JP2001090351A - 掛止具 - Google Patents

掛止具

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JP2001090351A JP26699299A JP26699299A JP2001090351A JP 2001090351 A JP2001090351 A JP 2001090351A JP 26699299 A JP26699299 A JP 26699299A JP 26699299 A JP26699299 A JP 26699299A JP 2001090351 A JP2001090351 A JP 2001090351A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安全ロープのフック等を掛止する掛止具を提
供する。 【解決手段】 2つの部材1,2により構成し,部材2
の本体2aは円筒状に形成し,リング状の掛止部3を一
体的に取り付ける。部材1は断面略コの字型に形成し,
その凹部1aの幅はボルト部材Bの直径と略等しくす
る。また,凹部1a内の奥壁1bを断面半円状に形成
し,ここにボルト部材Bと合致するネジ切り加工を施
す。更に,凹部1a内の開口部側に部材2を遊嵌させる
拡幅部1cを,奥壁1bのネジ山にボルト部材Bのネジ
山を係合させた状態で部材2を遊嵌させた時に部材2が
ボルト部材Bに略接するように形成する。これで,部材
2を部材1に遊嵌させれば両部材はボルト部材Bに確実
に掛止される。これにより,ナットをねじ込む場合など
に比べてボルト部材への取り付けがはるかに容易になる
と同時に,ボルト部材の端部が塞がれている場合でも取
り付けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,建築現場等におい
て作業員が例えば安全ロープのフック等を掛止するため
の掛止具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建設現場等における高所作業では,落下
事故防止のため,作業員は自分の身体と例えば建築物の
一部とを結ぶ安全ロープを使用しなければならない。こ
の安全ロープは,その一端が作業員のベルト等に固定さ
れ,他端には外れ止めのついたフックが取り付けられて
いるのが普通である。作業員は,高所では上記フックを
自分の腰よりも高い位置に引っ掛けた上で作業を行う。
ところで,上記フックを引っ掛けるのに都合のよい形態
部が常に作業員の近くにあるとは限らないため,上記フ
ックを引っ掛ける部分を一時的に作り出すことができる
「掛止具」なるものがあれば便利である。このような掛
止具としては,例えばナットに上記フックを掛止可能な
リング部材などを取り付けたものなどが考えられる。こ
れを,電装品やダクトなどを吊り下げるために建築物の
梁などに多数突設されているボルト部材にねじ込むこと
により,一時的にフックの掛止部を作り出すことができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記の
ようなナットを用いた掛止具にあっては,安全のために
十分な量のねじ込みを行う必要があるため,その着脱時
に多くの手間と時間がかかり,作業効率を低下させると
いう問題点があった。また,上記のような掛止具は,上
記ボルト部材に既に電装品などが取り付けられて端部が
塞がっているような場合には,ナットをねじ込むことが
できないために使用できないという問題点もあった。本
発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的
とするところは,ボルト部材に対して容易に着脱するこ
とができ,しかも上記ボルト部材の端部が塞がっている
場合でも使用可能な掛止具を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,建築物に突設されたボルト部材にフック等
を掛止するための掛止具であって,上記ボルト部材のネ
ジ山と合致するネジ切り加工が施された断面略半円状の
凹部を有する第1の部材と,上記第1の部材の上記凹部
に施されたネジ山を上記ボルト部材のネジ山に係合させ
た状態で,上記ボルト部材の上記凹部との係合面の反対
面に略接するように上記第1の部材に対して係合する第
2の部材とを具備し,上記フック等を掛止可能な掛止部
が上記第1,第2の部材のいずれかに取り付けられてな
ることを特徴とする掛止具として構成されている。上記
第1,第2の部材は,ボルト部材への取り付け時に互い
に係合させるようにしてもよいし,互いに係合させた状
態で製造することも可能である。上記第1,第2の部材
を,ボルト部材への取り付け時に互いに係合させるよう
にする場合には,例えば上記第2の部材を,上記ボルト
部材の上記凹部との係合面の反対面に略接する状態で上
記ボルト部材の軸方向にスライドさせて上記第1の部材
に係合させるように構成することが考えられる。この
時,少なくとも上記掛止部に上記フック等を掛止した状
態ではボルト部材から離脱することがないように,上記
第1,第2の部材の係合が解けることを防止する係合解
除防止手段を設けることが望ましい。上記係合解除防止
手段としては,例えば上記掛止部が上記第2の部材に取
り付けられている場合には,上記第1の部材に固着さ
れ,上記掛止部に対して上記第2の部材の上記第1の部
材からの取り外し時におけるスライド方向前方側に突設
させた突起部材などが考えられる。これにより,掛止部
に掛止されたフック等が第2の部材の取り外し方向に引
っ張られても,フック等が上記突起部材に当接するた
め,第2の部材が第1の部材から外れる心配はない。ま
た,上記第1,第2の部材を,互いに係合させた状態で
製造する場合には,上記第1,第2の部材を,上記凹部
に施されたネジ山の軸周りに互いに相対的に回転可能な
状態で予め係合すると共に,上記第2の部材には上記第
1の部材の上記凹部の開口に対応する開口部を形成し,
上記第1の部材の凹部の開口と上記第2の部材の上記開
口部とを一致させた状態で上記第1の部材の上記凹部に
施されたネジ山を上記ボルト部材のネジ山に係合させ,
更に上記第2の部材を上記第1の部材に対して略半回転
させることにより,上記第1の部材を上記ボルト部材の
上記凹部との係合面の反対面に略接する状態とするよう
に構成することが考えられる。この時,上記掛止部に上
記フック等を掛止した状態でボルト部材から離脱するこ
とがないように,上記第1,第2の部材の相対的な回転
を防止する回転防止手段を設けることが望ましい。
【0005】
【作用】本発明に係る掛止具では,ボルト部材のネジ山
に第1の部材の凹部に形成されたネジ山を当てて係合さ
せた状態で,例えば第2の部材を上記第1の部材にスラ
イドさせて係合させたり,或いは第2の部材を上記第1
の部材に対して回転させたりすることによって,上記第
2の部材が上記ボルト部材に略接した状態となり,上記
ボルト部材と上記第1の部材のネジ山との係合状態が保
持される。従って,ナットをねじ込む場合などに比べて
取り付けがはるかに容易であると同時に,ボルト部材の
端部が塞がれているような場合でも問題なく取り付ける
ことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して,本発明
の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に
供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を
具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定す
る性格のものではない。ここに,図1は本発明の実施の
形態に係る掛止具A1の分解状態での全体斜視図,図2
は上記掛止具A1をボルト部材に取り付けた状態での全
体斜視図,図3は上記掛止具A1に係合解除防止手段の
一例を取り付けた場合の全体斜視図,図4は実施例1に
係る掛止具A2の分解状態での全体斜視図,図5は上記
掛止具A2をボルト部材に取り付けた状態での全体斜視
図,図6は実施例2に係る掛止具A3の分解状態での全
体斜視図,図7は上記掛止具A3のボルト部材への取り
付け手順の説明図である。
【0007】本実施の形態に係る掛止具A1は,建築物
に垂直に突設されているボルト部材Bに取り付け可能な
掛止具の一例であって,図1,図2に示す如く,独立し
た2つの部材1,2により構成されている。材料として
は,金属が最も適していると考えられるが,十分な強度
が得られるものであれば,プラスチックその他の材料を
一部若しくは全てに用いてもよい。上記部材2(第2の
部材の一例)の本体2aは,上記ボルト部材Bよりも大
径の円筒状若しくは円柱状に形成されており,その上端
部分には上記本体2aよりも更に大径の大径部2bが形
成されている。更に,上記部材2には,安全ロープのフ
ックを掛止可能なリング状の掛止部3が一体的に取り付
けられている。また,上記部材1(第1の部材の一例)
は,断面略コの字型に形成されており,その凹部1aの
幅は上記ボルト部材Bの直径と略等しくなっている。ま
た,上記凹部1a内の奥壁1bは断面半円状に形成され
ており,ここには上記ボルト部材Bのネジ山と合致する
ネジ切り加工が施されている。更に,上記凹部1a内の
開口部側には,上記部材2の本体2aをボルト部材Bの
軸方向に遊嵌させることが可能な拡幅部1cが形成され
ている。上記拡幅部1cは,上記奥壁1bのネジ山に上
記ボルト部材Bのネジ山を係合させた状態(図1参照)
で上記部材2を遊嵌させた時に,上記部材2の本体2a
及び/若しくは大径部2bが上記ボルト部材B(上記奥
壁1bとの係合面の反対面)に略接する状態となる位置
に形成されている。
【0008】上記掛止具A1をボルト部材Bに取り付け
る際には,図1に示すように,まず上記部材1の奥壁1
bのネジ山を上記ボルト部材Bのネジ山に係合させ,そ
の状態を保ったままで,上記部材2の本体2aを上記部
材1の拡幅部1cに上方向から挿入する。上記拡幅部1
cに挿入された部材2は,その大径部2bが部材1の上
面に当接した状態で保持され,上記部材1と係合される
(図2参照)。この時,上記部材2の本体2a及び/若
しくは大径部2bは,上記ボルト部材Bの上記奥壁1b
との係合面の反対面に略接した状態となるため,上記部
材1の奥壁1bと上記ボルト部材Bとのネジ山同士の係
合は保持される。即ち,上記掛止具A1は,ねじ込まれ
たナットと同様の状態で上記ボルト部材B上の取付け位
置に蝶着されるため,上記掛止部13に安全ロープのフ
ックを掛けることで上記フックを上記ボルト部材Bに対
して掛止できる。このように,上記掛止具A1は,ナッ
トをねじ込む場合などに比べてボルト部材への取り付け
がはるかに容易であると同時に,ボルト部材の端部が塞
がれているような場合でも問題なく取り付けることがで
きる。更に,上記掛止具A1はボルト部材B周りに回動
自在であるため,例えば安全ロープがボルト部材Bに絡
みつくことによって作業員の動きを規制してしまうこと
もない。
【0009】尚,上記部材2は,部材1に対して上方向
から挿入されているため,掛止部3に掛止されたフック
を上方向に持ち上げない限りは部材1から外れることは
ない。また,上記フックは作業員の腰の高さよりも高い
位置に取り付けることとされているため,通常の使用状
態では上記フックが上方向に引っ張られることはなく,
このままでもある程度の安全性は確保される。但し,更
に安全性を高めるために,少なくともフックを掛止部3
に掛止した状態では上記部材1,2の係合が解けないよ
うな係合解除防止手段を設けておくことが望ましい。上
記係合解除防止手段としては,例えば,図3に示すよう
に,部材1,2を係合させた状態で部材1から部材2に
連通するような水平方向の穴4を設け,その穴4にピン
5を差し込むようにするものなどが考えられる。
【0010】
【実施例】本発明に係る掛止具は,上記実施の形態に示
したものに限らず,様々な実施態様が考えられる。以
下,それらのうちの幾つかを具体的に示す。 (実施例1)図4,図5に示す掛止具A2は,独立した
2つの部材11,12により構成されている。上記部材
12(第2の部材の一例)の本体12aは,ボルト部材
Bの直径よりも広い開口部12bを有する断面C字型に
形成されており,その内面は,部材11の本体11a
(後述する)の外径と略等しい円筒状に形成されてい
る。また,上記部材12には,安全ロープのフックを掛
止可能なリング状の掛止部13が一体的に取り付けられ
ている。また,上記部材11(第1の部材の一例)の本
体11aは,断面C字型に形成されており,その凹部1
1cの幅はボルト部材Bの直径と略等しくなっている。
また,上記凹部11c内の奥壁11dは断面半円状に形
成されており,ここには上記ボルト部材Bのネジ山と合
致するネジ切り加工が施されている。また,上記凹部1
1cは,上記奥壁11dのネジ山に上記ボルト部材Bの
ネジ山を係合させた状態で,上記部材11の本体11a
に上記部材12の本体12aを遊嵌させた時,上記部材
12の本体12aの内面が上記ボルト部材B(の上記奥
壁11dとの係合面の反対面)に略接する状態となるよ
うに形成されている。更に,上記部材11の本体11a
下端部には,突起部11bと棒部材14(係合解除防止
手段の一例)とが一体的に固設されている。
【0011】上記掛止具A2をボルト部材Bに取り付け
る際には,図4に示すように,まず上記部材11の奥壁
11dのネジ山を上記ボルト部材Bのネジ山に係合さ
せ,その状態を保ったままで,上記部材12の本体12
aを上記部材11の本体11aの外面に沿って上方向か
らスライドさせて遊嵌させる。上記部材12は,本体1
2aの下面が上記突起部11bに当接した状態で保持さ
れ,上記部材11と係合される(図5参照)。この時,
上記部材12の本体12aの内面は,上記ボルト部材B
の上記奥壁11dとの係合面の反対面に略接した状態と
なるため,上記部材11の奥壁11dと上記ボルト部材
Bとのネジ山同士の係合は保持される。即ち,上記掛止
具A1は,ねじ込まれたナットと同様の状態で上記ボル
ト部材B上の取付け位置に蝶着されるため,上記掛止部
13に安全ロープのフックを掛けることで上記フックを
上記ボルト部材Bに対して掛止できる。また,上記棒部
材14は,上記部材1,2を係合させた状態で,その先
端部14aが上記掛止部13の穴13aの上端付近に位
置するように取り付けられている。従って,上記掛止部
13に安全ロープのフックを掛けた状態で,そのフック
が上方向に引っ張られた場合には,そのフックは上記棒
部材14に当接するため,掛止部13がフックによって
持ち上げられて部材12が部材11から外れることはな
い。
【0012】このように,上記掛止具A2は,ナットを
ねじ込む場合などに比べてボルト部材への取り付けがは
るかに容易であると同時に,ボルト部材の端部が塞がれ
ているような場合でも問題なく取り付けることができ
る。更に,上記掛止具A2はボルト部材B周りに回動自
在であるため,例えば安全ロープがボルト部材Bに絡み
つくことによって作業員の動きを規制してしまうことも
ない。更に,上記棒部材14により,掛止部13に安全
ロープのフックを掛けた状態でそのフックが上方向に引
っ張られた場合でも,部材11,12の係合が解けるこ
とはなく,安全性である。尚,係合解除防止手段として
は,上記棒部材14に代えて,図3に示した連通穴とピ
ンによるものなど,他の手段を用いてもよい。また,上
記実施の形態に係る掛止具A1に,上記棒部材14と同
様の係合解除防止手段を用いてもよいことは言うまでも
ない。
【0013】(実施例2)上記掛止具A1,A2は,独
立した2つの部材1,2,或いは部材11,12を,使
用時に係合させるように構成されている。従って,不使
用時にいずれか片方の部材を紛失しやすく,また,高所
から誤って落下させてしまうといった可能性も高い。そ
こで,例えば2つの部材を紐などで結び付けておくよう
な対策が考えられるが,初めから上記2つの部材を係合
させた構成としておけばこのような問題は生じない。以
下,1つの具体例を説明する。
【0014】掛止具A3は,図6に示すような2つの部
材21,22により構成されている。但し,上記掛止具
A1,A2のように使用時に両部材を係合させるのでは
なく,図7に示すように上記2つの部材21,22を互
いに係合させた状態で製造され,使用される。上記部材
21(第1の部材の一例)は,上記掛止具A2の部材1
2とほぼ同様に構成されている。即ち,本体21aは,
断面略C字型に形成されており,その凹部21cの幅は
ボルト部材Bの直径と略等しくなっている。また,上記
凹部21c内の奥壁21dは断面半円状に形成されてお
り,ここには上記ボルト部材Bのネジ山と合致するネジ
切り加工が施されている。また,上記凹部21cは,上
記奥壁21dのネジ山に上記ボルト部材Bのネジ山を係
合させ,上記部材21の本体21a(後述する)と上記
部材22の本体22aとを向かい合わせで遊嵌させた状
態(例えば図7(c)参照)で,上記部材22の本体2
2aの内面が上記ボルト部材B(の上記奥壁21dとの
係合面の反対面)に略接するように形成されている。こ
こで,上記部材21が上記掛止具A2の部材11と異な
るのは,上記棒部材14が取り付けられていない点,本
体21aの上部に2つのピン25,25が固着されてい
る点,及び突起部21bの形状である。上記ピン25
は,図7に示すように部材21,22を係合させた状態
で部材21が部材22から抜け落ちることを防止するス
トッパとしての役割を果たす。後述するように,上記部
材21と部材22とはボルト部材Bの軸周りに相対的に
回転させて使用されるため,上記ピン25は部材21と
部材22とがどのような位置関係となった場合でもスト
ッパとして働くように,上記本体21aの周上に180
度間隔で2本設けられている。勿論,上記ピン25,2
5を本体21aに取り付けた状態では部材21と部材2
2とを係合させることはできないため,上記掛止具A3
の製造時には,部材21と部材22とを係合させた後に
上記ピン25を本体21aに固着させる必要がある。ま
た,上記突起部21bは,本体21aと同軸で且つ大径
の円形に形成されており,上記凹部21cに対応する部
分に切欠部26aが形成され,更にその反対側にも切欠
部26bが形成されている。この突起部21bも,上記
ピン25と同様,部材21,22を係合させた状態で部
材21が部材22から外れることを防止するストッパと
しての役割を果たす。
【0015】また,上記部材22(第2の部材の一例)
についても,上記掛止具A2の部材12とほぼ同様に構
成されている。即ち,本体22aは,ボルト部材Bの直
径よりも広い開口部22bを有する断面C字型に形成さ
れており,その内面は,部材21の本体21aの外周径
と略等しい断面円弧状に形成されている。また,上記部
材22には,安全ロープのフックを掛止可能なリング状
の掛止部23が一体的に取り付けられている。ここで,
上記部材22が上記掛止具A2の部材12と異なるの
は,上記掛止部23に切欠部24が形成されている点で
ある。上記切欠部24は,上記部材21のピン25,2
5を部材22の本体上面に当接させた状態(図7(b)
参照)で,上記部材21を上記部材22に対して相対的
に回転させた時,部材21の突起部21bが通過できる
位置及び大きさに形成されている。尚,上記突起部21
bを上記部材22の本体下面に当接させた状態(図7
(c)参照)では,上記突起部21bに形成された2つ
の切欠部26a,26bのいずれかと上記掛止部23
(上記切欠部24よりも上の部分)とが噛み合い,上記
部材21,22の相対回転は規制される。ここで,上記
切欠部26aと掛止部23とが回転防止手段の一例であ
【0016】続いて,図7を用いて,上記掛止具A3の
ボルト部材Bへの取り付け手順を説明する。上記掛止具
A3をボルト部材Bに取り付ける際には,図7(a)に
示すように,部材22の開口部22bと部材21の開口
部(凹部)21cとを一致させた状態で,上記部材21
の奥壁21dのネジ山を上記ボルト部材Bのネジ山に係
合させる。続いて,図7(a)の矢印で示すように,
部材22を上方向に持ち上げ,本体22aの上面を部材
21のピン25,25に当接させる。この状態で,部材
21の突起部21bが部材22の切欠部24内を通過可
能となるため,図7(a)の矢印に示すように,部材
21と部材22とを相対的に半回転させれば,図7
(b)に示す状態となる。ここで,図7(b)の矢印
に示すように,部材22を元の位置(突起部21bと当
接する位置)まで戻せば,図7(c)に示すような状態
となる。この時,上記部材22の本体22aの内面は,
上記ボルト部材Bの上記奥壁21dとの係合面の反対面
に略接した状態となるため,上記部材21の奥壁21d
と上記ボルト部材Bとのネジ山同士の係合は保持され
る。また,この状態では,上記突起部21bに形成され
た切欠部26aと上記掛止部23とが噛み合って上記部
材21,22の相対回転が規制されるため,たとえ掛止
部23に掛けたフックがボルト部材B周りに回転したと
しても,図7(a)に示すような状態となってボルト部
材Bから脱落することはない。即ち,上記掛止具A3
は,ねじ込まれたナットと同様の状態で上記ボルト部材
B上の取付け位置に蝶着されるため,上記掛止部23に
安全ロープのフックを掛けることで上記フックを上記ボ
ルト部材Bに対して掛止できる。
【0017】このように,上記掛止具A3は,ナットを
ねじ込む場合などに比べてボルト部材への取り付けがは
るかに容易であると同時に,ボルト部材の端部が塞がれ
ているような場合でも問題なく取り付けることができ
る。更に,上記掛止具A3は,部材21,22が一体的
にボルト部材B周りに回動自在であるため,例えば安全
ロープがボルト部材Bに絡みつくことによって作業員の
動きを規制してしまうこともない。更に,部材21,2
2は使用時,不使用時に関わらず常に係合されているた
め,不使用時にいずれか片方の部材を紛失したり,高所
から誤って落下させてしまうといったことも防止でき
る。
【0018】尚,上記掛止具A3は,ボルト部材Bに取
り付けた状態から,部材22を持ち上げ,更に部材21
に対して半回転させなければボルト部材から外れないた
め,図1に示した掛止具A1(係合解除防止手段が取り
付けられていないもの)等に比べると安全性は高い。し
かしながら,更に安全性を高めるために,図3(連通穴
4とピン5),図4(棒部材14)に示したような係合
解除防止手段を設けておくことが望ましい。また,上記
ピン25,25は,部材22が部材21から抜け落ちる
ことを防止するためのものであるから,これに代えて,
例えば部材21,22を係合させた後で部材21の上端
部分の外周の一部をかしめたり,或いは部材21の上端
付近にU字リングを嵌め込むようにしてもよい。
【0019】(その他)以上の例では,それぞれの掛止
具をボルト部材Bに取り付ける際には,相当熟練しない
限り両手が必要である。例えば掛止具A1にあっては,
一方の手で部材1をボルト部材Bに押し当てた状態で,
もう一方の手で部材2を拡幅部1cに挿入する必要があ
る。そこで,例えば掛止具A1であれば,部材1の奥壁
1bの少なくとも一部分を磁化しておけば,部材1は磁
力でボルト部材Bに吸着されるため,ボルト部材Bへの
取付けを例えば片手で行うことも可能であり,また両手
で行うにしても作業がより容易且つ確実となる。その他
の掛止具A2,A3についても,部材11,21の奥壁
11d,21dの少なくとも一部分を磁化することで同
様の効果が期待できる。更に,例えば掛止具A1にあっ
ては,部材1の拡幅部1cの上部や部材2の本体2aの
下端部をテーパー状に形成すれば,ボルト部材Bへの取
付けがより容易となる。掛止具A2についても,部材1
1上端部や部材12の本体12aの下端部をテーパー状
に形成することで同様の効果が期待できる。また,以上
説明した各例では,掛止部には安全ベルトのフックを掛
止するものとして説明したが,各掛止具は安全ベルトの
フックの掛止のみに用いられるものではなく,その他,
作業に用いる工具類を引っ掛けたり,ロープを結び付け
る等の使用方法が考えられる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように,本発明は,建築物
に突設されたボルト部材に安全ロープのフックを掛止す
るための掛止具であって,上記ボルト部材のネジ山と合
致するネジ切り加工が施された断面略半円状の凹部を有
する第1の部材と,上記第1の部材の上記凹部に施され
たネジ山を上記ボルト部材のネジ山に係合させた状態
で,上記ボルト部材の上記凹部との係合面の反対面に略
接するように上記第1の部材に対して係合する第2の部
材とを具備し,上記安全ロープのフックを掛止可能な掛
止部が上記第1,第2の部材のいずれかに取り付けられ
てなることを特徴とする掛止具として構成されているた
め,ナットをねじ込む場合などに比べて取り付けがはる
かに容易であると同時に,ボルト部材の端部が塞がれて
いるような場合でも問題なく取り付けることができる。
また,上記第2の部材を,上記ボルト部材の上記凹部と
の係合面の反対面に略接する状態で上記ボルト部材の軸
方向にスライドさせて上記第1の部材に係合させるよう
に構成した場合には,上記第1,第2の部材の係合が解
けることを防止する係合解除防止手段を設けることによ
り,上記掛止部に上記フックを掛止した状態でボルト部
材から離脱することがなく,安全性を更に向上させるこ
とが可能である。また,上記第1,第2の部材を,上記
凹部に施されたネジ山の軸周りに互いに相対的に回転可
能な状態で予め係合すると共に,上記第2の部材には上
記第1の部材の上記凹部の開口に対応する開口部を形成
し,上記第1の部材の凹部の開口と上記第2の部材の上
記開口部とを一致させた状態で上記第1の部材の上記凹
部に施されたネジ山を上記ボルト部材のネジ山に係合さ
せ,更に上記第2の部材を上記第1の部材に対して略半
回転させることにより,上記第1の部材を上記ボルト部
材の上記凹部との係合面の反対面に略接する状態とする
ように構成すれば,不使用時に第1,第2の部材のいず
れか一方を紛失したり,高所から誤って落下させてしま
うといったことが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る掛止具A1の分解
状態での全体斜視図。
【図2】 上記掛止具A1をボルト部材に取り付けた状
態での全体斜視図。
【図3】 上記掛止具A1に係合解除防止手段の一例を
取り付けた場合の全体斜視図。
【図4】 実施例1に係る掛止具A2の分解状態での全
体斜視図。
【図5】 上記掛止具A2をボルト部材に取り付けた状
態での全体斜視図。
【図6】 実施例2に係る掛止具A3の分解状態での全
体斜視図。
【図7】 上記掛止具A3のボルト部材への取り付け手
順の説明図。
【符号の説明】
1,11,21…部材(第1の部材の一例) 2,12,22…部材(第2の部材の一例) 3,13,23…掛止部 4…連通穴(係合解除防止手段の一例を構成) 5…ピン(係合解除防止手段の一例を構成) 14…突起部(係合解除防止手段の一例) 21b…突起部 24…切欠部(回転防止手段の一例を構成) 26a,26b…切欠部(回転防止手段の一例を構成) B…ボルト部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年7月12日(2000.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】(その他)以上の例では,それぞれの掛止
具をボルト部材Bに取り付ける際には,相当熟練しない
限り両手が必要である。例えば掛止具A1にあっては,
一方の手で部材1をボルト部材Bに押し当てた状態で,
もう一方の手で部材2を拡幅部1cに挿入する必要があ
る。そこで,例えば掛止具A1であれば,部材1の奥壁
1bの少なくとも一部分を磁化しておけば,部材1は磁
力でボルト部材Bに吸着されるため,ボルト部材Bへの
取付けを例えば片手で行うことも可能であり,また両手
で行うにしても作業がより容易且つ確実となる。その他
の掛止具A2,A3についても,部材11,21の奥壁
11d,21dの少なくとも一部分を磁化することで同
様の効果が期待できる。更に,例えば掛止具A1にあっ
ては,部材1の拡幅部1cの上部や部材2の本体2aの
下端部をテーパー状に形成すれば,ボルト部材Bへの取
付けがより容易となる。掛止具A2についても,部材1
1上端部や部材12の本体12aの下端部をテーパー状
に形成することで同様の効果が期待できる。また,以上
説明した各例では,掛止部には安全ベルトのフックを掛
止するものとして説明したが,各掛止具は安全ベルトの
フックの掛止のみに用いられるものではなく,その他,
作業に用いる工具類を引っ掛けたり,ロープを結び付け
る等の使用方法が考えられる。もちろん,空調機器,照
明器具などの設備機器類,機械その他の部材を吊り下げ
ることも可能であることは言うまでもない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物に突設されたボルト部材にフック
    等を掛止するための掛止具であって,上記ボルト部材の
    ネジ山と合致するネジ切り加工が施された断面略半円状
    の凹部を有する第1の部材と,上記第1の部材の上記凹
    部に施されたネジ山を上記ボルト部材のネジ山に係合さ
    せた状態で,上記ボルト部材の上記凹部との係合面の反
    対面に略接するように上記第1の部材に対して係合する
    第2の部材とを具備し,上記フック等を掛止可能な掛止
    部が上記第1,第2の部材のいずれかに取り付けられて
    なることを特徴とする掛止具。
  2. 【請求項2】 上記第2の部材を,上記ボルト部材の上
    記凹部との係合面の反対面に略接する状態で上記ボルト
    部材の軸方向にスライドさせて上記第1の部材に係合さ
    せるように構成されてなる請求項1記載の掛止具。
  3. 【請求項3】 少なくとも上記掛止部に上記フック等を
    掛止した状態で,上記第1,第2の部材の係合が解ける
    ことを防止する係合解除防止手段が設けられてなる請求
    項2記載の掛止具。
  4. 【請求項4】 上記掛止部が上記第2の部材に取り付け
    られている場合の上記係合解除防止手段が,上記第1の
    部材に固着され,上記掛止部に対して上記第2の部材の
    上記第1の部材からの取り外し時におけるスライド方向
    前方側に突設された突起部材により構成される請求項3
    記載の掛止具。
  5. 【請求項5】 上記第1,第2の部材が,上記凹部に施
    されたネジ山の軸周りに互いに相対的に回転可能な状態
    で予め係合されると共に,上記第2の部材には上記第1
    の部材の上記凹部の開口に対応する開口部が形成され,
    上記第1の部材の凹部の開口と上記第2の部材の上記開
    口部とを一致させた状態で上記第1の部材の上記凹部に
    施されたネジ山を上記ボルト部材のネジ山に係合させ,
    更に上記第2の部材を上記第1の部材に対して略半回転
    させることにより,上記第1の部材を上記ボルト部材の
    上記凹部との係合面の反対面に略接する状態とするよう
    に構成されてなる請求項1記載の掛止具。
  6. 【請求項6】 上記第1の部材を上記ボルト部材の上記
    凹部との係合面の反対面に略接した状態で,上記第1,
    第2の部材の相対的な回転を防止する回転防止手段が設
    けられてなる請求項5記載の掛止具。
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