JP2020179403A - レーザ加工機及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】板金の表面の被覆を処理した上で板金を切断する際の加工時間を短くすることができるレーザ加工機を提供する。【解決手段】レーザ加工機は、レーザ発振器が射出したレーザビームを開口36aより射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、開口36aより射出されるレーザビームを表面に所定の被覆を有する板金Wに照射して板金Wを切断するために、板金Wの面に対して加工ヘッドを相対的に移動させる移動機構と、開口36aより射出されるレーザビームを開口36a内で移動させるビーム移動機構とを備える。制御装置は、板金Wを、板金Wを切断可能な高出力のレーザビームによって切断するのに先立って、ビーム移動機構によって開口36aより射出されるレーザビームを板金Wの切断進行方向の前方側に移動させ、板金Wを切断しない低出力のレーザビームによって板金Wの表面の被覆を処理するよう、レーザ発振器及びビーム移動機構を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、表面に所定の被覆を有する板金をレーザビームによって切断するレーザ加工機及びレーザ加工方法に関する。
表面に所定の被覆を有する板金の一例として、表面にビニールが貼り付けられた板金がある。特許文献1または2に記載のように、レーザ加工機は、表面にビニールが貼り付けられた板金をレーザビームによって切断することがある。レーザ加工機は、表面にビニールが貼り付けられた板金を切断する前に、板金の表面に低出力のレーザビームを照射してビニールを板金に強固に溶着させるか、ビニールを除去する。その後、レーザ加工機は、板金を切断する。
特開昭60−174289号公報 特開平2−217187号公報
レーザ加工機が、板金の表面の被覆をレーザビームによって処理した後に板金を切断すると加工時間が長くなる。板金の表面の被覆をレーザビームによって処理した上で板金を切断する際の加工時間を短くすることが求められる。
本発明は、板金の表面の被覆を処理した上で板金を切断する際の加工時間を短くすることができるレーザ加工機及びレーザ加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、レーザビームを射出するレーザ発振器と、前記レーザ発振器が射出したレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、前記開口より射出されるレーザビームを表面に所定の被覆を有する板金に照射して前記板金を切断するために、前記板金の面に対して前記加工ヘッドを相対的に移動させる移動機構と、前記開口より射出されるレーザビームを前記開口内で移動させるビーム移動機構と、前記板金を、前記板金を切断可能な高出力のレーザビームによって切断するのに先立って、前記ビーム移動機構によって前記開口より射出されるレーザビームを前記板金の切断進行方向の前方側に移動させ、前記板金を切断しない低出力のレーザビームによって前記板金の表面の被覆を処理するよう、前記レーザ発振器及び前記ビーム移動機構を制御する制御装置とを備えるレーザ加工機を提供する。
本発明は、レーザビームを射出するレーザ発振器と、前記レーザ発振器が射出したレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、前記開口より射出されるレーザビームを表面に所定の被覆を有する板金に照射して前記板金を切断するために、前記板金の面に対して前記加工ヘッドを相対的に移動させる移動機構と、前記開口より射出されるレーザビームを、前記開口内で前記板金の切断進行方向と平行方向の成分を含む所定の振動パターンで振動させるビーム振動機構と、前記板金を、前記ビーム振動機構によってレーザビームを振動させながら切断する際に、前記振動パターンにおける前記切断進行方向の前方側の成分を、前記板金を切断しない低出力のレーザビームとして前記板金の表面の被覆を処理し、前記振動パターンにおける前記切断進行方向の後方側の成分を、前記板金を切断可能な高出力のレーザビームとして前記板金を切断するよう、前記レーザ発振器及び前記ビーム振動機構を制御する制御装置とを備えるレーザ加工機を提供する。
本発明は、レーザ発振器が射出したレーザビームを加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出して表面に所定の被覆を有する板金に照射し、前記板金の面に対して前記加工ヘッドを相対的に移動させ、前記板金を、前記板金を切断可能な高出力のレーザビームによって切断するのに先立って、前記開口より射出されるレーザビームを前記板金の切断進行方向の前方側に移動させて、前方側の領域における前記板金の表面の被覆を、前記板金を切断しない低出力のレーザビームによって処理するレーザ加工方法を提供する。
本発明のレーザ加工機及びレーザ加工方法によれば、板金の表面の被覆を処理した上で板金を切断する際の加工時間を短くすることができる。
一実施形態のレーザ加工機の全体的な構成例を示す図である。 一実施形態のレーザ加工機におけるコリメータユニット及び加工ヘッドの詳細な構成例を示す斜視図である。 実施例1を示す概念的な平面図である。 実施例1におけるレーザビームのT字状の軌跡を示す図である。 レーザビームを図4に示すT字状の軌跡で走査するときのレーザ出力を示す特性図である。 実施例2を示す概念的な平面図である。 実施例3を示す概念的な平面図である。 実施例4で用いる、加工ヘッドを板金の切断進行方向に移動させない状態の振動パターンを示す図である。 実施例4で用いる、加工ヘッドを板金の切断進行方向に移動させた状態の振動パターンを示す図である。 実施例5で用いる、加工ヘッドを板金の切断進行方向に移動させない状態の振動パターンを示す図である。 実施例6で用いる、加工ヘッドを板金の切断進行方向に移動させない状態の振動パターンを示す図である。 実施例7で用いる、加工ヘッドを板金の切断進行方向に移動させない状態の振動パターンを示す図である。
以下、一実施形態のレーザ加工機及びレーザ加工方法について、添付図面を参照して説明する。図1において、レーザ加工機100は、レーザビームを生成して射出するレーザ発振器10と、レーザ加工ユニット20と、レーザ発振器10より射出されたレーザビームをレーザ加工ユニット20へと伝送するプロセスファイバ12とを備える。なお、プロセスファイバ12シングルコアであってもマルチクラッドであっても構わず、またレーザ加工ユニット20への伝送路上に光カプラがあっても構わない。
また、レーザ加工機100は、操作部40と、NC装置50と、加工プログラムデータベース60と、加工条件データベース70と、アシストガス供給装置80とを備える。NC装置50は、レーザ加工機100の各部を制御する制御装置の一例である。
レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、またはレーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。レーザ発振器10は、例えば、固体レーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)である。
レーザ発振器10は、波長900nm〜1100nmの1μm帯のレーザビームを射出する。ファイバレーザ発振器及びDDL発振器を例とすると、ファイバレーザ発振器は、波長1060nm〜1080nmのレーザビームを射出し、DDL発振器は、波長910nm〜950nmのレーザビームを射出する。
レーザ加工ユニット20は、加工対象の板金Wを載せる加工テーブル21と、門型のX軸キャリッジ22と、Y軸キャリッジ23と、Y軸キャリッジ23に固定されたコリメータユニット30と、加工ヘッド35とを有する。X軸キャリッジ22は、加工テーブル21上でX軸方向に移動自在に構成されている。Y軸キャリッジ23は、X軸キャリッジ22上でX軸に垂直なY軸方向に移動自在に構成されている。X軸キャリッジ22及びY軸キャリッジ23は、加工ヘッド35を板金Wの面に沿って、X軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させる移動機構として機能する。
加工ヘッド35を板金Wの面に沿って移動させる代わりに、加工ヘッド35は位置が固定されていて、板金Wが移動するように構成されていてもよい。レーザ加工機100は、板金Wの面に対して加工ヘッド35を相対的に移動させる移動機構を備えていればよい。
板金Wは表面に所定の被覆を有する。板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であってもよい。板金Wは、ミルスケールまたは黒皮と称されている表面に酸化被膜が形成された板金であってもよい。板金Wは表面が錆びている板金であってもよい。板金Wは表面がめっきされた板金であってもよい。板金Wは表面に油が付着した板金であってもよい。
加工ヘッド35には、先端部に円形の開口36aを有し、開口36aよりレーザビームを射出するノズル36が取り付けられている。ノズル36の開口36aより射出されたレーザビームは板金Wに照射される。アシストガス供給装置80は、アシストガスとして窒素、酸素、窒素と酸素との混合気体、または空気を加工ヘッド35に供給する。板金Wの加工時に、アシストガスは開口36aより板金Wへと吹き付けられる。アシストガスは、板金Wが溶融したカーフ幅内の溶融金属を排出する。
図2に示すように、コリメータユニット30は、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームを平行光(コリメート光)に変換するコリメーションレンズ31を備える。また、コリメータユニット30は、ガルバノスキャナユニット32と、ガルバノスキャナユニット32より射出されたレーザビームをX軸及びY軸に垂直なZ軸方向下方に向けて反射させるベンドミラー33を備える。加工ヘッド35は、ベンドミラー33で反射したレーザビームを集束して、板金Wに照射する集束レンズ34を備える。なお、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームは、その光軸中心がコリメーションレンズ31の中心に位置するように進行する。
レーザ加工機100は、ノズル36の開口36aより射出されるレーザビームが開口36aの中心に位置するように芯出しされている。基準の状態では、レーザビームは、開口36aの中心より射出する。ガルバノスキャナユニット32は、加工ヘッド35内を進行して開口36aより射出されるレーザビームを、開口36a内で移動させるビーム移動機構として機能する。また、ガルバノスキャナユニット32は、レーザビームを開口36a内で振動させるビーム振動機構として機能する。
ガルバノスキャナユニット32は、コリメーションレンズ31より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー321と、スキャンミラー321を所定の角度となるように回転させる駆動部322とを有する。また、ガルバノスキャナユニット32は、スキャンミラー321より射出されたレーザビームを反射するスキャンミラー323と、スキャンミラー323を所定の角度となるように回転させる駆動部324とを有する。
駆動部322及び324は、NC装置50による制御に基づき、それぞれ、スキャンミラー321及び323を所定の角度に設定することができる。また、駆動部322及び324は、スキャンミラー321及び323を所定の角度範囲で往復振動させることができる。ガルバノスキャナユニット32は、スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方の角度を変化させることによって板金Wに照射されるレーザビームを移動させることができる。ガルバノスキャナユニット32は、スキャンミラー321とスキャンミラー323とのいずれか一方または双方を往復振動させることによって、レーザビームを振動させることができる。
ガルバノスキャナユニット32はビーム移動機構またはビーム振動機構の一例であり、ビーム移動機構またはビーム振動機構は一対のスキャンミラーを有するガルバノスキャナユニット32に限定されない。
以上のように構成されるレーザ加工機100によって、表面に所定の被覆を有する板金Wを切断する具体的な実施例を説明する。
実施例1における板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であるとする。図3に示すように、NC装置50は、ノズル36の開口36a内で、板金Wに照射されるレーザビーム(ビームスポット)がT字状の軌跡81を描くように、ガルバノスキャナユニット32を制御する。NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32をビーム移動機構として機能させる。図3に示すT字状の軌跡81は、ガルバノスキャナユニット32のみによるレーザビームの移動の軌跡を示すよう、加工ヘッド35を板金Wの切断進行方向に移動させない状態での軌跡を示している。
図4に示すように、軌跡81は、レーザビームを、位置aから位置b、位置bから位置c、位置cから位置d、位置dから位置e、位置eから位置fを経て位置g、位置gから位置aへと走査することによって描かれる。なお、位置aと位置fとは同じ位置であり、位置bと位置eとは同じ位置である。なお、最初にレーザビームがオンとなる位置は位置bであっても構わない。また、位置eと位置fの距離及び位置aと位置bの距離は極めて短い距離であっても構わない。
図5は、レーザビームを軌跡81のように走査するときの各位置におけるレーザ出力を示している。位置aから位置eでは、レーザ出力は、板金Wの金属部分である母材を融かすことなくビニールを融かす程度の低出力L2である。レーザ出力は、位置eから位置fにかけて線形的に上昇し、位置fから位置gでは、母材を十分に融かすことができる高出力L1となる。レーザ出力は、位置gから位置aにかけて線形的に減少する。NC装置50は、レーザ出力が図5に示す特性で変化するようレーザ発振器10を制御する。レーザ出力L1及びL2は加工条件データベース70に設定されている。なお、プロセスファイバ12より射出された発散光のレーザビームは、その光軸中心がコリメーションレンズ31の中心に位置するように進行するので、表面処理用のレーザビームの光軸と切断用のレーザビームの光軸とは別々に設定されておらず共通である。
図3において、加工ヘッド35が矢印で示す切断進行方向へと移動していくのに伴い、レーザビームが開口36a内でT字状の軌跡81を描きながら切断進行方向へと移動していく。軌跡81における位置fから位置gまでの部分のレーザビームは高出力L1であるから、板金Wには母材が切断された切断カーフ91が形成される。
NC装置50は、板金Wを切断するのに先立って、レーザビームを位置fから位置gの部分よりも切断進行方向の前方側の位置aから位置fまでの部分に移動させる。位置aから位置eまでの部分のレーザビームは低出力L2であるから、板金Wの切断カーフ91の切断進行方向の先端部より前方の領域における表面の被覆が処理される。具体的には、低出力L2のレーザビームによって前方の領域におけるビニールが母材に溶着する。
これによって、切断カーフ91よりも前方の領域には、ハッチングを付して示す、ビニールが母材に溶着したビニール溶着部92が形成される。加工ヘッド35が切断進行方向へと移動していくのに伴ってビニール溶着部92が切断進行方向へと進行し、板金Wの切断によってビニール溶着部92が切断されて、切断カーフ91が形成される。
図3において、ビニールが溶けた後に母材に強固に貼り付いてビニール溶着部92となる代わりに、ビニールが溶けることによって除去されてもよい。この場合、ビニール溶着部92の代わりにビニール除去部が形成される。
実施例1における板金Wは、被覆として、表面に酸化被膜、錆、めっき、油のうちのいずれかを有する板金であってもよい。板金Wが表面に酸化被膜、錆、めっき、油のうちのいずれかを有する板金である場合、切断進行方向の前方側の低出力L2のレーザビームの照射によって被覆が除去される。実施例1において、T字状の軌跡81の代わりに、切断カーフ91の切断進行方向の先端部側を頂角とした二等辺三角形の軌跡、またはY字状の軌跡としてもよい。
実施例2における板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であるとする。図6に示すように、NC装置50は、ノズル36の開口36aの中心にビームスポット82を位置させ、開口36aの径方向の端部近傍で円形の軌跡83を描くように、ガルバノスキャナユニット32を制御する。NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32をビーム移動機構として機能させる。ビームスポット82は高出力L1のレーザビームによって形成され、円形の軌跡83は低出力L2のレーザビームによって描かれる。円形の軌跡83は、加工ヘッド35を板金Wの切断進行方向に移動させない状態での軌跡を示している。なお、ビームスポット82は切断進行方向に振動させてもよい。
図6において、加工ヘッド35が切断進行方向へと移動していくのに伴い、ビームスポット82及び円形の軌跡83が切断進行方向へと移動していく。図3と同様に、ビームスポット82が板金Wを切断するのに先立って、切断進行方向の前方側にビニール溶着部92が形成される。ビニール溶着部92の代わりにビニール除去部が形成されてもよい。
実施例2における板金Wは、被覆として、表面に酸化被膜、錆、めっき、油のうちのいずれかを有する板金であってもよい。
実施例3における板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であるとする。図7に示すように、NC装置50は、開口36aの中心にビームスポット82を位置させ、開口36a内の切断進行方向と直交する方向の両端部近傍で切断進行方向と平行の直線状の軌跡84を描くように、ガルバノスキャナユニット32を制御する。NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32をビーム移動機構として機能させる。ビームスポット82は高出力L1のレーザビームによって形成され、直線状の軌跡84は低出力L2のレーザビームによって描かれる。直線状の軌跡84は、加工ヘッド35を板金Wの切断進行方向に移動させない状態での軌跡を示している。なお、ビームスポット82は切断進行方向に振動させてもよい。
図7において、加工ヘッド35が切断進行方向へと移動していくのに伴い、ビームスポット82及び直線状の軌跡84が切断進行方向へと移動していく。板金Wには切断カーフ91が形成される。切断カーフ91から切断進行方向と直交する方向に離れて、2つのビニール溶着部92が形成される。このようにすると、切断カーフ91周辺のビニールを剥がしやすくすることができる。
実施例4における板金Wは、被覆として、表面に酸化被膜、錆、めっき、油のうちのいずれかを有する板金であるとする。NC装置50は、ガルバノスキャナユニット32をビーム振動機構として機能させる。図8Aに示すように、NC装置50は、板金Wに照射されるレーザビームを円形に振動させる。図8Aに示す振動パターンは、加工ヘッド35を板金Wの切断進行方向に移動させない状態でのパターンを示している。図8Aに示す振動パターン及び後述する振動パターンは、ビームスポットの中心が移動する軌跡を示す。
円形の振動パターンは、板金Wの切断進行方向と平行方向の成分を含む振動パターンの一例である。円形の振動パターンは、切断進行方向と平行方向及び直交する方向の双方の成分を含む。
NC装置50は、レーザビームを円形の振動パターンで振動させる際に、切断進行方向の前方側の成分である一点鎖線で示す半円部分93aでは低出力L2、切断進行方向の後方側の成分である実線で示す半円部分93bでは高出力L1とするよう、レーザ発振器10を制御する。例えば、高出力L1は6kW、低出力L2は800Wである。
図8Bに示すように、NC装置50は、レーザビームを図8Aに示す円形の振動パターンで振動させながら加工ヘッド35を切断進行方向へと移動させていく。すると、半円部分93aの低出力L2のレーザビームによって板金Wの表面の被覆が処理された後に、半円部分93bの高出力L1のレーザビームによって板金Wが切断される。
実施例4においても、実施例1〜3と同様に、NC装置50は、板金Wを高出力L1のレーザビームによって切断するのに先立ってレーザビーム切断進行方向の前方側に移動させて、前方側の領域における板金Wの表面の被覆を低出力L2のレーザビームによって処理する。
板金Wが被覆として酸化被膜を有する板金である場合、酸化被膜が除去されながら板金Wが切断される。この場合、アシストガスとして窒素を用いて無酸素加工とするのがよい。実施例4における板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であってもよい。
ところで、被覆を除去する場合、瞬時値として低出力L2よりも高出力のレーザビームとしてもよい。母材が溶融しなければ、瞬間的に高出力L1と同レベルとしてもよい。所定の時間におけるレーザ出力の平均値として、板金Wを切断可能な高出力L1よりも低出力で、母材を溶融させないレーザ出力であればよい。
実施例5として、円形の振動パターンに代えて、図9に示す8の字状の振動パターンとしてもよい。8の字状の振動パターンは、板金Wの切断進行方向と平行方向の成分を含む振動パターンの一例である。8の字状の振動パターンは、切断進行方向と平行方向及び直交する方向の双方の成分を含む。
NC装置50は、レーザビームを8の字状の振動パターンで振動させる際に、切断進行方向の前方側の成分である一点鎖線で示す楕円部分94aでは低出力L2、切断進行方向の後方側の成分である実線で示す楕円部分94bでは高出力L1とするよう、レーザ発振器10を制御する。
NC装置50が、レーザビームを図9に示す8の字状の振動パターンで振動させながら加工ヘッド35を移動させていくと、楕円部分94aの低出力L2のレーザビームによって板金Wの表面の被覆が処理された後に、楕円部分94bの高出力L1のレーザビームによって板金Wが切断される。
実施例5における板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であってもよい。
実施例6として、図10に示す円形の振動パターン95aと切断進行方向と直交する方向に振動させる直交振動パターン95bとを組み合わせた振動パターンとしてもよい。図10に示す振動パターンは、板金Wの切断進行方向と平行方向の成分を含む振動パターンの一例である。図10に示す振動パターンは、切断進行方向と平行方向及び直交する方向の双方の成分を含む。
NC装置50は、レーザビームを切断進行方向の前方側の成分である一点鎖線で示す円形の振動パターン95aで振動させる際に低出力L2、切断進行方向の後方側の成分である実線で示す直交振動パターン95bで振動させる際に高出力L1とするよう、レーザ発振器10を制御する。
NC装置50が、レーザビームを図10に示す振動パターンで振動させながら加工ヘッド35を移動させていくと、円形の振動パターン95aの低出力L2のレーザビームによって板金Wの表面の被覆が処理された後に、直交振動パターン95bの高出力L1のレーザビームによって板金Wが切断される。
板金Wを図8A、図9、図10に示す振動パターンで切断すると、切断カーフ91が広くなる。切断カーフ91を狭くするために、図10に示す振動パターンにおける直交振動パターン95bの代わりに、レーザビームを切断進行方向と平行方向に振動させる平行振動パターンを用いてもよい。
実施例6における板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であってもよい。
実施例7として、図11に示す楕円部分94a及び94bを含む8の字状の振動パターンと、直交振動パターン95bとを組み合わせた振動パターンとしてもよい。図11に示す振動パターンは、板金Wの切断進行方向と平行方向の成分を含む振動パターンの一例である。図11に示す振動パターンは、切断進行方向と平行方向及び直交する方向の双方の成分を含む。
NC装置50は、レーザビームを切断進行方向の前方側の成分である一点鎖線で示す8の字状の振動パターン(楕円部分94a及び94b)で振動させる際に低出力L2、切断進行方向の後方側の成分である実線で示す直交振動パターン95bで振動させる際に高出力L1とするよう、レーザ発振器10を制御する。
NC装置50が、レーザビームを図11に示す振動パターンで振動させながら加工ヘッド35を移動させていくと、8の字状の振動パターンの低出力L2のレーザビームによって板金Wの表面の被覆が処理された後に、直交振動パターン95bの高出力L1のレーザビームによって板金Wが切断される。
図11に示す振動パターンにおいても、直交振動パターン95bの代わりに平行振動パターンを用いてもよい。実施例7における板金Wは、表面にビニールが貼り付けられた板金であってもよい。
以上説明した本実施形態のレーザ加工機100及びレーザ加工方法によれば、板金Wの表面の被覆をレーザビームによって処理する工程と、板金Wをレーザビームによって切断する工程とを別々に設けるのではなく、被覆を処理する工程と板金Wを切断する工程とを連続的な一連の工程としているので、加工時間を短くすることができる。
本発明は以上説明した1またはそれ以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
10 レーザ発振器
12 プロセスファイバ
20 レーザ加工ユニット
30 コリメータユニット
31 コリメーションレンズ
32 ガルバノスキャナユニット(ビーム移動機構,ビーム振動機構)
33 ベンドミラー
34 集束レンズ
35 加工ヘッド
36 ノズル
36a 開口
40 操作部
50 NC装置(制御装置)
60 加工プログラムデータベース
70 加工条件データベース
80 アシストガス供給装置
100 レーザ加工機
321,323 スキャンミラー
322,324 駆動部
W 板金

Claims (7)

  1. レーザビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器が射出したレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、
    前記開口より射出されるレーザビームを表面に所定の被覆を有する板金に照射して前記板金を切断するために、前記板金の面に対して前記加工ヘッドを相対的に移動させる移動機構と、
    前記開口より射出されるレーザビームを前記開口内で移動させるビーム移動機構と、
    前記板金を、前記板金を切断可能な高出力のレーザビームによって切断するのに先立って、前記ビーム移動機構によって前記開口より射出されるレーザビームを前記板金の切断進行方向の前方側に移動させ、前記板金を切断しない低出力のレーザビームによって前記板金の表面の被覆を処理するよう、前記レーザ発振器及び前記ビーム移動機構を制御する制御装置と、
    を備えるレーザ加工機。
  2. レーザビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器が射出したレーザビームを開口より射出するノズルが先端に取り付けられた加工ヘッドと、
    前記開口より射出されるレーザビームを表面に所定の被覆を有する板金に照射して前記板金を切断するために、前記板金の面に対して前記加工ヘッドを相対的に移動させる移動機構と、
    前記開口より射出されるレーザビームを、前記開口内で前記板金の切断進行方向と平行方向の成分を含む所定の振動パターンで振動させるビーム振動機構と、
    前記板金を、前記ビーム振動機構によってレーザビームを振動させながら切断する際に、前記振動パターンにおける前記切断進行方向の前方側の成分を、前記板金を切断しない低出力のレーザビームとして前記板金の表面の被覆を処理し、前記振動パターンにおける前記切断進行方向の後方側の成分を、前記板金を切断可能な高出力のレーザビームとして前記板金を切断するよう、前記レーザ発振器及び前記ビーム振動機構を制御する制御装置と、
    を備えるレーザ加工機。
  3. 前記板金は、金属の母材の表面に前記被覆としてビニールが貼り付けられた板金であり、
    前記低出力のレーザビームによって前記ビニールを前記母材に溶着させるか、前記ビニールを除去する
    請求項1または2に記載のレーザ加工機。
  4. 前記板金は、前記被覆として、表面に酸化被膜、錆、めっき、油のうちのいずれかを有する板金であり、
    前記低出力のレーザビームによって前記被覆を除去する
    請求項1または2に記載のレーザ加工機。
  5. レーザ発振器が射出したレーザビームを加工ヘッドの先端に取り付けられたノズルの開口より射出して表面に所定の被覆を有する板金に照射し、
    前記板金の面に対して前記加工ヘッドを相対的に移動させ、
    前記板金を、前記板金を切断可能な高出力のレーザビームによって切断するのに先立って、前記開口より射出されるレーザビームを前記板金の切断進行方向の前方側に移動させて、前方側の領域における前記板金の表面の被覆を、前記板金を切断しない低出力のレーザビームによって処理する
    レーザ加工方法。
  6. 前記板金は、金属の母材の表面に前記被覆としてビニールが貼り付けられた板金であり、
    前記低出力のレーザビームによって前記ビニールを前記母材に溶着させるか、前記ビニールを除去する
    請求項5に記載のレーザ加工方法。
  7. 前記板金は、前記被覆として、表面に酸化被膜、錆、めっき、油のうちのいずれかを有する板金であり、
    前記低出力のレーザビームによって前記被覆を除去する
    請求項5に記載のレーザ加工方法。
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