JP5904458B2 - 接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置 - Google Patents

接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置 Download PDF

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本発明は、タッチパネルを用いて接触点の位置を検出する接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置に関する。
接触点の位置を検出するタッチパネルの方式の1つとして、アナログ抵抗膜式が知られている。アナログ抵抗膜式のタッチパネルは、平面状の2つの部材を互いに近接対向させた配置でそれらの対向面に導電膜領域が設けられている。導電膜領域に電位勾配が形成され、導通による導通点(言い換えれば接触による接触点)で検出された電圧値に基づいて接触点の位置が検出される。近年では、複数の接触点の位置を個別に検出できるように、各平面部材で互いに直交する方向で導電膜領域を複数分割して設ける構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−9142号公報
上記の構成の場合、対向する導電膜領域同士で重複する格子領域が、接触点の位置を検出する最小単位となる。そして、導通が確認された導通格子領域それぞれにおける、接触点の位置情報が取得される。しかしながら、上記の構成では、取得対象の導通格子領域と同一の導通膜領域上に他の導通格子領域が存在する場合、取得される位置情報に誤差が生じてしまう。
本発明の目的は、取得対象の導通格子領域の位置情報を取得する際の精度を向上できる接触検出処理プログラム、接触検出処理方法、及びタッチパネル装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極と、前記X方向及び前記Y方向を備えると共に前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第2配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極と、前記m対の前記第1電極及び前記n対の前記第2電極への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置の前記制御手段に対し、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続すると共に、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続すると共に、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、前記導通検出手順において導通があるとして検出された導通格子領域のうちの所定の1つの特定導通格子領域に対し、導通点の前記X方向における位置情報と前記Y方向における位置情報とを取得する位置検出手順と、前記特定導通格子領域に対して、同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上に含まれる他の導通格子領域である少なくとも1つの外乱導通格子領域を取得する外乱導通格子領域取得手順と、前記外乱導通格子領域取得手順で取得した前記外乱導通格子領域が含まれる第1導電膜領域と第2導電膜領域との接触抵抗値と、前記特定導通格子領域及び前記外乱導通格子領域の両方が含まれる同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域の格子領域単位の位置と、前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域と前記外乱導通格子領域との前後配置関係と、に基づいて、前記位置検出手順が取得した前記特定導通格子領域の前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上に沿った方向の位置情報を補正する位置情報補正手順と、を実行させることを特徴とする。
本願発明の対象となるタッチパネル装置は、第1基材の第1配列面においてY方向(例えば縦方向)に伸びる第1導電膜領域がX方向(例えば横方向)に沿ってm個配列されると共に、第2基材の第2配列面においてX方向に伸びる第1導電膜領域がY方向に沿ってn個配列される。これにより、平面視においてm×n個の格子領域が生成される。また、第1配列面に設けられたm対の第1電極により第1導電膜領域に対しY方向に沿った電位勾配が形成可能であり、第2配列面に設けられたn対の第2電極により第2導電膜領域に対しX方向に沿った電位勾配が形成可能である。そして、例えば操作者が所望の操作部位を押圧してその押圧箇所において第1導電膜領域と第2導電膜領域とが導通すると、制御手段がその導通部位を検出することで、上記操作が検出される。
上記の操作検出の際、本願発明では、処理の迅速化等の観点から、まず上記押圧箇所を含む格子領域の検出が行われた後、その検出された格子領域における上記導通部位の詳細な位置の検出が行われる。
すなわち、本願発明の接触検出処理プログラムが制御手段で実行されると、まず一次領域検出手順で、n個の第2導電膜領域すべてのn対の第2電極が接地側に接続された状態で、m個の第1導電膜領域の各対の第1電極に順次所定電圧が付加される。これにより、上記押圧箇所が含まれる第1導電膜領域では第1電極→第1導電膜領域→押圧による導通部位→第2導電膜領域→第2電極の経路で電流が流れることで、第1導電膜領域において電圧降下が生じる。したがって、制御手段は、この電圧降下を検知することで、押圧箇所が含まれる少なくとも1つの第1導電膜領域を検出し特定することができる。
このようにして押圧箇所が含まれる第1導電膜領域が特定されると、二次領域検出手順で、当該特定された少なくとも1つの第1導電膜領域すべての第1電極が接地側に接続された状態で、n個の第2導電膜領域の各対の第2電極に順次所定電圧が付加される。これにより、上記押圧箇所が含まれる第2導電膜領域では第2電極→第2導電膜領域→押圧による導通部位→第1導電膜領域→第1電極の経路で電流が流れることで、第2導電膜領域において電圧降下が生じる。制御手段は、この電圧降下を検知することで、押圧箇所が含まれる少なくとも1つの第2導電膜領域を検出し特定することができる。この結果、平面視において、前述のように一次領域検出手順で特定された上記少なくとも1つの第1導電膜領域と、この二次領域検出手順で特定された上記少なくとも1つの第2導電膜領域とに重複する、略矩形領域が特定される。
この略矩形領域は、前述の操作による押圧箇所(すなわち第1導電膜領域と第2導電膜領域との導通部位)に対応する少なくとも1つの格子領域を、矩形状に包含する領域となる。したがって、本願発明では、この略矩形領域に含まれる各格子領域を検出すべき押圧箇所の候補とし、これ以降、各格子領域ごとに実際に押圧箇所であったかどうかの判定処理が行われる。
すなわち、次の導通検出手順では、各格子領域について、対応する一対の第2電極を接地側に接続しかつ対応する一対の第1電極に対し所定の電圧を印加する(あるいは、対応する一対の第1電極を接地側に接続しかつ対応する一対の第2電極に対し所定の電圧を印加する)。これにより、上記押圧が行われている格子領域では、第1電極→第1導電膜領域→押圧による導通部位→第2導電膜領域→第2電極の経路で電流が流れることで、第1導電膜領域において電圧降下が生じる(あるいは第2電極→第2導電膜領域→押圧による導通部位→第1導電膜領域→第1電極の経路で電流が流れることで、第2導電膜領域において電圧降下が生じる)。したがって、制御手段は、この電圧降下を検知することで、上記押圧箇所の候補となった格子領域のうち、実際に操作者による押圧がなされた格子領域を特定することができる。
その後、位置検出手順で、上記導通検出手順において導通があるとして特定された導通格子領域それぞれにおける、導通点のX方向における位置情報(すなわちX座標)と導通点のY方向における位置情報(すなわちY座標)とが取得される。しかし、この位置情報を取得する際には、当該取得対象の導通格子領域と同一の第1導電膜領域上又は第2導電膜領域上に他の導通格子領域が存在する場合、上記位置検出手順で取得した位置情報に誤差が生じてしまう。
そこで本願発明では、位置情報を取得する対象の導通格子領域を特定導通格子領域とし、外乱導通格子領域取得手順で上記他の導通格子領域を外乱導通格子領域として取得し、位置情報補正手順で当該外乱導通格子領域が与える上記誤差を算出してその分だけ特定導通格子領域の位置情報を補正する。
この誤差は、当該外乱導通格子領域が含まれる第1導電膜領域と第2導電膜領域との間の電気的な接触抵抗値と、特定導通格子領域及び外乱導通格子領域の両方が含まれる同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上における特定導通格子領域の格子領域単位の位置と、その導電膜領域上において特定導通格子領域を境としたどちら側に外乱導通格子領域が位置しているかの前後配置関係とに相関する。
上記位置情報補正手順は、これら接触抵抗値、特定導通格子領域の位置、及び前後配置関係に基づいて特定導通格子領域の位置情報を補正する。この結果、取得対象の導通格子領域の位置情報を取得する際の精度を向上できる。
また、上記目的を達成するために、本願発明は、互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極と、前記X方向及び前記Y方向を備えると共に前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第2配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極と、前記m対の前記第1電極及び前記n対の前記第2電極への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置が実行する、接触検出処理方法であって、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続すると共に、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続すると共に、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、前記導通検出手順において導通があるとして検出された導通格子領域のうちの所定の1つの特定導通格子領域に対し、導通点の前記X方向における位置情報と前記Y方向における位置情報とを取得する位置検出手順と、前記特定導通格子領域に対して、同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上に含まれる他の導通格子領域である少なくとも1つの外乱導通格子領域を取得する外乱導通格子領域取得手順と、前記外乱導通格子領域取得手順で取得した前記外乱導通格子領域が含まれる第1導電膜領域と第2導電膜領域との接触抵抗値と、前記特定導通格子領域及び前記外乱導通格子領域の両方が含まれる同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域の格子領域単位の位置と、前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域と前記外乱導通格子領域との前後配置関係と、に基づいて、前記位置検出手順が取得した前記特定導通格子領域の前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上に沿った方向の位置情報を補正する位置情報補正手順と、を有することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本願発明は、互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極と、前記X方向及び前記Y方向を備えると共に前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第2配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極と、前記m対の前記第1電極及び前記n対の前記第2電極への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置であって、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続すると共に、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手段と、前記一次領域検出手段で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続すると共に、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手段と、前記二次領域検出手段において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手段と、前記導通検出手段において導通があるとして検出された導通格子領域のうちの所定の1つの特定導通格子領域に対し、導通点の前記X方向における位置情報と前記Y方向における位置情報とを取得する位置検出手段と、前記特定導通格子領域に対して、同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上に含まれる他の導通格子領域である少なくとも1つの外乱導通格子領域を取得する外乱導通格子領域取得手段と、前記外乱導通格子領域取得手段で取得した前記外乱導通格子領域が含まれる第1導電膜領域と第2導電膜領域との接触抵抗値と、前記特定導通格子領域及び前記外乱導通格子領域の両方が含まれる同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域の格子領域単位の位置と、前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域と前記外乱導通格子領域との前後配置関係と、に基づいて、前記位置検出手段が取得した前記特定導通格子領域の前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上に沿った方向の位置情報を補正する位置情報補正手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、取得対象の導通格子領域の位置情報を取得する際の精度を向上できる。
本発明の一実施の形態のタッチパネル装置を備えた手書き入力システムの全体構成を表すシステム構成図である。 タッチパネルでの押圧検出の原理を説明するための説明図である。 電子筆記装置の電気的構成を表す機能ブロック図である。 タッチパネルにおける各セグメントと電極の配置及び接続構成を説明するための模式図である。 タッチパネルにおけるセルの配置及び接続構成を説明するための模式図である。 押圧セル特定処理で用いる回路構成を説明するための平面視による模式図である。 位置検出処理で用いる回路構成を説明するための平面視による模式図である。 タッチパネルに右手を載せて筆記する状態を示す図である。 タッチパネルにおける押圧点の配置の一例を示す説明図である。 一次領域検出処理での通電状態を示す説明図である。 二次領域検出処理での通電状態を示す説明図である。 導通検出処理での検出過程を示す説明図である。 X座標を検出する位置検出処理での検出過程を示す説明図である。 X座標を検出する位置検出処理での検出過程を示す説明図である。 Y座標を検出する位置検出処理での検出過程を示す説明図である。 Y座標を検出する位置検出処理での検出過程を示す説明図である。 ペン位置セルに対して外乱セルが存在しない押圧セルの配置の一例を示す説明図である。 ペン位置セルに対して少なくとも1つの外乱セルが存在する押圧セルの配置の一例を示す説明図である。 対象押圧点のY座標の検出において生じる誤差を示す説明図である。 接触抵抗値算出処理で用いる回路構成を説明するための平面視による模式図である。 補正量テーブルの一例を表す説明図である。 CPUが実行する接触検出処理方法の概略的な制御手順を表すフローチャートである。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
<システム概略>
図1に、本実施形態のタッチパネル装置を備えた手書き入力システム1を示す。なお、以下の説明では、図1の紙面の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側を、それぞれ、電子筆記装置2の上側、下側、右側、左側、手前側、奥行き側と定義して説明する。
図1に示すように、手書き入力システム1は、例えば通常のボールペンやシャープペンシル等の汎用のペン3により筆記される電子筆記装置2(タッチパネル装置)と、ディスプレイ4とを備えている。
<電子筆記装置>
電子筆記装置2は、平面視で上下方向に長い薄型の直方体状の形状を備えている。電子筆記装置2の下側には、電子筆記装置2の手前側の大部分を占めるように、凹部形状の載置部24が設けられている。載置部24には、例えば所定の用紙からなる紙媒体70が載置される。
<タッチパネル>
このとき、電子筆記装置2には、載置部24とほぼ同一の範囲となるように、タッチパネル25が設けられている。タッチパネル25は、ペン3の位置(ペン位置)を表す位置情報であるX−Y座標(本実施形態では、タッチパネル25(言い換えれば載置部24)の左上部の座標(X,Y)を原点(0,0)とし、右方向をX軸、下方向をY軸とするX−Y座標系を用いる。詳細は後述)を検出する。そして、載置部24は、紙媒体70を、この例では紙媒体70の左上の隅部が上記原点に一致する姿勢で保持する。
なお、タッチパネル25の構成は、例えばITO(インジウム・チン・オキサイド)による導電膜を用いた感圧方式とすることができる。この感圧方式では、公知技術であるアナログ抵抗膜センサによる感圧式構造の原理を応用して、ペン3で押した位置を電圧変化の測定により検知する。その内部構造は、図2に示すように、それぞれ例えばITO導電層等の導電膜301を配置したガラス(フィルムでもよい)302(第2基材)及びフィルム303(第1基材)を、絶縁性の貼り合わせ材304を介して少しだけすき間を設けて貼り付けている。また、ガラス302及びフィルム303のいずれかの導電膜301の表面には、絶縁性のドットスペーサ305が所定間隔ごとに配置されている。操作者が通常の鉛筆やボールペンで文字を書く要領でペン3を用いて紙媒体70に筆記を行うと、ペン3の先端(ペン先)による押圧が紙媒体70を介してフィルム303に伝達され、当該フィルム303の押圧箇所において、フィルム303側とガラス302側との導電膜301,301同士が接触して導通する。このようにして、当該押圧箇所及びその押圧箇所における押圧力がタッチパネル25により検出される。
<X−Y座標の検出>
上記のようにしてタッチパネル25において発生した導通信号は、タッチパネル25から電極306を介してCPU201(後述の図3参照)へ導かれ、これに基づいてペン位置が離散的なX−Y座標としてCPU201により検出される。すなわち、CPU201は、操作者が上記筆記動作を行ったときのペン3の移動に対応する複数のX−Y座標を検出し取得する。なお、前述したように、本実施形態では、タッチパネル25(言い換えれば載置部24)の左上部の座標(X,Y)を原点(0,0)とし、右方向をX軸、下方向をY軸とするX−Y座標系を用いる。すなわち、X座標がタッチパネル25(言い換えれば載置部24)における左右方向の位置を表し、Y座標がタッチパネル25(言い換えれば載置部24)における上下方向の位置を表す。そして、上記取得された複数のX−Y座標に基づき、CPU201により、上記紙媒体70に筆記された軌跡を示すストロークデータが生成される。
なお、ディスプレイ4は、電子筆記装置2に接続されており、操作者が電子筆記装置2の載置部24に載置した紙媒体70の外観に相当する画像データや、操作者による紙媒体70への記載内容に相当する画像データ(ストロークデータの集合体)を表示することができる。
<電子筆記装置の電気的構成>
図3を参照して、電子筆記装置2の電気的構成について説明する。図3に示すように、電子筆記装置2は、電子筆記装置2全体の制御を行うCPU201と、ROM202(記憶手段)と、種々のデータが一時的に記憶されるRAM203と、フラッシュメモリ204と、駆動回路209,210とを備えている。ROM202、RAM203、フラッシュメモリ204、及び駆動回路209,210は、CPU201に電気的に接続されている。なお、CPU201及び駆動回路209が、各請求項記載の制御手段として機能する。
ROM202は、プログラム記憶領域2021と、画像データ記憶領域2023と、補正量テーブル記憶領域2024とを備えている。プログラム記憶領域2021には、CPU201が電子筆記装置2を制御するために実行する各種プログラム(CPU201に対し後述の図22のフローに示す各手順を実行させるための接触検出処理プログラムを含む)が記憶されている。画像データ記憶領域2023には、例えば紙媒体70のフォーマット情報に対応した画像データが記憶されている。補正量テーブル記憶領域2024には、補正量テーブル(後述)が記憶されている。
フラッシュメモリ204は、座標情報記憶領域2041を備えている。
駆動回路209は、タッチパネル25を駆動するための電子回路である。駆動回路210は、ディスプレイ4に画像を表示させるための電子回路である。
<タッチパネルの接続構成>
図4を参照して、タッチパネル25における導電膜301,301の配置及びそれらの接続構成について説明する。図4に示すように、タッチパネル25は、フィルム303の第1配列面である対向内側面(下面)においてY方向(上述した上下方向)に伸びるYセグメント(第1導電膜領域)の導電膜301がX方向(上述した左右方向)に沿ってm個配列されると共に、ガラス302の第2配列面である対向内側面(上面)においてX方向(上述した左右方向)に伸びるXセグメント(第2導電膜領域)の導電膜301がY方向(上述した上下方向)に沿ってn個配列されている。なお、図中では、図示の煩雑をさけるために、m=n=3個の場合で略記している。
フィルム303の下面側に設けられたm対(図示する例では3対)の電極306であるY電極(第1電極)により、各Yセグメントの導電膜301に対しY方向に沿った電位勾配が形成可能である。また、ガラス302の上面側に設けられたn対(図示する例では3対)の電極306であるX電極(第2電極)により、各Xセグメントの導電膜301に対しX方向に沿った電位勾配が形成可能である。これらm対のY電極及びn対のX電極への通電は、上記駆動回路209により制御される。以下において、m個のYセグメントをX方向の原点側から順にMy1,・・・,Mymと表記し、各Yセグメントに設けたY方向原点側のY電極をTy1−1,・・・,Tym−1、逆側のY電極をTy1−2,・・・,Tym−2と表記する。同様にして、n個のXセグメントをY方向の原点側から順にMx1,・・・,Mxnと表記し、各Xセグメントに設けたX方向原点側のX電極をTx1−1,・・・,Txn−1、逆側のX電極をTx1−2,・・・,Txn−2と表記する。
図示する例において、Y電極Ty1−1,・・・,Tym−1のそれぞれには、+3V(所定の電圧)の電源(電位)である+3V電源への直接接続(以下、High接続という)と、10kΩ抵抗(所定の抵抗)を介した+3V電源への接続(以下、PullUp接続という)と、遮断とを切り替え可能なスイッチSy1−1,・・・,Sym−1が接続されている。Y電極Ty1−2,・・・,Tym−2のそれぞれには、High接続と、GND(接地)側への接続(以下、GND接続という)と、遮断とを切り替え可能なスイッチSy1−2,・・・,Sym−2が接続されている。X電極Tx1−1,・・・,Txn−1のそれぞれには、High接続と、GND接続と、遮断とを切り替え可能なスイッチSx1−1,・・・,Sxn−1が接続されている。X電極Tx1−2,・・・,Txn−2のそれぞれには、High接続と、PullUp接続と、GND接続と、遮断とを切り替え可能なスイッチSx1−2,・・・,Sxn−2が接続されている(図中では、図示の都合上、それぞれ上下2つに分割して記載)。以上の各スイッチの切り替えは、上記駆動回路209により制御される。
また、Y電極Ty1−1,・・・,Tym−1及びX電極Tx1−2,・・・,Txn−2のそれぞれは、上記駆動回路209内に設けられたA/Dコンバータ(特に図示せず)に接続されており、個別に電圧値(電位)を検出できる。
以上のように構成されたタッチパネル25の導電膜301,301だけを上側から平面視すると、図5のようになる。この図5に示す例では、Yセグメントが12個(つまりm=12)設けられ、Xセグメントが20個(つまりn=20)設けられている。以下の説明においては、理解を容易にするために、この図5に示すセグメント配置を用いて簡略的に図示する。
いずれのセグメントも、その長手方向において電気的な抵抗密度が均等に分布しており、これにより各セグメントの両端の電極間で電圧をかけた場合には、形成される電位勾配も長手方向に沿って均等となる。また、この平面視において、m個のYセグメントとn個のXセグメントとの組み合わせからm×n個の矩形状の重複領域(格子領域)が配置されており、以下においてこれら重複領域をセルと呼称する。例えば、それぞれ原点Oに最も近いYセグメントMy1とXセグメントMx1との重複領域(図中の太線枠領域)を「セル(1,1)」と表記する。同様に、それぞれ原点Oからi番目のYセグメントMyiとj番目のXセグメントMxjとの重複領域を「セル(i,j)」と表記する。各セルは、ペン3を用いた通常の筆記操作において2点以上の押圧を受けることのない程度に十分狭い面積に設定されており、各セグメントもまた、それを実現できる程度に狭い幅で形成され互いに近接して配置されている。
<電子筆記装置における基本的な検出形態>
上記のように構成された電子筆記装置2においては、基本的に2種類の検出形態がある。1つ目の検出形態は、各セルにおいて単純に接触導通があるか否か、すなわち所定のXセグメントとYセグメントとの組み合わせにおける接触導通の有無のみを検出する形態である。
例えば、所定のセルにおいてYセグメントに対するXセグメントの接触導通の有無を検出する場合には、図6(a)に示す回路構成で検出が行われる。この図6(a)において、検出対象のセル(i,j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御により、上側(原点Oに近い側)のY電極Tyi−1がPullUp接続されると共に駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続され、下側(原点Oから遠い側)のY電極Tyi−2が遮断されている。また、検出対象のセル(i,j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により、左側(原点Oに近い側)のX電極Txj−1が遮断され、右側(原点Oから遠い側)のX電極Txj−2がGND接続されている。
このような回路構成によれば、セル(i,j)が押圧されてない場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiとが離間したまま電気的導通がないため、Y電極Tyi−1に接続するA/Dコンバータには低いレベル(Lレベル)の電位が検出される。また、セル(i,j)が押圧されている場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiとが接触して電気的に導通するため、+3V電源からGNDへ向けて電流が流れ、Y電極Tyi−1に接続するA/Dコンバータには高いレベル(Hレベル)の電位が検出される。ただし、10kΩ抵抗を介しているため、短絡にはならない。このようにして、A/DコンバータにはH/Lの2値の電位が入力され、その内容によりセル(i,j)における接触導通の有無を検出できる。
なお、上記回路構成の拡張型として、所定の1つのYセグメントMyiのY電極Tyi−1のみPullUp接続し、全てのXセグメントMx1〜MxnのX電極Tx1−2〜Txn−2をGND接続する構成もある(特に図示せず)。この場合には、当該1つのYセグメントMyi上に配置する全てのセル(i,1〜n)のうちいずれか1つでも接触導通があるか否かを検出できる。
また、所定のセルにおいてXセグメントに対するYセグメントの接触導通の有無を検出する場合には、図6(b)に示す回路構成で検出が行われる。この図6(b)において、検出対象のセル(i,j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御により、上側(原点Oに近い側)のY電極Tyi−1が遮断され、下側(原点Oから遠い側)のY電極Tyi−2がGND接続されている。また、検出対象のセル(i,j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により、左側(原点Oに近い側)のX電極Txj−1が遮断され、右側(原点Oから遠い側)のX電極Txj−2がPullUp接続されると共に駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続されている。
このような回路構成によれば、セル(i,j)が押圧されてない場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiとが離間したまま電気的導通がないため、X電極Txj−2に接続するA/DコンバータにはLレベルの電位が検出される。また、セル(i,j)が押圧されている場合、XセグメントMxjとYセグメントMyiとが接触して電気的に導通するため、+3V電源からGNDへ向けて電流が流れ、X電極Txj−2に接続するA/DコンバータにはHレベルの電位が検出される。ただし、10kΩ抵抗を介しているため、短絡にはならない。このようにして、A/DコンバータにはH/Lの2値の電位が入力され、その内容によりセル(i,j)における接触導通の有無を検出できる。
なお、上記回路構成の拡張型として、所定の1つのXセグメントMxjのX電極Txj−2のみPullUp接続し、全てのYセグメントMy1〜MymのY電極Ty1−2〜Tym−2をGND接続する構成もある(特に図示せず)。この場合には、当該1つのXセグメントMxj上に配置する全てのセル(1〜m,j)のうちいずれか1つでも接触導通があるか否かを検出できる。
次に2つ目の検出形態は、各セルにおける接触導通による導通点(言い換えれば押圧による押圧点)のX−Y座標、すなわち所定のXセグメントとYセグメントとの組み合わせにおける押圧点での分圧電位を検出する形態である。
例えば、所定のセルにおいて押圧点のX座標を検出する場合には、図7(a)に示す回路構成で検出が行われる。この図7(a)において、検出対象のセル(i,j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御により、上側(原点Oに近い側)のY電極Tyi−1が駆動回路209内の上記A/Dコンバータだけに接続され、下側(原点Oから遠い側)のY電極Tyi−2が遮断されている。また、検出対象のセル(i,j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により、左側(原点Oに近い側)のX電極Txj−1がHigh接続され、右側(原点Oから遠い側)のX電極Txj−2がGND接続されている。つまり、XセグメントMxjの全体に3Vの電圧が付加され、X電極Txj−1から次第に離間する変位位置で電位が一定の降下率で連続的に降下する電位勾配が形成される。
このような回路構成によれば、セル(i,j)の領域内に押圧点が存在している場合、A/Dコンバータには、XセグメントMxjの全長に対するX電極Txj−1から当該押圧点までの距離の比に相当する分圧比での電位(0〜+3Vのアナログ電位)が入力される。この入力された分圧電位に基づいて当該押圧点のX座標を検出できる。なお、全てのセルの大きさと当該セル(i,j)の位置が既知であるため、当該セル(i,j)内に設定した相対的なx−y座標系における押圧点のx座標も検出できる(このx−y座標系については後述の図14及び図16参照)。ここで、上述したように各セルは複数点で押圧されることがない程度に狭い面積に設定されているため、複数点による分圧比の誤差は生じない。また、YセグメントMyiにも抵抗成分が存在するが、A/Dコンバータ自体の内部抵抗が十分高いためにYセグメントMyiに電流が流れることがなく、電位降下させずに当該セル(i,j)の押圧点における分圧電位を検出できる。
また、所定のセルにおいて押圧点のY座標を検出する場合には、図7(b)に示す回路構成で検出が行われる。この図7(b)において、検出対象のセル(i,j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御により、上側(原点Oに近い側)のY電極Tyi−1がHigh接続され、下側(原点Oから遠い側)のY電極Tyi−2がGND接続されている。つまり、YセグメントMyiの全体に3Vの電圧が付加され、Y電極Tyi−1から次第に離間する変位位置で電位が一定の降下率で連続的に降下する電位勾配が形成される。また、検出対象のセル(i,j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により、左側(原点Oに近い側)のX電極Txj−1が遮断され、右側(原点Oから遠い側)のX電極Txj−2が駆動回路209内の上記A/Dコンバータだけに接続されている。
このような回路構成によれば、セル(i,j)の領域内に押圧点が存在している場合、A/Dコンバータには、YセグメントMyiの全長に対するY電極Tyi−1から当該押圧点までの距離の比に相当する分圧比での電位(0〜+3Vのアナログ電位)が入力される。この入力された分圧電位に基づいて当該押圧点のY座標を検出できる。なお、全てのセルの大きさと当該セル(i,j)の位置が既知であるため、当該セル(i,j)内に設定した相対的なx−y座標系における押圧点のy座標も検出できる(このx−y座標系については後述の図14及び図16参照)。ここで、上述したように、複数点による分圧比の誤差は生じない。また、XセグメントMxjにも抵抗成分が存在するが、A/Dコンバータ自体の内部抵抗が十分高いためにXセグメントMxjに電流が流れることがなく、電位降下させずに当該セル(i,j)の押圧点における分圧電位を検出できる。
<電子筆記装置におけるペン位置の検出シーケンス>
以下、電子筆記装置2におけるペン位置の検出シーケンスについて説明する。この例では、図8に示すように、右利きの操作者がペン3を持った右手をタッチパネル25上に載置し、筆記する状態を想定する。この筆記状態で、上記図5に示すセグメント配置のタッチパネル25に図9に示す位置のセルが押圧されたとする。具体的には、タッチパネル25の左上部の座標(X,Y)を原点O(0,0)として右方向に向けてX軸、下方向に向けてY軸をそれぞれ配置したX−Y座標系を設定し、横に12個、縦に20個の合計12×20=240個のセルが配置されている。そのうち、ペン先がセル(5,4)の1点を押圧し、右手でセル(4,16)、セル(4,17)、セル(4,18)、セル(4,19)、セル(5,16)、セル(5,17)、セル(5,18)、セル(5,19)、セル(6,16)、セル(6,17)、セル(6,18)、及びセル(6,19)の12点を押圧している。
ペン位置の検出シーケンスとしては、概略的に3つのシーケンス処理を実行する。まず、その時点で接触導通がある(言い換えれば押圧されている)押圧セル(導通格子領域)を特定する押圧セル特定処理を実行する。そして、特定された押圧セルのうち、配置の分布やバラツキ等に基づいて特にペン先により押圧されている(言い換えればペン位置に対応する)と推定される所定の1つのペン位置セル(特定導通格子領域)を特定するペン位置セル特定処理を実行する。なお、このペン位置セル特定処理は公知のパターン認識技術や推定技術等に基づいて行えばよく、ここでは詳細な説明を省略する。その後に、特定されたペン位置セル内に存在するペン先による押圧点(以下、対象押圧点という)のX−Y座標を検出し取得する位置検出処理を実行する。以下においては、押圧セル特定処理及び位置検出処理についてのみ説明する。
<検出シーケンス1:押圧セル特定処理について>
押圧セル特定処理では、詳細には、一次領域検出処理、二次領域検出処理、及び導通検出処理の3つの処理を順に実行する。一次領域検出処理及び二次領域検出処理は、処理の迅速化の観点から、タッチパネル25全体のうちで押圧点が存在する領域をセル単位の略矩形領域で検出するための処理である。
まず、一次領域検出処理として、上記図6(a)で説明した回路構成の拡張型により、所定のYセグメントにおける各Xセグメントとの接触導通の有無を検出する。具体的には、図10に示すように、全てのXセグメントMx1〜Mxnの右側のX電極Tx1−2〜Txn−2をGND接続する。この状態で、YセグメントMy1〜Mymのうち1つのYセグメントMyiのY電極Tyi−1のみをPullUp接続し、かつA/Dコンバータへ導通状態の検出信号を入力する。なお、これ以外に図示せず、説明しない電極については全て遮断状態とする(以下同様)。この検出をタッチパネル25の左右方向全体でi方向(X方向)に順次切り替えてトレースする。このようにして行う一次領域検出処理により、Xセグメントと導通された少なくとも1つのYセグメント、つまり押圧点が少なくとも1つ含まれるYセグメント(図示する例のMy4〜My6;図中の濃い目の網掛け部分)を検出し特定できる。
次に、二次領域検出処理として、上記図6(b)で説明した回路構成の拡張型により、上記一次領域検出処理で特定されたYセグメントに対する所定のXセグメントの接触導通の有無を検出する。具体的には、図11に示すように、上記一次領域検出処理で特定されたYセグメントの下側のY電極(図示する例ではTy4−2〜Ty6−2)をGND接続する。この状態で、XセグメントMx1〜Mxnのうち1つのXセグメントMxjのX電極Txj−2のみをPullUp接続し、かつA/Dコンバータへ導通状態の検出信号を入力する。この検出をタッチパネル25の上下方向全体でj方向(Y方向)に順次切り替えてトレースする。このようにして行う二次領域検出処理により、Yセグメントと導通された少なくとも1つのXセグメント、つまり押圧点が少なくとも1つ含まれるXセグメント(図示する例のMx4、Mx16〜Mx19)を検出し特定できる。
この結果、タッチパネル25の平面視において、上記一次領域検出処理で特定されたYセグメント(図示する例のMy4〜My6)と、この二次領域検出処理で特定されたXセグメント(図示する例のMx4、Mx16〜Mx19)とに重複する、略矩形領域(図中の濃い目の網掛け部分)を検出し特定できる。この略矩形領域は、YセグメントとXセグメントとの接触導通が生じている少なくとも1つのセル、つまり押圧点に対応する少なくとも1つのセルを、矩形状に包含する領域となる。したがって、次に、導通検出処理で、上記二次領域検出処理で特定された略矩形領域に含まれる全てのセルのうち、実際に接触導通がある、つまり押圧されている押圧セルを検出し特定する。
この導通検出処理では、上記図6(a)及び図6(b)のいずれの回路構成を用いてもよく、図12に示すように、上記二次領域検出処理で特定された略矩形領域に含まれる全てのセルに対し順次トレースすることにより、略矩形領域に含まれる各セルごとに接触導通の有無を検出する。この結果、タッチパネル25の全てのセルのうち実際に押圧されている押圧セルを検出し特定できる。
ここで、初めからタッチパネル25の全てのセルに対して導通検出処理を実行して実際の押圧セルを特定することも可能ではある。しかしながら、タッチパネル25では、Xセグメント及びYセグメントの本数が多く、そのためにセルの設置数が膨大となっている。そのうち実際にペン3を用いた描画操作により押圧されるセルの数とその存在領域はタッチパネル25全体で見て一部であり、それら少ない押圧セルを特定するためにタッチパネル25の全てのセルに対して導通検出処理のトレースを行うことは処理時間の大幅な遅延を招く。これに対し本実施形態では、一次領域検出処理及び二次領域検出処理により高速に略矩形領域を特定し、この比較的狭い略矩形領域内だけに限定して導通検出処理のトレースを実行している。このため、タッチパネル25全体で押圧セルの特定を行う押圧セル特定処理の全体の処理を迅速化できる。
そして、上述したように、上記押圧セル特定処理により特定された押圧セルのうちから、公知のパターン認識技術や推定技術等に基づくペン位置セル特定処理により、ペン先により押圧されていると推定されるペン位置セル(図示する例ではセル(5,4))が特定される(詳細な説明は省略)。
<検出シーケンス2:位置検出処理について>
位置検出処理では、上記ペン位置セル特定処理により特定されたペン位置セル内の対象押圧点のX−Y座標を検出し取得する。この位置検出処理では、X方向とY方向とでそれぞれ個別に座標を検出し取得する。
まず、X方向の座標(X座標)検出を行う際には、上記図7(a)で説明した回路構成により、ペン位置セル(i,j)に対応するXセグメントMxjにおける対象押圧点による分圧電位を検出する。具体的には、図13に示すように、ペン位置セル(5,4)に対応するXセグメントMx4の左側のX電極Tx4−1がHigh接続されると共に、右側のX電極Tx4−2がGND接続される。これにより、XセグメントMx4の全体に渡ってX方向に均等に順降下する電位勾配が形成される。そして、ペン位置セル(5,4)に対応するYセグメントMy5の上側のY電極Ty5−1が、A/Dコンバータへ分圧電位を入力する。この分圧電位は、ペン位置セル(5,4)の拡大図である図14に示すように、ペン位置セル(5,4)の内部領域において高い精度で対象押圧点のX座標に対応して検出されるアナログ電位である。X座標検出では、この分圧電位に基づいて対象押圧点の正確なX座標を検出できる。なお、検出するX座標は、タッチパネル25全体に設定したX−Y座標系でのPXで検出してもよいし、ペン位置セル(5,4)内に設定した相対的なx−y座標系(ペン位置セル(5,4)の左上部の座標(x,y)を原点Osとし、右方向をx軸、下方向をy軸とする座標系)でのPxで検出してもよい。
同様にしてY方向の座標(Y座標)検出を行う際には、上記図7(b)で説明した回路構成により、ペン位置セル(i,j)に対応するYセグメントMyiにおける対象押圧点による分圧電位を検出する。具体的には、図15に示すように、ペン位置セル(5,4)に対応するYセグメントMy5の上側のY電極Ty5−1がHigh接続されると共に、下側のY電極Ty5−2がGND接続される。これにより、YセグメントMy5の全体に渡ってY方向に均等に順降下する電位勾配が形成される。そして、ペン位置セル(5,4)に対応するXセグメントMx4の右側のX電極Tx4−2が、A/Dコンバータへ分圧電位を入力する。この分圧電位は、ペン位置セル(5,4)の拡大図である図16に示すように、ペン位置セル(5,4)の内部領域において高い精度で対象押圧点のY座標に対応して検出されるアナログ電位である。Y座標検出では、この分圧電位に基づいて対象押圧点の正確なY座標を検出できる。なお、検出するY座標は、タッチパネル25全体に設定したX−Y座標系でのPYで検出してもよいし、ペン位置セル(5,4)内に設定した相対的なx−y座標系(ペン位置セル(5,4)の左上部の座標(x,y)を原点Osとし、右方向をx軸、下方向をy軸とする座標系)でのPyで検出してもよい。
以上の押圧セル特定処理、ペン位置セル特定処理、及び位置検出処理を実行するシーケンスにより、その時点におけるタッチパネル25上でのペン位置のX−Y座標が高い精度で検出される。
<ペン位置検出における誤差の発生とその対策>
電子筆記装置2は、基本的に上述したペン位置検出シーケンスによりペン位置のX−Y座標を検出する。しかし、タッチパネル25の構成に起因して、ペン先により1つのセルが押圧されるのと同時に例えば操作者の手等により当該セルと同一のセグメント上の他のセルが押圧された場合に、ペン位置のX−Y座標の検出おいて誤差が生じる可能性がある。以下、その原因と対策について詳細に説明する。
すなわち、ペン先により1つのセルが押圧されるのと同時に例えば操作者の手等により当該セルと同一のXセグメント上又は同一のYセグメント上の他のセルが押圧されると、ペン位置セルに対して、同一のXセグメント上又は同一のYセグメント上に含まれる他の押圧セルである少なくとも1つの外乱セル(外乱導通格子領域)が存在することになる。
この場合、ペン位置セルに対応するXセグメント全体又はYセグメント全体に流れる電流に加えて、当該セグメントにおける外乱セル内の押圧点(以下、外乱押圧点という)が存在する区間を、接触導通されたYセグメント又はXセグメントによりバイパスして流れる電流が新たに生じる。これにより、ペン位置セルに対応するXセグメント又はYセグメントにおける外乱押圧点が存在する区間の抵抗成分が、外乱セルが存在しない場合に比べて減少するので、当該セグメント全体の抵抗値が、外乱セルが存在しない場合から変化する可能性がある。この結果、上記位置検出処理において、ペン位置セルに対応するXセグメント又はYセグメントにおける対象押圧点による分圧電位が、実際のXセグメント又はYセグメントにおけるペン位置を正確に反映せず、ペン位置のX座標又はY座標の検出において誤差が生じる可能性がある。
本願発明者は、上記誤差が、外乱セルが含まれるXセグメントとYセグメントとの間の接触抵抗値Rt(以下、外乱セルにおける接触抵抗値Rtという)に相関することを知見した。すなわち、外乱セルにおける接触抵抗値Rtが小さいほど上記誤差が大きくなり、外乱セルにおける接触抵抗値Rtが大きいほど上記誤差が小さくなる。
また、本願発明者は、上記誤差が、ペン位置セル及び外乱セルの両方が含まれる同一のXセグメント上又は同一のYセグメント上におけるペン位置セルのセル単位の位置である絶対セル位置(セグメント全体のうち何番目のセルか)と、当該Xセグメント上又は当該Yセグメント上におけるペン位置セルと外乱セルとの前後配置関係(セグメント上のペン位置セルの位置を境として外乱セルがどちら側に位置するか)とに相関することも知見した。
さらに、本願発明者は、ペン位置セルに対して複数の外乱セルが存在する場合、各外乱セルの存在がペン位置のX座標又はY座標の検出に与える誤差の影響が、それぞれ線形的な関係にあることも知見した。
ここで、まず、ペン位置セルに対して外乱セルが存在しない押圧セルの配置、例えば、上記図9に示す押圧セルの配置におけるセル(5,16)、セル(5,17)、セル(5,18)、及びセル(5,19)が押圧されていない図17に示す押圧セルの配置で、上記位置検出処理により、対象押圧点のY座標を検出する場合を考える。
この場合、図17に示すように、上記図7(b)で説明した回路構成により、ペン位置セル(5,4)に対応するYセグメントMy5における対象押圧点による分圧電位が検出される。具体的には、ペン位置セル(5,4)に対応するYセグメントMy5の上側のY電極Ty5−1がHigh接続されると共に、下側のY電極Ty5−2がGND接続される。これにより、YセグメントMy5全体に電流が流れる。そして、ペン位置セル(5,4)に対応するXセグメントMx4の右側のX電極Tx4−2が、A/Dコンバータへ、YセグメントMy5全体の抵抗値RYに対する、YセグメントMy5の対象押圧点からY電極Ty5−1までの区間分の抵抗値Raの比(Ra/RY)に相当する、YセグメントMy5における対象押圧点による分圧比Cy、での電位である分圧電位を入力する。これにより、その入力された分圧電位に基づいて、対象押圧点のY座標が正確に検出される。
次に、ペン位置セルに対して少なくとも1つの外乱セルが存在する押圧セルの配置、例えば、上記図17に示す押圧セルの配置におけるセル(5,15)及びセル(5,16)が押圧されている図18に示す押圧セルの配置で、上記位置検出処理により、対象押圧点のY座標を検出する場合を考える。
この場合、図18に示すように、上記図17と同様にして、ペン位置セル(5,4)に対応するYセグメントMy5における対象押圧点による分圧電位が検出されるが、ペン位置セル(5,4)に対して外乱セル(5,15)及び外乱セル(5,16)が存在するので、YセグメントMy5全体の抵抗値RYが、外乱セルが存在しない場合に比べて減少する。この結果、YセグメントMy5における対象押圧点による分圧比Cyが、外乱セルが存在しない場合に比べて大きくなり、ペン位置セル(5,4)に対応するXセグメントMx4の右側のX電極Tx4−2がA/Dコンバータへ入力する、YセグメントMy5における対象押圧点による分圧電位が、外乱セルが存在しない場合に比べて大きくなる。この結果、図19に示すように、対象押圧点のY座標が実際のY座標よりも下側にズレて検出される。
そこで本実施形態では、上記ペン位置セル特定処理によりペン位置セルが特定された後に、外乱セル取得処理を実行し、上記押圧セル特定処理により特定された押圧セルのうちから、ペン位置セルに対する少なくとも1つの外乱セルを検出(取得)する。その後、位置情報補正処理を実行し、上記外乱セル取得処理により検出された外乱セルにおける接触抵抗値Rtと、上記ペン位置セルの絶対セル位置と、上記ペン位置セルと外乱セルとの前後配置関係とに基づき、外乱セルが与える上記位置検出処理での対象押圧点のX座標又はY座標の検出における誤差を補正できる補正量、つまり上記位置検出処理で取得された対象押圧点のX座標又はY座標への補正量を求めて、対象押圧点のX座標又はY座標を補正する。以下、この位置情報補正処理について詳しく説明する。
<位置情報補正処理について>
位置情報補正処理では、詳細には、接触抵抗値算出処理、補正量算出処理、及び補正処理の3つの処理を順に実行する。
まず、接触抵抗値算出処理で、外乱セルにおける接触抵抗値Rtを算出する。外乱セルにおける接触抵抗値Rtを算出する場合には、例えば、図20(a)に示す回路構成が用いられる。この図20(a)において、算出対象の外乱セル(i,j)に対応するYセグメントMyiは、駆動回路209の切り替え制御により、上側(原点Oに近い側)のY電極Tyi−1が駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続されてY電極側電圧Z1(GNDとの間の電位差に相当)を入力し、下側(原点Oから遠い側)のY電極Tyi−2がHigh接続されている。また、算出対象の外乱セル(i,j)に対応するXセグメントMxjは、駆動回路209の切り替え制御により、左側(原点Oに近い側)のX電極Txj−1がGND接続され、右側(原点Oから遠い側)のX電極Txj−2が駆動回路209内の上記A/Dコンバータに接続されてX電極側電圧Z2(GNDとの間の電位差に相当)を入力する。
上記図20(a)の回路構成を側面から見ると、図20(b)の等価回路で示すことができる。この図20(b)において、主に電流が通過する経路は、Y電極Tyi−2→YセグメントMyi→外乱セル(i,j)における接触抵抗→XセグメントMxj→X電極Txj−1である(図中の破線枠参照)。すなわち、上記電圧Z1は、電流通過方向での外乱セル(i,j)における接触抵抗の上流側直前点での電位に相当し、上記電圧Z2は、電流通過方向での外乱セル(i,j)における接触抵抗の下流側直後点での電位に相当する。なお、上述したように電位入力されるA/Dコンバータの内部抵抗が十分高いために、上記電流通過経路以外でのYセグメントMyi及びXセグメントMxjの抵抗成分は無視できる。したがって、XセグメントMxjの外乱押圧点からX電極Txj−1までの区間分の抵抗値Rxが分かれば、外乱セル(i,j)における接触抵抗値Rtを以下の式により導ける。
Rt=Rx×(Z1/Z2−1) ・・・(式1)
本実施形態では、処理の迅速化の観点から、各Xセグメントの各位置に対応した抵抗値Rxの相関が予め記録されているRxテーブル(図示せず)を用いて、XセグメントMxjの外乱押圧点からX電極Txj−1までの区間分の抵抗値Rxを求める。そして、上記図20(a)の回路構成により検出した電圧Z1,Z2と、上記Rxテーブルから求めた抵抗値Rxとを、上記(式1)に代入することにより、外乱セルにおける接触抵抗値Rtを算出することができる。
次に、補正量算出処理で、上記接触抵抗値算出処理で算出した外乱セルにおける接触抵抗値Rtと、例えば上記ペン位置セル特定処理の処理結果を参照して求めた上記ペン位置セルの絶対セル位置と、例えば上記ペン位置セル特定処理の処理結果と上記外乱セル取得処理の取得結果とを参照して求めた上記ペン位置セルと外乱セルとの前後配置関係とに基づき、対象押圧点のX座標又はY座標への補正量を求める。なお、上記外乱セル取得処理において複数の外乱セルが検出された場合には、この補正量算出処理では、複数の外乱セルのそれぞれについて対象押圧点のX座標又はY座標への補正量を求め、その求めた複数の外乱セルのそれぞれに対応した補正量を累積して(足し合わせて)、累積補正量を算出する。
本実施形態では、処理の迅速化の観点から、上記ROM202の補正量テーブル記憶領域2024に記憶された、接触抵抗値Rtとペン位置セルの絶対セル位置とに対応したX座標又はY座標への補正量の相関が予め記録されている補正量テーブル(例えば後述の図21参照)を用いて、対象押圧点のX座標又はY座標への補正量を求める。なお、後述の図21に示す補正量テーブル内の値は、タッチパネル25のX方向及びY方向の分解能が4096ドット(12ビット)であり、かつYセグメントが12個設けられXセグメントが20個設けられた場合、つまり1セルのX方向の分解能が341ドットでありY方向の分解能が204ドットである場合を想定したものの一例である。
また、補正量テーブルは、ペン位置セルの絶対セル位置の項目が、Xセグメント上の絶対セル位置を表すものと、Yセグメント上の絶対セル位置を表すものとで別々に用意されている。さらに、ペン位置セルの絶対セル位置の項目がXセグメント上の絶対セル位置を表す補正量テーブルは、Xセグメント上のペン位置セルの位置を境として外乱セルが左側に位置する場合のものと、右側に位置する場合のものとで別々に用意され、ペン位置セルの絶対セル位置の項目がYセグメント上の絶対セル位置を表す補正量テーブルは、Yセグメント上のペン位置セルの位置を境として外乱セルが上側に位置する場合のものと、下側に位置する場合のものとで別々に用意されている。
例えば、ペン位置セル(5,3)に対して、同一のYセグメントMy5上における当該ペン位置セル(5,3)を境として下側に1つの外乱セルが存在し、上記のようにして算出した当該外乱セルにおける接触抵抗値Rtが100Ωであった場合を考える。この場合、図21に示す、ペン位置セルの絶対セル位置の項目がXセグメント上の絶対セル位置を表し、かつYセグメント上のペン位置セルの位置を境として外乱セルが下側に位置する場合の補正量テーブルから、対象押圧点のY座標への補正量=7.28ドットが求められる。この場合、次の補正処理では、この補正量=7.28ドットを用いて、対象押圧点のY座標を補正する。
また例えば、ペン位置セル(5,10)に対して、同一のYセグメントMy5上における当該ペン位置セル(5,10)を境として下側に1つの外乱セルが存在し、上記のようにして算出した当該外乱セルにおける接触抵抗値Rtが100Ωであった場合を考える。この場合、上記図21に示す補正量テーブルから、対象押圧点のY座標への補正量=18.8ドットが求められる。この場合、次の補正処理では、この補正量=18.8ドットを用いて、対象押圧点のY座標を補正する。
一方、例えば、ペン位置セル(5,10)に対して、同一のYセグメントMy5上における当該ペン位置セル(5,10)を境として下側に2つの外乱セルが存在し、上記のようにして算出した一方の外乱セルにおける接触抵抗値Rtが100Ωであり他方の外乱セルにおける接触抵抗値Rtが110であった場合を考える。この場合、上記図21に示す補正量テーブルから、一方の外乱セルに対応した対象押圧点のY座標への補正量=18.8ドットが求められ、他方の外乱セルに対応した対象押圧点のY座標への補正量=17.7ドットが求められる。そして、一方の外乱セルに対応した補正量=18.8ドットと他方の外乱セルに対応した補正量=17.7ドットとを足し合わせて、累積補正量=36.5ドットが算出される。この場合、次の補正処理では、この累積補正量=36.5ドットを用いて、対象押圧点のY座標を補正する。
<制御フロー>
上記の手法を実現するために、電子筆記装置2のCPU201がROM202に記憶された接触検出処理プログラムに基づき実行する接触検出処理方法の概略的な制御手順を、図22により説明する。図22において、このフローに示す処理は、例えば、電子筆記装置2の電源がオンされることを契機に開始される。
まず、ステップS5において、CPU201は、上記図6(a)で説明した回路構成の拡張型により、所定のYセグメントにおける各Xセグメントとの接触導通の有無を検出する一次領域検出処理を実行する。なお、この一次領域検出処理を実行するステップS5が、各請求項記載の一次領域検出手順に相当すると共に、一次領域検出手段として機能する。
その後、ステップS10に移り、CPU201は、上記図6(b)で説明した回路構成の拡張型により、上記一次領域検出処理で特定されたYセグメントに対する所定のXセグメントの接触導通の有無を検出する二次領域検出処理を実行する。なお、この二次領域検出処理を実行するステップS10が、各請求項記載の二次領域検出手順に相当すると共に、二次領域検出手段として機能する。
そして、ステップS15で、CPU201は、上記ステップS10で略矩形領域を検出し特定できたか否かを判定する。略矩形領域が特定されなかった場合には、ステップS15の判定は満たされず、上記ステップS5に戻り同様の手順を繰り返す。一方、略矩形領域が特定された場合には、ステップS15の判定が満たされて、ステップS20に移る。
ステップS20では、CPU201は、上記図6(a)及び図6(b)のいずれの回路構成を用いて、上記ステップS10で特定された略矩形領域に含まれる全てのセルに対し順次トレースすることにより、実際に押圧されている押圧セルを検出し特定する導通検出処理を実行する。なお、この導通検出処理を実行するステップS20が、各請求項記載の導通検出手順に相当すると共に、導通検出手段として機能する。
その後、ステップS25に移り、CPU201は、上記ステップS20で特定された押圧セルのうちから、配置の分布やバラツキ等に基づいて特にペン先により押圧されていると推定されるペン位置セルを特定するペン位置セル特定処理を実行する。
そして、ステップS30で、CPU201は、X方向とY方向とでそれぞれ個別に、上記ステップS25で特定されたペン位置セル内の対象押圧点のX−Y座標を検出し取得する位置検出処理を実行する。なお、この位置検出処理を実行するステップS30が、各請求項記載の位置検出手順に相当すると共に、位置検出手段として機能する。
その後、ステップS35に移り、CPU201は、上記ステップS20で特定された押圧セルのうちから、上記ステップS25で特定されたペン位置セルに対する少なくとも1つの外乱セルを検出する外乱セル取得処理を実行する。なお、この外乱セル取得処理を実行するステップS35が、各請求項記載の外乱導通格子領域取得手順に相当すると共に、外乱導通格子領域取得手段として機能する。
そして、ステップS40で、CPU201は、上記ステップS35で外乱セルを検出できたか否かを判定する。外乱セルが検出されなかった場合には、ステップS40の判定は満たされず、上記ステップS30で取得された対象押圧点のX−Y座標を補正せずに、上記ステップS5に戻り同様の手順を繰り返す。一方、外乱セルが検出された場合には、ステップS40の判定が満たされて、ステップS45に移る。
ステップS45では、CPU201は、上記図20(a)に示す回路構成、上記Rxテーブル、及び上記(式1)を用いて、上記ステップS35で検出された外乱セルにおける接触抵抗値Rtを算出する接触抵抗値算出処理を実行する。
その後、ステップS50に移り、CPU201は、ROM202の補正量テーブル記憶領域2024に記憶された補正量テーブルのうち、例えば上記ステップS25の処理結果を参照して求めたペン位置セルの絶対セル位置と、例えば上記ステップS25の処理結果と上記ステップS35の取得結果とを参照して求めたペン位置セルと外乱セルとの前後配置関係とに対応する補正量テーブルを参照して、上記ステップS45で算出された外乱セルにおける接触抵抗値Rtと、上記ペン位置セルの絶対セル位置とに対応した、上記ステップS30で取得された対象押圧点のX座標又はY座標への補正量を求める補正量算出処理を実行する。なお、上記ステップS35で複数の外乱セルが検出された場合には、このステップS50では、複数の外乱セルのそれぞれについて対象押圧点のX座標又はY座標への補正量を求め、その求めた複数の外乱セルのそれぞれに対応した補正量を累積して(足し合わせて)、累積補正量を算出する。
そして、ステップS55で、CPU201は、上記ステップS50で求めた補正量又は累積補正量を用いて、上記ステップS30で取得された対象押圧点のX座標又はY座標を補正する補正処理を実行する。その後、上記ステップS5に戻り同様の手順を繰り返す。なお、上記補正量算出処理を実行するステップS50と、この補正処理を実行するステップS55とが、各請求項記載の位置情報補正手順に相当すると共に、位置情報補正手段として機能する。また、このフローに示す処理は、例えば、電子筆記装置2の電源がオフされることを契機に終了される。
以上説明したように、本実施形態においては、X−Y座標の取得対象の押圧セルをペン位置セルとし、外乱セル取得処理で、当該ペン位置セルと同一のXセグメント上又はYセグメント上の他の押圧セルを外乱セルとして検出し、位置情報補正処理で、当該外乱セルが与える上述の誤差を算出してその分だけペン位置セル内の対象押圧点のX座標又はY座標を補正する。具体的には、位置情報補正処理では、上述の誤差に相関する外乱セルにおける接触抵抗値Rt、ペン位置セルの絶対セル位置、及び、ペン位置セルと外乱セルとの前後配置関係に基づいて、ペン位置セル内の対象押圧点のX座標又はY座標を補正する。この結果、取得対象の押圧セルのX−Y座標を取得する際の精度を向上できる。
また、本実施形態では特に、位置情報補正処理で、各外乱セルごとに算出した上述の誤差を累積することで、そのままペン位置セルのX座標又はY座標を直接的に補正できる補正量が得られ、ペン位置セルのX−Y座標の取得精度を向上できる。
また、本実施形態では特に、ROM202の補正量テーブル記憶領域2024に、接触抵抗値Rtとペン位置セルの絶対セル位置とに対応したX座標又はY座標への補正量の相関が記憶されている。そして、位置情報補正処理で、このROM202の補正量テーブル記憶領域2024に記憶された相関を参照して、ペン位置セルのX座標又はY座標の補正を行う。これにより、位置情報補正処理では、2つのパラメータ(接触抵抗値Rtとペン位置セルの絶対セル位置)に基づいて、電子筆記装置2の製造固体による特性のバラツキをも反映させた正確な補正量を迅速に求めることができ、ペン位置セルのX−Y座標の取得精度及び取得速度を向上できる。
また、本実施形態では特に、位置検出処理では、ペン位置セル内の対象押圧点のY座標を検出する場合には、ペン位置セルに対応する上側のY電極に対し+3Vの電圧を印加することにより、上側のY電極によりYセグメントに生じる電位勾配に基づいて検出し、ペン位置セル内の対象押圧点のX座標を検出する場合には、ペン位置セルに対応する左側のX電極に対し+3Vの電圧を印加することにより、左側のX電極によりXセグメントに生じる電位勾配に基づいて検出する。これにより、電子筆記装置2の構成に対応したペン位置セル内の対象押圧点のX−Y座標の検出を簡易かつ高い精度で行える。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、上記実施形態においては、算出対象の外乱セルに対応するXセグメントの外乱押圧点から左側(GND接続側)のX電極までの区間分の抵抗値Rxを、各Xセグメントの各位置に対応した抵抗値Rxの相関が予め記録されているRxテーブルを用いて求めて、外乱セルにおける接触抵抗値Rtを算出したが、本発明はこれに限られない。例えば、算出対象の外乱セルに対応するYセグメントの外乱押圧点から上側(GND接続側)のY電極までの区間分の抵抗値Ryを、各Yセグメントの各位置に対応した抵抗値Ryの相関が予め記録されているRyテーブル(図示せず)を用いて求めて、外乱セルにおける接触抵抗値Rtを算出することも可能である。
他にも、算出対象の外乱セルに対応するYセグメント全体の抵抗値RYと、当該Yセグメントにおける外乱押圧点による分圧比Cy(つまり、外乱押圧点のY座標に対する当該Yセグメントの全長の比)が既知であるとき、Ry=RY×Cyであるから、当該Yセグメントの上側のY電極に対し+3Vの電圧を印加したときのY電極側電圧Z1とX電極側電圧Z2との比と、当該Yセグメント全体の抵抗値RYと、当該Yセグメントにおける外乱押圧点による分圧比Cyとを用いて、外乱セルにおける接触抵抗値Rtを以下の式により導ける。
Rt=RY×Cy×(Z1/Z2−1) ・・・(式2)
この場合、電子筆記装置2の構成に対応した外乱セルにおける接触抵抗値Rtの検出を簡易かつ高い精度で行える。
あるいは、算出対象の外乱セルに対応するXセグメント全体の抵抗値RXと、当該Xセグメントにおける外乱押圧点による分圧比Cx(つまり、外乱押圧点のX座標に対する当該Xセグメントの全長の比)が既知であるとき、Rx=RX×Cxであるから、当該Xセグメントの左側のX電極に対し+3Vの電圧を印加したときのX電極側電圧Z3とY電極側電圧Z4との比と、当該Xセグメント全体の抵抗値RXと、当該Xセグメントにおける外乱押圧点による分圧比Cxとを用いて、外乱セルにおける接触抵抗値Rtを以下の式により導くことも可能である。
Rt=RX×Cx×(Z3/Z4−1) ・・・(式3)
この場合も、電子筆記装置2の構成に対応した外乱セルにおける接触抵抗値Rtの検出を簡易かつ高い精度で行える。
なお、以上では、操作者から見た左右方向をX方向、上下方向をY方向としたが、これに限らずに逆の関係でもよい。
また、図3、図6、図7、図10、図11、図13、図15、図17、図18、及び図20中に示す矢印は、信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図22に示すフローチャートは、本発明を図示する手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態等による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
2 電子筆記装置(タッチパネル装置)
201 CPU
202 ROM(記憶手段)
209 駆動回路
302 ガラス(第2基材)
303 フィルム(第1基材)
Mx1〜Mxn Xセグメント(第2導電膜領域)
Mxj Xセグメント(第2導電膜領域)
My1〜Mym Yセグメント(第1導電膜領域)
Myi Yセグメント(第1導電膜領域)
Tx1−1〜Txn−1 X電極(第2電極)
Txj−1 X電極(第2電極)
Tx1−2〜Txn−2 X電極(第2電極)
Txj−2 X電極(第2電極)
Ty1−1〜Tym−1 Y電極(第1電極)
Tyi−1 Y電極(第1電極)
Ty1−2〜Tym−2 Y電極(第1電極)
Tyi−2 Y電極(第1電極)

Claims (7)

  1. 互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極と、前記X方向及び前記Y方向を備えると共に前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第2配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極と、前記m対の前記第1電極及び前記n対の前記第2電極への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置の前記制御手段に対し、
    前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続すると共に、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、
    前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続すると共に、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、
    前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、
    前記導通検出手順において導通があるとして検出された導通格子領域のうちの所定の1つの特定導通格子領域に対し、導通点の前記X方向における位置情報と前記Y方向における位置情報とを取得する位置検出手順と、
    前記特定導通格子領域に対して、同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上に含まれる他の導通格子領域である少なくとも1つの外乱導通格子領域を取得する外乱導通格子領域取得手順と、
    前記外乱導通格子領域取得手順で取得した前記外乱導通格子領域が含まれる第1導電膜領域と第2導電膜領域との接触抵抗値と、前記特定導通格子領域及び前記外乱導通格子領域の両方が含まれる同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域の格子領域単位の位置と、前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域と前記外乱導通格子領域との前後配置関係と、に基づいて、前記位置検出手順が取得した前記特定導通格子領域の前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上に沿った方向の位置情報を補正する位置情報補正手順と、
    を実行させることを特徴とする接触検出処理プログラム。
  2. 前記位置情報補正手順は、
    前記外乱導通格子領域取得手順で複数の外乱導通格子領域を取得した場合、当該複数の外乱導通格子領域のそれぞれに対応した補正量を累積して補正することを特徴とする請求項1記載の接触検出処理プログラム。
  3. 前記タッチパネル装置は、
    前記接触抵抗値と前記格子領域単位の位置とに対応した前記位置情報への補正量の相関を記憶した記憶手段を有し、
    前記位置情報補正手順は、
    前記記憶手段の前記相関を参照して前記位置情報の補正を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の接触検出処理プログラム。
  4. 前記位置検出手順は、
    前記特定導通格子領域における前記導通点のY座標を検出する場合には、前記特定導通格子領域に対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の電圧を印加することにより、前記第1電極の一方により前記第1導電膜領域に生じる前記電位勾配に基づいて検出し、
    前記特定導通格子領域における前記導通点のX座標を検出する場合には、前記特定導通格子領域に対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の電圧を印加することにより、前記第2電極の一方により前記第2導電膜領域に生じる前記電位勾配に基づいて検出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の接触検出処理プログラム。
  5. 前記位置情報補正手順は、
    前記外乱導通格子領域における前記接触抵抗値を、
    対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の電圧を印加したときの第1電極側電圧と第2電極側電圧との比と、前記接地側に接続された一対の前記第2電極の一方を含む前記第2導電膜領域全体の抵抗値と、当該第2導電膜領域における前記導通点による分圧比と、を用いて算出するか、
    若しくは、
    対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の電圧を印加したときの第2電極側電圧と第1電極側電圧との比と、前記接地側に接続された一対の前記第1電極の一方を含む前記第1導電膜領域全体の抵抗値と、当該第1導電膜領域における前記導通点による分圧比と、を用いて算出する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の接触検出処理プログラム。
  6. 互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極と、前記X方向及び前記Y方向を備えると共に前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、各第2導電膜領域に対応して前記第2配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極と、前記m対の前記第1電極及び前記n対の前記第2電極への通電を制御する制御手段と、を有し、前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置が実行する、接触検出処理方法であって、
    前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続すると共に、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手順と、
    前記一次領域検出手順で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続すると共に、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手順と、
    前記二次領域検出手順において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手順と、
    前記導通検出手順において導通があるとして検出された導通格子領域のうちの所定の1つの特定導通格子領域に対し、導通点の前記X方向における位置情報と前記Y方向における位置情報とを取得する位置検出手順と、
    前記特定導通格子領域に対して、同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上に含まれる他の導通格子領域である少なくとも1つの外乱導通格子領域を取得する外乱導通格子領域取得手順と、
    前記外乱導通格子領域取得手順で取得した前記外乱導通格子領域が含まれる第1導電膜領域と第2導電膜領域との接触抵抗値と、前記特定導通格子領域及び前記外乱導通格子領域の両方が含まれる同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域の格子領域単位の位置と、前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域と前記外乱導通格子領域との前後配置関係と、に基づいて、前記位置検出手順が取得した前記特定導通格子領域の前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上に沿った方向の位置情報を補正する位置情報補正手順と、
    を有することを特徴とする接触検出処理方法。
  7. 互いに直交するX方向及びY方向を備えた第1配列面を有し、前記Y方向に伸びる第1導電膜領域が当該第1配列面において前記X方向に沿ってm個配列される第1基材と、
    各第1導電膜領域に対応して前記第1配列面にそれぞれ設けられ、当該第1導電膜領域に対し前記Y方向に沿った電位勾配を形成可能なm対の第1電極と、
    前記X方向及び前記Y方向を備えると共に前記第1配列面と対向する第2配列面を有し、前記X方向に伸びる第2導電膜領域が当該第2配列面において前記Y方向に沿ってn個配列される、第2基材と、
    各第2導電膜領域に対応して前記第2配列面にそれぞれ設けられ、当該第2導電膜領域に対し前記X方向に沿った電位勾配を形成可能なn対の第2電極と、
    前記m対の前記第1電極及び前記n対の前記第2電極への通電を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記m個の第1導電膜領域及び前記n個の前記第2導電膜領域により平面視においてm×n個の格子領域が生成される、タッチパネル装置であって、
    前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の第2電極の一方を接地側に接続すると共に、前記m個の前記第1導電膜領域それぞれに対応する前記m対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第2導電膜領域と導通された少なくとも1つの前記第1導電膜領域を検出する、一次領域検出手段と、
    前記一次領域検出手段で導通が検出された前記少なくとも1つの前記第1導電膜領域それぞれに対応する各対の第1電極の一方を接地側に接続すると共に、前記n個の前記第2導電膜領域それぞれに対応する前記n対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位に接続することにより、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通が生じている少なくとも1つの格子領域を矩形状に包含する、略矩形領域を検出する二次領域検出手段と、
    前記二次領域検出手段において検出された略矩形領域に含まれる複数の格子領域それぞれについて、順次、対応する一対の前記第2電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第1電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続するか、若しくは、対応する一対の前記第1電極の一方を接地側に接続しかつ対応する一対の前記第2電極の一方に対し所定の抵抗を介した電位を接続することにより、各格子領域ごとに、前記第1導電膜領域と前記第2導電膜領域との導通の有無を検出する導通検出手段と、
    前記導通検出手段において導通があるとして検出された導通格子領域のうちの所定の1つの特定導通格子領域に対し、導通点の前記X方向における位置情報と前記Y方向における位置情報とを取得する位置検出手段と、
    前記特定導通格子領域に対して、同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上に含まれる他の導通格子領域である少なくとも1つの外乱導通格子領域を取得する外乱導通格子領域取得手段と、
    前記外乱導通格子領域取得手段で取得した前記外乱導通格子領域が含まれる第1導電膜領域と第2導電膜領域との接触抵抗値と、前記特定導通格子領域及び前記外乱導通格子領域の両方が含まれる同一の第1導電膜領域上又は同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域の格子領域単位の位置と、前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上における前記特定導通格子領域と前記外乱導通格子領域との前後配置関係と、に基づいて、前記位置検出手段が取得した前記特定導通格子領域の前記同一の第1導電膜領域上又は前記同一の第2導電膜領域上に沿った方向の位置情報を補正する位置情報補正手段と、
    を有することを特徴とするタッチパネル装置。
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