JP2020183317A - 物品のピッキング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空港において搭乗手続きカウンターで預けた手荷物がターミナルビルのバックヤードでコンテナに積み込まれて航空機の貨物室まで搬送される。従来バックヤードのメイクコンベヤからコンテナへの積み込み作業では、途中上流側の搬送経路から下流側の搬送経路への移載作業が作業者の人手によりなされていたためこの点を改善して搬送効率を高める必要があった。【解決手段】ロボットアーム11の先端にピッキングハンド12を装備し、メイクコンベヤ2上を搬送される手荷物Wを吸着部Vにより吸着保持して下流側搬送経路に移載するピッキング装置10とする。吸着部Vは、手荷物Wの大きさに合わせて大小2つの吸着部15,16を切り替えて用い、共通の真空引き経路により真空吸着する構成とする。係るピッキング装置10により移載作業が無人化されて搬送効率が高められる。【選択図】図3

Description

この発明は、例えば空港ターミナルビルにおいて、航空機の搭乗者の手荷物等の物品を、その外面の材質を判別しつつ搬送できるようにしたピッキング装置に関する。
例えばトラック荷室に積み込まれた多数の箱形の物品をひとつづつ把持して荷降ろしする搬送装置として本願出願人の出願に係るものが下記の特許文献1に開示されている。この搬送装置によれば、多数の物品を画像処理手段を用いつつ、ロボットアームの動作によりトラック荷室から荷降ろしすることができ、この種の荷降ろし作業の省力化を図ることができる。
特開2017−206318号公報
しかしながら、上記した従来の搬送装置を、例えば空港ターミナルビルにおいて、搭乗者の手荷物をメイクコンベア上から航空機に積み込みまでの搬送経路に適用して省力化を図るには、種々の改良を加える必要がある。
本発明は、従来の搬送装置に種々の改良を加えることにより、例えば空港の搬送経路に適したピッキング装置(移載装置)として適用できるようにすることを目的とする。
本開示の1つの特徴によると、上流側の搬送経路と下流側の搬送経路との間に配置されて、上流側の搬送経路から下流側の搬送経路へ物品を移載させるピッキング装置である。ピッキング装置は、物品を真空吸着により保持する大小2つの吸着部を備え、吸着保持する物品の大きさに合わせて大吸着部と小吸着部を切り替え可能な構成となっている。
従って、上流側の搬送経路から下流側の搬送経路への物品の移載作業がピッキング装置によりなされ、従来の人手による移載作業を省略することができ、これにより搬送経路の無人化若しくは省力化を図ることができる。例えば、空港ターミナルビルのバックヤードにおいて、メイクコンベヤと称される上流側の搬送経路上の手荷物(例えばキャスタ付きのキャリアケース等)の、下流側の搬送経路に相当するコンテナへの移載作業をピッキング装置により行って機械化(無人化)することができる。
また、大小2つの吸着部が移載する物品の大きさに合わせて切り替えられて用いられることから、大きさが異なる物品を確実に吸着保持して移載させることができる。比較的小形の物品には小吸着部によりはみ出しを回避して確実な吸着保持がなされ、比較的大形の物品には大吸着部により十分な吸着面積と吸着力により確実な吸着保持がなされる。比較的大形の物品については、大吸着部と小吸着部の双方により吸着保持する構成としてもよい。
本開示の他の特徴によると、大小2つの吸着部は、外側のより大きな大吸着部と、大吸着部の内側に収容可能なより小さな小吸着部とを備え、小吸着部は大吸着部に対して物品に接近離間する方向に昇降可能に支持されている。小吸着部が大吸着部に対して下降して小吸着部が物品に当接された小形モードでは、小吸着部の内側の真空引きエリアが真空引きされて、小吸着部により小さな物品が吸着保持される。小吸着部が大吸着部に対して上昇して大小双方の吸着部が物品に当接された大形モードでは、大吸着部の内側と小吸着部の内側が連通されて、小吸着部の真空引きエリアを経て大吸着部の真空引きエリアの真空引きがなされて、大小双方の吸着部により大きな物品が吸着保持される。
従って、大形モードでの真空引きエリアとして小吸着部の真空引きエリアが流用されて、真空引き口の共用化が図られ、ひいては当該ピッキング装置の構成の簡略化及びコストの低減が図られる。
本開示の他の特徴によると、小吸着部の真空引きエリアと大吸着部の真空引きエリアとの間に、切り替えバルブが介装されており、小吸着部が下降した小形モードでは小吸着部の下降動作により切り替えバルブが閉じられて小吸着部の真空引きエリアと大吸着部の真空引きエリアが気密に遮断され、小吸着部が上昇した大形モードでは小吸着部の上昇動作により切り替えバルブが開かれて小吸着部の真空引きエリアと大吸着部の真空引きエリアが連通される。
従って、小吸着部の真空引きエリアと大吸着部の真空引きエリアの連通、遮断が切り替えバルブによりなされる。切り替えバルブの切り替え動作は、小吸着部の昇降動作による機械的構成によりなされることから、当該切り替えバルブの動作制御の簡略化が図られ、又動作の確動性が確保されている。係る機械的動作制御に代えて、切り替えバルブに電磁弁を用い、その開閉動作を例えば小吸着部の昇降動作をセンサで検知して行う電気的動作制御とすることができる。
本開示の他の特徴によると、上流側の搬送経路と下流側の搬送経路との間に、上流側の搬送経路から下流側の搬送経路へ物品を移載させるピッキング装置である。ピッキング装置は、物品を真空吸着により保持する吸着部と、吸着部とは別に、物品の外面を真空吸引するビニール判別部とを備えており、ビニール判別部により物品の外面を真空吸引してその変位に基づいて物品の外面がビニールで覆われた状態であることを判別する構成となっている。
従って、ビニール判別部による真空吸引により物品の外面がビニールで覆われた状態であるか否かが判別される。移載する物品として、樹脂製のキャリアケース(ハードケース)、布製のキャリアケース(ソフトケース)、傷つきや汚損防止のためにビニール袋を被せたキャリアケースを想定した場合に、吸着部により外面を真空吸着すると、ハードケースでは外面の変位はほぼ発生せず、ソフトケースでは外面の小さな変位が発生し、ビニール袋では大きな変位が発生する。ビニール袋の大きな変位を検知して、物品の外面がビニール袋で覆われていることの判別をすることができる。
ビニール判別部による吸着により、物品の外面にビニール袋が被せられていると判別された場合には、吸着部による吸着保持が困難であると判断して移載を回避することができる。ビニール袋が被せられたケースは、別途吸着保持に依らない把持装置や人手により移載することができる。ビニール判別部により外面がビニール袋で覆われていないと判別された場合には、吸着部により吸着保持した後、下流側の搬送経路への移載がなされる。
本開示の他の特徴によると、上流側の搬送経路と下流側の搬送経路との間に配置されて、前記上流側の搬送経路から前記下流側の搬送経路へ前記物品を移載させるピッキング装置である。このピッキング装置は、物品を真空吸着により保持する吸着部を備えており、吸着部による物品の外面の真空吸着による変位を検知して当該物品の外面が布地であることを判別する構成を備えている。
従って、吸着部による真空吸引により物品の外面が布地であるか否かが判別される。ピッキング装置により移載する物品として、樹脂製のキャリアケース(ハードケース)、布製のキャリアケース(ソフトケース)を想定した場合に、吸着部により外面を真空吸着すると、ハードケースでは外面の変位はほぼ発生しないが、ソフトケースでは布地である外面の小さな変位が発生する。この小さな変位を検知して、物品の外面が布地であることの判別をすることができる。
移載に先だって、吸着部により物品の外面状態が判別され、その結果物品の外面が樹脂であるハードケースの場合には、高い吸着力が得られる結果落下を回避しつつ高速移載が可能となる。吸着部の吸着により外面の若干の変位が発生して布製のソフトケースと判別された場合には、ハードケースに比して吸着力がやや低下することからより低速(より低い加速度、減速度)で移載がなされて移載中における物品の落下が回避されるように各部の動作制御を行うことができる。
本開示の他の特徴によると、物品の外面の変位をセンサで検知する構成となっている。従って、物品の外面状態の迅速かつ確実な判別がなされる。
本開示の他の特徴によると、吸着部は、上流側の搬送経路の搬送面に直交するZ軸線回りに旋回可能に設けられており、物品の縦、横、傾きの各姿勢に合わせて旋回した状態で物品を吸着保持する構成となっている。
従って、物品の搬送姿勢に合わせて吸着部がZ軸線回りに旋回されることにより物品に対する確実な吸着保持がなされる。
本開示の他の特徴によると、ピッキング装置は、多関節形のロボットアームの先端に、吸着部を有するピッキングハンドを装備したことである。従って、ロボットアームの動作により吸着部の移動が迅速かつ精確になされる。
本開示の他の特徴によると、吸着部は、それぞれ物品の有無を検知するための物品検知部を備えている。
従って、例えば物品検知部の変位により物品に対して吸着部が当接されたことが確認され、このタイミングで真空引きが開始されて物品の吸着がなされる。
本実施形態に係る搬送装置の全体の概略平面図である。 本実施形態に係る搬送装置を、図1中矢印(II)方向から見た全体側面図である。 ピッキング装置及びメイクコンベヤの側面図である。 メイクコンベヤ上の手荷物を上方から見た図である。本図は、搬送姿勢の一例を示している。 ピッキングハンドの側面図である。 ピッキングハンドを図5中矢印(VI)方向であって搬送方向前側から見た前面図である。 ピッキングハンドの縦断面図である 小吸着部の縦断面図である。 小吸着部及び大吸着部の縦断面図である。 吸着部の縦断面図である。本図では小吸着部が上昇した大形モードで物品を吸着保持した状態を示している。 ビニール判別部の縦断面図である。本図では、物品のビニール袋が吸引された状態を示している。
次に、本発明の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。本実施形態では、空港において搭乗者の手荷物Wを搭乗手続きカウンターから航空機4の貨物室に搬送する搬送経路に用いられる搬送装置1を例示する。図1及び図2に示すように本実施形態の搬送装置1は、上流側の搬送経路に相当するメイクコンベヤ2と、複数台のコンテナ3から航空機4の貨物室に至る下流側の搬送経路を備えている。上流側の搬送経路としてのメイクコンベヤ2と下流側の搬送経路としてのコンテナ3との間には、ピッキング装置10とサイズ別コンベヤ30と戻しコンベア39と積み込み装置40が配置されている。
ピッキング装置10の下流側に、手荷物を主としてその大きさ(サイズ)により分配して搬送するサイズ別コンベヤ30が配置されている。サイズ別コンベヤ30の下流側に、コンベア付きのトラバーサ75が配置されている。サイズ別コンベア30からトラバーサ75上に移載された手荷物Wが、多関節形のロボットアームに吸着ハンド76を搭載した積み込み装置40によりコンテナ3に積み込まれる。コンテナ3に積み込まれた手荷物Wは航空機4の貨物室に積み込まれる。
図1に示すようにメイクコンベヤ2上では、多数個の手荷物Wが搬送される。多数個の手荷物Wは、図では示されていない搭乗手続きカウンターから搬送コンベヤを経て順次メイクコンベヤ2上に搬送される。メイクコンベヤ2は長円形のループ形状を有しており、その搬送方向は図1中白抜き矢印で示すように反時計回り方向とされている。このため、メイクコンベヤ2の図1において右側では手荷物Wが図示上側へ搬送される(搬送方向前側)。以下の説明では、手荷物Wの搬送方向をX軸方向と言い、搬送方向に直交するベルト幅方向をY軸方向と言う。また、前後左右及び上下については図中に示す表示に従う。
本実施形態では、搬送対象物の物品としてキャスタ付きのキャリアケース(旅行鞄)であって、航空機搭乗者の手荷物を例示する。以下、単に手荷物Wという。メイクコンベヤ2上の手荷物Wは、金属製又は樹脂製のハードケース、あるいは布製のソフトケースといったようにその大きさ、外面の状態が様々で、中には水濡れや汚損を防止するためにビニール袋に覆われた状態のものが搬送される。また、各手荷物Wの搬送姿勢は様々で、例えば図4に示すように手荷物Wの長手方向を搬送方向に対して角度θだけ傾けた姿勢で搬送されるものも存在する。
図1において、メイクコンベヤ2のループ形の右側上方に、搬送状態認識手段5が配置されている。搬送状態認識手段5は、ピッキング装置10を支持した移動ベース6よりも搬送方向上流側に配置されている。搬送状態認識手段5には、2Dカメラや3Dカメラあるいはその他各種のセンサが用いられている。図4に示すように搬送状態認識手段5により、メイクコンベヤ2上の基準点Sに対する手荷物Wの中心位置(ピッキング位置P)のX軸方向及びY軸方向の距離、及び手荷物Wの大きさ(幅、長さ、高さ(厚さ)の各寸法)、さらには搬送方向に対する姿勢(縦向き、横向き、傾きθ)等に関する情報が得られる。搬送状態認識手段5により得られた手荷物Wに関する情報は、ピッキング装置10側に提供される。
これにより、ピッキング装置10は、手荷物Wの搬送速度に同期してX軸方向に前進しつつ、ピッキングハンド12を下降させ、さらには吸着部V(大吸着部15と小吸着部16)が手荷物Wに対してはみ出ないよう、後述するように電動モータ17を起動させて吸着部VをZ軸回りに旋回させる。吸着部Vを手荷物Wの傾きθに合わせて旋回させた状態で手荷物Wの外面(主として上面)に当接させて吸着保持(ピッキング)がなされる。
移動ベース6は、バックヤード建屋の天井に沿って配置されている。移動ベース6に、ピッキング装置10がX軸方向(図1において上下方向)及びY軸方向(図1において左右方向)に平行移動可能に吊り下げ状態で支持されている。これによりピッキング装置10は、メイクコンベヤ2の上方において、手荷物Wが搬送されるX軸方向と、搬送方向に対して左右方向に相当するY軸方向の双方に変位可能に支持されている。図では詳細は示されていないが、移動ベース6は、電動モータを駆動源とするねじ軸機構と直動ベアリング等により構成されるX−Yテーブルで、ピッキング装置10をX−Y軸方向に平行若しくはそのに変位させる機能を有している。
図3に示すようにピッキング装置10は、多関節形のロボットアーム11とピッキングハンド12を備えている。ピッキング装置10は、X−Y軸方向に変位可能に支持されている。ロボットアーム11の動作によりピッキングハンド12は、X−Y軸方向及び上下方向に迅速かつ精確に変位される。後述するようにピッキングハンド12は電動モータ17を駆動源とする旋回機構を備えている。この旋回機構により大小2つの吸着部V(大吸着部15、小吸着部16)をZ軸回りに旋回させることができる。Z軸とは、ピッキングハンド12が吸着保持する手荷物Wの上面に直交する軸線とする。
X−Y軸方向の移動及びZ軸回りの旋回機構の動作は、搬送状態認識手段5により得られる手荷物Wの位置及び姿勢等の情報に基づいてなされる。ピッキング装置10は、メイクコンベヤ2上の手荷物Wを吸着保持してサイズ別コンベヤ30側へ移載する機能を有している。本実施形態は、ピッキング装置10について特徴を有しており、その詳細については後述する。
図1に示すようにピッキング装置10により、手荷物Wが旋回コンベヤ31上に移載される。旋回コンベヤ31は約90°の範囲で旋回可能で、手荷物Wをサイズ別コンベヤ30側若しくは戻しコンベア39側に切り換えて搬送する機能を有している。旋回コンベヤ31の搬送方向がサイズ別コンベヤ30側に切り換わると、手荷物Wがサイズ別コンベヤ30側に搬送される。旋回コンベヤ31の下流側に、延長コンベヤ32を経てリフトコンベヤ32aが配置されている。リフトコンベヤ32aの下流側であって、メイクコンベヤ2を跨いで配置された延長コンベヤ33aを経てカーブコンベヤ33が配置されている。カーブコンベヤ33の下流側に搬入コンベヤ34が配置されている。サイズ別コンベヤ30側に向けられた旋回コンベヤ31から延長コンベヤ32に搬入された手荷物Wは、リフトコンベヤ32aにより上方にリフトされて、メイクコンベヤ2を跨いで延長コンベヤ33aに搬送される。延長コンベヤ33aに搬送された手荷物Wがカーブコンベヤ33及び搬入コンベヤ34を経てサイズ別コンベヤ30に搬送される。
手荷物Wの主として大きさによりサイズ別コンベヤ30に分配される。サイズ別コンベヤ30は搬入コンベヤ34の停止位置により決定される。サイズ別コンベヤ30は、図1において上側から、小形の手荷物W用のSサイズコンベヤ35と、中形でやや小さめの手荷物W用のM1サイズコンベヤ36と、中形でやや大きめの手荷物W用のM2サイズコンベヤ37と、大形の手荷物W用のLサイズコンベヤ38との4段階に分けられている。搬入コンベヤ34は、任意のサイズコンベヤ35,36,37,38の搬送方向後側に停止して、カーブコンベヤ33から受け取った手荷物Wをその大きさに適合するサイズコンベヤ35,36,37,38に搬入する。
各サイズコンベヤ35,36,37,38の搬送方向前部には滞留用ストッパ35a,36a,37a,38aが設けられている。各サイズコンベヤ35,36,37,38上に概ね大きさが揃えられて複数個の手荷物Wが滞留される。各サイズコンベヤ35,36,37,38の前方を横切る方向に、コンベア付きのトラバーサ75が移動して、各サイズコンベヤ35,36,37,38から手荷物Wを受け取る。各サイズコンベヤ35,36,37,38の搬送方向先端側の手荷物Wがトラバーサ75上に搬送されると、積み込み装置40の吸着ハンド76に吸着保持されて順次コンテナ3内に積み込まれる。手荷物Wを満載したコンテナ3が航空機の貨物室へそのまま積み込まれ、若しくは手作業により手荷物Wが貨物室内に移し替えられる。
旋回コンベヤ31の搬送方向が戻しコンベア39側に切り換わると、ピッキング装置10により移載された手荷物Wが戻しコンベア39上に搬入される。戻しコンベア39上に搬入された手荷物Wは、優先手荷物等と判別されたもので例えば人手で積み込むために再びメイクコンベア2へ戻される。
図3に示すようにピッキング装置10は、移動ベース6によりメイクコンベヤ2の上方に配置され、かつX−Yテーブル仕様の移動ベース6によりX軸方向(搬送方向)及びY軸方向(搬送幅方向)にそれぞれ一定の範囲で平行移動可能に支持されている。ピッキング装置10は、ロボットアーム11と、その先端に装備したピッキングハンド12を備えている。なお、図2では、ロボットアーム11に代えて昇降支持機構にピッキングハンド12を装備した構成が示されている。図5以降にピッキングハンド12の詳細が示されている。
ピッキングハンド12は、メイクコンベヤ2上の手荷物Wを真空吸着により吸着保持する機能を有している。ピッキングハンド12は、ロボットアーム11の先端に結合した基台部13と、基台部13の下面から下方へ突き出された旋回柱部14と、旋回柱部14の下部に結合した外側のより大きな大吸着部15と、大吸着部15の内側に配置したより小さな小吸着部16を備えている。旋回柱部14は円筒形を有し、上下一対の軸受14aを介して基台部13に対してその軸線回りに回転可能に支持されている。基台部13には、旋回用の電動モータ17が搭載されている。電動モータ17の出力軸に取り付けた駆動ギヤ17aは、旋回柱部14に取り付けた旋回ギヤ14cに噛み合わされている。旋回ギヤ14cも軸受14bにより基台部13に対して回転支持されている。電動モータ17が起動すると、駆動ギヤ17aと旋回ギヤ14cの噛み合いを経て旋回柱部14がその軸回り(Z軸回り)に旋回する。
電動モータ17には、その回転方向及び回転数が精確に制御されるサーボモータが用いられている。電動モータ17の回転動作により、それぞれ矩形箱形をなす大吸着部15と小吸着部16のZ軸回りの向き(長手方向、幅方向の傾き)が、メイクコンベヤ2上の手荷物Wの傾きθに合わせて適切に制御されることで、手荷物Wに対する大吸着部15と小吸着部16のはみ出しが回避される。
大吸着部15の下面に沿って矩形枠形の大パッド15aが取り付けられている。大吸着部15の周囲には、矩形枠形の物品検知部15bが取り付けられている。大吸着部15の内側に配置された小吸着部16の下面に沿って矩形枠形の小パッド16aが取り付けられている。小吸着部16の周囲には、同じく矩形枠形の物品検知部16bが取り付けられている。大パッド15aと小パッド16aは、それぞれ手荷物Wの主として上面に当接される真空吸着用の吸着パッドで、適度なクッション性と気密性を有している。
小吸着部16は、円筒形を有する昇降柱部19の下部に結合されている。昇降柱部19は旋回柱部14の内周側に上下に昇降可能に挿通されている。この昇降柱部19を介して小吸着部16は大吸着部15に対して上下(手荷物Wに接近離間する方向)に昇降可能に支持されている。小吸着部16は、左右一対の昇降シリンダ18により上下に一定の範囲で昇降する。左右の昇降シリンダ18は、大吸着部15の上面に取り付けられている。左右の昇降シリンダ18のロッド18aは、大吸着部15の内側に突き出されて、小吸着部16の上面左右端部に結合されている。左右の昇降シリンダ18の突き出し側の作動により、小吸着部16が大吸着部15に対して下方へ進出する。小吸着部16が下方へ進出した状態(小形モード)が図5,7において二点鎖線で示され、図6において実線で示されている。
小吸着部16が下方へ進出した小形モードで、小吸着部16が小形の手荷物Wに押し当てられて当該手荷物Wが吸着保持される。左右の昇降シリンダ18の引き込み側の作動により、小吸着部16が上方へ戻されて、大吸着部15の内側に収容される。小吸着部16が大吸着部15の内側に戻された状態(大形モード)が図5において破線で示され、図7,9、10において実線で示されている。小吸着部16が大吸着部15の内側に戻された大形モードで、小パッド16aと大パッド15aの双方が大形の手荷物Wに押し当てられて当該手荷物Wが吸着保持される。
図7に示すように昇降柱部19の内周側には、エアホース21が通されている。エアホース21の一端側は、保持プラグ22を介して基台部13側に保持されている。エアホース21の一端は、圧縮エア生成用のエアコンプレッサ20に接続されている。エアコンプレッサ20で発生した圧縮エアが後述する判別シリンダ72に接続されている。また、上記エアコンプレッサ20により生成された圧縮エアがエアホース62を経て真空発生器60に供給される。真空発生器60は、伸縮自在なカール式のバキュームホース61を介して後述する外面判別部70に接続されている。さらに、エアコンプレッサ20により生成された圧縮エアは、エアホース68,69を介して昇降シリンダ18に供給される。
基台部13の接続口13aには、真空発生源としての大容量の真空ブロワ67が接続されている。接続口13aは、昇降柱部19の内周側に連通されている。昇降柱部19の内周側は小吸着部16の内部(真空引きエリア63)に開放されている。真空ブロワ67により小吸着部16の内側が真空引きされて、手荷物Wに対する大容量の真空吸着力が発生する。小吸着部16の内側が気密な真空引きエリア63として機能する。
小吸着部16には、2つの切り替えバルブ65が取り付けられている。図7〜図9では、1つの切り替えバルブ65のみが示されている。図8及び図9に示すように切り替えバルブ65は、小吸着部16の上部に固定した円筒形の枠部65aと、枠部65aの内周側に上下に変位可能に支持された円筒形のバルブ体65bを有している。枠部65aとバルブ体65bとの間には圧縮ばね65cが介在されている。この圧縮ばね65cのばね力によりバルブ体65bは枠部65aに対して上方へ変位する方向に付勢されている。バルブ体65bの内周側はその上部を経て常時大吸着部15の内側(真空引きエリア64)に連通されている。バルブ体65bには、その外周側(小吸着部16の真空引きエリア63)と内周側(大吸着部15の真空引きエリア64)を連通する連通口65eが設けられている。
小吸着部16が大吸着部15に対して下方へ進出した小形モードでは、図8に示すように圧縮ばね65cのばね力によりバルブ体65bが上方へ変位して切り替えバルブ65が閉じられる。切り替えバルブ65の閉じ状態では、バルブ体65bのフランジ部に装着したシールリング65dが枠部65aに押圧されて、連通口65eが気密に閉じられる。連通口65eが閉じられることで、枠部65aの内周側が外周側に対して気密に遮断される。切り替えバルブ65が閉じられると、小吸着部16の真空引きエリア63が大吸着部15の内側(真空引きエリア64)から気密に遮断される。このため、真空ブロワ67の作動により小吸着部16の真空引きエリア63のみが真空引きされる。
これに対して、小吸着部16が大吸着部15の内側に戻された大形モードでは、切り替えバルブ65が開かれて、小吸着部16の真空引きエリア63が大吸着部15の真空引きエリア64に連通される。図9に示すように、小吸着部16が上昇されると、その上昇動作途中において大吸着部15に設けた2つの開放ロッド66がそれぞれバルブ体65bの底部に突き当てられる。バルブ体65bに開放ロッド66が突き当てられた状態で、小吸着部16が大吸着部15の内側まで上昇されることによりバルブ体65bが圧縮ばね65cのばね力に抗して枠部65aに対して相対的に下方へ押し下げられる。バルブ体65bが枠部65aに対して相対的に押し下げられると、シールリング65dが枠部65aから離間して連通口65eを経て枠部65aの内周側が外周側に連通され、従って小吸着部16の真空引きエリア63が大吸着部15の真空引きエリア64に連通される。
小吸着部16が上昇した大形モードでは、切り替えバルブ65が開かれて、小吸着部16の真空引きエリア63と大吸着部15の真空引きエリア64が連通された状態で真空ブロワ67が作動される。これにより図9中矢印で示すように、小吸着部16の内側(真空引きエリア63)だけでなく、大吸着部15の内側(真空引きエリア64)も真空引きされる。真空引きエリア63を経て真空引きエリア64が真空引きされ、これにより真空ブロワ67の共通化が図られている。真空引きエリア63と真空引きエリア64の双方がともに真空引きされることにより、小パッド16aが押し付けられて発生する小吸着部16の手荷物Wに対する吸着力と、大パッド15aが押し付けられて発生する大吸着部15の手荷物Wに対する吸着力により手荷物Wが吸着保持される。
図9に示すように大吸着部15と小吸着部16の周囲に配置された物品検知部15b,16bには、それぞれ4つの検知センサ15c,16cが一体に取り付けられている。大パッド15aが手荷物Wの外面に押し付けられると物品検知部15bとともに検知センサ15cが相対的に上方へ変位する。物品検知部15bとともに検知センサ15cが相対的に上方へ変位すると、検知センサ15cが検知体15dから離間してオンする。少なくとも1つの検知センサ15cのオンにより大パッド15aが手荷物Wに押圧された当接状態であることが検知される。
また、小吸着部16が手荷物Wの外面に押し付けられると物品検知部16bとともに検知センサ16cが相対的に上方へ変位する。物品検知部16bとともに検知センサ16cが相対的に上方への変位すると、検知センサ16cが検知体16dから離間してオンする。少なくとも1つの検知センサ16cがオンすることで小パッド16aが手荷物Wに押圧された当接状態であることが検知される。検知センサ15c,16cにより手荷物Wに対して大パッド15a若しくは小パッド16aが押圧されて、真空引きエリア63,64が気密に閉じられたことが確認され、このタイミングでピッキングハンド12の下降動作が停止されるとともに、真空ブロワ67による真空引きエリア63,64の真空引きが開始されて手荷物Wの吸着保持がなされる。
小吸着部16の内側には、手荷物Wがビニール袋Waで覆われているか否かの判別をするための外面判別部70が設けられている。外面判別部70は、手荷物Wの外面を覆うビニール袋Waを真空吸引するための吸引ホルダ71を備えている。吸引ホルダ71は判別シリンダ72により小吸着部16に対してさらに上下に進退可能に設けられている。図7中二点鎖線で示すように小形の手荷物Wを吸着保持するために小吸着部16が下降された小形モードでは、判別シリンダ72が突き出し側に作動して二点鎖線で示す位置からさらに吸引ホルダ71が下降されて、小吸着部16の下面よりも下方へ突き出される。また、図7中実線で示すように大形の手荷物Wを吸着保持するために小吸着部16が上方へ後退した大形モードでも、判別シリンダ72が突き出し側に作動して吸引ホルダ71が大吸着部15及び小吸着部16の下面よりも下方へ突き出される。このように、小形モードと大形モードの何れでも、吸引ホルダ71は、判別シリンダ72の作動により大吸着部15と小吸着部16よりも下方へ突き出されて手荷物Wに当接される。
吸引ホルダ71の詳細が図10及び図11に示されている。吸引ホルダ71の下面には、円形の吸引凹部71aが設けられている。吸引凹部71aには、真空引きホース77を介して真空発生器60が接続されている。小吸着部16の真空引きエリア63とは独立して、真空発生器60により吸引凹部71a内が真空引きされる。吸引凹部71aの左右には検知孔71bがほぼ同軸に設けられている。吸引ホルダ71の右側部には、レーザー光反射検知形の第1レーザセンサ73が配置されている。第1レーザセンサ73の送受光部73aが右側の検知孔71bに向けられている。左側の検知孔71bは反射板71cで塞がれている。吸引凹部71a内にビニール袋Waが吸引されていない状態では、図11中矢印で示すように、第1レーザセンサ73の送受光部73aから発せられたレーザー光は、吸引凹部71aを横切って反射板71cで反射される。反射板71cで反射された反射光は送受光部73aで受光される。この場合第1レーザセンサ73はオンしない。
これに対して、吸引凹部71aが真空引きされて吸引凹部71a内にビニール袋Waが真空吸引されている状態では、第1レーザセンサ73のレーザー光がビニール袋Waに遮られて反射板71cまで到達しない。この場合、反射光が発生しないため第1レーザセンサ73がオンする。第1レーザセンサ73がオンすると外面判別部70において、吸着保持対象の手荷物Wには、ビニール袋Waが被せられていると判別される。濡れや汚損等防止のためにビニール袋Waが被せられていると判別された手荷物Wについては、ビニール袋Waの破れを回避するため吸着部Vによる吸着保持が中止される。この場合、手荷物Wはそのままメイクコンベヤ2上での搬送状態が維持され、ピッキングハンド12は別の手荷物Wに移動される。
ビニール袋Waが被せられていないと判断されると、判別シリンダ72が引き込み側に作動して吸引ホルダ71が上方へ戻されて判別動作が終了する。その後、ロボットアーム11の動作により大吸着部15が検知センサ15cがオンするまで下降されて手荷物Wに当接され、若しくは昇降シリンダ18の動作により小吸着部16が検知センサ16cがオンするまで下降されて手荷物Wに当接され、さらに真空ブロワ67による手荷物Wの吸着保持がなされる。
外面判別部70は、上記ビニール袋Waの有無を判別する第1レーザセンサ73に加えて、布製の外皮Wbの有無を判別する第2レーザセンサ74を備えている。図10に示すように第2レーザセンサ74は、小吸着部16の右内側に配置されている。外面が布製の外皮Wbで覆われた手荷物W(ソフトケース)の場合、小吸着部16の真空引きエリア63が真空引きされた段階で、布製の外皮Wbが小吸着部16の内部(真空引きエリア63内)に真空吸引される。小吸着部16の内部に真空吸引された布製の外皮Wbによりレーザー光が反射されず第2レーザセンサ74がオンする。
第2レーザセンサ74がオンして、外面判別部70において、吸着保持対象の手荷物Wは外皮Wbが布製であることが判別される。外皮Wbが布製である手荷物Wの場合は、吸着部V(大吸着部15、小吸着部16)による吸着保持力がハードケースに比してやや低下するため、ロボットアーム11によるピッキングハンド12の移動速度、加速度及び減速度が抑制されて、移載中の手荷物Wの落下が防止される。
手荷物Wが金属製若しくは樹脂製のハードケースの場合には、吸引ホルダ71による真空吸引若しくは吸着部Vによる真空吸引によっては外面が変位することないので、吸着保持状態でロボットアーム11が高速、高加速度及び高減速度で動作して迅速な移載がなされる。以上のように、外面判別部70により手荷物Wの外面の判別がなされ、外面の状態に合わせてピッキングハンド12による適切な移載がなされる。
以上のように構成した本実施形態の搬送装置1によれば、上流側の搬送経路であるメイクコンベヤ2から下流側の搬送経路に相当する旋回コンベヤ31への手荷物Wの移載がピッキング装置10によりなされ、従来の人手による搬送作業を省略することができ、これにより搬送経路の無人化若しくは省力化される。このため、空港のバックヤードにおいて、従来作業者の人手に頼っていた搬送作業の省力化を実現して、メイクコンベヤ2上の手荷物Wのコンテナ3への積み込み作業を省力化を図ることができる。
また、ピッキング装置10は、ロボットアーム11の先端に取り付けたピッキングハンド12により、手荷物Wの上面を真空吸着して保持する構成であることから手荷物Wを傷付けることなく迅速に下流側の搬送経路に移載することができる。
また、大小2つの吸着部V(大吸着部15、小吸着部16)が移載する手荷物Wの大きさ(サイズ)に合わせて切り替えられて用いられることから、大きさが異なる手荷物Wを確実に吸着保持して移載させることができる。比較的小形の手荷物Wには小吸着部16によりはみ出しを回避して確実な吸着保持がなされ、比較的大形の手荷物Wについては大吸着部15と小吸着部16の双方により十分な吸着面積と吸着力により確実な吸着保持がなされる。
さらに、小吸着部16が大吸着部15に対して下降して小パッド16aが手荷物Wに当接される小形モードでは、小吸着部16の内側の真空引きエリア63が真空引きされて、小吸着部16により小形の手荷物Wが吸着保持される。小吸着部16が大吸着部15に対して上昇して大小双方の吸着パッド(大パッド15aと小パッド16a)が手荷物Wに当接される大形モードでは、大吸着部15の真空引きエリア64と小吸着部16の真空引きエリア63が連通されて、小吸着部16の真空引きエリア63を経て大吸着部15の真空引きエリア64の真空引きがなされて、大小双方の吸着部15,16により大形の手荷物Wが吸着保持される。このことから、大形モードでの真空引きエリアとして小吸着部16の真空引きエリア63が流用されて、真空引き経路の共用化が図られ、ひいては当該搬送装置1の構成の簡略化及びコストの低減が図られる。
また、小吸着部16の真空引きエリア63と大吸着部15の真空引きエリア64との間に、切り替えバルブ65が介装されており、小吸着部16が下降した小形モードでは小吸着部16の下降動作により切り替えバルブ65が閉じられて小吸着部16の真空引きエリア63と大吸着部15の真空引きエリア64が気密に遮断され、小吸着部16が上昇した大形モードでは小吸着部16の上昇動作により切り替えバルブ65が開かれて小吸着部16の真空引きエリア63と大吸着部15の真空引きエリア64が連通される。
このように、小吸着部16の真空引きエリア63と大吸着部15の真空引きエリア64の連通、遮断が切り替えバルブ65によりなされる。切り替えバルブ65の切り替え動作は、小吸着部16の昇降動作による機械的構成によりなされることから、当該切り替えバルブ65の動作制御の簡略化が図られ、又動作の確動性が確保されている。係る機械的動作制御に代えて、切り替えバルブに電磁弁を用い、その開閉動作を例えば小吸着部16の昇降動作をセンサで検知して行う電気的動作制御としてもよい。
また、例示したピッキング装置10は、手荷物Wを吸着保持する吸着部V(大吸着部15と小吸着部16)とは別に、手荷物Wの外面の状態を判別する外面判別部70を備えている。この吸着部V及び外面判別部70により、手荷物Wが金属製又は樹脂製のハードケースであるか、外皮が布製であるソフトケースであるか、若しくはビニール袋Waが被せられているかの判別がなされる。移載に先だって、吸着部V若しくは外面判別部70により手荷物Wの外面状態が判別され、その結果手荷物Wがハードケースの場合には、高い吸着力が得られることから落下を回避しつつロボットアーム11の動作による高速移載がなされる。吸着部Vの吸着により布製の外皮の若干の変位が発生してソフトケースと判別された場合には、ハードケースに比して吸着力がやや低下することからより低速(より低い加速度、減速度)で移載がなされて移載中における物品の落下が回避される。
外面判別部70により、手荷物Wにビニール袋Waが被せられていると判別された場合には、吸着部Vによる吸着保持が困難であると判断して移載を回避することができる。ビニール袋Waが被せられた手荷物Wは、別途吸着保持に依らない把持装置や人手により移載することができる。
また、例示したピッキング装置10では、吸着部Vは、電動モータ17の動作によりZ軸線回りに旋回可能に設けられている。これにより、手荷物Wの縦、横、傾きの各姿勢に合わせて吸着部Vを旋回させた状態で手荷物Wを確実に吸着保持することができる。メイクコンベヤ2上の手荷物Wの姿勢等に関する情報は、搬送状態認識手段5により予め得られる。
また、例示した吸着部Vには、大吸着部15と小吸着部16のそれぞれについて手荷物Wの有無を検知するための物品検知部15b,16bが設けられている。この物品検知部15b,16bにより、大パッド15a若しくは小パッド16aが手荷物Wの外面に押圧されたことが確認されてより確実な真空吸着がなされる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、手荷物Wの外面状態を判別する外面判別部70については、別途手段によることとして省略してもよい。手荷物Wの形態(ハードケースであるか、ソフトケースであるか、ビニール袋Waが被せられているか)については、例えば材質判別用のカメラやAI(人工知能)を用いて行うことができる。
また、吸着部Vを構成する大吸着部15と小吸着部16がそれぞれ矩形箱形を有する構成を例示したが、円形箱形を有する大小2つの吸着部としてもよい。この場合、電動モータ17を駆動源とする旋回機構を省略することで、構成の簡略化及びコストの低減を図ることができる。
さらに、吸着面積が異なる大小2つの吸着部Vを備えるピッキングハンド12を例示したが、吸着面積が異なる3つ以上の吸着部を備える構成、あるいは1つの吸着部を備える構成としてもよい。1つの吸着部を備えるピッキングハンドについて、例示した外面判別部70を適用して手荷物Wの外面状態を判別する構成とすることができる。
また、昇降シリンダ18や判別シリンダ72を駆動源とする昇降機構に代えて、モータを駆動源とするラックピニオン機構やリンク機構を用いてもよい。この場合、エアコンプレッサ20を含む圧縮エア供給経路を省略することができる。
また、多関節形のロボットアーム11にピッキングハンド12を搭載した構成を例示したが、ロボットアーム11に代えて、X軸−Y軸−Z軸の各方向のスライド機構と旋回機構を組み合わせた移動装置にピッキングハンド12を搭載する構成としてもよい。
さらに、サイズ別コンベヤ30、旋回コンベヤ31、戻しコンベア39、積み込み装置40を省略して、例示したピッキング装置10で吸着保持した手荷物Wを、移動ベース6及びロボットアーム11の動作により、下流側の搬送経路としてのコンテナ3にそのまま直接積み込む構成とした搬送装置とすることができる。
また、搬送対象の物品として航空機搭乗者のキャスタ付きのスーツケース(手荷物W)を例示したが、段ボール箱、プラスチックケース等の箱形の物品、さらには箱形を有しない野菜や食料品等を搬送対象とすることもできる。従って、空港ターミナルビルにおいて搭乗客の手荷物Wを航空機4の貨物室に積み込むまでの搬送経路を例示したが、宅配荷物の集荷場等における搬送経路について例示した搬送装置を適用することができる。
W…手荷物(物品)
Wa…ビニール袋、Wb…布製の外皮
P…ピッキング位置
V…吸着部
1…搬送装置
2…メイクコンベヤ(上流側の搬送経路)
3…コンテナ(下流側の搬送経路)
4…航空機
5…搬送状態認識手段
6…移動ベース
10…ピッキング装置
11…ロボットアーム
12…ピッキングハンド
13…基台部
13a…接続口
14…旋回柱部
14a…軸受、14b…軸受、14c…旋回ギヤ
15…大吸着部
15a…大パッド、15b…物品検知部、15c…検知センサ
16…小吸着部
16a…小パッド、16b…物品検知部、16c…検知センサ
17…電動モータ
17a…駆動ギヤ
18…昇降シリンダ
18a…ロッド
19…昇降柱部
20…エアコンプレッサ
21…エアホース
22…保持プラグ
30…サイズ別コンベヤ
31…旋回コンベヤ
32…延長コンベヤ
32a…リフトコンベヤ
33…カーブコンベヤ
33a…延長コンベヤ
34…搬入コンベヤ
35…Sサイズコンベヤ
36…M1サイズコンベヤ
37…M2サイズコンベヤ
38…Lサイズコンベヤ
35a〜38a…滞留用ストッパ
39…戻しコンベア
40…積み込み装置
60…真空発生器
61…バキュームホース
62…エアホース
63…真空引きエリア(小吸着部)
64…真空引きエリア(大吸着部)
65…切り替えバルブ
65a…枠部、65b…バルブ体、65c…圧縮ばね、65d…シールリング
65e…連通口
66…開放ロッド
67…真空ブロワ
68,69…エアホース
70…外面判別部
71…吸引ホルダ
71a…吸引凹部、71b…検知孔、71c…反射板
72…判別シリンダ
73…第1レーザセンサ
73a…送受光部
74…第2レーザセンサ
75…トラバーサ
76…吸着ハンド(積み込み装置40)
77…真空引きホース

Claims (9)

  1. 上流側の搬送経路と下流側の搬送経路との間に配置されて、前記上流側の搬送経路から前記下流側の搬送経路へ物品を移載させるピッキング装置であって、
    前記物品を真空吸着により保持する大小2つの吸着部を備え、吸着保持する前記物品の大きさに合わせて大吸着部と小吸着部を切り替え可能な構成としたピッキング装置。
  2. 請求項1記載のピッキング装置であって、前記大小2つの吸着部は、外側のより大きな大吸着部と、前記大吸着部の内側に収容可能なより小さな小吸着部とを備え、前記小吸着部は前記大吸着部に対して前記物品に接近離間する方向に昇降可能に支持されており、
    前記小吸着部が前記大吸着部に対して下降して前記小吸着部が前記物品に当接された小形モードでは前記小吸着部の内側の真空引きエリアが真空引きされて、前記小吸着部により前記物品が吸着保持され、前記小吸着部が前記大吸着部に対して上昇して前記大小双方の吸着部が前記物品に当接された大形モードでは前記大吸着部の内側と前記小吸着部の内側が連通されて、前記小吸着部の真空引きエリアを経て前記大吸着部の真空引きエリアの真空引きがなされて、前記大小双方の吸着部により前記物品が吸着保持される構成としたピッキング装置。
  3. 請求項2記載のピッキング装置であって、前記小吸着部の真空引きエリアと前記大吸着部の真空引きエリアとの間に、切り替えバルブが介装されており、前記小吸着部が下降した小形モードでは前記小吸着部の下降動作により前記切り替えバルブが閉じられて前記小吸着部の真空引きエリアと前記大吸着部の真空引きエリアが気密に遮断され、前記小吸着部が上昇した大形モードでは前記小吸着部の上昇動作により前記切り替えバルブが開かれて前記小吸着部の真空引きエリアと前記大吸着部の真空引きエリアが連通される構成としたピッキング装置。
  4. 上流側の搬送経路と下流側の搬送経路との間に配置されて、前記上流側の搬送経路から前記下流側の搬送経路へ前記物品を移載させるピッキング装置であって、
    前記物品を真空吸着により保持する吸着部と、前記吸着部とは別に、前記物品の外面を真空吸引するビニール判別部とを備えており、前記ビニール判別部により前記物品の外面を真空吸引してその変位に基づいて前記物品の外面がビニールで覆われた状態であることを判別する構成としたピッキング装置。
  5. 上流側の搬送経路と下流側の搬送経路との間に配置されて、前記上流側の搬送経路から前記下流側の搬送経路へ前記物品を移載させるピッキング装置であって、
    前記物品を真空空着により保持する吸着部を備えており、該吸着部による前記物品の外面の真空吸着による変位を検知して当該物品の外面が布地であることを判別する構成としたピッキング装置。
  6. 請求項4又は5記載のピッキング装置であって、前記物品の外面の変位をセンサで検知する構成としたピッキング装置。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載したピッキング装置であって、前記吸着部は、前記上流側の搬送経路の搬送面に直交するZ軸線回りに旋回可能に設けられており、前記物品の縦、横、傾きの各姿勢に合わせて旋回した状態で前記物品を吸着保持する構成としたピッキング装置。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載したピッキング装置であって、ロボットアームの先端に、前記吸着部を有するピッキングハンドを装備したピッキング装置。
  9. 請求項1〜8の何れか1項に記載したピッキング装置であって、前記吸着部は、それぞれ前記物品の有無を検知するための物品検知部を備えたピッキング装置。
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