JP2020182614A - 航空機用カーペット及びその製造方法 - Google Patents

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奨 岡崎
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昌典 西口
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Takuya Inoue
拓弥 井上
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Abstract

【課題】ロールアップで出荷されてもパイル糸が汚れることなく、軽量で、抜糸強度及び耐久性に優れ、航空機用の高い難燃性を有する航空機用カーペット及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の航空機用カーペット1は、パイル2はナイロンであり、パイル2の目付は500g/m2〜750g/m2であり、目止め樹脂層4は第1目止め樹脂層5と、第1目止め樹脂層5の下面側に第2目止め樹脂層6と、を備え、第1目止め樹脂層5は、ラテックス100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、第1目止め樹脂層5の形成量が300g/m2〜600g/m2であり、第2目止め樹脂層6の形成量が100g/m2〜200g/m2であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、航空機用カーペット及びその製造方法に関する。
航空機用カーペットに求められる物性としては、安全性の観点から航空機用の高い難燃試験をクリアすることが必須であり、かつ、航空機の燃費向上のため軽量なカーペットが求められている。そのため、航空機用の高い難燃試験をクリアするために、パイルの素材にウールを用いることが多く、軽量なカーペットが開発されている。
しかしながら、パイルの素材としてウールを用いるカーペットは、航空機用の高い難燃試験をクリアすることができるものの、パイルがへたるなどの耐久性が悪く、さまざまなパイルの素材検討が行われている。
例えば、特許文献1においては、ナイロンを含むパイル糸と、ポリエステル繊維を含む基布と、パイル糸の目止めに用いられるラテックスとによって構成され、航空機の内装に用いられる航空機用難燃ナイロンカーペットにおいて、パイル糸の酸素指数が26以上であり、基布の酸素指数が26以上であり、ラテックスの酸素指数が26以上であり、ラテックスは、ラテックス成分100重量部に対して膨張黒鉛30〜200重量部を含むことを特徴とする航空機用難燃ナイロンカーペットが開示されている。
特開2005−205156号公報
特許文献1では、耐久性に優れており、航空機用の高度な難燃性を発現することができる。しかしながら、特許文献1では、ラテックス層が1層からなり、かつ、ラテックス層内に膨張黒鉛を30〜200重量部含んでいるため、問題が2点発生する恐れがある。1点目は、航空機用カーペットはカーペットの幅が2m以上のロールカーペットで加工され、10m〜15mくらいロールアップして出荷されることが多く、ロールアップ時に、1層からなるラテックス層から膨張黒鉛がポロポロとパイル糸に落ちて、パイル糸が黒く汚れてしまう恐れがある。2点目は、航空機用カーペットを飛行機の床面に施工する時には、両面テープを用いて施工されることが多く、航空機難燃ナイロンカーペットを航空機の床面に両面テープで施工した後、両面テープから航空機用難燃ナイロンカーペットを剥がそうとした時、耐久性がなく、パイル糸が抜けてしまう恐れがある。
本発明は、かかる技術的背景を鑑みてなされたものであって、ロールアップしてもパイル糸が汚れることなく、軽量で、抜糸強度及び耐久性に優れ、航空機用の高い難燃性を有する航空機用カーペット及びその製造方法を提供することが目的である。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]基布の上面にパイルが植設されてなるパイル布帛層と、該パイル布帛層の下面に積層された目止め樹脂層と、を備えたカーペットであって、
前記パイルはナイロンであり、
前記パイルの目付は500g/m〜750g/mであり、
前記目止め樹脂層は第1目止め樹脂層と、該第1目止め樹脂層の下面側に第2目止め樹脂層と、を備え、
前記第1目止め樹脂層は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、
前記第1目止め樹脂層の形成量が300g/m〜600g/mであり、
前記第2目止め樹脂層の形成量が100g/m〜200g/mであることを特徴とする航空機用カーペット。
[2] 基布の上面にパイルが植設されてなるパイル布帛層の下面側に目止め樹脂を塗布するカーペットの製造方法であって、
前記パイルはナイロンであり、
前記パイルの目付は500g/m〜750g/mであり、
前記パイル布帛層の下面側に第1目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第1目止め樹脂層を形成する第1工程と、
該第1目止め樹脂層の下面側に第2目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第2目止め樹脂層を形成する第2工程と、を含み、
前記第1目止め樹脂は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、
前記第1目止め樹脂の塗布量が750g/m〜1500g/mであり、
前記第2目止め樹脂の塗布量が200g/m〜500g/mであることを特徴とする航空機用カーペットの製造方法。
[1]の発明では、基布の上面にパイルが植設されてなるパイル布帛層と、パイル布帛層の下面に積層された目止め樹脂層と、を備えたカーペットであって、パイルはナイロンであり、パイルの目付は500g/m〜750g/mであり、目止め樹脂層は第1目止め樹脂層と、第1目止め樹脂層の下面側に第2目止め樹脂層と、を備え、第1目止め樹脂層は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含んでいるから、航空機用の高い難燃性を有する共に、耐久性に優れた航空機用カーペットを提供することができる。また、第1目止め樹脂層の形成量(ラテックスのDRY重量を形成量とした)が300g/m〜600g/mであり、第2目止め樹脂層の形成量が100g/m〜200g/mであるから、ロールアップでパイル糸が汚れることなく、軽量で、抜糸強度及び耐久性に優れた航空機用の高い難燃性を有する航空機用カーペットを提供することができる。
[2]の発明では、基布の上面にパイルが植設されてなるパイル布帛層の下面側に目止め樹脂を塗布するカーペットの製造方法であって、パイルはナイロンであり、パイルの目付は500g/m〜750g/mであり、パイル布帛層の下面側に第1目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第1目止め樹脂層を形成する第1工程と、第1目止め樹脂層の下面側に第2目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第2目止め樹脂層を形成する第2工程と、を含み、第1目止め樹脂は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、第1目止め樹脂の塗布量(ラテックスのWET重量を塗布量とした)が750g/m〜1500g/mであり、第2目止め樹脂の塗布量が200g/m〜500g/mであるから、ロールアップでパイル糸が汚れることなく、軽量で、抜糸強度及び耐久性に優れ、航空機用の高い難燃性を有する航空機用カーペットの製造方法を提供することができる。
本発明に係る航空機用カーペットの一実施形態を示す断面図である。
本発明に係る航空機用カーペットの一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の航空機用カーペット1は、基布3の上面にパイル2が植設されてなるパイル布帛層7と、該パイル布帛層7の下面に積層された目止め樹脂層4と、を備えたカーペットであって、前記パイル2はナイロンであり、前記パイル2の目付は500g/m〜750g/mであり、前記目止め樹脂層4は第1目止め樹脂層5と、該第1目止め樹脂層5の下面側に第2目止め樹脂層6と、を備え、第1目止め樹脂層5は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、前記第1目止め樹脂層5の形成量が300g/m〜600g/mであり、前記第2目止め樹脂層6の形成量が100g/m〜200g/mであることを特徴とする。
本願発明は第1目止め樹脂層5の下面側に第2目止め樹脂層6を備え、第1目止め樹脂層5の形成量が300g/m〜600g/mであり、第2目止め樹脂層6の形成量が100g/m〜200g/mであるから、軽量でロールアップすることができると共に、ロールアップ時に第1目止め樹脂層5から膨張黒鉛が落下せず、パイル2が膨張黒鉛で汚れることがない。さらに、第1目止め樹脂層5の形成量が300g/m〜600g/mであり、第2目止め樹脂層6の形成量が100g/m〜200g/mであるから、航空機用カーペットを両面テープで施工した後、航空機用カーペットを両面テープから剥がそうとしても、パイル2が抜けることがない。
前記航空機用カーペット1は、基布3の上面にパイル2が植設されてなるパイル布帛層7と、該パイル布帛層7の下面に積層された目止め樹脂層4と、を備えている必要がある。
前記パイル布帛層7は、基布3の上面にパイル2が植設されてなる。
前記基布3としては、特に限定されるものではないが、例えば、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、織布等が挙げられる。
前記基布3の素材としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維等の熱可塑性繊維、またこれら各繊維の複合化繊維、或いはアセテート等の半合成繊維、レーヨン等の再生繊維、麻、綿などの天然繊維、或いはまたこれら繊維を混綿したもの等が挙げられる。
前記基布3としては、難燃性を高めるために、難燃処理を行った基布を用いることが好ましい。難燃処理として、例えば、難燃性を有する綿を織基布とパンチドッキングする等が挙げられる。
前記基布3の目付は100g/m〜300g/mであることが好ましい。100g/m以上であることで耐久性を向上させることができ、300g/m以下であることで軽量性を確保することができる。中でも、100g/m〜200g/mであることがより好ましい。
前記パイル2の素材は、ナイロンを用いる必要がある。ナイロンを用いることで、耐久性を向上させることができる。
前記パイル2の目付は500g/m〜750g/mである必要がある。500g/m未満では見栄えが劣り、耐久性を維持することができず、750g/mを超えても、重くなるため、好ましくない。中でも、600g/m〜700g/mであることがより好ましい。
前記パイル2としては、難燃性を高めるために、難燃剤が混合したパイル糸を用いることが好ましい。
前記パイル2に用いる難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤等が挙げられる。
前記目止め樹脂層4は第1目止め樹脂層5と、該第1目止め樹脂層5の下面側に第2目止め樹脂層6と、を備えている必要がある。
前記第1目止め樹脂層5には、ラテックスで形成されている層である必要であり、例えば、アクリルラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられ、中でも、アクリルラテックスを用いることが好ましい。
前記ラテックスには、樹脂成分、膨張黒鉛、水、その他添加剤等が含まれる。アクリルラテックスの場合における樹脂成分はアクリル共重合体になり、乾燥した場合の固形分となる。
前記第1目止め樹脂層5は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含んでいる必要がある。30重量部未満では航空機用の高い難燃性を維持することができず、250重量部を超えてもコンパウンドすることが困難なため好ましくない。中でも、200重量部〜250重量部含んでいることがより好ましい。なお、アクリルラテックスを用いた場合、ラテックスに含まれる樹脂とはアクリル共重合体のことを意味する。
前記第1目止め樹脂層5には、膨張黒鉛以外に、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対してリン系難燃剤が10重量部〜50重量部含んでいることが好ましく、航空機用の高い難燃性を向上させることができる。
前記第1目止め樹脂層5の形成量(乾燥重量)が300g/m〜600g/mであることが必要である。300g/m未満では抜糸強度及び難燃性を維持することができず、600g/mを超えても、重くなるため好ましくない。中でも、300g/m〜450g/mであることがより好ましい。なお、ラテックスのDRY重量を形成量とした。
前記第2目止め樹脂層6の形成量(乾燥重量)が100g/m〜200g/mであることが必要である。100g/m未満では抜糸強度が低下、かつ、第1目止め樹脂層5内から膨張黒鉛の落下を抑制することができず、200g/mを超えても、重くなるため好ましくない。中でも、100g/m〜120g/mであることがより好ましい。
前記第1目止め樹脂層5に用いられるラテックスは、アクリルラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられ、中でも、アクリルラテックスを用いることが好ましい。なお、前記第1目止め樹脂層5に用いられるラテックスと前記第2目止め樹脂層6に用いられるラテックスとは、同じ種類のラテックスであることが好ましい。中でも、第1目止め樹脂層5を構成するラテックスにアクリルラテックスを用い、第2目止め樹脂層6を構成するラテックスにアクリルラテックスを用いることがより好ましい。
前記第2目止め樹脂層6に用いられるラテックスは、アクリルラテックス、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられ、中でも、アクリルラテックスを用いることが好ましい。なお、前記第1目止め樹脂層5に用いられるラテックスと前記第2目止め樹脂層6に用いられるラテックスとは、同じ種類のラテックスであることが好ましい。中でも、第1目止め樹脂層5を構成するラテックスにアクリルラテックスを用い、第2目止め樹脂層6を構成するラテックスにアクリルラテックスを用いることがより好ましい。
本発明に係る航空機用カーペット1の製造方法の一実施形態を説明する。基布3の上面にパイル2が植設されてなるパイル布帛層7の下面側に目止め樹脂を塗布するカーペットの製造方法であって、前記パイル2はナイロンであり、前記パイル2の目付は500g/m〜750g/mであり、前記パイル布帛層7の下面側に第1目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第1目止め樹脂層5を形成する第1工程と、該第1目止め樹脂層5の下面側に第2目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第2目止め樹脂層6を形成する第2工程と、を含み、前記第1目止め樹脂は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、前記第1目止め樹脂の塗布量が750g/m〜1500g/mであり、前記第2目止め樹脂の塗布量が200g/m〜500g/mであることを特徴とする。
前記パイル布帛層7の下面側に目止め樹脂を塗布する方法としては、前記パイル布帛層7の下面側に第1目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第1目止め樹脂層5を形成する第1工程と、該第1目止め樹脂層5の下面側に第2目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第2目止め樹脂層6を形成する第2工程と、を含む。第1工程を実施した後、第2工程を実施する必要がある。第1目止め樹脂を塗布した後、乾燥せずに、第2目止め樹脂を塗布した場合、第2目止め樹脂を低塗布量で塗布することができないだけでなく、第2目止め樹脂層6内に気泡が残ってしまう恐れがある。
前記第1目止め樹脂は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含んでいることが必要である。第1目止め樹脂は液体の状態であり、ラテックスの状態を意味する。
前記第1目止め樹脂の塗布量(WET)が750g/m〜1500g/mである必要がある。750g/m未満では抜糸強度及び難燃性を維持することができず、1500g/mを超えても、重くなるため好ましくない。中でも、850g/m〜1100g/mであることがより好ましい。なお、ラテックスのWET重量を塗布量とした。
前記第2目止め樹脂の塗布量(WET)が200g/m〜500g/mである必要がある。200g/m未満では均一に塗布することが困難であり、かつ、抜糸強度が低下、第1目止め樹脂層5内から膨張黒鉛の落下を抑制することができず、500g/mを超えても、重くなるため好ましくない。中でも、250g/m〜400g/mであることがより好ましい。
前記第1目止め樹脂の粘度は5000cps〜20000cpsであることが好ましい。中でも7000cps〜15000cpsであることがより好ましい。なお、粘度の測定はBM型粘度計を用いて、温度23℃、4号ローター、6回転の条件で測定した。
前記第2目止め樹脂の粘度は10000cps〜30000cpsであることが好ましい。中でも20000cps〜25000cpsであることがより好ましい。なお、粘度の測定はBM型粘度計を用いて、温度23℃、4号ローター、6回転の条件で測定した。
前記第1目止め樹脂層5及び前記第2目止め樹脂層6を形成するための乾燥装置としては、特に限定されるものではないが、例えば、テンター乾燥機、加熱ヒーター、加熱炉が挙げられる。
前記第1目止め樹脂層5及び前記第2目止め樹脂層6を形成するための加熱温度としては、110℃〜160℃であることが好ましい。このような温度範囲の加熱温度にすることにより、ロールアップしてもパイルが汚れることなく、パイルの抜糸強度を向上させることができる。中でも130℃〜150℃がより好ましい。
前記第1目止め樹脂層5及び前記第2目止め樹脂層6には、充填剤などの各種添加剤を適宜含有せしめてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<使用材料>
(パイル)
パイルA:ナイロン6・6(1385dtex、66f)
パイルB:難燃剤練り込みナイロン66(1500dtex、96f、リン系難燃剤が混合)
(基布)
PET織基布(ポリエステル、目付200g/m
難燃基布(目付230g/m、PP織基布(100g/m)の上面に難燃綿(130g/m)をパンチドッキングした基布)
(パイル布帛層A)
目付200g/mのPET織基布に、パイルAをループパイルとしてタフティングされたもの(ゲージ1/8L、ステッチ32本/10cm、パイル長4mm、パイル目付650g/m)。
(パイル布帛層B)
目付230g/mの難燃基布に、パイルBをループパイルとしてタフティングされたもの(ゲージ1/8L、ステッチ32本/10cm、パイル長4mm、パイル目付650g/m)。
(第1目止め樹脂層に用いたラテックス)
アクリル樹脂(アクリル共重合体)10%、膨張黒鉛20%、水55%、その他15%(ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を200重量部)
(第2目止め樹脂層に用いたラテックス)
アクリル樹脂(アクリル共重合体)40%、水55%、その他5%
<実施例1>
パイル布帛層Aの裏面にロールコーターを用いて、第1目止め樹脂層用のラテックスを発泡倍率が1.5倍で、WETの塗布量が850g/m(第1目止め樹脂層の乾燥後の形成量が340g/m)になるように塗布し、テンター乾燥機を用いて、140℃で5分加熱して、パイル布帛層Aの裏面に第1目止め樹脂層を形成した。次に、パイル布帛層Aの第1目止め樹脂層の下面側に、第2目止め樹脂層用のラテックスを発泡倍率が2倍で、WETの塗布量が300g/m(乾燥後の塗布量が120g/m)になるように塗布し、テンター乾燥機を用いて140℃で5分加熱して、パイル布帛層Aの第1目止め樹脂層の裏面に第2目止め樹脂層を形成し、図1に示す航空機用カーペット1を得た。
<実施例2>
パイル布帛の目付を720g/m(ゲージ1/8L、ステッチ37本/10cm、パイル長4.0mm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペット1を得た。
<実施例3>
第1目止め樹脂層を、ラテックス100重量部に対して膨張黒鉛を135重量部含むラテックス(アクリル樹脂(アクリル共重合体)13%、膨張黒鉛17%、水55%、その他15%)に変更にした以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペット1を得た。
<実施例4>
第1目止め樹脂のWETの塗布量が1100g/m(第1目止め樹脂層の乾燥後の形成量が440g/m)になるように設定した以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペット1を得た。
<実施例5>
第2目止め樹脂のWETの塗布量が375g/m(第1目止め樹脂層の乾燥後の形成量が150g/m)になるように設定した以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペット1を得た。
<実施例6>
パイル布帛層にBを用い、基布に難燃基布を用いる設定にした以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペット1を得た。
<実施例7>
第1目止め樹脂層に用いられるラテックスを塩ビアクリル10%、膨張黒鉛20%、水55%、その他15%に変更(ラテックスに含まれる塩ビアクリル樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を200重量部)し、第2目止め樹脂層を構成している樹脂を塩ビアクリル40%、水55%、その他5%に変更した以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペット1を得た。
<比較例1>
第2目止め樹脂層を積層せず、第1目止め樹脂のWETの塗布量が1100g/m(第1目止め樹脂層の乾燥後の形成量が440g/m)に設定にした以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペットを得た。
<比較例2>
第1目止め樹脂層を積層せず、第2目止め樹脂のWETの塗布量が500g/m(第2目止め樹脂層の乾燥後の形成量が200g/m)に設定にした以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペットを得た。
<比較例3>
第1目止め樹脂層を、ラテックス100重量部に対して膨張黒鉛を25重量部含むラテックス(アクリル樹脂(アクリル共重合体)24%、膨張黒鉛6%、水55%、その他15%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペットを得た。
<比較例4>
第1目止め樹脂のWETの塗布量が625g/m(第1目止め樹脂層の乾燥後の形成量が250g/m)に変更し、第2目止め樹脂のWETの塗布量が375g/m(第2目止め樹脂層の乾燥後の形成量が150g/m)に変更する設定した以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペットを得た。
<比較例5>
パイル布帛の目付を480g/m(ゲージ1/8L、ステッチ27本/10cm、パイル長3.0mm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、航空機用カーペットを得た。
上記のようにして得られた各航空機用カーペットに対して、下記評価方法に基づいて評価を行った。これらの評価結果を表1に示す。
<汚れ性評価法>
実施例1〜7、比較例1〜5の航空機用カーペットを紙管(内径84mm、紙管の厚み1.5mm)に15m巻き付けてロールアップし、30日間保管した。30日間保管後、ロールアップを解き、パイルが汚れているか、汚れていないかを目視で確認した。パイル表面が膨張黒鉛で汚れていなかったものを「○」、それ以外のものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
<重量評価法>
実施例1〜7、比較例1〜5の航空機用カーペットの重量をはかりで測定し、1350g/m未満を「◎」、1350g/m以上1450g/m未満を「〇」、1450g/m以上を「×」とし、「〇」以上を合格とした。
<パイルの抜糸強度評価法>
JIS L 1021−8:2007に準拠して、パイル糸の抜糸強度(N)を測定し、パイル糸の抜糸強度が40N以上を「◎」とし、30N以上40N未満を「○」として、30N未満を「×」として、「○」以上を合格とした。
<キャスター試験の耐久性評価法>
JIS L 1021−11:2007に準拠して、キャスター試験機を用いて、90kgの重り、円形試験台を10000回回転させた。10000回転後、重りを取り除き、パイルのへたり状態を目視観察し、へたりが非常に少ないものを「◎」、へたりの少ないものを「○」、へたりがある程度あるものを「△」、へたりが多いものを「×」とし、「○」以上を合格とした。
<テーバー試験の耐久性評価法>
JIS L 1096:2010 C法に準拠して、摩耗輪(CS−17)、荷重9.81N、摩耗回数500回の条件で、パイルを摩耗させた。パイルが全く摩耗していなかったものを「◎」とし、パイルが少し摩耗しているものの実質的に問題がないと判断したものを「○」として、それ以外を「×」として、「○」以上を合格とした。
<航空機用難燃性評価法>
実施例1〜7、比較例1〜5の航空機用カーペットを、国土交通省航空局耐空性審査要領 第I I I 部 4−10−2−2 および付録I −1、2、3、4項の垂直燃焼試験、炎温度892℃に準拠した難燃試験を実施した。この試験において、燃焼長さ(=炭化長)が20cmを超えず、かつ離炎後の燃焼時間(残炎時間)が15秒を超えず、さらに供試材からの滴下物が、落下後平均5秒以上燃え続けなければ「〇」、それ以外は「×」とし、「〇」以上を合格とした。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜7の航空機用カーペットは、ロールアップしても汚れることなく、軽量で、抜糸強度及び耐久性、難燃性に優れていた。
これに対して、比較例1の航空機用カーペットは、汚れ性、キャスターの耐久性が劣っていた。
比較例2の航空機用カーペットは、第1目止め樹脂を塗布しないので第2目止め樹脂を均一塗布しにくくなり、キャスターの耐久性、テーバーの耐久性、難燃性が劣っていた。
比較例3の航空機用カーペットは、難燃性が劣っていた。
比較例4の航空機用カーペットは、難燃性が劣っていた。
比較例5の航空機用カーペットは、パイルの見栄えが悪く、キャスターの耐久性が劣っていた。
本発明に係る航空機用カーペットは、例えば、航空機等の床面などに敷設して使用される。
1・・・航空機用カーペット
2・・・パイル
3・・・基布
4・・・目止め樹脂層
5・・・第1目止め樹脂層
6・・・第2目止め樹脂層
7・・・パイル布帛層

Claims (2)

  1. 基布の上面にパイルが植設されてなるパイル布帛層と、該パイル布帛層の下面に積層された目止め樹脂層と、を備えたカーペットであって、
    前記パイルはナイロンであり、
    前記パイルの目付は500g/m〜750g/mであり、
    前記目止め樹脂層は第1目止め樹脂層と、該第1目止め樹脂層の下面側に第2目止め樹脂層と、を備え、
    前記第1目止め樹脂層は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、
    前記第1目止め樹脂層の形成量が300g/m〜600g/mであり、
    前記第2目止め樹脂層の形成量が100g/m〜200g/mであることを特徴とする航空機用カーペット。
  2. 基布の上面にパイルが植設されてなるパイル布帛層の下面側に目止め樹脂を塗布するカーペットの製造方法であって、
    前記パイルはナイロンであり、
    前記パイルの目付は500g/m〜750g/mであり、
    前記パイル布帛層の下面側に第1目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第1目止め樹脂層を形成する第1工程と、
    該第1目止め樹脂層の下面側に第2目止め樹脂を塗布した後、乾燥させて第2目止め樹脂層を形成する第2工程と、を含み、
    前記第1目止め樹脂は、ラテックスに含まれる樹脂100重量部に対して膨張黒鉛を30重量部〜250重量部含み、
    前記第1目止め樹脂の塗布量が750g/m〜1500g/mであり、
    前記第2目止め樹脂の塗布量が200g/m〜500g/mであることを特徴とする航空機用カーペットの製造方法。
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