JP2020180915A - 免疫測定の検体前処理用試薬及び検体前処理方法、並びに免疫測定用キット - Google Patents

免疫測定の検体前処理用試薬及び検体前処理方法、並びに免疫測定用キット Download PDF

Info

Publication number
JP2020180915A
JP2020180915A JP2019085190A JP2019085190A JP2020180915A JP 2020180915 A JP2020180915 A JP 2020180915A JP 2019085190 A JP2019085190 A JP 2019085190A JP 2019085190 A JP2019085190 A JP 2019085190A JP 2020180915 A JP2020180915 A JP 2020180915A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
reagent
immunoassay
reagent according
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019085190A
Other languages
English (en)
Inventor
友教 西井
Tomonori Nishii
友教 西井
和重 森山
Kazue Moriyama
和重 森山
千春 大植
Chiharu Oue
千春 大植
久美子 飯田
Kumiko Iida
久美子 飯田
慎太郎 八木
Shintaro Yagi
慎太郎 八木
克己 青柳
Katsumi Aoyanagi
克己 青柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujirebio Inc
Original Assignee
Fujirebio Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujirebio Inc filed Critical Fujirebio Inc
Priority to JP2019085190A priority Critical patent/JP2020180915A/ja
Priority to CN202010326450.5A priority patent/CN111855991A/zh
Publication of JP2020180915A publication Critical patent/JP2020180915A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

【課題】 検体中に含まれる抗原に反応するヒト由来抗体(自己抗体)の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制することができ、それでいて冷蔵状態でも沈殿が生じにくい、陰イオン性界面活性剤を含む検体前処理用試薬、及び該試薬を用いた検体前処理方法を提供すること。【解決手段】 免疫測定の検体前処理用試薬は、1〜15w/v%の陰イオン性界面活性剤と、該陰イオン性界面活性剤の濃度の1/4〜1/2の濃度の両イオン性界面活性剤と、0〜500mMのイミダゾール化合物とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、免疫測定の検体前処理用試薬及びそれを用いた検体前処理方法に関する。
検体中成分の免疫測定に際し、検体中に含まれる抗原に反応するヒト由来抗体(自己抗体)の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制するため、免疫反応の前に検体を陰イオン性界面活性剤を含む溶液と混合させて抗体の影響を低減する方法が知られている(特許文献1及び特許文献2)。
しかし、陰イオン性界面活性剤の高濃度溶液は、低温または常温で静置すると析出しやすい、という問題がある。特に、高濃度の陰イオン性界面活性剤を含む前処理用の溶液を、免疫測定に使用する他の試薬・溶液と共にキットとしてパッケージする場合、他の試薬と共に冷蔵状態で保管・運搬されることが想定されることから、析出の問題はさらに生じやすくなる。免疫測定を前処理の段階から自動分析器等で全自動で実施しようとすると、溶液中の析出は、試薬吸引ノズルのつまり等を引き起こす可能性があり、それを防ぐためには、例えば、使用前に溶液を37℃〜60℃程度で30分間程加温し、析出した沈殿を再溶解させる必要があった。
WO9906836 WO2018047793
本発明の目的は、検体中に含まれる抗原に反応するヒト由来抗体(自己抗体)の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制することができ、それでいて冷蔵状態でも沈殿が生じにくい、陰イオン性界面活性剤を含む検体前処理用試薬、及び該試薬を用いた検体前処理方法を提供することである。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、特定の濃度範囲の陰イオン性界面活性剤に加え、特定の濃度範囲の両イオン性界面活性剤及び必要に応じて特定の濃度範囲のイミダゾール化合物を配合することにより、検体中に含まれる抗原に反応するヒト由来抗体(自己抗体)の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制することができ、それでいて4℃程度の冷蔵条件下でも析出を生じない、または生じてもごくわずかであることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 1〜15w/v%の陰イオン性界面活性剤と、該陰イオン性界面活性剤の濃度の1/4〜1/2の濃度の両イオン性界面活性剤と、0〜500mMのイミダゾール化合物とを含む、免疫測定の検体前処理用試薬。
(2) 4℃で7日間保存後に析出が認められない、(1)記載の試薬。
(3) 前記陰イオン性界面活性剤の濃度が10〜15w/v%である(1)又は(2)記載の試薬。
(4) 前記イミダゾール化合物の濃度が20〜500mMである、(1)〜(3)のいずれかに記載の試薬。
(5) 前記イミダゾール化合物の濃度が100〜250mMである、(4)記載の試薬。
(6) 前記陰イオン性界面活性剤が、分子内に炭素数9以上のアルキル基を含む陰イオン性界面活性剤である(1)〜(5)のいずれかに記載の試薬。
(7) 前記陰イオン性界面活性剤が、SDS、STS及びNLSから成る群より選ばれる少なくとも1種である、(6)記載の試薬。
(8) 前記陰イオン性界面活性剤がSDSである、(7)記載の試薬。
(9) 前記両イオン性界面活性剤が、分子内に第四級アンモニウム基と硫酸基を含む両イオン性界面活性剤である、(1)〜(8)のいずれかに記載の試薬。
(10) 前記両イオン性界面活性剤が、CHAPS及びC10APSから成る群より選ばれる少なくとも1種である、(9)記載の試薬。
(11) 前記両イオン性界面活性剤がCHAPSである(10)記載の試薬。
(12) 前記イミダゾール化合物がイミダゾールである、(1)〜(11)のいずれかに記載の試薬。
(13) pHが5.0〜8.0である(1)〜(12)のいずれかに記載の試薬。
(14) pHが6.0〜7.2である(13)記載の試薬。
(15) 免疫測定に供する検体を、(1)〜(14)のいずれかに記載の検体前処理用試薬と混合し、加熱処理することを含む、検体前処理方法。
(16) (1)〜(14)のいずれかに記載の検体前処理用試薬を構成試薬として含む、免疫測定用キット。
本発明によれば、検体中に含まれる抗原に反応するヒト由来抗体(自己抗体)や他の抗原結合性物質等の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制することができ、それでいて冷蔵状態でも沈殿が生じにくい、陰イオン性界面活性剤を含む検体前処理用試薬及びそれを用いた検体の前処理方法が初めて提供された。本発明の試薬は、冷蔵保存しても析出しないか、析出しても短時間で溶解する程度の沈殿しか生じないため、この試薬を用いた前処理工程を、全自動装置による免疫測定方法に容易に組み込むことが可能となる。また、本発明によれば、検体中に含まれる抗原に反応するヒト由来抗体(自己抗体)の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制することができ、それでいて冷蔵状態でも沈殿が生じにくい、陰イオン性界面活性剤を含む検体前処理用試薬を構成試薬として含む、免疫測定用キットが初めて提供された。
上記のとおり、本発明は、免疫測定の検体前処理用試薬に係る。本明細書において「検体」とは、ヒトまたは動物から体外に取り出した試料を示し、好ましくは、ヒト由来の試料を示す。具体的には、例えば、血清、血漿、全血、尿、便、口腔粘膜、咽頭粘膜、腸管粘膜および生検試料(例、腸管試料、肝臓試料)が挙げられる。好ましくは、検体は、血清または血漿である。
本明細書において、「冷蔵保存」とは、2℃以上10℃以下の温度において、目的物を凍結させずに低温貯蔵することを示す。本発明の検体前処理用試薬は、冷蔵保存において析出を生じにくいものであるが、特に7日間の冷蔵保存で目視可能な析出を生じないことが好ましい。さらに、3〜5℃、特に4℃で7日間保管後、目視可能な析出を生じないことが好ましい。
本発明の免疫測定の検体前処理用試薬は、陰イオン性界面活性剤を含む。陰イオン性界面活性剤を含有することにより、自己抗体の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制することができる。陰イオン性界面活性剤は、分子内に炭素数9以上のアルキル基を含むものが好ましく、さらに好ましくは炭素数11〜16のアルキル基を含むものが好ましい。陰イオン性界面活性剤としては、特に限定されないが、好ましい例として、SDS(ラウリル硫酸ナトリウム)、STS(トリデシル硫酸ナトリウム)、NLS(N-ラウロイルサルコシン酸ナトリウム)、ドデシル硫酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デオキシコール酸等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのうち、特にSDSが好ましい。陰イオン性界面活性剤は、単独で用いることもできるし、2種以上の陰イオン性界面活性剤を組み合わせて用いることもできる。
検体前処理用試薬中の陰イオン性界面活性剤の濃度(2種以上の陰イオン性界面活性剤を用いる場合にはそれらの合計濃度)は、1〜15%、好ましくは10〜15%である。なお、本明細書において、濃度を表す「%」は、特に断りがない限り重量/容量%(w/v%)を示す。陰イオン性界面活性剤の濃度が1%未満であると、自己抗体の影響による測定値の偽低値化または偽高値化を抑制する効果が少なくなり、一方、15%を超えると、析出を防止するために必要な両イオン性界面活性剤の添加量が多くなり、免疫反応が阻害される恐れがある。
本発明の検体前処理用試薬は、両イオン性界面活性剤を含む。両イオン性界面活性剤を配合することにより、析出を効果的に抑制することができる。両イオン性界面活性剤としては、分子内に第四級アンモニウム基と硫酸基を含むものが好ましい。好ましい両イオン性界面活性剤の例として、CHAPS(3-3-コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ-1-プロパンスルフォネート)、C10APS (N-デシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルフォネート)、C12APS (N-ドデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルフォネート、C14APS(N-テトラデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルフォネート、C16APS (N-ヘキササデシル-N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルフォネート、C18APS(N−オクタデシル1−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロポンスルホネート)等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。これらのうち、CHAPS及びC10APSがさらに好ましく、CHAPSが特に好ましい。両イオン性界面活性剤は、単独で用いることもできるし、2種以上の両イオン性界面活性剤を組み合わせて用いることもできる。
両イオン性界面活性剤の濃度(w/v%)(2種以上の両イオン性界面活性剤を用いる場合にはそれらの合計濃度)は、陰イオン性界面活性剤の濃度の1/4〜1/2であり、好ましくは1/3〜1/2である。両イオン性界面活性剤の濃度が陰イオン性界面活性剤の濃度の1/4未満の場合には、析出防止効果が不十分となり、一方、1/2を超えると免疫反応を阻害する恐れがある。
本発明の検体前処理用試薬は、必要に応じ、イミダゾール化合物を含む。イミダゾール化合物を配合することにより、析出防止効果をより一層高めることができる。イミダゾール化合物を添加しなくても7日間の冷蔵保存後に析出が認められない場合には、イミダゾール化合物は不要である(ただし、念のために添加しておいてもよい)。陰イオン性界面活性剤と両イオン性界面活性剤のみでは7日間の冷蔵保存後に析出が認められる場合であっても、イミダゾール化合物を添加すれば、析出を防止できる。イミダゾール化合物の具体例としては、イミダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール、2-メルカプト-1-メチルイミダゾール、2-メチルベンズイミダゾール等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。イミダゾール化合物は、単独で用いることもできるし、2種以上のイミダゾール化合物を組み合わせて用いることもできる。
イミダゾール化合物の濃度(2種以上のイミダゾール化合物を用いる場合にはそれらの合計濃度)は、0〜500mMであり、好ましくは20〜500mM、さらに好ましくは100〜250mMである。イミダゾール化合物の濃度が500mMを超えると、免疫反応を阻害する恐れがある。
本発明の検体前処理用試薬は、上記各成分を液状の媒体中に含むものである。媒体としては、水系緩衝液が好ましい。水系緩衝液としては、免疫測定に通常用いられている緩衝液を用いることができ、例として、MES緩衝液、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、炭酸緩衝液等を挙げることができる。また、検体前処理用試薬のpHは5.0〜8.0が好ましく、さらには6.0〜7.2が好ましい。pHが5.0未満の場合には、免疫測定が阻害される恐れがあるため、中和操作が必要となるので好ましくなく、一方、8.0を超えると析出が生じやすくなるので好ましくない。したがって、水系緩衝液としては、上記した好ましいpHを達成するものを選択することが好ましい。
本発明の検体前処理用試薬には、上記各成分に加え、本発明の効果及び免疫測定に悪影響を与えない範囲で任意的に他の添加剤を添加することができる。このような添加剤の例として、EDTA等のようなキレート剤、TCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)、2MEA(2-メルカプトエチルアミン)、DTT(ジチオトレイトール)、DEAET(2-(ジエチルアミノ)エタンチオール塩酸塩)のような還元剤、スクロース、ラクトース、マルトースのような糖類、AFSI(Antiform SI)等の消泡剤を挙げることができる。
本発明の検体前処理用試薬で検体を前処理する場合、免疫測定を行う前に、免疫測定に供する検体を本発明の検体前処理用試薬と混合し、加熱処理する。検体と試薬との混合比率は、特に限定されないが、通常、検体の体積を100として、前処理試薬の体積は、通常、10〜400、好ましくは100〜250である。また、加熱処理の条件としては、通常、37℃〜95℃、好ましくは70℃〜90℃、より好ましくは75℃〜85℃で、通常、2分間〜10分間、好ましくは3分間〜7分間である。
上記のとおり前処理した検体は、通常の免疫測定に供することができる。免疫測定は、何ら限定されるものではなく、生体内に含まれる成分を検出又は定量する任意の免疫測定に供することができる。上記した前処理方法は、市販の全自動免疫測定装置に容易に組み込むことができ、全自動にて免疫測定を行うことができる。
本発明の免疫測定用キットは、上記した検体前処理液を構成試薬として含む。ここでいう「免疫測定」は、検体中の成分を抗原抗体反応を用いて測定する方法であれば、特に限定はされないが、例えば、直接競合法、間接競合法、及びサンドイッチ法が挙げられる。また、このような免疫測定としては、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、化学発光免疫測定(CLIA)、免疫比濁法(TIA)、酵素免疫測定法(EIA)(例、直接競合ELISA、間接競合ELISA、及びサンドイッチELISA)、放射免疫測定(RIA)、ラテックス凝集反応法、蛍光免疫測定(FIA)、及びイムノクロマトグラフィー法が挙げられる。本発明の免疫測定用キットは、検体前処理液に加え、他の構成試薬として、上記いずれかの免疫測定に必要な試薬を含む。例えば、CLEIA用のキットにおいては、検体前処理液の他に、抗体固相化粒子液、標識抗体液、洗浄液、基質液を構成試薬として含む。これらの試薬は、1つの包装内に収容されていてもよく、2つ以上の包装に分割して収容されていてもよい。上記した免疫測定用キットは、冷蔵保存が必要な他の構成試薬と検体前処理液とを同じ包装内に収容した状態で、冷蔵条件下での保管、運搬等を容易に行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]検体前処理液の析出試験
主成分として陰イオン性界面活性剤(SDS)を含む検体前処理用の試薬(以下、「検体前処理液」)を、濃度及び共存物質等の条件を変えて計30種類調製した。各検体前処理液の組成を表1〜4に示す。条件の検体前処理液を、4℃で7日間静置して、溶液内の沈殿の析出を目視で確認した。表中の「析出度」とは、溶解させたSDSの全量が析出したのと同等の沈殿物体積が目視で確認された場合を「100」として、沈殿物体積量の度合いを示したものである。また、表中の「AFSI」とは、消泡剤であり、具体的には、富士フイルム和光純薬(株)社製消泡剤SI(商品名)を使用した。また、以下の全ての例において、各試薬の媒体としては、Tris緩衝液、或いはMES緩衝液を用いた。
(1) 1〜15%SDS溶液の析出試験
表1に示す試験例1〜4は、1〜15%のSDSを含む検体前処理液を、いずれも両性界面活性剤、イミダゾール化合物を含まない条件で調製し、析出試験を行った結果である。表1に示す通り、いずれの条件においても、ほぼ全量が析出した。
(2) 両性界面活性剤による析出防止効果確認
表2に示す試験例5〜12は、1〜15%のSDSを含む溶液に、SDSの1/2濃度、1/4濃度のCHAPSを添加した検体前処理液を調製し、析出試験を行った結果である。1%SDSを含む溶液は、1/4濃度のCHAPSを添加することで、析出を抑制できたが(試験例5、6)、5%SDS、10%SDS、15%SDSを含む溶液では、1/4濃度のCHAPSでは析出を抑制できず(試験例7,9,11)、1/2濃度のCHAPSの添加によって析出を抑制できた(試験例8,10,12)。
(3) 両性界面活性剤及びイミダゾール化合物による析出防止効果確認
表3−1〜表3−3に示す試験例13〜30は、5〜15%のSDSを含む溶液に、SDSの1/4濃度のCHAPS、及び20〜500mMのイミダゾールを含む検体前処理液を調製し、析出試験を行った結果である。5%SDSを含む溶液においては、1/4濃度のCHAPSと20mM以上のイミダゾールを添加することで、SDSの析出を抑制できた(試験例13〜18)。10%SDSを含む溶液においては、1/4濃度のCHAPSと50mM以上のイミダゾールを添加することで、SDSの析出を抑制できた(試験例20〜24)。15%SDSを含む溶液においては、1/4濃度のCHAPSと50〜250mM以上のイミダゾールを添加することで、SDSの析出を抑制できたが(試験例26〜29)、500mMのイミダゾールを添加すると、溶液がゲル化してしまった(試験例30)。いずれのSDS濃度においても、SDSの1/4濃度のCHAPSと100mMのイミダゾールを添加することで、SDSの析出を0とすることができた。
Figure 2020180915
Figure 2020180915
Figure 2020180915
Figure 2020180915
Figure 2020180915
※ゲル化
[実施例2]B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)測定における前処理効果の確認
HBsAg陽性血清(ProMed Dx 9990650 CPD Plasma)を陰性血清(TRINA Normal Human Serum off the clot)で36,860倍希釈した血清をHBsAg陽性モデル検体として使用した。HBsAg陽性モデル検体に、さらに抗HBsAg抗体(ヘブスブリン筋注用1000単位)を最終濃度1000U/mLとなるように添加して、自己抗体陽性HBsAg陽性モデル検体を調製した。
調製したHBsAg陽性モデル検体(以下、「抗体陰性検体」)と自己抗体陽性HBsAg陽性モデル検体(以下、「抗体陽性検体」)を、それぞれ前処理液(12.5% SDS、20mM EDTA 2Na、100mM イミダゾール、3.0% CHAPS、1.75% Tween20(商品名)、0.25% STS、1% スクロース、20mM DEAET、0.01% AFSI、pH6.5)と体積比1:2となるように混合し、80℃で5分間反応させた(前処理あり検体)。一方、前処理液と検体を同様に混合した後、加熱処理を省略したものを準備した(前処理なし検体)。前処理あり検体、前処理なし検体のそれぞれを、検体希釈液(10mM Tris、2.32% Tween20、0.96% C16TAC、2.0mM EDTA2Na、1.0% スクロース、pH7.2)と体積比2:1で混合した。
各検体について、自動分析機器ルミパルスL2400及びルミパルスプレストHBsAg(いずれも富士レビオ社製)を用いて、HBsAgの測定を行った。各検体のカウントを表4に示す。なお、表4中のカウントは2重測定を行った平均値である。
Figure 2020180915
表4に示す通り、前処理を行うことで、測定時のカウントが上昇し、測定感度が向上した。また、自己抗体陽性検体について、前処理により、抗体による測定値の低減を抑制できることが示された。
[実施例3]CA19−9測定における前処理効果の確認
CA19−9陽性血清(i-Laboratory LLP)を陰性血清(TRINA Normal Human Serum off the clot)で487.7倍希釈した血清をCA19−9陽性モデル検体として使用した。CA19−9陽性モデル検体に、さらにマウス抗CA19−9モノクローナル抗体(1116-NS-19-9, Fujirebio Diagnostics Inc.製)を最終濃度1mg/mLとなるように添加して、自己抗体陽性CA19−9陽性モデル検体を調製した。
調製したCA19−9陽性モデル検体(抗体陰性検体)と自己抗体陽性CA19−9陽性モデル検体(抗体陽性検体)を、それぞれ前処理液(12.5% SDS、20mM EDTA 2Na、100mM イミダゾール、3.0% CHAPS、1.75% Tween20(商品名)、0.25% STS、1% スクロース、20mM DEAET、0.01% AFSI、pH6.5)と体積比1:2となるように混合し、80℃で5分間反応させた(前処理あり検体)。一方、前処理液と検体を同様に混合した後、加熱処理を省略したものを準備した(前処理なし検体)。前処理あり検体、前処理なし検体のそれぞれを、検体希釈液(5.0% Pluronic(登録商標)F−108、4.0% Tween20、0.1% ポリオキシエチレンラウリルエーテル、100mM HEPES、100mM NaCl、1.2% C10APS、 Tris、2.32% Tween20、0.96% C16TAC、2.0mM EDTA2Na、1.0% スクロース、pH7.2)と体積比2:5で混合した。
各検体について、自動分析機器ルミパルスL2400及びルミパルスプレストCA19−9(いずれも富士レビオ社製)を用いて、CA19−9の測定を行った。各検体のカウントを表5に示す。なお、表5中のカウントは2重測定を行った平均値である。
Figure 2020180915
表5に示す通り、前処理により、自己抗体陽性検体において、自己抗体による測定値の低減を抑制できることが示された。
[実施例4]各種前処理条件下でのHBsAg測定
表6に示す試験例31〜42の検体前処理液を調製した。実施例2の抗体陰性検体、抗体陽性検体について、それぞれ試験例31〜42の各検体前処理液と体積比1:2で混合し、80℃で5分間加熱処理を行った。各検体について、実施例2と同様にHBsAgの測定を行った。その際、SDSの析出が見られる検体前処理液については、使用前に加温し、沈殿を溶解した後に使用した。測定結果を表7に示す。なお、表7中のカウントは2重測定を行った平均値である。
Figure 2020180915
Figure 2020180915
Figure 2020180915
Figure 2020180915
試験例34〜36及び試験例40〜42は、いずれも4℃保存で析出しなかった。また、いずれの試験例においても、抗体陽性検体における自己抗体の影響を抑制できた。
[実施例5]各種前処理条件下でのCA19−9測定
実施例3の抗体陰性検体、抗体陽性検体について、それぞれ実施例4で調製した試験例31〜42の各検体前処理液と体積比1:2で混合し、80℃で5分間加熱処理を行った。各検体について、実施例3と同様にCA19−9の測定を行った。その際、SDSの析出が見られる検体前処理液については、使用前に加温し、沈殿を溶解した後に使用した。測定結果を表8に示す。なお、表8中のカウントは2重測定を行った平均値である。
Figure 2020180915
Figure 2020180915
いずれの試験例においても、抗体陽性検体における自己抗体の影響を抑制できた。

Claims (16)

  1. 1〜15w/v%の陰イオン性界面活性剤と、該陰イオン性界面活性剤の濃度の1/4〜1/2の濃度の両イオン性界面活性剤と、0〜500mMのイミダゾール化合物とを含む、免疫測定の検体前処理用試薬。
  2. 4℃で7日間保存後に析出が認められない、請求項1記載の試薬。
  3. 前記陰イオン性界面活性剤の濃度が10〜15w/v%である請求項1又は2記載の試薬。
  4. 前記イミダゾール化合物の濃度が20〜500mMである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試薬。
  5. 前記イミダゾール化合物の濃度が100〜250mMである、請求項4記載の試薬。
  6. 前記陰イオン性界面活性剤が、分子内に炭素数9以上のアルキル基を含む陰イオン性界面活性剤である請求項1〜5のいずれか1項に記載の試薬。
  7. 前記陰イオン性界面活性剤が、SDS、STS及びNLSから成る群より選ばれる少なくとも1種である、請求項6記載の試薬。
  8. 前記陰イオン性界面活性剤がSDSである、請求項7記載の試薬。
  9. 前記両イオン性界面活性剤が、分子内に第四級アンモニウム基と硫酸基を含む両イオン性界面活性剤である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の試薬。
  10. 前記両イオン性界面活性剤が、CHAPS及びC10APSから成る群より選ばれる少なくとも1種である、請求項9記載の試薬。
  11. 前記両イオン性界面活性剤がCHAPSである請求項10記載の試薬。
  12. 前記イミダゾール化合物がイミダゾールである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の試薬。
  13. pHが5.0〜8.0である請求項1〜12のいずれか1項に記載の試薬。
  14. pHが6.0〜7.2である請求項13記載の試薬。
  15. 免疫測定に供する検体を、請求項1〜14のいずれか1項に記載の検体前処理用試薬と混合し、加熱処理することを含む、検体前処理方法。
  16. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の試薬を構成試薬として含む、免疫測定用キット。
JP2019085190A 2019-04-26 2019-04-26 免疫測定の検体前処理用試薬及び検体前処理方法、並びに免疫測定用キット Pending JP2020180915A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019085190A JP2020180915A (ja) 2019-04-26 2019-04-26 免疫測定の検体前処理用試薬及び検体前処理方法、並びに免疫測定用キット
CN202010326450.5A CN111855991A (zh) 2019-04-26 2020-04-23 免疫测定的样本预处理用试剂和样本预处理方法、以及免疫测定用试剂盒

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019085190A JP2020180915A (ja) 2019-04-26 2019-04-26 免疫測定の検体前処理用試薬及び検体前処理方法、並びに免疫測定用キット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020180915A true JP2020180915A (ja) 2020-11-05

Family

ID=72985084

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019085190A Pending JP2020180915A (ja) 2019-04-26 2019-04-26 免疫測定の検体前処理用試薬及び検体前処理方法、並びに免疫測定用キット

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2020180915A (ja)
CN (1) CN111855991A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999006836A1 (fr) * 1997-08-04 1999-02-11 Tonen Corporation Methodes permettant de detecter ou d'analyser un virus
JP2002277472A (ja) * 1997-08-04 2002-09-25 Sentan Seimei Kagaku Kenkyusho:Kk ウイルスの検出又は測定方法
US20060115814A1 (en) * 2002-02-28 2006-06-01 Cloyd Miles W Methods and compositions, relating to hiv gp41 antigens and other hiv envelope antigens
JP2017506339A (ja) * 2014-02-11 2017-03-02 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 活動性肝炎ウイルス感染を検出するためのコンボ−肝炎抗原アッセイ及びキット
WO2018047793A1 (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 富士レビオ株式会社 腫瘍マーカーの測定方法及び測定試薬
WO2018212221A1 (ja) * 2017-05-17 2018-11-22 富士レビオ株式会社 インスリンの測定方法及び測定試薬

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4879067B2 (ja) * 2007-03-30 2012-02-15 シスメックス株式会社 免疫測定用検体前処理液、免疫測定用試薬キット及び免疫測定方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999006836A1 (fr) * 1997-08-04 1999-02-11 Tonen Corporation Methodes permettant de detecter ou d'analyser un virus
JP2002277472A (ja) * 1997-08-04 2002-09-25 Sentan Seimei Kagaku Kenkyusho:Kk ウイルスの検出又は測定方法
US20060115814A1 (en) * 2002-02-28 2006-06-01 Cloyd Miles W Methods and compositions, relating to hiv gp41 antigens and other hiv envelope antigens
JP2017506339A (ja) * 2014-02-11 2017-03-02 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア 活動性肝炎ウイルス感染を検出するためのコンボ−肝炎抗原アッセイ及びキット
WO2018047793A1 (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 富士レビオ株式会社 腫瘍マーカーの測定方法及び測定試薬
WO2018212221A1 (ja) * 2017-05-17 2018-11-22 富士レビオ株式会社 インスリンの測定方法及び測定試薬

Also Published As

Publication number Publication date
CN111855991A (zh) 2020-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5442179B2 (ja) 反応性物質が結合した微小粒子の沈降抑制方法および該微小粒子含有試薬
CN109633148B (zh) Kl-6检测乳胶凝集试剂
JP6334401B2 (ja) ラテックス凝集阻害免疫法
JP5653216B2 (ja) シスタチンc吸着抑制剤
JP5364310B2 (ja) 反応性物質が結合した微小粒子の安定化方法および該微小粒子含有試薬
CN111721946A (zh) 糖类抗原19-9免疫比浊试剂盒
JP2022058435A (ja) ウイルス抗原の血清学的検出方法
JP4890399B2 (ja) Hbv抗原検出用の精度管理用試薬及びその製造方法
JP7005785B2 (ja) ヘモグロビンの測定試薬、測定キット及び測定方法
JP2023133205A (ja) 免疫学的測定方法、免疫学的測定用キット及び固相担体試薬
JP2020180915A (ja) 免疫測定の検体前処理用試薬及び検体前処理方法、並びに免疫測定用キット
JP4877578B2 (ja) 抗原の測定法およびそれに用いるキット
US20080261328A1 (en) Method of preventing precipitation of a reactive substance-bound microparticle, and reagent containing the micro particle
CN112051401B (zh) 一种胃蛋白酶原的测定试剂盒
JP2001330616A (ja) 抗原結合固相の製造方法
JP2020052012A (ja) 不溶性担体を使用する免疫学的測定試薬
JP7191913B2 (ja) 免疫測定方法及び免疫測定用キット
JP7431711B2 (ja) 免疫測定方法及び免疫測定用キット
WO2022220288A1 (ja) 組成物、安定化方法、および、発光量を測定する方法、ならびに、発光基質用安定化剤
JP2018141780A (ja) 免疫測定方法及び免疫測定用キット
WO2018074467A1 (ja) 免疫学的測定方法および測定試薬
JP7274272B2 (ja) 生体成分測定試薬及び測定方法
JPWO2008029873A1 (ja) 抗原およびその抗原に対する抗体を測定する方法、並びにそれに用いる測定用試薬
WO2014122974A1 (ja) カオトロピック剤を利用するビタミンdの測定方法
JPWO2017069192A1 (ja) 安定化剤および安定化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230619