JP2020180421A - 炭素繊維集合体及びその製造方法 - Google Patents

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Hisaaki Kobayashi
久晃 小林
古匠 保雄
Yasuo Kosho
保雄 古匠
信次 増田
Shinji Masuda
信次 増田
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Abstract

【課題】気相法に代えて湿式押出造粒法を炭素繊維集合体の製造に適用することによって、繊維長分布が広いリサイクル炭素繊維に対しても、良好な円柱形状を保持しつつ、優れたフィーダーでの供給安定性や取扱性を有する炭素繊維集合体の製造方法を提供する。【解決手段】炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒を混合して混合物を調製し、この混合物を、湿式押出造粒法により造粒する。この造粒は、混合物を、圧縮しつつ、多数の孔を有するスクリーンダイを通過させることにより円柱形状に押出して押出物を形成し、乾燥させる工程を備える。【選択図】なし

Description

本発明は、フィーダーでの安定供給性の優れた炭素繊維集合体を製造する方法であり、特に湿式押出造粒方法を用いた炭素繊維集合体の造粒方法に関するものである。
繊維強化樹脂組成物を製造する際に優れた作業性、フィーダーでの安定供給性を有し、かつマトリクス中における分散性に優れ、得られた樹脂組成物が良好な物性を示す炭素繊維集合体として、所定の平均粒径を有し、エポキシ化合物を主成分とするエマルジョン系サイジング剤で表面被覆された炭素繊維集合体や、所定のサイジング剤で集束されるとともに、所定の緻密度を有する、断面が円形あるいは楕円形の炭素繊維チョップドストランドが開示されている(例えば特許文献1及び2参照)。
上記の炭素繊維チョップドストランドは、炭素繊維原料として長繊維の単一方向に揃ったトウを使用しているため、定長カットすると繊維長が揃ったものとなるので、フィーダーでの安定供給性に問題はない。ところが、リサイクル又はリユースされた炭素繊維を原料とする場合には、多方向の炭素繊維プリプレグを貼り合わせた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などを原料として用いるのが一般的なため、1次焼成した炭素繊維を定長カットしても、繊維長がブロードとなるばかりでなく、極端に長いものも混入し、分級処理でも完全に取り除けず、供給時にブリッジを起こしたりして供給不良を起こしたりするという表面被覆処理する以前の問題があるので、上記の従来技術を適用することは難しい。
一方、繊維長の揃っていないものを活用する方法としては、押出機等への定量的で安定したフィーダーでの供給が可能であり、さらに押出機等により炭素繊維を樹脂マトリクス中に容易に均一に分散させることを可能とするカーボンファイバーボールとして、短炭素繊維及び結着剤からなり、所定の嵩密度を有するカーボンファイバーボールが開示されている(例えば特許文献3参照)。また、保管、運搬に便利であり、取扱性がよく、ことに樹脂、ゴム等と混練する際に押出機等への喰込みが改善されると共に、樹脂、ゴム等に均一かつ容易に分散することのできる炭素繊維集合体として、所定の繊維の直径、繊維の長さ/繊維の直径、集合体の粒径、嵩密度、安息角や粒径分布を有する炭素繊維集合体が開示されている(例えば特許文献4及び5参照)。
さらに、気流を利用した新しい連続プロセスによって、非常に脆弱な短繊維を原料としても、繊維の破損を少なくし高い収率で連続的に球状形態を有する小径の高嵩密度ファイバーボールを製造する方法として、原料短繊維をコイル状に巻回された管内に供給し、該原料繊維を気流と共に旋回させ、次いで、上記管の出口より排出されたブロック状繊維塊を、円筒状又は円錐状容器内部の壁面に沿って気流と共に旋回させ、発生する遠心力により成形、圧密化して球状化する繊維集合体のファイバーボールを製造する方法が開示されている(例えば特許文献6参照)。
特開平4−170435号公報 特開平2−12929号公報 特開平11−105030号公報 特開平3−14664号公報 特開平4−24259号公報 特開平4−34053号公報
しかしながら、上記の特許文献3〜6に開示された技術は、気相法を用いて炭素繊維を製造する技術であり、炭素繊維が綿状の繊維の塊として得られるため、このような炭素繊維を原料として用いる場合、集束剤など大量に用いて固めるなどしないとフィーダーにより定量供給することが難しいといった問題を有していた。
そこで、本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたもので、気相法に代えて湿式押出造粒法を炭素繊維集合体の製造に適用することによって、繊維長分布が広いリサイクル炭素繊維に対しても、良好な円柱形状を保持しつつ、優れたフィーダーでの供給安定性や取扱性を有する炭素繊維集合体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は、上記課題を解決するために、炭素繊維集合体の製造において湿式押出造粒法の適用について鋭意研究を行った結果、湿式押出造粒法に使用する原料として適切な繊維処理剤を用いることにより、繊維長分布が広いリサイクル炭素繊維に対しても、炭素繊維集合体を形成した際に、良好な形状保持能を発揮し、優れた取扱性が得られることを見出し、本発明の炭素繊維集合体の製造方法を発明するに至った。
したがって、本発明の炭素繊維集合体の製造方法は、炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒を混合して混合物を調製し、
前記混合物を、湿式押出造粒法により造粒する、
ことを特徴としている。
本発明の炭素繊維集合体の製造方法においては、前記造粒は、前記混合物を、圧縮しつつ、多数の孔を有するスクリーンダイを通過させることにより円柱形状に押出して押出物を形成し、乾燥させる工程を備えることを特徴としている。ここで、本発明における円柱形状に押し出すとは、幾何学的に厳密な円柱である必要はなく、楕円形、あるいは三角形、四角形、星形など角のあるスクリーンダイの孔を用いたとしても、押出後角が取れるなどにより目視上は概ね円柱状となるもので、これらも本発明の円柱状に押し出すに含まれる。
さらに、本発明の炭素繊維集合体の製造方法においては、繊維処理剤は、造粒促進剤、サイジング剤、集束剤のうちの少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維集合体の製造方法においては、湿式押出造粒法は、スクリュー押出機、プランジャー押出機、ローラー押出機又はディスクダイ造粒機のいずれかを用いて行うことが好ましい。
さらに、本発明の炭素繊維集合体の製造方法においては、繊維処理剤は、固形分比率が0.1〜8重量%であることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維集合体の製造方法においては、円柱形状は、直径が0.1〜10mmであることが好ましい。
さらに、本発明の炭素繊維集合体の製造方法においては、炭素繊維はリサイクル品又はリユース品であることが好ましい。
本発明の炭素繊維集合体は、
母線の長さが平均1〜20mmの円柱形状を有する炭素繊維集合体であって、
複数の炭素繊維及び繊維処理剤からなり、
前記炭素繊維の全長は、前記母線の長さよりも短いことを特徴としている。
なお、本発明における円柱形状とは、繊維を円柱状に固めた集合体であるので、繊維の有無などにより凹凸があったり、部分的に脱落したりしていても、目視により概ね円柱と判断できる形状も含まれる。また、本発明における円柱形状とは、幾何学的に厳密な円柱である必要はなく、楕円形、あるいは三角形、四角形、星形など角のあるスクリーンダイの孔を用いたとしても、押出後角が取れるなどにより目視上は概ね円柱状となるものも本発明における円柱形状に含まれる。
また、本発明の炭素繊維集合体においては、概ね繊維配向が保持されていることが好ましい。
さらに、本発明の炭素繊維集合体においては、繊維処理剤は、造粒促進剤、サイジング剤、集束剤のうちの少なくとも1種以上であることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維集合体においては、繊維処理剤は、固形分比率が0.1〜8重量%であることが好ましい。
さらに、本発明の炭素繊維集合体においては、炭素繊維は、リサイクル品又はリース品であることが好ましい。
また、本発明の炭素繊維集合体は、上記の炭素繊維集合体の製造方法で製造されたことを特徴としている。
本発明の炭素繊維集合体の製造方法によれば、気相法に代えて湿式押出造粒法を炭素繊維集合体の製造に適用することによって、繊維長分布が広いリサイクル炭素繊維に対しても、良好な円柱形状を保持しつつ、優れたフィーダーでの供給安定性を有する炭素繊維集合体の製造方法を提供することを目的としている。また、狭い繊維長分布へ分級した除外品についても本発明により利用できる。
以下、湿式押出造粒方法を用いた本発明の実施形態に係る炭素繊維集合体の製造方法について具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
まず、本発明の炭素繊維集合体の製造方法において使用される炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒について説明する。
本発明に用いられる炭素繊維としては、ピッチ系、PAN系のいずれのものでもよく、また、リサイクル品やリユース品を使用することも可能である。リサイクル品としては、残留炭素量が10%前後と多い1次焼成品、それを大きく除去した2次焼成品、それらの解繊品などが使用できる。また、本発明に使用される炭素繊維の直径は、ピッチ系の場合7〜10μm、PAN系の場合5〜7μmの一般的なサイズである。さらに、本発明における炭素繊維の繊維長は、用途や目的に応じて、好適に選択することができ、狭い繊維長分布へ分級した除外品についても利用できる。
本発明に使用される繊維処理剤としては、一般的に造粒促進剤、サイジング剤、集束剤と呼ばれている材料等が挙げられる。
本発明における造粒促進剤、サイジング剤又は集束剤は、炭素繊維の集合体の形状を形成し保持し続ける特性を有し、かつ、この炭素線維集合体を材料として用いた際に悪影響を及ぼさない又は除去可能なものである必要がある。なお、造粒促進剤、サイジング剤、集束剤と呼ばれなくても同様な炭素繊維集合体を形成し保持する機能を持つものであれば本発明の範囲に含まれる。
本発明に使用可能な造粒促進剤(バインダーともいう)としては、ベントナイト、リグニンスルホン酸塩、糖蜜、カルボキシメチルセルロース、コンニャク飛粉、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、でんぷん等が挙げられる。
また、本発明に使用可能なサイジング剤としては、炭素繊維との密着性を向上させるエポキシ基、アミノ基、アミド基、ウレタン基、エステル基、ビニル基、(無水)カルボキシル基、水酸基などの官能基を有する樹脂、例えば、エポキシ樹脂(ビスフェノール型、ノボラック型、脂環族型、レゾール型、アミノ型、ビスフェノールF型、側鎖にグリシジル基を有するポリオレフィン系、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂など)、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂(PEO)、ポリビニルピロリドン樹脂などまたはこれらの共重合樹脂、変性樹脂、及び混合物などが挙げられ、溶媒、好ましくはイオン交換水または脱イオン水、純水などの水に可溶または乳化剤、分散剤、界面活性剤などを用いてエマルジョン分散あるいはディスパージョン分散させるなどして液状にできる樹脂である。また、本発明においては、サイジング剤は単独で用いてもよく、反応性を抑制しない範囲内で他のサイジング剤を併用してもよい。
さらに、本発明に使用可能な集束剤(収束剤又は結束剤ともいう)としては、上記に挙げた造粒促進剤、サイジング剤を含めた広義の繊維集合形成剤ともいうことができる。
また、本発明においては、上記の造粒促進剤、サイジング剤又は集束剤に加えて、シランカップリング剤、他フィラー(シリカ、マイカ、タルク、酸化チタン、ガラス繊維など)、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、分散剤、核剤・透明化剤、重金属不活性化剤、難燃剤、水分散型安定剤、帯電防止剤・静電気防止剤等を添加することも可能である。
本発明においては、上記の繊維処理剤は、固形分比率が0.1〜8重量%であることが好ましく、0.3〜5重量%であることがより好ましい。繊維処理剤の固形分比率が0.1重量%未満であると、作製された炭素繊維集合体における炭素繊維がバラバラに解け、炭素線維集合体の形状を良好に保持することができない。一方、固形分比率が8重量%を超えると、この炭素線維集合体を材料として用いた場合に悪影響を及ぼす問題を有する。
本発明に使用される溶媒は、上記の繊維処理剤とともに炭素繊維に凝集性を付与するために添加するものである。このような溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類などが挙げられる。
次に、上記の炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒を用いて炭素繊維集合体を製造する本発明の炭素繊維集合体の製造方法について説明する。
本発明の炭素繊維集合体の製造方法は、炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒を混合して混合物を調製し、前記混合物を、圧縮しつつ、多数の孔を有するスクリーンダイを通過させることにより繊維配向を概ね保持しながら円柱形状に押出して押出物を形成し、前記押出物を乾燥させて造粒することを特徴としている。
本発明の炭素繊維集合体の製造方法における第1工程は、炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒を混合して混合物を調製する工程である。この工程では、上記のような炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒を適切な配合比で混合し、次の工程における押出物の材料を調製する。この第1工程における混合は、上記した繊維処理剤の混合量に加え、混合時間、混合温度を調整することにより、混合物の粘度を調製することができる。繊維処理剤の添加量が多く、混合時間が長く、混合温度が高い程、混合物の粘度が高くなる。また、この第1工程における混合物中の炭素繊維は、配向に規則性はなく、全くランダムな方向を向いた状態である。
次いで、本発明の炭素繊維集合体の製造方法における第2工程は、上記第1工程で調製された混合物を、圧縮しつつ、多数の孔を有するスクリーンダイを通過させることにより繊維配向を概ね保持しながら円柱形状に押出して押出物を形成する工程である。この工程においては、湿式押出造粒法を用いることにより好適に実施することができる。このような湿式押出造粒法を実施可能な装置としては、スクリュー押出機、プランジャー押出機、ローラー押出機、ディスクダイ造粒機等が挙げられる。
また、第2工程においては、混合物を押出すスクリーンダイの孔の直径を所望の大きさとすることで、このスクリーンダイを通過した押出物の直径を制御することができる。すなわち、本発明の炭素繊維集合体の製造方法において使用するスクリーンダイの孔を直径0.1〜10mm、好ましくは0.3〜6mmの円形とするで、押出物の形状を直径0.1〜10mm、好ましくは0.3〜6mmの円柱形状とすることができる。
続いて、本発明の炭素繊維集合体の製造方法における第3工程は、上記第2工程で形成された押出物を乾燥させて炭素繊維集合体を造粒する工程である。この第3工程では、押出物を乾燥させることにより、第2工程で形成された押出物に含まれている溶媒を除去し、炭素繊維集合体が完成する。押出物を乾燥させる手段としては、いずれのものでもよく、一般的な乾燥機等を使用することができる。
このようにして製造された本発明の炭素繊維集合体は、溶媒の除去によっても、形状に大きな変化がなく、(繊維の凹凸があるので)概ね円柱形状であり(乾燥方法によっては、部分的に脱落などして一部変形物が多い場合もある)、その直径は0.1〜10mm、好ましくは0.3〜6mmであり、母線の長さは平均1〜20mmである。この炭素繊維集合体の直径が0.1mm未満であると、この炭素繊維集合体の取扱性が悪くなってしまう。一方、直径が10mmを超えると、炭素繊維集合体内における炭素繊維の配向性が著しく低下してしまうため、好ましくない。また、この炭素繊維集合体の母線の長さが平均1mm未満であると、炭素繊維を長さ方向に配向させる効果が得られなくなる。一方、母線の長さが平均20mmを超えると、炭素繊維集合体の取扱性が悪化してしまう。また、本発明の炭素繊維集合体の嵩密度は0.04〜0.35g/cmであることが好ましい。嵩密度が0.04g/cm未満であると、炭素繊維集合体の取扱性が悪くフィーダーでの安定供給性が不安定となり、嵩密度が0.35g/cmを超えると、炭素繊維集合体が硬すぎて樹脂での分散性が悪化してしまう。
次に、本発明の炭素繊維集合体の製造方法について、実施例を用いてさらに詳細に説明する。
<実施例1>
炭素繊維としては、ブロードな繊維長(平均繊維長約1.2mm)の解繊したリサイクル炭素繊維2次焼成品を用いた。まず、この炭素繊維500gを、繊維処理剤である酢酸ビニル樹脂系エマルジョン(商品名:ボンド木工用「605」、セメダイン社製、固形分比率25%)60g(炭素繊維比3%)、及び、溶媒である水300gとともに混合機に投入し、3分間撹拌させて上記材料を十分に混合した。次いで、直径0.8mmのスクリーン径に設定された押出造粒装置(商品名:ペレッターダブルEXDS60(横押出型)、不二パウダル社製)により、上記で得られた混合物を押出して造粒した。この造粒物を120℃の恒温槽内で5時間乾燥させて、直径0.8mm、長さ平均約1.5mmの円柱形状の炭素繊維集合体(平均繊維長約0.3mm)を得た。
<実施例2>
上記の実施例1の炭素繊維集合体の製造方法において、押出造粒装置におけるスクリーン径の設定を直径1.5mmとした以外は実施例1と同様にして、直径1.5mm、長さ平均2.5mmの円柱形状の炭素繊維集合体(平均繊維長約0.4mm)を得た。
<実施例3>
繊維処理剤を、酢酸ビニル樹脂エマルジョン60gに代えて、商品名:サイジング剤「MGP−1650」、丸芳化学社製(固形分比率30%)25g(炭素繊維比1.5%)とした以外は実施例2と同様にして、直径1.5mm、長さ平均約3.0mmの円柱形状の炭素繊維集合体(平均繊維長約0.4mm)を得た。
<実施例4>
押出造粒装置を、直径3.5mmのスクリーン径に設定されたペレッターダブルEXDFS(前押出型、不二パウダル製)とした以外は実施例3と同様にして、直径3.5mm、長さ平均約10mmの円柱形状の炭素繊維集合体(平均繊維長約0.5mm)を得た。
<比較例1>
繊維処理剤を用いることなく、解繊したリサイクル炭素繊維2次焼成品500g及び水330gのみを混合材料とした以外は実施例1と同様にして、比較例用の炭素繊維集合体を得た。
上記のようにして実施例1〜4の炭素繊維集合体の製造方法を用いて作製された炭素繊維集合体では、円柱形状を良好に保持するので、フィーダーでの供給安定性を有することが確認された。これに対し、比較例1の炭素繊維集合体の製造方法を用いて作製された炭素繊維集合体では、実施例とは異なり、円柱形状を保持することができず、大部分が粉末状の粉塵となり、取扱性に問題があることが確認された。

Claims (13)

  1. 炭素繊維、繊維処理剤及び溶媒を混合して混合物を調製し、
    前記混合物を、湿式押出造粒法により造粒する、
    ことを特徴とする炭素繊維集合体の製造方法。
  2. 前記造粒は、前記混合物を、圧縮しつつ、多数の孔を有するスクリーンダイを通過させることにより円柱形状に押出して押出物を形成し、乾燥させる工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  3. 前記繊維処理剤は、造粒促進剤、サイジング剤、集束剤のうちの少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  4. 前記湿式押出造粒法は、スクリュー押出機、プランジャー押出機、ローラー押出機又はディスクダイ造粒機のいずれかを用いて行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  5. 前記繊維処理剤は、固形分比率が0.1〜8重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  6. 前記円柱形状は、直径が0.1〜10mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  7. 前記炭素繊維は、リサイクル品又はリユース品であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の炭素繊維集合体の製造方法。
  8. 母線の長さが平均1〜20mmの円柱形状を有する炭素繊維集合体であって、
    複数の炭素繊維及び繊維処理剤からなり、
    前記炭素繊維の全長は、前記母線の長さよりも短いことを特徴とする炭素繊維集合体。
  9. 前記炭素繊維集合体は、概ね繊維配向が保持されていることを特徴とする請求項8に記載の炭素繊維集合体。
  10. 前記繊維処理剤は、造粒促進剤、サイジング剤、集束剤のうちの少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の炭素繊維集合体。
  11. 前記繊維処理剤は、固形分比率が0.1〜8重量%であることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の炭素繊維集合体。
  12. 前記炭素繊維は、リサイクル品又はリユース品であることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の炭素繊維集合体。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の方法で製造されたことを特徴とする炭素繊維集合体。


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