JP2020183476A - 樹脂組成物及び接着構造体 - Google Patents
樹脂組成物及び接着構造体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020183476A JP2020183476A JP2019088117A JP2019088117A JP2020183476A JP 2020183476 A JP2020183476 A JP 2020183476A JP 2019088117 A JP2019088117 A JP 2019088117A JP 2019088117 A JP2019088117 A JP 2019088117A JP 2020183476 A JP2020183476 A JP 2020183476A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- polyurethane
- resin composition
- acid
- structural unit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
Description
本発明の一実施形態の樹脂組成物は、ポリオレフィンポリオールに由来する構成単位(A)及びダイマーポリオールに由来する構成単位(B)の少なくともいずれかを含むポリウレタン系樹脂と、化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂とを含有する。そして、化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量は、ポリウレタン系樹脂100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲である。
ポリウレタン系樹脂は、ポリオレフィンポリオールに由来する構成単位(A)及びダイマーポリオールに由来する構成単位(B)の少なくともいずれかを含む。ポリオレフィンポリオール及びダイマーポリオールは、極性が低い構造であり、構成単位(A)及び/又は構成単位(B)を含むポリウレタン系樹脂は、化学修飾された酸変性ポリオレフィン樹脂との相溶性が良好であると考えられる。
本発明の一実施形態の樹脂組成物は、化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂を含有する。樹脂組成物に酸変性ポリオレフィン樹脂を含有させることで、ポリオレフィン系樹脂製基材との接着性をさらに向上させることができる。
本発明の一実施形態の樹脂組成物は、架橋剤をさらに含有することが好ましい。樹脂組成物に架橋剤を含有させることで、その樹脂組成物から形成される接着層及びバインダー層等の耐溶剤性、耐薬品性、及び耐熱性をさらに向上させることが可能であるとともに、初期密着性及び高温下での接着力を向上させることができる。架橋剤としては、公知のものを用いることができる。架橋剤として、例えば、イソシアネート架橋剤、ブロックイソシアネート架橋剤、カルボジイミド架橋剤、オキサゾリン架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤、シランカップリング剤、及びチタンカップリング剤を挙げることができる。これらの架橋剤の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[1]ポリオレフィンポリオールに由来する構成単位(A)及びダイマーポリオールに由来する構成単位(B)の少なくともいずれかを含むポリウレタン系樹脂と、化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂と、を含有し、前記化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量が、前記ポリウレタン系樹脂100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲である樹脂組成物。
[2]前記ポリウレタン系樹脂における前記構成単位(A)及び前記構成単位(B)の合計の含有割合が、前記ポリウレタン系樹脂の全質量を基準として、50〜98質量%である前記[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記ポリウレタン系樹脂の重量平均分子量が2,000〜200,000である前記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記ポリウレタン系樹脂は、前記構成単位(A)及び前記構成単位(B)の両方を含む前記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]前記ポリウレタン系樹脂は、ポリアミンに由来する構成単位(C)をさらに含む前記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]前記化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂は、アミン化合物、カルボジイミド化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する修飾基を含む前記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]イソシアネート架橋剤、ブロックイソシアネート架橋剤、カルボジイミド架橋剤、オキサゾリン架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤、シランカップリング剤、及びチタンカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤をさらに含有する前記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8]接着剤又はバインダーとして用いられる前記[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
次に、本発明の一実施形態の接着構造体について説明する。その接着構造体は、ポリオレフィン系樹脂製の基材同士を接着する接着剤層を備え、その接着剤層が、前述の樹脂組成物を用いて形成されたものである。以下、図1を参照しながら、本実施形態の接着構造体の構成を詳述する。図1は、本実施形態の接着構造体の一例を模式的に示す断面図であり、その接着構造体の積層構成の一例を説明するための図である。
(合成例1:PU1の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリブタジエンポリオール(商品名「G−1000」、日本曹達社製、水酸基価(OHv)=70.7mgKOH/g、1,2−vinyl=90.8%、trans−1,4=9.2%)100.0g、ダイマージオール(商品名「Pripol2033」、クローダジャパン社製、OHv=207mgKOH/g)34.2g、メチルエチルケトン(MEK)33.1g、及びメチルシクロヘキサン(MCH)8.3gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃で4,4’−メチレンビス(フェニレンイソシアネート)(MDI)31.5gを添加し、次いで、80℃に昇温して反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MEK99.4g及びMCH24.9gを添加して、ポリウレタン樹脂PU1の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリブタジエンポリオール(商品名「G−3000」、日本曹達社製、OHv=31.1mgKOH/g、1,2−vinyl=90.6%、trans−1,4=9.4%)100.0g、ダイマージオール(商品名「Pripol2033」、クローダジャパン社製、OHv=207mgKOH/g)15.0g、MEK25.8g、及びMCH6.4gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃でMDI13.9gを添加し、次いで、80℃に昇温して反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MEK77.4g及びMCH19.3gを添加して、ポリウレタン樹脂PU2の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、水素化ポリブタジエンポリオール(商品名「GI−1000」、日本曹達社製、OHv=66mgKOH/g)100.0g、ダイマージオール(商品名「Pripol2033」、クローダジャパン社製、OHv=207mgKOH/g)50.0g、MEK39.9g、及びトルエン39.9gを仕込んだ。加熱撹拌を開始した後、50℃でMDI36.2gを添加し、次いで、80℃に昇温して反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MEK53.6g及びトルエン53.6gを添加して、ポリウレタン樹脂PU3の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリブタジエンポリオール(商品名「G−1000」、日本曹達社製、OHv=70.7mgKOH/g、1,2−vinyl=90.8%、trans−1,4=9.2%)100.0g、ダイマージオール(商品名「Pripol2033」、クローダジャパン社製、OHv=207mgKOH/g)34.2g、ジメチロールプロパン酸(DMPA)5.0g、MEK36.0g、及びMCH9.0gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃でMDI40.8gを添加し、次いで、80℃に昇温して反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MEK108.0g及びMCH27.0gを添加して、酸価(Av)=11.6mgKOH/gのポリウレタン樹脂PU4の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリブタジエンポリオール(商品名「G−1000」、日本曹達社製、OHv=70.7mgKOH/g、1,2−vinyl=90.8%、trans−1,4=9.2%)100.0g、MEK23.2g、及びMCH5.8gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃でMDI15.8gを添加し、次いで、80℃に昇温して反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MEK69.4g及びMCH17.4gを添加して、ポリウレタン樹脂PU5の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ダイマージオール(商品名「Pripol2033」、クローダジャパン社製、OHv=207mgKOH/g)100.0g、MEK36.5gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃でMDI46.1gを添加し、次いで、80℃に昇温して反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MEK109.6gを添加して、ポリウレタン樹脂PU6の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリブタジエンポリオール(商品名「G−1000」、日本曹達社製、OHv=70.7mgKOH/g、1,2−vinyl=90.8%、trans−1,4=9.2%)100.0g、炭酸ジメチル(DMC)12.2g、及びMCH17.8gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃で水添化MDIを19.8g添加し、80℃に昇温して、NCO%が理論値となるまで反応を進行させた。その後、30℃まで冷却を行い、イソプロピルアルコール(IPA)24.4gにイソホロンジアミン(IPDA)を2.1g溶解させた溶液を添加し、60℃に昇温して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MCH67.5gを添加して、ポリウレタンウレア樹脂PU7の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリブタジエンポリオール(商品名「G−1000」、日本曹達社製、OHv=70.7mgKOH/g、1,2−vinyl=90.8%、trans−1,4=9.2%)100.0g、DMC12.2g、及びMCH17.8gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃で水添化MDI19.8gを添加し、80℃に昇温して、NCO%が理論値となるまで反応を進行させた。その後、30℃まで冷却を行い、ダイマージアミン(商品名「Priamine1074」、クローダジャパン社製、AHEW=136g/eq)を6.9g溶解させた溶液を添加し、60℃に昇温して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MCH72.3gを添加して、ポリウレタンウレア樹脂PU8の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリブタジエンポリオール(商品名「G−1000」、日本曹達社製、OHv=70.7mgKOH/g、1,2−vinyl=90.8%、trans−1,4=9.2%)100.0g、DMC12.2g、及びMCH17.8gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃で水添化MDI19.8gを添加し、80℃に昇温して、NCO%が理論値となるまで反応を進行させた。その後、30℃まで冷却を行い、N−(β−アミノエチル)エタノールアミンを1.3g溶解させた溶液を添加し、60℃に昇温して、赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MCH66.2gを添加して、ポリウレタンウレア樹脂PU9の溶液(固形分50%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、ポリエステルポリオール(アジピン酸と1,4−ブタンジオールの縮合物、OHv=112mgKOH/g、Av=0.1mgKOH/g)100.0g、MEK26.8g、及びトルエン26.8gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、50℃でMDI25.0gを添加し、次いで、80℃に昇温して反応させた。赤外吸収スペクトル分析で測定される遊離イソシアネート基による2,270cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MEK35.7g及びトルエン35.7gを添加して、ポリウレタン樹脂PU10の溶液(固形分50%)を得た。
(合成例10:PO1の合成)
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、酸変性ポリオレフィン(商品名「アウローレン500S」、日本製紙社製)100.0g、MCH300.0gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、90℃に昇温して、酸変性ポリオレフィンが溶解しきったことを確認した後、30℃まで冷却を行い、モノエタノールアミン2.0gをIPA50.0g中に溶解させた溶液を添加し、赤外吸収スペクトル分析で測定される環状無水酸基による1,780cm−1、1,860cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MCH50.0gを添加して、アミン化合物で化学修飾された酸変性ポリオレフィン樹脂PO1の溶液(固形分20%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、酸変性ポリオレフィン(商品名「アウローレン500S」、日本製紙社製)100.0g、MCH100.0g、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド2.0gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、100℃に昇温して、赤外吸収スペクトル分析で測定される環状無水酸基による1,780cm−1、1,860cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MCH300.0gを添加して、カルボジイミド化合物で化学修飾された酸変性ポリオレフィン樹脂PO2の溶液(固形分20%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、酸変性ポリオレフィン(商品名「アウローレン500S」、日本製紙社製)100.0g、MCH100.0g、グリシジルメタクリレート2.0gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、100℃に昇温して、赤外吸収スペクトル分析で測定される環状無水酸基による1,780cm−1、1,860cm−1の吸収が消失するまで反応を進行させた。その後、MCH300.0gを添加して、エポキシ化合物で化学修飾された酸変性ポリオレフィン樹脂PO3の溶液(固形分20%)を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計、窒素吹き込み管、及びマンホールを備えた反応容器を用意した。反応容器の内部を窒素ガスで置換しながら、酸変性ポリオレフィン(商品名「アウローレン500S」、日本製紙社製)100.0g、MCH400.0gを仕込んだ。加熱撹拌を開始して系内が均一となった後、90℃に昇温して、酸変性ポリオレフィンが溶解しきったことを確認した後、30℃まで冷却を行い、酸変性ポリオレフィン樹脂PO4の溶液(固形分20%)を得た。
上記合成例で得られたポリウレタン系樹脂(PU1〜10)の溶液及びポリオレフィン樹脂(PO1〜4)の溶液を使用し、実施例1〜11及び比較例1〜5として、表1−1及び表1−2に示す処方にしたがって各成分を配合し、樹脂組成物1〜16を調製した。なお、表1−1及び表1−2中の配合量(単位:部)は、固形分換算である。
実施例12〜26及び比較例6〜10として、後記表2−1及び表2−2に示す処方にしたがって各成分を配合し、接着剤1〜20を調製した。なお、表2−1及び表2−2中の配合量(単位:部)は固形分換算である。また、表中の架橋剤としては、以下のものを用いた。
・イソシアネート架橋剤:Baxenden社製の商品名「7960」(ジメチルピラゾールブロックタイプ、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、NV:70%、有効NCO%:10.2%)
・カルボジイミド架橋剤:日清紡ケミカル社製の商品名「カルボジライトV−05」(NV:100%、カルボジイミド当量:260)
・エポキシ架橋剤:三菱化学社製の商品名「jER 1001」(エポキシ当量:470)
・オキサゾリン架橋剤:日本触媒社製の商品名「エポクロス RPS−1005」(オキサゾリン基含有樹脂)
・アジリジン架橋剤:日本触媒社製の商品名「ケミタイト PZ−33」(アジリジン含有量:6.3meq/g)
実施例12〜26及び比較例6〜10では、上記のように調製した接着剤を、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)製の表皮材に乾燥膜厚40μmになるように塗布し、100℃で1分乾燥させ、プレコート表皮材(TPO/接着剤)を得た。接着剤の塗布には、バーコーターを用いた。乾燥させたプレコート表皮材を180℃で3分加温させながら、PP基板を重ね合わせ、0.05MPaの荷重にて30秒間圧着させることで、接着構造体(TPO製表皮材/接着剤層/PP基板)を得た。接着構造体は、後述する「初期密着性」と「耐熱クリープ」の試験に供するため、TPO製表皮材及びPP基板の各寸法を幅50mm×長さ100mmとし、接着剤層をTPO製表皮材及びPP基板の一端から幅50mm×長さ90mmの領域に設けた。そして、これを裁断して、幅25mm×長さ100mm(接着剤層は幅25mm×長さ90mmの領域)の試験片とし、後述する「初期密着性」と「耐熱クリープ」の試験では、試験片の他端側の接着剤層が設けられていない領域(幅25mm×長さ10mmの領域)から剥離する試験を行った。
(接着剤の状態)
調製した接着剤1〜20の状態を目視にて観察し、流動性があれば状態良好と評価して表中「○」と示し、ゲル化等により流動性がなければ状態不良と評価して表中「×」と示した。
作製した接着構造体の試験片を10分間、室温(25℃)下に置いた後、素手でPP基板からプレコート表皮材を90°方向に剥がす試験を行い、以下の基準にしたがって初期密着性(接着性)を評価した。その評価結果を表2−1及び表2−2に示す。
A:プレコート表皮材が破壊したため、優れた密着性を有していた。
B:プレコート表皮材が部分的に破壊したため、良好に密着していた。
C:プレコート表皮材は破壊しなかったが、接着していた。
D:プレコート表皮材がPP基板から容易に剥離したため、ほとんど接着していなかった。
初期密着性の評価において、評価結果が「D」以外の接着構造体の試験片について、JIS K6859に準拠した90°方向の耐熱クリープ試験を行った。具体的には、接着構造体の試験片を40℃下で1日養生させた後、80℃の環境下で100g/25mmの荷重を90°方向に加え、24時間後の剥離距離長さを測定し、以下の基準にしたがって耐熱クリープを評価した。その評価結果を表2−1及び表2−2に示す。なお、表2−2において、「*」は測定不可能であったことを表す。
A:剥離距離が5mm未満であった。
B:剥離距離が5mm以上10mm未満であった。
C:剥離距離が10mm以上であった。
D:表皮材が剥がれ落ちた。
11:第1のポリオレフィン系樹脂製基材
12:第2のポリオレフィン系樹脂製基材
13:接着剤層
Claims (9)
- ポリオレフィンポリオールに由来する構成単位(A)及びダイマーポリオールに由来する構成単位(B)の少なくともいずれかを含むポリウレタン系樹脂と、
化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂と、を含有し、
前記化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂の含有量が、前記ポリウレタン系樹脂100質量部に対して、10〜1000質量部の範囲である樹脂組成物。 - 前記ポリウレタン系樹脂における前記構成単位(A)及び前記構成単位(B)の合計の含有割合が、前記ポリウレタン系樹脂の全質量を基準として、50〜98質量%である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリウレタン系樹脂の重量平均分子量が2,000〜200,000である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリウレタン系樹脂は、前記構成単位(A)及び前記構成単位(B)の両方を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記ポリウレタン系樹脂は、ポリアミンに由来する構成単位(C)をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 前記化学修飾されている酸変性ポリオレフィン樹脂は、アミン化合物、カルボジイミド化合物、及びエポキシ化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物に由来する修飾基を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- イソシアネート架橋剤、ブロックイソシアネート架橋剤、カルボジイミド架橋剤、オキサゾリン架橋剤、エポキシ架橋剤、アジリジン架橋剤、シランカップリング剤、及びチタンカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の架橋剤をさらに含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 接着剤又はバインダーとして用いられる請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- ポリオレフィン系樹脂製の基材同士を接着する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物を用いて形成された接着剤層を備える接着構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019088117A JP6987091B2 (ja) | 2019-05-08 | 2019-05-08 | 樹脂組成物及び接着構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019088117A JP6987091B2 (ja) | 2019-05-08 | 2019-05-08 | 樹脂組成物及び接着構造体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020183476A true JP2020183476A (ja) | 2020-11-12 |
JP6987091B2 JP6987091B2 (ja) | 2021-12-22 |
Family
ID=73044825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019088117A Active JP6987091B2 (ja) | 2019-05-08 | 2019-05-08 | 樹脂組成物及び接着構造体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6987091B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021155672A (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 大日精化工業株式会社 | 樹脂組成物、加飾シート、及び加飾成形品 |
WO2023286644A1 (ja) * | 2021-07-16 | 2023-01-19 | 大日精化工業株式会社 | 接着剤 |
WO2023032687A1 (ja) * | 2021-09-02 | 2023-03-09 | Dic株式会社 | 積層フィルム及び包装材 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004285252A (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-14 | Daiso Co Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 |
WO2005097840A1 (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-20 | Mitsui Chemicals, Inc. | 新規樹脂改質材及びそれを含む極性基含有ポリマー組成物 |
WO2009069649A1 (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-04 | Mitsui Chemicals, Inc. | フィラー強化樹脂用助剤、フィラー強化ポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品 |
JP2015071746A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-04-16 | 大日精化工業株式会社 | ポリウレタン系樹脂組成物及びリチウムイオン電池用外装体 |
JP2015071745A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-04-16 | 大日精化工業株式会社 | ポリウレタン系樹脂組成物及びリチウムイオン電池用外装体 |
JP2016166309A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
-
2019
- 2019-05-08 JP JP2019088117A patent/JP6987091B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004285252A (ja) * | 2003-03-24 | 2004-10-14 | Daiso Co Ltd | 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 |
WO2005097840A1 (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-20 | Mitsui Chemicals, Inc. | 新規樹脂改質材及びそれを含む極性基含有ポリマー組成物 |
WO2009069649A1 (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-04 | Mitsui Chemicals, Inc. | フィラー強化樹脂用助剤、フィラー強化ポリプロピレン樹脂組成物およびその成形品 |
JP2015071746A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-04-16 | 大日精化工業株式会社 | ポリウレタン系樹脂組成物及びリチウムイオン電池用外装体 |
JP2015071745A (ja) * | 2013-09-03 | 2015-04-16 | 大日精化工業株式会社 | ポリウレタン系樹脂組成物及びリチウムイオン電池用外装体 |
JP2016166309A (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 横浜ゴム株式会社 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021155672A (ja) * | 2020-03-30 | 2021-10-07 | 大日精化工業株式会社 | 樹脂組成物、加飾シート、及び加飾成形品 |
JP7213840B2 (ja) | 2020-03-30 | 2023-01-27 | 大日精化工業株式会社 | 加飾シート、及び加飾成形品 |
WO2023286644A1 (ja) * | 2021-07-16 | 2023-01-19 | 大日精化工業株式会社 | 接着剤 |
WO2023032687A1 (ja) * | 2021-09-02 | 2023-03-09 | Dic株式会社 | 積層フィルム及び包装材 |
JP7272516B1 (ja) * | 2021-09-02 | 2023-05-12 | Dic株式会社 | 積層フィルム及び包装材 |
JP2023106376A (ja) * | 2021-09-02 | 2023-08-01 | Dic株式会社 | 積層フィルム及び包装材 |
JP7347708B2 (ja) | 2021-09-02 | 2023-09-20 | Dic株式会社 | 積層フィルム及び包装材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6987091B2 (ja) | 2021-12-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN104245769B (zh) | 湿气固化型聚氨酯热熔树脂组合物、粘接剂和物品 | |
JP6987091B2 (ja) | 樹脂組成物及び接着構造体 | |
CN101466754A (zh) | 水性聚氨酯树脂 | |
CN102725320A (zh) | 用于覆盖、封闭或者粘结细胞组织的复合粘合体系 | |
JPH11323300A (ja) | 水性接着剤用ポリウレタン系エマルジョン及びそれを用いた水性接着剤 | |
JP2022174058A (ja) | ポリイソシアネート組成物、フィルム形成用組成物、フィルム、フィルム積層体、接着性樹脂組成物及び接着性樹脂硬化物、塗料用組成物及び塗料硬化物 | |
WO2006104094A1 (ja) | 水性ポリウレタン樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP5303899B2 (ja) | 一液湿気硬化性接着剤 | |
JP4022912B2 (ja) | ラミネート接着剤用ポリイソシアネート硬化剤を用いたラミネート接着剤 | |
WO2010098210A1 (ja) | プライマー組成物 | |
JP4506797B2 (ja) | 水性ウレタン樹脂及び水性印刷インキ組成物並びに該組成物を用いた包装材料 | |
JP4061631B2 (ja) | 非水系プライマー組成物 | |
JPS58109527A (ja) | ポリウレタン樹脂用組成物 | |
JP7487524B2 (ja) | 耐破壊特性材料用の水性アクリル・ウレタン組成物 | |
JP5417697B2 (ja) | 接着剤組成物 | |
JP4026306B2 (ja) | 水性ウレタン樹脂及び水性印刷インキ組成物並びに該組成物を用いた包装材料 | |
TWI261611B (en) | High performance adhesives having aromatic water-borne polyurethane and flocking method employing the same | |
TWI846012B (zh) | 聚胺基甲酸酯-脲樹脂溶液及物品 | |
JP4073687B2 (ja) | プライマー及びこれを用いた硬化層の形成方法 | |
KR101609806B1 (ko) | 2-메틸사이클로헥산-1,3,5-트리아민을 이용한 수분산성 폴리우레탄 수지 제조방법 및 이를 이용하여 형성된 수분산성 폴리우레탄 수지 | |
JP5459463B2 (ja) | プライマー組成物 | |
JP3598823B2 (ja) | ポリウレタンウレア及びその製造方法 | |
JP2005048046A (ja) | ドライラミネート用接着剤 | |
JP5510891B2 (ja) | プライマー組成物 | |
JP4973130B2 (ja) | 印刷インキ用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210907 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211104 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211116 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211130 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6987091 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |