JP2020178118A - ノイズ抑制層形成用シート状前駆体、ノイズ抑制シート、およびノイズを抑制する方法 - Google Patents

ノイズ抑制層形成用シート状前駆体、ノイズ抑制シート、およびノイズを抑制する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、複雑な凹凸形状を有するノイズ発生源等へ良好な追従性を達成でき、1MHz以下の低周波ノイズに対し高い抑制能力を持つノイズ抑制層を有するノイズ抑制シートの提供を目的とする。【解決手段】 導電性フィラーを25重量%以上、磁性フィラー及びバインダー樹脂を含むノイズ抑制層形成用シート状前駆体。シート状基材上に、前記ノイズ抑制層形成用シート状前駆体から形成してなる、体積抵抗値が1.0×10−5Ω・m以下、1MHzにおける比透磁率μ´が20以上であり、伸び率が10〜600%であるノイズ抑制層を有するノイズ抑制シート。【選択図】 図1

Description

本発明は、1MHz以下のノイズを抑制するための抑制層の形成に用いられるシート状前駆体、および前記前駆体により形成されてなるノイズ抑制層を有するノイズ抑制シート、および該ノイズ抑制シートを用いてノイズを抑制する方法に関する。
近年、電気自動車などに実装されるパワーコントロールユニットや、AF/FMラジオ等の無線通信機器から発生する低周波ノイズへの対策が強く求められている。ノイズ対策の一つとして、ノイズ源または保護対象である領域、部品等を電磁波シールド材で覆う方法があり、従来では金属製の筐体を用いることで、低周波ノイズの影響を抑制している。
特許文献1では、熱可塑性または熱硬化性樹脂中に導電性フィラーと磁性フィラーを混合した遮蔽用組成物により、漏洩するノイズの低周波数領域を磁性特性で抑制し、高周波領域を体積抵抗値で抑制する機構が開示されている。
特許文献2では、メッキにより形成された金属箔と、磁性フィラーが含有された樹脂ペーストとが積層された磁気抑制シートが開示されている。
特表2019−500742号公報 特開2015−220259号公報
近年、自動車の燃費向上などを理由に、車体の軽量化が進められており、従来の金属筐体から樹脂成型品への置き換えが検討されている。そして金属筐体のノイズ抑制機能を樹脂成型品に付加するため、その表面にノイズ抑制層を設ける試みが行われているが、複雑な凹凸形状を有する樹脂成型品へのノイズ抑制に用られるシートの追従性と低周波ノイズ抑制性能の両立に課題があった。
例えば、特許文献1および特許文献2に開示されるような従来のノイズ抑制に用られるシートでは成型品の凹凸に追従する柔軟性や伸張性が不足しており凹凸に追従できずクラックが発生する問題があった(以下、追従性と省略)。加えて、1MHz以下の帯域のノイズを抑制する性能が不足しており、特に凹凸に追従させた場合においてはさらに低下する問題があった(以下、低周波シールド性と省略)。
即ち、本発明は、ノイズの発生源の部材やノイズからの保護対象の部材の複雑な凹凸形状へ良好な追従性を達成でき、1MHz以下の低周波ノイズに対し高い抑制能力を持つノイズ抑制層を有するノイズ抑制シートの提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において、本発明の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、1MHz以下のノイズを抑制し得る抑制層を形成するためのシート状前駆体であって、導電性フィラーを25質量%以上、磁性フィラー及びバインダー樹脂を含む、ノイズ抑制層形成用シート状前駆体に関する。
さらに、本発明は、シート状基材上に、上記ノイズ抑制層形成用シート状前駆体から形成してなるノイズ抑制層を有するノイズ抑制シートであって、前記ノイズ抑制層の体積抵抗値が1.0×10−5Ω・m以下、1MHzにおける透磁率μ´が20以上であり、伸び率が10〜600%である、ノイズ抑制シートに関する。
本発明のノイズ抑制シートは、ノイズの発生源の部材やノイズからの保護対象の部材の複雑な凹凸形状へ良好な追従性を達成でき、1MHz以下の低周波ノイズに対し高い抑制能力を持つノイズ抑制層を有するので、顕著なノイズ抑制効果を奏する。
平均配向角度の解説図 実施例1のノイズ抑制層の断面観察画像 追従性を説明する断面図
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本明細書において特定する数値は、実施形態または実施例に開示した方法により求められる値である。また、 本明細書で特定する数値「A〜B」は、数値Aと数値Aより大きい値および数値Bと数値Bより小さい値を満たす範囲をいう。また、本明細書における「シート」とは、JISにおいて定義される「シート」のみならず、「フィルム」も含むものとする。説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。また、同一の要素部材は、異なる実施形態においても同一符号で示す。本明細書中に出てくる各種成分は特に注釈しない限り、それぞれ独立に一種単独でも二種以上を併用してもよい。
(ノイズ抑制層形成用シート状前駆体)
本発明のノイズ抑制層形成用シート状前駆体(以下、シート状前駆体ともいう)は、導電性フィラーを25質量%以上、磁性フィラー及びバインダー樹脂を含む。
[導電性フィラー]
本発明において導電性フィラーは、後述するノイズ抑制層形成用シートを構成するノイズ抑制層に所望の体積抵抗値を付与する。
導電性フィラーの含有量は、シート状前駆体100質量%中(後述するノイズ抑制層100質量%中でもある)、25質量%であることが必要であり、25〜70質量%であることが好ましく、30〜65質量%がより好ましい。上記範囲とすることで所望の体積抵抗値が得られやすい。
導電性フィラーは、金、銀、銅、ニッケル等の金属粉、ハンダ等の合金粉、銀コート銅粉、金コート銅粉、銀コートニッケル粉、金コートニッケル粉のコアシェル型粒子が例示できる。優れた体積抵抗値を得る観点から、金、銀、銅を含有する導電性フィラーが好ましい。コストの観点からは、銀コート銅粉が好ましい。銀コート銅における銀の含有量は、銀および銅の合計100質量%中、6〜20質量%が好ましく、より好ましくは8〜17質量%であり、更に好ましくは10〜15質量%である。コアシェル型粒子の場合、コア部に対するコート層の被覆率は、平均で60%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、80%以上がさらに好ましい。コア部は非金属でもよいが、導電性の観点からは導電性物質が好ましく、金属粒子がより好ましい。導電性フィラーは、単独、または2種類以上を併用できる。
導電性フィラーの形状はフレーク状粒子、樹枝状粒子、プレート状粒子、ブドウ状粒子、球状粒子を用いることができるが、フレーク状粒子、および樹枝状粒子が好ましく、フレーク状粒子がより好ましい。導電性フィラーの形状をフレーク状とすることでノイズ抑制層の伸び率を10%以上に高め、伸縮後も導電性フィラー同士の接触点の減少が抑制されるため良好な体積抵抗値を維持することが可能となる。
フレーク状粒子の平均粒子径D50(a)は、4〜20μmが好ましい。平均粒子径を4〜20μmとすることで、導電性フィラーの平均配向角度を10°〜40°へと調整することが可能となり体積抵抗値を向上することができるため好ましい。
フレーク状粒子に、ナノサイズの導電性フィラーを混合してもよい。ナノサイズの粒子を混合することにより、ナノ粒子の融点降下現象を利用して、加熱圧着時に金属間結合を形成させ、シールド性を向上させる効果がある。
平均粒子径D50は、レーザー回折・散乱法により測定できる。
具体的には、例えば、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS 13 320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、各導電性微粒子を測定して得た数値であり、粒子の積算値が50%である粒度の直径の平均粒子径である。なお、屈折率の設定は1.6として測定する。
フレーク状の導電性フィラーの平均厚さは0.01〜1.5μmが好ましく、0.05〜1.0μmがより好ましい。導電性フィラーの平均厚さを上記範囲とすることで、ノイズ抑制層内で厚み方向にも適度に配向し体積抵抗値を下げることができる。
導電性フィラーの厚みはノイズ抑制シートを厚み方向から垂直に切断した切断面画像を、レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−X100)で、1000〜2000倍に拡大した画像を元に異なる粒子を約10〜20個を測定し、その平均値から求められる。
導電性フィラーとして、フレーク状粒子を用いることが好ましいが、フレーク状粒子と他の形状の粒子を併用してもよい。併用する粒子形状は特に限定されないが、樹枝(デンドライト)状粒子、繊維状粒子、針状粒子および球状粒子からなる群から選択される粒子が好ましい。
併用する粒子は、単独または混合して用いられる。併用する場合、フレーク状粒子および樹枝状粒子の組み合わせ、フレーク状粒子、樹枝状粒子および球状粒子の組み合わせ、フレーク状粒子および球状粒子の組み合わせが例示できる。これらのうち、ノイズ抑制能を高め、且つ伸び率を高める観点からフレーク状粒子単独またはフレーク状粒子と樹枝状粒子を組み合わせがより好ましい。
導電性フィラーのタップ密度はノイズ抑制層内で高い体積占有率が得られる0.2〜4.0g/cmが好ましく、0.25〜3.0g/cmがより好ましい。
[磁性フィラー]
本発明において磁性フィラーは、ノイズ抑制層に所望の比透磁率μ´を付与する。磁性フィラーとしては、軟磁性のものと硬磁性のものとがあり、高い比透磁率μ´を発現し得るという点で軟磁性のものが好ましい。
軟磁性材料としては、結晶質金属磁性材料、非晶質金属磁性材料、ナノ結晶金属磁性材料などの金属系軟磁性材料が挙げられ、結晶質金属磁性材料としては、Fe、Co、Ni、FeSi合金、FeNi合金、FeSiAl合金、およびFeSiCr合金からなる群より選択されるものが好ましい。
金属系軟磁性材料以外では、MnZnフェライト、MgZnフェライト、MnMgフェライト、CuZnフェライト、MgMnSrフェライト、NiZnフェライトなどのフェライト系物質が挙げられる。
これら磁性フィラーは、単独、または2種類以上を使用できる。
磁性フィラーの形状は、高い比透磁率μ´が得られるフレーク状が好ましく、平均粒子径D50(b)は、20〜70μmが好ましく、25〜65μmがより好ましい。D50が20μm未満だと十分な比透磁率μ´が得難く、70μmより大きいとシート化が困難になり、比透磁率μ´が低下する。
磁性フィラーの平均粒子径D50(b)は導電性フィラーと同様の方法で測定することができる。
また、金属メッキした磁性フィラーも好ましい。メッキに使用する金属は導電性が高いものが好ましく、例えば、金、銀、銅、またはニッケルがより好ましい。磁性フィラーの表面に上記金属をメッキすることで、金属メッキ磁性フィラー同士あるいは、導電性フィラーとの接触点が増え、ノイズ抑制層の体積抵抗値をより効果的に向上することができる。
磁性フィラーのタップ密度は、ノイズ抑制層内で高い体積占有率が得られ比透磁率を向上できる観点から0.2〜4.0g/cmが好ましく、0.25〜3.0g/cmがより好ましい。
磁性フィラーの含有量は、シート状前駆体100質量%中(後述するノイズ抑制層100質量%中でもある)、20〜65質量%であることが好ましく、30〜50質量%がより好ましい。上記範囲とすることで所望の比透磁率μ´が得られやすい。
また、磁性フィラーによる高比透磁率化と導電性フィラーによる低抵抗化を両立するには、両フィラーの配向度が異なることが好ましい。具体的には、導電性フィラーの平均粒子径D50(a)に対する磁性フィラーの平均粒子径D50(b)の比率(以下、[(b)/(a)]と省略することがある)、即ち[(b)/(a)]が3〜15であることが好ましく、4〜14がより好ましく、6〜13がさらに好ましい。[(b)/(a)]が3以上である場合、両フィラーの大きさが適度に異なるため、ノイズ抑制層内での両フィラーの配向の差が生じやすくなり、それぞれを適切な配向状態とすることができる。なお、ノイズ抑制層内での配向については後述する。
磁性フィラーの平均厚さは0.5〜5μmが好ましく、1〜3μmがより好ましい。磁性フィラーの平均厚さを上記範囲とすることで面方向への配向を抑制し比透磁率を向上させることができる。
フレーク状の磁性フィラーの厚みは、ノイズ抑制層を厚み方向から垂直に切断した切断面画像を、レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−X100)で、1000〜2000倍に拡大した画像を元に異なる粒子を約10〜20個を測定し、その平均値から求められる。
[バインダー樹脂]
本発明で使用するバインダー樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が好ましく、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を併用してもよい。
熱硬化性樹脂は、架橋可能な反応性官能基を複数有する樹脂であり、反応性官能基は、例えば、水酸基、フェノール性水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、オキサゾリン基、オキサジン基、アジリジン基、チオール基、イソシアネート基、ブロック化イソシアネート基、シラノール基等が挙げられる。これらの中でもカルボキシル基を有することが好ましい。
反応性官能基を有する熱硬化性樹脂は、例えば、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル樹脂、縮合型ポリエステル樹脂、付加型ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール系樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ポリ乳酸樹脂、オキサゾリン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの中でも追従性と体積抵抗値の点から、ポリウレタン樹脂、ポリウレタンウレア樹脂、エポキシ樹脂、付加型ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
熱可塑性樹脂は、前記硬化性官能基を有しないポリオレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン・アクリル系樹脂、ジエン系樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、α−オレフィン化合物などのホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、ポリエチレンプロピレンゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、α−オレフィンポリマー等が挙げられる。
ビニル系樹脂は、酢酸ビニルなどのビニルエステルの重合により得られるポリマーおよびビニルエステルとエチレンなどのオレフィン化合物とのコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、部分ケン化ポリビニルアルコール等が挙げられる。
スチレン・アクリル系樹脂は、スチレンや(メタ)アクリロニトリル、アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸エステル、マレイミド類などからなるホモポリマーまたはコポリマーが好ましい。具体的には、例えば、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアクリロニトリル、アクリルコポリマー、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。
ジエン系樹脂は、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物のホモポリマーまたはコポリマーおよびそれらの水素添加物が好ましい。具体的には、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンブロックコポリマー等が挙げられる。テルペン樹脂は、テルペン類からなるポリマーまたはその水素添加物が好ましい。具体的には、例えば、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペン樹脂が挙げられる。
石油系樹脂は、ジシクロペンタジエン型石油樹脂、水添石油樹脂が好ましい。セルロース系樹脂は、セルロースアセテートブチレート樹脂が好ましい。ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAポリカーボネートが好ましい。ポリイミド系樹脂は、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸型ポリイミド樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂は、単独または2種類以上を併用できる。
使用するバインダー樹脂の質量平均分子量は、20000〜200000が好ましく、25000〜180000がより好ましい。質量平均分子量が20000〜200000になると所望の体積抵抗値、比透磁率μ´と伸び率を両立できる。質量平均分子量(Mw)の測定はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(「HPC−8020」東ソー社製)を用いて求めることができる。
また、硬化剤を添加しても良い。硬化剤は、熱硬化性樹脂中の反応性官能基と反応可能な官能基を複数有している。硬化剤は、エポキシ化合物、酸無水物基含有化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ジシアンジアミド;芳香族ジアミン等のアミン化合物;フェノールノボラック樹脂等のフェノール化合物等が好ましい。
硬化剤は、単独または2種類以上を併用できる。
シート状前駆体には、さらに分散剤、着色剤、難燃剤、無機添加剤、滑剤、ブロッキング防止剤、シランカップリング剤等を含んでいてもよい。
分散剤としては、例えば、りん酸エステル系界面活性剤、長鎖アルキル脂肪酸などが挙げられる。
着色剤としては、例えば、有機顔料、カーボンブラック、群青、弁柄、亜鉛華、酸化チタン、黒鉛等が挙げられる。この中でも黒色系の着色剤を含むことでシートに印字する場合において印字視認性が向上する。
難燃剤としては、例えば、ハロゲン含有難燃剤、りん含有難燃剤、窒素含有難燃剤、無機難燃剤等が挙げられる。
無機添加剤としては、例えば、ガラス繊維、シリカ、タルク、セラミック等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、脂肪酸エステル、炭化水素樹脂、パラフィン、高級脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪族アルコール、金属石鹸、変性シリコーン等が挙げられる。
ブロッキング防止剤としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ、ポリメチルシルセスキオサン、ケイ酸アルミニウム塩等が挙げられる。
<シート状前駆体の製造方法>
本発明のシート状前駆体は、バインダー樹脂、導電性フィラー、および磁性フィラーを混合し攪拌して得られた樹脂組成物を、第1のシート状基材上に塗工することにより得られる。第1のシート状基材としては、剥離フィルムの他、種々のプラスチックフィルムを挙げることができる。本発明のシート状前駆体は、製造の過程では第1のシート状基材を用いることが好ましいが、第1のシート状基材を剥がし、シート状前駆体自体を単離することもできる。
攪拌は、公知の攪拌装置を使用でき、ディスパーマットやホモジナイザー等が好ましい。
塗工は、例えば、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコート方式、リップコート方式、コンマコート方式、ブレード方式、ロールコート方式、ナイフコート方式、スプレーコート方式、バーコート方式、スピンコート方式、ディップコート方式等の公知の塗工方法を使用できる。塗工の際、必要に応じて乾燥工程を設けても良い。前記乾燥は、熱風乾燥機および赤外線ヒーター等公知の乾燥装置が使用できる。
剥離性フィルムは、紙またはプラスチック等の基材を用いることができ、基材の一方の面に公知の剥離処理がされているシート、または剥離処理に代えて、微粘着力の粘着剤層が形成されたフィルムであってもよい。
シート状前駆体の厚みは、用途に応じて適宜設計可能であるが、約50μm〜1000μm程度が好ましく、100μm〜600μm程度がより好ましい。50μm以上であると、ノイズ抑制能力が十分となり、1000μm以下であることにより、柔軟性や被着体への追従性がより優れる。
本発明のシート状前駆体は少なくとも片面を直接剥離フィルムで覆った状態で提供されることが好ましい他、シート状前駆体と剥離フィルムの間に、さらに他の層を備えることができる。他の層は、例えば、ハードコート性、熱伝導性、断熱性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、低誘電率、高誘電率性、低誘電正接、高誘電正接、耐熱性等を有する層が挙げられる。
(ノイズ抑制シート)
次に本発明のノイズ抑制シートについて説明する。本発明のノイズ抑制シートは、シート状基材と、前述のシート状前駆体から形成してなるノイズ抑制層とを有するものであり、ノイズ抑制層の体積抵抗値は1.0×10−5Ω・m以下、かつ1MHzにおける比透磁率μ´が20以上であり、伸び率が10〜600%である。この範囲とすることで、特に1MHz以下の低周波ノイズを顕著に抑制することができる。シート状基材は、ノイズ抑制層の少なくとも片面を覆っていればよい。
例えば、第1のシート状基材として剥離フィルムを用いてシート状前駆体を形成した場合、第1のシート状基材に接していない方のシート状前駆体の面を、第2のシート状基材で覆い、加圧処理を行うことで、ノイズ抑制層の両面がシート状基材で覆われたノイズ抑制シートを製造することができる。
第1のシート状基材として剥離フィルムを用いる場合において、第2のシート状基材として剥離フィルム「以外」のフィルムを用いた場合、第1のシート状基材を剥がしてノイズ抑制層の片面が第2のシート状基材で覆われたノイズ抑制シートとし、該ノイズ抑制シートをノイズ発生源の部材等に接着剤等を使用して貼り付けて使用することができる。また、ノイズ抑制層自体が接着層の役割も担うこともできる。この場合、ノイズ抑制層とノイズ発生源の部材等とを貼り付けることもできるし、第2のシート状基材とノイズ発生源の部材等とを貼り付けることもできる。
第2のシート状基材としても剥離フィルムを用いた場合は、一方の面の剥離フィルムを剥がし、ノイズ抑制層とノイズ発生源の部材等とを接着剤等を用いて貼り付けた後、他方の面の剥離フィルムを剥がすことができる。
あるいは、第1のシート状基材として剥離フィルム「以外」のフィルムを用いてシート状前駆体を形成した場合、第1のシート状基材に接していない方のシート状前駆体の面を、第2のシート状基材として剥離フィルムで覆い、加圧処理し、両面がシート状基材で覆われたノイズ抑制シートを製造することもできる。そして、第2のシート状基材を剥がしてなるノイズ抑制シートをノイズ発生源の部材等に接着剤等を使用して貼り付けることができる。また、ノイズ抑制層自体が接着層の役割も担うこともできる。この場合、ノイズ抑制層とノイズ発生源の部材等とを貼り付けることもできるし、第1のシート状基材とノイズ発生源の部材等とを貼り付けることもできる。
加圧処理の方法としては、押圧式熱プレス装置、トランスファーモールド装置、コンプレッションモールド装置、真空圧空成形装置等の熱プレス装置の利用が挙げられる。
例えば、平板プレス、ロールプレスで行うことができ、加熱しながら行うことが好ましい。加熱温度は23〜200℃が好ましく、より好ましくは50〜160℃が良い。200℃を超えるとシート状前駆体の破壊が起こる場合がある。
加圧圧力は、1〜10MPaが好ましく、2〜8MPaがより好ましい。加熱温度及び、加圧圧力を上記範囲とすることで、後述する磁性フィラーの平均配向角度を10°以下とすることができるため、好ましい。
より具体的には、90℃、2MPa、5分間、加圧することにより、本発明のノイズ抑制シートを得ることができる。
ノイズ抑制層の厚みは、用途に応じて適宜設計可能であるが、約50μm〜1000μm程度が好ましく、100μm〜600μm程度がより好ましい。50μm以上であると、ノイズ抑制能力が十分となり、1000μm以下であることにより、ノイズ発生源の部材等に貼り付ける際の追従性が優れる。
<体積抵抗値>
ノイズ抑制層の体積抵抗値は1.0×10−5Ω・m以下であり、5.0×10−6Ω・m以下が好ましく、1.0×10−6Ω・m以下がより好ましい。1.0×10ー5Ω・mを境に1MHz以下のノイズ領域で顕著な抑制効果が発現する。
導電性フィラーの含有量等やシート状前駆体の加圧処理条件等を制御することにより、体積抵抗値を1.0×10−5Ω・m以下とすることが可能である。例えば、導電性フィラーの含有量は、25質量%以上であり、25〜70質量%であることが好ましく、30〜65質量%がより好ましい。上記範囲とすることで所望の体積抵抗値が得られやすい。
<比透磁率>
ノイズ抑制層の1MHzにおける比透磁率μ´は20以上であり、30以上が好ましく、40以上がより好ましく、50以上がさらに好ましい。比透磁率μ´は20を境に1MHz以下のノイズ領域で顕著な抑制効果が発現する。
本発明における比透磁率とは、測定対象物、即ち本発明の場合、ノイズ抑制層の透磁率μと真空中の透磁率μとの比であり、複素透磁率μの実数部であって無次元の値である。
使用する磁性フィラーの種類、含有量等やシート状前駆体の加圧処理条件等を制御することにより、比透磁率μ´を20以上とすることが可能であり、高い比透磁率μ´が発現し得る磁性フィラーとしては、前述の通り、フレーク状の金属系軟磁性材料の利用が好ましい。
また、磁性フィラーの含有量は、ノイズ抑制層100質量%中、20〜65質量%であることが好ましく、30〜50質量%がより好ましい。上記範囲とすることで所望の比透磁率μ´が得られやすい。
<伸び率>
本発明のノイズ抑制シートにおけるノイズ抑制層は、伸び率が10〜600%であり、伸び率は10〜500%であることが好ましく、10〜400%であることがより好ましい。
ノイズ抑制層の伸び率を10〜600%とすることでノイズ発生源の部材等への追従性を向上でき、ノイズ発生源の部材等が複雑な凹凸形状を有している場合にも、1MHz以下のノイズ抑制を達成できる。
なお、本発明では、例えば、長さ10cmのノイズ抑制層が11cmになった場合を伸び率10%、20cmになった場合を伸び率200%という。
<平均配向角度>
本発明のノイズ抑制シートにおけるノイズ抑制層は、ノイズ抑制層に含まれる磁性フィラーの平均配向角度が10°以下であることが好ましく、導電性フィラーの平均配向角度が10°〜40°であることが好ましい。
磁性フィラーの平均配向角度を10°以下とすることで、より高い比透磁率を得ることができる。平均配向角度を10°以下にするには、シート状前駆体の加圧処理が有効である。
一方、高い導電性を発現するには、導電性フィラーが多くの接触点を持つことが好ましい。しかし、導電性フィラーがフレーク形状の場合、平均配向角度が10°未満になると、接触点が減少し高い導電性を得ることが難しい。また、平均配向角度が40°より大きくなると、周囲の磁性フィラーの配向に影響を与え、比透磁率の低下を招く場合がある。導電性フィラーの平均配向角度を10°〜40°とするためには、シート状前駆体の加圧処理と、前述したように磁性フィラーの平均粒子径D50(a)導電性フィラーの平均粒子径D50(b)とに差があり、その比率[(b)/(a)]が3〜15であることが好ましい。
両フィラーの平均粒子径D50が近い場合、加圧処理を行うと、フィラーが互いの配向に追従するため、シート内での配向角度がほぼ等しく、平均配向度が10°以下となるため、高い導電性を得ることが難しい。一方で平均粒子径D50が大きく異なる場合、両フィラーは互いの配向に追従しにくく、小さい導電性フィラーが主としてノイズ抑制層内で乱雑に存在し、磁性フィラーの配向の妨げとなる場合がある。結果、磁性フィラーの平均配向度が10°を超え、比透磁率μ´の低下が起きやすい。
本発明における平均配向角度について説明する。平均配向角度の測定は、まず第1のシート状基材と第2のシート状基材との間に挟んだシート状前駆体を加圧処理し、ノイズ抑制層を有するノイズ抑制シートを形成し、このノイズ抑制シートの断面出しを行う。そして切断面を電子顕微鏡で観察し、ノイズ抑制シートの断面画像を得る。画像中の第1または第2のシート状基材面を水平面とし、水平面を0°とした時の各種フィラー長軸方向とのなす角度を測定し、20個程度の測定値の平均値を平均配向角度とする。
図1を用いて角度の測定方法についてより詳しく説明する。図1はシート状基材上にノイズ抑制層が設けられたノイズ抑制シートの断面画像の模式図である。フィラーAの平均配向角度はノイズ抑制層とシート状基材との界面を水平面とし、そこからフィラーAの傾きを求めると20°となる。一方、フィラーBは160°となる。本願における平均配向角度の算出方法は、90°を越えるフィラーにおいては180°から差し引いた値とする。そのためフィラーBの平均配向角度は180°−160°=20°となる。
本発明のノイズ抑制シートは、ノイズ抑制層以外に、さらに他の層を備えることができる。他の層としては、粘着剤層(感圧性接着剤層)や接着剤層(感圧性以外の接着剤層)が挙げられる。
例えば、剥離フィルム「以外」の第1のシート状基材にシート状前駆体を設け、別途2枚の剥離フィルムの間に粘着剤層を設けた粘着シートを用意しておき、粘着シートの片面の剥離フィルムを剥がし、露出した粘着剤層をシート状前駆体中のノイズ抑制層に貼り、[剥離フィルム「以外」の第1のシート状基材/シート状前駆体/粘着剤層/剥離フィルム]という積層構成の形態にした後、加圧処理することによって、シート状前駆体をノイズ抑制層とし、[剥離フィルム「以外」の第1のシート状基材/ノイズ抑制層/粘着剤層/剥離フィルム]という積層構成の粘着剤層付きのノイズ抑制シートとして提供することができる。
また、[剥離フィルム「以外」の第1のシート状基材/シート状前駆体/剥離フィルムである第2のシート状基材]という積層構成の中間積層体を加圧処理し、シート状前駆体をノイズ抑制層とした後、剥離フィルムである第2のシート状基材を剥がし、ノイズ抑制層に粘着剤層を積層し、[剥離フィルム「以外」の第1のシート状基材/ノイズ抑制層/粘着剤層/剥離フィルム]という積層構成の粘着剤層付きのノイズ抑制シートとして提供することもできる。
さらにまた、第1のシート状基材として剥離フィルムを用いる場合には、[剥離フィルム/ノイズ抑制層/粘着剤層/剥離フィルム]という積層構成の形態のノイズ抑制シートを提供することもできる。
本発明のノイズ抑制シートには、ノイズ抑制層、粘着剤層(感圧性接着剤層)等の他にさらに、ハードコート性、熱伝導性、断熱性、水蒸気バリア性、酸素バリア性、低誘電率、高誘電率性、低誘電正接、高誘電正接、耐熱性等を有する層を設けることができる。これらの層を設けた後、シート状前駆体を加圧することもできるし、シート状前駆体を加圧した後、これらの層を設けることもできる。
本発明のノイズ抑制シートは、1MHz以下のノイズ抑制が必要な物品全般に対し使用することができる。1MHz以下のノイズ抑制が必要な物品としては、例えば自動車に搭載される無線通信機器や、AM/FMラジオ、電子タグや車体管理用のRFID、スマートキーなどが挙げられる。
これらの物品は1MHz以下のノイズの発生源となることが多いので、これら物品を構成する部材(例えば、筐体等)を本発明のノイズ抑制シートで覆うことによって、発生したノイズの物品外部への影響を抑制できる。粘着剤層を設けたノイズ抑制シートを用いれば、筐体等の内面および/または外面にノイズ抑制シートを貼り付けることができる。
あるいは、逆にノイズの影響を排除したい物品を本発明のノイズ抑制シートで覆うことによって、ノイズの影響を抑制することもできる。
さらに、本発明のノイズ抑制シートは、筐体を製造する過程で用いることもできる。例えば、片面をシート状基材で覆ったノイズ抑制シートを、筐体製造用の金型にセットし、筐体用の射出成型性用の樹脂をノイズ抑制層側に溶融射出し、筐体とノイズ抑制層を一体成型することもできる。シート状基材が剥離フィルムの場合、一体成型後に剥がすことができる。シート状基材が剥離フィルム「以外」の場合は、シート状基材もノイズ抑制層を介して筐体と一体となる。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の「部」は「質量部」、「%」は、「質量%」に基づく値である。
なお、導電性フィラーと磁性フィラーの平均粒子径D50、導電性フィラーと磁性フィラーの厚み樹脂の酸価、および樹脂の質量平均分子量は以下の方法で測定した。
<平均粒子径D50の測定>
平均粒子径D50はレーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性フィラー、磁性フィラーを測定した。なお、屈折率の設定は1.6とした。
<フィラーの厚み測定>
フレーク状の磁性フィラーの厚みは、後述する剥離フィルム付きシート状前駆体2を包埋樹脂中にほぼ垂直に立てて包埋し、表面を研磨した後、レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−X100)を用い、シート状前駆体を厚み方向から1000〜2000倍の倍率で観察し、観察視野中の異なる粒子を約10〜20個の厚みを測定し、その平均値から求めた。
<酸価の測定>
熱硬化性樹脂1gをメチルエチルケトン40mlに溶解し、京都電子工業社製自動滴定装置「AT−510」にビュレットとして同社製「APB−510−20B」を接続したものを使用した。滴定試薬としては0.1mol/Lのエタノール性KOH溶液を用いて電位差滴定を行い、樹脂1gあたりのKOHのmg数を算出した。
<質量平均分子量(Mw)>
質量平均分子量(Mw)の測定はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)(「HPC−8020」東ソー社製)を用いた。GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーである。本発明における測定は、カラムに「LF−604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続して用い、流量0.6ml/分、カラム温度40℃の条件で行い、質量平均分子量(Mw)の決定はポリスチレン換算で行った。
<熱硬化性樹脂の合成>
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸とテレフタル酸及び3−メチル−1,5−ペンタンジオールから得られる数平均分子量(以下、「Mn」という)=1006であるジオール414部、ジメチロールブタン酸8部、イソホロンジイソシアネート145部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン27部、ジ−n−ブチルアミン3部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液816部を添加し、70℃で3時間反応させ、質量平均分子量(以下、「Mw」という)=54,000、酸価5mgKOH/gであるポリウレタンポリウレア樹脂の溶液を得た。これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分50%であるポリウレタンポリウレア樹脂溶液を得た。
[実施例1]
合成例1で得られた熱硬化性樹脂を固形分換算で15.7部、磁性フィラー1を40部、導電性フィラー1を40部、分散剤を2部、シランカップリング剤を2部、アジリジン系化合物0.3部を容器に仕込み(いずれも固形分換算)、不揮発分濃度が50質量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(質量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで磁性樹脂組成物を得た。
次いで、磁性樹脂組成物を剥離フィルム上に、乾燥厚みが30μmになるようにドクターブレードを使用して塗工し、100℃の電気オーブンで10分間乾燥した後、剥離フィルムを重ね、シート状前駆体1の両面を剥離フィルムで覆った中間体1を得た。
別途、上記と同様の方法で後述する低周波シールド性測定のために、剥離フィルム上に厚み300μmのシート状前駆体2を設けた中間体2を作製した。
次いで、中間体1、2をそれぞれ90℃、2MPa、5分間加圧し、ノイズ抑制層1、2の両面を剥離フィルムで覆ったノイズ抑制シート1、2を得た。
後述する方法に従って、ノイズ抑制シート1について、伸び率、体積抵抗値、比透磁率μ´、平均配向角度を求めた。また、後述する方法に従って、ノイズ抑制シート2について低周波シールド性を評価した。
[実施例2〜10、比較例1〜3]
実施例1の原料の種類および配合量(質量部)を表1のように変更した以外は実施例1と同様に行うことで、中間体1、2、およびノイズ抑制シート1、2を得た。
実施例で使用した材料を以下に示す。
・磁性フィラー1:Fe−Si−Al系軟磁性粒子(平均粒子径:45μm、平均厚み1.3μm)山陽特殊製鋼社製
・磁性フィラー2:銀被覆Fe−Si−Al合金(磁性フィラーに20質量%のAgが被覆された金属系軟磁性材料)(平均粒子径:45μm、平均厚み1.3μm)
・磁性フィラー3:Fe−Si−Al系軟磁性粒子(磁性フィラー1を篩処理により粒度を調整したもの)(平均粒子径:35μm、平均厚み1.3μm)山陽特殊製鋼社製
・磁性フィラー4:Fe−Si−Al系軟磁性粒子(平均粒子径:58μm、平均厚み1.3μm)メイト社製
・磁性フィラー5:Fe−Si−Al系軟磁性粒子(磁性フィラー1を篩処理により粒度を調整したもの)(平均粒子径:79μm、平均厚み1.3μm)
・導電性フィラー1:フレーク状銀粒子(平均粒子径:5.1μm、平均厚み0.3μm)福田金属社製
・導電性フィラー2:フレーク状銀被覆銅粒子(平均粒子径:10μm、平均厚み0.6μm)DOWAエレクトロニクス社製
・導電性フィラー3:フレーク状銀粒子(平均粒子径:19μm、平均厚み0.8μm)福田金属社製
・導電性フィラー4:フレーク状銀粒子(平均粒子径:26μm、平均厚み1.1μm)福田金属社製
・分散剤:りん酸エステル系分散剤(商品名:ディスパロン(登録商標)PW−36,楠本化成社製)
・シランカップリング剤:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−5103、信越シリコーン社製)
・アジリジン系化合物:「ケミタイトPZ−33」日本触媒社製
上記実施例および比較例について、以下の測定方法により物性値測定および評価基準にて評価した。結果を表1に記す。
なお、表中の[(b)/(a)]は、導電性フィラーの平均粒子径D50(a)に対する磁性フィラーの平均粒子径D50(b)の比率[(b)/(a)]である。
<伸び率>
幅20mm・長さ60mmの大きさのノイズ抑制シート1を用意し、両面の剥離フィルムを剥がしてノイズ抑制層1を測定試料とした。測定試料について小型卓上試験機EZ−TEST(島津製作所社製)を用いて、温度25℃、相対湿度50% の条件下で引っ張り試験( 試験速度50mm/分)を実施した。得られたS−S曲線(Stress−Strain曲線)から磁性樹脂層の伸び率(%)を算出した。
<追従性>
図3を参照して説明する。
ノイズ抑制シート1(図3、(1))の片面の剥離性フィルムを剥がし、別途用意した粘着剤シートにおける粘着剤層18をノイズ抑制層に貼り合わせ、ノイズ抑制シート17ととし、幅40mm、長さ40mmの大きさに切った。
厚さ200μm、幅20mm、長さ30mmの接着剤付きのポリイミドフィルム13、厚さ200μm、幅50mm、長さ50mmのステンレス板14を準備した。なお、ポリイミドフィルム13、およびステンレス板14は、ノイズ発生源の凹凸を有する筐体を疑似的に表現している。
ステンレス板14上にポリイミドフィルム13がほぼ中心の位置に来るように接着剤を塗布し熱圧着して貼り付けた。
次いで、ポリイミドフィルム13のほぼ中心の位置に、ノイズ抑制シート17から剥離フィルム11’を剥がしたノイズ抑制シート17’のほぼ中心の位置が来るように、かつ粘着剤層18とポリイミドフィルム13が接するように、ノイズ抑制シート17’をポリイミドフィルム13上に載せた。(図3、(2))
そして、ステンレス板14およびポリイミドフィルム13によって構成される凹凸に対し、ノイズ抑制シート17’を、90℃、2MPa、5分間の条件で圧着し、ノイズ抑制シート17’を変形させながら貼り付けた。
貼り付け後、剥離フィルム11を剥がした(図3(3))。
円形破線16で示すポリイミドフィルム13の端部(段差部)におけるノイズ抑制層を肉眼および顕微鏡を使用した50倍の拡大画像を観察することで、ノイズ抑制層の破断状態を評価した。
○:ノイズ抑制層が破断しなかった。良好な結果。
×:ノイズ抑制層が破断した。実用不可
<体積抵抗値>
(1)厚みtの測定
ノイズ抑制シート1から幅50mm・長さ50mmの大きさの試料を切り出し、両面の剥離フィルムを剥がし、エポキシ樹脂(ペトロポキシ154、マルトー社製)を用い、スライドガラスとノイズ抑制層1と厚さ50μmのポリイミドフィルム(「カプトン300H」東レ・デュポン社製)とを接着し、[スライドガラス/ノイズ抑制層/ポリイミドフィルム]の構成の測定用試料を得た。
クロスセクションポリッシャー(日本電子社製、SM−09010)を用いて、得られた測定用試料をポリイミドフィルム側からイオンビーム照射により切断した。露出させた断面を、レーザーマイクロスコープ(キーエンス社製、VK−X100)を使用し、倍率1000〜2000倍で観察して、ノイズ抑制層1の厚みtを測定した。
(2)表面抵抗値Rの測定
幅50mm・長さ80mmの大きさのノイズ抑制シート1から片面の剥離フィルムを剥がしノイズ抑制層1について、JIS K7194−1994に準拠し、三菱化学製「ロレスターGP」の四探針プローブを用いて抵抗値を測定した。測定値に定数「4.239」を乗じた値を表面抵抗値Rとする。
(3)体積抵抗値の求め方
前記(1)、(2)で求めた厚みt(μm)、表面抵抗値R(mΩ/□)から下記式に従って求めた。
体積抵抗値=R×t×10−9(Ω・m)
<比透磁率>
ノイズ抑制シート1を外形18mm、内径5mmのドーナッツ形状に切り出し、測定試料とした。測定は、インピーダンスアナライザー(アジレント・テクノロジー社製 型番4294A)とテスト治具 16454A(キーサイト・テクノロジー社製)を用いて行った。測定条件は、測定範囲を1kHzから100MHzとし、掃引タイプをlog、信号元レベルを0.5、測定点を401とした。得られた値から複素透磁率の実数部μ´を算出した。
なお、磁性フィラーを含まない比較例3の場合、透磁率は1であった。
<平均配向角度>
ノイズ抑制シート1の厚みtの測定の場合と同様にして測定用試料の断面を観察し、ノイズ抑制層1とポリイミドフィルムとの界面を基準面とし、ノイズ抑制層1中の磁性フィラーおよび導電性フィラー、それぞれ任意の20個について基準面に対する傾きを求め、それぞれ平均値を求めた。
<低周波シールド性>
厚み300μmのノイズ抑制層2を有するノイズ抑制シート2を用い、磁界アンテナを使用したKEC法によりシールド性を測定した。

500kHzでのシールド性
○:15dB以上。非常に良好な結果である。
△:10dB以上、15dB未満。良好な結果である。
×:10dB未満。実用不可。

1MHzでのシールド性
○:15dB以上。非常に良好な結果である。
△:10dB以上、15dB未満。良好な結果である。
×:10dB未満。実用不可。
表1から、導電性フィラーを25質量%以上、磁性フィラー及びバインダー樹脂を含む本発明のノイズ抑制層形成用シート状前駆体は、加圧により、体積抵抗値1.0×10−5Ω・m以下、1MHzにおける比透磁率μ´20以上、かつ伸び率が10〜600%のノイズ抑制層を有するノイズ抑制シートを形成できる。その結果、本発明のノイズ抑制シートは、ノイズ発生源の筐体における複雑な凹凸形状への追従性が良好なので、1MHz以下の低周波ノイズに対し高い抑制能力を持つことが確認できた。
本発明のノイズ抑制シートは、1MHz以下のノイズ抑制が必要な物品全般に使用することができる。1MHz以下のノイズは、例えば自動車に搭載される無線通信機器が発生源であり、AM/FMラジオノイズ(522kHz〜1.7MHz)、電子タグや車体管理用のRFID(135kHz)、スマートキー(134kHz)などが挙げられる。
11、11’ シート状基材
12 ノイズ抑制層
17 ノイズ抑制シート
18 粘着剤層
13 ポリイミドフィルム
14 ステンレス板

Claims (10)

  1. 導電性フィラーを25質量%以上、磁性フィラー及びバインダー樹脂を含む、ノイズ抑制層形成用シート状前駆体。
  2. 前記導電性フィラーは、金、銀、および銅からなる群より選択されるいずれかを有し、かつ平均粒子径D50(a)が4〜20μmのフレーク状である、請求項1記載のノイズ抑制層形成用シート状前駆体。
  3. 前記導電性フィラーは、銀コート銅である、請求項2記載のノイズ抑制層形成用シート状前駆体。
  4. 前記磁性フィラーは、結晶質金属磁性材料、非晶質金属磁性材料、およびナノ結晶金属磁性材料からなる群より選択されるいずれかの金属系軟磁性材料であって、かつ平均粒子径D50(b)が20〜70μmのフレーク状であり、前記結晶質金属磁性材料が、Fe、Co、Ni、FeSi合金、FeNi合金、FeSiAl合金、およびFeSiCr合金からなる群より選択される一種以上であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか1項記載のノイズ抑制層形成用シート状前駆体。
  5. 前記磁性フィラーの表面は、金、銀、銅、またはニッケルで被覆されてなる、請求項4記載のノイズ抑制層形成用シート状前駆体。
  6. 導電性フィラーの平均粒子径D50(a)に対する磁性フィラーの平均粒子径D50(b)の比率[(b)/(a)]は、3〜15である、請求項2〜5いずれか1項記載のノイズ抑制層形成用シート状前駆体。
  7. 前記導電性フィラー及び磁性フィラーのタップ密度が、0.2〜4.0g/cmである請求項1〜6いずれか1項記載のノイズ抑制層形成用シート状前駆体。
  8. シート状基材と、請求項1〜7いずれか1項記載のノイズ抑制層形成用シート状前駆体から形成してなるノイズ抑制層とを有するノイズ抑制シートであって、
    前記ノイズ抑制層の体積抵抗値が1.0×10−5Ω・m以下、1MHzにおける比透磁率μ´が20以上であり、伸び率が10〜600%である、ノイズ抑制シート。
  9. 前記ノイズ抑制層中の、前記磁性フィラーの平均配向角度が10°以下であり、前記導電性フィラーの平均配向角度が10°〜40°である、請求項8記載のノイズ抑制シート。
  10. ノイズ発生源の部材を、請求項8または9記載のノイズ抑制シートで覆い、ノイズを抑制する方法。
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