JP2020180220A - 原羽毛用洗浄剤及び原羽毛用洗浄液 - Google Patents

原羽毛用洗浄剤及び原羽毛用洗浄液 Download PDF

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Abstract

【課題】洗浄力が高く、節水可能でありながら高品質な羽毛を高い歩留まりで得られる原羽毛用洗浄剤及び原羽毛用洗浄液の提供。【解決手段】本発明の原羽毛用洗浄剤は、(A)成分:分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸及びその塩から選ばれる1種以上と、(B)成分:ノニオン性界面活性剤とを含有し、濃度が0.1質量%になるように水で希釈したときの25℃におけるpHが5未満である。本発明の原羽毛用洗浄液は、前記(A)成分と、前記(B)成分と、(C)成分:水とを含有し、25℃におけるpHが5未満である。【選択図】なし

Description

本発明は、原羽毛用洗浄剤及び原羽毛用洗浄液に関する。
アヒルやガチョウ等の原羽毛には、油脂分、土、埃、微生物等の汚れが付着している。そのため、ダウンジャケットや羽毛布団等の羽毛製品に使用する羽毛を得るには、原羽毛を洗浄して原羽毛に付着した汚れを除去する必要がある。原羽毛の洗浄には、通常、洗浄剤を希釈した洗浄液を用いて洗浄工程を1回行った後に、すすぎ処理と脱水処理を1セットにした工程(以下、この工程を「すすぎ工程」という。)をバッチ方式で10〜20回程度行う方法が適用されている。
原羽毛用洗浄剤として、例えば特許文献1には、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする洗浄剤が開示されている。また、特許文献2には、洗浄力の向上のため非イオン界面活性剤と溶剤とを併用する洗浄剤が開示されている。
特開昭61−60794号公報 特開平6−248292号公報
バッチ方式ではすすぎ工程の回数が10回以上と多いため、原羽毛の加工工場の排水処理負担が大きい。また、すすぎ工程では、通常、最後の脱水処理以外はメッシュを用いて脱水処理を行うが、すすぎ工程の回数が多いほどメッシュからの羽毛抜けによる歩留まりが低下する。そのため、節水や歩留まりの観点から、すすぎ工程の回数を減らすことが求められる。
さらに、洗浄工程において硬水を用いると洗浄剤の洗浄力が低下することから、硬水を用いて原羽毛を洗浄する場合でも洗浄力に優れる洗浄剤が求められる。
しかしながら、特許文献1、2に記載の洗浄剤は、硬水を用いて原羽毛を洗浄する場合、洗浄力を充分に発揮できない。そのため、すすぎ工程の回数を減らすと、透視度が低下したり油脂分が多く残存したりして高品質な羽毛が得られない。
本発明は、洗浄力が高く、節水可能でありながら高品質な羽毛を高い歩留まりで得られる原羽毛用洗浄剤及び原羽毛用洗浄液の提供を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] (A)成分:分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸及びその塩から選ばれる1種以上と、
(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、
を含有し、
濃度が0.1質量%になるように水で希釈したときの25℃におけるpHが5未満である、原羽毛用洗浄剤。
[2] 前記(A)成分の含有量が、前記原羽毛用洗浄剤の総質量に対して1質量%以上、40質量%未満である、[1]の原羽毛用洗浄剤。
[3] 前記(B)成分の含有量が、前記原羽毛用洗浄剤の総質量に対して1質量%以上、50質量%未満である、[1]又は[2]の原羽毛用洗浄剤。
[4] 前記(A)成分が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、こはく酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上である、[1]〜[3]のいずれかの原羽毛用洗浄剤。
[5] 前記(B)成分が、下記一般式(I)で表される化合物から選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤である、[1]〜[4]のいずれかの原羽毛用洗浄剤。
−X−[(EO)/(PO)]−R ・・・(I)
(一般式(I)中、Rは炭素数8〜20の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基であり、Xは2価の連結基であり、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、mはEOの平均繰り返し数を表し、3〜30の数であり、nはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。)
[6] 前記mは3〜15の数である、[5]の原羽毛用洗浄剤。
[7] 前記Rは直鎖の第2級の炭化水素基又は分岐鎖の第1級の炭化水素基である、[5]又は[6]の原羽毛用洗浄剤。
[8] (C)成分:水をさらに含有する、[1]〜[7]のいずれかの原羽毛用洗浄剤。
[9] (A)成分:分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸及びその塩から選ばれる1種以上と、
(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、
(C)成分:水と、
を含有し、
25℃におけるpHが5未満である、原羽毛用洗浄液。
[10] 前記(A)成分の含有量が、前記原羽毛用洗浄液の総質量に対して0.01〜0.5質量%である、[9]の原羽毛用洗浄液。
[11] 前記(B)成分の含有量が、前記原羽毛用洗浄液の総質量に対して0.02〜0.3質量%である、[9]又は[10]の原羽毛用洗浄液。
[12] 前記(C)成分の含有量が、前記原羽毛用洗浄液の総質量に対して99.2〜99.97質量%である、[9]〜[11]のいずれかの原羽毛用洗浄液。
[13] 前記(A)成分が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、こはく酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上である、[9]〜[12]のいずれかの原羽毛用洗浄液。
[14] 前記(B)成分が、下記一般式(I)で表される化合物から選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤である、[9]〜[13]のいずれかの原羽毛用洗浄液。
−X−[(EO)/(PO)]−R ・・・(I)
(一般式(I)中、Rは炭素数8〜20の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基であり、Xは2価の連結基であり、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、mはEOの平均繰り返し数を表し、3〜30の数であり、nはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。)
[15] 前記mは3〜15の数である、[14]の原羽毛用洗浄液。
[16] 前記Rは直鎖の第2級の炭化水素基又は分岐鎖の第1級の炭化水素基である、[14]又は[15]の原羽毛用洗浄液。
[17] 浴比20〜50倍で原羽毛を洗浄する際に用いられる、[9]〜[16]のいずれかの原羽毛用洗浄液。
本発明によれば、洗浄力が高く、節水可能でありながら高品質な羽毛を高い歩留まりで得られる原羽毛用洗浄剤及び原羽毛用洗浄液を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明において「原羽毛」とは、ダウンジャケットや羽毛布団等の羽毛製品に使用される羽毛の原料となる、洗浄前の羽毛のことである。
また、本明細書において、「硬水」とは、アメリカ硬度が120mg/L以上の水のことであり、「軟水」とはアメリカ硬度が120mg/L未満の水のことである。「アメリカ硬度」は、水中のカルシウム塩とマグネシウム塩の濃度の合計(総硬度)を炭酸カルシウムの濃度に換算した値をmg/L(=g/cm)を単位として表したものである。
また、本明細書において、「高品質な羽毛」とは、透視度(清浄度)が高く、かつ油脂分が適度に除去された羽毛のことである。具体的に、「透視度が高い」とは、JIS L 1903に準拠して羽毛を洗った水の透視度(清浄度)が750mm以上であることを意味する。透視度が高いほど、羽毛に残った汚れが少なく、羽毛の品質が高いことを意味する。また、「油脂分が適度に除去された」とは、JIS L 1902に準拠して測定した羽毛の油脂分が0.5〜1.0質量%であることを意味する。0.5質量%未満であると、羽毛がパサつき、ダウンパワー(羽1g当たりの体積(cm/g))や風合いが低下する。油脂分が1.0質量%を超えると、油脂分の由来する臭気が発生したり、ダウンパワーが低下したりする。
「原羽毛用洗浄剤」
本発明の原羽毛用洗浄剤(以下、単に「洗浄剤」ともいう。)は、以下に示す(A)成分と、(B)成分とを含有する組成物である。洗浄剤は、以下に示す(C)成分及び任意成分の1つ以上を含有してもよい。
洗浄剤は、液体であってもよいし、粉体であってもよいが、液体が好ましい。液体の洗浄剤を特に「液体洗浄剤」ともいう。また、各成分は予め混合されている必要はなく、各成分を各々、洗浄液に添加する形態でもよい。
<(A)成分>
(A)成分は、分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸及びその塩から選ばれる1種以上である。洗浄剤が(A)成分を含有することで、原羽毛の洗浄に軟水を使用する場合はもちろんのこと、硬水を使用する場合でも、原羽毛に付着した汚れを除去できる。
カルボキシ基の数は、1分子内に2〜5が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3がさらに好ましい。
(A)成分としては、分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸又はその塩であれば特に限定されないが、例えば多価カルボン酸又はその塩、アミノカルボン酸又はその塩などが挙げられる。
多価カルボン酸又はその塩としては、例えばピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,4−トリメリット酸、1,3,5−トリメシン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イタコン酸、グルタミン酸及びそれらの塩などが挙げられる。
アミノカルボン酸又はその塩としては、例えばメチルグリシン二酢酸(MGDA)、L−グルタミン酸二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸(HIDS)、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸及びそれらの塩などが挙げられる。
これらの中でも洗浄力がより高まると共に、供給しやすい観点から、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、こはく酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸及びそれらの塩が好ましく、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、こはく酸、シュウ酸、マレイン酸及びそれらの塩がより好ましく、その中でも特に、性能と供給の面を考慮するとクエン酸、酒石酸、こはく酸及びそれらの塩がさらに好ましい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対して、1質量%以上、40質量%未満が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましく、15〜30質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であれば、原羽毛の汚れを充分に除去でき、高品質な羽毛が得られる。(A)成分の含有量が上記上限値未満であれば、洗浄剤が液体の場合、経時での液安定を保持できる。
<(B)成分>
(B)成分は、ノニオン性界面活性剤である。(B)成分は主に原羽毛に付着した油脂分に作用する成分であり、原羽毛の内部まで到達しやすい成分でもある。洗浄剤が(B)成分を含有することで、原羽毛の洗浄に軟水を使用する場合はもちろんのこと、硬水を使用する場合でも、原羽毛の内部の汚れを除去できる。よって、原羽毛の油脂分を目標レベルまで除去し、羽毛の品質を向上させることができる。
(B)成分としては、洗浄力がより高まる観点から、下記一般式(I)で表される化合物(以下、「化合物(b)」ともいう。)から選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤が好ましい。
−X−[(EO)/(PO)]−R ・・・(I)
式(I)中、Rは炭素数8〜20の直鎖若しくは分岐鎖の炭化水素基であり、Xは2価の連結基であり、Rは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、mはEOの平均繰り返し数を表し、3〜30の数であり、nはPOの平均繰り返し数を表し、0〜6の数である。
の炭化水素基は、不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。Rの炭化水素基において、Xに隣接する炭素原子は第1級炭素原子でもよいし、第2級炭素原子でもよいし、第3級炭素原子でもよい。炭化水素基が直鎖の場合、Xに隣接する炭素原子は第2級炭素原子が好ましく、このような炭化水素基を「直鎖の第2級炭化水素基」ともいう。炭化水素基が分岐鎖の場合、Xに隣接する炭素原子は第1級炭素原子が好ましく、このような炭化水素基を「分岐鎖の第1級炭化水素基」ともいう。なお、Xに隣接する炭素原子が第1級炭素原子である直鎖の炭化水素基を「直鎖の第1級炭化水素基」ともいう。
の炭素数は、8〜20であり、洗浄力がより高まる観点から、10〜18が好ましく、10〜14がより好ましい。
としては、低温でも短時間で原羽毛の内部に(B)成分が到達しやすい観点から、直鎖の第2級炭化水素基、分岐鎖の第1級炭化水素基が好ましい。
Xは2価の連結基であり、−O−(酸素原子)、−COO−、−CONH−などが挙げられる。
Xとしては、−O−が好ましい。
におけるアルキル基の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。
におけるアルケニル基の炭素数は、2〜6であり、2〜3が好ましい。
としては、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
mはEO(オキシエチレン基)の平均繰り返し数を表し、3〜30の数である。洗浄力がより高まる観点から、mは3〜15が好ましい。特に、すすぎ工程の回数を減らしても、高い洗浄効果が得られると共に、洗浄剤が液体の場合、低温での洗浄剤の液安定性(以下、「低温液安定性」ともいう。)も向上する観点から、mは5〜11がより好ましい。
nはPO(オキシプロピレン基)の平均繰り返し数を表し、0〜6の数であり、0〜3が好ましい。
nが0でない場合、つまり化合物(b)がEOとPOとの両方を有する場合、EOとPOとは、ブロック状に付加されていてもよく、ランダム状に付加されていてもよい。
上記[(EO)/(PO)]において、POが「R」に結合してもよいし、EOが「R」に結合していてもよい。
化合物(b)としては、一般式(I)中のRが直鎖の第2級炭化水素基、分岐鎖の第1級炭化水素基又は直鎖の第1級炭化水素基であり、Xが−O−又は−COO−であり、Rが水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であり、mが3〜15であり、nが0〜3である化合物が好ましい。その中でも特に、一般式(I)中のRが直鎖の第2級炭化水素基又は分岐鎖の第1級炭化水素基であり、Xが−O−であり、Rが水素原子であり、mが5〜11であり、nが0である化合物がより好ましく、Rが炭素数12、14の直鎖の第2級炭化水素基であり、Xが−O−であり、Rが水素原子であり、mが5〜7であり、nが0である化合物、あるいは、Rが炭素数10〜13の分岐鎖の第1級炭化水素基であり、Xが−O−であり、Rが水素原子であり、mが10〜12であり、nが0である化合物が特に好ましい。
化合物(b)は、炭素数8〜20のアルコール、炭素数8〜20の肪酸アルキルエステル又は炭素数8〜20の脂肪酸等に、エチレンオキシドと必要に応じてプロピレンオキシドを付加することで得られる。
化合物(b)としては、市販品を用いてもよい。
また、(B)成分としては、化合物(b)から選ばれる1種以上のノニオン性界面活性剤以外のノニオン性界面活性剤(他のノニオン性界面活性剤)を用いてもよい。
他のノニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルフェノールのアルキレンオキシド付加体、高級アミン(炭素数8〜22のアルキル基を有するアミン)のアルキレンオキシド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、糖脂肪酸エステル、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対して、1質量%以上、50質量%未満が好ましく、5〜35質量%がより好ましく、10〜30質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、原羽毛の汚れを充分に除去でき、高品質な羽毛が得られる。(B)成分の含有量が上記上限値未満であれば、洗浄剤が液体の場合、洗浄剤が増粘しにくく、作業性を良好に維持できる。
また、(A)成分/(B)成分で表される質量比(A/B比)は0.02〜40が好ましく、0.14〜7がより好ましく、0.3〜3がさらに好ましく、0.5〜3が特に好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は、水である。(C)成分は、硬水でもよいし、軟水でもよい。
(C)成分の含有量は、洗浄剤の総質量に対して、10〜98質量%が好ましく、30〜90質量%がより好ましく、40〜80質量%がさらに好ましく、40〜75質量%が特に好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、洗浄剤が液体の場合、洗浄剤が増粘しにくく、作業性を良好に維持できる。
<任意成分>
洗浄剤は(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、洗浄剤の分野で公知の成分を、任意成分として含んでもよい。
任意成分としては、有機溶剤、(A)成分以外のカルボン酸又はその塩、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、酵素、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤や抗菌剤、ハイドロトロープ剤、香料、エキスなどが挙げられる。
有機溶剤としては、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等の炭素数2〜4の1価アルコール;ブタノール、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、ブチルジグリコール、ブチルグリコール等のアルコールにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの少なくとも一方を付加した、グリコールエーテル系の溶剤などが挙げられる。これらの中でも、液安定性や液流動性を改善する点で、グリコールエーテル系の溶剤が好ましく、特に、ブチルジグリコール又はブチルグリコールにプロピレンオキシドを2モル付加したもの、ブチルトリグリコール、ブチルグリコール、ヘキシルジグリコール、ヘキシルグリコールなどがより好ましい。
pH調整剤としては、無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニアなどが挙げられる。
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸などが挙げられる。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、洗浄剤が液体の場合、経時安定性が高まる観点から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましい。
任意成分の含有量は特に限定されないが、洗浄力に影響しにくい観点から、洗浄剤の総質量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
なお、洗浄剤を構成する全ての成分の合計量は、100質量%を超えない。
<pH>
洗浄剤を濃度が0.1質量%になるように水で希釈した水溶液の25℃におけるpHは、5未満であり、4以下が好ましく、4未満がより好ましく、3以下がさらに好ましい。水溶液のpHが上記上限値未満であれば、原羽毛の洗浄に軟水を使用する場合はもちろんのこと、硬水を使用する場合でも、原羽毛に付着した汚れを除去できる。
洗浄機に対する腐食性の観点から、水溶液のpHは3以上、5未満が好ましい。
ここで、水溶液のpHは、洗浄剤を濃度が0.1質量%になるように水で希釈して25℃に調温し、JIS K 3362−1998に準拠した方法により測定される値である。なお、洗浄剤が(C)成分を含む場合、水溶液中の洗浄剤の濃度(0.1質量%)には、洗浄剤に含まれる(C)成分の量も含めるものとする。
洗浄剤のpHの調整には、例えば上述したpH調整剤を用いることができる。
<製造方法>
洗浄剤は、従来公知の方法により製造できる。
液体の洗浄剤は、前記水溶液のpHが5未満となるように、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することにより得られる。
粉体の洗浄剤の製造方法としては、例えば粉粒状の剤形であれば、前記水溶液のpHが5未満となるように、水及び有機溶媒以外の各原料を粉体混合するドライブレンド法、粉体原料を流動させながら造粒する乾式造粒法、粉体原料を流動させながら液体バインダーを噴霧して造粒する攪拌造粒法、原料を捏和してこれを押出機で押し出す押出造粒法、原料を捏和してこれを粉砕する粉砕造粒法、原料を含有するスラリーを噴霧乾燥する噴霧乾燥法などが挙げられる。
<洗浄剤の使用方法>
洗浄剤は、アヒルやガチョウ等の原羽毛の洗浄に用いられる。
原羽毛の洗浄には、通常、洗浄剤を水で希釈した洗浄液を用いる。洗浄剤の使用量は、原羽毛の産地や種類(アヒルやガチョウ等)によっても異なるが、洗浄液として(A)成分の含有量が0.01〜0.5質量%、(B)成分の含有量が0.02〜0.3質量%となるように、洗浄剤を水で希釈して使用することで高い洗浄力が得られやすい。
原羽毛を洗浄する際(洗浄工程)の温度(洗浄温度)は室温〜60℃が好ましい。洗浄温度が高いほど充分な洗浄が可能となる。ここで、「室温」とは、25℃のことである。
原羽毛を洗浄した後は、すすぎ処理と脱水処理を1セットにした工程(すすぎ工程)を行う。すすぎ工程の回数は、原羽毛の汚れの程度により調整され、汚れが多いほどすすぎ工程の回数は増える。しかし、本発明の洗浄剤は洗浄力が高いため、すすぎ工程の回数を従来よりも減らすことができる。
<作用効果>
以上説明した本発明の洗浄剤は、上述した(A)成分と、(B)成分とを含有するため、原羽毛の洗浄に軟水を使用する場合はもちろんのこと、硬水を使用する場合でも、高い洗浄力を発揮できる。よって、すすぎ工程の回数を減らしても高い洗浄力が得られるので、節水可能でありながら高品質な羽毛が高い歩留まりで得られる。しかも、本発明の洗浄剤を用いれば、すすぎ工程の回数を減らすことができるため、節水による環境負荷を削減できると共に、処理時間を短縮できることから処理コストを大幅に削減できる。
「原羽毛用洗浄液」
本発明の原羽毛用洗浄液(以下、単に「洗浄液」ともいう。)は、以下に示す(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含む組成物である。洗浄液は、以下に示す任意成分の1つ以上を含んでいてもよい。
<(A)成分>
(A)成分は、分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸及びその塩から選ばれる1種以上である。(A)成分は、洗浄剤の説明において先に例示した(A)成分と同じであり、その説明を省略する。
(A)成分の含有量は、洗浄液の総質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましく、0.02〜0.25質量%がより好ましく、0.03〜0.15質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記下限値以上であれば、原羽毛の汚れを充分に除去でき、高品質な羽毛を得られる。(A)成分の含有量が上記上限値以下であれば、羽毛の品質を損なうことなく、原羽毛を容易に洗浄することができる。
<(B)成分>
(B)成分は、ノニオン性界面活性剤である。(B)成分は、洗浄剤の説明において先に例示した(B)成分と同じであり、その説明を省略する。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分の含有量は、洗浄液の総質量に対して0.02〜0.3質量%が好ましく、0.03〜0.2質量%がより好ましく、0.05〜0.15質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記下限値以上であれば、原羽毛の汚れを充分に除去でき、高品質な羽毛が得られる。(B)成分の含有量が上記上限値以下であれば、すすぎ回数を少なくすることができる。
また、A/B比は0.03〜25が好ましく、0.1〜8.3がより好ましく、0.2〜3がより好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は、水である。(C)成分は、硬水でもよいし、軟水でもよい。
(C)成分の含有量は、洗浄液の総質量に対して、99.2〜99.97質量%が好ましく、99.55〜99.95質量%がより好ましく、99.7〜99.92質量%がより好ましい。
<任意成分>
洗浄液は(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、洗浄剤の分野で公知の成分を、任意成分として含んでもよい。
任意成分としては、洗浄剤の説明において先に例示した任意成分が挙げられる。
任意成分の含有量は特に限定されないが、洗浄力に影響しにくい観点から、洗浄液の総質量に対して、0.05質量%以下が好ましく、0.03質量%以下がより好ましい。
なお、洗浄液を構成する全ての成分の合計量は、100質量%を超えない。
<pH>
洗浄液の25℃におけるpHは、5未満であり、4以下が好ましく、4未満がより好ましく、3以下がさらに好ましい。洗浄液のpHが上記上限値未満であれば、原羽毛の洗浄に軟水を使用する場合はもちろんのこと、硬水を使用する場合でも、原羽毛に付着した汚れを除去できる。
洗浄機に対する腐食性の観点から、洗浄液のpHは3以上、5未満が好ましい。
ここで、洗浄液のpHは、洗浄液を25℃に調温し、JIS K 3362−1998に準拠した方法により測定される値である。
洗浄液のpHの調整には、例えば洗浄剤の説明において先に例示したpH調整剤を用いることができる。
<製造方法>
洗浄液は、従来公知の方法により製造できる。具体的には、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することにより得られる。洗浄液のpHが5以上となるようであれば、pH調整剤で洗浄液のpHが5未満になるように調整する。
また、本発明の洗浄剤を調製し、得られた洗浄剤を水((C)成分)で希釈して洗浄液としてもよい。このとき、得られる洗浄液のpHが5未満となるように、(C)成分で洗浄剤を希釈する。洗浄液のpHが5以上となるようであれば、pH調整剤で洗浄液のpHが5未満になるように調整する。
<洗浄液の使用方法>
洗浄液は、アヒルやガチョウ等の原羽毛の洗浄に用いられる。
原羽毛の洗浄には、洗浄液をそのまま用いる。
原羽毛の産地や種類(アヒルやガチョウ等)によっても異なるが、洗浄液は、浴比20〜50倍で原羽毛を洗浄する際に用いられることが好ましい。ここで、「浴比」とは、原羽毛の質量に対する洗浄液の質量である。
洗浄工程における洗浄温度は室温〜60℃が好ましい。洗浄温度が高いほど充分な洗浄が可能となる。
洗浄工程後に行われるすすぎ工程の回数は、原羽毛の汚れの程度により調整され、汚れが多いほどすすぎ工程の回数は増える。しかし、本発明の洗浄液は洗浄力が高いため、すすぎ工程の回数を従来よりも減らすことができる。
<作用効果>
以上説明した本発明の洗浄液は、上述した(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有するため、原羽毛の洗浄に軟水を使用する場合はもちろんのこと、硬水を使用する場合でも、高い洗浄力を発揮できる。よって、すすぎ工程の回数を減らしても高い洗浄力が得られるので、節水可能でありながら高品質な羽毛が高い歩留まりで得られる。しかも、本発明の洗浄液を用いれば、すすぎ工程の回数を減らすことができるため、節水による環境負荷を削減できると共に、処理時間を短縮できることから処理コストを大幅に削減できる。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
「使用原料」
<(A)成分及びその比較品>
(A)成分として表1に示す化合物(A−1〜A−9)を用い、(A)成分の比較品((A’)成分)として表1に示す化合物(A’−10〜A’−13)を用いた。
Figure 2020180220
<(B)成分>
(B)成分として表2に示す化合物(B−1〜B−6)を用いた。
Figure 2020180220
<(C)成分>
(C)成分として精製水(アメリカ硬度:0mg/L)又は硬水を用いた。
なお、硬水として、塩化カルシウム(CaCl、関東化学株式会社製、試薬「塩化カルシウム2水和物」)を用い、炭酸カルシウム(CaCO)換算で濃度が250mg/Lとなるように精製水に溶解した水を用いた。
<任意成分>
任意成分として、以下に示すpH調整剤を用いた。
・pH調整剤:水酸化ナトリウム(NaOH、関東化学株式会社製、試薬「水酸化ナトリウム」)。
「実施例1〜14、比較例1〜9」
<洗浄剤の調製>
表3〜6に示す組成で、pH調整剤以外の成分を混合した後、必要に応じて洗浄剤(希釈前)のpHが表3〜6に示す値になるようにpH調整剤を添加し、液体の洗浄剤を得た。
洗浄剤を濃度が0.1質量%になるように水で希釈した水溶液の25℃におけるpHを測定した。結果を表3〜6に示す。
<洗浄液の調製>
先に得られた洗浄剤と、(C)成分として硬水とを混合し、洗浄液を得た。具体的には、原羽毛を洗浄するに際して、表3〜6に示す使用量の洗浄剤を測り取り、この洗浄剤に浴比が30倍となる量の硬水を加えて、洗浄液を得た。
洗浄液のpHを測定した。結果を表3〜6に示す。
なお、表3〜6中の配合量(質量%)は純分換算値である。表中に配合量が記載されていない成分は、配合されていないことを示す。pH調整剤の配合量である「適量」は、各例の洗浄剤(希釈前)の25℃におけるpHを表中に示す値に調整するのに要した量である。表中にpH調整剤の配合量が記載されていない場合は、pH調整剤を添加することなく洗浄剤のpHが表中の値になったことを意味する。精製水の配合量である「バランス」は、洗浄剤に含まれる全成分の合計が100質量%となるように加えられる残部を意味する。硬水の配合量である「バランス」は、原羽毛を洗浄する際の浴比が30倍となるのに要した量である。
また、「A/B比」は、(A)成分/(B)成分で表される質量比である。「A’/B比」は、(A’)成分/(B)成分で表される質量比である。
また、「含有量」は洗浄剤又は洗浄液の総質量に対する各成分の含有量(質量%)である。
各例の洗浄剤又は洗浄液について、下記の方法で洗浄力を評価した。結果を表3〜6に示す。
<pHの測定方法>
洗浄剤及び洗浄液のpHは、以下のようにして測定した。
洗浄剤又は洗浄液を25℃に調温し、JIS K 3362−1998に準拠し、ガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM−30G」)を用いて、洗浄剤又は洗浄液のpHを測定した。
洗浄剤を希釈した水溶液のpHは、以下のようにして測定した。
洗浄剤を濃度が0.1質量%になるように水で希釈した水溶液を25℃に調温し、JIS K 3362−1998に準拠し、ガラス電極式pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM−30G」)を用いて、水溶液のpHを測定した。
<洗浄力の評価>
(透視度の測定)
原羽毛として、中国産のWDD85(ホワイトダックダウン85%)を使用した。
1Lのビーカー中に、原羽毛12gと洗浄液とを浴比が30倍となるように添加した。その後、45℃のウォーターバス中において攪拌羽を100rpmで回転させ、40分間洗浄を行った(洗浄工程)。洗浄工程の後、150メッシュの篩にビーカーの内容物(洗浄物)を移した。羽毛の自重のみで1分間水切りを行った後、篩に残った羽毛を1Lのビーカーに戻した。すすぎ水としてアメリカ硬度250mg/Lの硬水360gをビーカーに加え、100rpmの回転数で2分間すすぎ処理を行い、再度150メッシュの篩に洗浄物を移して1分間水切りを行った(すすぎ工程)。このすすぎ工程を合計7回又は12回行うことにより、洗浄後の羽毛を得た。
すすぎ工程を7回又は12回行った後の羽毛を遠心脱水器にかけて1分間脱水した後、手で羽毛をほぐし、100メッシュのステンレスかごに羽毛を入れてドライヤーの風をメッシュ外から10分間あてることにより、羽毛を乾燥させた。
乾燥後の羽毛3gと精製水300mLとを三角フラスコに入れ、羽毛と精製水とが充分に馴染むまで手で三角フラスコを振とうさせた。同じものを3セット作製した。その後、振とう器を用いて45分間、振とう幅40mm、150回/分の条件で振とうを行った。振とう後、ガラスフィルター(G−1)を用いて懸濁液をろ過し、ろ液を得た。3セット分のろ液を混合し、JIS L 1903に準拠してろ液の透視度を測定した。具体的には、1000mmまで評価可能な透視度計に1000mm以上のラインまでろ液を満たした。透視度計の上部から目視にて透視度計の底辺を確認しながら、透視度計の下部からろ液を少しずつ排出し、透視度計の底辺に記された×印が目視で確認できた時点のろ液の高さ(mm)を透視度の値とし、以下の評価基準にて洗浄力を評価した。透視度が高いほど、羽毛に残った汚れが少なく、洗浄剤及び洗浄液の洗浄力に優れることを意味する。
<<評価基準>>
A:透視度が1000mm以上である。
B:透視度が750mm以上、1000mm未満である。
C:透視度が500mm以上、750mm未満である。
D:透視度が500mm未満である。
(油脂分の測定)
透視度の測定と同様にして洗浄工程及びすすぎ工程を行った後、脱水及び乾燥を行い、乾燥後の羽毛を得た。
JIS L 1902に準拠し、羽毛の油脂分を測定した。具体的には、乾燥後の羽毛3gに対して、ジエチルエーテル150mLを溶媒として用い、ソックスレー抽出を4時間行った。抽出したジエチルエーテル溶液について、エバポレーターを用いて溶媒を飛ばした後、105℃で1時間乾燥させた後の残差の質量を測定した。下記式より羽毛に残った油脂分(質量%)を算出し、以下の評価基準にて洗浄力を評価した。油脂分が少ないほど洗浄剤及び洗浄液の洗浄力に優れることを意味し、油脂分が0.5〜1.0%であれば、羽毛に適度に油脂分が残っていることを意味する。
油脂分(質量%)=残差の質量(g)/抽出前に計量した羽毛の質量(g)×100
<<評価基準>>
A:油脂分が0.5〜1.0質量%である。
B:油脂分が0.5質量%未満、又は1.0質量%を超える。
Figure 2020180220
Figure 2020180220
Figure 2020180220
Figure 2020180220
表3、4に示すように、各実施例で得られた洗浄剤及び洗浄液は、硬水を使用して原羽毛を洗浄しても高い洗浄力を発揮でき、すすぎ工程の回数を7回に減らしても透視度が高く、かつ油脂分が適度である高品質な羽毛を得ることができた。
一方、表5、6に示すように、(A’)成分を用いた比較例1〜4の場合、洗浄剤及び洗浄液の洗浄力が低かった。そのため、すすぎ工程の回数が7回では透視度が低く、高品質な羽毛が得られなかった。
洗浄液のpHが高い比較例5の場合、洗浄剤及び洗浄液の洗浄力が低かった。そのため、すすぎ工程の回数が7回では透視度が低く、高品質な羽毛が得られなかった。
(A)成分を用いず、かつ洗浄液のpHが高い比較例6の場合、洗浄剤及び洗浄液の洗浄力が低かった。そのため、すすぎ工程の回数が7回では透視度が低く、高品質な羽毛が得られなかった。
(B)成分を用いなかった比較例7の場合、洗浄剤及び洗浄液の洗浄力が低かった。そのため、すすぎ工程の回数が7回では透視度が低く、かつ羽毛の油脂分が高く、高品質な羽毛が得られなかった。
洗浄液のpHが高い比較例8の場合、洗浄剤及び洗浄液の洗浄力が低かった。そのため、すすぎ工程の回数が7回では透視度が低く、高品質な羽毛が得られなかった。比較例8の洗浄剤及び洗浄液を用いて原羽毛を洗浄したときに、各実施例と同程度の品質の羽毛を得るためには、すすぎ工程を12回行う必要があり(比較例9)、各実施例に比べて排水量が多い。また、メッシュからの羽毛抜けによる歩留まりも低下する。

Claims (2)

  1. (A)成分:分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸及びその塩から選ばれる1種以上と、
    (B)成分:ノニオン性界面活性剤と、
    を含有し、
    濃度が0.1質量%になるように水で希釈したときの25℃におけるpHが5未満である、原羽毛用洗浄剤。
  2. (A)成分:分子内にカルボキシ基を2つ以上含み、分子量が1000以下のカルボン酸及びその塩から選ばれる1種以上と、
    (B)成分:ノニオン性界面活性剤と、
    (C)成分:水と、
    を含有し、
    25℃におけるpHが5未満である、原羽毛用洗浄液。
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