JP2020184713A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの作業ミスに起因する読取エラーを防止する画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置100は、画像形成部120、130、140、150により、テスト画像をシートに形成してテストチャートを作成する。テストチャートは、ドキュメントスキャナ210により読み取られるために、ADFユニット220にセットされる。画像形成装置100は、ADFユニット220にテストチャートが正しくセットされたか否かを判断して、判断結果に基づいてドキュメントスキャナ210によるテストチャートの読取開始の可否を判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント条件の調整機能や画像不良の診断機能を備えた画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、テストチャートを生成して該テストチャートを読取装置により読み取ることで、プリント条件の調整や画像不良の診断等を行う機能を有する。プリント条件の調整には、例えば最大濃度補正、階調補正、面内濃度ムラ補正、アライメント補正(表裏レジ調整)、プリントヘッド縦ムラ調整(発光部の調整)、転写出力調整(2次転写電圧調整)等がある。画像不良には、点、筋画像等がある。テストチャートは、調整内容や診断内容に応じたテスト画像がシートにプリントされることで形成される。
テストチャートによるプリント条件の調整の一例として階調補正について説明する。画像形成装置によりシートに形成される画像の階調特性(濃度特性)は、様々な要因で変動する。例えば、階調特性は、画像形成装置の設置場所の気温や湿度等の環境条件の変化や、画像形成装置の部品の経時変化により変化する。そのために画像形成装置は、階調特性を維持するためのキャリブレーションを実行する。キャリブレーションでは、まずシートにテスト画像が形成されて階調補正用のテストチャートが生成される。画像形成装置は、テストチャートを読取装置で読み取ることで、テスト画像の画像濃度を取得する。画像形成装置は、取得した画像濃度が目標濃度となるような補正テーブルを作成する。画像形成時には、この補正テーブルを用いて階調補正が行われる。補正テーブルは、シートの種類(坪量やコーティングの有無、再生紙かどうか)毎に用意される。
特許文献1には、自動原稿搬送装置を用いてテストチャートを読み取ることで、キャリブレーション時のユーザの作業負荷を低減する方法が提案されている。特許文献2には、テストチャートの生成前にキャリブレーションに使用するシートがカセット内にセットされているか否かを判断することで、ユーザの使いやすさを改善する方法が提案されている。いずれもキャリブレーション時の作業性を改善する技術である。特許文献3には、サイズの異なる複数の原稿を順次読み取ってコピー処理を行う際に、原稿サイズに対応するシートがカセット内にセットされているか否かを判断して、原稿の読み取りの継続と中止とを選択する技術が提案されている。
特開2016−111628号公報 特開2016−103063号公報 特開2003−134287号公報
テストチャートを用いてプリント条件の調整や画像不良の診断を行う場合、ユーザがテストチャートを読取装置にセットする作業が必要である。この作業は、人手を介するために作業ミスが起こる可能性がある。例えば、ユーザは、テストチャート以外の原稿を読取装置にセットする場合がある。また、ユーザは、テストチャートを正しく読取装置にセットせずに、読み取りを指示する場合がある。
このように作業ミスには、読取装置にセットする原稿の種類のミスと、原稿のセットの仕方のミスと、がある。原稿がテストチャートで且つ定形位置にセットされる場合には、作業ミスは発生しない。原稿がテストチャートであっても、定形位置にセットされていない場合には、作業ミスにより読取エラーが発生する。テストチャート以外の原稿で該原稿がテストチャートと異なるサイズである場合、定形位置にセットしたか否かにかかわらず作業ミスにより読取エラーが発生する。テストチャート以外の原稿で該原稿がテストチャートと同じサイズである場合、定形位置にセットした否かにかかわらず作業ミスにより読取エラーが発生する。
読取エラーが発生する場合、画像形成装置は、ユーザに対して再度テストチャートの読み取りを指示する。つまり、テストチャートが読取装置に正しくセットされていない場合、画像形成装置は、画像の読取処理を一度行った後にユーザに再度作業を行わせることになり、無駄な作業が発生する。そのためにユーザの作業ミスによる読取エラーを防止して、作業の効率化をはかる技術が求められている。
本発明は、上記の問題に鑑み、ユーザの作業ミスに起因する読取エラーを防止する画像形成装置を提供することを主たる課題とする。
本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成手段と、シートが載置される載置手段と、前記載置手段に載置されたシートの画像を読み取る読取手段と、前記画像形成手段によりテスト画像を前記シートに形成してテストチャートを作成し、前記テストチャートが前記載置手段に載置されると、該テストチャートが前記載置手段に正しく載置されているか否かに基づいて、前記読取手段による前記テストチャートの読取開始の可否を判断する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、テストチャートの読み取りを行う前にテストチャートが正しくセットされているか否かにより、読取手段による読取開始の可否を判断することで、ユーザの作業ミスに起因する読取エラーを未然に防止することができる。そのために作業の効率化をはかることができる。
画像形成装置の構成図。 (a)、(b)は、ドキュメントスキャナの説明図。 原稿サイズ判定の説明図。 (a)〜(d)は、ADFユニット220の説明図。 原稿サイズ判定の説明図。 プリンタ制御部の説明図。 キャリブレーション処理を表すフローチャート。 (a)〜(c)は、ディスプレイに表示される画面の例示図。 テストチャートの例示図。 キャリブレーション処理を表すフローチャート。 (a)、(b)は、ディスプレイに表示される画面の例示図。 (a)〜(d)は、ディスプレイに表示される画面の例示図。 (a)〜(c)は、キャリブレーション処理を表すフローチャート。 読取開始の可否判断の説明図。 (a)〜(f)は、テストチャートを原稿トレイへセットしたときの状態の例示図。 テストチャートのセット状態と読取結果との関係図。 (a)〜(f)は、テストチャートを原稿台ガラスへセットしたときの状態の例示図。 (a)、(b)は、通知画面の例示図。 (a)、(b)は、濃度ムラ補正用のテストチャートの説明図。 読取開始の可否判断の説明図。 テストチャートのセット状態と読取結果との関係図。 (a)、(b)は、画像診断用のテストチャートの説明図。 筋検出位置と筋の原因との関係図。 読取開始の可否判断の説明図。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(画像形成装置)
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成図である。画像形成装置100は、原稿(シート)から画像を読み取る読取装置であるリーダ200と、シートに画像を形成するプリンタ300とを備える。リーダ200は、ドキュメントスキャナ210と自動原稿搬送装置(以下、「ADFユニット」という。)220とを備える。プリンタ300の上にドキュメントスキャナ210が設けられ、ドキュメントスキャナ210の上にADFユニット220が設けられる。リーダ200は、原稿101にプリントされた画像を読み取り、読み取った画像を表す画像信号をプリンタ300へ送信する。プリンタ300は、リーダ200から取得した画像信号に基づいて、シートへの画像形成処理を行うことができる。
図中、画像形成装置100によるシートの搬送方向をPX方向、PX方向に直交する方向をY方向とする。また、ADFユニット220の給紙方向をSX2方向、ドキュメントスキャナ210が有する第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bが移動する方向をSX1方向とする。
リーダ200は、ADFユニット220により給送される原稿や、ドキュメントスキャナ210のADFユニット220側に設けられる原稿台ガラス102上に載置された原稿101を読み取る。ドキュメントスキャナ210は、内部にリーダ画像処理部108を備える。リーダ画像処理部108は、原稿101を読み取ることで生成された電気信号を画像信号に変換してプリンタ300へ送信する。
プリンタ300は、内部にプリンタ制御部109を備える。プリンタ制御部109は、ドキュメントスキャナ210のリーダ画像処理部108から画像信号を取得する。プリンタ制御部109は、取得した画像信号に基づいてシートに画像を形成する。プリンタ300は、画像形成のために、画像形成部120、130、140、150、露光器110、転写ベルト111、及び定着器114を備える。
画像形成部120、130、140、150は、それぞれ形成する画像の色が異なるのみであり、同様の構成で同様の動作を行う。画像形成部120は、イエロー(Y)の画像を形成する。画像形成部130は、マゼンタ(M)の画像を形成する。画像形成部140は、シアン(C)の画像を形成する。画像形成部150は、ブラック(K)の画像を形成する。ここでは画像形成部120の構成について説明し、他の画像形成部130、140、150の構成については説明を省略する。
画像形成部120は、感光ドラム121、帯電器122、現像器123、転写ブレード124、及び表面電位計125を備える。感光ドラム121は、表面に感光層を有するドラム形状の感光体である。感光ドラム121は、図中時計回り方向に回転する。帯電器122は、回転中の感光ドラム121の表面を所定の電位で一様に帯電させる。感光ドラム121は、帯電した表面が露光器110によりレーザビームで走査されることで、表面に静電潜像が形成される。露光器110は、プリンタ制御部109により制御されて、レーザビームを感光ドラム121に照射する。露光器110は、感光ドラム121上をY方向に走査する。そのためにY方向が主走査方向となる。プリンタ制御部109は、画像信号に基づくPWM(パルス幅変調:Pulse Width Modulation)信号により、露光器110から出射されるレーザビームを変調する。現像器123は、静電潜像を対応する色(ここではイエロー)の現像剤(例えばトナー)により現像して、感光ドラム121の表面にトナー像を形成する。
転写ブレード124は、感光ドラム121との間に転写ベルト111を挟んで配置される。転写ベルト111は、給紙カセット152からシートを搬送する。転写ベルト111は、放電を行うことで、感光ドラム121に形成されたトナー像を転写ベルト111で搬送されるシートに転写する。これによりシートにイエローのトナー像が形成される。
同様に画像形成部130の感光ドラム131にはマゼンタのトナー像が形成され、画像形成部140の感光ドラム141にはシアンのトナー像が形成され、画像形成部150の感光ドラム151にはブラックのトナー像が形成される。感光ドラム131に形成されたマゼンタのトナー像は、シート上のイエローのトナー像に重畳するように転写される。感光ドラム141に形成されたシアンのトナー像は、シート上のイエロー及びマゼンタのトナー像に重畳するように転写される。感光ドラム151に形成されたブラックのトナー像は、シート上のイエロー、マゼンタ、及びシアンのトナー像に重畳するように転写される。各色のトナー像が重畳して転写されることで、シートにはフルカラーのトナー像が形成される。
フルカラーのトナー像が形成されたシートは、転写ベルト111により定着器114へ搬送される。定着器114は、シートに、転写されたトナー像を定着させる。定着器114は、例えばトナー像を加熱溶融して加圧することで、シートにトナー像を定着させる。以上によりシートに画像が形成される。画像が形成されたシートは、プリンタ300の機外に排出される。
なお、各画像形成部120、130、140、150の表面電位計125、135、145、155は、感光ドラム121、131、141、151の表面電位を計測する。表面電位計125、135、145、155による計測結果に応じて、コントラスト電位が調整される。
(ドキュメントスキャナ)
図2は、ドキュメントスキャナ210の説明図である。図2(a)は、ドキュメントスキャナ210の構成を示す。図2(b)は、ドキュメントスキャナ210をADFユニット220側から見た図である。ドキュメントスキャナ210は、筐体内に、第1ミラーユニット104a、第2ミラーユニット104b、画像センサ105、レンズ115、モータ116、原稿サイズ検知センサ113、及びホームポジションセンサ106を備える。第1ミラーユニット104aは、原稿照明ランプ103及び第1ミラー107aを備える。第2ミラーユニット104bは、第2ミラー107b及び第3ミラー107cを備える。第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bは、モータ116により駆動されてSX1方向に移動可能である。
ドキュメントスキャナ210は、ADFユニット220により搬送される原稿101を読み取る第1読取モードと、原稿台ガラス102上に載置された原稿101を読み取る第2読取モードとにより、画像読取を行うことができる。第1読取モードは「流し読み」や「ADF読み」と呼ばれることがある。第2読取モードは「固定読み」や「原稿台読み」と呼ばれることもある。
第1読取モードには、シートスルー方式と原稿固定方式の二種類の読取方法がある。
シートスルー方式では、モータ116が回転することで、第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bが流し読み位置に移動して停止する。流し読み位置は、ADFユニット220により搬送中の原稿101から画像を読み取る際の読取位置である。ADFユニット220が原稿台ガラス102上において原稿101を搬送している間に、画像センサ105が原稿101の画像を読み取る。
ドキュメントスキャナ210は、原稿照明ランプ103を点灯して、原稿101の読取面(画像がプリントされている面)に光を照射する。第1ミラー107a、第2ミラー107b、及び第3ミラー107cは、原稿101により照射された光の反射光(画像光)を偏向してレンズ115に導く。レンズ115は画像光を画像センサ105の受光面上に結像させる。画像センサ105は画像光を電気信号に変換する。リーダ画像処理部108は、画像センサ105から電気信号を取得して画像信号を生成する。画像の読み取りの際には、第1ミラーユニット104a、第2ミラーユニット104b、画像センサ105、及びリーダ画像処理部108がこのように動作する。この読み取り時の動作は、読取モードや読取方法によらず同じである。
原稿固定方式では、ADFユニット220が原稿台ガラス102上に原稿101を搬送し、原稿台ガラス102上の所定位置に原稿101を停止させる。第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bは、モータ116によりSX1方向に移動しながら、原稿101の画像を読み取る。ADFユニット220は、画像読取後に原稿101の搬送を再開して排出する。
第2読取モード時には、モータ116が回転することで、第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bが、一旦ホームポジションセンサ106のあるホームポジションまで移動する。原稿台ガラス102には、1枚の原稿が読取面を原稿台ガラス102側に向けて、ADFユニット220により位置を固定されて載置される。ドキュメントスキャナ210は、原稿照明ランプ103を点灯し、原稿101の読取面に光を照射する。第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bは、SX1方向に移動しながら、第1ミラー107a、第2ミラー107b、及び第3ミラー107cにより原稿101からの画像光を偏向してレンズ115に導く。レンズ115は、画像光を画像センサ105の受光面上に結像させる。画像センサ105は画像光を電気信号に変換する。リーダ画像処理部108は、画像センサ105から電気信号を取得して画像信号を生成する。
ドキュメントスキャナ210は、原稿101のサイズ(原稿サイズ)を検出することができる。本実施形態のドキュメントスキャナ210は、原稿画像を読み取る前に原稿サイズを検出する。ドキュメントスキャナ210は、まず、原稿101の端部を原稿照明ランプ103により照射し、原稿101からの反射光を画像センサ105で読み取る。画像センサ105は、例えばY方向に複数の光電変換素子が配列されたラインセンサである。画像センサ105は、所定数のラインを読み取る。ラインの方向は、SX1方向に直交する。画像センサ105の所定数のラインの読取結果(電気信号)に基づいて、原稿101の幅(Y方向の長さ)が取得できる。
また、原稿サイズ検知センサ113の検知結果に基づいて、原稿101の長さ(SX1方向の長さ)が検出される。原稿サイズ検知センサ113は、ドキュメントスキャナ210の筐体内のSX1方向の所定の位置に少なくとも1つ配置され、該位置上の原稿台ガラス102上の原稿101の有無を検知する。原稿サイズ検知センサ113は、例えば赤外センサであり、原稿101の有無を2値で出力することが可能である。原稿サイズ検知センサ113の検知結果により、原稿101の長さが原稿サイズ検知センサ113の位置よりも長いか否かを判別することができる。原稿101の長さを正確に検出したい場合には、複数の原稿サイズ検知センサ113が配置される。
このように検出される原稿101の幅及び長さに基づいて、原稿101が所定の複数の定形サイズのいずれであるかが判定される。また、原稿101の幅及び長さに基づいて、原稿101が原稿台ガラス102上にどの向き(縦読み、横読み)で載置されているかも判定される。
図2(b)に示すように、原稿台ガラス102は、外周に原稿サイズラベル1230が配置され、Y方向の奥側の基準突き当て部に原稿合わせマーク1231が設けられる。原稿101は、原稿合わせマーク1231に頂点が突き当てられるように載置される。定形サイズの原稿の基準は、原稿合わせマーク1231になる。本実施形態の原稿サイズ検知センサ113は、原稿合わせマーク1231からA4サイズの原稿の長さよりも少しだけ遠い位置で、原稿台ガラス102のY方向側に配置される。そのために原稿サイズ検知センサ113は、A4、B5、A5、B6サイズの原稿101を検知できず、A3、B4、A4R、B5Rサイズの原稿101を検知できる。
図3は、原稿サイズ判定の説明図である。画像センサ105の検出結果(読取結果)である電気信号から判定される原稿101の幅(原稿検知幅)と、原稿サイズ検知センサ113の検知結果(原稿の有無)との組み合わせから、原稿サイズが判定される。図3は、この組み合わせを表す。
画像センサ105から出力される電気信号のみにより、検出対象の原稿101が第1グループ〜第4グループのいずれに属するかが判定される。すなわち、原稿検知幅に基づいて、原稿101が、B5R、B6の第1グループ、A4R、A5の第2グループ、B5、B4の第3グループ、A4、A3の第4グループのいずれであるがが判定される。しかし、原稿検知幅だけでは、各グループ内の区別はできない。原稿サイズ検知センサ113による検知結果(原稿の有無)により、各グループ内での区別が可能となる。例えば、原稿検知幅に基づいて検出対象の原稿101のサイズが第4グループに属すると判定されたときに、原稿サイズ検知センサ113の検知結果が原稿有りであれば、検出対象の原稿101のサイズが縦送りA3であると判定される。原稿無しであれば、検出対象の原稿101のサイズが横送りA4であると判定される。なお、いずれの判定結果にも属さない場合には、定型サイズではないと判定される。
(ADFユニット)
図4は、ADFユニット220の説明図である。図4(a)は、ADFユニット220の外観斜視図である。図4(b)は、ADFユニット220の内部構成図である。図4(c)は、後述の原稿積載部301を斜め上方から見た図である。図4(d)は、後述の原稿積載部301の内部構成図である。ADFユニット220は、原稿積載部301、原稿給紙部304、原稿搬送部308、及び反転排紙部313を備える。
原稿積載部301は、原稿トレイ302を有している。原稿トレイ302は、積載面に1枚以上の原稿101が積載可能である。原稿トレイ302は、給紙部として機能する。原稿積載部301には、原稿101が原稿トレイ302に積載されることで点灯する原稿インジケータ303が設けられる。原稿トレイ302に積載される原稿101は、原稿給紙部304により1枚ずつ原稿台ガラス102上へ搬送され、原稿台ガラス102上を通過して反転排紙部313により反転排紙部313の排紙トレイ321へ排出される。
原稿給紙部304は、ピックアップローラ306、給紙ローラ307、及びレジストローラ対305が、原稿101の搬送経路に沿って設けられる。ピックアップローラ306は、回転可能であり且つ上下動可能なローラである。ピックアップローラ306は、給紙時に、原稿トレイ302に積載された原稿束のうち最上位の原稿101上に下降して接触し、該原稿101を搬送する。給紙ローラ307は、ピックアップローラ306により搬送されてきた原稿101をレジストローラ対305へ搬送する。ピックアップローラ306及び給紙ローラ307により、原稿101が1枚ずつ搬送される。レジストローラ対305は、原稿101の先端の到達時には停止している。これは、原稿101の斜行を補正するためである。レジストローラ対305は、斜行補正後に回転を開始して、原稿101を原稿搬送部308へ搬送する。
原稿搬送部308は、搬送ベルト309、駆動ローラ310、従動ローラ311、及び複数の押圧コロ312を備える。原稿搬送部308は、搬送ベルト309を用いて原稿101をSX1方向へ搬送する。搬送ベルト309は、駆動ローラ310及び従動ローラ311に張架されている。さらに搬送ベルト309は、押圧コロ312によって原稿台ガラス102へ押圧されている。搬送ベルト309は、搬送ベルト309と原稿台ガラス102との間に進入してきた原稿101を、摩擦力により搬送する。これにより原稿101は、原稿台ガラス102上を搬送される。
第1読取モードの原稿固定方式では、原稿101が読取位置に到達すると、搬送ベルト309は停止する。第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bにより原稿101が読み取られた後に、搬送ベルト309は、原稿101を反転排紙部313に搬送する。この場合、第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bは、SX1方向に移動しながら、停止中の原稿101を読み取る。
第1読取モードのシートスルー方式では、原稿101が読取位置に到達しても搬送ベルト309は停止せずに、原稿101の搬送を継続する。この場合、第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bは、停止したまま、搬送中の原稿101を読み取る。つまり、原稿101のスキャンは、第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bが移動する代わりに、原稿101が移動することで行われる。
反転排紙部313は、反転ローラ314、搬送ローラ対315、反転フラッパ316、排紙フラッパ317、及び反転コロ318を備える。反転排紙部313は、原稿搬送部308から搬送されてきた原稿101の表裏を反転して、排紙積載部320の排紙トレイ321へ排出する。
原稿搬送部308の搬送ベルト309により搬送されてきた原稿101は、反転排紙部313に進入するときに、反転フラッパ316により掬い上げられて反転ローラ314へ搬送される。原稿101は、CCW(Counter Clock Wise:逆時計回り方向)に回転する反転ローラ314と、これに対向する反転コロ318とにより挟持されて、搬送ローラ対315へ搬送される。原稿101の後端が排紙フラッパ317を通過すると、排紙フラッパ317がCW(Clock Wise:時計回り方向)に回転する。また、反転ローラ314もCWに回転する。これにより、原稿101はスイッチバック搬送されて、排紙積載部320の排紙トレイ321へ排出される。
(ADFユニットによる原稿サイズ検出)
図4(c)に示すように、原稿積載部301の原稿トレイ302には、原稿の幅方向(Y方向、原稿の搬送方向に直交する方向)にスライド可能な一対の規制部材332が配置される。規制部材332は、原稿積載部301(原稿トレイ302)に載置された原稿の幅方向の両端部を規制することで、給送時の幅方向の位置を揃える機能を有する。一対の規制部材332は、原稿の幅方向に対称的に移動可能となっており、給送される原稿の幅方向の中央が給送中央となるように、原稿位置を規制する。
原稿積載部301には、規制部材332の位置を検出可能な原稿幅センサ333が設けられる(図4(d))。原稿幅センサ333は、原稿の幅に応じて移動する規制部材332の位置を検出することで、原稿トレイ302に載置された原稿の幅方向のサイズを検出する。
原稿積載部301には、原稿の給送方向(SX2方向)に複数(本実施形態では2個)の原稿長検知センサ334a、334bがならんで配置される。原稿長検知センサ334a、334bは、原稿積載部301(原稿トレイ302)上の原稿101の有無を検知する。原稿長検知センサ334a、334bのそれぞれの検知結果に基づいて、原稿101の原稿給送方向(SX2方向)のサイズが検出される。
原稿幅センサ333及び原稿長検知センサ334a、334bの検知結果に基づいて、原稿積載部301に載置された原稿のサイズ及び向き(縦送りであるか横送りであるか)が検出可能である。図5は、原稿サイズ判定の説明図である。原稿幅センサ333及び原稿長検知センサ334a、334bからの各検知結果の組み合わせから、原稿積載部301(原稿トレイ302)に載置される原稿のサイズが判定される。図5は、原稿幅センサ333の検知結果である原稿積載部301の原稿の幅方向の原稿検知幅と、原稿長検知センサ334a、334bの検知結果(原稿積載部301に載置される原稿の給送方向(SX2方向)有無)との組み合わせを表す。なお、原稿長検知センサ334a、334bは、原稿の有無を2値で出力する。
原稿幅センサ333の検知結果のみにより、検出対象の原稿101が第1グループ〜第4グループのいずれに属するかが判定される。すなわち、原稿検知幅に基づいて、原稿101が、B5R、B6の第1グループ、A4R、A5の第2グループ、B5、B4の第3グループ、A4、A3の第4グループのいずれであるがが判定される。しかし、原稿検知幅だけでは、各グループ内の区別はできない。原稿長検知センサ334bによる検知結果(原稿の有無)により、各グループ内での区別が可能となる。例えば、原稿検知幅に基づいて検出対象の原稿101のサイズが第4グループに属すると判定されたときに、原稿長検知センサ334bの検知結果が原稿有りであれば、検出対象の原稿101のサイズが縦送りA3であると判定される。原稿無しであれば、検出対象の原稿101のサイズが横送りA4であると判定される。なお、原稿長検知センサ334aで原稿有りであり、いずれの判定結果にも属さない場合には、定型サイズではないと判定される。また、原稿長検知センサ334aが原稿を検知しない場合は、原稿無しと判定される。
以上のような原稿台ガラス102に載置された原稿101の原稿サイズ検出及び原稿トレイ302に載置された原稿101の原稿サイズ検出は、リーダ200により行われる。リーダ200は、プリンタ300からの指示に応じて、原稿サイズ検出処理を行う。原稿サイズの検出結果は、リーダ200からプリンタ300へ送信される。
(プリンタ制御部)
図6は、プリンタ制御部109の説明図である。プリンタ制御部109には、画像形成装置100の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)401、メモリ402、リーダ200、及び半導体レーザ410が接続される。メモリ402は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を備え、画像形成装置100の動作を制御するための制御プログラムや各種のデータを格納する。CPU401は、メモリ402に格納される制御プログラムを実行することで、画像形成装置100の動作を制御することになる。
CPU401には、操作部400が接続される。操作部400は、入力装置及び出力装置を備えるユーザインタフェースである。入力装置には、スタートキー、ストップキー、テンキー等のキーボタンやタッチパネルがある。出力装置には、ディスプレイやスピーカがある。リーダ200は、上記したリーダ画像処理部108の他に、リーダ制御部413を備える。リーダ制御部413は、上記した原稿サイズの判定処理を行う。半導体レーザ410は、露光器110内に設けられ、感光ドラム121、131、141、151に照射されるレーザビームを出射する。
プリンタ制御部109は、色処理部403、階調制御部411、ディザ処理部407、PWM部408、及びレーザドライバ409を備える。プリンタ制御部109は、R、G、Bの各画像信号をPWM信号に変換し、このPWM信号に基づいて半導体レーザ410の発光制御を行う。
リーダ200のリーダ画像処理部108から出力される画像信号は、色処理部403に入力される。色処理部403は、プリンタ300の出力特性が理想的であった場合に所望の出力結果(画像)が得られように、入力された画像信号に対して画像処理及び色処理を行う。色処理部403は、画像信号の階調数を、精度向上のために8ビットから10ビットに拡張する。色処理部403は、ルックアップテーブルであるLUTid404を備える。LUTid404は、画像信号に含まれる輝度情報を濃度情報に変換する輝度−濃度変換テーブルである。色処理部403は、LUTid404により、R、G、Bの各画像信号の輝度情報を、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の画像信号の濃度情報に変換する。Y、M、C、Kの画像信号は、階調制御部411に入力される。
階調制御部411は、画像が形成されるシートの種類に応じた補正条件を用いて、色処理部403から取得した画像信号の階調特性を補正する。そのために階調制御部411は、UCR(Under Color Remove)部405及びルックアップテーブルであるLUTaを含むγ補正部406を備える。階調制御部411は、プリンタ300の実際の出力特性に合わせて所望の出力結果(画像)が得られるように、Y、M、C、Kの画像信号の階調補正を行う。UCR部405は、各画素における画像信号の積算値を規制することで、画像信号レベルの総和を制限する。総和が規定値を超えた場合、UCR部405は、所定量のC、M、Yの画像信号をKの画像信号に置き換える下色除去処理(UCR)を行い、画像信号レベルの総和を低下させる。
γ補正部406は、LUTaを用いて画像信号の濃度特性(γ特性)を補正する。LUTaは、濃度特性を補正するための10ビットの変換テーブル(階調補正条件)である。上記したように、環境変動や部品の消耗に依存してプリンタ300がシート上に形成する画像の階調特性が変動する。また、シートの種類により画像の階調特性が異なる。CPU401は、キャリブレーションを実行することでLUTaを更新し、画像の階調特性を所定の階調特性に維持する。プリンタ300は、γ補正部406により補正された画像信号にしたがってシートに画像を形成する。メモリ402は、シートの種類毎のLUTaを保持していてもよい。CPU401は、操作部400により指定されたシートの種類に対応するLUTaをメモリ402から読み出し、γ補正部406に設定する。LUTaは、原稿の複写やホストコンピュータからのプリントジョブにしたがって画像を形成するときには使用されるが、キャリブレーションを実行する際には使用されない。階調補正後のY、M、C、Kの画像信号は、ディザ処理部407に入力される。
ディザ処理部407は、階調補正後のY、M、C、Kの各10ビットの画像信号にディザ処理(中間調処理)を行い、4ビットの信号に変換する。PWM部408は、ディザ処理後の信号にパルス幅変調を行い、露光器110の制御信号であるPWM信号を生成する。PWM信号は、レーザドライバ409に入力される。レーザドライバ409は、PWM信号に応じて半導体レーザ410の発光制御を行う。
(キャリブレーション)
キャリブレーションは、プリンタ300で生成したテストチャートを用いて行われる。ここでは、キャリブレーションによりLUTaを生成する方法について説明する。
CPU401は、階調補正用のテストチャートを作成するために、所定の画像信号(濃度信号)をディザ処理部407に供給して、シートにテスト画像を形成する。テスト画像を形成されたシートがテストチャートである。リーダ200は、テストチャートを読み取り、読取結果である画像信号(輝度信号)を色処理部403へ送信する。色処理部403は、LUTid404を用いて、R(赤)、G(緑)、B(青)の輝度信号をY、M、C、Kの濃度信号に変換する。ここでは、Yは、Bの輝度値、CはBの輝度値、M及びKは、Gの輝度値を用いて、各色の濃度信号値に変換される。LUTid404は、テストチャートのシートの種類によって変換に用いるテーブルを変更してもよい。キャリブレーションの際に色処理部403が行う上記の色処理は、通常の原稿を読み取ったときの色処理とは異なる処理である。
次に、CPU401は、テスト画像を形成するために使用した濃度信号に対して、リーダ200を介して取得した濃度信号が一致するようにLUTaを作成する。LUTaは、YMCKの色別に作成される。
上記したように、リーダ200はADF読み(第1読取モード)と原稿台読み(第2読取モード)との両方の読取モードで原稿画像を読み取ることができる。リーダ200は、テストチャートにプリントされたテスト画像を、ADF読みと原稿台読みとのいずれで読み取ってもよい。ADF読みは原稿台読みと比較してユーザの作業負担が少ないため、ADF読みが優先されてもよい。
図7は、キャリブレーション処理を表すフローチャートである。図8は、キャリブレーション処理中に操作部400のディスプレイに表示される画面の例示図である。図9は、キャリブレーションに用いるテストチャートの例示図である。
CPU401は、ユーザがADF読みと原稿台読みとのいずれの読取モードを選択したかを表す指示を、操作部400から取得する(S501)。ユーザがADF読みを選択した場合、CPU401は、第1読取モードで動作する。ユーザが原稿台読みを選択した場合、CPU401は、第2読取モードで動作する。図8(a)は、読取モード選択時の操作画面700aを例示する。CPU401は、操作画面700aを操作部400のディスプレイに表示させる。操作画面700aには、ADF読みが選択可能なボタン701aと、原稿台読みが選択可能なボタン701bとが表示される。ユーザは、操作部400によりボタン701aとボタン701bとのいずれかを選択することで、読取モードを選択する。CPU401は、操作部400から、選択された読取モードを表す情報を取得することになる。CPU401は、選択された読取モードを判定する(S502)。
ADF読みが選択された場合(S502:Y)、CPU401は、第1画像形成条件をプリンタ300に設定し、階調補正用のテストチャートを作成するためのテスト画像の濃度信号をディザ処理部407に送信する。これによりCPU401は、プリンタ300にテストチャートを作成させる(S503)。このとき、LUTaは使用されない。
図9に示すように、テストチャート801a、801bは、それぞれY、M、C、Kの各色について10階調からなるテスト画像を含んでいる。10階調の画像は、例えば、各色10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%の濃度信号により形成される。ディザ処理部407は、複数の中間調処理を適用可能であってもよい。例えば、ディザ処理部407は、低線数のスクリーン(160lpi(line per inch)〜180lpi)と高線数のスクリーン(250lpi〜300lpi)とを有していてもよい。テストチャート801aは、低線数のスクリーンを適用されたテストチャートである。テストチャート801bは、高線数のスクリーンを適用されたテストチャートである。なお、低線数のスクリーンは、写真画像等に適用され、高線数のスクリーンは文字等に適用される。プリンタ300が、3種類以上の線数で画像を形成できる能力を有している場合、テストチャートの枚数も3枚以上とされてもよい。ここでは、説明の便宜上、テストチャートの枚数は1枚としている。
テストチャートの作成後にCPU401は、リーダ200によりADFユニット220を動作させて、ADF読みを実行する(S504)。そのためにCPU401は、ユーザにテストチャートをADFユニット220の原稿トレイ302に載置するように促すメッセージを、操作部400のディスプレイに表示する。図8(b)は、このようなメッセージ画面700bを例示する。メッセージ画面700bには、テストチャートを原稿トレイ302に載置するように促すメッセージと、読取開始を指示するボタン701cとが表示される。
ユーザは、原稿トレイ302にテストチャートを載置した後に、操作部400によりボタン701cを押下することで、ADF読みの開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、ADF読みによる読取開始指示を取得する。CPU401は、読取開始指示を取得するとリーダ200にADF読みを指示する。リーダ200は、ADFユニット220によりテストチャートを搬送し、ドキュメントスキャナ210によりテストチャートを読み取る。ドキュメントスキャナ210のリーダ画像処理部108は、テストチャートの読取結果を表す輝度信号をプリンタ制御部109に送信する。
原稿台読みが選択された場合(S502:N)、CPU401は、第2画像形成条件をプリンタ300に設定し、階調補正用のテストチャートを作成するためのテスト画像の濃度信号をディザ処理部407に送信する。これによりCPU401は、プリンタ300にテストチャートを作成させる(S511)。このとき、LUTaは使用されない。テストチャートのテスト画像は、図9に例示するものであり、ADF読みの場合と同じである。
テストチャートの作成後にCPU401は、リーダ200により原稿台読みを実行する(S512)。そのためにCPU401は、ユーザにテストチャートを原稿台ガラス102に載置するように促すメッセージを、操作部400のディスプレイに表示する。図8(c)は、このようなメッセージ画面700cを例示する。メッセージ画面700cには、テストチャートを原稿台ガラス102に載置するように促すメッセージと、読取開始を指示するボタン701cとが表示される。
ユーザは、ADFユニット220を開いて原稿台ガラス102を露出させ、原稿台ガラス102上に、テスト画面が形成された面を原稿台ガラス102側に向けてテストチャートを載置する。ユーザは、その後に操作部400によりボタン701cを押下することで、原稿台読みの開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、原稿台読みによる読取開始指示を取得する。CPU401は、読取開始指示を取得するとリーダ200に原稿台読みを指示する。リーダ200は、ドキュメントスキャナ210により原稿台ガラス102上のテストチャートを読み取る。ドキュメントスキャナ210のリーダ画像処理部108は、テストチャートの読取結果を表す輝度信号をプリンタ制御部109に送信する。
S504、S512の処理によりテストチャートが読み取られると、CPU401は、読取結果(輝度信号)に基づいてテスト画像の濃度信号を取得する(S505)。CPU401は、色処理部403のLUTid404を用いて、輝度信号を濃度信号に変換する。これにより、10階調の画像のそれぞれについての濃度信号が得られる。なお、CPU401は、テストチャートに用いられるシートの種類に応じて色処理部403のLUTid404のテーブルを切り替えてもよい。
CPU401は、テスト画像を生成するために使用された濃度信号と、テストチャートの読取結果から得られた濃度信号とに基づいて、LUTaを作成する(S506)。CPU401は、作成したLUTaをメモリ402に格納する。テスト画像が1枚のシートに形成されてテストチャートが1枚の場合には、以上のようにしてキャリブレーション処理が行われる。
テスト画像が2枚のシートに形成されてテストチャートが2枚の場合には、以下のようにキャリブレーション処理が行われる。図10は、この場合のキャリブレーション処理を表すフローチャートである。図7の処理と同じ処理には同じステップ番号が付してある。同じ処理の説明は省略する。図11、図12は、キャリブレーション処理中に操作部400のディスプレイに表示される画面の例示図である。
上記したように、ディザ処理部407は、それぞれ線数が異なる複数のスクリーンを有してもよい。異なる線数間で形成した画像の階調特性は、大きく異なることもある。このような場合、線数毎にLUTaが作成される。ただし、ユーザがどの線数のスクリーンについてキャリブレーションを行うべきかを判断することは困難である。これは、ユーザが文字、線、写真等の画像に適用されている線数と、コピー等に適用されている線数を把握することが困難であるためである。そのため、複数の線数のスクリーンを有する場合、すべての線数のスクリーンについてまとめてキャリブレーションを実行することで、ユーザの負担が軽減される。テストチャートが2枚の場合のキャリブレーションは、このような場合に適用される。
読取モードにADF読みが選択された場合(S502:Y)、CPU401は、プリンタ300により2枚のテストチャート801a、801bを連続して作成する(S901)。CPU401は、図11(a)に例示するメッセージ画面700dを操作部400のディスプレイに表示する。メッセージ画面700dには、給紙カセット152に2枚以上のシートが収納されていることの確認を促すメッセージと、2枚のテストチャートが連続して作成されることを示すメッセージと、プリント開始を指示するボタン701dとが表示される。ユーザは、給紙カセット152に2枚以上のシートが収納されていることを確認した後に、操作部400によりボタン701dを押下することで、プリント開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、プリント開始の指示を取得する。
CPU401は、プリント開始の指示を取得すると、ディザ処理部407に第1スクリーンをセットして、階調補正用のテストチャートを作成するためのテスト画像の濃度信号をディザ処理部407に送信する。ディザ処理部407は、第1スクリーンを使用して10ビットの濃度信号を4ビットの濃度信号に変換する。プリンタ300は、4ビットの濃度信号に基づいてテストチャート801aを作成する。次に、CPU401は、ディザ処理部407に第2スクリーンをセットして、階調補正用のテストチャートを作成するためのテスト画像の濃度信号をディザ処理部407に送信する。ディザ処理部407は第2スクリーンを使用して10ビットの濃度信号を4ビットの濃度信号に変換する。プリンタ300は、4ビットの濃度信号に基づいてテストチャート801bを作成する。
テストチャートの作成後にCPU401は、リーダ200によりADFユニット220を動作させて、2枚のテストチャート801a、801bに対するADF読みを実行する(S902)。そのためにCPU401は、ユーザに2枚のテストチャート801a、801bをADFユニット220の原稿トレイ302に載置するように促すメッセージを、操作部400のディスプレイに表示する。図11(b)は、このようなメッセージ画面700eを例示する。メッセージ画面700eには、第1スクリーンのテストチャート801aの上に第2スクリーンのテストチャート801bを重ねて原稿トレイ302に載置するように促すメッセージと、読取開始を指示するボタン701cとが表示される。なお、プリンタ300は、どちらのスクリーンが適用されたかを示すメッセージやマークをテストチャート801a、801bに印刷してもよい。
ユーザは、原稿トレイ302にテストチャートを載置した後に、操作部400によりボタン701cを押下することで、ADF読みの開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、ADF読みによる読取開始指示を取得する。CPU401は、読取開始指示を取得するとリーダ200にADF読みを指示する。リーダ200は、ADFユニット220によりテストチャート801a、801bを連続して搬送し、ドキュメントスキャナ210によりテストチャート801a、801bを連続して読み取る。ドキュメントスキャナ210のリーダ画像処理部108は、テストチャート801a、801bの読取結果を表す輝度信号をプリンタ制御部109に送信する。
読取モードに原稿台読みが選択された場合(S502:N)、CPU401は、プリンタ300により1枚目のテストチャート801aを作成する(S911)。CPU401は、図12(a)に例示するメッセージ画面700fを操作部400のディスプレイに表示する。メッセージ画面700fには、給紙カセット152に2枚以上のシートが収納されていることの確認を促すメッセージと、1枚目のテストチャートが作成されることを示すメッセージと、プリント開始を指示するボタン701dとが表示される。ユーザは、給紙カセット152に2枚以上のシートが収納されていることを確認した後に、操作部400によりボタン701dを押下することで、プリント開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、プリント開始の指示を取得する。
CPU401は、プリント開始の指示を取得すると、ディザ処理部407に第1スクリーンをセットして、階調補正用のテストチャートを作成するためのテスト画像の濃度信号をディザ処理部407に送信する。ディザ処理部407は、第1スクリーンを使用して10ビットの濃度信号を4ビットの濃度信号に変換する。プリンタ300は、4ビットの濃度信号に基づいて1枚目のテストチャート801aを作成する。
1枚目のテストチャート801aの作成後にCPU401は、リーダ200により1枚目のテストチャート801aの原稿台読みを実行する(S912)。そのためにCPU401は、ユーザにテストチャートを原稿台ガラス102に載置するように促すメッセージを、操作部400のディスプレイに表示する。図12(b)は、このようなメッセージ画面700gを例示する。メッセージ画面700gには、1枚目のテストチャート801aを原稿台ガラス102に載置するように促すメッセージと、読取開始を指示するボタン701cとが表示される。
ユーザは、ADFユニット220を開いて原稿台ガラス102を露出させ、原稿台ガラス102に、テスト画面が形成された面を原稿台ガラス102側に向けて1枚目のテストチャート801aを載置する。ユーザは、その後に操作部400によりボタン701cを押下することで、原稿台読みの開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、原稿台読みによる読取開始指示を取得する。CPU401は、読取開始指示を取得するとリーダ200に原稿台読みを指示する。リーダ200は、ドキュメントスキャナ210により原稿台ガラス102上の1枚目のテストチャート801aを読み取る。ドキュメントスキャナ210のリーダ画像処理部108は、1枚目のテストチャート801aの読取結果を表す輝度信号をプリンタ制御部109に送信する。
次いでCPU401は、プリンタ300により2枚目のテストチャート801bを作成する(S913)。CPU401は、図12(c)に例示するメッセージ画面700hを操作部400のディスプレイに表示する。メッセージ画面700hには、2枚目のテストチャートが作成されることを示すメッセージと、プリント開始を指示するボタン701dとが表示される。ユーザは、操作部400によりボタン701dを押下することでプリント開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、プリント開始の指示を取得する。
CPU401は、プリント開始の指示を取得すると、ディザ処理部407に第2スクリーンをセットして、階調補正用のテストチャートを作成するためのテスト画像の濃度信号をディザ処理部407に送信する。ディザ処理部407は、第2スクリーンを使用して10ビットの濃度信号を4ビットの濃度信号に変換する。プリンタ300は、4ビットの濃度信号に基づいて2枚目のテストチャート801bを作成する。
2枚目のテストチャート801bの作成後にCPU401は、リーダ200により2枚目のテストチャート801bの原稿台読みを実行する(S914)。そのためにCPU401は、ユーザにテストチャートを原稿台ガラス102に載置するように促すメッセージを、操作部400のディスプレイに表示する。図12(d)は、このようなメッセージ画面700iを例示する。メッセージ画面700iには、2枚目のテストチャート801bを原稿台ガラス102に載置するように促すメッセージと、読取開始を指示するボタン701cとが表示される。
ユーザは、ADFユニット220を開いて原稿台ガラス102を露出させ、原稿台ガラス102に、テスト画面が形成された面を原稿台ガラス102側に向けて2枚目のテストチャート801bを載置する。ユーザは、その後に操作部400によりボタン701cを押下することで、原稿台読みの開始を指示する。これによりCPU401は、操作部400から、原稿台読みによる読取開始指示を取得する。CPU401は、読取開始指示を取得するとリーダ200に原稿台読みを指示する。リーダ200は、ドキュメントスキャナ210により原稿台ガラス102上の2枚目のテストチャート801bを読み取る。ドキュメントスキャナ210のリーダ画像処理部108は、2枚目のテストチャート801bの読取結果を表す輝度信号をプリンタ制御部109に送信する。
2枚のテストチャート801a、801bの読み取りが終了すると、CPU401は、読取結果(輝度信号)に基づいてテスト画像の濃度信号を取得する(S505)。CPU401は、テスト画像を生成するために使用された濃度信号と、テストチャートの読取結果から得られた濃度信号とに基づいて、LUTaを作成する(S506)。CPU401は、テストチャート801aの読取結果に基づいてLUTa’を作成し、テストチャート801bの読取結果に基づいてLUTa”を作成する。
ここでは、2枚のテストチャート801a、801bを形成する例を説明したが、3枚以上のテストチャートによりキャリブレーションを行ってもより。テストチャートが1枚増えるたびに、S913及びS914の処理が追加される。
(テストチャートの読取開始の判断)
本実施形態では、テストチャートを読み取る前に、テストチャートが正しくセットされたか否かを判断して、判断結果に基づいてリーダ200によるテストチャートの読取開始の可否を判断する。具体的には、テストチャートが正しくセットされた場合にのみ、リーダ200によるテストチャートの読み取りを許可する。「テストチャートが正しくセットされている」とは、テスト画像がプリントされたシートであるテストチャートが、原稿トレイ302或いは原稿台ガラス102の正しい位置に載置されることである。正しくセットされた場合にのみ、リーダ200によるテストチャートの読み取りが許可されることで、テストチャートの読取エラーの発生が抑制される。つまり、テストチャートを読み取る前にテストチャートが正しくセットされたか否かが判断されることで、テストチャートの読取開始の可否が判断される。図13は、読取開始の判断を含むキャリブレーション処理を表すフローチャートである。
図13(a)は、テストチャートの読取開始の指示を受け付ける前のタイミングで読取開始の可否の判断を行う処理を表すフローチャートである。
CPU401は、ユーザがテストチャートの作成時に選択したシートのサイズ(用紙サイズ)を表す情報を取得する(S101)。ここでは、ユーザがA4サイズのシートを選択した場合について説明する。なお、上記のとおり、ユーザは、テストチャートの作成前に、テストチャートのADF読み(第1読取モード)を行うか、或いは原稿台読み(第2読取モード)を行うかを選択している。CPU401は、例えば操作部400のディスプレイに、図8(a)の操作画面700aで読取モードが選択された後に、用紙サイズを選択する画面を表示する。これによりユーザは、読取モードの選択後に引き続き、用紙サイズを選択する画面からテストチャートに用いるシートの用紙サイズを選択することができる。また、用紙サイズの選択の際にシートの向きが選択されてもよい。この場合、CPU401は、シートの向きを表す情報も取得する。
CPU401は、ユーザが選択した用紙サイズのシートを用いてテストチャートを作成する(S102)。CPU401は、テストチャートの作成に用いたシートの用紙サイズをメモリ402に格納する。シートの向きも選択されている場合には、シートの向きを表す情報もメモリ402に格納される。上記のとおり、テストチャート作成後に、ユーザが選択した読取モードでテストチャートが読み取られる。そのためにユーザは、操作部400により読取開始指示を入力する。ADF読み(第1読取モード)が選択されている場合、CPU401は、原稿トレイ302にテストチャートをセットして規制部材332の間隔を調整するように促すメッセージを、操作部400のディスプレイに表示する。原稿台読み(第2読取モード)が選択されている場合、CPU401は、テストチャートを原稿台ガラス102の原稿合わせマーク1231を基準にして載置するように促すメッセージを操作部400のディスプレイに表示する。
CPU401は、リーダ200により原稿サイズ(セットされたテストチャートのサイズ)を検出する(S103)。ADF読み(第1読取モード)の場合、リーダ制御部413は、原稿長検知センサ334a、334bが原稿を検知している間、常に原稿幅センサ333の検出結果に基づいて原稿サイズの検知結果を更新し続ける。これは、ユーザがテストチャートを原稿積載部301に載置した状態で、規制部材332の位置を調整して正しい位置にテストチャートをセットするためである。原稿台読み(第2読取モード)の場合、リーダ制御部413は、リーダ200を閉じるタイミングで原稿サイズを検知する。これは、ユーザがテストチャートを原稿台ガラス102にセットする際に、リーダ200の開閉の動作が伴うためである。
CPU401は、S102の処理で作成したテストチャートの用紙サイズ(S101の処理で取得)とS103の処理で検出した原稿サイズとを比較し、その比較結果により用紙サイズと原稿サイズとが一致するか否かを判断する(S104)。一致する場合、CPU401は、テストチャートが正しくセットされていると判断して、読取開始可能であると判断する。一致しない場合(S104:N)、CPU401は、テストチャートの用紙サイズと一致するまでS103、S104の処理を繰り返し行うことになる。
図14は、読取開始の可否判断の説明図である。ここでは、テストチャートがA4サイズのシートを用いて作成されている。そのためにCPU401は、リーダ200により検出した原稿サイズがA4またはA4Rの場合に、用紙サイズと原稿サイズとが一致すると判断し、A4及びA4R以外の場合に、用紙サイズと原稿サイズとが一致しないと判断する。なお、テストチャートがA3サイズのシートを用いて作成された場合、CPU401は、リーダ200により検出した原稿サイズがA3の場合にのみ用紙サイズと原稿サイズとが一致すると判断する。
図15は、ADF読み時にテストチャートを原稿トレイ302へセットしたときの状態の例示図である。図16は、原稿トレイ302へのテストチャートのセット状態と読取結果との関係図である。ここでは、テストチャートがA4サイズのシートを用いて作成された場合を例にしている。
図15(a)は、テストチャートが正しくセットされた場合を表す。給送される原稿の幅方向中央とテストチャートの中央が合致するようにテストチャートがセットされている。一対の規制部材332は、テストチャートの原稿幅のサイズ位置まで移動している。この場合、CPU401は、テストチャートが読取開始可能であると判断する。図15(b)は、テストチャートが横読み方向(R向き)にセットされた場合を表す。この場合、検出された原稿サイズが作成したテストチャートと同じサイズであるため、CPU401は、テストチャートが読取開始可能であると判断する。
図15(c)は、幅方向の手前側にテストチャートがセットされた場合を表す。この場合、テストチャートが正しくセットされておらず、作成したテストチャートと検出された原稿サイズとが一致しないため、CPU401は、テストチャートが読取開始不可であると判断する。そのために読取エラーが未然に防止される。図15(d)は、テストチャートが搬送方向に対して傾いてセットされた場合を表す。この場合、テストチャートが正しくセットされておらず、作成したテストチャートと原稿サイズとが一致しないため、CPU401は、テストチャートが読取開始不可であると判断する。そのために読取エラーが未然に防止される。
図15(e)は、作成したテストチャートとは異なる原稿がセットされた場合であり、かつ検出された原稿サイズがテストチャートの用紙サイズとは異なる場合を表す。この場合、CPU401は、テストチャートが読取開始不可であると判断する。そのために読取エラーが未然に防止される。図15(f)は、作成したテストチャートとは異なる原稿がセットされた場合であり、かつ検出された原稿サイズがテストチャートの用紙サイズと一致する場合を表す。この場合、CPU401は、テストチャートが読取開始可能であると判断する。ただし、原稿読取後に、読取エラーとなる。
図17は、原稿台読み時にテストチャートを原稿台ガラス102へセットしたときの状態の例示図である。
図17(a)は、テストチャートが正しくセットされた場合を表す。原稿台ガラス102の奥側の基準突き当て部の原稿合わせマーク1231に、テストチャートの用紙端部が合わせて載置される。この場合、CPU401は、テストチャートが読取開始可能と判断する。図17(b)は、テストチャートが横向き(R向き)がセットされた場合を表す。この場合、検出された原稿サイズが作成したテストチャートと同じサイズであるため、CPU401は、テストチャートが読取開始可能であると判断する。
図17(c)は、原稿合わせマーク1231にテストチャートの用紙端部が合わせてセットされていない場合を表す。この場合、テストチャートが正しくセットされていないため、CPU401は、テストチャートが読取開始不可であると判断する。そのために読取エラーが未然に防止される。仮に、この状態で原稿台読みを行うと、テストチャートがA4であるためにA4のサイズ位置までしか第1ミラーユニット104a及び第2ミラーユニット104bが移動しない。そのために、テストチャートの一部しか読み取られず、読取エラーが発生する。図17(d)は、テストチャートが傾いてセットされた場合を表す。ユーザが正しくテストチャートをセットしても、リーダ200を閉じる際の風等によりテストチャートが傾くことで、この状態は発生する。この場合もCPU401は、テストチャートが読取開始不可であると判断する。そのために読取エラーが未然に防止される。
図17(e)は、作成したテストチャートとは異なる原稿がセットされた場合であり、かつ検出された原稿サイズがテストチャートの用紙サイズとは異なる場合を表す。この場合、CPU401は、テストチャートが読取開始不可であると判断する。そのために読取エラーが未然に防止される。図17(f)は、作成したテストチャートとは異なる原稿がセットされた場合であり、かつ検出された原稿サイズがテストチャートの用紙サイズと一致する場合を表す。この場合、CPU401は、テストチャートが読取開始可能であると判断する。ただし、原稿読取後に、読取エラーとなる。
テストチャートの用紙サイズと検出した原稿サイズとが一致する場合(S104:Y)CPU401は、リーダ200によるテストチャートの読取開始が可能であると判断する(S105)。これによりCPU401は、例えば図8(b)や図8(c)のメッセージ画面700b、700cに含まれる読取開始を指示するボタン701cを、グレイアウト状態から押下可能な状態に切り替える。或いは、CPU401は、読取開始を指示するボタン701cを含まないメッセージ画面から、該ボタン701cを含むメッセージ画面に表示を切り替える。これによりユーザがテストチャートの読取開始を指示できない状態から指示できる状態に、表示が切り替わる。
CPU401は、読取開始を指示するボタン701cが押下されて読取開始指示が入力されると、リーダ200の動作を制御して、テストチャートの読取処理を行う(S106)。CPU401は、第1読取モードの場合にはADF読みを実行し、第2読取モードの場合には原稿台読みを実行する。CPU401は、テストチャートの読取結果に基づいて上記のキャリブレーションを実行して、プリント条件の調整を完了する(S107)。
図13(b)は、テストチャートの読取開始の指示を受け付けたタイミングで読取開始の可否の判断を行う処理を表すフローチャートである。図13(a)の処理と同じ処理には、同じステップ番号が付してある。図13(a)と同じ処理の説明は省略する。
S102の処理でテストチャートを作成したCPU401は、読取開始を指示するボタン701cが押下されて読取開始指示を受け付けると(S201)、S103のリーダ200による原稿サイズの検出処理を実行する。CPU401は、S102の処理で作成したテストチャートの用紙サイズとS103の処理で検出した原稿サイズとが一致しない場合(S104:N)、読取開始不可と判断する。この場合、CPU401は、テストチャートが正しくリーダ200にセットされていないことをユーザに通知する(S111)。
図18は、この場合に操作部400のディスプレイに表示される通知画面の例示図である。図18(a)は、ADF読み(第1読取モード)が選択されている場合の通知画面を例示する。この通知画面は、テストチャートがADFユニット220の原稿トレイ302に正しくセットされていないことの通知、原稿トレイ302へのテストチャートの置き直しの指示、及び規制部材332等の調整の指示、を含む。図18(b)は、原稿台読み(第2読取モード)が選択されている場合の通知画面を例示する。この通知画面は、テストチャートが原稿台ガラス102に正しくセットされていないことの通知、原稿台ガラス102へのテストチャートの置き直しの指示、及びテストチャートを原稿合わせマーク1231へ突き当ててセットすることの指示、を含む。
通知後にCPU401は、S201以降の処理をS102の処理で作成したテストチャートの用紙サイズとS103の処理で検出した原稿サイズとが一致するまで繰り返し行う。そのためにCPU401は、S111の通知処理の後に、操作部400のディスプレイに、読取開始を指示するボタン701cを含む画面を表示する。ユーザがこのボタン701cを操作部400により押下することで、S201以降の処理が行われる。なお、S111の通知は、ディスプレイへの通知画面の表示の他に、音声、ランプ表示等の出力装置を用いて行われてもよい。
図13(c)は、テストチャートの読取開始の指示を受け付けたタイミングで読取開始の判断を行う処理を表すフローチャートである。図13(c)は、図13(b)のS201の処理とS103の処理の順序を逆にした例である。個々の処理は同じであるため説明は省略する。
従来は、テストチャートの読取結果から読取エラーを判断する必要があったために、特にADFユニット220を用いて読み取る場合には、テストチャートが正しくセットされずに読取エラーとなるまで、時間が浪費される。これに対して本実施形態の画像形成装置100は、テストチャートの読み取りを開始する前に、テストチャートが正しくセットされているか否かを判断することで読取開始の可否を判断する。テストチャートが正しくセットされていなければ読取開始が不可となるために、テストチャートが正しくセットされないことに起因する読取エラーを未然に防止することができる。画像形成装置100は、読取エラーに起因するテストチャートの再読み取りの無駄を防ぐことができる。つまり、図16に示すような効果が得られる。
(テストチャートの読取開始の判断の他の例)
上記のテストチャートの読取開始の判断処理では、テストチャートに用いたシートの用紙サイズと、リーダ200で検出した原稿サイズとが一致するか否かにより、テストチャートの読取開始の可否が判断されている。しかし、テストチャートにより調整されるプリント条件の種類によっては、テストチャートをリーダ200で読み取る際のテストチャートの向きが限定されることがある。この場合、用紙サイズと原稿サイズとの一致の判断条件に、載置されたテストチャートの向きが含まれる。
例えば、プリント時には感光ドラム121、131、141、151がレーザビームにより主走査方向(Y方向)に走査される。この際、主走査方向に濃度ムラが発生することがある。主走査方向の濃度ムラは、例えば、感光ドラム121、131、141、151を帯電する帯電器122の劣化による帯電ムラ、露光器110によるレーザビームの露光ムラ、或いは現像器123による現像ムラ等が原因となって発生する。
このような主走査方向の濃度ムラを補正する場合、濃度ムラ補正用のテストチャートが作成される。図19は、濃度ムラ補正用のテストチャートの説明図である。図19(a)は、A4サイズのテストチャート810を例示する。図19(b)は、A3サイズのテストチャート811を例示する。いずれのテストチャート810、811も、主走査方向(Y方向)に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の50%の濃度信号で形成される帯状のテスト画像が形成される。帯状のテスト画像は、シートのサイズによらず、主走査方向が帯の長手となるように形成される。
濃度ムラ補正用のテストチャート810、811の読み取りは、テストチャート810、811の主走査方向(Y方向)がリーダ200のSX1方向又はSX2方向に平行になるようにセットされて行われる。これは、画像センサ105が主走査方向にライン状に配列された光電変換素子を有しており、Y方向の位置により光電変換素子の特性が異なるためである。リーダ200は、テストチャート810、811の主走査方向をリーダ200のSX1方向又はSX2方向にして読み取ることで、画像センサ105の光電変換素子の位置による特性差を抑制することができる。
このようなテストチャートの読取開始の判断は、図13のS104の処理と同様に行われる。即ち、CPU401は、S102の処理で作成したテストチャートの用紙サイズとS103の処理で検出した原稿サイズとが一致するか否かを判断して、テストチャートの読取開始の可否を判断する。このとき、CPU401は、原稿の向きをサイズの一致の判断条件に加える。図20は、読取開始の可否判断の説明図である。原稿の向きがサイズの一致の判断条件に加えられている。図20は、用紙サイズがA4の場合には原稿サイズがA4Rのみ読取開始が可となる。用紙サイズがA4で原稿サイズがA4の場合に、用紙サイズと原稿サイズは一致するが、原稿の向きが正しくないために、読取開始を不可とする点で、図20は図14の場合と相違する。図20は、用紙サイズがA3の場合には原稿サイズが定形サイズ外のみ読取開始が可となる。なお、用紙サイズがA3の場合、テストチャート811は、一部が原稿台からはみ出すように原稿台ガラス102にセットされるのが、正しい置き方となる。このため、濃度ムラ補正は、用紙サイズがA3のテストチャート811を用いて行う場合には、ADF読み(第1読取モード)による読み取りが不可となり、原稿台読み(第2読取モード)による読み取りのみが可となる。
図21は、原稿トレイ302へのテストチャートのセット状態と読取結果との関係図である。この例では、原稿サイズの一致の判断条件(原稿の置き方)に原稿の向きが加えられる。そのために、テストチャートの読取向きに限定がある主走査方向(Y方向)の濃度ムラ補正等の調整に対して、図21に示すように、「定形位置かつ読取向きが正しくない」場合に、読取エラーを未然に防ぐことが可能である。
(テストチャートの読取開始の判断の他の例)
ここでは、テストチャートの向きによらず、テストチャートの長手方向(シートの長辺)がリーダ200のY方向と平行になるようにテストチャートを載置することで、読取エラーの発生を未然に防ぐ例について説明する。
例えば、「ADF読取筋の検出を含む画像不良診断」の場合に、テストチャートが、長手方向をリーダ200のY方向と平行になるようにして載置される。図22は、「ADF読取筋の検出を含む画像不良診断」で用いられる画像診断用のテストチャートの説明図である。画像診断用のテストチャート820は、画像が形成されない白地部821と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の50%の濃度信号で形成される帯状のテスト画像822、823、824、825と、を含む。図22(a)は、A4のシートに形成された画像診断用のテストチャート820を例示する。図22(b)は、A4Rのシートに形成された画像診断用のテストチャート820を例示する。
画像診断用のテストチャート820を読み取る場合、テストチャートがA4、A4Rのいずれであっても、テストチャート820は、長手方向(シートの長辺)がY方向と平行になる向きでセットされる必要がある。
ADF読取筋の有無を判断する際に、テストチャート820がリーダ200の読取位置に搬送される前とテストチャートの白地部821との両方で筋が検出された場合、テストチャート820の有無によらず筋が検出されることになる。この場合、リーダ200に起因した筋が発生していると判断される。テストチャート820がリーダ200の読取位置に搬送される前には筋が検出されず、テストチャート820の白地部821で筋が検出された場合、リーダ200に起因した筋ではなくテストチャート820の白地部821に筋が有ると判断される。この場合、画像形成装置100に起因した筋であると判断される。図23は、このような筋検出位置と筋の原因との関係図である
リーダ200に起因した筋と画像形成装置100に起因した筋とを切り分けるために、リーダ200のより広い読取領域(Y方向)に対して画像診断が行われる。そのために、テストチャート820は、長手方向(用紙の長辺)をY方向と平行になる向きでセットされる。つまりテストチャート820がA4でリーダ200にセットされた場合にのみ、読取開始が許可される。
図24は、読取開始の可否判断の説明図である。ADFの読取筋を含む画像診断用のテストチャート820の場合、用紙サイズがA4、A4Rのいずれの場合でも、原稿サイズがA4の場合にのみ読取開始が可能となる。これにより、その他の置き方で画像診断用のテストチャート820が置かれた際の読取エラーを未然に防止することが可能となる。
以上のように本実施形態の画像形成装置100は、テストチャートによるプリント条件の調整に際して、テストチャートの読取動作を行う前に、テストチャートが正しくセットされているかを判断する。これによりテストチャートをリーダ200に読み取らせる差異のユーザの作業ミスによる読取エラーを未然に防止することができる。そのために、テストチャートによる調整作業の効率化をはかることが可能となる。

Claims (12)

  1. シートに画像を形成する画像形成手段と、
    シートが載置される載置手段と、
    前記載置手段に載置されたシートの画像を読み取る読取手段と、
    前記画像形成手段によりテスト画像を前記シートに形成してテストチャートを作成し、前記テストチャートが前記載置手段に載置されると、該テストチャートが前記載置手段に正しく載置されているか否かに基づいて、前記読取手段による前記テストチャートの読取開始の可否を判断する制御手段と、を備えることを特徴とする、
    画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記テストチャートが前記載置手段に正しく載置された場合に、前記読取手段による前記テストチャートの読取開始を許可することを特徴とする、
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記読取手段による前記テストチャートの読取開始を不可と判断した場合に、前記テストチャートが前記載置手段に正しく載置されていないことを通知することを特徴とする、
    請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記テストチャートが前記載置手段に正しく載置されるまで、前記読取手段による前記テストチャートの読取開始を不可とすることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか1項記載の画像形成装置。
  5. 前記テストチャートの作成に用いられるシートの第1サイズを格納する格納手段と、
    前記載置手段に載置されたシートの第2サイズを検出するサイズ検出手段と、を備え
    前記制御手段は、前記第1サイズと前記第2サイズとの比較結果に基づいて、前記テストチャートが前記載置手段に正しく載置されたか否かを判断することを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか1項記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1サイズと前記第2サイズとが一致する場合に、前記テストチャートが前記載置手段に正しく載置されていると判断することを特徴とする、
    請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記格納手段は、前記第1サイズ及び前記テストチャートを作成したときのシートの向きを表す情報を格納し、
    前記サイズ検出手段は、前記第2サイズ及び前記載置手段に載置されたシートの向きを検出し、
    前記制御手段は、前記第1サイズと前記第2サイズとの比較結果と、前記格納手段に格納された前記シートの向きを表す情報と前記載置手段に載置されたシートの向きとに基づいて、前記テストチャートが前記載置手段に正しく載置されたか否かを判断することを特徴とする、
    請求項5又は6記載の画像形成装置。
  8. 前記載置手段は、シートが位置を固定されて載置される原稿台ガラスであり、前記原稿台ガラスに載置されるシートの有無を検知する第1センサを有しており、
    前記サイズ検出手段は、前記読取手段による所定数のラインの読取結果と前記第1センサの検知結果とに基づいて、前記原稿台ガラスに載置されたシートの第2サイズを検出することを特徴とする、
    請求項5〜7のいずれか1項記載の画像形成装置。
  9. 前記載置手段は、シートを前記読取手段の読取位置に搬送する搬送装置に設けられる原稿トレイであり、
    前記原稿トレイには、前記シートの搬送方向に直交する方向にスライド可能な一対の規制部材と、前記シートの搬送方向にならんで配置されて前記シートの有無を検知する複数の第2センサと、が設けられ、
    前記サイズ検出手段は、前記規制部材の位置と前記複数の第2センサの検知結果とに基づいて、前記原稿トレイに載置されたシートの前記第2サイズを検出することを特徴とする、
    請求項5〜8のいずれか1項記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、前記画像形成手段により階調補正用のテスト画像を前記シートに形成して前記テストチャートを作成し、前記読取開始が可能と判断した場合に、前記読取手段により該テストチャートを読み取らせた結果に基づいて、階調補正を行うことを特徴とする、
    請求項1〜9のいずれか1項記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記画像形成手段により濃度ムラ補正用のテスト画像を前記シートに形成して前記テストチャートを作成し、前記読取開始が可能と判断した場合に、前記読取手段により該テストチャートを読み取らせた結果に基づいて、濃度ムラを補正することを特徴とする、
    請求項1〜9のいずれか1項記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記画像形成手段により画像診断用のテスト画像を前記シートに形成して前記テストチャートを作成し、前記読取開始が可能と判断した場合に、前記読取手段により該テストチャートを読み取らせた結果に基づいて、画像不良の原因を判断することを特徴とする、
    請求項1〜9のいずれか1項記載の画像形成装置。
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