JP2020181656A - 誘導結合型アンテナユニット及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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【課題】高効率長尺アンテナユニットの実用化と、これを用いたプラズマ処理装置を提供する。【解決手段】前記長尺アンテナユニットは略平行に配列された1本の往路アンテナ導体と2本の復路アンテナ導体及び両アンテナ導体を固定するフランジとで構成する。前記3本のアンテナ導体の長手方向の一方の端部を電気的に接続し、中央の往路アンテナ導体の長手方向の他方の端部を高周波電源に接続し、前記往路アンテナ導体を挟む両側の2本の復路アンテナ導体の他方の端部を前記フランジに固定し、当該フランジを介して接地する。【選択図】図1

Description

本発明は、誘導結合型アンテナユニット及びこの誘導結合型アンテナユニットを用いたプラズマ処理装置に関するものである。
従来のプラズマ処理装置としては、特許文献1に示すように、平板形状のアンテナ導体を折り返して略平行に配置し、高周波電流が互いに逆向きに流れる往復アンテナ導体を構成した誘導結合型アンテナが採用されている。前記往復アンテナ導体の間隔をアンテナ導体の長手方向において変化させてアンテナ導体の長手方向のプラズマ密度の均一化を図っている。前記一方の導体の一端部に整合回路を介して高周波電源に接続し、他方の導体の一端部を接地する構成の誘導結合型アンテナを用いたプラズマ処理装置が開示されている。
このプラズマ処理装置では、前記アンテナ導体の長手方向のプラズマ密度分布を均一にする効果は期待できるが、前記往復アンテナ導体の往路アンテナ導体を流れる電磁界エネルギーしか活用されておらず、高周波電力の利用効率が低いという課題があった。
特開2013−134836号公報
そこで本発明は、誘導結合型アンテナユニットの長尺化と高周波電力の利用効率を向上することをその主たる課題とするものである。
本発明に係る誘導結合型アンテナユニット(以下、単にアンテナユニットとも記す)は、被処理基板が収容される真空チャンバと、該真空チャンバに設けた開口部に装着して前記真空チャンバ内にプラズマを発生させるためのアンテナユニットである。前記アンテナユニットは、互いに平行に配列された3本の誘導結合型アンテナ導体(以下、単にアンテナ導体とも記す)と、当該アンテナ導体に高周波電流を導入する電流導入端子と、前記アンテナ導体を固定するフランジとからなり、前記3本のアンテナ導体の長手方向の一方の端部(先端側)は電気的に接続され、真ん中のアンテナ導体の他方の端部(給電側)は前記フランジに設けた電流導入端子に接続され、前記真ん中のアンテナ導体を挟む両側の2本のアンテナ導体の接地側端部は前記フランジに固定されて一体化されていることを特徴とするアンテナユニットである。
このように構成されたアンテナユニットでは、3本のアンテナ導体の真ん中のアンテナ導体(以下、往路アンテナ導体とも記す)の給電端部に高周波電力を印加すれば、高周波電流は給電側端部と反対側の先端部でUターンして外側の両アンテナ導体(以下、復路アンテナ導体とも記す)を流れて接地された前記フランジに流れる構成である。
このようなアンテナ構成では、前記往路アンテナ導体と復路アンテナ導体では逆向きの高周波電流が流れるため両電極間に強い電磁界が発生すると同時に、両復路アンテナ導体の周囲に同相の強い電磁界が発生する。前記往路アンテナ導体と復路アンテナ導体は一体化されて前記真空チャンバ内に装着されているので、アンテナ導体に給電された高周波電力の利用効率が高く、前記真空チャンバ内に高密度の放電プラズマを励起することができる。
本発明によれば、アンテナ導体と前記フランジが一体化されたアンテナユニットを前記真空チャンバの壁面に形成された開口に気密を保って装着することができる。高周波電源は整合器を介して前記電流導入端子に接続され、前記往路アンテナ導体に高周波電力が給電される。一方、復路アンテナ導体の接地側端部は前記フランジ内面に螺子等によって直接固定され、接地電位にある前記フランジに接地される構成とする。
本発明に係るアンテナユニットでは、アンテナ導体が放電プラズマ中に曝されるので前記アンテナ導体に石英管やアルミナ管等の誘電体管を被せることが好ましい。或いは、前記アンテナ導体表面を誘電体材料で被覆することが好ましい。
このようにアンテナ導体表面を誘電体材料で被覆することによってイオン照射によるアンテナ導体のスパッタリングによる不純物の飛散を防止し、例えば基板表面に不純物を含まない薄膜を形成することができる。
前記アンテナ導体は高周波電流によって加熱され、数百℃に加熱される場合もあり、アンテナ導体を冷却することが好ましい。アンテナ導体の冷却は前記フランジを介して前記真空チャンバ壁に放熱することができるが、長尺のアンテナ導体を冷却するにはアンテナ導体を電気伝導率が大きく熱伝導率の大きい金属材料、例えば銅やアルミニウム金属などを用いることが好ましい。また、前記往路アンテナ導体の冷却は対向する復路アンテナ導体との間隙に熱伝導率の高い誘電体スペーサを狭持して一体化することによって、前記往路アンテナ導体に発生する熱を前記スペーサを介して復路アンテナ導体に放熱することができる。また、復路アンテナ導体に銅管やアルミニウム管を採用して水冷することができる。
本発明に係るアンテナユニットでは、前記往路アンテナ導体と復路アンテナ導体には逆向きの高周波電流が流れる構成である。各アンテナ導体に流れる電流により生じる自己インダクタンスの一部(相互インダクタンス分)が相殺されてアンテナ導体全体のインピーダンスを低減することができる。従って、大きな高周波電流を流すことが可能になり、高密度の放電プラズマを発生させることができるとともにアンテナ導体の更なる長尺化が可能になる。
前記対向する往復アンテナ導体の長手方向の中央部領域の導体幅と両端部領域の導体幅とを変えることによって、アンテナ導体の長手方向の放電プラズマの密度分布を均一化することができる。例えば、対向する平行平板型のアンテナ導体の場合、中央部領域の導体幅を広くして中央部領域のインダクタンスを小さくし、両端部領域の導体幅を狭くして両端部領域のインダクタンスを大きくすればアンテナ導体の長手方向の両端部領域のプラズマ密度を相対的に大きくすることができる。両端部領域のプラズマ密度の低下を補うことができ、アンテナ導体の長手方向のプラズマ密度を略均一にすることができる。
本発明に係るプラズマ処理装置では、前記真空チャンバに複数の開口を設け、複数のアンテナユニットを装着することによって大面積の被処理基板をプラズマ処理することができる。前記真空チャンバの壁面に形成された複数の開口に気密を保持して前記アンテナユニットを装着するもので、大面積の被処理基板をプラズマ処理できるだけでなくアンテナユニットの脱着やクリーニングが容易である。また、前記アンテナ導体の周囲に発生する電磁界エネルギーの大部分を活用することができる。
このように構成した本発明によれば、アンテナ導体の長尺化と高周波電力の利用効率の向上が図れる。また、アンテナユニットの構成が簡易であるため安価に製作できると同時に、アンテナユニットの脱着作業やクリーニング等が容易である。
本実施形態に係るプラズマ処理装置の構成を示す模式図である。 本実施形態に係るアンテナユニットの構成を示す模式図である。 往復アンテナ導体のインダクタンスを説明するための斜視図である。 その他の実施形態に係るアンテナユニットの構成を示す模式図である。 その他の実施形態に係るアンテナ導体の断面を示す模式図である。 その他の実施形態に係る往路アンテナ導体の形状を示す模式図である。
以下に本発明に係るプラズマ処理装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
本実施形態のプラズマ処理装置100は、アンテナ導体12に高周波電流を流すことによって電磁界を発生させ、その電磁界エネルギーを利用して放電プラズマを発生させる、いわゆる誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式によるものである。
図1に示すように、このプラズマ処理装置100は被処理基板20を収容する真空チャンバ11、真空チャンバ11の内部空間Sにプラズマを発生させるための図2に示すアンテナユニット200、該アンテナユニットに高周波電力を供給する高周波電源22などを備えるものである。
真空チャンバ11の内部空間Sは、真空排気手段Pとガス導入手段Gによって所定のガス圧力に保たれる。この真空チャンバ11には、例えばアルゴンと水素との混合ガスを所定の圧力(例えば1Pa)に導入するとともに、整合器23を介して高周波電源22から高周波電流を前記アンテナ導体12に流すことによって放電プラズマを励起し、被処理基板20表面をプラズマ処理するものである。
この真空チャンバ11の壁面、例えば側壁部111に開口112が形成されており、この開口112を介してアンテナユニット200を着脱できる構成である。ここでは、真空チャンバ11の側壁部111に例えば円形状の開口112が形成されている。この開口112は、前記フランジ14が着脱可能に設けられたもので、開口112の周囲にシール部材19を狭持して例えば螺子留めされており、このフランジ14によって開口112が閉塞され内部空間Sが密閉される。
図2に前記アンテナユニット200概略図を示す。互いに平行に配列された3本のアンテナ導体12と、該アンテナ導体12を固定するフランジ14とからなる。これら3本のアンテナ導体は2個のU字形のアンテナ導体を背中合わせに並べてW字形にしたもので、W字形の真ん中のアンテナ導体を一体化したものである。従って、真ん中の往路アンテナ導体12aと、これに対向する両側(図2では上下)の2本の復路アンテナ導体12bで構成され、両アンテナ導体の先端部18は電気的に接続されている。前記2本の復路アンテナ導体12bの開放端側の端部は図示されない螺子等によって前記フランジ14に固定され、前記往路アンテナ導体12aの開放端側の端部17は前記フランジ14に設けた電流導入端子15の電極端子に接続されている。
前記フランジ14は開口112を密閉すると同時に、前記往路アンテナ導体12aと復路アンテナ導体12bを固定するものである。また、前記フランジ14は、前記アンテナ導体12で発生する熱を放熱する役割を有するもので熱伝導性の良好な材質であることが望ましい。例えばアルミニウム材や銅材、或いはこれらの合金などの熱伝導性に優れた金属材料であることが好ましい。
このアンテナユニット200においては、往路アンテナ導体12aと複路アンテナ導体12bは互いに近接して配置されていて往路アンテナ導体12aの給電端部17に給電された高周波電流は他方の先端部18でUターンして復路アンテナ導体12bを流れて接地される。従って、両アンテナ導体を流れる高周波電流は互いに逆向きに流れる構成になっている。このような往復アンテナ導体12のインダクタンスは、両アンテナ導体間の相互インダクタンスに依存し、その分アンテナ導体の実質インダクタンスは小さくなる。従って、往復アンテナ導体の両端に掛かる電圧を低く抑えることができるため、例えば1m以上の長尺アンテナユニットを実用化することができる。
更に具体的に説明すると、図3に示すような平行平板型の往復アンテナ導体のインダクタンスは下記のように計算される。アンテナ導体の幅をw、長さをa,往復アンテナ導体間の間隔をdとし、一方の端部が短絡されている構成で高周波電流Iを長さ方向に流す場合、高周波電流が導体表面を流れると仮定すると、往復アンテナ導体のインダクタンスLは下記のように近似される。
高周波電流Iを流したときの磁束密度Bは、
B=μI/w・・・・・・・・・(1)
往復アンテナ導体間に発生する磁束Φは、
Φ=μadI/w・・・・・・・(2)
従って、インダクタンスLは
L=Φ/I=μad/w・・・・(3)

となる。前記往復アンテナ導体のインダクタンスLは、アンテナ導体の長さa及び間隔dに比例し、幅wに反比例することが判る。即ち、往復アンテナ導体を接近させればインダクタンスLは小さくなり離せば大きくなる。
本願発明の課題の一つである長尺、例えば1m以上のアンテナ導体を実用化するにはアンテナ導体のインダクタンスLをできるだけ小さくして、大きな高周波電流Iを流すことが望ましい。前記往復アンテナ導体のインダクタンスLを出来るだけ小さくするには、数式(3)から分るように往復アンテナ導体の間隔dを小さくし、幅wを大きくすることである。
一方、前記アンテナ導体の周囲に高密度のプラズマを発生させるには、アンテナ導体の周囲に高密度の電磁界を発生させる必要がある。図3に示す平行平板型アンテナ導体に高周波電流Iを流したときに発生する電磁エネルギーEは次式で表される。
E=LI・・・・・・・・・・(4)
即ち、電磁エネルギーEはインダクタンスLに比例し、高周波電流Iの二乗に比例する。前記アンテナ導体のインダクタンスLと高周波電流Iの選択はプラズマ処理装置の処理目的、被処理基板のサイズ等によって決まるものである。往復アンテナ導体の長さや形状は必要なプラズマ密度、或いは真空チャンバ内に必要なプラズマ密度やその分布等によって決まる設計事項である。数式(4)から分るように、インダクタンスLを例えば1/2にしても高周波電流を2倍にすれば電磁界エネルギーEは2倍になる。
本発明に係るアンテナユニットを用いたプラズマ処理装置100では、前記アンテナユニットは真空チャンバの壁面に設けた開口112に取付けられ、前記アンテナ導体12は前記真空チャンバ11内に挿入されて使用される。従って、前記アンテナ導体12の周囲に発生する電磁界、電磁エネルギーをフルに活用することができる効率的なアンテナユニットである。従来例では、一般に、プラズマ処理装置の真空チャンバの外壁面にアンテナ導体が取付けられるため、アンテナ導体の一面の電磁界、電磁エネルギーしか利用されず非効率であったが、本願アンテナユニットでは電磁界の利用効率が著しく改善される。本願アンテナユニットによれば、アンテナユニット近傍では1011個/cm以上のプラズマ密度が容易に得られる。
本実施形態のようにアンテナ導体12が放電プラズマ中に曝されているとイオン照射を受けてアンテナ導体がスパッタリングされて不純物として飛散し、例えば被処理基板20表面に薄膜を形成する場合に不純物が混入する恐れがある。前記スパッタリングによる悪影響を抑制するには、図2に示すように前記アンテナ導体に石英管やアルミナ管等のセラミックス管13を被せることが好ましい。或いは、前記アンテナ導体表面を誘電体材料で被覆することが好ましい。
本発明に係るアンテナユニットのアンテナ導体の冷却方法について説明する。アンテナ導体の長さが短い場合、例えば30cm以下であればアンテナ導体に発生する熱をアンテナ導体自体の熱伝導により前記フランジ14に放熱することができるが、長尺のアンテナ導体、例えば長さ1mのアンテナ導体では数100℃に加熱される恐れがある。往路アンテナ導体12aに流れる高周波電流は両復路アンテナ導体12bに流れる電流の2倍であり、電流導入端子15に接続されているため熱伝導による放熱が困難である。従って、往路アンテナ導体12aと復路アンテナ導体12bとの間に絶縁体スペーサ16を挟持して3本のアンテナ導体12を一体化して、前記スペーサ16を介して放熱することが好ましい。前記絶縁体スペーサ16は熱伝導係数の大きいものが好ましく、具体例を挙げれば炭化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナなどである。
しかし、長尺アンテナ導体の場合、例えば50cm以上のアンテナ導体ではアンテナ導体自体による熱放散は困難で冷媒、例えば水冷による冷却が必要である。図4に復路アンテナ導体12bに冷却パイプを用いたアンテナユニット300の模式図を示す。U字形の復路アンテナ導体12bの接地端部を銀ろう付け等によってフランジ14に固定するとともに接地している。しかし、往路アンテナ導体12aの一方の端部17はフランジ14の中央部に設けられた電流導入端子15の給電端子に接続され、他方の端部は前記復路アンテナ導体12bの先端部18で接続されているが、アンテナ導体自体による熱放散は困難である。
図4に示すアンテナユニット300のアンテナ導体12の断面A−A’ を図5に示す。図5(a)に示すように板状の往路アンテナ導体12aの両面に所定の間隔を保って復路アンテナ導体管12bが配置されている。往路アンテナ導体12aで発生する熱はアンテナ導体の長手方向に亘って挟持したスペーサ16を介して水冷された復路アンテナ導体12bに放熱することができる。アンテナ導体に給電する高周波電力にもよるが、往復アンテナ導体とスペーサ16との接触面積を適切に選べば両アンテナ導体間の温度差を30℃以下に保つことは容易である。なお、アンテナ導体12の断面形状は、図示例のものに限られるものではなく、円形、楕円形、半円形、角形、板状等であってもよい。
前記スペーサ16は熱伝導性に優れた誘電体材料、例えば炭化シリコン、アルミナ、ホトベールなどのセラミックスが好適である。また、アンテナ導体12をセラミックス等の誘電体管で被覆する場合は耐熱性の有機材料を用いることができる。更に、図5(b)に示すように、アンテナ導体12を誘電体材料のスペーサ16で被覆して一体化することができる。この場合も誘電体材料で被覆され、一体化されたアンテナ導体12をセラミックス等の誘電体管で被覆することが望ましい。
本発明に係るアンテナ導体の長手方向のプラズマ密度分布は、一般的に往復アンテナ導体12の長手方向の中央部領域のプラズマ密度が大きく、両端部領域の密度が小さい。これは励起された放電プラズマが拡散して真空チャンバの内壁に当たって再結合し、消滅することによるものである。前記アンテナ導体の長手方向の全領域に亘って均一なプラズマ密度を得るには前記アンテナ導体の両端部領域の電磁エネルギーを大きくして両端部領域のプラズマ密度を大きくすることが好ましい。
アンテナ導体の長手方向のプラズマ密度を均一化する方法について具体的に説明する。図6に前記往路アンテナ導体12aを上方から見た形状の一例を示す。前記往路アンテナ導体の両端部領域R2の導体幅wを中央部領域R1よりも小さくすることによって、両端部領域のインダクタンスを大きくしてプラズマ密度を相対的に大きくすることができる。前述のように、アンテナ導体のインダクタンスLは、数式3に示すように、アンテナ導体の長さa及び間隔dに比例し、幅wに反比例する。例えば、図4、図5に示すアンテナ導体の場合、図6に示すように往路アンテナ導体12aの長手方向に沿って両端部領域R2の導体幅wを中央部領域R1の導体幅より狭くすれば、両端部領域のインダクタンスが中央部領域より相対的に大きくなる。従って、両端部領域での電磁エネルギーが大きくなり、両端部領域におけるプラズマ密度の低減を補償することができる。なお、往復アンテナ導体間の間隔dと幅wを任意に調整することによってアンテナ導体の長手方向の任意の領域Rのプラズマ密度を調整できることは云うまでもない。
この発明に係る往復アンテナ導体12a、12bは上下方向に互いに近接して配置され、両アンテナ導体12に逆向きの高周波電流が流れる構成しているので、上記数式3を参照すれば分るように、往復アンテナ導体間の間隔を小さくすることによってアンテナユニットのインダクタンスLを小さくすることができる。高周波領域においては、アンテナ導体のインピーダンスは殆どがインダクタンスによるものであるので、実効インダクタンスが小さくなることによって、アンテナ導体に沿って発生する電位差を小さく抑えることができ、発生する放電プラズマの電位を低く抑えることができる。アンテナ導体のインダクタンスを低減することによって、メートルサイズの長尺のアンテナユニットを実用化することができる。
本発明に係るアンテナユニットは図1に示すようにプラズマ処理装置100の真空チャンバ11の壁面に設けた開口112を閉塞するように取付けられ、アンテナ導体部分は真空チャンバ内に突出するように装着される。従って、アンテナ導体に給電された高周波電力の大部分はアンテナ導体の近傍で電磁エネルギーとして消費され、放電プラズマの生成に寄与する。前記アンテナユニットは必要に応じて複数本装着することができ、例えば並列に複数本装着すれば大面積の放電プラズマ領域を形成することができる。従って、大面積の被処理基板をプラズマ処理することができる。
前記アンテナユニット200及び300の装着は、真空チャンバ11の側壁111に特定されるものではなく、プラズマ処理装置100の形態によって、例えば真空チャンバ11の左右両側壁、或いはプラズマ処理装置の形態によって上下壁に装着してもよい。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100 プラズマ処理装置
11 真空チャンバ
112 開口
12 アンテナ導体
12a 往路アンテナ導体
12b 復路アンテナ導体
14 フランジ
16 スペーサ
200、300 アンテナユニット
20 被処理基板
22 高周波電源
23 整合器

Claims (6)

  1. 略平行に配列された3本の誘導結合型アンテナ導体と、高周波電流を導入する電流導入端子と、前記誘導結合型アンテナ導体を固定するフランジとからなり、前記3本の誘導結合型アンテナ導体の長手方向の一方の端部は電気的に接続され、中央の誘導結合型アンテナ導体の長手方向の他方の端部は前記電流導入端子に接続され、前記中央の誘導結合型アンテナ導体を挟む両側の2本の誘導結合型アンテナ導体の他方の端部は接地電位にある前記フランジに固定されて一体化されていることを特徴とする誘導結合型アンテナユニット。
  2. 前記3本の誘導結合型アンテナ導体が、互いに対向する誘導結合型アンテナ導体間の少なくとも一部に誘電体スペーサを狭持して一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の誘導結合型アンテナユニット。
  3. 前記誘導結合型アンテナ導体が誘電体管又は誘電体材料で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導結合型アンテナユニット。
  4. 前記中央の誘導結合型アンテナ導体を挟む両側の2本のアンテナ導体がU字形パイプ(管)であって、冷媒を流すことによって前記誘導結合型アンテナ導体を冷却できる構造であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の誘導結合型アンテナユニット。
  5. 前記中央の誘導結合型アンテナ導体の長手方向の中央部領域の導体幅が前記誘導結合型アンテナ導体の両端部領域の導体幅と異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の誘導結合型アンテナユニット。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の前記誘導結合型アンテナユニットを用いたことを特徴とするプラズマ処理装置。
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