JP2020180333A - 蒸着源、真空処理装置、及び蒸着方法 - Google Patents

蒸着源、真空処理装置、及び蒸着方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度を可能にする蒸着源、真空処理装置、及び蒸着方法を提供すること。【解決手段】本発明の一形態に係る蒸着源は、蒸発容器と、加熱機構とを具備する。上記蒸発容器は、蒸着材料を収容する容器本体と、上記容器本体を閉塞し上記蒸着材料が噴出可能な噴出ノズルが設けられた天板とを有する。上記加熱機構は、上記天板を介して上記容器本体に対向し、上記蒸着材料を加熱する。上記蒸着材料の蒸発面と上記天板との間の距離が許容範囲に収まるように上記蒸発面の高さが自動的に調整される。【選択図】図1

Description

本発明は、蒸着源、真空処理装置、及び蒸着方法に関する。
真空処理装置の中に、例えば、ディスプレイ用の大型基板に有機材料を蒸着する装置がある。このような装置では、基板と蒸着源とを対向させ、蒸着源から基板に向けて有機物等の蒸着材料を噴出させて、基板に蒸着材料を蒸着する。
蒸着源は、蒸着材料を収容する蒸発容器(坩堝)と、蒸発容器の上部を塞ぐ天板と、天板に設けられた噴出ノズルと、蒸発容器、天板、及び噴出ノズルを加熱する加熱機構とを備える(例えば、特許文献1、図5参照)。
加熱機構によって蒸着材料に熱が与えられると、蒸発容器内では蒸着材料の蒸気圧が高まり、噴出ノズルを経由して蒸着材料の蒸気流が基板に向けて噴出する。
特開2012−214835号公報
しかしながら、蒸発容器に収容された蒸着材料は、蒸着時間とともに、その量が減少していく。従って、蒸着開始直後と、蒸着時間がある程度経過した後とでは、加熱機構から蒸着材料の単位体積当たりに投入される熱量が変わってしまう。
このようなとき、例えば、蒸着材料の単位体積当たりに投入される熱量が必要以上に投入される、蒸着材料にとっては熱負荷になる。さらに、蒸着時間とともに蒸着材料の量が減少すると、蒸着速度の変動を招来する。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度を可能にする蒸着源、真空処理装置、及び蒸着方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る蒸着源は、蒸発容器と、加熱機構とを具備する。
上記蒸発容器は、蒸着材料を収容する容器本体と、上記容器本体を閉塞し上記蒸着材料が噴出可能な噴出ノズルが設けられた天板とを有する。
上記加熱機構は、上記天板を介して上記容器本体に対向し、上記蒸着材料を加熱する。
上記蒸着材料の蒸発面と上記天板との間の距離が許容範囲に収まるように上記蒸発面の高さが自動的に調整される。
このような蒸着源によれば、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
上記の蒸着源においては、上記蒸発容器は、上記蒸着材料を充填する収容容器を有し、上記収容容器は、上記容器本体に収容され、上記収容容器に充填された上記蒸着材料の上記蒸発面と上記天板との間の距離が許容範囲に収まるように上記蒸発面の高さが自動的に調整されてもよい。
このような蒸着源によれば、収容容器に充填された蒸着材料の蒸発面と天板との間の距離が許容範囲に収まるように蒸発面の高さが自動的に調整されるので、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
上記の蒸着源においては、上記容器本体の内部において、上記収容容器が上記容器本体に対し相対移動してもよい。
このような蒸着源によれば、容器本体の内部において、収容容器が容器本体に対し相対移動するので、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
上記の蒸着源においては、上記蒸発面の高さを調整する昇降機構を具備してもよい。
このような蒸着源によれば、蒸発面の高さを調整する昇降機構を具備するので、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
上記の蒸着源においては、上記昇降機構は、上記収容容器と上記容器本体との間に配置された弾性部材により構成されてもよい。
このような蒸着源によれば、昇降機構は、収容容器と容器本体との間に配置された弾性部材により構成されるので、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
上記の蒸着源においては、上記収容容器と上記容器本体との間に、上記収容容器の上記容器本体に対する相対移動を補助するガイド機構を具備し、上記収容容器が上記容器本体に対して相対移動するとき、上記ガイド機構によって上記天板と上記収容容器の底部とが平行に保たれてもよい。
このような蒸着源によれば、ガイド機構によって天板と収容容器の底部とが平行に保たれるので、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る真空処理装置は、上記蒸着源と、上記蒸着源に対向する基板支持機構と、上記蒸着源と、上記基板支持機構とを収容する真空容器とを具備する。
このような真空処理装置によれば、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る蒸着方法は、上記蒸着源を用いて、上記蒸着材料の蒸発面と上記天板との間の距離を許容範囲に収めながら、上記蒸着材料を基板に形成する。
このような蒸着方法によれば、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度が得られる。
以上述べたように、本発明によれば、蒸着材料への熱負荷が軽減され、安定した蒸着速度を可能にする蒸着源、真空処理装置、及び蒸着方法が提供される。
本実施形態の蒸着源を示す模式的断面図である。 本実施形態の蒸着源の模式的上面図である。 本実施形態の真空処理装置を示す模式的断面図である。 比較例に係る蒸着源の作用の一例を示す模式的断面図である。 本実施形態に係る蒸着源の作用の一例を示す模式的断面図である。 本実施形態の蒸着源の変形例を示す模式的断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。また、同一の部材または同一の機能を有する部材には同一の符号を付す場合があり、その部材を説明した後には適宜説明を省略する場合がある。
図1は、本実施形態の蒸着源を示す模式的断面図である。図1は、図2、3のA1−A1線に沿った断面に対応する。
蒸着源30Aは、真空処理装置の成膜源として用いられる。蒸着源30Aの上方には、基板(不図示)が配置される。蒸着源30Aは、蒸発容器31と、噴出ノズル32と、加熱機構33と、収容容器34と、昇降機構35Aと、分散機構36とを具備する。
蒸発容器31は、蒸着材料30mを収容する容器本体31bと、噴出ノズル32が設けられた天板31tと、蒸着材料30mが充填される収容容器34とを有する。蒸発容器31は、X軸方向に延在する。蒸発容器31をZ軸方向(収容容器34から天板31tに向かう方向)から上面視した場合、その外形は、例えば、長方形である。
天板31tは、容器本体31bを上方から閉塞する。天板31tには、噴出ノズル32が配置されている。噴出ノズル32は、例えば、X軸方向に複数配置される。例えば、複数の噴出ノズル32は、X軸方向に所定の間隔を隔てて列状に配置されている。噴出ノズル32は、容器本体31bの内部に連通する。噴出ノズル32は、基板に対向し、収容容器34に充填された蒸着材料30mを噴出する。なお、蒸発容器31及び噴出ノズル32の材料は、チタン等の金属である。
また、噴出ノズル32は、天板31tに対して垂直に配置されるとは限らず、斜めに配置されてもよい(図2)。例えば、その一群の両側及び両側近傍に配置された噴出ノズル32は、基板90に背くように傾斜している。例えば、該噴出ノズル32は、その中心軸32cが天板31tの主面と直交せず交差している。
収容容器34は、容器本体31bの内部に位置する。すなわち、収容容器34は、容器本体31bに収容される。収容容器34は、容器本体31bの内部において、容器本体31bに対して上下に相対移動する。蒸着源30Aでは、蒸着材料30mの蒸発面30s(液面)の高さ(容器本体31bの底部311からの高さ)が蒸着中に一定の高さに維持される。
例えば、蒸着材料30mの蒸発面30sと天板31tとの間の距離が許容範囲の距離に収まるように蒸発面30sの高さが自動的に調整される。例えば、蒸発面30sと天板31tとの間の距離が許容範囲に収まるように、収容容器34の高さが自動的に調整される。分散板361を介しての上部加熱機構33uからの輻射による入熱により効率的に蒸着材料30mが加熱されるには、許容範囲は小さいほうが好ましい。
例えば、弾性部材351のバネ定数が適宜調整されて、蒸発面30sと分散板361の最下面との距離は、10mm以上50mm以下に設定される。このとき、例えば、蒸発面30sと天板31tの下面との距離は、15mm以上100mm以下に設定される。また、許容範囲は、その範囲で決定された蒸発面30sの高さ(Z軸方向の位置)が±10mmに制御されることで安定した蒸発量が得られる。
加熱機構33は、上部加熱機構33uと、中部加熱機構33mとを有する。加熱機構33は、誘導加熱方式の加熱機構でもよく、抵抗加熱方式の加熱機構でもよい。上部加熱機構33uは、主に天板31tを介して容器本体31bに対向する。中部加熱機構33mは、主に容器本体31b及び収容容器34に対向する。上部加熱機構33u及び中部加熱機構33mのそれぞれは、蒸発容器31を介して蒸着材料30mを加熱する。
蒸発容器31に収容された蒸着材料30mが加熱機構33によって加熱されることにより、蒸着材料30mの蒸気圧が高くなり、複数の噴出ノズル32のそれぞれから基板に向けて蒸着材料30mの蒸気流が噴出する。例えば、蒸着材料30mの蒸発面30sから蒸着材料30mの蒸気が徐々に蒸発する。換言すれば、蒸着時間ともに、蒸発面30sと収容容器34の底部341との間の距離は短くなる。
昇降機構35Aは、収容容器34の高さを調整することにより、蒸着材料30mの蒸発面30sの高さを自動的に調整する。例えば、昇降機構35Aは、収容容器34の底部341と、容器本体31bの底部311との間に配置された弾性部材351により構成される。弾性部材351においては、所謂フックの法則に則り、弾性部材351の自然長からの縮み量と、収容容器34に充填されている蒸着材料30mの重量とが比例する。これにより、蒸着時間ともに、蒸発面30sと底部341との間の距離が短くなっても、蒸着材料30mの蒸発面30sの高さが略同じ高さに維持される。
分散機構36は、複数の分散板361と、分散板361を支持する支持板362とを有する。分散板361には、蒸着材料30mが通過する開口(図3)が設けられている。支持板362は、分散板361のX軸方向の両端及びY軸方向の両端を支持する。支持板362と容器本体31bとの間には、収容容器34の先端343が分散機構36に接触しないように隙間が設けられている。
図2は、本実施形態の蒸着源の模式的上面図である。図2では、容器本体31bの内部を示すために、天板31t、噴出ノズル32、及び分散機構36が略されている。
蒸着源30Aには、収容容器34と容器本体31bとの間に、収容容器34の容器本体31bに対する相対移動を補助するガイド機構37が設けられている。例えば、ガイド機構37は、容器本体31bの側部312に設けられた凸部315と、収容容器34の側部342に設けられた凹部345とにより構成される。凹部345と凸部315とは、所定のクリアランスを隔てながら、互いに嵌合する。凸部315及び凹部345のそれぞれは、収容容器34が相対移動する方向、すなわちZ軸方向に延在する。
ガイド機構37が蒸着源30Aに設けられることで、収容容器34が容器本体31bに対して相対移動するとき、天板31tと収容容器34の底部341(底部341の底面)とが実質的に平行に保たれる。
図3は、本実施形態の真空処理装置を示す模式的断面図である。
真空処理装置1は、真空容器10と、基板支持機構20と、蒸着源30Aと、断熱板60(リフレクタ)と、排気機構70とを具備する。真空処理装置1は、蒸着材料30mを基板90に蒸着する蒸着装置である。
真空容器10は、減圧状態を維持できる容器である。真空容器10は、排気機構70によって、その内部の気体が排気される。真空容器10を基板支持機構20から蒸着源30Aに向かう方向(以下、Z軸方向)に上面視したときの平面形状は、例えば、矩形状である。
真空容器10は、基板支持機構20、蒸着源30A、断熱板60等を収容する。真空容器10には、ガスを供給することが可能なガス供給機構が取り付けられてもよい。また、真空容器10には、その内部の圧力を計測する圧力計が取り付けられてもよい。また、真空容器10には、基板90に形成された膜の蒸着速度等を間接的に計測する膜厚計が設けられてもよい。
基板支持機構20は、真空容器10の上部に位置する。基板支持機構20は、Z軸方向において蒸着源30Aに対向する。基板支持機構20は、基板90を保持する基板ホルダ91を支持しつつ、基板90及び基板ホルダ91をY軸方向に搬送する。すなわち、基板90が搬送されながら、基板90に蒸着材料30mが蒸着される。
基板90は、例えば、矩形状の大型ガラス基板である。また、基板90と蒸着源30Aとの間には、マスク部材92が設けられてもよい。例えば、図1の例では、基板90の蒸着源30Aと対向する面(蒸着面)にマスク部材92が設けられる。
蒸着源30Aは、真空容器10の下部に位置する。蒸着源30Aは、Z軸方向において基板90に対向する。蒸着源30Aは、例えば、図示しない支持台に固定されている。蒸着源30Aは、基板90が搬送される方向と直交する方向(X軸方向)に延在する。蒸着源30Aは、1つに限らず、例えば、Y軸方向に複数となって並設されてもよい。この場合、複数の蒸発容器31のそれぞれは、互いに平行になってY軸方向に並ぶことになる。複数の蒸発容器31のそれぞれには、種類が異なる蒸着材料30mを充填することができる。
蒸着源30Aと基板90との相対距離を変える搬送機構は、蒸着源30A側に設けられてもよい。例えば、固定された基板90に対して蒸着源30A及び蒸着源30Aを搬送する搬送機構が移動することにより、蒸着源30Aと基板90との相対距離を変えることができる。なお、蒸着源30Aの上には、断熱板60のほかに防着板が配置されてもよく、防着板の下には、冷却機構が配置されてよい。
このように、本実施形態では、蒸着源30Aを用いて、蒸着材料30mの蒸発面30sと天板31tとの間の距離を許容範囲に収めながら、蒸着材料30mを基板90に形成する蒸着方法が提供される。
図4(a)、(b)は、比較例に係る蒸着源の作用の一例を示す模式的断面図である。ここで、図4(b)は、図4(a)よりも、ある程度の蒸着時間が経過しているとする。
比較例の蒸着源には、昇降機構35Aが設けられていない。比較例では、容器本体31bに蒸着材料30mが直接的に充填されている。
蒸着中、容器本体31bに収容された蒸着材料30mは、上部加熱機構33u及び中部加熱機構33mにより加熱される。例えば、上部加熱機構33uが蒸発容器31に供給する熱量は、噴出ノズル32に蒸着材料30mの目詰まりが起きない程度に固定され、中部加熱機構33mが蒸発容器31に供給する熱量は、噴出ノズル32から噴出する蒸着材料30mの蒸発量に応じて可変する。
蒸着材料30mの蒸発面30sは、上部加熱機構33uに対向する。この結果、蒸発面30sは、主に上部加熱機構33uから熱Huを受け、補助的に中部加熱機構33mから熱Hmを受ける。蒸着材料30mが加熱機構33によって充分に温められると、蒸発面30sから蒸着材料30mの蒸気が蒸発する。この蒸気は、噴出ノズル32から真空容器10に噴出される。
但し、比較例では、昇降機構35Aが設けられていない。このため、蒸着時間とともに底部311からの蒸発面30sの高さが徐々に降下する。例えば、蒸着開始直後の底部311からの蒸着材料30mの高さを高さAとすると(図4(a))、蒸着終了時には底部311からの高さが高さB(B<A)になる(図4(b))。
従って、蒸発面30s近傍での蒸着材料30mが上部加熱機構33uから受ける熱量は、蒸発面30sの降下とともに減少していく。例えば、上部加熱機構33uが供給する熱は、蒸発面30sの降下とともに、容器本体31bの側部312に逃げていく。これにより、噴出ノズル32から噴出する蒸着材料30mの蒸発速度は、蒸発面30sの降下とともに低下していく。
ここで、中部加熱機構33mの電力を蒸発面30sの降下とともに強制的に上昇させ、噴出ノズル32から噴出する蒸着材料30mの蒸発速度を一定に保つ手法がある。
しかし、蒸発面30sが降下することから、中部加熱機構33mが供給する熱は、蒸着材料30mでなく、容器本体31bの側部312に逃げていく。そして、中部加熱機構33mが側部312に供給する熱と、上部加熱機構33uが側部312に供給する熱とにより、蒸発容器31全体が過剰に加熱されることになる。これは、蒸発容器31内に存在する蒸着材料30mにとっては、大きな熱負荷になる。
図5(a)、(b)は、本実施形態に係る蒸着源の作用の一例を示す模式的断面図である。ここで、図5(b)は、図5(a)よりも、ある程度の蒸着時間が経過しているとする。
これに対して、蒸着源30Aは、蒸着材料30mが収容容器34に充填され、収容容器34下に昇降機構35Aが設けられている。このため、蒸着時間が経過しても、蒸発面30sの高さは、高さAを維持する(図5(a)、(b))。
従って、上部加熱機構33uの電力は、蒸着中、蒸発面30s近傍の蒸着材料30mを加熱することに費やされる。
すなわち、上部加熱機構33uが供給する熱は、蒸発面30sが降下しないことから、容器本体31bの側部312に逃げにくく、絶えず、蒸発面30sの近傍の蒸着材料30mに優先的に供給される。これにより、噴出ノズル32から噴出する蒸着材料30mの蒸発速度が蒸着中に安定する。
また、本実施形態では、蒸着材料30mの蒸発速度が安定することから、中部加熱機構33mの電力を強制的に上昇させる必要もない。従って、上部加熱機構33uが供給する熱と、中部加熱機構33mが供給する熱とを合わせた熱は、蒸発面30s付近での蒸着材料30mの蒸発に費やされ、蒸発容器31が過剰に加熱されることが抑制される。すなわち、本実施形態の蒸着源30Aを用いれば、比較例で起こりうる蒸着材料30mへの熱負荷が抑制される。
また、蒸着源30Aを用いれば、蒸着材料30mを容器本体31bに充填せず、交換可能な収容容器34に充填する。これにより、容器本体31bの洗浄が不要となり、蒸着源30Aのメンテナンスが簡便になる。
また、蒸着源30Aでは、蒸着材料30mを収容容器34に供給するフィーダ機構を用いず、昇降機構35Aにより蒸発面30sの高さが一定の高さに保たれる。このため、蒸着中に蒸発面30sが揺らぐことや、あるいは、固形材料投入による蒸着材料30mの急激な冷却が起きない。これにより、安定した蒸発速度が得られる。
(変形例)
図6は、本実施形態の蒸着源の変形例を示す模式的断面図である。
蒸着源30Bにおいては、昇降機構35Bが昇降ピン352と、昇降ピン352の上下運動を可能にする昇降装置353とを有する。蒸着源30Bにおいては、蒸発量、蒸着時間、及び投入電力等から蒸発面30sの高さをコンピュータによって割り出し、昇降機構35Bによる自動制御(帰還制御)で蒸発面30sの高さを一定に維持する。
または、蒸発面30sを検知する液面センサ、蒸着材料30mの重量を測定する重量センサを真空容器10内に設置し、これらのセンサからの信号を昇降機構35Bが受信し、昇降機構35Bの自動制御によって蒸発面30sの高さを一定に維持してもよい。
このような蒸着源30Bであっても、蒸着中には、蒸発面30sの高さが一定に保たれる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。各実施形態は、独立の形態とは限らず、技術的に可能な限り複合することができる。
1…真空処理装置
10…真空容器
20…基板支持機構
30m…蒸着材料
30A、30B…蒸着源
30s…蒸発面
31…蒸発容器
31b…容器本体
31t…天板
311、341…底部
312、342…側部
315…凸部
32…噴出ノズル
32c…中心軸
33…加熱機構
33u…上部加熱機構
33m…中部加熱機構
34…収容容器
343…先端
345…凹部
35A、35B…昇降機構
351…弾性部材
352…昇降ピン
353…昇降装置
36…分散機構
361…分散板
362…支持板
37…ガイド機構
60…断熱板
70…排気機構
90…基板
91…基板ホルダ
92…マスク部材

Claims (8)

  1. 蒸着材料を収容する容器本体と、前記容器本体を閉塞し前記蒸着材料が噴出可能な噴出ノズルが設けられた天板とを有する蒸発容器と、
    前記天板を介して前記容器本体に対向し、前記蒸着材料を加熱することが可能な加熱機構とを具備し、
    前記蒸着材料の蒸発面と前記天板との間の距離が許容範囲に収まるように前記蒸発面の高さが自動的に調整される蒸着源。
  2. 請求項1に記載の蒸着源であって、
    前記蒸発容器は、前記蒸着材料を充填する収容容器を有し、
    前記収容容器は、前記容器本体に収容され、
    前記収容容器に充填された前記蒸着材料の前記蒸発面と前記天板との間の距離が許容範囲に収まるように前記収容容器の高さが自動的に調整される
    蒸着源。
  3. 請求項2に記載の蒸着源であって、
    前記容器本体の内部において、前記収容容器が前記容器本体に対し相対移動する
    蒸着源。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の蒸着源であって、
    前記蒸発面の高さを調整する昇降機構を具備する
    蒸着源。
  5. 請求項4に記載の蒸着源であって、
    前記昇降機構は、前記収容容器と前記容器本体との間に配置された弾性部材により構成される
    蒸着源。
  6. 請求項3〜5のいずれか1つに記載の蒸着源であって、
    前記収容容器と前記容器本体との間に、前記収容容器の前記容器本体に対する相対移動を補助するガイド機構を具備し、
    前記収容容器が前記容器本体に対して相対移動するとき、前記ガイド機構によって前記天板と前記収容容器の底部とが平行に保たれる
    蒸着源。
  7. 蒸着材料を収容する容器本体と、前記容器本体を閉塞し前記蒸着材料が噴出可能な噴出ノズルが設けられた天板とを有する蒸発容器と、前記天板を介して前記容器本体に対向し、前記蒸着材料を加熱することが可能な加熱機構とを有し、前記蒸着材料の蒸発面と前記天板との間の距離が許容範囲に収まるように前記蒸発面の高さが自動的に調整される蒸着源と、
    前記蒸着源に対向する基板支持機構と、
    前記蒸着源と、前記基板支持機構とを収容する真空容器と
    を具備する真空処理装置。
  8. 蒸着材料を収容する容器本体と、前記容器本体を閉塞し前記蒸着材料が噴出可能な噴出ノズルが設けられた天板とを有する蒸発容器と、前記天板を介して前記容器本体に対向し、前記蒸着材料を加熱することが可能な加熱機構とを有する蒸着源を用いて、前記蒸着材料の蒸発面と前記天板との間の距離を許容範囲に収めながら、前記蒸着材料を基板に形成する蒸着方法。
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