JP7103277B2 - シリコン単結晶インゴットの研削方法 - Google Patents

シリコン単結晶インゴットの研削方法 Download PDF

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本発明は、シリコン単結晶インゴットのオリエンテーションフラット研削又はノッチ研削を行う研削方法に関する。
シリコン単結晶インゴットの円筒研削は、一般的に図7に示すような円筒研削機を用いて行われる。主軸102、副軸103によって結晶を軸方向に挟み込む支持ユニット104、105と、シリコン単結晶インゴット101の軸方向に沿って移動しつつシリコン単結晶インゴットの外周をトラバース研削する研削ユニット106とを有する円筒研削機100において、近年、結晶の大口径化、高重量化に伴い、研削時において研削ユニット106やシリコン単結晶インゴット101を挟持する支持ユニット104、105のたわみ量が増大している。また、シリコン単結晶インゴットの一部有転位化などにより端部(コーン部、テール部)を有さないインゴットも同一設備で加工することが多くなってきている(例えば、特許文献1、2)。
このため、支持ユニット104、105に挟持されるシリコン単結晶インゴット101に対して、回転駆動をシリコン単結晶インゴット101に伝達し軸周りに回転させるとともに、このシリコン単結晶インゴット101の、例えば、凹凸した外周面に研削ユニット106内の砥石を高速回転させながら接触させトラバース研削する円筒研削工程において研削面の不良、目標研削直径に対する直径不良が生じることがある。その後、X線回折ピーク検出工程を経て、規定の結晶面方位にOF(オリエンテーションフラット)、あるいはノッチの研削が行われるが、その研削精度不良が生じることがある。
特開2009-279721号公報 特開平11-207505号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シリコン単結晶インゴットが大口径、高重量結晶であって、研削面の不良、直径不良が生じた場合、特には、シリコン単結晶インゴットが偏芯している場合、テーパー状になっている場合でも、高い研削精度でOF(オリエンテーションフラット)、及びノッチの研削をすることができる研削方法を提供することを目的とする。
上記目的を解決するために、本発明は、シリコン単結晶インゴットを円筒研削後、トラバース研削により前記シリコン単結晶インゴットにオリエンテーションフラット研削又はノッチ研削を行う研削方法であって、
予め設定された前記トラバース研削に用いる砥石の基準位置と前記シリコン単結晶インゴット外周部との研削前の距離を、前記シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端で測定し、
該両端で測定した研削前の距離の差が所定の値を超えた場合に、前記トラバース研削の深さが目標深さになるように、前記砥石を前記シリコン単結晶インゴットの半径方向に移動させてトラバース研削し、
前記両端で測定した研削前の距離の差が所定の値以下の場合には、前記トラバース研削の深さが目標深さになるように、前記砥石を前記シリコン単結晶インゴットの半径方向に固定させてトラバース研削することを特徴とするシリコン単結晶インゴットの研削方法を提供する。
このようなシリコン単結晶インゴットの研削方法であれば、シリコン単結晶インゴットが偏芯している場合、テーパー状になっている場合でも、OF(オリエンテーションフラット)研削、ノッチ研削の均一な研削実深さを得ることができる。
このとき、前記両端で測定した研削前の距離の差が所定の値以下の場合に、前記トラバース研削において前記砥石を固定する位置を、前記両端で測定した研削前の距離の平均値から決定することが好ましい。
このような研削方法であれば、上記測定した研削前の距離の差が所定の値以下の場合に、トラバース研削の深さをより確実に目標深さになるようにすることができる。
本発明のシリコン単結晶インゴットの研削方法であれば、シリコン単結晶インゴットが偏芯している場合、テーパー状になっている場合でも、OF(オリエンテーションフラット)研削、ノッチ研削の研削実深さを均一にすることができる。
本発明のOF、ノッチ研削加工工程のフロー図である。 (a)本発明のノッチ研削前の偏芯がないシリコン単結晶インゴットの砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部との距離測定を示す断面図である。(b)本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値以下の場合におけるノッチ砥石算出移動量を示す断面図である。(c)本発明のノッチ研削後の偏芯がないシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さ測定を示す断面図である。 (a)本発明のノッチ研削前の偏芯があるシリコン単結晶インゴットの砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部との距離測定を示す断面図である。(b)本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値を超えた場合におけるノッチ砥石算出移動量を示す断面図である。(c)本発明のノッチ研削後の偏芯があるシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さ測定を示す断面図である。 (a)本発明のノッチ研削前の偏芯がないシリコン単結晶インゴットの砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部との距離測定を示す側面図である。(b)本発明のノッチ研削前のテーパー状のシリコン単結晶インゴットの砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部との距離測定を示す側面図である。 (a)本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値以下の場合におけるノッチ砥石算出移動量を示す側面図である。(b)本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値を超えた場合におけるノッチ砥石算出移動量を示す側面図である。 (a)本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値以下の場合におけるノッチ研削を示す概略図である。(b)本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値を超えた場合におけるノッチ研削の概略図である。 従来の一般的な円筒研削機を示す図である。 従来のOF、ノッチ研削工程を示すフロー図である。 偏芯がない場合と偏芯がある場合のシリコン単結晶インゴットの断面図である。 テーパー状になっているシリコン単結晶インゴットの側面図である。 円筒研削において支持ユニットを構成する部品に発生するたわみを示す図である。 偏芯がないシリコン単結晶インゴットをノッチ研削する際の従来のノッチ砥石の位置決め方法を説明する図である。 偏芯があるシリコン単結晶インゴットをノッチ研削する際の従来のノッチ砥石の位置決め方法の問題点を説明する図である。 偏芯がないシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さを測定する方法を説明する図である。 偏芯があるシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さを測定する際の問題点を説明する図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図8に従来のOF(オリエンテーションフラット)、ノッチ研削工程のフロー図を示す。一般的なシリコン単結晶の加工は、シリコン単結晶インゴットの円筒研削工程後に、図8のように、OF、ノッチ研削が行われる。
上記のように、近年のシリコン単結晶の大口径化に伴い、OF、ノッチ研削の加工精度ばらつきが改善されない問題が生じていた。
以下、シリコン単結晶インゴットのOF、ノッチ研削の問題を、従来技術のノッチ研削方法を用いる場合を例にして説明するが、ノッチ研削に限られず、OF研削についても同様の問題が存在する。
図8に示すように、円筒研削工程後に装置付帯のX線回折装置により、円筒研削された単結晶インゴットを回転駆動させ、規定の結晶面方位のX線回折ピーク検出を行う(X線回折ピーク検出工程)。検出されたX線回折ピーク検出位置から、規定の位置(角度)にOF研削、又はノッチ研削を行う(OF、ノッチ研削工程)。その後、シリコン単結晶インゴットの仕上げ研削を行う(仕上げ研削工程)。
OF、ノッチ研削を行うシリコン単結晶インゴットは、以下に説明するように、偏芯している場合や、テーパー状になっている場合がある。
図9に、偏芯がない場合と偏芯がある場合のシリコン単結晶インゴットの断面図を示す。図9に示すように、同じ実直径129で円筒研削されても、シリコン単結晶インゴットの中心132がシリコン単結晶インゴットの円筒研削機の回転駆動芯131と一致しない場合が発生する。すなわち、偏芯がないシリコン単結晶インゴット125では、中心132とシリコン単結晶インゴットの円筒研削機の回転駆動芯131とが一致しているが、偏芯があるシリコン単結晶インゴット126では、中心132とインゴットの円筒研削機の回転駆動芯131とが偏芯量130分ずれてしまっている。これは、上記円筒研削工程中又は工程後にシリコン単結晶インゴットの端部(コーン部、及びテール部)が、図7に示す円筒研削機100の支持ユニット104、105内で欠けてしまい位置ずれを生じること、一部有転位化したシリコン単結晶インゴットにおいて、内周刃やバンドソー切断機で有転位化した端部を切断し、可動範囲を設けた端面保持部にて支持した状態で円筒研削した場合、端面保持具と端部切断面の間に設けられた滑り止めの不具合で位置ずれを生じることなどが要因として挙げられる。
また、図10に、テーパー状になっているシリコン単結晶インゴットの側面図を示す。図10に示すように、円筒研削後の(実)直径の軌跡124がテーパー状になり、端部1の実直径150と端部2の実直径151とが異なってしまう場合がある。この要因は、シリコン単結晶インゴットの一部多結晶化などにより端部(コーン部、テール部)が切断された、端部を有さないインゴットも同一設備で加工することに起因している。この場合のシリコン単結晶インゴット端部を挟持する支持ユニットは、テール部を保持できる従来からの固定式構造のテール保持具に加え、切断された端面を保持できるような可動範囲を設けた端面保持部を一体化した支持ユニットとなっている。上記切断された端面を保持できるような可動範囲を設けた端面保持部を一体化した支持ユニットは、一例として特許文献2で公開されている。
上記のように、一部有転位化したシリコン単結晶インゴットは、円筒研削工程前に一般的に内周刃やバンドソー切断機で有転位化した端部が切断されるが、例えば凹凸した外周面を有するシリコン単結晶インゴットを前記切断機の受け台などに載置し切断されるため、中心軸に対して垂直に切断できない場合が発生する。この垂直でない切断面を保持可能となるように、可動範囲を設けた端面保持部が設けられている。図11は、円筒研削機の支持ユニットを構成する部品に発生するたわみを示す図である。上記のような可動範囲を設けた端面保持部でシリコン単結晶インゴットを挟持した状態で、トラバース研削により円筒研削した場合、可動範囲を設けた端面保持部104’、105’と研削ユニット106の砥石108の研削負荷119の影響で、図11に示すように、矢印A、Bのようにトラバース研削中のシリコン単結晶インゴット101がわずかに動き、研削負荷119により位置ずれした回転中心軸138となることで、コーン部研削直径とテール部研削直径に差が発生し、シリコン単結晶インゴットをテーパー状にさせる要因となっている。また、図11にはテール部があるときを例示したが、有転位化などによりテール部を削除した場合は、テール側で垂直でない端面を有することが多く、円筒研削後のインゴットが、テーパー状になる傾向が特に強い。
[従来のノッチ研削方法]
以下で、円筒研削後のシリコン単結晶インゴットのノッチ研削を行う場合を例に、従来のノッチ研削の方法とその問題を説明する。
図12は、偏芯がないシリコン単結晶インゴットをノッチ研削する際の従来のノッチ砥石の位置決め方法を説明する図である。また、図13は、偏芯があるシリコン単結晶インゴットをノッチ研削する際の従来のノッチ砥石の位置決め方法の問題点を説明する図である。
図12に示されるように、偏芯がないシリコン単結晶インゴット125にノッチ研削を行う際に、ノッチ目標深さ135に研削されるようにノッチ砥石133を位置決め制御する。この際、ノッチ研削を行うためにノッチ砥石を移動させるためのノッチ砥石算出移動距離(ノッチ砥石移動量)136は、円筒研削工程にて測定された実直径129、予め設定されたノッチ砥石基準座標134が用いられ、下記式(1)で算出される。実際にはノッチ砥石の摩耗などを考慮した補正量も加味される場合がある。

(ノッチ砥石移動量)=(ノッチ砥石基準座標134)-{(実直径129)/2}
+(ノッチ目標深さ135) ・・・(1)
そして、上記算出されたノッチ砥石移動量に基づいて、ノッチ砥石をシリコン単結晶インゴットの直径方向に位置決め制御させ、シリコン単結晶インゴットの回転駆動をさせず、ノッチ砥石133を高速回転させながら結晶軸方向にノッチ研削を行う。
一方、図13に示されるように、偏芯があるシリコン単結晶インゴット126の場合、さらに円筒研削工程にて測定された実直径129が、上記偏芯がないシリコン単結晶インゴット125と全く同じだとすると、上記式(1)で算出されるノッチ砥石移動量は、偏芯がないシリコン単結晶インゴット125と同様、ノッチ砥石算出移動距離136となってしまい、この値を基にノッチ研削した場合のノッチ実深さは偏芯量130分浅く(少なく)なってしまう。
本来ならば、偏芯があるシリコン単結晶インゴット126のノッチ目標深さ135に対する本来算出すべきノッチ砥石算出移動距離137は、回転駆動芯131とシリコン単結晶インゴットの中心132との差である、偏芯量130を考慮して、下記式(2)で算出されなければならない。すなわち、偏芯がないシリコン単結晶インゴットの外周125’に対する偏芯があるシリコン単結晶インゴット126のずれを考慮する必要がある。

(ノッチ砥石移動量)=(ノッチ砥石基準座標134)-{(実直径129)/2}
+(ノッチ目標深さ135)+(偏芯量130) ・・・(2)
しかしながら、従来、ノッチ砥石算出移動距離を算出する際に、円筒研削工程中、及びその後にシリコン単結晶インゴットの偏芯が発生することを考慮していないため、偏芯量130を測定する手段が備わっていない。そのため、従来のノッチ砥石の位置決め方法では、偏芯があるシリコン単結晶インゴットの場合に、偏芯量130を考慮することができず、ノッチ研削後のノッチ深さを高い精度で制御することができずにいた。また、OF研削についても、上記と同様の理由から、OF研削後のOF幅を高い精度で制御することができずにいた。
[従来のノッチ実深さ測定方法]
また、上記ノッチ研削工程後にノッチ実深さ測定工程を行うが(OF研削を行った場合は、OF実幅測定工程)、ノッチ実深さ測定工程(及びOF実幅測定工程)においても、研削深さの測定精度ばらつきが改善されない問題が生じていた。
図14は、偏芯がないシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さを測定する方法を説明する図である。また、図15は、偏芯があるシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さを測定する際の問題点を説明する図である。
図14に示すように、装置付帯のノッチ深さ測定器139を偏芯がないシリコン単結晶インゴット125の径方向に移動させ、研削されたノッチの谷まで接触させ、測定を行う。上記ノッチ深さ測定器139は、予め、図12に示すノッチ砥石133の位置とシリコン単結晶インゴットの軸方向に対して同一線上の位置に2箇所設置されており、その後のノッチ実深さ141を算出するためにノッチ深さ測定器基準座標140を定めている。このとき、ノッチ実深さは、ノッチ深さ測定器移動座標142、シリコン単結晶インゴットの実直径129を用いて、下記式(3)で算出される。

(ノッチ実深さ141)={(実直径129)/2}
-{(ノッチ深さ測定器基準座標140)
-(ノッチ深さ測定器移動座標142)}
・・・(3)
一方、図15に示されるように、偏芯があるシリコン単結晶インゴット126の場合、さらに円筒研削工程にて測定された実直径129が、上記偏芯がないシリコン単結晶インゴット125と全く同じだとすると、見かけのノッチ実深さ143は、偏芯がないシリコン単結晶インゴット125と同様に、ノッチ深さ測定器基準座標140、ノッチ深さ測定器移動座標144、シリコン単結晶インゴットの実直径129を用いて、下記式(4)で算出されるため、本来のノッチ実深さより偏芯量130分深く(大きく)算出されてしまう。これも上記ノッチ研削方法における問題と同様に、従来、ノッチ実深さ測定、及び算出する際に、円筒研削工程中、及びその後にインゴットの偏芯が発生することを考慮していないため、偏芯量130を測定する手段も備わっていないことが原因である。

(見かけのノッチ実深さ143)={(実直径129)/2}
-{(ノッチ深さ測定器基準座標140)
-(ノッチ深さ測定器移動座標144)}
・・・(4)
以上、偏芯があるシリコン単結晶インゴット126でのノッチ目標深さ135に対するノッチ砥石移動量算出(ノッチ実深さの精度不良)の問題、及びノッチ実深さ測定の問題を記述した。また、OF研削についても、上記と同様の理由から、OF研削の実幅を高い精度で測定できずにいた。
上記の通り、偏芯があるシリコン単結晶インゴット126が発生する原因は、円筒研削工程中又は工程後に、図7のシリコン単結晶インゴットの端部、特にテール側のみが支持ユニット104、105で欠けてしまうことが多いこと、また、一部有転位化したシリコン単結晶インゴットを内周刃やバンドソー切断機で有転位化した端部を切断し、可動範囲を設けた端面保持部にて支持した状態で円筒研削した場合、端面保持具と端部切断面の間に設けられた滑り止めの不具合により、テール側で位置ずれを生じることによることが多い。前者は、円錐形状の単結晶インゴットの端部がテール側の方が細長く(円錐高さが高い)、支持ユニット104、105で支持するテール部直径が小さいこと、後者は有転位した単結晶インゴットの端部を切断するのがテール側に多いことである。
[テーパー状のシリコン単結晶インゴットの従来のノッチ研削方法の問題]
また、円筒研削中や円筒研削前のシリコン単結晶インゴットに偏芯が発生する場合、偏芯があるシリコン単結晶インゴット126の円筒研削工程後の実直径は、図10に示すように、端部1の実直径150、端部2の実直径151、のようになり、実直径の軌跡124はテーパー状になってしまうことが多い。
以下、シリコン単結晶インゴットがテーパー状になった場合に対するノッチ砥石移動量算出(ノッチ実深さ測定)の問題を示すが、分かりやすくするためにテーパー状のシリコン単結晶インゴット126’の中心は回転駆動芯と一致していることを前提とする。
上記のように、図12に示される偏芯がない場合のシリコン単結晶インゴットのノッチ砥石移動量は、下記式(1)で算出される。

(ノッチ砥石移動量)=(ノッチ砥石基準座標134)-{(実直径129)/2}
+(ノッチ目標深さ135) ・・・(1)
従来、シリコン単結晶インゴットがテーパー状である場合も上記式(1)で算出されたノッチ砥石移動量を用いてノッチ研削を行っていた。この場合、実直径129としては、例えば、図10に示される、端部1の実直径150と端部2の実直径151の平均直径129’が用いられる。この算出結果の状態でノッチ研削加工を行った場合、端部1側のノッチ実深さは浅くなり、端部2のノッチ実深さが深くなる。理論的には、端部1では端部1と端部2の実直径の平均直径129’と端部1の実直径150の差の絶対値の半分浅くなり、端部2では端部1と端部2の実直径の平均直径129’と端部2の実直径151の差の絶対値の半分深くなる。実際のノッチ実深さには、この差に上記の偏芯量130や円筒研削工程での直径精度が加味されることもある。
従来、ノッチ砥石算出移動距離を算出する際に、円筒研削工程中にインゴットがテーパー状になってしまうことを考慮していないため、シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端での実直径の差を測定する手段も備わっていない。そのため、従来のノッチ砥石の位置決め方法では、テーパー状のシリコン単結晶インゴットの場合に、シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端での実直径の差を考慮することができず、ノッチ研削を高い精度で行うことができずにいた。
また、ノッチ研削後にノッチ実深さを測定する場合にも、ノッチ研削方法と同様に、従来、シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端での実直径の差を考慮していないため、本来のノッチ実深さを正確に測定できずにいた。
また、OF研削についても、上記と同様の理由から、OF研削、OF研削の実幅測定を高い精度で行うことができずにいた。
本発明では、OF、ノッチ研削工程における、特に、偏芯があるシリコン単結晶インゴット及びテーパー状のシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さ、ノッチ実深さ測定値の問題を解決すべく、OF、ノッチ研削方法、及びOF実幅、ノッチ実深さの測定方法を検討した。そして、シリコン単結晶インゴットの両端において、トラバース研削に用いる砥石とシリコン単結晶インゴットの研削前の距離を測定し、その測定された距離を基にトラバース研削を行えばよいことに想到し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はシリコン単結晶インゴットを円筒研削後、トラバース研削により前記シリコン単結晶インゴットにオリエンテーションフラット研削又はノッチ研削を行う研削方法であって、
予め設定された前記トラバース研削に用いる砥石の基準位置と前記シリコン単結晶インゴット外周部との研削前の距離を、前記シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端で測定し、
該両端で測定した研削前の距離の差が所定の値を超えた場合に、前記トラバース研削の深さが目標深さになるように、前記砥石を前記シリコン単結晶インゴットの半径方向に移動させてトラバース研削し、
前記両端で測定した研削前の距離の差が所定の値以下の場合には、前記トラバース研削の深さが目標深さになるように、前記砥石を前記シリコン単結晶インゴットの半径方向に固定させてトラバース研削することを特徴とするシリコン単結晶インゴットの研削方法である。
本発明のノッチ研削加工工程のフロー図を図1に示す。
以下、図1を参照しながら、本発明のシリコン単結晶インゴットの研削方法を説明する。なお、以下では、シリコン単結晶インゴットにノッチ研削を行う例を示すが、本発明はノッチ研削のみでなく、OF研削を行う場合にも用いることができる。
(円筒表面位置検出)
図2(a)、4(a)に本発明のノッチ研削前の偏芯がないシリコン単結晶インゴットの砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部との距離測定の断面図、及び、その側面図を示す。また、図3(a)、4(b)に本発明のノッチ研削前の偏芯があるシリコン単結晶インゴットの砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部との距離測定の断面図、及び、本発明のノッチ研削前のテーパー状のシリコン単結晶インゴットの砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部との距離測定の側面図を示す。
まず、予め設定されたノッチ研削に用いる砥石の基準位置とシリコン単結晶インゴット外周部とのノッチ研削前の距離を、シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端で測定する。この測定は、例えば、図2(a)のように、装置付帯のノッチ深さ測定器39にて、ノッチ測定器基準座標40に基づくノッチ砥石の基準位置から偏芯がないシリコン単結晶インゴット25の円筒表面位置(外周部)までの距離、端部1、2ノッチ測定器移動座標46a、46bを測定することで行うことができる。具体的には、図4(a)のように端部1ノッチ測定器移動座標46aと端部2ノッチ測定器移動座標46bを測定することができる。
なお、ノッチ測定器基準座標とノッチ砥石基準座標の相対位置関係は予め設定されているが、説明を容易にするため、ノッチ測定器基準座標とノッチ砥石基準座標は等しいものとして説明する。
一方、偏芯があるシリコン単結晶インゴット26、テーパー状のシリコン単結晶インゴット26’の場合でも、同様に、図3(a)、4(b)のように、端部1ノッチ測定器移動座標46aと端部2ノッチ測定器移動座標46bを測定する。ここで、図4(b)から分かるように、この端部1ノッチ測定器移動座標46a、及び端部2ノッチ測定器移動座標46bは、テーパー状のシリコン単結晶インゴットの直径の軌跡が考慮された値となっている。また、図3(a)のように、偏芯がないシリコン単結晶インゴットの外周25’に対して偏芯しているシリコン単結晶インゴット26の中心32の円筒研削装置の回転駆動芯31からのずれである偏芯量も考慮された値となっていることがわかる。
(ノッチ砥石移動量算出)
次に、上記測定したノッチ研削前のシリコン単結晶インゴット両端での距離の差を算出する。そして、算出された距離の差が所定の値(閾値)以下の場合(図1のOF/ノッチ砥石移動量算出(通常))と、上記距離の差が所定の値を超えた場合(図1のOF/ノッチ砥石移動量算出(テーパー、偏芯))とに分けて、ノッチ研削の研削深さが目標深さとなるように、制御するノッチ砥石移動量を算出する。
図2(b)、5(a)は、本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値(閾値)以下の場合におけるノッチ砥石算出移動量を示す断面図、及び、側面図である。また、図3(b)、5(b)は、本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値を超えた場合におけるノッチ砥石算出移動量を示す断面図、及び、側面図である。
端部1ノッチ測定器移動座標46aと端部2ノッチ測定器移動座標46bの差が閾値以下の場合、すなわち、シリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値以下の場合、図1に示すフローのノッチ砥石移動量算出(通常)となり、図2(b)、図5(a)の端部1ノッチ砥石算出移動量47a、及び端部2ノッチ砥石算出移動量47bは下記式(5)、(6)で算出することができる。

(端部1ノッチ砥石算出移動量47a)=(端部1ノッチ測定器移動座標46a)
+(ノッチ目標深さ35) ・・・(5)

(端部2ノッチ砥石算出移動量47b)=(端部2ノッチ測定器移動座標46b)
+(ノッチ目標深さ35) ・・・(6)
そして、次工程のノッチ砥石位置決め、研削においてノッチ砥石が実際に位置決め制御されるノッチ砥石算出移動量47cは、例えば、下記式(7)とすることができる。このようにすれば、研削前の距離の差が所定の値以下の場合に、トラバース研削の深さをより確実に目標深さになるようにすることができる。
なお、実際にはノッチ砥石の摩耗などを考慮した補正量も加味される場合がある。

(ノッチ砥石算出移動量47c)={(端部1ノッチ砥石算出移動量47a)
+(端部2ノッチ砥石算出移動量47b)}/2 ・・・(7)
一方、偏芯があるシリコン単結晶インゴット26では、端部1ノッチ測定器移動座標46aと端部2ノッチ測定器移動座標46bの差が閾値を超え(シリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値を超える場合)、図1に示すフローのノッチ砥石移動量算出(テーパー、偏芯)にて、図3(b)、図5(b)の端部1ノッチ砥石算出移動量47a、及び端部2ノッチ砥石算出移動量47bを下記式(8)、(9)で算出することができる。

(端部1ノッチ砥石算出移動量47a)=(端部1ノッチ測定器移動座標46a)
+(ノッチ目標深さ35) ・・・(8)

(端部2ノッチ砥石算出移動量47b)=(端部2ノッチ測定器移動座標46b)
+(ノッチ目標深さ35) ・・・(9)
そして、次工程のノッチ砥石位置決め、研削において、上記のように算出された端部1ノッチ砥石算出移動量47aと端部2ノッチ砥石算出移動量47bを使用して、端部1から端部2へトラバース研削する際のノッチ砥石移動量を47aから47bに直線的に変化させるように位置決め制御されるテーパーノッチ研削をさせることができる。
上記のように、シリコン単結晶インゴットの円筒表面位置までの距離である、端部1ノッチ測定器移動座標46a、及び端部2ノッチ測定器移動座標46bを測定することにより、仕上げ実直径29や偏芯量30は無視できることがわかり、シンプルな算出方法になる。
(ノッチ砥石位置決め、研削)
上記算出されたノッチ砥石移動量に基づき、ノッチ砥石を位置決め制御し、ノッチ研削を行う。図6(a)、(b)に本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値以下の場合におけるノッチ研削、及び、本発明のシリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値を超えた場合におけるノッチ研削の概略図を示す。
端部1ノッチ測定器移動座標46aと端部2ノッチ測定器移動座標46bの差が閾値以下の場合、すなわち、シリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値以下の場合、ノッチ砥石33を、ノッチ研削の深さが目標深さとなるようにシリコン単結晶インゴットの半径方向に固定させてトラバース研削する。図6(a)に示すように、ノッチ砥石算出移動量47cとして単結晶インゴットの直径方向に固定させて位置決め制御させ、単結晶インゴットの回転駆動をさせず、ノッチ砥石33を高速回転させながら結晶軸方向にトラバース研削を行うことができる。
一方、偏芯があるシリコン単結晶インゴット26では、端部1ノッチ測定器移動座標46aと端部2ノッチ測定器移動座標46bの差が閾値を超えた場合、すなわち、シリコン単結晶インゴット両端での外周部までの距離の差が所定の値を超える場合、ノッチ研削の深さが目標深さとなるようにシリコン単結晶インゴットの半径方向に移動させてトラバース研削する。ノッチ砥石33を、図6(b)の端部1において、端部1ノッチ砥石算出移動量47aとしてシリコン単結晶インゴットの直径方向に位置決め制御させ、シリコン単結晶インゴットの回転駆動をさせず、ノッチ砥石33を高速回転させながら、端部2において、ノッチ砥石33を単結晶インゴットの直径方向に端部2ノッチ砥石算出移動量47bとなるように位置決め制御させると同時に結晶軸方向にトラバース研削を行うことができる。ここで、テーパーノッチ研削は、例えば、結晶軸方向のトラバース研削の距離に比例させてノッチ砥石33の位置を直線的に移動させるように制御することにより行うことができる。
このような本発明の研削方法であれば、円筒研削工程後の仕上げ前実直径の軌跡がテーパー状になった場合でも、シリコン単結晶インゴットが偏芯している場合でも、均一なノッチ実深さが得られる。
(ノッチ実深さ測定)
図2(c)、図3(c)は、それぞれ本発明のノッチ研削後の偏芯がないシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さ測定を示す断面図、本発明のノッチ研削後の偏芯があるシリコン単結晶インゴットのノッチ実深さ測定を示す断面図である。
図2(c)、図3(c)に示すように、ノッチ研削加工後に、円筒表面位置検出と同じように、ノッチ深さ測定器39にてシリコン単結晶インゴットの研削されたノッチの谷までの距離、研削後の端部1ノッチ測定器移動座標48aと研削後の端部2ノッチ測定器移動座標48bを測定する。
ノッチ研削前に測定したシリコン単結晶インゴットの円筒表面位置までの距離である端部1ノッチ測定器移動座標46a、及び端部2ノッチ測定器移動座標46bを用い、端部1ノッチ実深さ49a、及び端部2ノッチ実深さ49bは、下記式(10)、(11)で算出される。

(端部1ノッチ実深さ49a)=(研削後の端部1ノッチ測定器移動座標、48a)
-(端部1ノッチ測定器移動座標46a) ・・・(10)

(端部2ノッチ実深さ49b)=(研削後の端部2ノッチ測定器移動座標、48b)
-(端部1ノッチ測定器移動座標46b) ・・・(11)
以上のような本発明の研削方法を使用すれば、シンプルに且つ、偏芯がないシリコン単結晶インゴット25、及び偏芯があるシリコン単結晶インゴット26、また、テーパー状のシリコン単結晶インゴット26’でも、ノッチ目標深さ35に極めて近いノッチ実深さにノッチ研削可能であり、更にはノッチ実深さも正確に測定することが可能となる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
本発明の効果を確認するために、円筒研削後に従来技術でノッチ砥石を位置決め制御させノッチ研削を行った場合と、本発明技術を使用しノッチ研削を行った場合の、算出したノッチ実深さ、及び測定したノッチ実深さを比較した。
(実施例1、2)
実験に使用したシリコン単結晶インゴットは、偏芯がない場合と偏芯がある場合において、各30本の素材直径310mmから315mmまでのシリコン単結晶インゴットを使用した。円筒研削の目標直径は300mm、ノッチ目標深さ35は1.0mm、図1の本発明のOF、ノッチ研削加工工程のフローのノッチ砥石移動量算出(通常)とノッチ砥石移動量算出(テーパー、偏芯)を選択するための、テール側端部ノッチ測定器移動座標46aとコーン側端部ノッチ測定器移動座標46bの差(シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端で測定された研削前の距離の差)は閾値を0.05mmとした。なお、ノッチ研削において、ノッチ砥石は4000rpmで高速回転させた。また、上記実施例において、ノッチ砥石移動量算出(テーパー、偏芯)を選択した場合は、結晶軸方向のトラバース研削の距離に比例させてノッチ砥石の位置を単結晶インゴットの直径方向に直線的に移動させるように制御することにより研削を行った。
(比較例1、2)
また、比較のために、従来のノッチ研削方法によりノッチ研削を行った。実験に使用したシリコン単結晶インゴットは、偏芯がない場合と偏芯がある場合において、各30本の素材直径310mmから315mmまでのシリコン単結晶インゴットを使用した。円筒研削の目標直径は300mm、ノッチ目標深さ35は1.0mmとして、各シリコン単結晶インゴットの平均直径を基に、ノッチ砥石をシリコン単結晶インゴットの直径方向に位置決め制御した。なお、ノッチ研削において、ノッチ砥石は4000rpmで高速回転させた。
なお、上記実施例、比較例において、円筒研削機に固定された円筒研削後のシリコン単結晶インゴットの直胴部の両端での中心位置を算出し、それらの差が0.05mm以下の場合は、偏芯がないシリコン単結晶インゴットとして用い、0.05mmを超えた場合は、偏芯があるシリコン単結晶インゴットとして用いた。
(偏芯がないシリコン単結晶インゴット)
偏芯がないシリコン単結晶インゴットの実験結果(実施例1、比較例1)を表1に記す。テール側端部ノッチ実深さ、及びコーン側端部ノッチ実深さにおけるノッチ目標深さの規格上限と下限を±0.07mmと設定し、工程能力指数(Cpk)で評価した。また、実施例1と比較例1のノッチ実深さはノギスを使用して測定した。
比較例1と実施例1におけるノッチ研削での工程能力指数(Cpk)を比較すると、テール側端部ノッチ実深さのCpkは比較例1で0.774、実施例1で0.761、コーン側端部ノッチ実深さでは、比較例1で0.834、実施例1で0.879となり、殆ど差がなかった。これは、従来技術でのノッチ実深さの問題が、偏芯がないシリコン単結晶インゴットではなく、前述のように、インゴットの端部の特にテール側のみが支持ユニットで欠けてしまうことが多いこと、また、一部有転位化したシリコン単結晶インゴットを内周刃やバンドソー切断機で有転位化した端部を切断し、可動範囲を設けた端面保持部にて支持した状態で円筒研削した場合、端面保持具と端部切断面の間に設けられた滑り止めの不具合で位置ずれを生じるのはテール側が多いことにより発生する、偏芯があるシリコン単結晶インゴット、及び、テーパー状のシリコン単結晶インゴットにおいて生じるためであることが理由である。
Figure 0007103277000001
(偏芯があるシリコン単結晶インゴット)
偏芯があるシリコン単結晶インゴットの実験結果(実施例2、比較例2)を表2に記す。上記偏芯がないシリコン単結晶インゴットの場合と同様に、テール側端部ノッチ実深さ、及びコーン側端部ノッチ実深さのノッチ目標深さの規格上限と下限を±0.07mmと設定し、工程能力指数(Cpk)で評価した。また、実施例2と比較例2のノッチ実深さはノギスを使用して測定した。
比較例2と実施例2におけるノッチ研削での工程能力指数(Cpk)を比較すると、テール側端部ノッチ実深さでは、比較例2で0.649、実施例2で0.834、コーン側端部ノッチ実深さでは、比較例2で0.510、実施例2で0.894であり、テール側端部ノッチ実深さと、コーン側端部ノッチ実深さの両方とも実施例2の方が良好な結果となった。また、表2から明らかなように、偏芯があるシリコン単結晶インゴットであってもノッチ目標深さに極めて近い数値になったことがわかる。
Figure 0007103277000002
さらに、実施例2、比較例2で得られた結果から、ノッチ実深さ測定の精度を確認するため、偏芯があるシリコン単結晶インゴットでのテール側端部ノッチ実深さ及びコーン側端部ノッチ実深さのノギスと円筒研削装置付帯のノッチ深さ測定器とによる測定結果の差を比較した。その結果を表3に示す。
Figure 0007103277000003
表3から、平均値の比較では、テール側端部ノッチ実深さのノギスと円筒研削装置付帯のノッチ深さ測定器とによる測定結果の差では比較例2では-0.002mm、実施例2では0.000mm、コーン側端部ノッチ実深さでは比較例2では0.029mm、実施例2では0.0004であり、装置付帯のノッチ深さ測定器の測定精度が高いことがわかる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
100…円筒研削機、 101…シリコン単結晶インゴット、
102…主軸、 103…副軸、 104、105…支持ユニット、
104’、105’…可動範囲を設けた端面保持部、
106…研削ユニット、 108…砥石、 119…研削負荷、
124…(実)直径の軌跡、
25、125…偏芯がないシリコン単結晶インゴット、
25’、125’…偏芯がないシリコン単結晶インゴットの外周、
26、126…偏芯があるシリコン単結晶インゴット、
26’、126’…テーパー状のシリコン単結晶インゴット、
29、129…実直径、 129’…平均直径、
30、130…偏芯量、 31、131…回転駆動芯、
32、132…(シリコン単結晶インゴットの)中心、
33、133…ノッチ砥石、 34、134…ノッチ砥石基準座標、
35、135…ノッチ目標深さ、 136…ノッチ砥石算出移動距離、
137…本来算出すべきノッチ砥石算出移動距離、
138…位置ずれした回転中心軸、 39、139…ノッチ深さ測定器、
40…ノッチ測定器基準座標、 140…ノッチ深さ測定器基準座標、
141…ノッチ実深さ、
142…ノッチ深さ測定器移動座標、 143…見かけのノッチ実深さ、
144…ノッチ深さ測定器移動座標、
46a…端部1ノッチ測定器移動座標、 46b…端部2ノッチ測定器移動座標、
47a…端部1ノッチ砥石算出移動量、 47b…端部2ノッチ砥石算出移動量、
47c…ノッチ砥石算出移動量、
48a…研削後の端部1ノッチ測定器移動座標、
48b…研削後の端部2ノッチ測定器移動座標、
49a…端部1ノッチ実深さ、 49b…端部2ノッチ実深さ、
150…端部1の実直径、 151…端部2の実直径、 151…ノッチ実深さ。

Claims (2)

  1. シリコン単結晶インゴットを円筒研削後、トラバース研削により前記シリコン単結晶インゴットにオリエンテーションフラット研削又はノッチ研削を行う研削方法であって、
    予め設定された前記トラバース研削に用いる砥石の基準位置と前記シリコン単結晶インゴット外周部との、前記円筒研削後で前記オリエンテーションフラット研削前又は前記ノッチ研削前の距離を、前記シリコン単結晶インゴットの直胴部の両端で測定し、
    該両端で測定した、前記円筒研削後で前記オリエンテーションフラット研削前又は前記ノッチ研削前前記距離の差が所定の値を超えた場合に、前記トラバース研削の深さが目標深さになるように、前記砥石を前記シリコン単結晶インゴットの半径方向に移動させてトラバース研削し、
    前記両端で測定した、前記円筒研削後で前記オリエンテーションフラット研削前又は前記ノッチ研削前前記距離の差が所定の値以下の場合には、前記トラバース研削の深さが目標深さになるように、前記砥石を前記シリコン単結晶インゴットの半径方向に固定させてトラバース研削することを特徴とするシリコン単結晶インゴットの研削方法。
  2. 前記両端で測定した、前記円筒研削後で前記オリエンテーションフラット研削前又は前記ノッチ研削前前記距離の差が所定の値以下の場合に、前記トラバース研削において前記砥石を固定する位置を、前記両端で測定した、前記円筒研削後で前記オリエンテーションフラット研削前又は前記ノッチ研削前前記距離の平均値から決定することを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶インゴットの研削方法。
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