JP2020185626A - 砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムとこれを備えた研削盤 - Google Patents
砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムとこれを備えた研削盤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020185626A JP2020185626A JP2019090625A JP2019090625A JP2020185626A JP 2020185626 A JP2020185626 A JP 2020185626A JP 2019090625 A JP2019090625 A JP 2019090625A JP 2019090625 A JP2019090625 A JP 2019090625A JP 2020185626 A JP2020185626 A JP 2020185626A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grindstone
- cross
- measurement system
- shape data
- surface shape
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
- Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)
- Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
Abstract
【課題】砥石表面の砥粒分布を早く正確に知ることができるようにする測定システムを提供する。【解決手段】砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムであって、回転可能に支持される砥石と、前記砥石を回転させる駆動装置73と、砥石表面のある取得範囲における三次元の表面形状データを得る測定装置71と、表面形状データを得る取得範囲が前回の取得範囲と重なり合うように前記砥石を回転させるよう前記駆動装置73を制御する制御装置80と、表面形状データを処理する処理手段83を備え、前記処理手段83は、各取得範囲の表面形状データから特徴抽出用の断面画像を作成し、重なり合う断面画像の重複部分からそれぞれ形状的特徴を抽出し、前記形状的特徴に基づき前記表面形状データを連結して連結表面形状データを作成する。【選択図】図4
Description
本発明は砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムとこれを備えた研削盤に関するものである。
回転する砥石を用いて工作物の研削加工を行う研削盤では、砥石表面に含まれる多数の砥粒の切刃で工作物の表面を切削し、その結果として工作物を研削する。したがって、工作物の加工結果は砥石表面の砥粒や切刃の分布状態に依存する。本願では、研削された工作物の表面粗さに寄与する切刃を特に「作用切刃」と呼ぶ。砥石の表面形状を基に研削後の工作物の表面粗さを推定する理論式はいくつか知られているが、その式には作用切刃に関するいくつかのパラメータが含まれるため、これらをできる限り正確に知ることが重要である。
従来、工作物や砥石の表面の何らかの情報を知るための装置はいくつか知られている。例えば、特開2018−151353号公報に開示されている装置では、工作機械に取り付けられた工作物の表面高さをレーザーの反射強度に基づいて測定している。しかし、砥石表面の状態を直接知ることはできない。特開2002−192463号公報に開示されている装置では、研削中に回転する砥石の表面に液体を流下し、その液体の動圧の値から間接的に砥石の径を測定している。しかし、測定中は砥石が高速で回転しているため、砥石表面の平均的な状態は把握できても高さの分布を知ることはできない。特開平04−118506号公報に開示されている装置では、砥石を液体に浸漬し、液面を順次低下させながら液面上に露出した砥粒の輪郭を撮影している。しかし、液面を順次変化させるのに時間が掛かるため、広い範囲の測定には適さない。したがって、砥石表面の砥粒分布を早く正確に知ることができるようにすることが望まれる。
本発明のひとつの態様は、砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムであって、回転可能に支持される砥石と、前記砥石を回転させる駆動装置と、砥石表面のある取得範囲における三次元の表面形状データを得る測定装置と、表面形状データを得る取得範囲が前回の取得範囲と重なり合うように前記砥石を回転させるよう前記駆動装置を制御する制御装置と、表面形状データを処理する処理手段を備え、前記処理手段は、各取得範囲の表面形状データから特徴抽出用の断面画像を作成し、重なり合う断面画像の重複部分からそれぞれ形状的特徴を抽出し、前記形状的特徴に基づき前記表面形状データを連結して連結表面形状データを作成する。
実施形態によっては、前記特徴抽出用の断面画像は、砥石の最外周面よりも深い面で切った砥粒の断面を表す画像である。
実施形態によっては、前記特徴抽出用の断面画像は、砥粒の周方向断面を表す画像である。
実施形態によっては、前記処理手段が連結表面形状データから砥粒分布評価用の連結断面画像を作成する。
実施形態によっては、前記特徴抽出用の断面画像は、前記砥石の最外周面から第一の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記砥粒分布評価用の連結断面画像は、前記砥石の最外周面から第二の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記第一の深さは前記第二の深さよりも大きい。
実施形態によっては、前記処理手段が各取得範囲の表面形状データから前記特徴抽出用の断面画像とは別に砥粒分布評価用の断面画像を作成し、前記特徴抽出用の断面画像から抽出された形状的特徴に基づき砥粒分布評価用の断面画像を連結して連結断面画像を作成する。
実施形態によっては、前記特徴抽出用の断面画像は、砥石の最外周面から第一の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記砥粒分布評価用の断面画像は、砥石の最外周面から第二の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記第一の深さは前記第二の深さよりも大きい。
実施形態によっては、前記砥石が複数の砥石セグメントを有し、前記砥石セグメントが接着層を介して接着されており、前記処理手段が前記連結表面形状データから前記接着層に対応する表面形状データを除去する。
実施形態によっては、前記処理手段が前記連結表面形状データに基づいて作用切刃間隔、作用切刃面積、作用切刃頂角の3つのパラメータのうち少なくとも一つを算出する。
実施形態によっては、前記処理手段が各取得範囲における前記砥石表面の平均高さを算出し、前記パラメータを算出する際に前記連結表面形状データから前記平均高さのピークを構成する異常値に対応する取得範囲の表面形状データを除外する。
実施形態によっては、前記測定装置が白色干渉計である。
本発明の別の態様は、前記測定システムを備えた研削盤であって、非加工時に前記測定システムで砥石表面の表面形状データを得ることができるよう構成される。
上記の構成によれば、砥石表面の砥粒分布を早く正確に知ることができるという効果が得られる。
以下、本発明の各種実施形態について図面を参照しながら説明する。
[研削盤]
図1〜図3は、本発明の一つの実施形態として、砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムを組み込むことのできる研削盤2を示している。研削盤2は、軸線31J周りに回転する主軸31によって工作物を回転させ、この主軸31の軸線31Jと平行な別の軸線55J周りに回転する砥石55をその工作物に当てることによって工作物を研削する。砥石55の軸線55Jは図2に示すように主軸31の軸線31Jと同一の水平面上にあるようにしてもよい。基本構造として、研削盤2はベッド10を備え、ベッド10には砥石を支持する砥石台50が設置される。そして、ベッド10にはテーブル20が設置され、テーブル20には工作物を保持するための主軸台30と心押台40が固定される。
図1〜図3は、本発明の一つの実施形態として、砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムを組み込むことのできる研削盤2を示している。研削盤2は、軸線31J周りに回転する主軸31によって工作物を回転させ、この主軸31の軸線31Jと平行な別の軸線55J周りに回転する砥石55をその工作物に当てることによって工作物を研削する。砥石55の軸線55Jは図2に示すように主軸31の軸線31Jと同一の水平面上にあるようにしてもよい。基本構造として、研削盤2はベッド10を備え、ベッド10には砥石を支持する砥石台50が設置される。そして、ベッド10にはテーブル20が設置され、テーブル20には工作物を保持するための主軸台30と心押台40が固定される。
[砥石台]
ベッド10には主軸31の軸線31Jと直交する方向に延びる案内面15、15Vが設けられ、砥石台50はこの案内面15、15Vに案内されて往復移動することが可能である。砥石台50には砥石台駆動用のモータ50Mが取り付けられる。このモータ50Mは、ボールねじ50B(図2)を介して砥石台50を移動させる。図2に示すように、砥石台50はスリット15K(図1)に通されたアーム50Aを介してボールねじ50Bのナット50Nと連結される。これにより、モータ50Mがボールねじ50Bのねじ軸を回転させるとナット50Nがねじ軸に沿って移動し、ナット50Nと連結された砥石台50が案内面15、15Vに沿って移動する。砥石台50には砥石軸54が軸線55J周りに回転可能に支持され、この砥石軸54に砥石55が固定される。砥石台50には砥石駆動用のモータ55Mが取り付けられる。このモータ55Mは動力伝達用のベルト53を介して砥石軸54と砥石55を回転させる。砥石駆動用のモータ55Mと砥石軸54の他方の端にはそれぞれプーリ51、52が取り付けられ、ベルト53はこのプーリ51、52に掛けられる。
ベッド10には主軸31の軸線31Jと直交する方向に延びる案内面15、15Vが設けられ、砥石台50はこの案内面15、15Vに案内されて往復移動することが可能である。砥石台50には砥石台駆動用のモータ50Mが取り付けられる。このモータ50Mは、ボールねじ50B(図2)を介して砥石台50を移動させる。図2に示すように、砥石台50はスリット15K(図1)に通されたアーム50Aを介してボールねじ50Bのナット50Nと連結される。これにより、モータ50Mがボールねじ50Bのねじ軸を回転させるとナット50Nがねじ軸に沿って移動し、ナット50Nと連結された砥石台50が案内面15、15Vに沿って移動する。砥石台50には砥石軸54が軸線55J周りに回転可能に支持され、この砥石軸54に砥石55が固定される。砥石台50には砥石駆動用のモータ55Mが取り付けられる。このモータ55Mは動力伝達用のベルト53を介して砥石軸54と砥石55を回転させる。砥石駆動用のモータ55Mと砥石軸54の他方の端にはそれぞれプーリ51、52が取り付けられ、ベルト53はこのプーリ51、52に掛けられる。
[テーブル、主軸台、心押台]
ベッド10にはテーブル20が主軸31の軸線31Jと平行な方向に往復移動できるように設置される。ベッド10にはテーブル駆動用のモータ20Mが取り付けられる。このモータ20Mはボールねじなど適当な機構を介してテーブル20を移動させる。テーブル20上の一方の端には主軸台30が固定され、他方の端には心押台40が固定される。主軸台30は工作物の一方の端に押し当てられるセンタ32を備える。一方で、心押台40は主軸台30に向かって付勢したラム41でセンタ42を工作物の端に押し当て、これによって工作物Wを二つのセンタ32、42の間に挟持する。主軸台30は軸線31J周りに回転する主軸31を備える。主軸台30には主軸駆動用のモータ31Mが取り付けられる。このモータ31Mは主軸31を回転させる。工作物Wは駆動金具33で主軸31に連結されて主軸31と一体で軸線31J周りに回転させられる。取り付けられた工作物Wは、センタ32、42に挟持された状態で、主軸31と駆動金具33によって軸線31J周りに回転させられる。
ベッド10にはテーブル20が主軸31の軸線31Jと平行な方向に往復移動できるように設置される。ベッド10にはテーブル駆動用のモータ20Mが取り付けられる。このモータ20Mはボールねじなど適当な機構を介してテーブル20を移動させる。テーブル20上の一方の端には主軸台30が固定され、他方の端には心押台40が固定される。主軸台30は工作物の一方の端に押し当てられるセンタ32を備える。一方で、心押台40は主軸台30に向かって付勢したラム41でセンタ42を工作物の端に押し当て、これによって工作物Wを二つのセンタ32、42の間に挟持する。主軸台30は軸線31J周りに回転する主軸31を備える。主軸台30には主軸駆動用のモータ31Mが取り付けられる。このモータ31Mは主軸31を回転させる。工作物Wは駆動金具33で主軸31に連結されて主軸31と一体で軸線31J周りに回転させられる。取り付けられた工作物Wは、センタ32、42に挟持された状態で、主軸31と駆動金具33によって軸線31J周りに回転させられる。
[砥石]
砥石55は円柱状ないし円盤状の外形を有し、砥石軸54に同軸に取り付けられる。砥石55の直径は通常100mm〜500mmである。図5に示すように、砥石55は多数の砥粒60を含む。砥粒60は結合剤61で互いに結合されて支持される。砥粒60や結合剤61の間には、切り屑の逃げ場を提供するための気孔(図示無し)を有する。砥粒60の種類には、超砥粒と呼ばれるダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホウ素)や、一般砥粒と呼ばれるアルミナ、炭化ケイ素などがある。砥粒60の粒径は様々であり、例えば200μm程度である。砥石は、多数の砥粒60の切刃が砥石の回転につれて工作物の表面に次々と切り込むことにより工作物を研削する。したがって、研削された工作物の表面粗さは砥石55の表面形状に依存する。ここで、加工後の工作物の表面粗さに寄与する切刃を以降「作用切刃」と呼ぶ。理論的な評価を目的とする場合には、例えば、砥石55の最外周面から内側に5μmの範囲内に頂点(最高点)を有する切刃を作用切刃と定義することもできる。なお、一つの砥粒60が複数の作用切刃を有することもある。
砥石55は円柱状ないし円盤状の外形を有し、砥石軸54に同軸に取り付けられる。砥石55の直径は通常100mm〜500mmである。図5に示すように、砥石55は多数の砥粒60を含む。砥粒60は結合剤61で互いに結合されて支持される。砥粒60や結合剤61の間には、切り屑の逃げ場を提供するための気孔(図示無し)を有する。砥粒60の種類には、超砥粒と呼ばれるダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホウ素)や、一般砥粒と呼ばれるアルミナ、炭化ケイ素などがある。砥粒60の粒径は様々であり、例えば200μm程度である。砥石は、多数の砥粒60の切刃が砥石の回転につれて工作物の表面に次々と切り込むことにより工作物を研削する。したがって、研削された工作物の表面粗さは砥石55の表面形状に依存する。ここで、加工後の工作物の表面粗さに寄与する切刃を以降「作用切刃」と呼ぶ。理論的な評価を目的とする場合には、例えば、砥石55の最外周面から内側に5μmの範囲内に頂点(最高点)を有する切刃を作用切刃と定義することもできる。なお、一つの砥粒60が複数の作用切刃を有することもある。
図6に示すように、砥石55は、例えば、金属製の基材56の表面に複数の円弧状の砥石セグメント57を周方向に並べて張り付けたものである。基材と砥石セグメント57や隣り合う砥石セグメント57は接着剤で接合される。隣り合う砥石セグメント57の間の接着層58の幅は例えば500μm程度である。しかし、他の実施形態として、基材に電着で砥粒を固定した電着砥石を用いることも可能である。
[測定ユニット]
図3には、研削盤2上で非加工時に砥石55の表面形状を測定するための測定ユニット70を示している。測定ユニット70は研削盤2から取り外し可能とすることができる。この場合、使用時にはベッド10からテーブル20を取り外し、代わりに測定ユニット70をベッド10に設置する。あるいは別の実施形態として、ベッド10の上でテーブル20と干渉しないような位置に測定ユニット70を固定し、研削盤2の一部とすることにより、テーブル20を取り外さなくても測定を行えるようにすることも可能である。測定ユニット70には、必要に応じて、ベース75に対する後述の白色干渉計71やローラー72の水平位置や高さ位置を調節するための調節機構(図示無し)を設けることもできる。この測定ユニット70に、少なくとも、測定対象である砥石55と、測定ユニット70で得られた表面形状データを処理するPCとを組み合わせることにより、砥石55の表面形状を測定するための測定システムが構成される。
図3には、研削盤2上で非加工時に砥石55の表面形状を測定するための測定ユニット70を示している。測定ユニット70は研削盤2から取り外し可能とすることができる。この場合、使用時にはベッド10からテーブル20を取り外し、代わりに測定ユニット70をベッド10に設置する。あるいは別の実施形態として、ベッド10の上でテーブル20と干渉しないような位置に測定ユニット70を固定し、研削盤2の一部とすることにより、テーブル20を取り外さなくても測定を行えるようにすることも可能である。測定ユニット70には、必要に応じて、ベース75に対する後述の白色干渉計71やローラー72の水平位置や高さ位置を調節するための調節機構(図示無し)を設けることもできる。この測定ユニット70に、少なくとも、測定対象である砥石55と、測定ユニット70で得られた表面形状データを処理するPCとを組み合わせることにより、砥石55の表面形状を測定するための測定システムが構成される。
[測定装置]
図3に示すように、測定ユニット70は白色干渉計71などの測定装置を含む。測定装置としては、例えば、白色干渉計、単色干渉計などの光干渉計を用いることができるが、他の実施形態として、光干渉計に代えて、レーザー顕微鏡、CCDカメラなど、ある取得範囲における三次元の表面形状データを取得することのできる任意の適切な測定装置を用いることもできる。光干渉計は、測定対象の表面で反射した光と光源から直接来た光の干渉を測定することにより、一定の大きさの撮像範囲(取得範囲)において測定対象の表面までの距離(あるいは表面の高さ)を高速で測定する。光の干渉に基づいて距離を測定する光干渉計は三次元の表面形状データを得るために高さ方向に走査する必要がないため、測定時間の短縮に有利である。白色干渉計71は、例えば、1mm四方の正方形を成す撮像範囲の表面形状を例えば約0.5秒で測定する。検出精度はx、y方向(光軸71Jに直交し互いに直交する二方向)に約4μm、z方向(光軸71Jの方向)に約100nmである。白色干渉計71は、光軸71Jが砥石55の軸線55Jを通りかつ砥石55の表面に垂直となるように位置決めされる。具体的には、白色干渉計71のz方向を砥石55の径方向(表面の高さ方向)に合わせ、x、y方向の一方を砥石55の周方向(撮像範囲の送り方向)に、他方を砥石55の軸方向に合わせる。撮像範囲、撮像時間、検出精度は用いる測定装置により異なる。白色干渉計71は各撮像ごとに測定した表面のx、y、z座標からなる数値リストを出力する。白色干渉計71は、内部の記憶装置や、SDカード等の取り外し可能な記憶媒体に測定結果を保存する。
図3に示すように、測定ユニット70は白色干渉計71などの測定装置を含む。測定装置としては、例えば、白色干渉計、単色干渉計などの光干渉計を用いることができるが、他の実施形態として、光干渉計に代えて、レーザー顕微鏡、CCDカメラなど、ある取得範囲における三次元の表面形状データを取得することのできる任意の適切な測定装置を用いることもできる。光干渉計は、測定対象の表面で反射した光と光源から直接来た光の干渉を測定することにより、一定の大きさの撮像範囲(取得範囲)において測定対象の表面までの距離(あるいは表面の高さ)を高速で測定する。光の干渉に基づいて距離を測定する光干渉計は三次元の表面形状データを得るために高さ方向に走査する必要がないため、測定時間の短縮に有利である。白色干渉計71は、例えば、1mm四方の正方形を成す撮像範囲の表面形状を例えば約0.5秒で測定する。検出精度はx、y方向(光軸71Jに直交し互いに直交する二方向)に約4μm、z方向(光軸71Jの方向)に約100nmである。白色干渉計71は、光軸71Jが砥石55の軸線55Jを通りかつ砥石55の表面に垂直となるように位置決めされる。具体的には、白色干渉計71のz方向を砥石55の径方向(表面の高さ方向)に合わせ、x、y方向の一方を砥石55の周方向(撮像範囲の送り方向)に、他方を砥石55の軸方向に合わせる。撮像範囲、撮像時間、検出精度は用いる測定装置により異なる。白色干渉計71は各撮像ごとに測定した表面のx、y、z座標からなる数値リストを出力する。白色干渉計71は、内部の記憶装置や、SDカード等の取り外し可能な記憶媒体に測定結果を保存する。
[砥石の駆動装置]
砥石55にローラー72を当て、ローラー72にステッピングモータ73の出力軸74を接続し、ローラー72との摩擦により砥石55を回転させる。砥石55を回転させる際には、砥石台50の動力伝達用のベルト53を外すなどして砥石55を回転させやすくすることもできる。ローラー72は例えば芯の表面にウレタン層を張り付けたものとする。ステッピングモータ73とローラー72の間には減速装置を設け、ステッピングモータ73によって発生する回転を減速装置で例えば100分の1に減速し、砥石の送り精度を高めることもできる。ステッピングモータ73は、制御装置からの信号に基づいてローラー72を所定の角度ずつ回転させることによって砥石表面を送り、少しずれた範囲を測定できるようにする。図5には、n番目、n+1番目、n+2番目の撮像範囲の例を示している。砥石表面の送り量はローラー72の径と回転角度から計算できるから、回転角度はこの送り量が目標に近い値となるように設定することができる。目標とする送り量は、撮像範囲が1mm四方の正方形である場合、例えば0.5mmとすることができる。なお、他の実施形態として、ローラー72を用いず、砥石軸54をステッピングモータ73で直接駆動することも可能である。
砥石55にローラー72を当て、ローラー72にステッピングモータ73の出力軸74を接続し、ローラー72との摩擦により砥石55を回転させる。砥石55を回転させる際には、砥石台50の動力伝達用のベルト53を外すなどして砥石55を回転させやすくすることもできる。ローラー72は例えば芯の表面にウレタン層を張り付けたものとする。ステッピングモータ73とローラー72の間には減速装置を設け、ステッピングモータ73によって発生する回転を減速装置で例えば100分の1に減速し、砥石の送り精度を高めることもできる。ステッピングモータ73は、制御装置からの信号に基づいてローラー72を所定の角度ずつ回転させることによって砥石表面を送り、少しずれた範囲を測定できるようにする。図5には、n番目、n+1番目、n+2番目の撮像範囲の例を示している。砥石表面の送り量はローラー72の径と回転角度から計算できるから、回転角度はこの送り量が目標に近い値となるように設定することができる。目標とする送り量は、撮像範囲が1mm四方の正方形である場合、例えば0.5mmとすることができる。なお、他の実施形態として、ローラー72を用いず、砥石軸54をステッピングモータ73で直接駆動することも可能である。
[表面形状の測定範囲]
砥石55の周方向に関する測定範囲は、一周、半周など、必要な分だけ測定することができる。砥石55の軸線55J方向に関する砥粒の分布が局所的に不均一であると疑われる場合には、白色干渉計71を軸線55J方向にずらして複数回測定を行うことも可能である。
砥石55の周方向に関する測定範囲は、一周、半周など、必要な分だけ測定することができる。砥石55の軸線55J方向に関する砥粒の分布が局所的に不均一であると疑われる場合には、白色干渉計71を軸線55J方向にずらして複数回測定を行うことも可能である。
[制御装置]
図4に示すように、測定システムは白色干渉計71による測定作業を制御する制御装置80を含む。制御装置80には、作業者が測定の開始と停止を行うためのスイッチ81を設ける。制御装置80は、以下のような制御を行うようプログラムされる。スイッチ81が入ると、制御装置80は白色干渉計71に測定実行の信号を送る。白色干渉計71から測定完了の信号を受け取ると、制御装置80はモータドライバ82に対しステッピングモータ73の出力軸74(図3)を所定の角度だけ回転させるよう駆動信号を送る。あるいは、測定完了の信号を用いる代わりに、一回の撮像時間より長い所定の時間が経過したときに制御装置80が駆動信号を送るようにしても良い。モータドライバ82から運転完了の信号を受け取ると、制御装置80は白色干渉計71に測定実行の信号を送る。スイッチ81が切られるまでこれを繰り返すことにより、白色干渉計71は砥石表面の周方向の複数の撮像範囲の表面形状データを蓄積する。
図4に示すように、測定システムは白色干渉計71による測定作業を制御する制御装置80を含む。制御装置80には、作業者が測定の開始と停止を行うためのスイッチ81を設ける。制御装置80は、以下のような制御を行うようプログラムされる。スイッチ81が入ると、制御装置80は白色干渉計71に測定実行の信号を送る。白色干渉計71から測定完了の信号を受け取ると、制御装置80はモータドライバ82に対しステッピングモータ73の出力軸74(図3)を所定の角度だけ回転させるよう駆動信号を送る。あるいは、測定完了の信号を用いる代わりに、一回の撮像時間より長い所定の時間が経過したときに制御装置80が駆動信号を送るようにしても良い。モータドライバ82から運転完了の信号を受け取ると、制御装置80は白色干渉計71に測定実行の信号を送る。スイッチ81が切られるまでこれを繰り返すことにより、白色干渉計71は砥石表面の周方向の複数の撮像範囲の表面形状データを蓄積する。
[表面形状データの処理]
上記の測定ユニット70で得られた表面形状データは、例えばPCなどのコンピュータ83で、以下で説明するように処理する。白色干渉計71が保存した表面形状データは、ケーブルなどの通信手段を介して、あるいは取り外し可能な記憶媒体を介してコンピュータ83に取り込む。
上記の測定ユニット70で得られた表面形状データは、例えばPCなどのコンピュータ83で、以下で説明するように処理する。白色干渉計71が保存した表面形状データは、ケーブルなどの通信手段を介して、あるいは取り外し可能な記憶媒体を介してコンピュータ83に取り込む。
[最外周面の決定]
まず、作用切刃の基準となる砥石の最外周面を決定する。全ての表面形状データをもとに砥石表面の最高点を求め、この最高点の高さを通る面(図5のA面)を砥石の最外周面とする。なお、この最外周面は砥石全体で見れば砥石の軸線55Jを中心とする円筒面であるが、狭い範囲では図に示したように平面とみなすことができる。
まず、作用切刃の基準となる砥石の最外周面を決定する。全ての表面形状データをもとに砥石表面の最高点を求め、この最高点の高さを通る面(図5のA面)を砥石の最外周面とする。なお、この最外周面は砥石全体で見れば砥石の軸線55Jを中心とする円筒面であるが、狭い範囲では図に示したように平面とみなすことができる。
[特徴の抽出]
次に、決定した砥石55の最外周面から所定の深さd1の面(図5のC面)で砥石55を周方向に切った特徴抽出用の断面画像を作成する。この深さd1は例えば20μmとすることができる。特徴抽出用の断面画像は例えば砥粒60(や結合剤61)の断面を画素ごとに二値で表現した二値画像である。図7の下段には特徴抽出用の断面画像の例を示しており、砥粒60の断面を斜線ハッチで表している。次に、この断面画像の中からエッジやコーナーなどの形状的な特徴点を抽出する。図7の下段に示した断面画像では、特徴点を黒丸で表している。特徴点の抽出には、例えば、断面画像の各点(画素)ごとにその箇所での形状的特徴を表す特徴量を用いることができる。このような特徴量としては、例えば、エッジ特徴量が知られている。特徴点の抽出は、例えば、特徴量から得られる形状的特徴の強度値がある閾値よりも大きい点を特徴点であると判断することにより行うことができる。画像の中からエッジやコーナーなどの形状的な特徴点を抽出するための具体的な方法は、公知の方法を用いることができる。特徴抽出用の断面画像を取得する上記の深さd1は後述の砥粒分布評価で用いる深さd2よりも大きな値とすることができる。最外周面付近では砥粒の断面が小さいため断面形状の特徴部の数が少ないが、最外周面から深くなると砥粒の断面が大きくなり特徴部の数が多くなるため、最外周面付近と比較して特徴部の抽出に適している。
次に、決定した砥石55の最外周面から所定の深さd1の面(図5のC面)で砥石55を周方向に切った特徴抽出用の断面画像を作成する。この深さd1は例えば20μmとすることができる。特徴抽出用の断面画像は例えば砥粒60(や結合剤61)の断面を画素ごとに二値で表現した二値画像である。図7の下段には特徴抽出用の断面画像の例を示しており、砥粒60の断面を斜線ハッチで表している。次に、この断面画像の中からエッジやコーナーなどの形状的な特徴点を抽出する。図7の下段に示した断面画像では、特徴点を黒丸で表している。特徴点の抽出には、例えば、断面画像の各点(画素)ごとにその箇所での形状的特徴を表す特徴量を用いることができる。このような特徴量としては、例えば、エッジ特徴量が知られている。特徴点の抽出は、例えば、特徴量から得られる形状的特徴の強度値がある閾値よりも大きい点を特徴点であると判断することにより行うことができる。画像の中からエッジやコーナーなどの形状的な特徴点を抽出するための具体的な方法は、公知の方法を用いることができる。特徴抽出用の断面画像を取得する上記の深さd1は後述の砥粒分布評価で用いる深さd2よりも大きな値とすることができる。最外周面付近では砥粒の断面が小さいため断面形状の特徴部の数が少ないが、最外周面から深くなると砥粒の断面が大きくなり特徴部の数が多くなるため、最外周面付近と比較して特徴部の抽出に適している。
[表面形状データの連結]
ステッピングモータ73を用いても、一回の送り量にはローラー72と砥石55の間の摩擦に起因する誤差が生じうる。このため、連続する二回の撮像間に砥石表面が送られた量、つまり撮像範囲が移動した距離を推定する。まず、連続する二つの断面画像から抽出された特徴点を用い、形状的特徴が一致するかどうかを検索する。図7の下段は、連続する二つ(n番目とn+1番目)の断面画像を示している。例えば、一方の断面画像にある各特徴点に対し、他方の断面画像に閾値の範囲で一致する特徴量があるかどうかを判断する。二つの断面画像に特徴量が一致する点があれば、それらの点を対応付ける。図7の下段に示した断面画像では、対応付けた三組の特徴点を線で結んでいる。対応付けられた各組の点についてその間の距離を求め、この距離の平均値を算出することにより、撮像範囲の移動距離の推定値とする。
ステッピングモータ73を用いても、一回の送り量にはローラー72と砥石55の間の摩擦に起因する誤差が生じうる。このため、連続する二回の撮像間に砥石表面が送られた量、つまり撮像範囲が移動した距離を推定する。まず、連続する二つの断面画像から抽出された特徴点を用い、形状的特徴が一致するかどうかを検索する。図7の下段は、連続する二つ(n番目とn+1番目)の断面画像を示している。例えば、一方の断面画像にある各特徴点に対し、他方の断面画像に閾値の範囲で一致する特徴量があるかどうかを判断する。二つの断面画像に特徴量が一致する点があれば、それらの点を対応付ける。図7の下段に示した断面画像では、対応付けた三組の特徴点を線で結んでいる。対応付けられた各組の点についてその間の距離を求め、この距離の平均値を算出することにより、撮像範囲の移動距離の推定値とする。
特徴点の対応付けの際には、設定した送り量に基づき、送りの誤差を考慮しても二つの断面画像が確実に重なっていると考えられる範囲にある特徴点のみを用いることもできる。なお、送り量は、表面形状データを連結するための情報が十分多く得られるように設定することもできる。例えば、連続する二つの撮像範囲の間で形状的特徴が一致する点の組の数が十分多くなるように送り量を設定することができる。この必要な点の組の数は、例えば20〜30組とする。
次に、算出した移動距離に基づいて各撮像範囲の表面形状データを連結して連結表面形状データを得る。このとき、撮像範囲の重複部分では、例えば、いずれか一方の表面形状データを採用したり、二つの表面形状データ(z座標)の平均値を採用したりすることができる。
[撮像回数の決定]
砥石55は使用するにつれて摩耗し、直径が少しずつ減少するため、一周を測定するために必要な撮像回数も変化する。しかしながら、大まかな直径に基づき、確実に一周を超えるような撮像回数を設定することは可能である。一周を超える測定を行った場合、最初の撮像範囲との間で平均高さの一致が見られれば元の位置に戻ったと判断できる。一回の撮像に要する時間が分かっていれば、撮像回数の代わりに測定時間を決定するようにしても良い。決定された撮像回数や測定時間を達成したら自動的に測定を終了するように測定ユニット70の制御装置80をプログラムしても良いし、決定された測定時間が経過したら作業者が手動で制御装置80のスイッチ81を切っても良い。
砥石55は使用するにつれて摩耗し、直径が少しずつ減少するため、一周を測定するために必要な撮像回数も変化する。しかしながら、大まかな直径に基づき、確実に一周を超えるような撮像回数を設定することは可能である。一周を超える測定を行った場合、最初の撮像範囲との間で平均高さの一致が見られれば元の位置に戻ったと判断できる。一回の撮像に要する時間が分かっていれば、撮像回数の代わりに測定時間を決定するようにしても良い。決定された撮像回数や測定時間を達成したら自動的に測定を終了するように測定ユニット70の制御装置80をプログラムしても良いし、決定された測定時間が経過したら作業者が手動で制御装置80のスイッチ81を切っても良い。
[砥粒分布の評価]
得られた連結表面形状データから砥石の表面粗さを推定するためのパラメータを評価する。パラメータには、例えば、作用切刃間隔、作用切刃面積、作用切刃頂角がある。作用切刃は前述の通り加工後の工作物の表面粗さに寄与する切刃であるが、これは例えば砥石の最外周面から所定の深さまでの範囲に頂点(最高点)を有する切刃として定義できる。図5では概略的に砥粒60の先端を黒く塗りつぶして作用切刃62を表している。このため、砥石の最外周面から所定の深さd2の面(図5のB面)で切った断面を二値で表現した砥粒分布評価用の断面画像を作成する。この深さd2は例えば5μmとすることができる。図7の上段には、連続する二つ(n番目とn+1番目)の砥粒分布評価用の断面画像の例を示している。作用切刃はこの断面画像において点状領域となって現れる。前述の特徴抽出により算出した移動距離に基づいて各撮像範囲の砥粒分布評価用の断面画像を連結して、測定範囲全体にわたる砥粒の断面を二値で表現した連結断面画像を得る。あるいは、既に得られている連結表面形状データをもとに同様の連結断面画像を作成してもよい。前述の特徴抽出用の断面画像で用いた深さd1はこの砥粒分布評価用の断面画像で用いる深さd2よりも大きくする。上でも述べた通り、このように深い所で特徴抽出用の断面画像を取得することにより砥粒60の断面が大きくなるとともに断面形状がより特徴的なものとなり、画像の連結がしやすくなる。作用切刃間隔は、例えば、砥粒分布評価用の断面画像に現れた点状領域の間隔dの平均値と定義できる。平均間隔を求める際に用いる点状領域の組は、例えば、間隔dが所定の上限値以下となる組に制限したり、特定の位置関係にある組に制限したりすることができる。また、間隔dは例えば点状領域の中心間の距離とすることができる。作用切刃面積は、例えば、砥粒分布評価用の断面画像に現れた点状領域の断面積Sの平均値、あるいは断面積Sの合計を全面積で割った割合として定義できる。作用切刃頂角は、例えば、作用切刃の最高点を通る何らかの方向の垂直面で切った断面で切刃が成す角度θ(図5)の平均値として定義できる。砥粒分布評価用の断面画像は、上述のようにコンピュータ83でパラメータを算出するために用いるほか、人間が目視で感覚的に分布の粗密を評価するために利用しても良い。
得られた連結表面形状データから砥石の表面粗さを推定するためのパラメータを評価する。パラメータには、例えば、作用切刃間隔、作用切刃面積、作用切刃頂角がある。作用切刃は前述の通り加工後の工作物の表面粗さに寄与する切刃であるが、これは例えば砥石の最外周面から所定の深さまでの範囲に頂点(最高点)を有する切刃として定義できる。図5では概略的に砥粒60の先端を黒く塗りつぶして作用切刃62を表している。このため、砥石の最外周面から所定の深さd2の面(図5のB面)で切った断面を二値で表現した砥粒分布評価用の断面画像を作成する。この深さd2は例えば5μmとすることができる。図7の上段には、連続する二つ(n番目とn+1番目)の砥粒分布評価用の断面画像の例を示している。作用切刃はこの断面画像において点状領域となって現れる。前述の特徴抽出により算出した移動距離に基づいて各撮像範囲の砥粒分布評価用の断面画像を連結して、測定範囲全体にわたる砥粒の断面を二値で表現した連結断面画像を得る。あるいは、既に得られている連結表面形状データをもとに同様の連結断面画像を作成してもよい。前述の特徴抽出用の断面画像で用いた深さd1はこの砥粒分布評価用の断面画像で用いる深さd2よりも大きくする。上でも述べた通り、このように深い所で特徴抽出用の断面画像を取得することにより砥粒60の断面が大きくなるとともに断面形状がより特徴的なものとなり、画像の連結がしやすくなる。作用切刃間隔は、例えば、砥粒分布評価用の断面画像に現れた点状領域の間隔dの平均値と定義できる。平均間隔を求める際に用いる点状領域の組は、例えば、間隔dが所定の上限値以下となる組に制限したり、特定の位置関係にある組に制限したりすることができる。また、間隔dは例えば点状領域の中心間の距離とすることができる。作用切刃面積は、例えば、砥粒分布評価用の断面画像に現れた点状領域の断面積Sの平均値、あるいは断面積Sの合計を全面積で割った割合として定義できる。作用切刃頂角は、例えば、作用切刃の最高点を通る何らかの方向の垂直面で切った断面で切刃が成す角度θ(図5)の平均値として定義できる。砥粒分布評価用の断面画像は、上述のようにコンピュータ83でパラメータを算出するために用いるほか、人間が目視で感覚的に分布の粗密を評価するために利用しても良い。
砥石の表面粗さを推定する理論式には作用切刃間隔、作用切刃面積、作用切刃頂角の少なくとも一つが含まれることが多い。したがって、実際の作用切刃間隔、作用切刃面積、作用切刃頂角が具体的に判明すれば、加工前に事前に工作物にもたらされる表面粗さの結果を知ることができる。例えば、使用すると不良品が生じることが分かっている砥石は、事前にドレッシングして修正することができる。逆に、まだ使える砥石をドレッシングしてしまうことによる手間やコストを抑えることができる。
[ノイズ除去]
得られる表面形状データには砥石表面に存在する砥粒以外の物質に起因するノイズが含まれることがある。これは例えば砥石セグメント57の間に接着層58が存在する場合である。このような場合、より正確なパラメータを得るにはパラメータを評価する前に表面形状データからノイズを除去する必要がある。このためには、まず撮像範囲ごとに砥石表面の平均高さを求める。図8は撮像範囲ごとの平均高さhの推移を表すグラフを示す。図5に示すように、砥石表面に露出する砥粒60の間には気孔に起因する凹み63が一定の割合で存在するが、接着層58には凹みがないため、接着層58を含む撮像範囲での平均高さは通常よりも大きい異常値となり、グラフでは図8に示すようにピークとなって現れる。したがって、適切なピーク検出アルゴリズムを用いてピークに掛かる撮像範囲、つまりピークを構成する異常値に対応する撮像範囲を特定し、作用切刃のパラメータを算出する際にはその撮像範囲の表面形状データを除外する。
得られる表面形状データには砥石表面に存在する砥粒以外の物質に起因するノイズが含まれることがある。これは例えば砥石セグメント57の間に接着層58が存在する場合である。このような場合、より正確なパラメータを得るにはパラメータを評価する前に表面形状データからノイズを除去する必要がある。このためには、まず撮像範囲ごとに砥石表面の平均高さを求める。図8は撮像範囲ごとの平均高さhの推移を表すグラフを示す。図5に示すように、砥石表面に露出する砥粒60の間には気孔に起因する凹み63が一定の割合で存在するが、接着層58には凹みがないため、接着層58を含む撮像範囲での平均高さは通常よりも大きい異常値となり、グラフでは図8に示すようにピークとなって現れる。したがって、適切なピーク検出アルゴリズムを用いてピークに掛かる撮像範囲、つまりピークを構成する異常値に対応する撮像範囲を特定し、作用切刃のパラメータを算出する際にはその撮像範囲の表面形状データを除外する。
[測定頻度]
砥石の表面形状を測定する頻度は、砥石に用いられている砥粒の種類によって変わる。例えば、ダイヤモンドやCBNなど超砥粒と呼ばれる硬度が非常に大きい砥粒の場合は、表面状態の変化が遅いため、測定の頻度を比較的少なくすることができる。
砥石の表面形状を測定する頻度は、砥石に用いられている砥粒の種類によって変わる。例えば、ダイヤモンドやCBNなど超砥粒と呼ばれる硬度が非常に大きい砥粒の場合は、表面状態の変化が遅いため、測定の頻度を比較的少なくすることができる。
[利点]
以上に説明した測定システムを用いると、砥石を用いて研削加工を継続するに伴う砥石表面の砥粒分布状態や砥粒密度の変化が測定できる。これにより、研削加工結果の推定や適切な切れ味管理(ドレス条件の最適化)が可能となり、工作物の品質の見える化、安定化が実現する。また、研削機上で簡便に砥石全周の表面高さを測定できるため、工場での研削加工に関する不具合やトラブルの解決手段として活用できる。
以上に説明した測定システムを用いると、砥石を用いて研削加工を継続するに伴う砥石表面の砥粒分布状態や砥粒密度の変化が測定できる。これにより、研削加工結果の推定や適切な切れ味管理(ドレス条件の最適化)が可能となり、工作物の品質の見える化、安定化が実現する。また、研削機上で簡便に砥石全周の表面高さを測定できるため、工場での研削加工に関する不具合やトラブルの解決手段として活用できる。
以上、本発明を具体的な実施形態で説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば本発明の目的を逸脱することなく様々な置換、改良、変更を施すことが可能である。
2 研削盤
10 ベッド
20 テーブル
50 砥石台
54 砥石軸
55J 軸線
55 砥石
56 基材
57 砥石セグメント
58 接着層
60 砥粒
61 結合剤
62 作用切刃
70 測定ユニット
71J 光軸
71 白色干渉計
72 ローラー
73 ステッピングモータ
80 制御装置
81 スイッチ
W 工作物
10 ベッド
20 テーブル
50 砥石台
54 砥石軸
55J 軸線
55 砥石
56 基材
57 砥石セグメント
58 接着層
60 砥粒
61 結合剤
62 作用切刃
70 測定ユニット
71J 光軸
71 白色干渉計
72 ローラー
73 ステッピングモータ
80 制御装置
81 スイッチ
W 工作物
Claims (12)
- 砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムであって、
回転可能に支持される砥石と、
前記砥石を回転させる駆動装置と、
砥石表面のある取得範囲における三次元の表面形状データを得る測定装置と、
表面形状データを得る取得範囲が前回の取得範囲と重なり合うように前記砥石を回転させるよう前記駆動装置を制御する制御装置と、
表面形状データを処理する処理手段を備え、
前記処理手段は、各取得範囲の表面形状データから特徴抽出用の断面画像を作成し、重なり合う断面画像の重複部分からそれぞれ形状的特徴を抽出し、前記形状的特徴に基づき前記表面形状データを連結して連結表面形状データを作成する、測定システム。 - 請求項1の測定システムであって、前記特徴抽出用の断面画像は、前記砥石の最外周面よりも深い面で切った砥粒の断面を表す画像である、測定システム。
- 請求項1または2の測定システムであって、前記特徴抽出用の断面画像は、砥粒の周方向断面を表す画像である、測定システム。
- 請求項1から3のいずれかの測定システムであって、前記処理手段が連結表面形状データから砥粒分布評価用の連結断面画像を作成する、測定システム。
- 請求項4の測定システムであって、前記特徴抽出用の断面画像は、前記砥石の最外周面から第一の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記砥粒分布評価用の連結断面画像は、前記砥石の最外周面から第二の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記第一の深さは前記第二の深さよりも大きい、測定システム。
- 請求項1から3のいずれかの測定システムであって、前記処理手段が各取得範囲の表面形状データから前記特徴抽出用の断面画像とは別に砥粒分布評価用の断面画像を作成し、前記特徴抽出用の断面画像から抽出された形状的特徴に基づき砥粒分布評価用の断面画像を連結して連結断面画像を作成する、測定システム。
- 請求項6の測定システムであって、前記特徴抽出用の断面画像は、前記砥石の最外周面から第一の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記砥粒分布評価用の断面画像は、前記砥石の最外周面から第二の深さにある面で切った砥粒の断面を表す画像であり、前記第一の深さは前記第二の深さよりも大きい、測定システム。
- 請求項1から7のいずれかの測定システムであって、前記砥石が複数の砥石セグメントを有し、前記砥石セグメントが接着層を介して接着されており、前記処理手段が前記連結表面形状データから前記接着層に対応する表面形状データを除去する、測定システム。
- 請求項1から8のいずれかの測定システムであって、前記処理手段が前記連結表面形状データに基づいて作用切刃間隔、作用切刃面積、作用切刃頂角の3つのパラメータのうち少なくとも一つを算出する、測定システム。
- 請求項9の測定システムであって、前記処理手段が各取得範囲における前記砥石表面の平均高さを算出し、前記パラメータを算出する際に前記連結表面形状データから前記平均高さのピークを構成する異常値に対応する取得範囲の表面形状データを除外する、測定システム。
- 請求項1から10のいずれかの測定システムであって、
前記測定装置が白色干渉計である、測定システム。 - 請求項1から11のいずれかの測定システムを備えた研削盤であって、非加工時に前記測定システムで前記砥石表面の表面形状データを得ることができるよう構成された、研削盤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019090625A JP2020185626A (ja) | 2019-05-13 | 2019-05-13 | 砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムとこれを備えた研削盤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019090625A JP2020185626A (ja) | 2019-05-13 | 2019-05-13 | 砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムとこれを備えた研削盤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020185626A true JP2020185626A (ja) | 2020-11-19 |
Family
ID=73222600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019090625A Pending JP2020185626A (ja) | 2019-05-13 | 2019-05-13 | 砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムとこれを備えた研削盤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020185626A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112021005843T5 (de) | 2020-11-06 | 2023-08-17 | Denso Corporation | Verfahren zum Herstellen eines Mehrachsen-Trägheitskraftsensors |
-
2019
- 2019-05-13 JP JP2019090625A patent/JP2020185626A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112021005843T5 (de) | 2020-11-06 | 2023-08-17 | Denso Corporation | Verfahren zum Herstellen eines Mehrachsen-Trägheitskraftsensors |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6337125B2 (ja) | ロール研削装置およびロールを研削する方法 | |
CN107529334B (zh) | 通过去除材料加工刀具的方法和装置 | |
JP6068772B2 (ja) | 複数の砥粒を備えた回転工具の加工方法及び装置 | |
CN104029126B (zh) | 用于确认修整工具的构形偏离的方法及相应装备的磨削机 | |
JP2022525521A (ja) | 連続創成研削中の自動プロセス監視のための方法 | |
CN106944929B (zh) | 工件研磨方法和研磨垫的修整方法 | |
US7869896B2 (en) | Tangential grinding resistance measuring method and apparatus, and applications thereof to grinding condition decision and wheel life judgment | |
JP6159549B2 (ja) | ワークの外周加工装置 | |
JP7355128B2 (ja) | 被研削材の表面状態判定方法、被研削材の表面状態判定装置、研削装置、被研削材の研削方法及び金属材の製造方法 | |
US6147764A (en) | Optical interference profiler having shadow compensation | |
TW201642999A (zh) | 薄板狀工件的製造方法以及雙頭平面磨削裝置 | |
JP7068096B2 (ja) | 被加工物の研削方法 | |
JP2020185626A (ja) | 砥石表面の砥粒分布を測定するための測定システムとこれを備えた研削盤 | |
JP2003522033A (ja) | 研削盤 | |
McDonald et al. | Design and validation of a grinding wheel optical scanner system to repeatedly measure and characterize wheel surface topography | |
JPH1177532A (ja) | 圧延ロールの研削装置 | |
Young et al. | Online dressing of profile grinding wheels | |
JP5402546B2 (ja) | 筒状ワークの研削方法 | |
JP2011212782A (ja) | 砥石のドレッサの径管理方法 | |
US11897075B2 (en) | Knife edge location sensor | |
CN104772664A (zh) | 一种用于pcd/cbn刀具的磨削装置 | |
JP7207349B2 (ja) | 研削装置及び方法 | |
JP7103277B2 (ja) | シリコン単結晶インゴットの研削方法 | |
JP2023105763A (ja) | 研削砥石の作用砥粒判定装置および方法 | |
Pilny et al. | Validation of in-line surface characterization by light scattering in Robot Assisted Polishing |