JP2020186377A - バリア材形成用組成物、バリア材及びその製造方法、並びに製品及びその製造方法 - Google Patents

バリア材形成用組成物、バリア材及びその製造方法、並びに製品及びその製造方法 Download PDF

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龍一郎 福田
Ryuichiro Fukuda
龍一郎 福田
崇之 鈴木
Takayuki Suzuki
崇之 鈴木
智彦 小竹
Tomohiko Kotake
智彦 小竹
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Abstract

【課題】様々な形状の対象物に適用可能な、防湿性に優れるバリア材を提供すること。【解決手段】シランオリゴマーと、25℃における動粘度が50mm2/s以上の直鎖状ポリシロキサンと、を含み、前記シランオリゴマーの少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されている、バリア材形成用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、バリア材形成用組成物、バリア材及びその製造方法、並びに製品及びその製造方法に関する。
従来から、電子部品に形成された空隙部に湿気が混入することを避けるため、バリアフィルム等によって電子部品を封止することが検討されている。例えば、特許文献1には、無機酸化物層を備えるバリアフィルムを積層させた、バリアフィルム積層体が記載されている。
特開2011−093195号公報
しかし、特許文献1に記載のバリアフィルム積層体は、フィルム状であるため適用可能な対象が限定されている。
そこで本発明は、様々な形状の対象物に適用可能な、防湿性に優れるバリア材を提供することを目的とする。本発明はまた、上記バリア材を形成するための、バリア材形成用組成物を提供することを目的とする。本発明は更に、上記バリア材の製造方法、上記バリア材を備える製品、及び当該製品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、シランオリゴマーと、25℃における動粘度が50mm/s以上の直鎖状ポリシロキサンと、を含み、上記シランオリゴマーの少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されている、バリア材形成用組成物を提供する。
このような組成物は、対象物への塗布により、容易に対象物上に防湿性に優れたバリア材を形成できる。また、上記組成物では、直鎖状ポリシロキサンを含むことで、対象物への追従性に優れ、クラック等の欠陥の少ないバリア材が形成される。
一態様において、上記直鎖状ポリシロキサンは、ジオルガノポリシロキサン鎖を有するものであってよい。
一態様において、上記直鎖状ポリシロキサンは、シラノール基及びアルコキシ基からなる群より選択される基を両末端に有していてよい。
一態様において、上記直鎖状ポリシロキサンの25℃における動粘度は500mm/s以下であってよい。
一態様において、上記直鎖状ポリシロキサンの含有量は、上記シランオリゴマー100質量部に対して1〜30質量部であってよい。
一態様において、上記シランオリゴマーは、3個の酸素原子と結合したケイ素原子を有していてよい。
一態様において、上記シランオリゴマー中のケイ素原子の総数に対する、3個の酸素原子と結合したケイ素原子及び4個の酸素原子と結合したケイ素原子の合計数の割合は、30%以上であってよい。
一態様に係る組成物は、シランモノマーを更に含んでいてよい。
一態様において、上記シランモノマーは、ビニル基、エポキシ基、グリシジル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基及びメルカプト基からなる群より選択される反応性官能基を有する第一のシランモノマーと、アルキルトリアルコキシシラン、アリールトリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランからなる群より選択される第二のシランモノマーと、を含んでいてよい。
一態様において、上記第一のシランモノマーの含有量は、上記シランオリゴマー100質量部に対して0.01〜5質量部であってよい。
一態様において、上記第二のシランモノマーの含有量は、上記シランオリゴマー100質量部に対して5〜40質量部であってよい。
一態様において、上記金属アルコキシドは、アルミニウムアルコキシドであってよい。
本発明はまた、少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーを準備する第一の工程と、上記シランオリゴマーと、25℃における動粘度が50mm/s以上の直鎖状ポリシロキサンと、を混合して、バリア材形成用組成物を得る第二の工程と、を備える、バリア材形成用組成物の製造方法を提供する。
一態様において、上記第一の工程は、シランオリゴマーと金属アルコキシドとを反応させて、上記シランオリゴマーの少なくとも一部を金属アルコキシドで修飾する工程を含んでいてよい。
一態様において、上記第一の工程は、シランモノマーと金属アルコキシドとを反応させて、少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーを形成する工程を含んでいてよい。
本発明はまた、上記組成物を硬化させて、バリア材を形成する工程を備える、バリア材の製造方法を提供する。
本発明はまた、防湿処理された部材を有する製品の製造方法を提供する。この製造方法は、部材上に上記組成物を塗布する第一の工程と、塗布された上記組成物を硬化させて、上記部材上にバリア材を形成する第二の工程と、を備えていてよい。
本発明はまた、第一の部材と上記第一の部材に接合された第二の部材とを有し、上記第一の部材と上記第二の部材との接合部が防湿処理された製品の製造方法を提供する。この製造方法は、第一の部材と第二の部材との間に上記組成物を配置する第一の工程と、上記組成物を硬化させてバリア材を形成し、上記第一の部材と上記第二の部材とを上記バリア材を介して接合する第二の工程と、を備えていてよい。
本発明はまた、防湿部材を備える製品の製造方法を提供する。この製造方法は、上記組成物を硬化させて、バリア材を有する防湿部材を作製する第一の工程と、上記防湿部材を含む複数の部材を組み立てる第二の工程と、を備えていてよい。
本発明はまた、上記組成物の硬化物である、バリア材を提供する。
本発明はまた、部材と、上記部材上に形成された上記バリア材と、を備える、製品を提供する。
本発明はまた、第一の部材と、第二の部材と、上記第一の部材及び上記第二の部材の間に設けられた上記バリア材と、を備える製品を提供する。この製品において、上記第一の部材と上記第二の部材とは上記バリア材を介して接合されていてよい。
本発明は更に、上記バリア材を有する防湿部材を含む複数の部材の組立品である、製品を提供する。
本発明は、様々な形状の対象物に適用可能な、防湿性に優れるバリア材を提供できる。本発明はまた、上記バリア材を形成するための、バリア材形成用組成物を提供できる。本発明は更に、上記バリア材の製造方法、上記バリア材を備える製品、及び当該製品の製造方法を提供できる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。「A又はB」とは、A及びBのいずれか一方を含んでいればよく、両方を含んでいてもよい。本実施形態で例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<バリア材形成用組成物>
本実施形態に係るバリア材形成用組成物は、シランオリゴマーと、25℃における動粘度が50mm/s以上の直鎖状ポリシロキサンと、を含み、当該シランオリゴマーの少なくとも一部は金属アルコキシドで修飾されている。
このような組成物は、対象物への塗布により、容易に対象物上に防湿性に優れたバリア材を形成できる。また、上記組成物では、直鎖状ポリシロキサンを含むことで、対象物への追従性に優れ、クラック等の欠陥の少ないバリア材が形成される。
バリア材形成用組成物は、液状であってもペースト状であってもよく、対象物への塗布がより容易となる観点からは、液状であることが好ましい。
シランオリゴマーはシランモノマーの重合体であり、複数のケイ素原子が酸素原子を介して連結された構造を有する。本明細書中、シランオリゴマーは、分子量が100000以下の重合体を示す。
本明細書中、金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーとは、シランオリゴマーと金属アルコキシドの反応により形成される化合物であり、シランオリゴマー由来のケイ素原子と金属アルコキシド由来の金属原子とが酸素原子を介して結合した構造を有する化合物ということもできる。
金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマー(以下、場合により「修飾シランオリゴマー」と称する)は、シランオリゴマーと金属アルコキシドとの反応物であってよく、シランモノマーと金属アルコキシドとの反応物であってもよい。後者の場合、金属アルコキシドと反応したシランモノマーが更に他のシランモノマーと反応してシランオリゴマー構造を形成したものであってよく、シランモノマー同士の反応により形成されたシランオリゴマーが金属アルコキシドと反応したものであってもよい。
なお、本実施形態に係る組成物は、組成物に含まれるシランオリゴマーの全てが金属アルコキシドで修飾されている必要はなく、シランオリゴマーの少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されていればよい。
シランオリゴマーに含まれるケイ素原子は、1個の酸素原子と結合したケイ素原子(M単位)、2個の酸素原子と結合したケイ素原子(D単位)、3個の酸素原子と結合したケイ素原子(T単位)及び4個の酸素原子と結合したケイ素原子(Q単位)に区別することができる。M単位、D単位、T単位及びQ単位としては、それぞれ以下の式(M)、(D)、(T)及び(Q)が例示できる。
Figure 2020186377
上記式中、Rはケイ素に結合する酸素原子以外の原子(水素原子等)又は原子団(アルキル基等)を示す。これらの単位の含有量に関する情報は、Si−NMRにより得ることができる。
シランオリゴマーにおいて、ケイ素原子の総数に対するT単位及びQ単位の合計数の割合は、例えば30%以上であってよく、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、100%であってもよい。このようなシランオリゴマーによれば、防湿性に一層優れたバリア材が得られる。
好適な一態様において、シランオリゴマーはT単位を含有していることが好ましい。シランオリゴマーにおけるT単位の含有量は、ケイ素原子の総数に対して、例えば10%以上であり、好ましくは20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、70%以上、80%以上又は90%以上であり、100%であってもよい。このようなシランオリゴマーは、柔軟性がより向上する傾向がある。
好適な他の一態様において、シランオリゴマーにおけるQ単位の含有量は、ケイ素原子の総数に対して、例えば50%以上であり、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましく、100%であってもよい。このようなシランオリゴマーは、防湿性及び透明性がより向上する傾向がある。
シランオリゴマーは、上述の式(M)、(D)、(T)及び(Q)中のRとして、アルキル基又はアリール基を有していることが好ましい。
アルキル基としては、炭素数6以下のアルキル基が好ましく、炭素数4以下のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、これらのうちメチル基、エトキシ基、プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アリール基としては、フェニル基、置換フェニル基等が挙げられる。置換フェニル基の置換基としては、アルキル基、ビニル基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が好ましい。
シランオリゴマーの重量平均分子量は、例えば400以上であってよく、好ましくは600以上、より好ましくは1000以上である。また、シランオリゴマーの重量平均分子量は、例えば30000以下であってよく、好ましくは10000以下、より好ましくは6000以下である。シランオリゴマーの重量平均分子量が大きいと柔軟性がより向上する傾向があり、小さいと防湿性及び透明性がより向上する傾向がある。なお、本明細書中、シランオリゴマーの重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算で表される重量平均分子量の値を示す。
金属アルコキシドは、例えば、M(ORで表すことができる。Mはn価の金属原子を示し、Rはアルキル基を示す。nは1以上の正数を示す。
nは好ましくは2〜5であり、より好ましくは3〜4である。
Mとしては、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ニオブ等が挙げられ、これらのうちアルミニウム、チタン、ジルコニウムが好ましく、アルミニウムがより好ましい。すなわち、金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、ニオブアルコキシド等が挙げられ、これらのうちアルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドが好ましく、アルミニウムアルコキシドがより好ましい。
としては、炭素数1〜6アルキル基が好ましく、炭素数2〜4のアルキル基がより好ましい。Rのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、これらのうちエチル基、プロピル基、ブチル基が好ましく、プロピル基、ブチル基がより好ましい。
本実施形態に係る組成物は、シランオリゴマーを、当該シランオリゴマー100質量部に対して0.001〜30質量部の金属アルコキシドで修飾した修飾シランオリゴマーを含むものであってよい。金属アルコキシドの量は、シランオリゴマー100質量部に対して、好ましくは0.02質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上であり、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。金属アルコキシドの量が多いと硬化性がより良好になる傾向があり、金属アルコキシドの量を少なくすることで透明性がより向上する傾向がある。
直鎖状ポリシロキサンは、シロキサン結合による直鎖状の主鎖を有する化合物ということができ、当該主鎖は、ジオルガノポリシロキサン鎖であることが好ましい。すなわち、直鎖状ポリシロキサンは、D単位の繰り返しにより構成されたポリシロキサン鎖を有することが好ましい。
直鎖状ポリシロキサンの主鎖中のケイ素原子と結合する有機基(すなわち、式(D)におけるR)は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
アルキル基としては、炭素数6以下のアルキル基が好ましく、炭素数4以下のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、これらのうちメチル基、エトキシ基、プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
アリール基としては、フェニル基、置換フェニル基等が挙げられる。置換フェニル基の置換基としては、アルキル基、ビニル基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。アリール基としては、フェニル基が好ましい。
直鎖状ポリシロキサンは、少なくとも一方の末端に、シラノール基及びアルコキシ基からなる群より選択される基を有することが好ましく、両末端に、当該基を有することがより好ましい。なお、当該基と結合する末端のケイ素原子は、Q単位又はD単位であることが好ましく、D単位であることがより好ましい。
アルコキシ基としては、炭素数6以下のアルコキシ基が好ましく、炭素数4以下のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、これらのうちメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
直鎖状ポリシロキサンの25℃における動粘度は、50mm/s以上である。このような直鎖状ポリシロキサンは十分な鎖長を有するため、直鎖状ポリシロキサンの配合による上述の効果を顕著に得ることができる。
直鎖状ポリシロキサンの25℃における動粘度は、上述の効果がより顕著に得られる観点から、好ましくは60mm/s以上であり、より好ましくは70mm/s以上である。
また、直鎖状ポリシロキサンの25℃における動粘度は、500mm/s以下であることが好ましい。これにより、直鎖状ポリシロキサンが組成物中の他の成分との相溶性に優れるものとなり、バリア材形成用組成物及びその硬化物であるバリア材の透明性が向上する。この効果がより顕著に得られる観点から、直鎖状ポリシロキサンの25℃における動粘度は、300mm/s以下であることがより好ましく、100mm/s以下であることが更に好ましい。
直鎖状ポリシロキサンの含有量は、シランオリゴマー100質量部に対して、例えば0.1質量部以上であってよく、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは2質量部以上である。これにより、上述の効果がより顕著に奏される。また、直鎖状ポリシロキサンの含有量は、シランオリゴマー100質量部に対して、例えば40質量部以下であってよく、好ましくは30質量部以上、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。これにより、塗膜の緻密性がより向上し、防湿性が特に優れる傾向がある。
なお、本明細書中、「シランオリゴマー100質量部」は、シランオリゴマーを修飾する金属アルコキシドの質量は含まず、修飾シランオリゴマーのシランオリゴマー部分と未修飾シランオリゴマーの合計量を100質量部とすることを意味する。
本実施形態に係る組成物は、シランモノマーを更に含んでいてよい。シランモノマーを配合することで、例えば、バリア材におけるT単位及びQ単位の含有量を調整することができ、用途に応じてバリア材に透明性、柔軟性等の効果を付与することができる。また、シランモノマーを配合することで、防湿性に一層優れるバリア材が得られる傾向がある。
本実施形態に係る組成物は、シランモノマーとして、後述の第一のシランモノマー及び第二のシランモノマーのうち、少なくとも一方を含むことが好ましく、両方を含むことがより好ましい。
第一のシランモノマーは、ビニル基、エポキシ基、グリシジル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基及びメルカプト基からなる群より選択される反応性官能基を有するシランモノマーである。上記組成物がこのようなシランモノマーを含むと、対象物への追従性及び密着性に一層優れたバリア材が形成される。
第一のシランモノマーによって上記効果が奏される理由は必ずしも明らかではないが、バリア材の形成時に、反応性官能基同士の反応、反応性官能基とシラノール基との反応等によってシロキサン結合以外の架橋構造が形成され、これにより、優れた防湿性及び柔軟性が実現されると考えられる。また、バリア材の形成時に、第一のシランモノマーの反応性官能基が対象物表面に存在する官能基と結合することにより、より優れた防湿性及び柔軟性が実現されるとも考えられる。
第一のシランモノマーが有する反応性官能基としては、バリア材の柔軟性及び部材への密着性がより向上する観点からは、ビニル基、エポキシ基(より好ましくはグリシジル基)、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基及びメルカプト基からなる群より選択されることが好ましく、アミノ基がより好ましい。
第一のシランモノマーは、3個の酸素原子と結合したケイ素原子を有していることが好ましい。
第一のシランモノマーとしては、例えば、下記式(A−1)で表されるシランモノマーを好適に用いることができる。
Figure 2020186377
式中、RA1は反応性官能基を示し、Lはアルカンジイル基又はオキシアルカンジイル基(−OL−で表される基、Lはアルカンジイル基を示す。)を示し、pは0以上の整数(好ましくは0〜3の整数)を示し、RA2はアルキル基又はアリール基を示す。
A1がビニル基であるとき、pは0〜3であることが好ましく、0であることがより好ましい。
A1がエポキシ基、グリシジル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基又はメルカプト基であるとき、pは1以上の整数であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
A1がビニル基、グリシジル基又は(メタ)アクリロイル基であるとき、Lはオキシアルカンジイル基であることが好ましい。
A1がアミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基又はメルカプト基であるとき、Lはアルカンジイル基であることが好ましい。
及びLおけるアルカンジイル基としては、炭素数2〜10のアルカンジイル基が好ましく、炭素数2〜8のアルカンジイル基がより好ましい。
A2におけるアルキル基としては、炭素数6以下のアルキル基が好ましく、炭素数4以下のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル基、イソプロピル基)、ブチル基(n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基)等が挙げられる。
A2におけるアリール基としては、フェニル基が好ましい。
A2はアルキル基であることが好ましい。
第一のシランモノマーの含有量は、シランオリゴマー100質量部に対して、例えば0.01質量部以上であってよく、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上である。これにより、追従性及び密着性がより向上する傾向がある。また、第一のシランモノマーの含有量は、例えば5質量部以下であってよく、好ましくは4質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。これにより、硬化物の熱安定性がより向上する傾向がある。
なお、本明細書中、「シランオリゴマー100質量部」は、シランオリゴマーを修飾する金属アルコキシドの質量は含まず、修飾シランオリゴマーのシランオリゴマー部分と未修飾シランオリゴマーの合計量を100質量部とすることを意味する。
第二のシランモノマーは、第一のシランモノマー以外のシランモノマーであり、例えば、アルキルトリアルコキシシラン、アリールトリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランからなる群より選択される。
第二のシランモノマーを配合することで、例えば、バリア材におけるT単位及びQ単位の含有量を調整することができ、用途に応じてバリア材に透明性、柔軟性等の効果を付与することができる。また、第二のシランモノマーを配合することで、防湿性に一層優れるバリア材が得られる傾向がある。
第二のシランモノマーの含有量は特に限定されないが、シランオリゴマー100質量部に対して、例えば5質量部以上であってよく、好ましくは8質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。これにより、硬化物の柔軟性がより向上する傾向がある。また、第一のシランモノマーの含有量は、例えば40質量部以下であってよく、好ましくは35質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。これにより、塗液の揮発性が低減し、作業性がより向上する傾向がある。
アルキルトリアルコキシシランは、ケイ素原子に1つのアルキル基と3つのアルコキシ基が結合したシラン化合物である。
アルキルトリアルコキシシランのアルキル基としては、炭素数6以下のアルキル基が好ましく、炭素数4以下のアルキル基がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、これらのうちメチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基がより好ましい。また、アルキルトリアルコキシシランのアルコキシ基としては、炭素数6以下のアルコキシ基が好ましく、炭素数4以下のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、これらのうちメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
アリールトリアルコキシシランは、ケイ素原子に1つのアリール基と3つのアルコキシ基が結合したシラン化合物である。
アリールトリアルコキシシランのアリール基としては、フェニル基、置換フェニル基等が挙げられる。置換フェニル基の置換基としては、アルキル基、ビニル基、メルカプト基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。当該アリール基としては、フェニル基が好ましい。また、アリールトリアルコキシシランのアルコキシ基としては、炭素数6以下のアルコキシ基が好ましく、炭素数4以下のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、これらのうちメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
テトラアルコキシシランは、ケイ素原子に4つのアルコキシ基が結合したシラン化合物である。
テトラアルコキシシランのアルコキシ基としては、炭素数6以下のアルコキシ基が好ましく、炭素数4以下のアルコキシ基がより好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられ、これらのうちメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
第二のシランモノマーの具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等が挙げられる。
本実施形態に係る組成物は、液状媒体を更に含んでいてよい。液状媒体としては、水及び有機溶媒が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、炭化水素類等が挙げられる。また、これらの他に、アセトニトリル、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等も用いることができる。
好適な一態様において、組成物は、液状媒体として水及びアルコ−ル類を含んでいてよい。このような液状媒体を用いることで、透明性に優れるバリア材が得られやすくなる。
アルコール類としては、バリア材形成時の加熱によって気化させることができるものが好ましい。アルコール類としては、例えば、炭素数6以下のアルコール類が好ましく、炭素数1〜4のアルコール類がより好ましい。
アルコール類としては、例えば、金属アルコキシドのアルコキシ基に対応するアルコール類を用いてもよい。すなわち、例えば金属アルコキシドがtert−ブトキシ基を有するとき、アルコール類としてtert−ブチルアルコールを用いてよい。これにより、透明性が一層向上する傾向がある。
液状媒体の含有量は特に限定されず、例えば、組成物の塗布に好適な粘度となる含有量としてよい。組成物の粘度は特に限定されず、作製するバリア材の厚さ、塗布方法、対象物の形状等に応じて適宜調整してよい。
組成物の25℃における粘度は、例えば1〜6000mPa・sであってよく、5〜3000mPa・sであることが好ましい。このような組成物によれば、対象物への塗布及び対象物上へのバリア材の形成が一層容易となる。
本実施形態に係る組成物において、シランオリゴマー、直鎖状ポリシロキサン及びシランモノマーに由来するケイ素原子の総数に対する、金属アルコキシドに由来する金属原子Mのモル比(M/Si)は、例えば0.00001以上であってよく、0.0001以上であることが好ましい。これにより、硬化性がより良好になる傾向がある。また、上記モル比(M/Si)は、例えば0.5以下であってよく、0.2以下であることが好ましい。これにより、透明性がより向上する傾向がある。
本実施形態に係る組成物は、硬化触媒を更に含有していてよい。硬化触媒は、シランオリゴマー等の重合反応を促進するものであればよく、特に限定されない。
硬化触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、リン酸等を含む酸触媒、スズ、チタン、アルミ、亜鉛、鉄、コバルト、マンガン等を含む金属触媒、脂肪族アミン、水酸化アンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等を含む塩基触媒等が挙げられる。
硬化触媒の含有量は、例えば、シランオリゴマー100質量部に対して、0.02質量部以上であってよく、0.05質量部以上が好ましく、20質量部以下であってよく、10質量部以下が好ましい。
本実施形態に係る組成物は、上記以外の他の成分を更に含有していてよい。他の成分としては、例えば、分子構造中に水酸基を有する樹脂、金属酸化物粒子、金属酸化物ファイバー等が挙げられる。分子構造中に水酸基を有する樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール等が挙げられる。また、金属酸化物粒子としては、例えば、シリカ粒子、アルミナ粒子等が挙げられ、これらの粒子はナノサイズ(例えば粒径が1nm以上1000nm未満)であることが好ましい(すなわち、ナノシリカ粒子、ナノアルミナ粒子が好ましい。)。金属酸化物ファイバーとしては、例えば、アルミナファイバー等が挙げられ、これら金属酸化物ファイバーの繊維径はナノサイズ(例えば繊維径が1nm以上1000nm未満)であることが好ましい(すなわち、アルミナナノファイバーが好ましい。)。
上記の他の成分の含有量は、上述の効果が得られる範囲であれば特に限定されず、例えば、シランオリゴマー100質量部に対して50質量部以下であってよく、好ましくは40質量部以下である。また、上記他の成分の含有量は、シランオリゴマー100質量部に対して、例えば10質量部以上であってよく、20質量部以上であってもよい。
本実施形態に係る組成物の製造方法としては、以下の方法が挙げられる。
<組成物の製造方法1>
本製造方法は、シランオリゴマーと金属アルコキシドとを反応させて、シランオリゴマーの少なくとも一部を金属アルコキシドで修飾する修飾工程を備える。この修飾工程では、金属アルコキシドがシランオリゴマーと反応して、金属原子−酸素原子−ケイ素原子の結合が形成される。
上記反応は、液状媒体中で行ってよい。液状媒体としては、上記と同じものが例示できる。液状媒体の量は特に限定されず、例えば、反応液中のシランオリゴマーの濃度が50〜99質量%(好ましくは80〜95質量%)となる量であってよい。
上記反応の反応条件は特に限定されない。例えば、上記反応の反応温度は、60〜100℃であってよく、70〜90℃であってもよい。また、上記反応の反応時間は、例えば0.5〜5.0時間であってよく、1.0〜3.0時間であってもよい。
本製造方法は、修飾工程後の反応液に、シランオリゴマーを添加する工程を更に備えていてもよい。これにより、金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーと、未修飾のシランオリゴマーとを含有する組成物が得られる。
本製造方法は、修飾工程後の反応液に、直鎖状ポリシロキサン(及び、必要に応じてシランモノマー)を添加する工程を更に備えていてもよい。すなわち、本製造方法は、少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーを準備する第一の工程と、修飾シランオリゴマーと直鎖状ポリシロキサンとを混合して、バリア材形成用組成物を得る第二の工程と、を備える方法であってよく、第一の工程が、上記修飾工程であってよい。これにより、上述のバリア材形成用組成物が得られる。
本製造方法はまた、修飾工程後の反応液に、他の成分を添加する工程を更に備えていてもよい。本製造方法はまた、修飾工程後の反応液に液状媒体を添加する工程、又は、修飾工程後の反応液中の液状媒体を他の液状媒体に置換する工程を更に備えていてもよい。これらの工程によって、修飾工程後の反応液から、上述の組成物の様々な態様を調製することができる。
<組成物の製造方法2>
本製造方法は、シランモノマーと金属アルコキシドとを反応させて、少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーを形成する、修飾工程を備える。修飾工程では、シランモノマーの重合によってシランオリゴマーが形成され、形成されたシランオリゴマーが金属アルコキシドにより修飾されてよい。また、修飾工程では、シランモノマーが金属アルコキシドによって修飾された後、修飾されたシランモノマーと他のシランモノマーとの反応によってシランオリゴマー部分が形成されてもよい。
上記反応は、液状媒体中で行ってよい。液状媒体としては、上記と同じものが例示できる。液状媒体の量は特に限定されず、例えば、反応液中のシランモノマーの濃度が50〜99質量%(好ましくは80〜95質量%)となる量であってよい。
上記反応の反応条件は特に限定されない。例えば、上記反応の反応温度は、60〜100℃であってよく、70〜90℃であってもよい。また、上記反応の反応時間は、例えば0.5〜5.0時間であってよく、1.0〜3.0時間であってもよい。
本製造方法は、修飾工程後の反応液に、シランオリゴマーを添加する工程を更に備えていてもよい。これにより、金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーと、未修飾のシランオリゴマーとを含有する組成物が得られる。
本製造方法は、修飾工程後の反応液に、直鎖状ポリシロキサン(及び、必要に応じてシランモノマー)を添加する工程を更に備えていてもよい。すなわち、本製造方法は、少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーを準備する第一の工程と、修飾シランオリゴマーと直鎖状ポリシロキサンとを混合して、バリア材形成用組成物を得る第二の工程と、を備える方法であってよく、第一の工程が、上記修飾工程であってよい。これにより、上述のバリア材形成用組成物が得られる。
本製造方法はまた、修飾工程後の反応液に、他の成分を添加する工程を更に備えていてもよい。本製造方法はまた、修飾工程後の反応液に液状媒体を添加する工程、又は、修飾工程後の反応液中の液状媒体を他の液状媒体に置換する工程を更に備えていてもよい。これらの工程によって、修飾工程後の反応液から、上述の組成物の様々な態様を調製することができる。
<バリア材>
本実施形態に係るバリア材は、金属原子がドープされたポリシロキサン化合物を含む。このバリア材は、上述のバリア材形成用組成物の硬化物であってよい。また、このバリア材は、上述のバリア材形成用組成物を加熱して形成されたものであってよい。当該加熱によって、組成物中のシランオリゴマー、直鎖状ポリシロキサン及びシランモノマーが重合して、ポリシロキサン化合物が形成される。このとき、シランオリゴマーは金属アルコキシドで修飾されているため、形成されたポリシロキサン化合物中には、金属アルコキシド由来の金属原子がドープされる。
ポリシロキサン化合物は、シロキサン骨格を有している。また、ポリシロキサン化合物中、金属原子は、酸素原子を介してポリシロキサン骨格を構成するケイ素原子と結合している。
ポリシロキサン化合物に含まれるケイ素原子は、1個の酸素原子と結合したケイ素原子(M単位)、2個の酸素原子と結合したケイ素原子(D単位)、3個の酸素原子と結合したケイ素原子(T単位)及び4個の酸素原子と結合したケイ素原子(Q単位)に区別することができる。M単位、D単位、T単位及びQ単位としては、それぞれ上記式(M)、(D)、(T)及び(Q)が例示できる。
ポリシロキサン化合物において、ケイ素原子の総数に対するT単位及びQ単位の合計数の割合は、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが更に好ましい。このようなポリシロキサン化合物によれば、バリア材の防湿性が一層向上する。また、ポリシロキサン化合物において、ケイ素原子の総数に対するT単位及びQ単位の合計数の割合は、例えば100%以下であってよく、95%以下であってもよい。
ポリシロキサン化合物において、ケイ素原子(Si)の総数に対する金属原子Mのモル比(M/Si)は、例えば0.0001以上であってよく、0.001以上であることが好ましい。これにより、硬化性がより良好になる傾向がある。また、上記モル比(M/Si)は、例えば0.5以下であってよく、0.2以下であることが好ましい。これにより、透明性が一層良好になる傾向がある。
ポリシロキサン化合物は、酸素原子の大部分が少なくとも1つのケイ素原子と結合していることが好ましい。ポリシロキサン化合物中に、アルコール性水酸基(C−OH)、エーテル結合(C−O−C)等が少ないことで、防湿性が一層向上する傾向がある。例えば、ポリシロキサン化合物中の酸素原子のうち、例えば90%以上がケイ素原子と結合していることが好ましく、95%以上がケイ素原子と結合していることが好ましく、99%以上がケイ素原子と結合していることが更に好ましい。
バリア材は低い水蒸気透過率を有しており、防湿性に優れる。厚さ25μm当たりのバリア材の水蒸気透過率(40℃、95%RH)は、例えば5000g/m・day以下であってよく、4000g/m・day以下であることが好ましく、3000/m・day以下であることが更に好ましい。
また、厚さ25μm当たりのバリア材の水蒸気透過率(40℃、95%RH)は、例えば100g/m・day以上であってよく、500g/m・day以上であることが好ましい。このようなバリア材は脱湿性を有し、高温環境下で使用しても内部に侵入した水分の膨張による破壊を十分に抑制できる。
なお、バリア材の水蒸気透過率は、JIS K7129に準拠し、感湿センサー法(Lyssy法)の方法で測定される値を示す。
バリア材は透明性を有していてもよい。このようなバリア材は、透明性が要求される用途、例えばイメージセンサパッケージにおけるイメージセンサ上を被覆する被覆材として、好適に用いることができる。なお、ここで透明性を有するとは、厚さ1mm当たりの可視光透過率(550nmの光透過率)が80%以上であることを示す。
バリア材は、厚さ1mm当たりの可視光透過率(550nmの光透過率)が、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。バリア材の可視光透過率は、分光光度計により測定される。
バリア材は、絶縁性に優れており、絶縁性が要求される用途、例えば電子部品用防湿バリア材として、好適に用いることができる。
バリア材の体積抵抗率は、例えば1×1010Ωcm以上であってよく、電子部品用防湿バリア材としての十分な絶縁性を確保する観点からは、1×1012Ωcm以上が好ましく、1×1014Ωcm以上がより好ましい。また、バリア材の体積抵抗率は、例えば1×1019Ωcm以下であってよく、1×1018Ωcm以下であってもよい。なお、本明細書中、バリア材の体積抵抗率は、JIS K 6911に準拠して測定される値を示す。
バリア材の絶縁破壊強さは、例えば10kV/mm以上であってよく、電子部品用防湿バリア材としての十分な絶縁性を確保する観点からは、50kV/mm以上が好ましく、100kV/mm以上がより好ましい。また、バリア材の絶縁破壊強さは、例えば1000kV/mm以下であってよく、500kV/mm以下であってもよい。なお、本明細書中、バリア材の体積抵抗率は、JIS C 2110に準拠して測定される値を示す。
バリア材は、耐熱性に優れており、耐熱性が要求される用途、例えば、実装時に高温工程(例えば、リフロー工程)を経る電子部品用の防湿バリア材として好適に用いることができる。バリア材は、例えば、リフロー炉での加熱前に部材上に配置され、当該部材と共にリフロー炉に供される防湿バリア材として、好適に用いることができる。バリア材は、耐熱性に優れるため、リフロー炉での加熱後も十分に防湿性を発揮することができる。
バリア材の5%重量減少温度(Td5)は、例えば260℃以上であってよく、好ましくは280℃以上、より好ましくは300℃以上である。また、バリア材の5%重量減少温度は、例えば500℃以下であってよく、450℃以下であってもよい。なお、本明細書中、バリア材の5%重量減少温度は、熱重量示差熱分析装置により測定される値を示す。
バリア材の形状は特に限定されない。バリア材は、例えば、フィルム状に成形されていてよく、このようなバリア材は防湿バリアフィルムとして用いることができる。また、バリア材は、部材間の空隙を充填するように形成されていてよく、この場合、当該空隙からの湿気の侵入を防止できる。また、バリア材は、部材を被覆するように形成されていてよく、この場合、部材の湿気との接触を防止することができる。
<バリア材の製造方法>
本実施形態に係るバリア材の製造方法は、上述の組成物を加熱して、バリア材を形成する加熱工程を備える。この製造方法では、加熱により組成物中のシランオリゴマー及び直鎖ポリシロキサン(場合により、更にシランモノマー)が重合してポリシロキサン化合物が形成される。このとき、上記組成物ではシランオリゴマーの少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されているため、ポリシロキサン化合物中には当該金属アルコキシド由来の金属原子がドープされる。
加熱工程では、加熱により組成物中の液体媒体が除去されてよい。すなわち、加熱工程は、組成物の加熱乾燥により、ポリシロキサン化合物を含むバリア材を形成する工程であってよい。
加熱工程における加熱温度は特に限定されず、シランオリゴマーが重合可能な温度であればよい。また、組成物が液状媒体を含む場合は、加熱温度は、液状媒体が揮発する温度であることが好ましい。加熱温度は、例えば70℃以上であってよく、好ましくは100℃以上である。また、加熱温度は、例えば200℃以下であってよく、好ましくは180℃以下である。
本製造方法は、組成物を塗布する塗布工程を更に備えていてよい。このとき、加熱工程は、塗布された組成物を加熱する工程ということができる。
組成物の塗布方法は特に限定されず、塗布する対象物の形状、バリア材の厚み等に応じて適宜変更してよい。
本製造方法では、防湿性を付与したい対象物に組成物を塗布して、当該対象物上にバリア材を形成してよい。また、本製造方法では、所定形状のバリア材を製造してから、製造されたバリア材を対象物上に適用してもよい。
<バリア材の用途>
本実施形態に係るバリア材の用途は特に限定されず、防湿性が要求される種々の用途に好適に適用できる。例えば、バリア材は、電子部品用の防湿バリア材として好適に用いることができる。
本実施形態に係るバリア材は、高温環境下(例えば100℃以上)においても優れた防湿性を有する。このため、本実施形態に係るバリア材は、例えば、高温環境下で使用される電子部品用の防湿バリア材、実装時に高温工程を経る電子部品用の防湿バリア材等の用途に好適に用いることができる。具体的には、例えば、パワー半導体用防湿バリア材、イメージセンサ用防湿バリア材、ディスプレイ用防湿バリア材等として好適に用いることができる。
以下に、バリア材の用途の好適な一形態について詳述するが、バリア材の用途は以下に限定されない。
<用途例1>
一形態に係る用途は、防湿処理された部材を有する製品に関する。このような製品は、部材と、部材上に形成されたバリア材とを備える。バリア材は、一つの部材上に形成されていてよく、複数の部材上に形成されていてもよい。バリア材は、例えば、一つ又は複数の部材を被覆するように形成されていてよく、二つの部材間の接合部を覆うように形成されていてもよい。
このような製品は、部材上に上記バリア材形成用組成物を塗布する第一の工程と、塗布された組成物を加熱して部材上にバリア材を形成する第二の工程と、を備える製造方法によって製造される。この製造方法は、防湿処理された部材が高温下に晒される工程(例えば、リフローはんだ付け、チップボンドの熱硬化処理、加熱による材料の乾燥工程等)を更に備えていてよい。
このような用途の具体例として、例えば、以下の電子部品が挙げられる。
(電子部品A−1)
一形態に係る電子部品は、基板と、カバーガラスと、基板及びカバーガラスの間に配置されたイメージセンサと、カバーガラス及びイメージセンサを基板上に支持する支持部材と、カバーガラスと支持部材との接合部上に設けられた上記バリア材と、を備える。
このような電子部品は、例えば、支持部材とカバーガラスとの接合部にバリア材形成用組成物を塗布する塗布工程と、塗布された組成物を加熱して、接合部上にバリア材を形成するバリア材形成工程と、を備える製造方法によって製造することができる。
(電子部品A−2)
一形態に係る電子部品は、基板と、基板上に配置されたイメージセンサと、イメージセンサ上に設けられた上記バリア材と、を備える。
上記バリア材は、防湿性及び透明性に優れたものとすることができる。このため、上記バリア材は、イメージセンサを封止する封止材としても好適に用いることができる。このような電子部品は、カバーガラスを用いずにイメージセンサパッケージを構成できるため、部品サイズの縮小化、取扱い性の向上等が期待できる。
この用途において、厚さ1mm当たりのバリア材の可視光透過率(550nm)は、95%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。
このような電子部品は、例えば、イメージセンサ上にバリア材形成用組成物を塗布する塗布工程と、塗布された組成物を加熱して、イメージセンサ上にバリア材を形成するバリア材形成工程と、を備える製造方法によって製造することができる。
<用途例2>
一形態に係る用途は、第一の部材と第一の部材に接合された第二の部材とを有し、第一の部材と第二の部材との接合部が防湿処理された製品に関する。このような製品は、第一の部材と、第二の部材と、第一の部材と第二の部材との間に設けられたバリア材と、を備え、第一の部材と第二の部材とがバリア材を介して接合されている。
このような製品は、第一の部材と第二の部材との間にバリア材形成用組成物を配置する第一の工程と、当該組成物を加熱してバリア材を形成し、第一の部材と第二の部材とをバリア材を介して接合する第二の工程と、を備える製造方法によって製造することができる。この製造方法は、バリア材を介して接合された第一の部材及び第二の部材が高温下に晒される工程(例えば、リフローはんだ付け、チップボンドの熱硬化処理、加熱による材料の乾燥工程等)を更に備えていてよい。
このような用途の具体例として、例えば、以下の電子部品が挙げられる。
(電子部品B−1)
一形態に係る電子部品は、基板と、カバーガラスと、基板及びカバーガラスの間に配置されたイメージセンサと、カバーガラス及びイメージセンサを基板上に支持する支持部材と、カバーガラスと支持部材とを接合するバリア材と、を備える。
このような電子部品は、例えば、支持部材とカバーガラスとの間にバリア材形成用組成物を配置する工程と、当該組成物を加熱してバリア材を形成し、支持部材とカバーガラスとをバリア材を介して接合する工程と、を備える製造方法によって製造することができる。
<用途例3>
一形態に係る用途は、防湿部材を備える製品に関する。このような製品は、バリア材からなる防湿部材を備え、例えば、当該防湿部材を含む複数の部材の組立品であってよい。
このような製品は、上記バリア材形成用組成物を加熱して、バリア材からなる防湿部材を作製する第一の工程と、防湿部材を含む複数の部材を組み立てる第二の工程と、を備える製造方法によって製造することができる。この製造方法は、第二の工程で得られた組立品が高温下に晒される工程(例えば、リフローはんだ付け、チップボンドの熱硬化処理、加熱による材料の乾燥工程等)を更に備えていてよい。
このような用途の具体例として、例えば、以下の電子部品が挙げられる。
(電子部品C−1)
一形態に係る電子部品は、基板と、MEMSセンサー、ワイヤレスモジュール及びカメラモジュールからなる群より選択される少なくとも一種の部品と、バリア材を有する防湿部材と、を備える。
上記バリア材は、防湿性に優れる。このため、上記電子部品は、耐湿性に優れ、吸湿によるセンシング特性の低下が十分に防止される。
このような電子部品は、例えば、バリア材形成用組成物を加熱することでバリア材を有する防湿部材を作製する工程と、防湿部材を含む複数の部材を組み立てる工程と、を備える製造方法によって製造することができる。ここで、バリア材は、上記基板及び上記部品と独立して形成されてよく、上記部品上に塗布されたバリア材形成用組成物の加熱により、上記部品と一体化して形成されてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[バリア材形成用組成物A−1]
アルミニウムsec−ブトキシド(マツモトファインケミカル株式会社製、製品名:AL−3001、以下「AL−3001」と略記)を3.8質量部、tert−ブチルアルコール(和光純薬工業株式会社製)を7.6質量部、水を0.3質量部、酢酸を0.3質量部、シランオリゴマー(信越化学工業株式会社製、製品名:X−40−9227)を64.9質量部混合した後、70℃で1時間反応させた。次いで、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、製品名:KBM−13、以下「MTMS」と略記)を23.4質量部、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、製品名:KBE−903)を2質量部、直鎖状ポリシロキサン(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、製品名:YF3800、25℃における動粘度:80mm/s)を5質量部、混合して、バリア材形成用組成物A−1を得た。
[バリア材付き評価基板A−1]
厚さ0.4mmの銅張積層板MCL−E−700G(日立化成株式会社製、製品名)のの片面をマスキングし、銅エッチング液に浸漬することにより片面の銅箔を取り除いた40mm角のベース基板を作製した。次に、バリア材形成用組成物1を、上記ベース基板の銅箔を取り除いた面に対し、乾燥後の厚みが30μmとなるように塗布し、150℃で4時間乾燥した。これにより、基板上にバリア材が形成され、バリア材付き評価基板A―1が得られた。得られたバリア材の5%重量減少温度は308℃、体制抵抗率は1.4×1015Ωcmであった。
[評価方法]
バリア材形成用組成物A−1及びバリア材付き評価基板A−1について、以下の方法で、透明性、吸湿率(%)及びクラックの有無を評価した。
<透明性の評価>
バリア材形成用組成物A−1を目視で観察し、透明で白濁が確認されなかった場合をA、白濁が確認された場合をBとして評価した。
<吸湿率の評価>
バリア材付き評価基板を、セーフティーオーブン(エスペック株式会社製、製品名:SPHH−202)を用いて130℃で1時間乾燥し、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルの質量を測定し、初期質量m1を求めた。次に、恒温恒湿槽(株式会社カトー製、製品名:SE−44CI−A)を用いて、85℃/85%RHの雰囲気下で100時間処理することで、恒温恒湿処理後のサンプルを得た。恒温恒湿処理後の測定サンプルの質量を測定し、恒温恒湿処理後の質量m2を求めた。初期質量m1及び恒温恒湿処理後の質量m2から、下記式によって、吸湿率Q(%)を求めた。
=100×(m1−m2)/m2
<クラック有無>
バリア材付き評価基板を目視で観察し、バリア材にクラックがなかった場合をA、クラックがあった場合をBとして評価した。
[耐熱性の確認試験]
10cm×10cmのポリイミドフィルム(厚さ125μm、東レ・デュポン株式会社、製品名:カプトン(登録商標)500H/V)に、バリア材形成用組成物A−1をディプコートし、150℃で4時間乾燥して、厚さ20μmのバリア材を形成し、測定サンプルを得た。得られた測定サンプルの質量を測定し、初期質量m3を求めた。次に、恒温恒湿槽(株式会社カトー製、製品名:SE−44CI−A)を用いて、85℃/85%RHの雰囲気下で168時間処理することで、恒温恒湿処理後のサンプルを得た。恒温恒湿処理後の測定サンプルの質量を測定し、恒温恒湿処理後の質量m4を求めた。初期質量m3及び恒温恒湿処理後の質量m4から、下記式によって、吸湿率QB1(%)を求めた。
B1=100×(m3−m4)/m4
次いで、上記と同じ方法で作製した測定サンプルに、リフロー工程を模した260℃の加熱を加えた。加熱後の測定サンプルに、上記と同じ恒温恒湿処理を施した。恒温恒湿処理前の初期質量m5、恒温恒湿処理後の質量m6から、下記式によって吸湿率QB2(%)を求めた。
B2=100×(m5−m6)/m6
吸湿率QB1は1.1%、吸湿率QB2は1.2%であり、リフロー工程等の高温下に晒される工程を経ても高い吸湿率を維持できることが確認された。
(実施例2)
直鎖状ポリシロキサンとしてYF3800に代えて、YF3804(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、25℃における動粘度:80mm/s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
直鎖状ポリシロキサンとしてYF3800に代えて、XF3905(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、25℃における動粘度:700mm/s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
直鎖状ポリシロキサンとしてYF3800に代えて、XF3057(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、25℃における動粘度:3000mm/s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
直鎖状ポリシロキサンの添加量を10質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
直鎖状ポリシロキサンの添加量を15質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
直鎖状ポリシロキサンとしてYF3800に代えて、XC96−723(製品名、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、25℃における動粘度:30mm/s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
直鎖状ポリシロキサンとしてYF3800に代えて、KBM−3066(製品名信越化学工業株式会社製、25℃における動粘度:3.5mm/s)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
直鎖状ポリシロキサンを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、バリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板を得た。得られたバリア材形成用組成物及びバリア材付き評価基板について、実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示す。
Figure 2020186377
表1に示すとおり、実施例1〜6では、吸湿率が高く、クラックの無いバリア材が形成された。また、実施例1、2、5及び6では、吸湿率が高く、クラックが無く、更に透明性にも優れるバリア材が形成された。一方、比較例1〜3では、バリア材にクラックが認められ、吸湿率も実施例より低かった。

Claims (23)

  1. シランオリゴマーと、
    25℃における動粘度が50mm/s以上の直鎖状ポリシロキサンと、
    を含み、
    前記シランオリゴマーの少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されている、バリア材形成用組成物。
  2. 前記直鎖状ポリシロキサンが、ジオルガノポリシロキサン鎖を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記直鎖状ポリシロキサンが、シラノール基及びアルコキシ基からなる群より選択される基を両末端に有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記直鎖状ポリシロキサンの25℃における動粘度が500mm/s以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記直鎖状ポリシロキサンの含有量が、前記シランオリゴマー100質量部に対して1〜30質量部である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記シランオリゴマーが、3個の酸素原子と結合したケイ素原子を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記シランオリゴマー中のケイ素原子の総数に対する、3個の酸素原子と結合したケイ素原子及び4個の酸素原子と結合したケイ素原子の合計数の割合が、30%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. シランモノマーを更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記シランモノマーが、
    ビニル基、エポキシ基、グリシジル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、イソシアネート基、イソシアヌレート基及びメルカプト基からなる群より選択される反応性官能基を有する第一のシランモノマーと、
    アルキルトリアルコキシシラン、アリールトリアルコキシシラン及びテトラアルコキシシランからなる群より選択される第二のシランモノマーと、
    を含む、請求項8に記載の組成物。
  10. 前記第一のシランモノマーの含有量が、前記シランオリゴマー100質量部に対して0.01〜5質量部である、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記第二のシランモノマーの含有量が、前記シランオリゴマー100質量部に対して5〜40質量部である、請求項9又は10に記載の組成物。
  12. 前記金属アルコキシドが、アルミニウムアルコキシドである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーを準備する第一の工程と、
    前記シランオリゴマーと、25℃における動粘度が50mm/s以上の直鎖状ポリシロキサンと、を混合して、バリア材形成用組成物を得る第二の工程と、
    を備える、バリア材形成用組成物の製造方法。
  14. 前記第一の工程が、シランオリゴマーと金属アルコキシドとを反応させて、前記シランオリゴマーの少なくとも一部を金属アルコキシドで修飾する工程を含む、請求項13に記載の製造方法。
  15. 前記第一の工程が、シランモノマーと金属アルコキシドとを反応させて、少なくとも一部が金属アルコキシドで修飾されたシランオリゴマーを形成する工程を含む、請求項13に記載の製造方法。
  16. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を硬化させて、バリア材を形成する工程を備える、バリア材の製造方法。
  17. 防湿処理された部材を有する製品の製造方法であって、
    部材上に請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を塗布する第一の工程と、
    塗布された前記組成物を硬化させて、前記部材上にバリア材を形成する第二の工程と、
    を備える、製造方法。
  18. 第一の部材と前記第一の部材に接合された第二の部材とを有し、前記第一の部材と前記第二の部材との接合部が防湿処理された製品の製造方法であって、
    第一の部材と第二の部材との間に請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を配置する第一の工程と、
    前記組成物を硬化させてバリア材を形成し、前記第一の部材と前記第二の部材とを前記バリア材を介して接合する第二の工程と、
    を備える、製造方法。
  19. 防湿部材を備える製品の製造方法であって、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を硬化させて、バリア材を有する防湿部材を作製する第一の工程と、
    前記防湿部材を含む複数の部材を組み立てる第二の工程と、
    を備える、製造方法。
  20. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物の硬化物である、バリア材。
  21. 部材と、
    前記部材上に形成された請求項20に記載のバリア材と、
    を備える、製品。
  22. 第一の部材と、第二の部材と、前記第一の部材及び前記第二の部材の間に設けられた請求項20に記載のバリア材と、を備え、
    前記第一の部材と前記第二の部材とが前記バリア材を介して接合されている、製品。
  23. 請求項20に記載のバリア材を有する防湿部材を含む複数の部材の組立品である、製品。
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