JP2020164665A - 反射材 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光領域及び紫外光領域の光を高い反射率で反射することができる反射材を提供すること。【解決手段】三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有し、前記シリコーン骨格が、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む重合体で構成されており、反射材に用いられる、多孔質体。【選択図】図1

Description

本発明は、反射材に関する。
光の反射率が高い物質は、光を吸収せず光の損失が少ないことから、反射材として、光学装置、及び、発光ダイオードや有機EL等の光源の使用等において広く適用されている。例えば、特許文献1には、可視域から近赤外域にかけて高い反射率を有する多孔質セラミックスが開示されている。また、特許文献2には、耐光性、反射率、及び耐熱性を有する反射材用ポリエステル樹脂組成物、並びに、当該組成物を含む反射材が開示されている。
従来より、相分離を伴うゾル−ゲル反応は、シリカ、チタニア等の酸化物、及び三官能アルコキシシランを出発物質とする有機無機ハイブリッド系において、大きさの制御された連続貫通孔をもつモノリス状多孔材料を得る方法として知られている(特許文献3及び特許文献4参照)。また、高い柔軟性も併せもつモノリス状多孔材料の研究が進められており、特許文献5及び非特許文献1には、二官能基のアルコキシシランと、三官能基のアルコキシシラン又は三官能以上のアルコキシシラン類との両方を出発原料とし、ゾル−ゲル反応によりこれらのシランを共重合させ、Si−O結合によりネットワークを形成させると共に相分離を行い、連続貫通流路と化学種を溶解できるシリコーン骨格とを有するエアロゲル又はキセロゲルのシリコーン製モノリス体を作製することが開示されている。当該シリコーン製モノリス体は、高い柔軟性と高い気孔率とを併せもつとされている。特許文献6には、連通する気孔と、気孔を形成する三次元網目状のシリコーン骨格とを有するシリコーン多孔質体であって、シリコーン骨格が、二官能のアルコキシシランと、三官能のアルコキシシランとの共重合により形成されたものであり、シリコーン骨格における未反応部の割合が特定値以下であるシリコーン多孔質体が開示されている。特許文献7には、連通する気孔と、二官能アルコキシシランと三官能のアルコキシシランとの共重合により形成された、気孔を形成する三次元網目状のシリコーン骨格とを有するシリコーン多孔質基体の、シリコーン骨格の表面少なくとも一部を高分子被覆物により被覆した多孔質体が開示されている。
特開2017−149632号公報 国際公開第2015/151463号パンフレット 特許第2893104号 特許第3397255号 特開2014−61457号公報 特開2016−69499号公報 特開2016−196539号公報
Journal of Materials Chemistry (2011), 21(43): 17077-17079
光学装置、及び、発光ダイオードや有機EL等の光源の使用における反射材の形態は様々であり、特許文献1及び2に記載された反射材に代わりうる反射材として使用できる新たな材料が求められている。反射材には、高い反射率に加えて、高い柔軟性及び高い強度等を有する材料が求められている。
これに対し、特許文献3〜5及び非特許文献1には、モノリス状多孔材料が開示されているが、各文献に記載された材料を反射材に用いることは何ら検討されていない。
特許文献6では、高い柔軟性と高い耐熱性に加えて、耐熱クッション回復性に優れることを目的としており、特許文献6に記載された多孔質体は、制振材、防振材、クッション材に有用に用いられることを想定している。特許文献7では、高い柔軟性を有し、引張に強い多孔質体を得ることを目的としており、特許文献7に記載された多孔質体は、遮音/吸音材、シール材、衝撃吸収材、制振材、断熱材、防水材に有用に用いられることを想定している。このように、特許文献6及び7に記載された多孔質体は、反射材に用いることは何ら想定していない。
本発明は、可視光領域及び紫外光領域の光を高い反射率で反射することができる反射材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定のシリコーン多孔質体が、可視光領域の光だけでなく、紫外光領域の光を高い反射率で反射できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有し、
前記シリコーン骨格が、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む重合体で構成されており、
反射材に用いられる、
多孔質体。
[2]
1aが、炭素数1〜5のアルキル基である、
[1]に記載の多孔質体。
[3]
前記シロキサン単位Aの前記重合体に占める割合が、10質量%以上である、
[1]又は[2]に記載の多孔質体。
[4]
前記重合体が、((R2a)2SiO2/2)で表されるシロキサン単位B(式中、R2aは、それぞれ独立して、1価の基を表す。)をさらに含む、
[1]〜[3]のいずれかに記載の多孔質体。
[5]
2aが、炭素数1〜5のアルキル基である、
[4]に記載の多孔質体。
[6]
265nmの光に対する反射率が、80%以上である、
[1]〜[5]のいずれかに記載の多孔質体。
[7]
0.01〜0.30g/cm3の密度を有する、
[1]〜[6]のいずれかに記載の多孔質体。
[8]
前記重合体が、三官能アルコキシシランを少なくとも重合させることにより形成される重合体であり、
前記シロキサン単位Aが、前記三官能アルコキシシランに由来する単位である、
[1]〜[7]のいずれかに記載の多孔質体。
[9]
前記重合体が、前記三官能アルコキシシランと、二官能アルコキシシランと、を少なくとも共重合させることにより形成される重合体であり、
前記シロキサン単位Bが、前記二官能アルコキシシランに由来する単位である、
[1]〜[8]のいずれかに記載の多孔質体。
[10]
前記二官能アルコキシシランが、下記式(1)により表される化合物であり、
前記三官能アルコキシシランが、下記式(2)により表される化合物である、
[9]に記載の多孔質体。
(式(1)中、アルコキシ基(−OR1)は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
2は、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素数1〜5のアルキル基である。)
(式(2)中、アルコキシ基(−OR3)としては、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
4は、置換又は非置換の炭素数1〜5のアルキル基である。)
[11]
一軸圧縮試験において80%圧縮した後、圧力を開放して10秒以内の形状回復率が、90%以上である、
[1]〜[10]のいずれかに記載の多孔質体。
[12]
試験温度150℃における50%圧縮永久歪みが、5%以下である、
[1]〜[11]のいずれかに記載の多孔質体。
[13]
試験温度250℃における50%圧縮永久歪みが、10%以下である、
[1]〜[12]のいずれかに記載の多孔質体。
[14]
前記シリコーン骨格における未反応部の割合が、10mol%以下である、
[1]〜[13]のいずれかに記載の多孔質体。
[15]
[1]〜[14]のいずれかに記載の多孔質体を含む、反射材。
[16]
前記多孔質体の少なくとも一部を被覆する高分子材料を含む、
[15]に記載の反射材。
[17]
前記高分子材料が、シート状の形態を有する、
[16]に記載の反射材。
[18]
三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有し、前記シリコーン骨格が、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む多孔質体を用いて反射率を向上させる方法。
本発明によれば、可視光領域及び紫外光領域の光を高い反射率で反射することができる反射材を提供可能である。
本実施形態の多孔質体の一つの断面のSEM画像であり、本実施形態における三次元網目状を説明することを目的とする図である。 実施例1及び比較例1のシリコーン多孔質体について、加熱前と、200℃で30時間加熱した後における、反射率の測定結果を示す図である。 PTFEフィルムと実施例1の多孔質体とから得られた反射材の作製手順を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく。その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
<反射材>
本実施形態の多孔質体は、三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有し、前記シリコーン骨格が、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む重合体で構成されており、反射材に用いられる、多孔質体である。
本実施形態の多孔質体は、可視光領域及び紫外光領域の光を高い反射率で反射することができ、反射材として用いることができる。ここで、本明細書における反射材とは、入射した光を反射する材料である。
また、本実施形態の一つは、三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有し、前記シリコーン骨格が、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む多孔質体を用いて反射率を向上させる方法である。
(多孔質体)
本実施形態の多孔質体は、三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有する。上記シリコーン骨格は、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む重合体で構成される。本実施形態の多孔質体は、例えば、三官能のアルコキシシランの重合により形成することができる。また、本実施形態の多孔質体は、三官能のアルコキシシランを、相分離を伴ったゾル−ゲル反応により重合させることにより得られるものであることが好ましい。
本実施形態の多孔質体は、モノリス構造を有する。ここで、「モノリス構造」とは、三次元網目状骨格と、気孔とにより一体的に構成される共連続構造である。上記気孔は、連通構造を有していてもよい。本実施形態の多孔質体は、例えば、図1に示される構造である。図1は、多孔質体の断面の走査電子顕微鏡(SEM)画像であり、シリコーン骨格の拡大図である。図1に示される構造によって、本実施形態の多孔質体の構造は限定されるものではなく、図1は三次元網目状を説明することを目的とする。
本実施形態におけるシロキサン単位Aの前記重合体に占める割合は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上である。シロキサン単位Aの前記重合体に占める割合の上限値は、特に限定されないが、通常100質量%以下であればよく、90質量%以下であってもよく、80質量%以下であってもよい。
本実施形態における重合体は、((R2a)2SiO2/2)で表されるシロキサン単位B(式中、R2aは、それぞれ独立して、1価の基を表す。)をさらに含むことが好ましい。本実施形態におけるシロキサン単位Bの前記重合体に占める割合は、好ましくは0質量%以上であり、より好ましくは10質量%以上であり、さらに好ましくは20質量%以上である。シロキサン単位Aの前記重合体に占める割合の上限値は、特に限定されないが、通常90質量%以下であればよく、80質量%以下であってもよく、70質量%以下であってもよい。
本実施形態における重合体は、シロキサン単位A及びシロキサン単位Bを含むことが好ましい。ここで「重合体がシロキサン単位A及びシロキサン単位Bを含む」とは、「シリコーン骨格が、前記シロキサン単位Aを構成単位とする分岐状シロキサン構造と、前記シロキサン単位Bを構成単位とする直鎖状シロキサン構造とを含む」とも言うことができる。シロキサン単位A及びシロキサン単位Bの前記重合体に占める割合は、20質量%以上であってもよく、50質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよい。また、シロキサン単位A及びシロキサン単位Bの前記重合体に占める割合は、100質量%以下であってもよく、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。
また、本実施形態における重合体は、シロキサン単位A、シロキサン単位Bに加えて、(SiO4/2)で表されるシロキサン単位及び/又は((R3a)3SiO1/2)で表されるシロキサン単位(式中、R3aは、それぞれ独立して、1価の基を表す。)を含んでいてもよい。(SiO4/2)で表されるシロキサン単位及び/又は((R3a)3SiO3/2)で表されるシロキサン単位の前記重合体に占める割合は、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上である。(SiO4/2)で表されるシロキサン単位及び/又は((R3a)3SiO1/2)で表されるシロキサン単位の前記重合体に占める割合の上限値は、特に限定されないが、50質量%以下であってもよく、40質量%以下であってもよい。
本実施形態におけるシロキサン単位中のR1a、R2a、R3aは、1価の基であれば特に制限されず、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基等が挙げられる。上記アルキル基、アラルキル基、アリール基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、及び/又は、オキシ基で置換されていてもよく、非置換であってもよい。R1a、R2a、R3aは、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。
本実施形態におけるシリコーン骨格を構成する重合体は、三官能アルコキシシランを少なくとも重合させることにより形成される重合体であり、前記シロキサン単位Aが、三官能アルコキシシランに由来する単位であることが好ましい。本実施形態の多孔質体は、上記の共重合により形成された三次元網目状のシリコーン骨格を有するモノリス構造を有することによって、可視光領域だけでなく、紫外光領域でも高い反射率を示すことが明らかとなった。さらに、紫外光に曝されることにより、ケイ素原子上の置換基が、オゾン、酸素、水等と反応してシラノール(Si−OH)化することにより、さらに反射率が向上することが分かった。
また、本実施形態におけるシリコーン骨格を構成する重合体は、前記三官能アルコキシシランと、二官能アルコキシシランと、を少なくとも共重合させることにより形成される重合体であり、且つ、前記シロキサン単位Bが、二官能アルコキシシランに由来する単位であることが好ましい。
本明細書において、二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランにおける「官能」とは、反応してシロキサン結合(Si−O−Si)の形成に関与する性質を指す。二官能のアルコキシシランは、シロキサン結合(Si−O−Si)の形成に関与する性質のある基を2つ有しており、三官能のアルコキシシランは、シロキサン結合(Si−O−Si)の形成に関与する性質のある基を3つ有している。
二官能のアルコキシシランは、例えば、ケイ素の4本の結合基のうち重合(結合)に関与するアルコキシ基を二つ有し、残りの反応に関与しない置換基を二つ有し、下記式(1)により表される。
式(1)におけるアルコキシ基(−OR1)は、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基である。炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシを含む)、ブトキシ基(n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、シクロブチルオキシを含む)、ペンチルオキシ基(n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、sec−ペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、シクロペンチルオキシ等を含む)が挙げられる。
重合反応を円滑に進行させる観点から、アルコキシ基(−OR1)は、メトキシ基、エトキシ基、及びプロポキシ基であることがより好ましく、メトキシ基及びエトキシ基であることがさらに好ましい。
なお、式(1)における二つのアルコキシ基(−OR1)は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(1)における置換基(−R2)としては、例えば、置換又は非置換のアルキル基、アリール基、ビニル基、メルカプトアルキル基等が挙げられる。
置換又は非置換のアルキル基におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基である。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピルを含む)、ブチル基(n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチルを含む)、ペンチル基(n−ペンチル、イソペンチル、sec−ペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル等を含む)が挙げられる。
置換基(−R2)は、より好ましくはメチル基及びエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
アルキル基上の置換基としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン元素等が挙げられる。置換されたアルキル基としては、フルオロアルキル基が好ましい。
アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基等を挙げることができ、好ましくはフェニル基である。
メルカプトアルキル基としては、メルカプトメチル基、メルカプトエチル基、メルカプトプロピル基等が挙げられ、メルカプトプロピル基であることが好ましい。
二官能のアルコキシシランにおける二つの置換基(−R2)は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
得られる多孔質体への一層反射率を高くする観点から、これら二つの置換基のうちの一つ以上が、置換又は非置換のアルキル基及びフルオロアルキル基からなる群より選択される基であることが好ましく、メチル基、及びフルオロアルキル基からなる群より選択される基であることがより好ましい。
二官能のアルコキシシランとしては、具体的には、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
一層反射率を高くする観点からは、ジメチルジメトキシシランが好ましい。
なお、二官能のアルコキシシランとしては、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
三官能のアルコキシシランは、例えば、ケイ素の4本の結合基のうち重合(結合)に関与するアルコキシ基を三つ有し、残りの反応に関与しない置換基を一つ有し、下記式(2)により表される。
式(2)におけるアルコキシ基(−OR3)としては、二官能のアルコキシシランのアルコキシ基(−OR1)と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。また、三官能のアルコキシシランの置換基(−R4)についても、二官能のアルコキシシランの置換基(−R2)と同様の基を例示することができ、同様の好ましい基を挙げることができる。
三官能のアルコキシシランとしては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、一層反射率を高くする観点からは、メチルトリメトキシシランが好ましい。
なお、三官能のアルコキシシランとしては、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態における重合体は、当該重合体を構成するシロキサン結合のケイ素原子上に炭素数1〜5のアルキル基を有することが好ましい。すなわち、重合体を構成するシロキサン結合のケイ素原子に炭素数1〜5のアルキル基が結合していることが好ましい。重合体に炭素数1〜5のアルキル基を含むことにより、反射材が、高い柔軟性及び高い気孔率を有しながら、紫外線を一層高い反射率で反射することができる傾向にある。
また、本実施形態においては、二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランとともに、2つ以上のケイ素原子を含むアルコキシシラン類をさらに共重合させてもよい。ここで、2つ以上のケイ素原子を含むアルコキシシラン類とは、重合(結合)に関与するアルコキシ基を1つ以上、好ましくは3つ以上含み、ケイ素原子を2つ以上含む化合物を指す。
2つ以上のケイ素原子を含むアルコキシシラン類としては、例えば、−Si−C−C−Si−構造または−Si−フェニル−Si−構造を持つアルコキシシランが挙げられる。Siの結合基は4つであるが、−Si−C−C−Si−構造または−Si−フェニル−Si−構造を持つアルコキシシランは、その6つの官能基を利用することができ、より緻密なシリコーンのネットワークを形成することができる。
−Si−C−C−Si−構造をもつアルコキシシランとしては、例えば、1,2−ビス(メチルジエトキシシリル)エタン等が挙げられる。
さらに、本実施形態においては、二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシラン並びに2つ以上のケイ素原子を含むアルコキシシラン類とともに、四官能のアルコキシシランをさらに共重合させてもよい。
ここで、四官能のアルコキシシランとは、重合(結合)に関与するアルコキシ基を4つ含む、テトラアルコキシシランである。
二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランの重合比は、適宜選択することができ特に限定されない。
重合比(二官能のアルコキシシラン:三官能のアルコキシシラン)は、容積比で、好ましくは2:8〜6:4であり、より好ましくは3:7〜5:5である。
前記重合比が2:8以上であると、得られる多孔質体への柔軟性を付与できる傾向にある。また、前記重合比が6:4以下であると、機械強度を維持できる傾向にある。
なお、二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランとともに、2つ以上のケイ素原子を含むアルコキシシラン類及び/又は四官能のアルコキシシランをさらに共重合させる場合、当該アルコキシシラン類及び/又は四官能のアルコキシシランの重合比は特に限定されないが、例えば、二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランの合計に対する容積比(二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランの合計:2つ以上のケイ素原子を含むアルコキシシラン類及び/又は四官能のアルコキシシラン)として、好ましくは6:4〜4:6である。
本実施形態におけるシリコーン骨格の未反応部の割合は10mol%以下であってもよい。本実施形態によれば、当該シリコーン骨格における未反応部の割合を10mol%以下に制御することにより、優れた耐熱クッション回復性を得ることができる。
ここで、クッション回復性とは、ある物体をある温度での圧縮下に置いた後に圧力を開放することにより、当該物体の形状が圧縮前の形状に回復する性質をいう。また、耐熱クッション回復性とは、ある物体を高温での圧縮下に置いた後に圧力を開放すると、当該物体の形状が高温での圧縮前の形状に回復する性質をいう。本実施形態において、(耐熱)クッション回復性は、圧縮残留歪み(50%圧縮永久歪み)によって評価することができる。圧縮残留歪み(50%圧縮永久歪み)は、特開2016−69499号公報に記載の方法、具体的には本実施例に記載の方法によって算出される。
圧縮残留歪み(50%圧縮永久歪み)が小さいほど、その試験温度下における(耐熱)クッション回復性に優れているといえる。本実施形態においては、試験温度150℃における圧縮残留歪み(50%圧縮永久歪み)が5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。また、試験温度250℃における圧縮残留歪み(50%圧縮永久歪み)が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることがさらに好ましい。
前述のように、本実施形態の多孔質体は、前記シリコーン骨格における未反応部の割合が10mol%以下に制御されていてもよい。このように、シリコーン骨格における未反応部の割合を小さく制御することにより、本実施形態の反射材は、多孔質体の構造に起因する高い柔軟性及び高い耐熱性を有するとともに、優れた耐熱クッション回復性をも発揮することができる。
ここで、本実施形態において、シリコーン骨格における未反応部の割合は、固体29Si−NMRによる測定結果より導き出すことができる。
本実施形態の多孔質体のシリコーン骨格は、二官能のアルコキシシランと、三官能のアルコキシシランとの共重合により形成されたものであることが好ましい。この場合の多孔質体を固体29Si−NMRにより解析すると、得られるNMRスペクトルにおいて、以下の4つの構造単位に起因するピークが観察される。なお、式(3)の構造単位をD1、式(4)の構造単位をD2、式(5)の構造単位をT2、式(6)の構造単位をT3ともいう。
構造単位D1及びD2は二官能のアルコキシシランに由来する構造単位であり、構造単位T2及びT3は三官能のアルコキシシランに由来する構造単位である。
(式(3)中、R5は、水素又は式(1)におけるR1と同じであり、R2は、式(1)におけるR2と同じである。)
(式(4)中、R2は、式(1)におけるR2と同じである。)
(式(5)中、R6は、水素又は式(2)におけるR3と同じである。R4は式(2)におけるR4と同じである。)
(式(6)中、R4は式(2)におけるR4と同じである。)
構造単位D1は未反応基であるOR5を有する。また、構造単位T2も未反応基であるOR6を有する。一方、構造単位D2及びT3は未反応基を有していない。ここで、固体29Si−NMR解析により得られるNMRスペクトルの各ピークの積分値より、各構造単位の割合(mol%)を導き出すことができる。そして、構造単位D1及びT2を未反応部とし、構造単位D2及びT3を反応部として、全構造単位に占める未反応部(構造単位D1及びT2)の割合(mol%)の合計を、シリコーン骨格における未反応部の割合とする。
構造単位D2の含有量A(mol%)は、例えば、1.0〜90mol%であってもよく、1.0〜70mol%であるのが好ましく、1.0〜50mol%であるのがより好ましく、構造単位T3の含有量B(mol%)は、例えば、1.0〜90mol%であってもよく、10〜80mol%であることが好ましく、30〜70mol%であることがより好ましい。
なお、二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランとともに、三官能以上のアルコキシシラン類をさらに共重合させた場合においては、構造単位D1、D2、T2及びT3に加えて、三官能以上のアルコキシシラン類に由来する未反応基を有する構造単位(未反応部)及び未反応基を有さない構造単位(反応部)の割合も同様に導き出した上で、全構造単位に占める構造単位D1、構造単位D2及び三官能以上のアルコキシシラン類に由来する未反応基を有する構造単位の割合(mol%)の合計を、シリコーン骨格における未反応部の割合とすればよい。
本実施形態において、シリコーン骨格における未反応部の割合は、例えば、10mol%以下であってもよく、好ましくは9mol%以下であり、より好ましくは8mol%以下である。未反応部の割合を10mol%以下に制御することにより、優れた耐熱クッション回復性を得ることができる。一方、未反応部の割合の下限は特に限定されないが、通常0mol%以上であり、0mol%超過であってもよい。したがって、未反応部の割合は、柔軟性を高める観点から、例えば2mol%以上であり、好ましくは3mol%以上である。
シリコーン骨格における未反応部の割合は、例えば、後述する加熱処理(アニール処理)によって、制御することができる。また、レーザー、LEDやランプ光源等によって発せられるUV光照射等によっても制御することができる。
反射材における紫外線の反射の機能をより高める観点から、本実施形態の多孔質体の265nmの光に対する反射率は、スペクトラロン標準反射板を基準として、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
反射率の上限は、特に制限されないが、通常100%以下であり、99%以下であってもよく、98%以下であってもよい。また、反射率の上限は、測定条件等により100%超過となる場合もあり、その場合反射率の上限は、130%以下であってもよい。
反射率は、具体的には実施例に記載の方法によって測定される。
本実施形態の多孔質体全体に対する気孔の体積分率(気孔率)は、特に限定されるものではないが、好ましくは50%以上であり、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。気孔率が50%以上であることにより、柔軟性及び軽量性を高めることができる傾向にある。また、気孔率が95%以下であることにより、機械強度を高めることができる傾向にある。
本実施形態の多孔質体に含まれる気孔の平均孔径は、特に限定されるものではないが、通常50〜50,000nmである。また、シリコーン骨格の骨格径も特に限定されないが、通常50〜10,000nmである。なお、本実施形態の多孔質体に含まれる気孔の平均孔径は、SEMや光学顕微鏡等により測定することができる。また、シリコーン骨格の骨格径は、SEMや光学顕微鏡等により測定することができる。
本実施形態の多孔質体は、一軸圧縮試験において80%圧縮した後、圧力を開放して10秒以内の形状回復率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、さらに好ましくは100%である。当該形状回復率が90%以上であることにより、高い柔軟性を発揮することができる。
本実施形態の多孔質体の密度は、0.01〜0.30g/cm3であることが好ましく、0.02〜0.20g/cm3であることがより好ましく、0.05〜0.20g/cm3であることがさらに好ましい。多孔質体の密度が、0.05〜0.20g/cm3であることにより、一層優れた柔軟性と強度とをバランスよく両立できることができる。
本実施形態の多孔質体の水接触角は、130°以上であることが好ましく、140°以上であることがより好ましく、150°以上であることがさらに好ましい。多孔質体の水接触角が、130°以上であることにより、一層優れた撥水性を発揮することができる。
本実施形態の多孔質体は、TG−GTA(示差熱及び熱重量同時測定)において、熱分解開始温度が250℃以上であることが好ましく、280℃以上であることが好ましく、300℃以上であることがさらに好ましい。当該熱分解開始温度が250℃以上であることにより、優れた耐熱性を発揮することができる。
(高分子被覆物)
本実施形態の多孔質体は、高分子被覆物が、三次元網目状のシリコーン骨格の表面の少なくとも一部を被覆した形態であってもよい。この場合、本実施形態の多孔質体は、高分子被覆物を含み、このような被覆した形態を「被覆多孔質体」ともいう。
なお、「高分子被覆物が、多孔質体の三次元網目状のシリコーン骨格の表面を被覆している」とは、高分子被覆物が多孔質体の三次元網目状のシリコーン骨格の表面を直接的あるいは間接的に被覆していることをいう。また、以下において、「高分子被覆物が、多孔質体の三次元網目状のシリコーン骨格の表面の少なくとも一部を被覆している」ことを、「高分子被覆物が多孔質体を被覆している」、「多孔質体が高分子被覆物により被覆されている」等のように、省略して表現する場合がある。
ここで、高分子被覆物は、多孔質体の三次元網目状のシリコーン骨格の表面の一部のみを被覆していてもよく、あるいは、前記骨格の表面の全部を被覆していてもよい。ここで、多孔質体の三次元網目状のシリコーン骨格の表面は、多孔質体自体の外形を形成(画定)する部分と、空孔を形成(画定)する部分とからなる。
本実施形態によれば、多孔質体が高分子被覆物により被覆されている場合、引張に強い(すなわち、引張強度の高い)多孔質体を得ることができる。
本実施形態において、高分子被覆物による多孔質体のシリコーン骨格表面の被覆率は、所望される引張強度向上の効果が奏される限りにおいては、特に限定されない。引張強度を高める観点からは、当該被覆率は、例えば50%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましく、100%(すなわち、シリコーン多孔質体のシリコーン骨格表面の全部が高分子被覆物により被覆されている状態)がよりさらに好ましい。
また、上記と同様の理由により、引張強度を良好に向上させるためには、高分子被覆物が、多孔質体のシリコーン骨格の表面の、多孔質体自体の外形を形成(画定)する部分のみならず、空孔を形成(画定)する部分をも被覆していることが好ましい。また、被覆多孔質体が優れた柔軟性を有するためには、空孔が高分子被覆物により埋まらない範囲で、高分子被覆物を形成させることが好ましい。
高分子被覆物を形成する高分子材料としては、得られる被覆多孔質体の引張強度を向上しうるものであれば、特に制限なく使用することができる。高分子材料としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーンゴム等のシリコーン、ポリイミド、ポリフタルアミド等のポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、イソプレンゴム、ニトリルゴム、パーフロロゴム、クロロプレンゴム、アクリル酸エステルゴム、スチレンブタジエンゴム、シス−1,4−ポリブタジエン合成ゴム、天然ゴム等のゴム系材料、ユリアホルムアルデヒド樹脂等のユリア樹脂、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルエチレン、ポリ塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニルアクリル酸オクチル、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニル等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニリデン系樹脂、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(ポリ四フッ化エチレン)等のフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、非晶性ポリアルファオレフィンアタクチックポリプロピレンアクリロニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルスチレンアクリレート、クレゾール樹脂、クレゾールホルムアルデヒド、エチレンジアミン四酢酸、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレンーメチルアクリレート共重合体、エチレンーエチルアクリレート共重合体、エチレンプロピレンジエン三元共重合体、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、エチルビニルエーテル、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリアリルエーテルケトン、ポリアクリロニトリル、ポリアリルスルホン、ポリカーボネート、ポリジシクロペンタジエン、ポリエーテルニトリル、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキル、ビニルエーテルコポリマー、ポリイソブチレン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデンポリビニリデンフルオロエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体、ポリウレタン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリベンゾオキサジノン、ポリオキサジアゾール等が挙げられる。なお、これらのうち1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることも可能である。
また、高分子被覆物を形成する高分子材料としては、耐熱性の観点から、シリコーン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサジノン、ポリベンゾイミダゾール、ポリキナゾリンジオン、ポリオキサジアゾール等が好ましい。
これらの中でも、多孔質体のシリコーン骨格との親和性の観点からは、シリコーンが好ましい。シリコーンとは、ケイ素と酸素からなるシロキサン結合(−Si−O−Si−)を骨格とし、そのケイ素(Si)にメチル基(−CH3)を主体とする有機基が結合したポリマーである。ここで、シリコーンの側鎖の有機基は、メチル基の他、フェニル基、ジオール基、メタクリル基、シラノール基、フェノール基、ポリエーテル基、メチル基以外の直鎖アルキル基、フロロアルキル基、脂肪酸アミド基、アラルキル基、ミルカプト基等の不活性基であってもよく、(ジ)エポキシ基、(ジ)アミノ基、ビニル基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシル基、アクリル基、メタクリル基等の反応性官能基であってもよい。また、シリコーンは、直鎖状(オイル)であってもよく、分岐(樹脂)構造あるいは環状構造を有していてもよい。シリコーンの具体例としては、ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、メチルフェニルシリコーン、環状ジメチルシリコーン、上記記載の各種有機基変性シリコーン、上記記載の反応性官能基変性シリコーンが挙げられる。なお、環状構造を有するシリコーンを高分子材料として用いる場合には、白金触媒、酸もしくは塩基触媒等の適宜な触媒によって、環状構造を開環させてもよい。
なお、高分子材料の数平均分子量は特に限定されるものではないが、例えば、100〜1,000,000程度であり、好ましくは500〜500,000である。ここで、高分子材料の数平均分子量は、ゲル パーミエーション クロマトグラフィ(GPC)により測定されるものとする。
本実施形態において、高分子被覆物の被覆形態は特に限定されるものではないが、例えば、高分子被覆層の形態として多孔質体を被覆していてもよい。当該被覆層の形態の場合の被覆層の厚みは、多孔質体に所望される気孔率や気孔の平均孔径等に応じて適宜調整すればよく、特に限定されないが、例えば、10〜5000nmであり、好ましくは100〜1000nmである。
本実施形態における被覆多孔質体は、高い引張強度と優れた柔軟性を両立する観点から、そのかさ密度が0.01〜0.3g/ccであることが好ましく、0.08〜0.2g/ccであることがより好ましい。なお、多孔質体のかさ密度は、多孔質体の見かけ容積(多孔質体の外形容積)の質量を測ることにより測定することができる。
また、本実施形態の多孔質体は、高分子被覆物が三次元網目状のシリコーン骨格の表面の少なくとも一部を被覆した形態である場合、シリコーン多孔質体と高分子被覆物の質量比が50:1〜1:1であることが好ましく、30:1〜2:1であることがより好ましい。当該質量比が前記範囲内であると、高分子被覆物の被覆により被覆多孔質体の引張強度を向上させる効果が良好に発揮されるとともに、被覆多孔質体が優れた柔軟性を有することができる。
本実施形態における被覆多孔質体は、歪み20%時の弾性率が0.01MPa以上であることが好ましい。歪み20%時の弾性率が0.01MPa以上となるように調整することにより、引張応力が加えられた際に容易に脆性破壊せず、引張に強い(引張強度の高い)多孔質体とすることができる。歪み20%時の弾性率は、より好ましくは0.02MPa以上であり、さらに好ましくは0.04MPa以上である。なお、歪み20%時の弾性率の上限は特に限定されないが、柔軟性の観点からは、例えば0.1MPa以下である。
なお、本明細書において、被覆多孔質体の歪み20%時の弾性率は、温度:25℃、引張速度50mm/minで引張試験を行った際の引張応力−歪み曲線の、歪み20%時の傾きから得られるものを示す。
また、本実施形態における被覆多孔質体は、歪み80%時の圧縮応力が0.6MPa以下であることが好ましい。歪み80%時の圧縮応力が0.6MPa以下となるように調整することにより、柔軟性に優れた被覆多孔質体とすることができる。歪み80%時の圧縮応力は、より好ましくは0.4MPa以下であり、さらに好ましくは0.3MPa以下である。なお、歪み80%時の圧縮応力の下限は特に限定されないが、形状回復性の観点からは、例えば0.05MPa以上である。
なお、本明細書において、被覆多孔質体の歪み80%時の圧縮応力は、温度:25℃、圧縮速度10mm/minで圧縮試験を行った際の圧縮応力−歪み曲線から得られるものを示す。
[多孔質体の製造方法]
本実施形態の多孔質体の製造方法(以下、「本実施形態の製造方法」ともいう)について以下に説明する。
本実施形態の多孔質体の製造方法は、三官能のアルコキシシランを相分離を伴ったゾル−ゲル反応により重合させることにより、三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を有するシリコーン多孔質体を形成する工程(シリコーン多孔質体形成工程、第1の工程)を含む。
本実施形態の製造方法では、三官能のアルコキシシランを用い、これをゾル−ゲル反応による重合によりSi−O結合のネットワーク化をしつつ、界面活性剤で相分離を制御しながら、酸触媒及び塩基触媒による酸塩基2段階反応を行うことにより、三次元網目状のシリコーン骨格を有するシリコーン多孔質体を形成する。
まず、ガラス容器等の容器中で、水等の溶媒と酸触媒を混合して酸溶液を調製し、その酸溶液中に界面活性剤及び塩基触媒を添加する。
次に、三官能のアルコキシシラン、及び必要に応じて二官能のアルコキシシランを添加し、例えば、10〜30℃で0.5〜2.0時間撹拌して、これらアルコキシシランの加水分解を進行させる。
その後、得られた溶液を密封容器に移してから、例えば、50〜85℃で6〜48時間加熱することにより、塩基触媒を加水分解して塩基性条件下としつつ、加水分解したアルコキシシランをゾル−ゲル反応により重縮合させることにより、湿潤ゲル(ウェットゲル)を得る。
続いて、得られた湿潤ゲルを、水とイソプロピルアルコールとの混合溶液等に含浸させ、その後、イソプロピルアルコール、メタノール等にて洗浄し、未反応のアルコキシシランや界面活性剤を除去する。
さらに、このようにして得られるモノリス状ゲルをノルマルヘキサン等の非極性溶媒に含浸させて溶媒置換をした後に、例えば、20〜80℃で5〜24時間乾燥させることにより、キセロゲルとしてのモノリス構造を有するシリコーン多孔質体が得られる。また、このようにして得られるモノリス状ゲルを炭酸ガス等により超臨界乾燥させることにより、エアロゲルとしてのモノリス構造を有するシリコーン多孔質体とすることもできる。
なお、本実施形態の多孔質体の製造方法は、目的とするモノリス構造を有する多孔質体を得られる限り、材料の種類やそれらを添加する順番、反応条件等は適宜調整することができ、上記実施形態に限定されない。
界面活性剤としては、例えば、塩化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAC)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)等を用いることができる。
酸触媒としては、例えば、酢酸、シュウ酸、ギ酸等を用いることができる。
塩基触媒としては、例えば、尿素、アンモニア水等を用いることができる。
また、二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシランに加えて、必要に応じて、2つ以上のケイ素原子を含むアルコキシシラン類及び四官能のアルコキシシランを用いてもよい。
本実施形態の製造方法は、前記シリコーン多孔質体形成工程に続き、第2の工程として、上記第1の工程により得られたシリコーン多孔質体に対して、その熱分解開始温度未満の温度で加熱処理(アニール処理)を行う工程を含むことが好ましい。当該加熱処理(アニール処理)を行うことにより、シリコーン多孔質体を構成するシリコーン骨格における未反応部の割合を制御することができる。なお、加熱処理(アニール処理)は、例えば、シリコーン多孔質体を所定の温度に加熱された加熱炉中にて所定時間保持することにより行うことができる。
加熱処理(アニール処理)の加熱温度は、多孔質体の熱分解開始温度未満の温度であればよく、使用する出発原料(二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシラン等)の種類や加熱時間等を考慮して適宜設定することができるが、好ましくは320℃以下であり、より好ましくは300℃以下である。
一方、加熱処理(アニール処理)における加熱温度の下限は特に限定されないが、例えば100℃以上であり、好ましくは150℃以上である。また、多孔質体が所望の耐熱クッション回復性を有するためには、その多孔質体が高温での圧縮下で使用される際の温度以上の温度で加熱処理(アニール処理)を施すことが好ましい。
また、加熱処理(アニール処理)における加熱時間は、使用する出発原料(二官能のアルコキシシラン及び三官能のアルコキシシラン等)の種類や加熱温度等を考慮して適宜設定することができ、特に限定されないが、例えば8時間以上であり、好ましくは12時間以上であり、より好ましくは18時間以上である。また、加熱時間は、例えば120時間以下であり、好ましくは100時間以下であり、より好ましくは80時間以下であり、さらに好ましくは70時間以下であり、よりさらに好ましくは60時間以下ある。ただし、高温且つ長時間の加熱処理(アニール処理)を施すと、シリコーン多孔質体が劣化し、所望の柔軟性や耐熱クッション回復性を発揮できなくなるおそれがある。一方、低温且つ短時間の加熱処理(アニール処理)では、シリコーン骨格における未反応部の割合を十分に制御できないおそれがある。したがって、加熱処理(アニール処理)を行うにあたっては、これらを考慮した上で、適切な条件を選択して行うことが好ましい。
本実施形態の製造方法は、前記シリコーン多孔質体形成工程の後又は前記加熱処理(アニール処理)を行う工程の後、高分子被覆物をシリコーン多孔質体に被覆する工程(被覆工程)を含んでもよい。高分子被覆物をシリコーン多孔質体に被覆する方法としては、例えば、高分子材料を含む溶液にシリコーン多孔質体を浸漬した後、引き上げる方法(以下、ディップコート法ともいう)が挙げられる。また、ディップコート法以外にも、リバースコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スピンコート法、エクストルージョンコート法等の各種ウェットコーティング法を用いることもできる。なお、ウェットコーティングによりシリコーン多孔質体表面に高分子材料を含む溶液の塗膜を形成した後には、溶媒を自然乾燥、加熱乾燥等により適宜除去して高分子被覆物を形成すればよい。乾燥を行う際の条件は、例えば、20〜250℃で2〜24時間である。
高分子材料を含む溶液の溶媒としては、高分子材料の種類等を考慮して適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエチレン(別名:二塩化アセチレン)、1,1,2,2−テトラクロルエタン(別名:四塩化アセチレン)、トリクロルエチレン、二硫化炭素、アセトン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソペンチルアルコール(別名:イソアミルアルコール)、ベンジルアルコール、フェノール、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル(別名:セロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名:セロソルブアセテート)、エチレングリコールモノ−ノルマル−ブチルエーテル(別名:ブチルセロソルブ)、エチレングリコールモノメチルエーテル(別名:メチルセロソルブ)、オルト−ジクロルベンゼン、キシレン、クレゾール、クロロベンゼン、ジメチルスルホキシド、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソペンチル(別名:酢酸イソアミル)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ノルマル−ブチル、酢酸ノルマル−プロピル、酢酸ノルマル−ペンチル(別名酢酸ノルマル−アミル)、酢酸メチル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、1,4−ジオキサン、ジクロルメタン(別名:二塩化メチレン)、N,N−ジメチルホルムアミド、スチレン、テトラクロルエチレン(別名:パークロルエチレン)、テトラヒドロフラン、1,1,1−トリクロルエタン、トルエン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、1−ブタノール、2−ブタノール、メタノール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノン、メチル−ノルマル−ブチルケトン、ガソリン、コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)、グリセリン、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレビン油等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜選択して用いることもできる。
高分子材料を含む溶液中の高分子材料の濃度は、使用する高分子材料や溶媒の種類等によって適宜調整することができ、特に限定されるものではないが、高分子被覆物の被覆により被覆多孔質体の引張強度を向上させる効果を良好に発揮させる観点から、0.1質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。一方、被覆多孔質体が優れた柔軟性を有するためは、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
また、高分子材料を含む溶液は、高分子材料及び溶媒以外の物質を含んでいてもよく、例えば、高分子被覆物とシリコーン多孔質体のシリコーン骨格との密着性を向上させるために、有機バインダーを含んでいてもよい。
また、高分子被覆物をシリコーン多孔質体に被覆する方法としては、上記のディップコート法等の各種ウェットコーティング法以外にも、高分子材料を揮発させた状態とし、シリコーン多孔質体に蒸着させる方法や、シリコーン多孔質体となるゲルに粉末状の高分子材料を混合し、加熱溶融させてから固化させる方法等も使用可能である。なお、高分子被覆物をシリコーン多孔質体の表面の全部に均一に被覆するためには、ディップコート法、高分子材料を揮発させた状態としシリコーン多孔質体に蒸着させる方法等が好ましい。
本実施形態の製造方法は、被覆工程の後、シリコーン多孔質体の表面に被覆された高分子被覆物を硬化させる工程(硬化工程)を含んでもよい。シリコーン多孔質体の表面に被覆された高分子被覆物は、必要に応じて硬化される。高分子被覆物の硬化は、例えば、加熱や、紫外線や電子線等の光の照射等により行われる。また、必要に応じて、高分子材料に触媒や架橋剤等を添加してもよい。
[反射材]
本実施形態の反射材は、本実施形態の多孔質体を含む。本実施形態の反射材は、可視光領域だけでなく、紫外光に対しても、高い反射率を有する。したがって、本実施形態の反射材は、例えば、航空、宇宙、自動車、原子力施設、船舶、水処理、住宅、建築、医療、電子材料、農業、等の分野における反射材、紫外領域のリフレクター等として有用に用いられる。また、本実施形態の反射材は、反射材以外の用途を含んでもよく、この場合には、例えば、航空、宇宙、自動車、原子力施設、船舶、水処理、住宅、建築、医療、電子材料、農業、等の分野における光触媒材料、植物栽培用材料、細胞培養用材料、再生医療用材料、液体捕集材料、水捕集材料、エネルギー変換材料、熱応答性材料、光応答性材料、pH応答性材料、刺激応答性材料、センサー、自己修復性材料、ホログラム用材料、放射線遮蔽材料、断熱材料、吸音材料、分離材料用担体、触媒等の担持用担体、防汚性材料、貯蔵用材料、ウイルス、細菌等の除去、分離、または吸着材料、吸血材料、撥血材料、熱、光、放射線に対する防護材料、止血材料としての用途にも有用に用いることができる。
本実施形態の反射材は、本実施形態の多孔質体の少なくとも一部を被覆する高分子材料を含むことが好ましい。上記高分子材料は、シート状の形態を有することが好ましい。シート状の形態を有する高分子材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフィルムが挙げられる。フィルムの厚さとしては、特に制限されず、例えば、0.01mm〜10.0mmであってもよい。
本実施形態の反射材が上記高分子材料を含む場合、反射材は、シート状の形態を有する高分子材料を筒状の形成し、形成した筒状の高分子材料の表面に多孔質体を巻きつける形態であってもよい。この場合、形成した筒状は、円筒状であってもよく、蛇腹の筒状であってもよい。
以下、本発明につき、実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
(実施例1)
5mMの酢酸水溶液150mLに、界面活性剤としての塩化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム10gと尿素50gを添加し、ガラス容器中で撹拌混合した。
次いで、前駆体としてのメチルトリメトキシシラン30mLとジメチルジメトキシシラン20mLを加え、60分間スターラーで撹拌した。撹拌後に、この溶液を密封容器に移し、80℃で24時間加熱することにより、尿素を加水分解して塩基性条件下としつつ、加水分解した前駆体をゾル−ゲル反応により重縮合させ、ウェットゲルを得た。得られたウェットゲルを水/イソプロピルアルコール(1:1)溶液に含浸させ、その後、イソプロピルアルコールにて洗浄することにより未反応試薬や界面活性剤を除去し、モノリス状ゲルを得た。得られたモノリス状ゲルを、ノルマルヘキサンに含浸させ溶媒置換した後に、60℃で24時間乾燥させることにより、キセロゲルとしてのモノリス構造を有するシリコーン多孔質体を得た。
さらに、得られたシリコーン多孔質体に対して、温度250℃の加熱炉中で48時間アニール処理を行って、実施例1のシリコーン多孔質体を作製した。
さらに、得られたシリコーン多孔質体を直径φ3.5cm、厚さ1cm及び0.5cmにカットしてサンプルを作製し、265nmの波長の光に対する反射率を測定した。反射率を表1に示す。
また、図2に示すように、得られたシリコーン多孔質体と、後述する比較例1のシリコーン多孔質体(図2中では、「PPA」と表記。)について、200℃で30時間加熱した後に、350nm以上の波長の光に対する反射率を測定した。その結果、比較例1のシリコーン多孔質体では、加熱すると、反射率が大きく低下したのに対し、実施例1のシリコーン多孔質体では、加熱しても反射率が維持された。
これらの結果から、実施例1のシリコーン多孔質体は、可視光領域だけでなく、紫外光に対しても、高い反射率を有し、反射材として優れていた。
(実施例2)
アニール処理を温度150℃の加熱炉中で50時間行ったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のシリコーン多孔質体を作製した。さらに、実施例1と同様にして実施例2のシリコーン多孔質体の反射率を測定した。
(実施例3)
アニール処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のシリコーン多孔質体を作製した。さらに、実施例1と同様にして実施例3のシリコーン多孔質体の反射率を測定した。
(実施例4)
0.2mm厚のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(アズワン製)を円筒状(直径2cm、高さ5cm)とし、当該円筒状フィルムに実施例1の方法で得られた多孔質体を巻いて得られた反射材の反射率を測定した。本実施形態の多孔質体は反射材として、シート状の高分子材料と組み合わせて用いることができた。PTFEフィルムと実施例1の多孔質体とから得られた反射材の作製手順を図3に示した。
(比較例1)
実施例1のシリコーン多孔体の代わりに市販白色LED用リフレクターのアモデル(登録商標)を用い、実施例1と同様にして比較例1のアモデルの反射率を測定した。反射率を表2に示す。
(比較例2)
実施例1のシリコーン多孔体の代わりに市販シリコーン多孔材料(メーカー:アズワン株式会社、商品名:シリコンスポンジ、品番1−9674−05)を用い、実施例1と同様にして比較例2の市販シリコーン多孔材料の反射率を測定した。反射率を表2に示す。
(比較例3)
実施例1のシリコーン多孔体の代わりに市販シリコーン多孔材料(メーカー:アズワン株式会社、商品名:シートSi−300−白、品番3−2298−04)を用い、実施例1と同様にして比較例3の市販シリコーン多孔材料の反射率を測定した。反射率を表2に示す。
(比較例4)
実施例1のシリコーン多孔体の代わりに市販シリコーン多孔材料(メーカー:アズワン株式会社、商品名:シリコンシートRA、品番5−3030−04)を用い、実施例1と同様にして比較例4の市販シリコーン多孔材料の反射率を測定した。反射率を表2に示す。
(比較例5)
実施例1のシリコーン多孔体の代わりに市販シリコーン多孔材料(メーカー:アズワン株式会社、商品名:発砲シリコンシートSSP6.0s、品番1−9873−03)を用い、実施例1と同様にして比較例5の市販シリコーン多孔材料の反射率を測定した。反射率を表2に示す。
(比較例6)
実施例1のシリコーン多孔体の代わりに市販シリコーン多孔材料(メーカー:アズワン株式会社、商品名:発砲シリコンシートSSP4.0s、品番1−9873−02)を用い、実施例1と同様にして比較例6の市販シリコーン多孔材料の反射率を測定した。反射率を表2に示す。
(比較例7)
実施例1のシリコーン多孔体の代わりに市販シリコーン多孔材料(メーカー:アズワン株式会社、商品名:発砲シリコンシートSSP4.0s、品番1−9873−02)を用い、実施例1と同様にして比較例7の市販シリコーン多孔材料の反射率を測定した。反射率を表2に示す。
[サンプル密度の測定]
反射率の測定に用いたサンプルの重量及び体積から各シリコーン多孔質体の密度を測定した。
[反射率の測定]
反射率は、直径3.5cm、厚さ1cmまたは5mmの試験サンプルを用意し、265nmの標準試料(スペクトラロンSRS99−02)に対する反射率を分光光度計UV−4100(日立製)を用いて測定した。
[水への接触角の測定]
協和界面科学製接触角計にて、水の接触角を測定した。
[熱分解開始温度の測定]
熱重量−示差熱分析(TG−DTA)は、差動型示差熱天秤(リガク製、ThermoPlusTG8120)を用いて、エアーを100mL/分で常時供給しながら昇温速度5℃/分で実施した。
[固体29Si−NMR解析]
実施例1〜3のシリコーン多孔質体を固体29Si−NMRにより解析した。
これら固体29Si−NMRスペクトルを解析することにより、構造単位D1、D2、T2及びT3に対応するピーク面積から、実施例1〜3のシリコーン多孔質体のシリコーン骨格における構造単位D1、D2、T2及びT3の割合(mol%)をそれぞれ算出した。結果を表3に示す。
[(耐熱)クッション回復性)]
以下の方法により、(耐熱)クッション回復性を評価した。
まず、実施例1〜3の各シリコーン多孔質体について、縦10mm×横10mm×厚み10mm(T0)の試験サンプルを用意した。
次に、当該試験サンプルを、−68℃、80℃、150℃あるいは250℃のいずれかの試験温度下において、圧縮試験機により圧縮後の試験サンプルの厚みが圧縮前の50%(5mm、T0/2)となるまで圧縮し、当該試験温度下で22時間放置した。
その後、常温(23℃)で2時間放置後、圧力を開放し、1分経過後試験サンプルの厚み(T1、単位mm)を測定し、圧縮残留歪み(50%圧縮永久歪み)を下記式に基づいて計算した。
圧縮残留歪み(50%圧縮永久歪み)(%)=(T0−T1)/T0×100
(T0:試験前の厚み(mm)、T1:試験後の厚み(mm))
実施例1〜3についての、−68℃、80℃、150℃及び250℃の試験温度における50%圧縮永久歪み(%)を表4に示す。

Claims (18)

  1. 三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有し、
    前記シリコーン骨格が、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む重合体で構成されており、
    反射材に用いられる、
    多孔質体。
  2. 1aが、炭素数1〜5のアルキル基である、
    請求項1に記載の多孔質体。
  3. 前記シロキサン単位Aの前記重合体に占める割合が、10質量%以上である、
    請求項1又は2に記載の多孔質体。
  4. 前記重合体が、((R2a)2SiO2/2)で表されるシロキサン単位B(式中、R2aは、それぞれ独立して、1価の基を表す。)を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の多孔質体。
  5. 2aが、炭素数1〜5のアルキル基である、
    請求項4に記載の多孔質体。
  6. 265nmの光に対する反射率が、80%以上である、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の多孔質体。
  7. 0.01〜0.30g/cm3の密度を有する、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の多孔質体。
  8. 前記重合体が、三官能アルコキシシランを少なくとも重合させることにより形成される重合体であり、
    前記シロキサン単位Aが、前記三官能アルコキシシランに由来する単位である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の多孔質体。
  9. 前記重合体が、前記三官能アルコキシシランと、二官能アルコキシシランと、を少なくとも共重合させることにより形成される重合体であり、
    前記シロキサン単位Bが、前記二官能アルコキシシランに由来する単位である、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の多孔質体。
  10. 前記二官能アルコキシシランが、下記式(1)により表される化合物であり、
    前記三官能アルコキシシランが、下記式(2)により表される化合物である、
    請求項9に記載の多孔質体。
    (式(1)中、アルコキシ基(−OR1)は、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
    2は、それぞれ独立して、置換又は非置換の炭素数1〜5のアルキル基である。)
    (式(2)中、アルコキシ基(−OR3)としては、それぞれ独立して、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
    4は、置換又は非置換の炭素数1〜5のアルキル基である。)
  11. 一軸圧縮試験において80%圧縮した後、圧力を開放して10秒以内の形状回復率が、90%以上である、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の多孔質体。
  12. 試験温度150℃における50%圧縮永久歪みが、5%以下である、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の多孔質体。
  13. 試験温度250℃における50%圧縮永久歪みが、10%以下である、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の多孔質体。
  14. 前記シリコーン骨格における未反応部の割合が、10mol%以下である、
    請求項1〜13のいずれか1項に記載の多孔質体。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の多孔質体を含む、反射材。
  16. 前記多孔質体の少なくとも一部を被覆する高分子材料を含む、
    請求項15に記載の反射材。
  17. 前記高分子材料が、シート状の形態を有する、
    請求項16に記載の反射材。
  18. 三次元網目状の形状を有するシリコーン骨格を含有し、前記シリコーン骨格が、(R1aSiO3/2)で表されるシロキサン単位A(式中、R1aは、1価の基を表す。)を含む多孔質体を用いて反射率を向上させる方法。
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