JP2020183182A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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一樹 田澤
Kazuki Tazawa
一樹 田澤
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Abstract

【課題】タイヤ重量を低減しつつ加硫故障の発生を抑制できる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】空気入りタイヤは、トレッド部と、サイドウォール部と、ビード部と、カーカス層と、ベルト層と、インナーライナー層と、ビード部分タイゴム層と、を備える。ビード部は、ビードコアと、ビードコアよりもタイヤ径方向外側に配置されるビードフィラーとを有する。ビード部分タイゴム層は、タイヤ径方向においてトレッド部に近いトレッド側端部と、タイヤ径方向においてトレッド部から遠いビード側端部とを有する。ビードフィラーは、タイヤ径方向においてトレッド部に近い外端部と、タイヤ径方向においてトレッド部から遠い内端部とを有する。サイドウォール部は、タイヤ最大幅位置を含む。トレッド側端部は、タイヤ径方向においてタイヤ最大幅位置と前記内端部との間に配置される。ビード側端部は、ビードコアの周囲の少なくとも一部に配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤの製造工程において、加硫成形が実施される。加硫成形とは、金型の内側に未加硫タイヤが配置された状態でブラダーを膨張させ、ブラダーにより金型に押し付けられた未加硫タイヤを加熱する処理をいう。
加硫成形において、カーカス層のカーカスコードがインナーライナー層に食い込む可能性がある。カーカスコードがインナーライナー層に食い込むと、インナーライナー層の空気透過防止性能が低下する。カーカスコードがインナーライナー層に食い込むことを抑制するために、加硫成形において、カーカス層とインナーライナー層との間にタイゴム層が配置される。タイゴム層として、カーカス層とインナーライナー層との間の全部の空間に配置されるフルタイゴム層と、カーカス層とインナーライナー層との間の一部の空間に配置される部分タイゴム層とが知られている。
部分タイゴム層は、フルタイゴム層に比べて、タイヤ重量の低減、転がり抵抗の低減、及びコストの低減を図ることができる。特許文献1には、カーカス層とインナーライナー層との間であって、トレッド部のセンター領域を除く領域に部分タイゴム層を配置する技術が開示されている。特許文献2には、カーカス層とインナーライナー層との間であって、ビード部を除く領域に部分タイゴム層を配置する技術が開示されている。
特開2018−008619号公報 特開2018−083490号公報
部分タイゴム層を採用する場合、ビード部におけるゴムボリュームが不足する可能性がある。ビード部におけるゴムボリュームが不足している状態で加硫成形が実施されると、ビード部において加硫故障が発生する可能性がある。加硫故障とは、ゴムボリュームの不足に起因して、金型と未加硫タイヤとの間に空気層が形成され、空気入りタイヤが適正に成形されない状態をいう。
本発明の態様は、タイヤ重量を低減しつつビード部における加硫故障の発生を抑制できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、トレッド部と、前記トレッド部よりもタイヤ幅方向外側に配置される一対のサイドウォール部と、一対の前記サイドウォール部よりもタイヤ径方向内側に配置される一対のビード部と、一対の前記ビード部に支持されるカーカス層と、前記トレッド部において前記カーカス層よりもタイヤ径方向外側に配置されるベルト層と、タイヤ内面を有するインナーライナー層と、前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記ビード部に隣接する一部の空間に配置されるビード部分タイゴム層と、を備え、前記ビード部は、ビードコアと、前記ビードコアよりもタイヤ径方向外側に配置されるビードフィラーとを有し、前記ビード部分タイゴム層は、タイヤ径方向において前記トレッド部に近いトレッド側端部と、タイヤ径方向において前記トレッド部から遠いビード側端部とを有し、前記ビードフィラーは、タイヤ径方向において前記トレッド部に近い外端部と、タイヤ径方向において前記トレッド部から遠い内端部とを有し、前記サイドウォール部は、タイヤ最大幅位置を含み、前記トレッド側端部は、タイヤ径方向において前記タイヤ最大幅位置と前記内端部との間に配置され、前記ビード側端部は、前記ビードコアの周囲の少なくとも一部に配置される、空気入りタイヤが提供される。
本発明の態様において、前記外端部を通り前記タイヤ内面に直交する垂線と前記タイヤ内面との第1交点が規定され、前記トレッド側端部は、タイヤ径方向において前記第1交点と同一の位置又は前記第1交点よりもタイヤ径方向内側に配置されてもよい。
本発明の態様において、前記トレッド側端部は、タイヤ径方向において前記外端部と前記内端部との間に配置されてもよい。
本発明の態様において、タイヤ径方向において、前記外端部と前記内端部との距離をHa、前記トレッド側端部と前記内端部との距離をHbとしたとき、
0.7 ≦ Hb/Ha ≦ 1.0、
の条件を満足してもよい。
本発明の態様において、前記ビード側端部は、前記内端部よりもタイヤ径方向内側に配置されてもよい。
本発明の態様において、前記ビード側端部は、前記ビードコアの中心よりもタイヤ径方向内側に配置されてもよい。
本発明の態様において、前記ビード側端部は、前記ビードコアよりもタイヤ径方向内側に配置されてもよい。
本発明の態様において、前記ビード部分タイゴム層は、前記トレッド側端部と前記ビード側端部との間の中間部を有し、前記中間部の厚みは、前記トレッド側端部の厚み及び前記ビード側端部の厚みよりも厚くてもよい。
本発明の態様において、前記トレッド部にセンター部とショルダー部とが規定され、前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記ショルダー部に隣接する一部の空間に配置されるショルダー部分タイゴム層を備え、前記ショルダー部分タイゴム層は、タイヤ幅方向において前記トレッド部の中心から遠い外側端部を有し、前記トレッド側端部と前記外側端部とは離れてもよい。
本発明の態様において、前記ベルト層は、タイヤ幅方向において前記トレッド部の中心から遠いベルト端部を有し、前記ベルト端部を通り前記タイヤ内面に直交する垂線と前記タイヤ内面との第2交点が規定され、前記外側端部は、タイヤ幅方向において前記第2交点と同一の位置又は前記第2交点よりもタイヤ幅方向外側に配置されてもよい。
本発明の態様において、前記第2交点と前記ビード部のタイヤ径方向最内側端部との間のタイヤ内面に沿ったペリフェリ長さをL2とし、前記第2交点と前記外側端部との間の前記タイヤ内面に沿った長さをL1としたとき、
0.25×L2 ≦ L1 ≦0.50×L2、
の条件を満足してもよい。
本発明の態様において、前記ビード部分タイゴム層に使用されるゴムの粘度は、前記ショルダー部分タイゴム層に使用されるゴムの粘度よりも低くてもよい。
本発明の態様において、前記ビード部分タイゴム層に使用されるゴムの粘度は、40以上80以下あり、前記ショルダー部分タイゴム層に使用されゴムの粘度は、50以上90以下でもよい。
本発明の態様において、前記ショルダー部分タイゴム層は、タイヤ幅方向に一対設けられ、前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記センター部に隣接する一部の空間に配置されるセンター部分タイゴム層を備え、前記センター部分タイゴム層は、一対の前記ショルダー部分タイゴム層を接続するように配置されてもよい。
本発明の態様によれば、タイヤ重量を低減しつつビード部における加硫故障の発生を抑制できる空気入りタイヤが提供される。
図1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す子午断面図である。 図2は、第1実施形態に係るビード部分タイゴム層の近傍を拡大した子午断面図である。 図3は、第1実施形態に係るショルダー部分タイゴム層の近傍を拡大した子午断面図である。 図4は、第2実施形態に係るビード部分タイゴム層の近傍を拡大した子午断面図である。 図5は、第3実施形態に係るビード部分タイゴム層の近傍を拡大した子午断面図である。 図6は、第4実施形態に係る空気入りタイヤの一部を示す子午断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
実施形態において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸を示すタイヤ回転軸と直交する方向をいう。タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいう。タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を周回する方向をいう。
タイヤ径方向内側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸に近い部分又はタイヤ回転軸に接近する方向をいう。タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から遠い部分又はタイヤ回転軸から離隔する方向をいう。
タイヤ幅方向内側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に近い部分又はタイヤ赤道面に接近する方向をいう。タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面から遠い部分又はタイヤ赤道面から離隔する方向をいう。
タイヤ赤道面とは、タイヤ回転軸と直交し、タイヤ幅方向における空気入りタイヤの中心を通る平面をいう。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1Aの一部を示す子午断面図である。子午断面とは、タイヤ赤道面CLに直交する断面をいう。空気入りタイヤ1Aは、車両のリムに装着された状態で、タイヤ回転軸RXを中心に回転する。
図1に示すように、空気入りタイヤ1Aは、トレッド部2と、サイドウォール部3と、ビード部4と、カーカス層5と、ベルト層6と、ベルト補強層7と、インナーライナー層8と、部分タイゴム層10とを備える。
トレッド部2は、タイヤ回転軸RXの周囲に配置される。トレッド部2は、タイヤ回転軸RXの周囲に配置される環状のトレッドゴムを含む。トレッド部2は、走行時に路面と接触するトレッド面21を有する。トレッド部2は、トレッドゴムに形成された複数の主溝22及び複数のラグ溝23を有する。
主溝22とは、タイヤ周方向に延在し、内部にトレッドウェアインジケータ(スリップサイン)を有する溝をいう。トレッドウェアインジケータは、トレッド部2の摩耗末期を示す。主溝22は、4.0[mm]以上の幅及び5.0[mm]以上の深さを有する。主溝22は、タイヤ周方向に直線状に延在してもよいし、タイヤ周方向に延在しながらタイヤ幅方向に屈曲してもよい。
ラグ溝23とは、少なくとも一部がタイヤ幅方向に延在する溝をいう。ラグ溝23は、1.5[mm]以上の幅及び4.0[mm]以上の深さを有する。なお、ラグ溝23は、部分的に4.0[mm]未満の深さを有していてもよい。ラグ溝23は、タイヤ幅方向に直線状に延在してもよいし、タイヤ幅方向に延在しながらタイヤ周方向に傾斜してもよいし、屈曲してもよい。
主溝22は、タイヤ幅方向に複数設けられる。主溝22は、タイヤ幅方向最外側のショルダー主溝22Sと、ショルダー主溝22Sよりもタイヤ幅方向内側のセンター主溝22Cとを含む。ショルダー主溝22Sは2本設けられる。本実施形態において、センター主溝22Cは、一対のショルダー主溝22Sの間において2本設けられる。なお、センター主溝22Cは、1本でもよいし3本でもよい。
トレッド部2にセンター部25とショルダー部26とが規定される。本実施形態において、センター部25とは、トレッド部2においてショルダー主溝22Sよりもタイヤ幅方向内側の部分をいう。ショルダー部26とは、トレッド部2においてショルダー主溝22Sよりもタイヤ幅方向外側の部分をいう。
サイドウォール部3は、トレッド部2よりもタイヤ幅方向外側に配置される。サイドウォール部3は、一対設けられる。一対のサイドウォール部3が、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に配置される。サイドウォール部3は、タイヤ回転軸RXと直交する面内において環状のサイドウォールゴムを含む。
サイドウォール部3は、タイヤ最大幅位置Wを含む。タイヤ最大幅位置Wとは、空気入りタイヤ1Aを規定リムに装着し、規定内圧で空気を充填して、空気入りタイヤ1Aに荷重を加えない無負荷状態において、サイドウォール部3の外面においてタイヤ幅方向の寸法が最大となる位置をいう。なお、サイドウォール部3の外面から模様又は文字を形成する構造物が突出している場合、タイヤ最大幅位置Wは、構造物を除外したサイドウォール部3の外面においてタイヤ幅方向の寸法が最大となる位置である。
「規定リム」とは、空気入りタイヤ1Aの規格が空気入りタイヤ1A毎に定めているリムであり、JATMAであれば「標準リム」、TRAであれば「Design Rim」、ETRTOであれば「Measuring Rim」である。
「規定内圧」とは、空気入りタイヤ1Aの規格が空気入りタイヤ1A毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば「最高空気圧」、TRAであれば表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、ETRTOであれば「INFLATION PRESSURE」である。JATMAにおいて、乗用車用タイヤにおける規定内圧は空気圧180[kPa]である。
ビード部4は、カーカス層5を支持する。ビード部4は、車両のリムに固定される。ビード部4は、一対設けられる。一対のビード部4は、一対のサイドウォール部3よりもタイヤ径方向内側に配置される。
ビード部4は、ビードコア41と、ビードコア41よりもタイヤ径方向外側に配置されるビードフィラー42とを有する。ビードコア41は、束ねられた複数のビードワイヤを含む。ビードコア41は、タイヤ回転軸RXを囲むように円環状に設けられる。ビードフィラー42は、ビードゴムを含む。
カーカス層5は、空気入りタイヤ1Aの骨格を形成する強度部材である。カーカス層5は、トレッド部2よりもタイヤ径方向内側に配置される。カーカス層5は、一対のビード部4に架けられる。カーカス層5は、一対のビード部4に支持される。カーカス層5は、ビード部4において、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される。カーカス層5は、ビードコア41及びビードフィラー42を包むように折り返される。カーカス層5のタイヤ幅方向の両端部は、ビード部4に固定される。
カーカス層5は、カーカスコードと、カーカスコードを覆うゴムとを含む。カーカスコードは、有機繊維製である。カーカスコードは、ポリエステル製でもよいし、ナイロン製でもよいし、アラミド製でもよいし、レーヨン製でもよい。
ベルト層6は、トレッド部2においてカーカス層5よりもタイヤ径方向外側に配置される。ベルト層6は、空気入りタイヤ1Aの形状を保持する。ベルト層6は、ベルトコードと、ベルトコードを覆うゴムとを含む。ベルトコードは、金属繊維製でもよいし有機繊維製でもよい。ベルト層6は、第1ベルトプライ61と、第2ベルトプライ62とを含む。第1ベルトプライ61と第2ベルトプライ62とは、第1ベルトプライ61のコードと第2ベルトプライ62のコードとが交差するように積層される。タイヤ周方向に対するベルトコードの傾斜角度は、例えば20[°]以上で55[°]以下である。第1ベルトプライ61のベルトコードの傾斜角度と第2ベルトプライ62のベルトコードの傾斜角度とは異なる。
ベルト補強層7は、ベルト層6を保護する。ベルト補強層7は、トレッド部2においてベルト層6よりもタイヤ径方向外側に配置される。ベルト補強層7は、カバーコードと、カバーコードを覆うゴムとを含む。カバーコードは、スチールのような金属繊維製でもよいし有機繊維製でもよい。本実施形態において、ベルト補強層7は、ベルト層6のタイヤ幅方向の両端部をタイヤ径方向外側から覆うように配置される。
インナーライナー層8は、タイヤ内面81を有する。空気入りタイヤ1Aがリムに装着された状態で、インナーライナー層8のタイヤ内面81は、空気入りタイヤ1Aとリムとにより規定される内部空間に面する。インナーライナー層8は、空気透過防止性能を有する。インナーライナー層8は、ブチルゴムを含む。ブチルゴムは、空気透過防止性能を有する。インナーライナー層8により、空気入りタイヤ1Aの内部空間に充填された空気が空気入りタイヤ1Aの外部空間に透過することが抑制される。
部分タイゴム層10は、カーカス層5とインナーライナー層8との間の一部の空間に配置される。部分タイゴム層10は、加硫成形において、カーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことを抑制する。
本実施形態において、部分タイゴム層10は、ビード部4に隣接するビード部分タイゴム層11と、ショルダー部26に隣接するショルダー部分タイゴム層12とを含む。
ビード部分タイゴム層11は、カーカス層5とインナーライナー層8との間であって、ビード部4に隣接する一部の空間に配置される。ビード部分タイゴム層11は、一対のビード部4のそれぞれに隣接するように一対設けられる。
ショルダー部分タイゴム層12は、カーカス層5とインナーライナー層8との間であって、ショルダー部26に隣接する一部の空間に配置される。ショルダー部分タイゴム層12は、一対のショルダー部26のそれぞれに隣接するように一対設けられる。
図2は、本実施形態に係るビード部分タイゴム層11の近傍を拡大した子午断面図である。一対のビード部4の構造は実質的に同一である。一対のビード部分タイゴム層11の構造は実質的に同一である。以下、一方のビード部4及び一方のビード部分タイゴム層11について説明し、他方のビード部4及び他方のビード部分タイゴム層11についての説明は簡略又は省略する。
ビード部分タイゴム層11は、タイヤ径方向においてトレッド部2に近いトレッド側端部11Aと、タイヤ径方向においてトレッド部2から遠いビード側端部11Bと、タイヤ径方向においてトレッド側端部11Aとビード側端部11Bとの間の中間部11Cとを有する。タイヤ径方向において、トレッド側端部11Aと中間部11Cとの距離と、ビード側端部11Bと中間部11Cとの距離とは、実質的に等しい。
ビードフィラー42は、タイヤ径方向においてトレッド部2に近い外端部42Aと、タイヤ径方向においてトレッド部2から遠い内端部42Bと、タイヤ径方向において外端部42Aと内端部42Bとの間の中間部42Cとを有する。タイヤ径方向において、外端部42Aと中間部42Cとの距離と、内端部42Bと中間部42Cとの距離とは、実質的に等しい。
トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向においてタイヤ最大幅位置Wと内端部42Bとの間に配置される。
外端部42Aを通りインナーライナー層8のタイヤ内面81に直交する垂線PL1が規定される。また、垂線PL1とタイヤ内面81との第1交点PT1が規定される。トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において第1交点PT1と同一の位置に配置されてもよい。
なお、トレッド側端部11Aは、第1交点PT1よりもタイヤ径方向内側に配置されてもよい。
なお、トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において外端部42Aと同一の位置に配置されてもよい。
なお、トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において外端部42Aよりもタイヤ径方向内側に配置されてもよい。
本実施形態において、トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において外端部42Aと内端部42Bとの間に配置される。すなわち、トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において、外端部42Aよりもタイヤ径方向内側、且つ、内端部42Bよりもタイヤ径方向外側に配置される。
本実施形態において、トレッド側端部11Aは、ビードフィラー42の中間部42Cよりもタイヤ径方向外側に配置される。例えば、タイヤ径方向において、外端部42Aと内端部42Bとの距離をHa、トレッド側端部11Aと内端部42Bとの距離をHbとしたとき、以下の(1)式の条件を満足する位置にトレッド側端部11Aが配置される。
0.7 ≦ Hb/Ha ≦ 1.0 …(1)
なお、トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において、ビードフィラー42の中間部42Cと一致する位置に配置されてもよい。例えば、以下の(2)式の条件を満足する位置にトレッド側端部11Aが配置されてもよい。
0.3 ≦ Hb/Ha ≦ 0.7 …(2)
なお、トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において、ビードフィラー42の中間部42Cよりもタイヤ径方向内側に配置されてもよい。例えば、以下の(3)式の条件を満足する位置にトレッド側端部11Aが配置されてもよい。
0.1 ≦ Hb/Ha ≦ 0.3 …(3)
なお、トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向においてタイヤ最大幅位置Wと同一の位置に配置されてもよい。トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向においてタイヤ最大幅位置Wと第1交点PT1との間に配置されてもよいし、タイヤ径方向においてタイヤ最大幅位置Wと外端部42Aとの間に配置されてもよい。
ビード側端部11Bは、子午断面においてビードコア41の周囲に配置される。ビード側端部11Bは、ビードフィラー42の内端部42Bよりもタイヤ径方向内側に配置される。ビード側端部11Bは、タイヤ径方向においてビードコア41の少なくとも一部と同一の位置に配置されてもよい。
本実施形態において、ビード側端部11Bは、ビードコア41のタイヤ幅方向最内側端部よりもタイヤ幅方向内側であって、ビード側端部11Bは、ビードコア41の中心AXよりもタイヤ径方向内側に配置される。ビードコア41の中心AXとは、ビードコア41の子午断面において、タイヤ径方向の中心の位置且つタイヤ幅方向の中心の位置をいう。
ビード部分タイゴム層11の子午断面において、中間部11Cの厚みDcは、トレッド側端部11Aの厚みDa及びビード側端部11Bの厚みDbよりも厚い。
なお、タイヤ径方向において、トレッド側端部11Aとビード側端部11Bとの距離をHcとした場合、ビード側端部11Bの厚みDbは、ビード側端部11Bからタイヤ径方向外側に0.05×Hcだけ離れた位置におけるビード部分タイゴム層11の厚みである。中間部11Cの厚みDcは、ビード側端部11Bからタイヤ径方向外側に0.50×Hcだけ離れた位置におけるビード部分タイゴム層11の厚みである。トレッド側端部11Aの厚みDaは、ビード側端部11Bからタイヤ径方向外側に0.95×Hcだけ離れた位置におけるビード部分タイゴム層11の厚みである。
厚みDaと厚みDcとは、以下の(4)式の条件を満足することが好ましい。厚みDbと厚みDcとは、以下の(5)式の条件を満足することが好ましい。
0.1 ≦ Da/Dc ≦ 0.6 …(4)
0.1 ≦ Db/Dc ≦ 0.6 …(5)
図3は、本実施形態に係るショルダー部分タイゴム層12の近傍を拡大した子午断面図である。一対のショルダー部分タイゴム層12の構造は実質的に同一である。以下、一方のショルダー部分タイゴム層12について説明し、他方のショルダー部分タイゴム層12についての説明は簡略又は省略する。
ショルダー部分タイゴム層12は、タイヤ幅方向においてトレッド部2の中心であるタイヤ赤道面CLから遠い外側端部12Aと、タイヤ幅方向においてトレッド部2の中心であるタイヤ赤道面CLに近い内側端部12Bとを有する。
ビード部分タイゴム層11のトレッド側端部11Aとショルダー部分タイゴム層12の外側端部12Aとは離れている。すなわち、空気入りタイヤ1Aの子午断面において、トレッド側端部11Aと外側端部12Aとの間に、部分タイゴム層10が存在しないタイゴム層未配置部分が設けられる。
ベルト層6は、タイヤ幅方向においてトレッド部2の中心であるタイヤ赤道面CLから遠いベルト端部6Aを有する。
ベルト端部6Aを通りインナーライナー層8のタイヤ内面81に直交する垂線PL2が規定される。また、垂線PL2とタイヤ内面81との第2交点PT2が規定される。外側端部12Aは、タイヤ幅方向において第2交点PT2と同一の位置に配置されてもよい。なお、外側端部12Aは、第2交点PT2よりもタイヤ幅方向外側に配置されてもよい。
本実施形態において、外側端部12Aは、ベルト端部6Aよりもタイヤ径方向外側に配置される。内側端部12Bは、ベルト端部6Aよりもタイヤ径方向内側に配置される。
図1及び図3に示すように、第2交点PT2とビード部4のタイヤ径方向最内側端部との間のタイヤ内面81に沿ったペリフェリ長さをL2とし、第2交点PT2と外側端部12Aとの間のタイヤ内面81に沿った長さをL1としたとき、ペリフェリ長さL2と長さL1とは、以下の(6)式の条件を満足してもよい。
0.25×L2 ≦ L1 ≦0.50×L2 …(6)
なお、長さL1は、トレッド側端部11Aと外側端部12Aとの間にタイゴム層未配置部分が設けられる条件を前提に定められる。
ビード部分タイゴム層11に使用されるゴムの粘度μ1は、ショルダー部分タイゴム層12に使用されるゴムの粘度μ2よりも低い。ビード部分タイゴム層11に使用されるゴムの粘度μ1は、40以上80以下である。ショルダー部分タイゴム層12に使用されるゴムの粘度μ2は、50以上90以下である。部分タイゴム層10に使用されるゴムの粘度とは、未加硫ゴムの粘度をいう。一般に、未加硫ゴムの粘度とは、ムーニー粘度計で測定されるムーニー粘度をいう。ムーニー粘度計は、試料である未加硫ゴムを100[℃]に加熱した状態で、ロータを一定回転速度で回転させたときに検出されるトルクによりムーニー粘度を測定する。トルクは、予備加熱1分間の後、回転開始4分経過後に検出される。
以上説明したように、本実施形態によれば、部分タイゴム層10として、ビード部4に隣接するビード部分タイゴム層11が設けられる。部分タイゴム層10が採用されることにより、タイヤ重量の増加が抑制される。ビード部分タイゴム層11が設けられることにより、加硫成形において、ビード部4においてカーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことが抑制される。そのため、インナーライナー層8の空気透過防止性能の低下が抑制される。また、ビード部分タイゴム層11により、ビード部4におけるゴムボリュームの不足が抑制される。ビード部4におけるゴムボリュームの不足が抑制された状態で、加硫成形が実施される。これにより、ビード部4における加硫故障の発生が抑制される。したがって、ビード部4は適正に成形される。
トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において第1交点PT1と同一の位置又は第1交点PT1よりもタイヤ径方向内側に配置される。これにより、タイヤ重量を低減しつつビード部4における加硫故障の発生を抑制することができる。
トレッド側端部11Aは、タイヤ径方向において外端部42Aと内端部42Bとの間に配置されてもよい。こうすることによっても、タイヤ重量を低減しつつビード部4における加硫故障の発生を抑制することができる。
トレッド側端部11Aは、(1)式の条件を満足するように配置されてもよい。こうすることによっても、タイヤ重量を低減しつつビード部4における加硫故障の発生を抑制することができる。
ビード側端部11Bは、ビードコア41の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、ビード側端部11Bは、ビードコア41の中心AXよりもタイヤ径方向内側に配置される。これにより、加硫成形において、ビード部4におけるゴムボリュームの不足が抑制される。したがって、ビード部4における加硫故障の発生が抑制される。
ビード部分タイゴム層11の中間部11Cの厚みDcは、トレッド側端部11Aの厚みDa及びビード側端部11Bの厚みDbよりも厚い。これにより、加硫成形において、ビード部4におけるゴムボリュームの不足が抑制される。また、ビード部分タイゴム層11とカーカス層5及びインナーライナー層8とは良好に密着する。
部分タイゴム層10として、ショルダー部26に隣接するショルダー部分タイゴム層12が設けられる。ショルダー部分タイゴム層12が設けられることにより、加硫成形において、ショルダー部26においてカーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことが抑制される。そのため、インナーライナー層8の空気透過防止性能の低下が抑制される。また、トレッド側端部11Aと外側端部12Aとは離れている。ビード部分タイゴム層11とショルダー部分タイゴム層12との間に、部分タイゴム層10が存在しないタイゴム層未配置部分が設けられる。これにより、タイヤ重量の増加が抑制される。
外側端部12Aは、タイヤ幅方向において第2交点PT2と同一の位置又は第2交点PT2よりもタイヤ幅方向外側に配置される。これにより、タイヤ重量を低減しつつ、加硫成形においてカーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことが抑制される。
外側端部12Aは、(2)式の条件を満足するように配置されてもよい。こうすることによっても、タイヤ重量を低減しつつ、加硫成形においてカーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことが抑制される。
ビード部分タイゴム層11に使用されるゴムの粘度μ1は、ショルダー部分タイゴム層12に使用されるゴムの粘度μ2よりも低い。本実施形態において、ビード部分タイゴム層11は、加硫故障の発生を抑制するために設けられる。ショルダー部分タイゴム層12は、カーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことを抑制するために設けられる。ビード部分タイゴム層11に使用されるゴムの粘度μ1が低いので、ビード部分タイゴム層11は、加硫故障の発生を抑制する機能を十分に発揮することができる。ショルダー部分タイゴム層12に使用されるゴムの粘度μ2が高いので、ショルダー部分タイゴム層12は、カーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことを抑制する機能を十分に発揮することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図4は、本実施形態に係るビード部分タイゴム層11の近傍を拡大した子午断面図である。上述の実施形態と同様、本実施形態に係る空気入りタイヤ1Bは、ビード部分タイゴム層11を備える。ビード部分タイゴム層11は、トレッド部2に近いトレッド側端部11Aと、トレッド部2から遠いビード側端部11Bとを有する。図4に示すように、空気入りタイヤ1Bのビード側端部11Bは、ビードコア41のタイヤ幅方向最内側端部よりもタイヤ幅方向外側であって、ビードコア41よりもタイヤ径方向内側に配置される。
ビード側端部11Bがビードコア41よりもタイヤ径方向内側に配置されることにより、加硫成形において、ビード部4におけるゴムボリュームの不足が十分に抑制される。したがって、ビード部4における加硫故障の発生が効果的に抑制される。
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図5は、本実施形態に係るビード部分タイゴム層11の近傍を拡大した子午断面図である。上述の実施形態と同様、本実施形態に係る空気入りタイヤ1Cは、ビード部分タイゴム層11を備える。ビード部分タイゴム層11は、トレッド部2に近いトレッド側端部11Aと、トレッド部2から遠いビード側端部11Bとを有する。図5に示すように、空気入りタイヤ1Cのビード側端部11Bは、ビードコア41よりもタイヤ幅方向外側に配置される。すなわち、ビード部分タイゴム層11は、ビード部4において、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される。
ビード部分タイゴム層11がビード部4において折り返されることにより、加硫成形において、ビード部4におけるゴムボリュームの不足が十分に抑制される。したがって、ビード部4における加硫故障の発生が効果的に抑制される。
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図6は、本実施形態に係る空気入りタイヤ1Dの一部を示す子午断面図である。上述の実施形態と同様、空気入りタイヤ1Dは、ビード部分タイゴム層11と、ショルダー部分タイゴム層12を有する。ショルダー部分タイゴム層12は、タイヤ幅方向に一対設けられる。
本実施形態において、空気入りタイヤ1Dは、カーカス層5とインナーライナー層8との間であって、センター部25に隣接する一部の空間に配置されるセンター部分タイゴム層13を備える。センター部分タイゴム層13は、一対のショルダー部分タイゴム層12を接続するように配置される。本実施形態において、センター部分タイゴム層13とショルダー部分タイゴム層12とは一体である。
センター部分タイゴム層13が設けられることにより、加硫成形において、センター部25においてカーカス層5のカーカスコードがインナーライナー層8に食い込むことが抑制される。
[実施例]
従来例に係る空気入りタイヤ、及び本発明に係る空気入りタイヤについて実施した評価試験について説明する。表1は、空気入りタイヤの評価試験の結果を示す表である。
従来例に係る空気入りタイヤとして、従来例1から従来例4の空気入りタイヤを用いた。本発明に係る空気入りタイヤとして、実施例1から実施例8の空気入りタイヤを用いた。空気入りタイヤのタイヤサイズは、「195/65R15」である。
従来例1は、フルタイゴム層が配置された空気入りタイヤである。
従来例2は、トレッド部のショルダー部に隣接する一部の空間に部分タイゴム層が配置された空気入りタイヤであり、特許文献1に記載されている空気入りタイヤに相当する。
従来例3は、トレッド部のセンター部及びショルダー部の両方に隣接する一部の空間に部分タイゴム層が配置された空気入りタイヤであり、特許文献2に記載されている空気入りタイヤに相当する。
従来例4は、タイゴム層が配置されていない空気入りタイヤである。
実施例1から実施例5は、部分タイゴム層10として、ビード部分タイゴム層11のみが配置された空気入りタイヤである。
実施例6及び実施例7は、部分タイゴム層10として、ビード部分タイゴム層11及びショルダー部分タイゴム層12が配置された空気入りタイヤである。
実施例8は、部分タイゴム層10として、ビード部分タイゴム層11、ショルダー部分タイゴム層12、及びセンター部分タイゴム層13が配置された空気入りタイヤである。
実施例1、及び実施例4から実施例8は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、図2を参照して説明したような、ビードコア41の中心AXよりもタイヤ径方向内側に配置されているものの、ビードコア41のタイヤ径方向最内側端部よりはタイヤ径方向外側に配置されている空気入りタイヤである。
実施例2は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、図4を参照して説明したような、ビードコア41のタイヤ径方向最内側端部よりもタイヤ径方向内側に配置されている空気入りタイヤである。
実施例3は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、図5を参照して説明したような、ビード部4においてタイヤ径方向内側からタイヤ径方向外側に折り返されている空気入りタイヤである。
実施例1から実施例3、及び実施例6から実施例8は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、(1)式の条件を満足している空気入りタイヤである。すなわち、実施例1から実施例3、及び実施例6から実施例8は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、タイヤ径方向においてビードフィラー42の外端部42Aの近傍に配置されている空気入りタイヤである。
実施例4は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、(2)式の条件を満足している空気入りタイヤである。すなわち、実施例4は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、タイヤ径方向においてビードフィラー42の中間部42Cの近傍に配置されている空気入りタイヤである。
実施例5は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、(3)式の条件を満足している空気入りタイヤである。すなわち、実施例5は、ビード部分タイゴム層11のビード側端部11Bが、タイヤ径方向においてビードフィラー42の内端部42Bの近傍に配置されている空気入りタイヤである。
実施例6及び実施例8は、ビード部分タイゴム層11に使用されるゴムの粘度μ1は、ショルダー部分タイゴム層12に使用されるゴムの粘度μ2と等しい空気入りタイヤである。
実施例7は、ビード部分タイゴム層11に使用されるゴムの粘度μ1は、ショルダー部分タイゴム層12に使用されるゴムの粘度μ2よりも低い空気入りタイヤである。
これら12種類の空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、タイヤ重量、ビード部における加硫故障、及びインナーライナー層に対するカーカスコードの食い込みについて評価した。
タイヤ重量については、各空気入りタイヤの重量を測定した。評価結果は、従来例1の測定値を100とする指数にて示した。この指数値が小さいほどタイヤ重量が小さいことを意味する。
ビード部における加硫故障については、各空気入りタイヤに係る未加硫タイヤを加硫成形し、製造された空気入りタイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに装着し、空気圧210kPaで空気を充填してから規定時間経過後の空気圧を測定した。この数値が小さいほど、ビード部における空気漏れが抑制され、加硫故障が抑制されていることを意味する。
インナーライナー層に対するカーカスコードの食い込みについては、各空気入りタイヤに係る未加硫タイヤを加硫成形し、製造された空気入りタイヤをリムサイズ15×6Jのホイールに装着し、空気圧210kPaで空気を充填してから規定時間経過後の空気圧を測定した。この数値が小さいほど、インナーライナー層に対するカーカスコードの食い込みが抑制され、インナーライナー層が空気透過防止性能を維持していることを意味する。
Figure 2020183182
表1から明らかなように、実施例1から実施例8はいずれも、従来例1から従来例4に対して、タイヤ重量を低減しつつ加硫故障の発生を抑制できることが確認できた。
1A…空気入りタイヤ、1B…空気入りタイヤ、1C…空気入りタイヤ、1D…空気入りタイヤ、2…トレッド部、3…サイドウォール部、4…ビード部、5…カーカス層、6…ベルト層、6A…ベルト端部、7…ベルト補強層、8…インナーライナー層、10…部分タイゴム層、11…ビード部分タイゴム層、11A…トレッド側端部、11B…ビード側端部、11C…中間部、12…ショルダー部分タイゴム層、12A…外側端部、12B…内側端部、13…センター部分タイゴム層、21…トレッド面、22…主溝、22C…センター主溝、22S…ショルダー主溝、23…ラグ溝、25…センター部、26…ショルダー部、41…ビードコア、42…ビードフィラー、42A…外端部、42B…内端部、42C…中間部、61…第1ベルトプライ、62…第2ベルトプライ、81…タイヤ内面、AX…中心、Da…厚み、Db…厚み、Dc…厚み、CL…タイヤ赤道面、L1…長さ、L2…ペリフェリ長さ、RX…タイヤ回転軸、W…タイヤ最大幅位置。

Claims (14)

  1. トレッド部と、
    前記トレッド部よりもタイヤ幅方向外側に配置される一対のサイドウォール部と、
    一対の前記サイドウォール部よりもタイヤ径方向内側に配置される一対のビード部と、
    一対の前記ビード部に支持されるカーカス層と、
    前記トレッド部において前記カーカス層よりもタイヤ径方向外側に配置されるベルト層と、
    タイヤ内面を有するインナーライナー層と、
    前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記ビード部に隣接する一部の空間に配置されるビード部分タイゴム層と、を備え、
    前記ビード部は、ビードコアと、前記ビードコアよりもタイヤ径方向外側に配置されるビードフィラーとを有し、
    前記ビード部分タイゴム層は、タイヤ径方向において前記トレッド部に近いトレッド側端部と、タイヤ径方向において前記トレッド部から遠いビード側端部とを有し、
    前記ビードフィラーは、タイヤ径方向において前記トレッド部に近い外端部と、タイヤ径方向において前記トレッド部から遠い内端部とを有し、
    前記サイドウォール部は、タイヤ最大幅位置を含み、
    前記トレッド側端部は、タイヤ径方向において前記タイヤ最大幅位置と前記内端部との間に配置され、
    前記ビード側端部は、前記ビードコアの周囲の少なくとも一部に配置される、
    空気入りタイヤ。
  2. 前記外端部を通り前記タイヤ内面に直交する垂線と前記タイヤ内面との第1交点が規定され、
    前記トレッド側端部は、タイヤ径方向において前記第1交点と同一の位置又は前記第1交点よりもタイヤ径方向内側に配置される、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッド側端部は、タイヤ径方向において前記外端部と前記内端部との間に配置される、
    請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  4. タイヤ径方向において、前記外端部と前記内端部との距離をHa、前記トレッド側端部と前記内端部との距離をHbとしたとき、
    0.7 ≦ Hb/Ha ≦ 1.0、
    の条件を満足する、
    請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ビード側端部は、前記内端部よりもタイヤ径方向内側に配置される、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ビード側端部は、前記ビードコアの中心よりもタイヤ径方向内側に配置される、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ビード側端部は、前記ビードコアよりもタイヤ径方向内側に配置される、
    請求項5又は請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ビード部分タイゴム層は、前記トレッド側端部と前記ビード側端部との間の中間部を有し、
    前記中間部の厚みは、前記トレッド側端部の厚み及び前記ビード側端部の厚みよりも厚い、
    請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記トレッド部にセンター部とショルダー部とが規定され、
    前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記ショルダー部に隣接する一部の空間に配置されるショルダー部分タイゴム層を備え、
    前記ショルダー部分タイゴム層は、タイヤ幅方向において前記トレッド部の中心から遠い外側端部を有し、
    前記トレッド側端部と前記外側端部とは離れている、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記ベルト層は、タイヤ幅方向において前記トレッド部の中心から遠いベルト端部を有し、
    前記ベルト端部を通り前記タイヤ内面に直交する垂線と前記タイヤ内面との第2交点が規定され、
    前記外側端部は、タイヤ幅方向において前記第2交点と同一の位置又は前記第2交点よりもタイヤ幅方向外側に配置される、
    請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記第2交点と前記ビード部のタイヤ径方向最内側端部との間のタイヤ内面に沿ったペリフェリ長さをL2とし、前記第2交点と前記外側端部との間の前記タイヤ内面に沿った長さをL1としたとき、
    0.25×L2 ≦ L1 ≦0.50×L2、
    の条件を満足する、
    請求項10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記ビード部分タイゴム層に使用されるゴムの粘度は、前記ショルダー部分タイゴム層に使用されるゴムの粘度よりも低い、
    請求項9から請求項11のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記ビード部分タイゴム層に使用されるゴムの粘度は、40以上80以下であり、
    前記ショルダー部分タイゴム層に使用されゴムの粘度は、50以上90以下である、
    請求項12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記ショルダー部分タイゴム層は、タイヤ幅方向に一対設けられ、
    前記カーカス層と前記インナーライナー層との間であって、前記センター部に隣接する一部の空間に配置されるセンター部分タイゴム層を備え、
    前記センター部分タイゴム層は、一対の前記ショルダー部分タイゴム層を接続するように配置される、
    請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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