JP2020186741A - 落下防止具、工具袋及び施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】締結作業の際にナット又はイダリングの落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能な落下防止具を提供すること。【解決手段】磁性体で形成されるボルト15のネジ山部の端面18に吸着可能な内部に磁石7を有する円柱状の吸着保持部2と、工具袋22の内側底部27に固定された固定金具30に係止可能な係止具3と、吸着保持部2と係止具3とを接続し、ナット20の貫通孔28又はイダリング21の貫通孔29に挿通可能なワイヤ4と、を有し、保持吸着部2の最大外径D1は、ナット20の貫通孔28又はイダリング21の貫通孔29に挿通可能な値であり、かつ、ネジ山部16の谷径D2よりも小さい値である落下防止具1。【選択図】図1

Description

本発明は、落下防止具、工具袋及び施工方法に関する。
鉄塔や建造物などの組立作業、補修作業及び解体作業などのように高所で作業する際には、ボルトやナットなどの締結用部材を落下させてしまうことがある。これらの締結用部材を落下させると、締結用部材が損傷したり紛失したりする虞がある。従来、ボルトやナットの落下を防ぐために、ボルト又はナットを保持する筒状の保持部と、この保持部を吊下げする吊着部とを備え、この保持部の開口部にボルト又はナットを嵌入させて落下を防止しようとする落下防止具が使用されていた。
しかしながら、上記落下防止具では、保持部にボルトやナットなどを嵌入する煩わしさがあり、ボルトにナットを締め付ける際には保持部からボルトやナットを抜き出さなければならず、作業性がよくないとされてきた。また、ボルトやナットのサイズ及び形状に合わせた保持具を用意しておかなければならず、複数種類の保持具が必要となることから作業現場において混乱しやすいという課題を有していた。
特許文献1には、磁性体で構成されるボルトやナットなどを磁力で吸着することによって簡単な構造で締結作業を容易に行うことができるボルト及びナットの落下を防止することが可能な落下防止具が開示されている。特許文献1に記載の落下防止具は、ボルトやナットを保持する吸着保持部と、吸着保持部を吊下げ可能に接続する吊着部とを有するものを2組設け、2組のうち一方の吸着保持部はボルトの頭体平面部を磁石で吸着し、他方の吸着保持部はナットの側面を磁石で吸着するように構成されている。
特開2011−117558号公報
しかしながら特許文献1に記載の落下防止具は、ボルト及びナットをそれぞれ1個ずつしか保持できないことから、締結作業個所が多数ある場合には締結作業を行うたびにボルト及びナットを吸着保持部に吸着させる作業を行わなければならない。また、スパナやレンチなどの締結用工具を用いての締結作業を行うときには、ボルト及びナットから落下防止具を取り外さなければならないなど、作業性は必ずしもよくない。また、締結用部材が貫通孔を有する小物部材においては、落下防止具は小物部材の側面を吸着するものであることから、ワッシャー(バネワッシャーを含む)やイダリングのような薄く扁平な形状の締結用部材を安定して保持することは甚だ困難であり、吸着させたとしても作業中に落下させてしまうことがある。
そこで、本発明は、このような課題の少なくとも一つを解決するためになされたもので、締結作業の際に、ナット及びイダリングなどの締結用部材の落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能な落下防止具と工具袋及び施工方法を提供しようとするものである。
[1]本発明の落下防止具は、磁性体で形成されるボルトのネジ山部の端面に吸着可能な内部に磁石を有する円柱状の吸着保持部と、工具袋の内側底部に固定された固定金具に係止可能な係止具と、前記吸着保持部と前記係止具とを接続し、ナット又はイダリングの貫通孔に挿通可能なワイヤと、を有し、前記保持吸着部の最大外径は、前記ナット又は前記イダリングの貫通孔に挿通可能な値であり、かつ、前記ネジ山部の谷径よりも小さい値であることを特徴とする。
本発明の落下防止具によれば、予めナット又はイダリングの貫通孔を吸着保持部側からワイヤに挿通しておいてボルトのネジ山部の端面に吸着保持部を吸着させ、締結対象のナット又はイダリングを掴んでワイヤに沿って移動させながらボルトに螺合させる。このようにすれば、締結作業中にナット又はイダリングが落下することを防止できる。また、吸着保持部の最大外径をボルトの谷径よりも小さくしていることから、ボルトのネジ山部の端面に吸着保持部を吸着させた状態で締結用部材をボルトに螺合させ、さらにスパナやレンチなどの締結用工具を使用して強く締結することができる。なお、イダリングは、ボルトにナットを締結した後に、ナットの緩みを防止するために使用される締結用部材である。
ワイヤには複数個又は複数種類の締結用部材を挿通しておくことが可能であることから、1本のボルトに複数個のナット又はイダリングを連続して締結することができる。次の締結作業場所に移動して締結作業を行う際においても、工具袋を作業場所に運搬して、吸着保持部を締結対象のボルトに吸着させたうえでワイヤに沿ってナット又はイダリングを移動しボルトに螺合させることができる。特許文献1に記載の落下防止具のようにナット及びボルトなどの締結用部材を磁石で吸着するものではないので、ナット又はイダリングなどの締結用部材はステンレスなどの非磁性材質のものであってもよい。なお、ここでいう締結とは、ボルトとナットのようにネジ締めによって固定することをさす。以上のことから、本発明の落下防止具によれば、締結作業の際に、ナット又はイダリングなどの締結用部材の落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能となる。
[2]本発明の落下防止具においては、前記吸着保持部は、前記磁石、前記磁石を覆う磁性体で形成されるキャップ部及び前記ワイヤを係止するフック部を有していることが好ましい。
磁石は、風雨に曝される作業現場で使用されることから、強い磁力に加え、高い機械的強度が要求される。そこで、磁石を磁性体のキャップ部材で覆うことによって、強い磁力、機械的強度を維持することが可能となる。なお、フック部は、ワイヤと吸着保持部とが相対的に動くことが可能に係止するものであり、吸着保持部のボルトへの吸着及び締結作業を容易に行うことが可能となる。
[3]本発明の落下防止具においては、前記係止具は、ネジロック機構付きフック部材又は開閉ゲート付きフック部材であることが好ましい。
このような係止具によれば、工具袋に落下防止具を取り付けたり、取り外したりすることが容易であり、しかも締結作業中に落下防止具が工具袋から外れてしまうことがない。また、係止具をネジロック機構付きフック部材又は開閉ゲート付きフック部材とすることによって、工具袋に対して落下防止具が自在に動くことができるように係止させることができ、ナット又はイダリング及びその両方が挿通された落下防止具が絡むことを防ぎ、効率よく工具袋に収納できる。なお、落下防止具を取り外せば、通常の工具袋として使用することが可能である。
[4]本発明の工具袋は、上記[1]から[3]のいずれかに記載の落下防止具を係止し、前記ナット又は前記イダリングを運搬する工具袋であって、内側底部に固定される固定金具を有し、前記固定金具は、前記係止具を係止することが可能な係止リングを備えており、前記係止リングは、固定金具本体に対して回動可能に固定されていることを特徴とする。
鉄塔などの高所で作業する場合には、ナット又はイダリングなどの締結用部材や工具などを運搬するのに丈夫で可撓性を有する工具袋を使用している。この工具袋に固定金具を固定し、固定金具に対して係止リングを回動自在に係止することによって締結作業中に工具袋を動かさずに作業を行うことが可能となる。以上のことから、上記落下防止具と工具袋とを組み合わせて使用することによって、ナット又はイダリングなどの締結用部材の落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能となる。
[5]本発明の工具袋においては、前記ナット又は前記イダリングを出し入れする開口部の縁付近に、磁性体で形成される保持部吸着部材が配設されていることが好ましい。
工具袋をこのように構成すれば、締結作業前にナット又はイダリングを挿通した落下防止具の一方の端部にある係止具を工具袋の固定金具に係止し、他端の吸着保持部を保持部吸着部材に吸着しておけば、ワイヤが絡まることを防止し、締結作業を開始する際に直ぐに吸着保持部を見つけて締結作業を開始することが可能となる。
[6]本発明の施工方法は、上記[1]から[3]のいずれかに記載の落下防止具及び上記[4]又は[5]に記載の工具袋を使用する施工方法であって、前記工具袋内の前記固定金具に前記落下防止具の前記係止具を係止する工程と、前記ナット又は前記イダリングの貫通孔を前記落下防止具の前記吸着保持部に挿通する工程と、前記吸着保持部を前記ボルトの前記ネジ山部の端面に吸着させる工程と、前記ナット又は前記イダリングを前記ワイヤに沿って移動させて前記ボルトに螺合する工程と、締結用工具を使用して、前記ナット又は前記イダリングを前記ボルトに所定のトルクで締め付ける工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の施工方法によれば、予めナット又はイダリングの貫通孔を吸着保持部側よりワイヤに挿通しておいてから、ボルトのネジ山部の端面に吸着保持部を吸着させ、締結対象のナット又はイダリングを掴んでワイヤに沿って移動しボルトに螺合させることから、螺合作業中にナット又はイダリングが落下することを防止できる。また、ボルトのネジ山部の端面に吸着保持部を吸着させた状態でスパナやレンチなどの締結用工具を使用して強く締結することが可能であることから、締結作業時において、ナット又はイダリングの落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能となる。
[7]本発明の施工方法においては、前記ボルトが1個に対して前記ナット及び前記イダリングを締結する場合、前記ナット又は前記イダリングの貫通孔を前記落下防止具の前記吸着保持部に挿通する工程では、前記ナット及び前記イダリングの貫通孔を前記ボルトへの締結順に対して逆の順番に前記吸着保持部に挿通し、前記ナット及び前記イダリングを前記ボルトに螺合する工程では、前記締結順に前記ナット及び前記イダリングを前記ボルトに螺合することが好ましい。
このように前記ボルトへの締結順に対して逆の順番にナット及びイダリングを落下防止具に挿通させておくことによって、強く意識することなくボルトにナット及びイダリングを締結順に締結することが可能となる。例えば、ボルトに対してナット、ナット、イダリングの順番に螺合する場合、落下防止具には、イダリング、ナット、ナットの順番に挿通させておけば、3個の締結部材の順番を間違えることなく締結することが可能となり、特許文献1に記載の締結方法に対して格段に作業性を高めることが可能となる。
[8]本発明の施工方法においては、構造物に挿通されている前記ボルトに前記ナット又は前記イダリングを締結する場合、前記落下防止具を2組設け、2組のうちの一方の前記落下防止具の前記吸着保持部に前記ナット又は前記イダリングの貫通孔を挿通した後、前記ボルトの前記ネジ山部の端面に前記吸着保持部を吸着させ、他方の前記落下防止具の前記吸着保持部を前記ボルトの頭部端面に吸着させることが好ましい。
例えば、ボルトのネジ部が構造物に対して十分な余裕の長さがない場合や高所において、作業者は厚手の手袋を使用して作業することがあり、締結作業時にボルトを落下させてしまうことある。そこで、一方の落下防止具にナット又はイダリングを挿通した後吸着保持部を吸着させ、他方の落下防止具の吸着保持部をボルトの頭部端面に吸着させて締結作業を行えば、ナット又はイダリング、さらにボルト15の落下を防止することが可能となる。
落下防止具1の構成を示す斜視図である。 吸着保持部2をボルト15のネジ山部の端面18に吸着させた状態を示す図である。 吸着保持部2にナット20の貫通孔28を挿通することを説明する図である。 工具袋22の1例を示す斜視図である。 固定金具30の概略構成を示す斜視図である。 落下防止具1及び工具袋22を使用する施工方法の第1例を示す工程フロー図である。 施工方法の第1例の主要工程を示す工程説明図である。 施工方法の第1例の主要工程を示す工程説明図である。 施工方法の第2例の主要工程を示す工程フロー図である。 施工方法の第2例において第1例に対して異なる工程を示す工程説明図である。 施工方法の第3例の主要工程を示す工程説明図である。
以下、本発明の実施の形態に係る落下防止具、工具袋及び施工方法について図1〜図11を参照して説明する。
[落下防止具1の構成]
図1は、落下防止具1の構成を示す斜視図である。落下防止具1は、円柱状の吸着保持部2、係止具3及び吸着保持部2と係止具3とを接続するワイヤ4を有している。吸着保持部2は、磁性体で形成されたキャップ部5及びワイヤ4とキャップ部5とを接続する接続部6で構成されている。キャップ部5には円柱状の磁石7が格納されていて、一方の端面がキャップ部5の開口部から露出している。
接続部6には、ワイヤ4を係止するフック部としてネジ付フック8が固定されている。図示は省略するが、接続部6には雌ネジが形成されており、ネジ付フック8には雄ネジが形成されていて、接続部6とネジ付フック8とは螺着されている。従って、吸着保持具2はネジ付フック8とは着脱可能に固定することが可能であり、吸着保持具2はワイヤ4に対して交換することが可能な構成とすることができる。ネジ付フック8の環状の頭部9には、ワイヤ4の端部がゆとりを有して自在に動くことは可能に係止され、吸着保持部2はワイヤ4の一方の端部に自在に動ける状態で固定される。なお、ネジ付フック8の環状の頭部9の最大外径は、吸着保持部2の最大外径よりも小さい。
ワイヤ4の吸着保持部2に対して反対側の端部には係止具3が係止されている。図1に示す係止具3は、いわゆるネジロック機構付フック部材である。ネジロック機構付フック部材は周知のものを使用できることから詳しい説明は省略するが、環状のアーム10の一部に設けられた隙間を接続するネジロック機構11を有している。ネジロック機構11を緩めればワイヤ4を環状のアーム10に挿通することができ、ネジロック機構11を締めればワイヤを係止することができる。係止具3は、ワイヤ4の端部がゆとりを有して緩く係止されていることから、係止具3はワイヤ4の一方の端部に対して自在に動ける状態で係止される。係止具3は、工具袋22の内側底部27に設けられた固定金具30(共に、図5参照)に係止される。つまり、落下防止具1は、工具袋22の内側に接続することが可能な構成となっている。
係止具3としては、ネジロック機構付フック部材に限らず、開閉ゲート付フック部材でもよいが、固定金具30に係止し易く、締結作業中に外れないものを採用することが好ましい。
ワイヤ4は、多数のナット20やイダリング21などの締結用部材を挿通することが可能であり、締結作業を妨げない程度の長さとする。例えば、工具袋22から作業個所までの距離に対してゆとりがある長さを有することが好ましい。ワイヤ4は可撓性を有し、高強度で耐食性がある材質とすることが好ましい。次に、吸着保持部2、ボルト15及びナット20との関係について図2、図3を参照して説明する。なお、図2及び図3の説明においては、被締結用部材をボルト15、締結用部材をナット20とする。
図2は、吸着保持部2をボルト15のネジ山部の端面18に吸着させた状態を示す図である。吸着保持部2の最大外径D1は、ボルト15のネジ山部16の谷径D2よりも小さい値とする。但し、最大外径D1は、締結作業時にボルト15から簡単に脱落しない程度の吸着力が確保でき直径とすることが好ましい。なお、ネジ山部16の谷径D2が小さくなり吸着力が低下する場合には磁力が強い磁石に切替える。すなわち、ネジ付フック8と接続部6とがネジ固定であることから適切な吸着力を有する吸着保持部2に交換することが可能となる。このように、D1<D2とすることによって、吸着保持部2をボルト15に吸着した状態で、ワイヤ4に挿通されているナット20をボルト15に螺合させることが可能となる。
図3は、吸着保持部2にナット20の貫通孔28を挿通することを説明する図である。なお、ナット20は、一部を断面図で表している。ナット20はボルト15に螺合するものであって、貫通孔28に相当する雌ネジの谷径D3は、吸着保持部2の最大外径D1よりも大きい。このことから、ナット20は、吸着保持部2に挿通させることが可能となっている。なお、ネジ付フック8の環状の頭部9の最大外径は、吸着保持部2の最大外径D1よりも小さいことから、ナット20を吸着保持部2及びネジ付フック8を通ってワイヤ4に容易に挿通することが可能となっている。ナット20以外の締結用部材であるイダリング21(図10参照)などにおいても貫通孔29の直径は吸着保持部2の最大外径D1よりも大きいので、容易に吸着保持部2を挿通させることが可能である。締結用部材としてワッシャーを使用することも考えられるが、ワッシャーの貫通孔の直径は、ボルト17のネジ山径(外径)よりも大きいことから、吸着保持部2を容易に挿通させることが可能である。次に、工具袋22の構成について図4及び図5を参照して説明する。
[工具袋22の構成]
図4は、工具袋22の1例を示す斜視図である。工具袋22は、一般的に作業現場で使用されるものであって、本例においてはナット20又はイダリング21などの締結用部材を入れて運搬するためのものである。工具袋22は、一対の吊下げ用ベルト24,24を有している。工具袋22のナット20又はイダリング21などの締結用部材を出し入れする開口部25の縁付近には、磁性体で形成された保持部吸着部材26が配設されている。保持部吸着部材26は、落下防止具1にナット20又はイダリング21を挿通させて運搬する際に落下防止具1の先端にある吸着保持部2を吸着させてワイヤ4が絡まないようにしたり、吸着保持部2をすぐに見つけたりすることができるようにするために設けられている。落下防止具1の係止具3は、工具袋22の内側底部27に固定されている固定金具30に係止される。固定金具30の構成については図5を参照して説明する。
図5は、固定金具30の概略構成を示す斜視図である。固定金具30は、固定金具本体31、固定金具本体31を工具袋22の内側底部27に固定する鍔付ボルト32、ナット33及び係止リング34によって構成されている。図示は省略するが、固定金具本体31は、鍔付ボルト32の鍔部を内側底部27の外側にしてネジ山部を内側に向かって挿し込み、ネジ山部を固定金具本体31の貫通孔(図示は省略)を挿通してナット33で固定される。なお、鍔付ボルト32に替えてワッシャーと一般的なボルトを使用してもよい。固定金具本体31には筒状部35が形成されていて、係止リング34は筒状部35に嵌め込まれている。係止リング34は、固定金具本体31に対して回動自在に固定されている。
係止リング34は、係止具3が係止リング34の形成範囲内で自在に動くことが可能に係止される。よって、ワイヤ4は係止具3及び係止リング34を介して工具袋22に対して自在に動くことが可能に連結される。このことによって、締結作業時において吸着保持部2を持って作業することに対する制約を排除することが可能となっている。次に、落下防止具1及び工具袋22を使用した施工方法について、図6〜図11を参照して説明する。
[施工方法]
図6は、落下防止具1及び工具袋22を使用する施工方法の第1例を示す工程フロー図である。図7及び図8は、施工方法の第1例による主要工程を示す工程説明図である。図6に沿って図5、図7及び図8を参照しながら説明する。なお、図8は、図7に示す工程の続きの工程を表している。施工方法の第1例は、構造物36,36を固定する際に通常採用されるダブルナット方式である。なお、ボルト15は、予め構造部材36,36に挿し込んであるものとする。まず、図5に示すように、工具袋22内の固定金具30に落下防止具1の係止具3を係止する(ステップS1)。具体的には、係止具3のネジロック機構11を解除して、環状のアーム10を固定金具30の係止リングに係合させた後、ネジロック機構11を締めつけてロックし固定金具30に落下防止具1を係止する。
続いて、ナット20の貫通孔28を落下防止具1に挿通する(ステップS2)。図7(a)は、落下防止具1にナット20を挿通させる工程を示す図である。挿通時において、ナット20が片面取りの場合には面取り側を固定金具30側に向けて吸着保持部2を挿通する。ナット20が両面取りの場合には挿入方向は規制されない。作業個所の数又は工具袋22に収容して運搬可能な数のナット20を挿通する。ナット20は、吸着保持部2を通過してワイヤ4を伝って工具袋22に収容される。落下防止具1にナット20の所定数を挿通させた後、吸着保持部2を工具袋22の保持部吸着部材26に吸着しておくことで落下防止具1のワイヤ4が絡むことを防ぐことができる。
次に、落下防止具1の吸着保持部2をボルト15のネジ山部16の端面18に吸着させる(ステップS3)。図7(b)は、吸着保持部2をボルト15のネジ山部16の端面18に吸着させる工程を示す図である。ボルト15はネジ山部16を構造物36,36に挿し込んであり、作業者は吸着保持部2を掴んでボルト15のネジ山部の端面18に磁石7の磁力によって吸着させる。このような作業において、容易に吸着作業がし易いようにワイヤ4の長さは十分にゆとりがある長さとすることが好ましい。
次に、締結対象のナット20をワイヤ4に沿いながら移動させてボルト15のネジ山部16に螺合する(ステップS4)。図7(c)は、1個のナット20をボルト16に螺合する工程を示す図である。ナット20をボルト15に螺合させた後、手作業でナット20を構造物36に当たる位置まで回転する(図中、二点鎖線で示す)。続いて、図8(a)に示すように、2個目のナット20をボルト15に螺合させる。なお、「螺合させる」とは、ナット20をボルト15に噛み合わせて数回転させることである。ナット20を構造物36に当たる位置まで連続して回転してもよい。
次に締結用工具を使用して、ナット20を所定のトルクで強く締め付ける(ステップS5)。締結方法の第1例はダブルナット方式であることから、1個目のナット20をスパナやレンチなどの締結用工具で締め付けた後、吸着保持部2をボルト15に吸着させたまま、次の2個目のナット20をワイヤ4に沿って移動させてボルト15に螺合し、締結用工具でナット20を所定のトルクで締め付ける。つまり、ステップS4とステップS5とを2回繰り返す。2個のナット20をボルト15に締結して構造物36,36を固定した後、落下防止具1をボルト15から取り外し、次の作業個所に移動して、ステップS3〜ステップS5を繰り返す。図8(b)は、ナット20,20を所定のトルクで締め付けた後の状態を示す図である。
図6〜図8で示した施工方法の第1例はダブルナット方式であるが、鉄塔などにおいては、ナット20の緩み防止をさらに補強するためにイダリング21を使用することがある。イダリング21を使用するケースでは、ナット20に対して異形のイダリング21を追加することになる。従って、イダリング21を使用する例を施工方法の第2例として、図9及び図10を参照して説明する。
図9は、施工方法の第2例の主要工程を示す工程フロー図であり、図10は、施工方法の第2例において第1例に対して異なる工程を示す工程説明図である。まず、工具袋22内の固定金具30に落下防止具1の係止具3を係止する(ステップS1)。この工程は、前述した第1例と同様に行う。続いて、イダリング21の貫通孔29及びナット20の貫通通孔28を落下防止具1の吸着保持部2に挿通する(ステップS2)。第2例においては、締結用部材が2個のナット20とイダリング21であり、ボルト15への締結順がナット20、ナット20、イダリング21となるため、落下防止具1の吸着保持部2にはボルト15への組立(締結)順番に対して逆の順番でイダリング21、ナット20、ナット20の順に落下防止具1に挿通する。
図10(a)は、イダリング21及びナット20,20を落下防止具1の吸着保持部2に挿通する工程を示す図である。図10(a)に示すように、イダリング21、ナット20、ナット20の順番に固定金具30に向かって吸着保持部2に挿通する。第2例においては、イダリング21及びナット20,20の3個で締結用部材の1セットとして、落下防止具1の吸着保持部2には、作業個所数、運搬可能数に対応して複数セットが挿通される。なお、落下防止具1に各締結用部材を挿通させた後、吸着保持部2を工具袋22の保持部吸着部材26に吸着しておくことで落下防止具1のワイヤ4が絡むことを防ぐことができる。
次に、吸着保持部2をボルト15のネジ山の端面18に吸着させる(ステップS3)。この工程は、前述した第1例のステップS3と同様に行われる。締結用部材であるナット20、ナット20、イダリング21を組立(締結)順に螺合する(ステップS4)。なお、イダリングにはネジ山が形成されていないが、ナット20及びボルト15のネジ山部16の谷部に食い込ませるものであることからボルト15に螺合させると記載する。次いで、スパナやレンチなどの締結用工具によってナット20、ナット20、さらにイダリング21の順に強く締め付ける(ステップS5)。図10(b)は、ナット20,20及びイダリング21を所定のトルクで締め付けた後の状態を示す図である。なお、締結用部材としてナット20及びイダリング21を例にあげて説明したが、これらに限らず工具袋22で運搬可能であって、落下防止具1に挿通可能な貫通孔を有する小物部材にも適合可能である。また、前述した施工方法の第1例及び第2例では、落下防止具1をナット20及びイダリング21などの締結用部材の落下防止に関する施工方法について説明したが、ボルト15の落下防止にも適用可能である。そのことについて施工方法の第3例として図11を参照して説明する。
図11は、施工方法の第3例の主要工程を示す工程説明図である。施工方法の第3例は、締結用部材及びボルト15の両方に落下防止具1を使用する施工例である。予め構造物36,36にはボルト15が挿通されていて、ナット20及びイダリング21などの締結用部材をボルト15に締結するが、締結作業時にボルト15を落下させてしまうことがある。そこで、落下防止具1を2組設け、2組のうちの一方の落下防止具1には、ナット20,20及びイダリング21などの締結用部材を挿通し、他方の落下防止具1にはボルト15の頭部端面19に吸着保持部20を吸着させる。2組の落下防止具1は両方共に、工具袋11の固定金具30に係止される。
なお、ボルト15は、ナット20やイダリング21よりも遥かに重い場合があることから、ボルト吸着用の落下防止具1の吸着保持部2としては、吸着力を高めるために磁石7の直径を大きくするか、磁力が強い磁石に切替える。その際、吸着保持部2とネジ付フック8とが着脱可能であるから、吸着対象物によって吸着保持部2を交換できるようにすれば、より使いやすい落下防止具1を提供することが可能となる。なお、締結用部材に対応する落下防止具及びボルト吸着対応の落下防止具を用意するようにしてもよい。また、ボルト吸着用の落下防止具1の係止場所は、工具袋22以外に設けるようにしてもよい。例えば、アームバンドに、落下防止具1の係止具3を係止することが可能な孔を設けるようにしてもよく、作業しやすい場所を選択して係止できるようにしてもよい。
以上説明した落下防止具1は、磁性体で形成されるボルト15のネジ山部の端面18に吸着可能な内部に磁石7を有する円柱状の吸着保持部2と、工具袋22の内側底部27に固定された固定金具30に係止可能な係止具3と、吸着保持部2と係止具3とを接続し、ナット20の貫通孔28又はイダリング21の貫通孔29に挿通可能なワイヤ4とを有している。保持吸着部2の最大外径D1は、ナット20又はイダリング21の各貫通孔に挿通可能な値であり、かつ、ネジ山部16の谷径よりも小さい値としている。
このように構成される落下防止具1によれば、予めナット20又はイダリング21など締結用部材を吸着保持部2側からワイヤ4に挿通しておいてボルト15のネジ山部の端面18に吸着保持部2を吸着させ、締結対象のナット20又はイダリング21を掴んでワイヤ4に沿って移動させながらボルト15に螺合させる。このようにすれば、締結作業中にナット20又はイダリング21などが落下することを防止できる。また、吸着保持部2の最大外径D1をボルト16の谷径D2よりも小さくしていることから、ボルト15のネジ山部の端面18に吸着保持部2を吸着させた状態でナット20又はイダリング21をボルト15に螺合させ、スパナやレンチなどの締結用工具を使用して強く締結することができる。
ワイヤ4には複数個又は複数種類の締結用部材を挿通しておくことが可能であることから、1本のボルト15に複数個のナット20及びイダリング21などを連続して締結することができる。次の締結作業場所に移動して締結作業を行う際においても、落下防止具1にナットやイダリングなどが挿通されて収容された工具袋22を作業場所に運搬して、吸着保持部2を締結対象のボルト15に吸着させたうえでワイヤ4に沿ってナット20又はイダリング21を移動しボルト15に螺合させることができる。以上説明した落下防止具1によれば、締結作業の際に、ナット20又はイダリング21などの締結用部材の落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能となる。なお、締結用部材としては、ナット20及びイダリング21又はワッシャー類などの貫通孔を有する小物部材にも適合可能である。また、特許文献1に記載の落下防止具のようにナットやボルトを磁石で吸着保持するものではないので、締結用部材としてはステンレスなどの非磁性材質のものにも使用することができる。
また、落下防止具1の吸着保持部2は、磁石7、磁石7を覆う磁性体で形成されるキャップ部5及びワイヤ4を緩やかに係止するフック部であるネジ付フック8を有している。磁石7は、風雨に曝される作業現場で使用されることから、強い磁力に加え、高い機械的強度が要求される。そこで、磁石7を磁性体のキャップ部5で覆うことによって、強い磁力、機械的強度を維持することが可能となる。このように構成することによって、吸着保持部2のボルト15への吸着及びナット20やイダリング21などの締結用部材の螺合作業を容易に行うことが可能となる。なお、キャップ部5の開口部側を磁性体の蓋部材などで覆うようにすれば、磁石7を補強すること及び耐食性を向上させることが可能となる。
また、係止具3は、ネジロック機構付きフック部材又は開閉ゲート付きフック部材である。このような係止具3によれば、工具袋22に落下防止具1を取り付けたり、取り外したりすることが容易に行うことができ、しかも締結作業中に落下防止具1が工具袋22から外れてしまうことがない。また、係止具3をネジロック機構付きフック部材又は開閉ゲート付きフック部材にすることによって、工具袋22に対して落下防止具1が自在に動くことができるように係止させることができ、ナット20やイダリング21などの締結用部材が挿通された落下防止具1が絡むことを防ぎ、効率よく工具袋22に収納できる。
また、以上説明した工具袋22は、前述した落下防止具1を係止し、ナット20やイダリングなどの締結用部材を運搬するものであって、内側底部27に固定される固定金具30を有している。固定金具30は、係止具3を係止することが可能な係止リング34を備えており、係止リング34は、固定金具本体31に対して回動可能に固定されている。
鉄塔などの高所で作業する場合には、ナット20及びイダリング21などの締結用部材や工具などを運搬するのに丈夫で可撓性を有する工具袋22を使用している。この工具袋22の内側底部27に固定金具30を固定し、固定金具30に対して係止リング34を回動自在に係止することから、締結作業中に工具袋22を動かさずに作業を行うことが可能となる。以上のことから、落下防止具1と工具袋22とを組み合わせて使用することによって、ナット20やイダリング21などの締結用部材の落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能となる。
また、工具袋22には、ナット20又はイダリング21などの締結用部材を出し入れする開口部25の縁付近に、磁性体で形成される保持部吸着部材26が配設されている。工具袋22をこのように構成すれば、締結作業前にナット20又はイダリング21を挿通した落下防止具1の一方の端部にある係止具3を工具袋22の固定金具30に係止し、他端の吸着保持部2を保持部吸着部材26に吸着しておけば、ワイヤ4が絡まることを防止し、締結作業を開始する際に直ぐに吸着保持部2を見つけて締結作業を開始することが可能となる。なお、保持部吸着部材26の固定位置は、開口部25の内側であっても外側であってもよい。
以上説明した施工方法は、前述した落下防止具1及び工具袋22を使用して鉄塔などの構造物を組み立てるものである。施工方法の第1例は、まず、工具袋22内の固定金具30に落下防止具1の係止具3を係止し、ナット20又はイダリング21それぞれの貫通孔28,29を落下防止具1の吸着保持部2に挿通し、吸着保持部2をボルト15のネジ山部の端面18に吸着させる。そして、ナット20又はイダリング21をワイヤ4に沿って移動させてボルト15に螺合し、スパナやレンチなどの締結用工具を使用して、ナット20又はイダリング21をボルト15に所定のトルクで締め付ける。施工方法の第1例は、ダブルナット方式の締結であり、ナット20は2個使いであることから、2個のナット20を続けてボルト15に螺合させることができる。
このような施工方法の第1例では、予めナット20の貫通孔28を吸着保持部2側からワイヤ4に挿通しておいてからボルト15のネジ山部の端面18に吸着保持部2を吸着させ、締結対象のナット20を掴んでワイヤ4に沿って移動しボルトに螺合させる。このようにすれば、螺合作業中にナット20が落下することを防止できる。また、ナット20の姿勢を揃えて貫通孔28を落下防止具1に挿通させておけば、締結作業時にナット20の姿勢を意識せずにボルト15に螺合させることができる。また、1個目のナット20をボルト15に螺合し、続けて1個目と同様な動作で2個目のナット20をボルト15に螺合させることができる。さらに、ボルト15のネジ山部の端面18に吸着保持部2を吸着させた状態でスパナやレンチなどの締結用工具を使用して強く締結することが可能である。以上のことから、締結作業時において、ナット20の落下を防止し、締結作業の作業性を格段に高めることが可能となる。
また、施工方法の第2例では、ボルト15が1個に対してナット20及びイダリング21を締結する場合、ナット20の貫通孔28及びイダリング21の貫通孔29を落下防止具1の吸着保持部2に挿通する工程では、20の貫通孔28及びイダリング21の貫通孔29をボルト15への締結順に対して逆の順番に吸着保持部2に挿通し、ナット20及びイダリング21をボルト15に螺合する工程では、締結順にナット20及びイダリング21をボルト15に螺合する。
施工方法の第2例は、ダブルナットにイダリング21を締結する例であり、ボルト15に対してナット20、ナット20、イダリング21の順番に締結する。従って、落下防止具1にイダリング21、ナット20、ナット20の順番に挿通させておけば、吸着保持部2の吸着を解除せずにナット20,20及びイダリング21の締結順や姿勢(締結方向)を間違えることなく締結することが可能となり、特許文献1がナット及びボルトを1個ずつ吸着して締結する施工方法に対して格段に作業性を高めることが可能となる。
また、施工方法の第3例は、構造物36,36に挿通されているボルト15にナット20又はイダリング21を締結する場合、落下防止具1を2組設け、2組のうちの一方の落下防止具1の吸着保持部2にナット20の加通孔28又はイダリング21の貫通孔29を挿通した後、ボルト15のネジ山部の端面18に吸着保持部2を吸着させ、他方の落下防止具1の2吸着保持部をボルト15の頭部端面19に吸着させる。
例えば、ボルト15のネジ山部16が構造物に対しての長さに十分な余裕がない場合や高所において厚手の手袋を使用して作業をすることがあり、締結作業時にボルト15を落下させてしまうことがある。そこで、一方の落下防止具1にナット20又はイダリング21を挿通した後に吸着保持部2を吸着させ、他方の落下防止具1の吸着保持部2をボルト2の頭部端面19に吸着させて締結作業を行えば、ナット20又はイダリング21、さらにボルト15の落下を防止することが可能となる。
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、前述した実施の形態では円柱状の吸着保持部材2(磁石7)を使用しているが、吸着保持部2の横断面形状は円形に限らず多角形でもよく、外接円の直径がボルト15のネジ山部の谷径より小さい値であれば適合可能である。
また、前述した実施の形態では、ナット20やイダリング21などの締結用部材及び構造物を貫通する被締結用部材であるボルト15の落下防止について説明したが、例えば、構造物36に溶接などで固定されたネジ山部に貫通孔を有する固定対象部材をナット20で挟み込んで締結するような構成にも、落下防止具1、工具袋22及び施工方法を適用することが可能である。
また、前述した実施の形態では、鉄塔などの構造物36を組み立てる場合を例にあげ説明したが、構造物36を分解する際にも本発明の落下防止具1及び工具袋22を適合することが可能である。構造物36を分解する場合には、落下防止具1の吸着保持部2をボルト15のネジ山の端面18に吸着させた後、スパナやレンチなどの締結用工具を用いてイダリング21又はナット20を取り外してワイヤ4に伝わらせて工具袋22に回収することが可能となる。一方、ボルトにおいても、落下防止具1の吸着保持部2をボルト15の頭部端面19に吸着させておけば、分解作業時にボルトを落下させることを防ぐことが可能となる。
1…落下防止具、2…吸着保持部、3…係止具、4…ワイヤ、5…キャップ部、6…接続部、7…磁石、8…ネジ付フック(フック部)、15…ボルト、16…ネジ山部、17…頭部、18…ネジ山部の端面、19…頭部端面、20…ナット(締結用部材)、21…イダリング(締結用部材)、22…工具袋、25…開口部、26…保持部吸着部材、27…内側底部、28,29…貫通孔、30…固定金具、31…固定金具本体、34…係止リング、36…構造物、D1…吸着保持部の最大外径、D2…ネジ山部の谷径、D3…雌ネジの谷径

Claims (8)

  1. 磁性体で形成されるボルトのネジ山部の端面に吸着可能な内部に磁石を有する円柱状の吸着保持部と、
    工具袋の内側底部に固定された固定金具に係止可能な係止具と、
    前記吸着保持部と前記係止具とを接続し、ナット又はイダリングの貫通孔に挿通可能なワイヤと、
    を有し、
    前記保持吸着部の最大外径は、前記ナット又は前記イダリングの貫通孔に挿通可能な値であり、かつ、前記ネジ山部の谷径よりも小さい値である、
    ことを特徴とする落下防止具。
  2. 請求項1に記載の落下防止具において、
    前記吸着保持部は、前記磁石、前記磁石を覆う磁性体で形成されるキャップ部及び前記ワイヤを係止するフック部を有している、
    ことを特徴とする落下防止具。
  3. 請求項1に記載に記載の落下防止具において、
    前記係止具は、ネジロック機構付きフック部材又は開閉ゲート付きフック部材である、
    ことを特徴とする落下防止具。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の落下防止具を係止可能で、前記ナット又は前記イダリングを運搬するための工具袋であって、
    内側底部に固定された固定金具を有し、
    前記固定金具は、前記係止具を係止することが可能な係止リングを備えており、
    前記係止リングは、固定金具本体に対して回動可能に固定されている、
    ことを特徴とする工具袋。
  5. 請求項4に記載の工具袋において、
    前記ナット又は前記イダリングを出し入れする開口部の縁付近に、磁性体で形成される保持部吸着部材が配設されている、
    ことを特徴とする工具袋。
  6. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の落下防止具及び請求項4又は請求項5に記載の工具袋を使用する施工方法であって、
    前記工具袋内の前記固定金具に前記落下防止具の前記係止具を係止する工程と、
    前記ナット又は前記イダリングの貫通孔を前記落下防止具の前記吸着保持部に挿通する工程と、
    前記吸着保持部を前記ボルトの前記ネジ山部の端面に吸着させる工程と、
    前記ナット又は前記イダリングを前記ワイヤに沿って移動させて前記ボルトに螺合する工程と、
    締結用工具を使用して、前記ナット又は前記イダリングを前記ボルトに所定のトルクで締め付ける工程と、
    を含むことを特徴とする施工方法。
  7. 請求項6に記載の施工方法において、
    前記ボルトが1個に対して前記ナット及び前記イダリングを締結する場合、
    前記ナット及び前記イダリングの貫通孔を前記落下防止具の前記吸着保持部に挿通する工程では、前記ナット及び前記イダリングの貫通孔を前記ボルトへの締結順に対して逆の順番に前記吸着保持部に挿通し、
    前記ナット及び前記イダリングを前記ボルトに螺合する工程では、前記締結順に前記ナット及び前記イダリングを前記ボルトに螺合する、
    ことを特徴とする施工方法。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の施工方法において、
    構造物に挿通されている前記ボルトに前記ナット又は前記イダリングを締結する場合、
    前記落下防止具を2組設け、2組のうちの一方の前記落下防止具の前記吸着保持部に前記ナット又は前記イダリングの貫通孔を挿通した後、前記ボルトの前記ネジ山部の端面に前記吸着保持部を吸着させ、他方の前記落下防止具の前記吸着保持部を前記ボルトの頭部端面に吸着させる、
    ことを特徴とする施工方法。
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