JP2020183567A - 銀ナノ粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低沸点溶媒を使用して、狭い粒度分布を有する銀ナノ粒子を製造する方法を提供する。【解決手段】本発明は、反応液中一定濃度の銀イオンを、粒子保護剤及び銀よりも貴な元素の存在下、銀イオンの還元剤で還元することを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法に関する。【選択図】図1
Description
本発明は、銀ナノ粒子の製造方法に関する。
バルク材料と異なる性質を有することがある金属ナノ粒子は、例えば触媒、インクの材料、電子部品部材など、様々な用途において、使用・検討されている。
その中でも、銀ナノ粒子は、機能面において種々の優れた物理的・化学的特性を有しており、その用途や製造方法について、様々な研究開発が行われている。
例えば、特許文献1は、ポリオール溶媒に対し、平均粒径10μm以下の銀化合物を1重量%〜15重量%、分散剤としての銀との吸着性に優れた水溶性高分子を該銀化合物中の銀含有量に対して5重量%〜80重量%添加した後、該溶液を100℃以下で加熱還元することにより得られる銀微粒子であって、表面に水溶性高分子による被覆層を有し、平均粒径が30nm以下で、且つ標準偏差σ/平均粒径dが30%以下であり単分散性を有することを特徴とする銀微粒子について開示している。
特許文献2は、硝酸銀を、水中でポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルアルコールなどの親水性高分子化合物及びアミン化合物の存在下、クエン酸塩で還元することを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法について開示している。
近年、エレクトロニクス実装分野においても、低温で接合することができる鉛フリー化接合材料として、金属ナノ粒子が検討されている。鉛フリーはんだは250℃以下で接合することが困難であるが、金属ナノ粒子を含む鉛フリーはんだは、金属ナノ粒子の特性、すなわち、バルク材料と比較して低い融点を有する一方で、接合に使用されて焼結するとバルク材料としての融点を有するという特性を利用して、250℃以下での接合を可能にし得る。
高耐熱接合材料として、金属ナノ粒子、特に銀ナノ粒子を使用するためには、銀ナノ粒子の融点を一定にする必要がある。銀ナノ粒子の融点を一定にするためには、銀ナノ粒子の粒度分布を狭くし、分散性をよくすることが望ましい。
しかしながら、特許文献1では、粒径の小さな銀化合物を準備するために、例えば銀化合物を粉砕加工する工程が必要であり、方法が複雑である。
また、特許文献2に記載の方法により得られる銀ナノ粒子の分散性は不均一になると推察される。特許文献2に記載の方法は、水を溶媒として使用する硝酸銀とクエン酸ナトリウムの反応系であるが、当該反応系では、特に低温において銀の核形成速度にばらつきが生じるため、銀ナノ粒子の粒度分布が広くなり、その結果、得られる銀ナノ粒子の分散性は不均一になる。
つまり、ナノ粒子の材料として同一元素、すなわち銀しか存在しない反応系では、銀の核が生成してからは、銀は優先的に銀の核上に析出し成長するが、一方で、局所的に高エネルギーである自由表面においては、銀の核が生成する。したがって、異なる反応場で粒子成長と核生成が同時に起きるために、銀ナノ粒子の粒径が不均一になる。
実際に、特許文献2のトレース実験を実施したところ、特許文献2に記載の方法で得られた銀ナノ粒子では、特許文献1における分散性の指標である標準偏差σ/平均粒径dが43%を示し、30%以下にならなかった。
そこで、本発明は、狭い粒度分布を有する銀ナノ粒子を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、反応液中の銀イオンを、粒子保護剤の存在下、銀イオンの還元剤で還元して銀ナノ粒子を製造する方法において、銀イオンの濃度を一定に調整し、銀よりも貴な元素を添加することによって、狭い粒度分布を有する銀ナノ粒子を製造することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)反応液中40mM以上の銀イオンを、粒子保護剤及び銀よりも貴な元素の存在下、銀イオンの還元剤で還元することを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法。
(2)銀よりも貴な元素がパラジウムである、(1)に記載の方法。
(3)パラジウムの量が、パラジウム金属として、銀の金属としての重量に基づいて、0.05重量%〜20重量%である、(2)に記載の方法。
(4)反応液に用いられる溶媒が水である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)銀イオンの還元剤がクエン酸塩である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)粒子保護剤がポリビニルピロリドン(PVP)である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の方法。
(7)マイクロ波合成装置により実施する、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の方法。
(1)反応液中40mM以上の銀イオンを、粒子保護剤及び銀よりも貴な元素の存在下、銀イオンの還元剤で還元することを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法。
(2)銀よりも貴な元素がパラジウムである、(1)に記載の方法。
(3)パラジウムの量が、パラジウム金属として、銀の金属としての重量に基づいて、0.05重量%〜20重量%である、(2)に記載の方法。
(4)反応液に用いられる溶媒が水である、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)銀イオンの還元剤がクエン酸塩である、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)粒子保護剤がポリビニルピロリドン(PVP)である、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の方法。
(7)マイクロ波合成装置により実施する、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の方法。
本発明によって、狭い粒度分布を有する銀ナノ粒子を製造することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。なお、本発明の銀ナノ粒子の製造方法は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。なお、本発明の銀ナノ粒子の製造方法は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良などを施した種々の形態にて実施することができる。
本発明は、反応液中一定濃度の銀イオンを、粒子保護剤及び銀よりも貴な元素の存在下、銀イオンの還元剤で還元することを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法に関する。
ここで、銀イオンの原料としては、限定されないが、例えば銀の、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの有機塩、などを挙げることができる。本発明では、銀イオンの原料としては、安価である硝酸銀を使用することが好ましい。
反応液中の銀イオンの濃度は、40mmol/L(mM)以上、好ましくは50mM以上である。反応液中の銀イオンの濃度の上限値は、銀イオンの原料が反応液中において銀イオンとして存在する限り、限定されないが、通常500mM、好ましくは400mMである。
反応液中の銀イオンの濃度を前記範囲にすることによって、得られる銀ナノ粒子のばらつきは小さくなり、言い換えれば、得られる銀ナノ粒子の粒度分布は狭くなる。
本発明の方法における反応液に用いられる溶媒は、限定されない。本発明の方法における反応液に用いられる溶媒としては、例えば沸点が300℃以下である低沸点溶媒などが挙げられる。低沸点溶媒としては、限定されないが、例えば、水、エタノール等のアルコール、その他有機溶媒、又はそれらの2種以上の混合物などの低沸点極性溶媒を挙げることができる。反応液に用いられる溶媒としては、水が好ましい。
本発明において反応液に用いられる溶媒として低沸点溶媒を使用することによって、溶媒の取扱い性を向上させ、環境への負荷を小さくすることができる。
粒子保護剤とは、溶媒中で懸濁する銀ナノ粒子表面の一部又は全面に結合する化合物であって、銀ナノ粒子同士の凝集を抑制する化合物である。粒子保護剤としては、限定されないが、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、チオール系、ポリビニルアルコール(PVA)などを挙げることができる。粒子保護剤としては、PVPが好ましい。
粒子保護剤の量は、限定されず、所望する銀ナノ粒子の粒径に応じて、変更することができる。
本発明において粒子保護剤を使用することによって、生成した銀ナノ粒子同士の凝集を抑制することができる。
銀よりも貴な元素とは、標準電位系列で銀よりも高い電位にある元素、言い換えれば、イオン化傾向が銀よりも小さい元素である。銀よりも貴な元素としては、限定されないが、例えば、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などを挙げることができる。銀よりも貴な元素としては、パラジウムが好ましい。
銀よりも貴な元素は、陽イオンの形態であっても、又はナノ粒子の形態であってもよい。銀よりも貴な元素が陽イオンの形態である場合、銀よりも貴な元素は、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などの有機塩として存在することができる。
銀よりも貴な元素の量は、元素として、銀の金属としての重量に基づいて、通常0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.05重量%〜20重量%である。
特に、銀よりも貴な元素がパラジウムの場合には、パラジウムの量は、パラジウム金属として、銀の金属としての重量に基づいて、通常0.05重量%〜20重量%である。
あるいは、パラジウムと銀の金属としての重量比は、パラジウムを1としたときに、銀が通常5〜20となる範囲(1:5〜1:20)である。
反応系に銀よりも貴な元素を添加することで、銀よりも貴な元素が、銀イオンよりも先にナノ粒子の核を形成するため、銀イオンは、銀よりも貴な元素により形成された核上に銀として析出、成長することができ、その結果、特に低温で製造する場合でも、狭い粒度分布を有する銀ナノ粒子を製造することができる。
銀イオンの還元剤とは、銀イオンを、酸化還元反応により、酸化数が0である銀まで還元することができる材料である。
銀イオンの還元剤としては、限定されないが、例えば、クエン酸又はその塩、例えばクエン酸三ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、シュウ酸又はその塩、例えばシュウ酸ナトリウム、アスコルビン酸又はその塩、例えばアスコルビン酸ナトリウムなどが挙げられる。銀イオンの還元剤としては、クエン酸塩が好ましい。
銀イオンの還元剤は、銀よりも貴な元素が陽イオンの形態で存在する場合、銀よりも貴な元素の還元剤としても作用することができる。
銀イオンの還元剤の量は、銀イオン及び場合により銀よりも貴な元素を酸化還元反応により、酸化数が0である金属まで還元することができる限り、限定されない。
本発明では、前記の材料以外に、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及び/又はその塩を添加することができる。
本発明では、各材料の添加順序、添加温度、混合方法、混合時間などは限定されず、均一な反応液が調製されるように混合される。本発明では、均一な反応液が調製されてから反応を開始させる。
本発明は、従来の加熱による方法、又はマイクロ波合成装置を用いる方法により実施することができる。
本発明において、従来の加熱による方法では、反応温度は、限定されないが、通常300℃以下である。
本発明において、従来の加熱による方法では、反応時間は、限定されないが、通常1時間〜100時間、例えば、1時間〜3時間、好ましくは24時間〜100時間である。
本発明において、マイクロ波合成装置を用いる方法では、反応液にマイクロ波を照射し、反応を進行させる。したがって、反応液に含まれる溶媒としては、マイクロ波を照射すると、マイクロ波を吸収し、熱エネルギーに変換することで発熱する極性溶媒を用いる。極性溶媒としては、限定されないが、低沸点極性溶媒、例えば、水、エタノールなどが挙げられる。極性溶媒としては、水が好ましい。
マイクロ波合成装置を用いる方法では、反応液を収容する容器の材質は、原料溶液にマイクロ波を均一に照射することができれば限定されず、例えば、反応器の外部から反応器を介して原料溶液にマイクロ波を照射する場合、マイクロ波を透過する材質、例えばセラミックス、ガラスなどを使用することができ、原料溶液の上部から原料溶液に直接マイクロ波を照射する場合、マイクロ波を反射する材質、例えばアルミニウム、ステンレスなどの金属などを使用することができる。
マイクロ波合成装置を用いる方法では、マイクロ波は、マイクロ波照射源(マイクロ波発振器(マグネトロン))から発生し、マイクロ波照射源は、シングルモードシステム、マルチモードシステムのどちらでも使用することができる。
マイクロ波合成装置を用いる方法では、マイクロ波照射源の出力は、反応の条件、例えば反応の種類などにより適宜変更することができ、限定されないが、反応液の総体積に基づいて、通常100W/L〜10kW/L、好ましくは100W/L〜5kW/Lである。
マイクロ波合成装置を用いる方法では、マイクロ波照射源から発生するマイクロ波の周波数は、適宜変更することができ、限定されないが、通常1GHz〜10GHz、好ましくは2GHz〜6GHzである。本発明では、マイクロ波の周波数として、工業用マイクロ波電源の周波数である2.45GHzを使用することがより好ましい。
マイクロ波合成装置を用いる方法では、マイクロ波の照射によって昇温される反応液の温度は、反応の条件により適宜変更することができ、限定されない。溶媒の沸点以下であればよい。
マイクロ波合成装置を用いる方法では、反応液へのマイクロ波の照射時間は、反応の条件により適宜変更することができ、限定されないが、通常1分〜200分、好ましくは1分〜80分である。あるいは、目的とする反応液の温度を維持するように、マイクロ波を反応液に照射することができる。
マイクロ波合成装置を用いる方法では、マイクロ波の照射時間を含む反応の総時間は、反応の条件により適宜変更することができ、限定されないが、例えば1分〜300分、好ましくは1分〜80分である。
本発明は、反応場全体を均一に加熱することができるという観点から、マイクロ波合成装置を用いて実施することが好ましい。
本発明では、反応液を、撹拌機構、例えばプロペラ式撹拌機、振動式撹拌機などにより、撹拌することが好ましい。反応液を撹拌することにより、反応液中に生成した銀ナノ粒子を均一に分散することができ、反応液を均一に保つことができる。
本発明は、バッチ式で実施しても、流通式で実施してもよい。本発明は、バッチ式で実施することが好ましい。バッチ式で実施することにより、合成反応自体を完了させることができ、得られる銀ナノ粒子の歩留まりをよくすることができる。また、反応液の濃度を高濃度にすることができ、流通式で起こり得る銀ナノ粒子の配管の閉塞の問題が起こらない。
本発明により得られた銀ナノ粒子を含む溶液は、当該技術分野において知られる方法により、分離、精製(例えば塩析や遠心分離)などを実施し、目的とする銀ナノ粒子及び/又は銀ナノ粒子を含む分散液を得ることができる。
本発明により製造された銀ナノ粒子は、粒径が均一であり、すなわち狭い粒度分布を有する。
本発明により製造された銀ナノ粒子は、従来の触媒、電子部品部材、インクの材料などに加え、エレクトロニクス実装分野における高耐熱鉛フリー化接合材料として使用することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
1.銀ナノ粒子の調製
実施例1
硝酸銀、EDTA、クエン酸三ナトリウム、硝酸パラジウムを、それぞれ水に溶解した。第一に、硝酸銀水溶液に、EDTA水溶液を添加して撹拌し、第二に、クエン酸ナトリウム水溶液を添加して、銀−EDTAの沈殿が溶解するまで撹拌し、第三に、硝酸パラジウム水溶液を添加して撹拌し、第四に、水酸化ナトリウムを加えてpHを中性にしたPVP−PAA水溶液を添加して撹拌し、最後に、精製水を添加して撹拌し、表1に記載の濃度になるようにして、反応液を得た。反応液中のパラジウム濃度は、パラジウム金属として、銀の金属としての重量に基づいて、1.3重量%であった。
実施例1
硝酸銀、EDTA、クエン酸三ナトリウム、硝酸パラジウムを、それぞれ水に溶解した。第一に、硝酸銀水溶液に、EDTA水溶液を添加して撹拌し、第二に、クエン酸ナトリウム水溶液を添加して、銀−EDTAの沈殿が溶解するまで撹拌し、第三に、硝酸パラジウム水溶液を添加して撹拌し、第四に、水酸化ナトリウムを加えてpHを中性にしたPVP−PAA水溶液を添加して撹拌し、最後に、精製水を添加して撹拌し、表1に記載の濃度になるようにして、反応液を得た。反応液中のパラジウム濃度は、パラジウム金属として、銀の金属としての重量に基づいて、1.3重量%であった。
反応液を、マイクロ波合成装置にて、90℃/80分で加熱し、銀ナノ粒子を得た。
実施例2
実施例1において、各材料の濃度を表2に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、実施例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
実施例1において、各材料の濃度を表2に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、実施例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
比較例1
実施例1において、硝酸パラジウムを添加しないこと以外は、実施例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。比較例1の反応液の各材料の濃度を表3に示す。
実施例1において、硝酸パラジウムを添加しないこと以外は、実施例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。比較例1の反応液の各材料の濃度を表3に示す。
比較例2
比較例1において、各材料の濃度を表4に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、比較例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
比較例1において、各材料の濃度を表4に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、比較例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
比較例3
比較例1において、各材料の濃度を表5に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、比較例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
比較例1において、各材料の濃度を表5に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、比較例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
比較例4
比較例1において、各材料の濃度を表6に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、比較例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
比較例1において、各材料の濃度を表6に記載の濃度になるように調製して反応液を得た以外は、比較例1と同様に反応を実施し、銀ナノ粒子を得た。
2.銀ナノ粒子の評価
実施例1及び比較例1で得られた銀ナノ粒子を、それぞれ粒度分布測定装置(動的光散乱法(DLS))により測定した。
実施例1及び比較例1で得られた銀ナノ粒子を、それぞれ粒度分布測定装置(動的光散乱法(DLS))により測定した。
図1に、実施例1で調製した銀ナノ粒子の粒度分布の結果を示し、図2に、比較例1で調製した銀ナノ粒子の粒度分布の結果を示す。
図1及び2より、反応液に銀よりも貴な元素であるパラジウムを添加した実施例1の銀ナノ粒子では、分散性の指標である標準偏差σ/平均粒径dが24%、すなわち30%以下を示したのに対し、反応液に銀よりも貴な元素であるパラジウムが存在しない比較例1の銀ナノ粒子では、分散性の指標である標準偏差σ/平均粒径dが43%になった。
反応系に銀よりも貴なパラジウムを添加することで、銀よりも貴なパラジウムが、銀イオンよりも先にナノ粒子の核を形成し、銀イオンは、銀よりも貴なパラジウムにより形成された核上に銀として析出、成長し、その結果、より狭い粒度分布を有する銀ナノ粒子を製造することができたと考えられる。
3.銀イオン濃度の検討実験
銀ナノ粒子が分散した分散液(銀ナノ粒子分散液)は、平均粒径に依存した吸収スペクトルを示す。例えば、2つの銀ナノ粒子分散液において、それぞれの平均粒径が異なる場合、それぞれの銀ナノ粒子分散液の吸収スペクトルもまた異なり得る。
銀ナノ粒子が分散した分散液(銀ナノ粒子分散液)は、平均粒径に依存した吸収スペクトルを示す。例えば、2つの銀ナノ粒子分散液において、それぞれの平均粒径が異なる場合、それぞれの銀ナノ粒子分散液の吸収スペクトルもまた異なり得る。
このような銀ナノ粒子分散体の性質から考えると、銀ナノ粒子分散液中に異なる粒径の銀ナノ粒子が存在する場合、当該銀ナノ粒子分散液の吸収スペクトルは異なる粒径の銀ナノ粒子の吸収スペクトル同士の足し合わせになり、当該銀ナノ粒子分散液の吸収スペクトルにおける吸収ピークのピーク幅は大きくなり得る。すなわち、銀ナノ粒子分散体中の銀ナノ粒子の粒度のばらつきが大きくなると、それに伴い、銀ナノ粒子分散液の吸収スペクトルにおける吸収ピークのピーク幅もまた大きくなり得る。
こうした銀ナノ粒子分散液の性質を利用して、実施例2及び比較例1〜4の吸収スペクトルを測定し、それぞれの吸収スペクトルから、最大吸収ピーク波長の半分の強度における2つの吸収波長の差と、最大吸収ピーク波長とを算出し、さらに、それらの商を「粒度ばらつき指数」として求めた。
粒度ばらつき指数=最大吸収ピーク波長の半分の強度における2つの吸収波長の差÷最大吸収ピーク波長
図3に、銀イオン濃度と粒度ばらつき指数との関係を示す。なお、実施例1の粒度ばらつき指数としては、分散性の指標である(標準偏差σ/平均粒径d)=0.24を用いた。粒度ばらつき指数が小さくなるほど、銀ナノ粒度のばらつきは小さくなると考えると、図3より、銀イオン濃度が40mM程度、例えば50mMでは、得られた銀ナノ粒子のばらつきは小さく、さらに、銀イオン濃度を当該濃度から上昇させても、銀ナノ粒子のばらつきは小さいまま維持されることがわかった。
Claims (7)
- 反応液中40mM以上の銀イオンを、粒子保護剤及び銀よりも貴な元素の存在下、銀イオンの還元剤で還元することを特徴とする銀ナノ粒子の製造方法。
- 銀よりも貴な元素がパラジウムである、請求項1に記載の方法。
- パラジウムの量が、パラジウム金属として、銀の金属としての重量に基づいて、0.05重量%〜20重量%である、請求項2に記載の方法。
- 反応液に用いられる溶媒が水である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 銀イオンの還元剤がクエン酸塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 粒子保護剤がポリビニルピロリドンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- マイクロ波合成装置により実施する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
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