−2、・・・、Txm−2と表記する。
図示する例において、電極Ty1−1、・・・、Tym−1のそれぞれには、+3V電源への直接接続(以下、High接続という)と、10kΩ抵抗を介した+3V電源への接続(以下、PullUp接続という)と、遮断とを切り替え可能なスイッチSy1−1、・・・、Sym−1が接続されている。電極Ty1−2、・・・、Tym−2のそれぞれには、High接続と、GND(アース)への接続と、遮断とを切り替え可能なスイッチSy1−2、・・・、Sym−2が接続されている。電極Tx1−1、・・・、Txm−1のそれぞれには、High接続と、GND接続と、遮断とを切り替え可能なスイッチSx1−1、・・・、Sxn−1が接続されている。電極Tx1−2、・・・、Txm−2のそれぞれには、High接続と、PullUp接続と、GND接続と、遮断とを切り替え可能なスイッチSx1−2、・・・、Sxn−2が接続されている(図中では図示の都合上、それぞれ上下2つに分割して記載)。以上の各スイッチの切り替えは、上記駆動回路209により制御される。
また、電極Tyn−1、Txm−2はそれぞれ 上記駆動回路209内に設けられたA/Dコンバータ(特に図示せず)に接続されており、個別に電圧値(電位)を検出できる。
以上のように構成されたタッチパネル25の導電膜だけを上側から平面視すると、図5のようになる。この図5に示す例では、Yセグメントが6つ(つまりm=6)設けられ、Xセグメントが8つ(つまりn=8)設けられている。実際のタッチパネル25ではペン3の位置検出の精度を高めるためにより細いセグメントがより多く配置されるが、以下の説明においては理解を容易にするためにこの図5に示すセグメント配置を用いて簡略的に図示する。
いずれのセグメントも、その長手方向において電気的な抵抗密度が均等に分布しており、これにより各セグメントの両端の電極間で電圧をかけた場合には形成される電位勾配も長手方向に沿って均等となる。またこの平面視において、m個のYセグメントとn個のXセグメントの組み合わせからm×n個の矩形状の重複領域が配置されており、以下においてこれら重複領域をセルと呼称する。例えば、それぞれ原点Oに最も近いYセグメントMy1とXセグメントMx1の重複領域(図中の太線枠領域)を「セル(1、1)」と表記する。同様にそれぞれ原点Oからi番目のYセグメントMyiとj番目のXセグメントMxjの重複領域に対応するセルを「セル(i、j)」と表記する。各セルは、ペン3を用いた通常の筆記操作において2点以上の押圧を受けることのない程度に十分狭い面積に設定されており、各セグメントもまたそれを実現できる程度に狭い幅で形成され互いに近接して配置されている。
なお、フィルム303が各請求項記載の第1基材に相当し、ガラス302が各請求項記載の第2基材に相当し、Yセグメントが各請求項記載の第1導電膜領域に相当し、Xセグメントが各請求項記載の第2導電膜領域に相当し、一対のY電極Tyi−1、Tyi−2が各請求項記載の第1電極に相当し、一対のX電極Txj−1、Txj−2が各請求項記載の第1電極に相当し、セルが各請求項記載の格子領域に相当する。
<タッチパネルにおける基本的な検出形態>
上記のように構成された本実施形態のタッチパネル25においては、基本的に2種類の検出形態がある。1つ目の検出形態は、各セルにおいて単純に接触導通があるか否か、すなわち所定のXセグメントとYセグメントの組み合わせにおける接触導通の有無のみを検出する形態である。
上記のように構成された本実施形態のタッチパネル25においては、基本的に2種類の検出形態がある。1つ目の検出形態は、各セルにおいて単純に接触導通があるか否か、すなわち所定のXセグメントとYセグメントの組み合わせにおける接触導通の有無のみを検出する形態である。
例えば、所定のセルにおいてYセグメントに対するXセグメントの接触導通の有無を検出する場合には、図6(a)に示す回路構成で検出が行われる。この図6(a)において、検出対象のセル(i、j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御によって上側(原点Oに近い側)の電極Tyi−1がPullUp接続されるとともに駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続され、下側(原点Oから遠い側)の電極Tyi−2が遮断されている。また、検出対象のセル(i、j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により左側(原点Oに近い側)の電極Txj−1が遮断され、右側(原点Oから遠い側)の電極Txj−2がGND接続されている。
このような回路構成によれば、セル(i、j)が押圧されてない場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiが離間したまま電気的導通がないため、電極Tyi−1に接続するA/Dコンバータには低いレベル(Lレベル)の電位が検出される。また、セル(i、j)が押圧されている場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiが接触して電気的に導通するため、+3V電源からGNDへ向けて電流が流れ、電極Tyi−1に接続するA/Dコンバータには高いレベル(Hレベル)の電位が検出される。ただし、10kΩ抵抗を介しているため、短絡にはならない。このようにして、A/DコンバータにはH/Lの2値の電位が入力され、その内容によってセル(i、j)における接触導通の有無を検出できる。
なお、上記回路構成の拡張型として、所定の1つのYセグメントMyiの電極Tyi−1のみPullUp接続し、全てのXセグメントMx1〜Mxnの電極Tx1−2〜Txn−2をGND接続する構成もある(特に図示せず)。この場合には、当該1つのYセグメントMyi上に配置する全てのセル(i、1〜n)のうちいずれか1つでも押圧導通があるか否かを検出できる。
また、所定のセルにおいてXセグメントに対するYセグメントの接触導通の有無を検出する場合には、図6(b)に示す回路構成で検出が行われる。この図6(b)において、検出対象のセル(i、j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御によって上側(原点Oに近い側)の電極Tyi−1が遮断され、下側(原点Oから遠い側)の電極Tyi−2がGND接続されている。また、検出対象のセル(i、j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により左側(原点Oに近い側)の電極Txj−1が遮断され、右側(原点Oから遠い側)の電極Txj−2がPullUp接続されるとともに駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続されている。
このような回路構成によれば、セル(i、j)が押圧されてない場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiが離間したまま電気的導通がないため、電極Txj−2に接続するA/DコンバータにはLレベルの電位が検出される。また、セル(i、j)が押圧されている場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiが接触して電気的に導通するため、+3V電源からGNDへ向けて電流が流れ、電極Txj−2に接続するA/DコンバータにはHレベルの電位が検出される。ただし、10kΩ抵抗を介しているため、短絡にはならない。このようにして、A/DコンバータにはH/Lの2値の電位が入力され、その内容によってセル(i、j)における接触導通の有無を検出できる。
なお、上記回路構成の拡張型として、所定の1つのXセグメントMxjの電極Txj−2のみPullUp接続し、全てのYセグメントMy1〜Mymの電極Ty1−2〜Tym−2をGND接続する構成もある(特に図示せず)。この場合には、当該1つのXセグメントMxj上に配置する全てのセル(1〜m、j)のうちいずれか1つでも押圧導通があるか否かを検出できる。
次に2つ目の検出形態は、各セルにおける接触導通点のX−Y座標位置、すなわち所定のXセグメントとYセグメントの組み合わせにおける接触導通点での分圧電位を検出する形態である。
例えば、所定のセルにおいて接触導通点のX座標を検出する場合には、図7(a)に示す回路構成で検出が行われる。この図7(a)において、検出対象のセル(i、j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御によって上側(原点Oに近い側)の電極Tyi−1が駆動回路209内の上記A/Dコンバータだけに接続され、下側(原点Oから遠い側)の電極Tyi−2が遮断されている。また、検出対象のセル(i、j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により左側(原点Oに近い側)の電極Txj−1がHigh接続され、右側(原点Oから遠い側)の電極Txj−2がGND接続されている。つまり、XセグメントMxjの全体に3Vの電圧が付加され、電極Txj−1から次第に離間する変位位置で電位が一定の降下率で連続的に降下する電位勾配が形成される。
このような回路構成によれば、セル(i、j)の領域内に押圧による接触導通点が存在している場合、A/DコンバータにはXセグメントMxjの全長に対する電極Txj−1から当該接触導通点までの距離の比に相当する分圧比での電位(0〜+3vのアナログ電位)が入力される。この入力された分圧電位に基づいて当該接触導通点のX座標を検出できる。なお、全てのセルの大きさと当該セル(i、j)の位置が既知であるため、当該セル(i、j)内に設定した相対的なx−y座標系における接触導通点のx座標も検出できる(このx−y座標系については後述の図12(b)、図13(b)を参照)。ここで、上述したように各セルは複数点で押圧されることがない程度に狭い面積に設定されているため、複数点による分圧比の誤差は生じない。また、YセグメントMyiにも抵抗成分が存在するが、A/Dコンバータ自体の内部抵抗が十分高いためにYセグメントMyiに電流が流れることがなく、電位降下させずに当該セル(i、j)の接触導通点における分圧電位を検出できる。
また、所定のセルにおいて接触導通点のY座標を検出する場合には、図7(b)に示す回路構成で検出が行われる。この図7(b)において、検出対象のセル(i、j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御によって上側(原点Oに近い側)の電極Tyi−1がHigh接続され、下側(原点Oから遠い側)の電極Tyi−2がGND接続されている。つまり、YセグメントMyiの全体に3Vの電圧が付加され、電極Tyi−1から次第に離間する変位位置で電位が一定の降下率で連続的に降下する電位勾配が形成される。また、検出対象のセル(i、j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により左側(原点Oに近い側)の電極Txj−1が遮断され、右側(原点Oから遠い側)の電極Txj−2が駆動回路209内の上記A/Dコンバータだけに接続されている。
このような回路構成によれば、セル(i、j)の領域内に押圧による接触導通点が存在している場合、A/DコンバータにはYセグメントMyiの全長に対する電極Tyi−1から当該接触導通点までの距離の比に相当する分圧比での電位(0〜+3vのアナログ電位)が入力される。この入力された分圧電位に基づいて当該接触導通点のY座標を検出できる。なお、全てのセルの大きさと当該セル(i、j)の位置が既知であるため、当該セル(i、j)内に設定した相対的なx−y座標系における接触導通点のy座標も検出できる(このx−y座標系については後述の図12(b)、図13(b)を参照)。ここで、上述したように、複数点による分圧比の誤差は生じない。また、XセグメントMxjにも抵抗成分が存在するが、A/Dコンバータ自体の内部抵抗が十分高いためにXセグメントMxjに電流が流れることがなく、電位降下させずに当該セル(i、j)の接触導通点における分圧電位を検出できる。
<タッチパネルにおけるペン位置の検出シーケンス>
以下、本実施形態の電子筆記具によるタッチパネル25でのペン位置の検出シーケンスについて説明する。この例では、図8(a)に示すように、右利きの操作者がペン3を持った右手をタッチパネル25上に載置し、筆記する状態を想定する。この筆記状態で、上記図5で示したセル配置の例のタッチパネル25に図8(b)に示す位置のセルが押圧されたとする。具体的には、タッチパネル25の左上部を原点O(0、0)として右方向に向けてX軸、下方向に向けてY軸をそれぞれ配置したX−Y座標系を設定し、横に6つ、縦に8つの合計6×8=48個のセルが配置されている。そのうち、ペン先がセル(3、2)の1点を押圧し、右手の縁と指でセル(3、5)、セル(5、5)、セル(4、6)、セル(3、7)、及びセル(5、7)の5点を押圧している。
以下、本実施形態の電子筆記具によるタッチパネル25でのペン位置の検出シーケンスについて説明する。この例では、図8(a)に示すように、右利きの操作者がペン3を持った右手をタッチパネル25上に載置し、筆記する状態を想定する。この筆記状態で、上記図5で示したセル配置の例のタッチパネル25に図8(b)に示す位置のセルが押圧されたとする。具体的には、タッチパネル25の左上部を原点O(0、0)として右方向に向けてX軸、下方向に向けてY軸をそれぞれ配置したX−Y座標系を設定し、横に6つ、縦に8つの合計6×8=48個のセルが配置されている。そのうち、ペン先がセル(3、2)の1点を押圧し、右手の縁と指でセル(3、5)、セル(5、5)、セル(4、6)、セル(3、7)、及びセル(5、7)の5点を押圧している。
ペン位置の検出シーケンスとしては、概略的に3つのシーケンス処理を実行する。まず最初に、その時点で押圧されているセルを特定する押圧セル特定処理を実行する。そして特定された複数の押圧セルのうち、配置の分布やバラツキなどに基づいて特にペン先によって押圧されていると推定されるペン位置セルを特定するペン位置セル特定処理を実行する。なお、このペン位置セル特定処理は公知のパターン認識技術や推定技術等に基づいて行えばよく、ここでは詳細な説明を省略する。その後に、特定されたペン位置セルにおける押圧点(接触導通点;導通点に相当)のX−Y座標位置を検出する位置検出処理を実行する。以下においては、押圧セル特定処理及び位置検出処理についてのみ説明する。なお、押圧セルが、各請求項記載の導通格子領域に相当する。
<検出シーケンス1:押圧セル特定処理について>
この押圧セル特定処理においても、詳細には一次領域検出処理、二次領域検出処理、及び導通検出処理の3つの処理を順に実行する。上記の一次領域検出処理、及び二次領域検出処理は、処理の迅速化の観点からタッチパネル25全体のうちで押圧点が存在する領域をセル単位の略矩形領域(後述)で検出するための処理である。
この押圧セル特定処理においても、詳細には一次領域検出処理、二次領域検出処理、及び導通検出処理の3つの処理を順に実行する。上記の一次領域検出処理、及び二次領域検出処理は、処理の迅速化の観点からタッチパネル25全体のうちで押圧点が存在する領域をセル単位の略矩形領域(後述)で検出するための処理である。
まず、一次領域検出処理として、上記図6(a)で説明した回路構成の拡張型により、所定のYセグメントにおける各Xセグメントとの接触導通の有無を検出する。具体的には、図9に示すように、全てのXセグメントMx1〜Mxnの右側の電極Tx1−2〜Txn−2をGND接続する。この状態で、YセグメントMy1〜Mymのうち1つのYセグメントMyiの電極Tyi−1のみをPullUp接続し、かつA/Dコンバータへ導通状態の検出信号を入力する。なお、これ以外に図示せず、説明しない電極については全て遮断状態とする(以下、同様)。この検出をタッチパネル25の左右方向全体でi方向(X方向)に順次切り替えてトレースする。このようにして行う一次領域検出処理により、押圧点が少なくとも1つ含まれるYセグメント(図示する例のMy3〜My5;濃い目の網掛け部分)を検出し特定できる。
次に、二次領域検出処理として、上記図6(b)で説明した回路構成の拡張型により、上記一次領域検出処理で特定されたYセグメントに対する所定のXセグメントの接触導通の有無を検出する。具体的には、図10に示すように、上記一次領域検出処理で検出したYセグメントの下側の電極(図示する例ではTy3−2〜Ty5−2)をGND接続する。この状態で、XセグメントMx1〜Mxnのうち1つのXセグメントMxjの電極Txj−2のみをPullUp接続し、かつA/Dコンバータへ導通状態の検出信号を入力する。この検出をタッチパネル25の上下方向全体でj方向(Y方向)に順次切り替えてトレースする。このようにして行う二次領域検出処理により、押圧点が少なくとも1つ含まれるXセグメント(図示する例のMx2、Mx5〜Mx7)を検出し特定できる。
この結果、タッチパネル25の平面視において、前述のように一次領域検出処理で特定されたYセグメント(My3〜My5)と、この二次領域検出処理で特定されたXセグメント(Mx2、Mx5〜Mx7)とに重複する、略矩形領域(図中の濃い目の網掛け部分)が特定される。この略矩形領域は、押圧点(YセグメントとXセグメントとの接触導通点)に対応する少なくとも1つのセルを、矩形状に包含する領域となる。したがって、次に導通検出処理で、この略矩形領域に含まれる全てのセルのうち実際に押圧されているセルを検出し特定する。
この導通検出処理では、上記図6(a)、図6(b)のいずれの回路構成を用いてもよく、図11に示すように上記略矩形領域に含まれる全てのセルに対し順次トレースして実際に接触導通しているセルを検出し特定する。この導通検出処理により、タッチパネル25の全てのセルのうち実際に押圧されている押圧セルを特定できる。
ここで、初めから全てのセルに対して上記導通検出処理を実行して実際の押圧セルを特定することも可能ではある。しかしながら、実際のタッチパネル25ではXセグメント、Yセグメントの本数が多く、そのためにセルの設置数が膨大となっている(図示省略)。そのうち実際にペン3を用いた描画操作により押圧されるセルの数とその存在領域はタッチパネル25全体で見て一部であり、それら少ない押圧セルを特定するためにタッチパネル25の全てのセルに対して導通検出処理のトレースを行うことは処理時間の大幅な遅延を招く。これに対し、本実施形態では、上記一次領域検出処理及び上記二次領域検出処理によって高速に上記略矩形領域を特定し、この比較的狭い略矩形領域内だけに限定して導通検出処理のトレースを実行している。このため、タッチパネル25全体で押圧セルの特定を行う押圧セル特定処理の全体の処理を迅速化できる。
そして、上述したように、上記押圧セル特定処理によって特定された複数の押圧セルのうちから、公知のパターン認識技術や推定技術等に基づくペン位置セル特定処理によって、ペン先により押圧されていると推定されるペン位置セル(図示する例ではセル(3、2))が特定される(詳細な説明は省略)。
<検出シーケンス2:位置検出処理について>
位置検出処理は、上記特定されたペン位置セル内に存在する押圧点のX−Y座標位置を検出する。この位置検出処理は、X方向とY方向とでそれぞれ個別に座標位置を検出する。
位置検出処理は、上記特定されたペン位置セル内に存在する押圧点のX−Y座標位置を検出する。この位置検出処理は、X方向とY方向とでそれぞれ個別に座標位置を検出する。
まず、X方向の位置検出を行う際には、上記図7(a)で説明した回路構成により、上記ペン位置セル(i、j)内の押圧点によるXセグメントMxjの分圧電位を検出する。具体的には図12(a)に示すように、ペン位置セル(3、2)に対応するXセグメントMx2の左側の電極Tx2−1がHigh接続されるとともに、右側の電極Tx2−2がGND接続される。これにより、XセグメントMx2の全体に渡ってX方向に均等に順降下する電位勾配が形成される。そして当該ペン位置セル(3、2)に対応するYセグメントMy3の上側の電極Ty3−1が、A/Dコンバータへ分圧電位を入力する。この分圧電位は、ペン位置セル(3、2)の拡大図である図12(b)に示すように、当該ペン位置セル(3、2)の内部領域において高い精度で押圧点のX方向位置に対応して検出されるアナログ電位である。X方向の位置検出では、この分圧電位に基づいてペン位置セル(3、2)内に存在する押圧点の正確なX座標を検出できる。なお、検出するX座標は、タッチパネル25全体に設定したX−Y座標系でのPXで検出してもよいし、当該ペン位置セル(3、2)内に設定した相対的なx−y座標系でのPxで検出してもよい。
同様にしてY方向の位置検出を行う際には、上記図7(b)で説明した回路構成により、上記ペン位置セル(i、j)内の押圧点によるYセグメントMyiの分圧電位を検出する。具体的には図13(a)に示すように、ペン位置セル(3、2)に対応するYセグメントMy3の上側の電極Ty3−1がHigh接続されるとともに、下側の電極Ty3−2がGND接続される。これにより、YセグメントMy3の全体に渡ってY方向に均等に順降下する電位勾配が形成される。そして当該ペン位置セル(3、2)に対応するXセグメントMx2の右側の電極Tx2−2が、A/Dコンバータへ分圧電位を入力する。この分圧電位は、ペン位置セル(3、2)の拡大図である図13(b)に示すように、当該ペン位置セル(3、2)の内部領域において高い精度で押圧点のY方向位置に対応して検出されるアナログ電位である。Y方向の位置検出では、この分圧電位に基づいてペン位置セル(3、2)内に存在する押圧点の正確なY座標を検出できる。なお、検出するY座標は、タッチパネル25全体に設定したX−Y座標系でのPYで検出してもよいし、当該ペン位置セル(3、2)内に設定した相対的なx−y座標系でのPyで検出してもよい。
以上の押圧セル特定処理、ペン位置セル特定処理、及び位置検出処理を実行するシーケンスにより、その時点におけるタッチパネル25上でのペン先による押圧点のX−Y座標位置が高い精度で検出される。
<ペン位置検出における誤検出とその対策>
本実施形態の手書き入力システムは、基本的に上述したペン位置検出シーケンスによりペン位置のX−Y座標位置を検出する。しかし、タッチパネル25の構成に起因して、複数の押圧点がある特定の配置条件を満たした場合にペン位置を誤検出してしまう可能性がある。本願発明者は、その誤検出の原因として、押圧点の3点直交配置によるゴースト押圧点の発生と、押圧点の井桁状配置による分圧電位の誤差の発生の2点があることを知見した。以下、それぞれの原因と対策について詳細に説明する。
本実施形態の手書き入力システムは、基本的に上述したペン位置検出シーケンスによりペン位置のX−Y座標位置を検出する。しかし、タッチパネル25の構成に起因して、複数の押圧点がある特定の配置条件を満たした場合にペン位置を誤検出してしまう可能性がある。本願発明者は、その誤検出の原因として、押圧点の3点直交配置によるゴースト押圧点の発生と、押圧点の井桁状配置による分圧電位の誤差の発生の2点があることを知見した。以下、それぞれの原因と対策について詳細に説明する。
<3点直交配置によるゴースト押圧点とその対策>
上記の押圧設特定処理において、操作者により同時に3点が押圧された場合、実際には押圧されていない箇所を押圧箇所として誤検出(ゴースト検出)する可能性がある。具体的には、例えば図14に示すように、長方形の4頂点のうち3頂点となるような各セル(3、2)、(3、5)、(5、5)で同時に押圧が行われる場合である。この場合、4頂点それぞれを含む各セル(以下、「セル」を省略して単に「頂点」という)には、上記3頂点に含まれない点(実際には押圧されていない点)である第1頂点(5、2)、この第1頂点(5、2)に対しX方向で対向する点である第2頂点(3、2)、第1頂点(5、2)に対しY方向で対向する点である第3頂点(5、5)、及び上記長方形の対角線上に対向する点である第4頂点(3、4)が含まれる。以下、これら3つの第2〜4頂点の配置関係を3点直交配置とする。
上記の押圧設特定処理において、操作者により同時に3点が押圧された場合、実際には押圧されていない箇所を押圧箇所として誤検出(ゴースト検出)する可能性がある。具体的には、例えば図14に示すように、長方形の4頂点のうち3頂点となるような各セル(3、2)、(3、5)、(5、5)で同時に押圧が行われる場合である。この場合、4頂点それぞれを含む各セル(以下、「セル」を省略して単に「頂点」という)には、上記3頂点に含まれない点(実際には押圧されていない点)である第1頂点(5、2)、この第1頂点(5、2)に対しX方向で対向する点である第2頂点(3、2)、第1頂点(5、2)に対しY方向で対向する点である第3頂点(5、5)、及び上記長方形の対角線上に対向する点である第4頂点(3、4)が含まれる。以下、これら3つの第2〜4頂点の配置関係を3点直交配置とする。
そして、上記導通検出処理で、例えば第1頂点(5、2)と第2頂点(3、2)とを含むXセグメントMx2の左側の電極Tx2−1がGND接続されるとともに第1頂点(5、2)と第3頂点(5、5)とを含むYセグメントMy5の下側の電極Ty5−2がPullUp接続されるとともにA/Dコンバータへ入力する場合を考える。この場合、上述のように第1頂点(5、2)では押圧による接触導通が生じていないので、下側の電極Ty5−2→YセグメントMy5→第1頂点(5、2)(非導通)→XセグメントMx2→左側の電極Tx2−1の経路では電流は流れない。しかしながら、その他の第2頂点(3、2)、第3頂点(5、5)、第4頂点(3、5)が同時に押圧されていることから、下側の電極Ty5−2→YセグメントMy5→第3頂点(5、5)(導通)→XセグメントMx5→第4頂点(3、5)(導通)→YセグメントMy3→第2頂点(3、2)(導通)→XセグメントMx2→左側の電極Tx2−1のような迂回経路(いわゆるまわりこみ電流)で電流が流れる。この結果、実際には第1頂点(5、2)ではYセグメントMy5とXセグメントMx2とは導通していないにもかかわらず、当該第1頂点(5、2)において接触導通されている、との誤検出が生じうる。以下、このようにして接触導通しているものと誤検出された点をゴースト押圧点とする。
そこで、本実施形態では、上記導通検出処理で操作者による押圧がなされたとして特定された押圧セルのそれぞれについて、さらに接触抵抗検出処理を実行してYセグメントMyiとXセグメントMxjとの間の接触抵抗値を検出する。つまり、上記押圧セル特定処理内に接触抵抗検出処理を追加して実行する。もし、第1頂点(5、2)の1点だけで接触導通していれば、YセグメントMy5とXセグメントMx2との間の接触抵抗は押圧点1点分の接触抵抗を超えることはない。さらに、当該第1頂点(5、2)に対する上記3点直交配置の3点でも押圧されて上記迂回経路が構成されている場合でも、この迂回経路は第1頂点に対して並列に接続する関係にあるためYセグメントMy5とXセグメントMx2との間のトータルの接触抵抗はさらに低くなる。
しかし、第1頂点(5、2)で接触導通されておらず、上記3点直交配置の3点だけ押圧されて上記迂回経路のみで導通している場合には、YセグメントMy5とXセグメントMx2との間のトータルの接触抵抗が押圧されている3点分の積算値となる。したがって、YセグメントMy5とXセグメントMx2との間のトータルの接触抵抗が押圧点1点分に相当する閾値を超えていれば、第1頂点(5、2)がゴースト押圧点であると判定できる。これにより、実際にYセグメントMyiとXセグメントMxjとの接触導通が生じている押圧点を含む押圧セル(i、j)を正しく特定できる。
この接触抵抗検出処理を実行する際には、図15(a)に示す回路構成を用いる。図15(a)は上記図6、図7に対応する図であり、検出対象のセル(i、j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御によって上側(原点Oに近い側)の電極Tyi−1が駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続されて電圧Z1(GNDとの間の電位差に相当)を入力し、下側(原点Oから遠い側)の電極Tyi−2がHigh接続されている。また、検出対象のセル(i、j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により左側(原点Oに近い側)の電極Txj−1がGND接続され、右側(原点Oから遠い側)の電極Txj−2が駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続されて電圧Z2(GNDとの間の電位差に相当)を入力する。
上記図15(a)の回路構成を側面から見ると、図15(b)の等価回路で示すことができる。この図15(b)において、主に電流が通過する経路は、電極Tyi−2→YセグメントMyi→押圧セル(i、j)での接触抵抗Rt→XセグメントMxj→電極Txj−1である(図中の破線枠参照)。そして、上記電圧Z1は電流通過方向における接触抵抗Rtの上流側直前点での電位に相当し、上記電圧Z2は電流通過方向における接触抵抗Rtの下流側直後点での電位に相当する。なお、上述したように電位入力されるA/Dコンバータの内部抵抗が十分高いために、上記電流通過経路以外でのYセグメントMyi及びXセグメントMxjの抵抗成分は無視できる。ここで、押圧点から電極Txj−1までの区間分のXセグメントMxjの抵抗値Rxが分かれば接触抵抗Rtを以下の式により導ける。
Rt=Rx×(Z1/Z2−1) ・・・(式1)
Rt=Rx×(Z1/Z2−1) ・・・(式1)
また、接触抵抗Rtが上記図12(b)中のPx区間分の抵抗値と等価とすると、抵抗値Rxは例えば図16(a)に示すように検出対象のセルの位置(図示する例ではセル(4、6))によって必然的に求めることができる。本実施形態では、処理の迅速化の観点から、例えば図16(b)に示すように予め各セルの位置に対応して抵抗値Rxが記録されているテーブルを用いて、対象の抵抗値Rxを求める。図示するテーブルの例に示しているように、抵抗値Rxは、導電膜301の製造のばらつきによってセグメント毎に増減変動している。
したがって、当該接触抵抗検出処理では、上記図15の回路構成によって検出した電圧Z1、Z2と、上記図16(b)のテーブルから求めた抵抗値Rxとを上記(1式)に代入することで、検出対象のセルにおける接触抵抗Rtを求めることができる。そして次に、求めた接触抵抗Rtが押圧点1点分に相当する閾値を超えている場合に、検出対象のセルがゴースト押圧点であると判定して除外する導通決定処理を実行する。
具体例として、上記図16(a)に示すセル(4、6)を検出対象とした場合を説明する。この場合、i=4、j=6であり、上記図16(b)のテーブルから抵抗値Rx=2000Ωが求められる。そして、電圧Z1=1.8V、電圧Z2=1.2Vが検出された場合、上記(1式)から接触抵抗Rt=1000が算出される。接触判定閾値が100以上、500以下とすると、Rt>500であるため検出対象のセルはゴースト押圧点であると判定して除外できる。
押圧セル特定処理では、上述した一次領域検出処理、二次領域検出処理、及び導通検出処理を経て特定した複数の押圧セルの候補に対し、順次、上記の接触抵抗検出処理及び導通決定処理を実行してゴースト押圧点の判定とその除外を行うことで、実際に押圧を受けている押圧セルだけを特定できる(図17参照)。
<井桁状配置による分圧電位の誤差とその対策>
上記の位置検出処理において、操作者により同時に5点が押圧された場合に、上記Yセグメント(又はXセグメント)に生じる電位勾配が、実際のセグメントにおける押圧点の位置を正確に反映せず検出精度が低下する可能性がある。
上記の位置検出処理において、操作者により同時に5点が押圧された場合に、上記Yセグメント(又はXセグメント)に生じる電位勾配が、実際のセグメントにおける押圧点の位置を正確に反映せず検出精度が低下する可能性がある。
ここで比較例として、上記図8(b)に示した6点の押圧セルのうちセル(5、7)が押圧されていない図18の押圧セルの配置で、上記位置検出処理により押圧セル(3、2)内における押圧点(ペン先での押圧点;以下、対象押圧点という)のY座標位置を検出する場合を考える。この場合、押圧セル(3、2)に対応するYセグメントMy3全体だけに電流が流れる。このため、上の電極Ty3−1から対象押圧点までの距離に応じた抵抗値Raと、対象押圧点から下の電極Ty3−2までの距離に応じた抵抗値Rbとの比に基づき、当該YセグメントMy3全体の電位勾配が分圧される。したがって、XセグメントMx2を介して検出される電位は、押圧セル(3、2)内の押圧点のY座標に正確に対応した値で検出される。
しかし、上記図8(b)と同じ押圧セル配置の図19に示すように、長方形の4頂点と当該長方形のいずれかの1辺の延長線上に位置する別の1点で同時に押圧が行われる場合には、検出精度が低下する可能性がある。この場合、上記5点には、上記長方形を構成する4頂点に含まれない点である第1点(3、2)と、この第1点(3、2)を延長線上に含む長方形の一辺上で上記第1点(3、2)に近い側及び遠い側にそれぞれ位置する第2点(3、5)及び第3点(3、7)と、上記長方形において第2点(3、5)及び第3点(3、7)にそれぞれ対角線上沿いに対向する第4点(5、7)及び第5点(5、5)とが、含まれる。
この押圧セルの配置で、上記位置検出処理により押圧セル(3、2)内における押圧点(ペン先での押圧点)のY座標位置を検出する場合を考える。この場合、上記第2点(3、5)及び第3点(3、7)が上記第1点(3、2)とY方向に沿って同一直線上にあったとすると、上記第1点(3、2)を含むYセグメントMy3に、上記第2点(3、5)及び第3点(3、7)も含まれることとなる。このとき、第1点(3、2)、第2点(3、5)、第3点(3、7)それぞれにおいて押圧によるYセグメントMy3とXセグメントMx2、Mx5、Mx7との導通が生じる。これにより、YセグメントMy3全体に流れる電流に加えて、上側の電極Ty3−1→YセグメントMy3→第2点(3、5)(導通)→XセグメントMx5→第5点(5、5)(導通)→YセグメントMy5→第4点(5、7)(導通)→XセグメントMx7→第3点(3、7)(導通)→YセグメントMy3→下側の電極Ty3−2のような迂回経路で流れる電流が新たに生じる。
このため、第2点(3、5)と第3点(3、7)との間には、第2点(3、5)→YセグメントMy3→第3点(3、7)の経路と、上記第2点(3、5)→XセグメントMx5→第5点(5、5)→YセグメントMy5→第4点(5、7)→Xセグメントmx7→第3点(3、7)の経路(以下、迂回経路という)との、2つが並列接続することとなり、対象押圧点から下の電極Ty3−2までの合成抵抗値Rbが見かけ上小さくなる。
この結果、前述した、上記YセグメントMy3での電位勾配に基づき生じる分圧が、上記迂回経路の影響で第2点(3、5)と第3点(3、7)との距離に正確に対応した値とならない可能性がある。この場合、上記第1点(3、2)、第2点(3、5)、第3点(3、7)すべてにおける押圧点のY座標検出の精度が低下する。なお、上記は共通のYセグメントMyiに3点が存在するとともに、そのうち2点が1辺上に含まれる長方形の他の2頂点に残りの2点が存在した場合を例にとって説明したが、共通のXセグメントMxjに3点が存在しそのうち2点が含まれる長方形の他の2頂点に残りの2点が存在する場合も同様である。
そこで、本実施形態では、上記位置検出処理において、最初に各押圧セルごとに、当該押圧セルが含まれるYセグメントMyiに他の押圧セルが含まれるかどうかを判定する判定処理を実行する。図示する例の第1点(3、2)、第2点(3、5)、第3点(3、7)のような配置関係の場合にはこの判定が満たされる。このように判定処理の判定が満たされた場合、図20に示すように全てのYセグメントMy1〜6の一対の電極Ty1〜6−1、Ty1〜6−2に対しHigh接続(GND接続)して電圧を印加する全通電Y座標検出処理を実行する。このような態様で電圧印加を行うことで、全てのYセグメントMy1〜6に、Y方向に沿って同等の電位勾配が生じる。
この結果、共通のXセグメントMx5に含まれる第2点(3、5)及び第5点(5、5)が上記電圧印加時に互いに略同等の電位となるので、上記第2点(3、5)→XセグメントMx5→第5点(5、5)の経路で電流が流れることがなくなる。同様に、共通のXセグメントMx7に含まれる第3点(3、7)及び第4点(5、7)が互いに略同等の電位となるので、上記第4点(5、7)→XセグメントMx7→第3点(3、7)の経路で電流が流れることがなくなる。以上により、前述したような、第2点(3、5)→XセグメントMx5→第5点(5、5)→YセグメントMy5→第4点(5、7)→XセグメントMx7→第3点(3、7)という迂回経路による抵抗値Rbの変動が生じない。この結果、前述の電位勾配に基づく分圧への影響を防止し、Y座標検出の精度低下を防止することができる。そしてこの状態で、Y方向の位置検出を行えばよい。
また、上記判定処理の判定が満たされなかった場合には、対象の押圧セルに対応するYセグメントMyiのみに電圧を印可する部分通電Y座標検出処理を実行した状態で、Y方向の位置検出を行えばよい(つまり、上記図7(b)に示した、通常のY方向位置検出)なお、X方向の位置検出においても、同様の処理を行うことでX座標検出の精度低下を防止することができる。
<制御フロー>
上記の手法を実現するために、電子筆記装置2のCPU201が実行する概略的な制御手順を、図21により説明する。図21において、このフローは、例えば、電子筆記装置2の電源がオンされることを契機に開始される。
上記の手法を実現するために、電子筆記装置2のCPU201が実行する概略的な制御手順を、図21により説明する。図21において、このフローは、例えば、電子筆記装置2の電源がオンされることを契機に開始される。
まず、ステップS5において、CPU201は、上記図6(a)で説明した回路構成の拡張型により、所定のYセグメントにおける各Xセグメントとの接触導通の有無を検出する一次領域検出処理を実行する。
その後、ステップS10に移り、CPU201は、上記図6(b)で説明した回路構成の拡張型により、上記一次領域検出処理で特定されたYセグメントに対する所定のXセグメントの接触導通の有無を検出する二次領域検出処理を実行する。
その後、ステップS15に移り、略矩形領域を検出したか否かを判定する。略矩形領域が検出されなかった場合、判定は満たされず、ステップS5に戻り同様の手順を繰り返す。
一方、略矩形領域が検出された場合、判定が満たされ、ステップS20に移る。
ステップS20では、CPU201は、上記図6(a)、図6(b)のいずれの回路構成を用いて、図11に示すように上記略矩形領域に含まれる全てのセルに対し順次トレースして実際に接触導通しているセルを検出し特定する導通検出処理を実行する。
その後、ステップS25に移り、CPU201は、図15(a)に示す回路構成を用いて、検出対象の各セル(i、j)それぞれにおけるYセグメントMyiとXセグメントMxjとの間の接触抵抗Rtを検出する接触抵抗検出処理を実行する。
その後、ステップS30に移り、CPU201は、上記ステップS25で求めた接触抵抗Rtに基づいてゴースト押圧点を除外する導通決定処理を実行する。これにより、押圧セルが確実に特定される。
その後、ステップS35に移り、CPU201は、特定された複数の押圧セルのうち、配置の分布やバラツキなどに基づいて特にペン先によって押圧されていると推定されるペン位置セルを特定するペン位置セル特定処理を実行する。
その後、ステップS40に移り、CPU201は、各押圧セルごとに、当該押圧セルが含まれるYセグメントMyi及びXセグメントMxjに他の押圧セルが含まれるかどうかの配置条件を満たすか否かを判定する判定処理を実行する。
その後、ステップS45に移り、CPU201は、上記判定処理において、押圧セルの配置条件を満たしたか否かを判定する。押圧セルの配置条件を満たした場合、判定が満たされ、ステップS50へ移る。
ステップS50では、CPU201は、配置条件を満たした方向に応じて全通電Y座標検出処理または全通電X座標検出処理を実行する。
その後、ステップS55に移り、CPU201は、X方向とY方向とでそれぞれ個別に、上記特定されたペン位置セル内に存在する押圧点のX−Y座標位置を検出する位置検出処理を実行する。そして上記ステップS5へ戻り、同様の手順を繰り返す。
また一方、上記ステップS45の判定において、押圧セルの配置条件を満たさなかった場合、判定は満たされず、ステップS60へ移る。
ステップS60では、CPU201は、検出方向に応じて部分通電Y座標検出処理または部分通電X座標検出処理を実行する。そして、ステップS55へ移る。
以上のフローにおいて、ステップS5〜ステップS30の手順が、その時点で押圧されているセルを特定する押圧セル特定処理に相当する。また、ステップS40〜ステップS60の手順が、特定されたペン位置セルにおける押圧点(接触導通点)のX−Y座標位置を検出するための広義の位置検出処理に相当する。
以上において、一次領域検出処理が各請求項記載の一次領域検出手順に相当し、二次領域検出処理が各請求項記載の二次領域検出手順に相当し、導通検出処理が各請求項記載の導通検出手順に相当し、接触抵抗検出処理が各請求項記載の接触抵抗検出手順に相当し、導通決定処理が各請求項記載の導通決定手順に相当する。また、特に押圧点のX方向の座標検出を行う位置検出処理が、各請求項記載のX座標検出手順に相当する。
以上説明したように、本実施形態の電子筆記装置2においては、ゴースト押圧点での接触抵抗Rtは、実際のYセグメントとXセグメントとの押圧点に比べて、接触抵抗Rtが著しく高い値となる。本願発明では、これを利用して、接触抵抗Rtに関する適宜のしきい値が設けられる。そして、導通決定処理では、導通検出処理において導通があるとして検出された各押圧セルのうち、対応する接触抵抗Rtが所定のしきい値より大きい押圧セルが除外される。これにより、実際にYセグメントとXセグメントとの導通が生じている接触導通点を含むセルが正しく決定される。
以上のように、本実施形態によれば、操作者によって同時に3点が押圧された場合に、実際には押圧されていない箇所が誤検出されるのを防止することができる。この結果、検出精度を向上することができる。
また特に、本実施形態においては、接触抵抗検出手順は、検出対象となる各セルについて、対応する一対の上下側の電極の一方に対しHigh接続して+3Vの電圧を印加するか、若しくは、対応する一対の左右側の電極の一方に対しHigh接続して+3Vの電圧を印加したときの、接触抵抗Rtを検出する。
これにより、各セルに関し、上下側の電極の一方及び左右側の電極の一方に+3V電圧を印加して検出された接触抵抗Rtを用いることで、実際には押圧されていない箇所が誤検出されるのを確実に防止することができる。
なお、上記実施形態においては、対象の押圧セルに対応するXセグメントでのGND接続側の電極から押圧点までの抵抗値Rxから接触抵抗Rtを求めたが、本発明はこれに限られない。他にも、対象の押圧セルに対応するXセグメント全体の抵抗値RXと、押圧点での分圧比Cx(つまり、押圧点のX座標に対するXセグメントの全長の比)が既知であるとき、Rx=RX×Cxであるから、
Rt=RX×Cx×(Z1/Z2−1) ・・・(式2)
によっても接触抵抗Rtを求めることができる。この場合、ゴースト押圧点も含めて位置検出処理を行い、正確に検出したX座標に対応する分圧比Cx(図22参照)を用いて上記(式2)から接触抵抗Rtを求める。これを利用して最後にゴースト押圧点を除去してもよい。この場合、接触抵抗Rtを精度よく算出できるため、実際には押圧されていない箇所が誤検出されるのを精度よく確実に防止することができる。なお、これに対して上記実施形態の場合は、テーブル値から求めた抵抗値Rxを用いて接触抵抗Rtを算出するため、上記分圧比Cxを算出する必要がなく、高速に接触抵抗Rtを算出できる点で有利である。
Rt=RX×Cx×(Z1/Z2−1) ・・・(式2)
によっても接触抵抗Rtを求めることができる。この場合、ゴースト押圧点も含めて位置検出処理を行い、正確に検出したX座標に対応する分圧比Cx(図22参照)を用いて上記(式2)から接触抵抗Rtを求める。これを利用して最後にゴースト押圧点を除去してもよい。この場合、接触抵抗Rtを精度よく算出できるため、実際には押圧されていない箇所が誤検出されるのを精度よく確実に防止することができる。なお、これに対して上記実施形態の場合は、テーブル値から求めた抵抗値Rxを用いて接触抵抗Rtを算出するため、上記分圧比Cxを算出する必要がなく、高速に接触抵抗Rtを算出できる点で有利である。
また、上記実施形態においては、全通電Y座標検出処理で全てのYセグメントMy1〜Mymに電圧を印可して通電させており、これによって簡易な制御で確実かつ高精度にY方向の位置検出を行うことができた。しかし、本発明はこれに限られず、他にも図23に示すように、略矩形領域に対応するYセグメント(図示する例ではMy3〜My5の3つ)だけに電圧を印可して通電させてもよい。これにより、消費電力を抑えつつ高精度にY方向の位置検出を行うことができる。
なお、上記実施形態では操作者から見た左右方向をX方向、上下方向をY方向としたが、これに限らずに逆の関係でもよい。
なお、以上において、図3、図6、図7、図9、図10、図12〜図16、図18〜図20、図22、図23等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図21等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
2 電子筆記装置(タッチパネル装置)
3 ペン
24 載置部
25 タッチパネル
70 紙媒体
201 CPU
209 駆動回路(制御手段)
Myi Yセグメント(第1導電膜領域)
Mxj Xセグメント(第2導電膜領域)
3 ペン
24 載置部
25 タッチパネル
70 紙媒体
201 CPU
209 駆動回路(制御手段)
Myi Yセグメント(第1導電膜領域)
Mxj Xセグメント(第2導電膜領域)
Claims (6)
- 互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極の一方と、前記X方向及び前記Y方向を備えるとともに前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極の一方と、前記m対の前記第1電極の一方及び前記n対の前記第2電極の一方への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置の前記制御手段に対し、
前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続するとともに、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、
前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続するとともに、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、
前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、
前記導通検出手順において導通があるとして検出された、少なくとも1つの導通格子領域それぞれについて、順次、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との接触抵抗値を検出する、接触抵抗検出手順と、
前記接触抵抗検出手順で接触抵抗が検出された各導通格子領域のうち、対応する前記接触抵抗値が所定のしきい値の範囲外の導通格子領域を除外することにより、実際に前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている接触導通点を含む前記格子領域を決定する導通決定手順と、
を実行させるための、接触検出処理プログラム。 - 請求項1記載の接触検出処理プログラムにおいて、
前記接触抵抗検出手順は、
検出対象となる各格子領域について、対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の電圧を印加するか、若しくは、対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の電圧を印加したときの、前記接触抵抗値を検出する
ことを特徴とする接触検出処理プログラム。 - 請求項2記載の接触検出処理プログラムにおいて、
前記接触抵抗検出手順は、
検出対象となる各格子領域における、前記接触抵抗値を、
対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の電圧を印加したときの第1電極側電圧と第2電極側電圧との比と、前記接地側に接続された一対の前記第2電極の一方を含む前記第2導電膜領域全体の抵抗値と、当該第2導電膜領域における前記接触導通点による分圧比と、を用いて算出するか、
若しくは、
対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の電圧を印加したときの第2電極側電圧と第1電極側電圧との比と、前記接地側に接続された一対の前記第1電極の一方を含む前記第1導電膜領域全体の抵抗値と、当該第1導電膜領域における前記接触導通点による分圧比と、を用いて算出する、
ことを特徴とする接触検出処理プログラム。 - 請求項2記載の接触検出処理プログラムにおいて、
前記接触抵抗検出手順は、
検出対象となる各格子領域における、前記接触抵抗値を、
対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の電圧を印加したときの第1電極側電圧と第2電極側電圧との比と、対応する導通格子領域より決定されるテーブル値を用いて算出する、
ことを特徴とする接触検出処理プログラム。 - 互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極の一方と、前記X方向及び前記Y方向を備えるとともに前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極の一方と、前記m対の前記第1電極の一方及び前記n対の前記第2電極の一方への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置が実行する、接触検出処理方法であって、
前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続するとともに、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、
前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続するとともに、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、
前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、
前記導通検出手順において導通があるとして検出された、少なくとも1つの導通格子領域それぞれについて、順次、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との接触抵抗値を検出する、接触抵抗検出手順と、
前記接触抵抗検出手順で接触抵抗が検出された各導通格子領域のうち、対応する前記接触抵抗値が所定のしきい値の範囲外の導通格子領域を除外することにより、実際に前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている接触導通点を含む前記格子領域を決定する導通決定手順と、
を有することを特徴とする接触検出処理方法。 - 互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、
各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極の一方と、
前記X方向及び前記Y方向を備えるとともに前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、
各第2導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極の一方と、
前記m対の前記第1電極の一方及び前記n対の前記第2電極の一方への通電を制御する制御手段と、
を有し、
前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置であって、
前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続するとともに、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手段と、
前記一次領域検出手段により導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続するとともに、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手段と、
前記二次領域検出手段により検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の電圧を印加することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手段と、
前記導通検出手段により導通があるとして検出された、少なくとも1つの導通格子領域それぞれについて、順次、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との接触抵抗値を検出する、接触抵抗検出手段と、
前記接触抵抗検出手段により接触抵抗が検出された各導通格子領域のうち、対応する前記接触抵抗値が所定のしきい値の範囲外の導通格子領域を除外することにより、実際に前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている接触導通点を含む前記格子領域を決定する導通決定手段と、
を有することを特徴とするタッチパネル装置。
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JP2012168298A JP2014026582A (ja) | 2012-07-30 | 2012-07-30 | 接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置 |
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