JP2020178000A - 光モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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裕 蛯原
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Abstract

【課題】光モジュールにおいて、光素子に対するダメージを低減し、かつ、良好な接合強度を実現する光モジュールおよびその製造方法を提供する。【解決手段】光モジュールは、第1基板3と、電気信号を光信号に変換する、または、光信号を電気信号に変換する光素子1と、第1基板3と光素子1とを接続する金属電極2と、を有する。金属電極2は、光素子1に接合された台座部22と、第1基板3に接合された突起部21と、を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、光モジュールおよびその製造方法に関する。
従来、電気信号を光信号に変換して発光する光モジュール(発光側光モジュールともいう)や、受光した光信号を電気信号に変換する光モジュール(受光側光モジュールともいう)が知られている。
例えば、特許文献1には、ワイヤーボンディング接続による発光側光モジュールが開示されている。ここで、特許文献1の光モジュールの構成について、図7を用いて説明する。図7は、特許文献1の光モジュールの断面図である。
図7に示すように、第1基板40の表面には、凹段部45が形成されている。凹段部45は、発光素子41のバンプ42の近傍から斜め下方向に傾斜する傾斜面43と、この傾斜面43の下端から水平となる水平面44とからなる。
そして、発光素子41のバンプ42に接続されたメタル回路(銅や金スパッタによるパターニング回路)46は、傾斜面43および水平面44に沿って形成されている。これにより、凹段部45の水平面44には、信号処理部47の発光素子41側のランド48の方向に低くなった、発光素子41側のランド49が形成される。
また、発光素子41側のランド49と、信号処理部47の発光素子41側のランド48とは、ループ状のワイヤーボンディング50で電気的に接続されている。
さらに、信号処理部47のコネクタ51側のランド52と、第2基板53の表面のコネクタ51のランド54とは、ループ状のワイヤーボンディング55で電気的に接続されている。
そして、コネクタ51のランド54は、第2基板53の貫通穴配線56を介してコネクタ51に電気的に接続されている。
図7に示した光モジュールでは、第1基板40に形成した凹段部45により発光素子41側のランド49を低くしている。これにより、信号処理部47の発光素子41側のランド48との高低差57が少なくなる。その結果、ワイヤーボンディング50の長さを短くできるので、高周波信号の劣化を抑えることができ、高速伝送が可能となる。
特開第5654317号公報
近年、例えば8K映像またはデータセンターの分野において、上述したような光モジュールを用いて大容量のデータを高速で伝送するための技術開発が進んでいる。
上記高速のデータ伝送では例えば50Gbs以上が必要とされているが、その速度でデータの伝送を行った場合、光を電気に変換する役割を担っている光素子の内部層の構成が変化する。具体的には、ノイズなどの問題から非常に脆い層(以下、脆弱層という)の厚みが増加し、光素子を構成する層が脆弱化する。
また、データ伝送の高速化および高周波化に伴い、光素子では、伝送特性を向上させるために、ヒ化ガリウム(GaAS)の基材が使用されることが多くなっている。しかし、その基材は、シリコンのような基材と接合されると、光モジュールの動作時に熱の影響で発生する応力に耐えることができず、機械的強度を保持できないという課題がある。
さらには、上述した光モジュールを用いて10Gbs以上のデータ伝送を行う場合、上述した光素子の脆弱層の厚みが増すことになる。よって、従来一般的に用いられている金属間を強固に接合できる超音波接合工法などでは光素子にダメージを与えてしまい、良好な接合を実現することが困難である。
本開示の一態様の目的は、光素子に対するダメージを低減し、かつ、良好な接合強度を実現できる光モジュールおよびその製造方法を提供することである。
本開示の一態様に係る光モジュールは、第1基板と、電気信号を光信号に変換する、または、光信号を電気信号に変換する光素子と、前記第1基板と前記光素子とを接続する金属電極と、を有し、前記金属電極は、前記光素子に接合された台座部と、前記第1基板に接合された突起部と、を備える。
本開示の一態様に係る光モジュールの製造方法は、金属ボールを光素子に押圧し、超音波を印加することにより、突起部および台座部を有する金属電極を形成するとともに、前記台座部と前記光素子とを接合する工程と、前記突起部を基板に押圧し、超音波を印加することにより、前記突起部と前記基板とを接合する工程と、を含む。
本開示によれば、光モジュールにおいて、光素子に対するダメージを低減し、かつ、良好な接合強度を実現できる。
本開示の実施の形態に係る光モジュールの構成を示す断面図 本開示の実施の形態に係る光素子、金属電極、および第1基板の拡大断面図 従来構造に係る光素子、金属電極、および第1基板の拡大断面図 従来構造に係る光素子を実装する前のスタッドバンプ工法時を示す断面図 従来構造に係る超音波接合による光素子の実装時を示す断面図 従来構造に係る超音波接合時における金属電極の変形および応力の集中部を示す図 従来構造に係る金属電極を形成したときの金属電極内の結晶粒を模式的に示す断面図 従来構造に係る光素子のフリップチップ実装時の金属電極内の結晶粒を模式的に示す断面図である。 本開示の実施の形態に係る金属電極を形成したときの金属電極内の結晶粒を模式的に示す断面図 本開示の実施の形態に係る金属電極を第1基板に押し付ける前の状態における結晶粒を模式的に示す断面図 本開示の実施の形態に係る金属電極を第1基板に押し付け、超音波を印加しているときの結晶粒を模式的に示す断面図 特許文献1の光モジュールの構成を示す断面図
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
<全体構造>
本実施の形態に係る光モジュール100の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る光モジュール100の構成を示す断面図である。
図1に示すように、光モジュール100は、光素子1、金属電極2、第1基板3、封止樹脂4、接合材5、第2基板6、信号処理基板7、金ワイヤー8、9、光ファイバー10、光導波路32、金属パターン電極71、72等を有する。
光素子1は、第1基板3に実装されている。光素子1は、電気信号を光信号に変換する、または、光信号を電気信号に変換する。光素子1は、第1基板3に形成された光導波路32と、その光導波路32に接続された光ファイバー10とを介して、図示しない他の光モジュールと光学的に結合している。
光モジュール100は、受光側として用いられてもよいし、発光側として用いられてもよい。受光側と発光側のどちらであってもモジュールの構成は同一であるため、以下では、光モジュール100が受光側である場合を例に挙げて説明する。
光素子1および第1基板3は、実装時に熱の影響や使用環境による応力の影響を避けるために、十分な剛性が必要とされる。そのため、光素子1と第1基板3とは、金属電極2により金属接合されている。また、光素子1と第1基板3との間に封止樹脂4を設けることにより、光素子1および第1基板3は、光モジュール100の動作時の応力の変化に対して強い構造となっている。
第1基板3は、接合材5により第2基板6に接合されている。また、第2基板6には、信号処理を高速で行う信号処理基板7が実装されている。
信号処理基板7には、金属パターン電極71、72が設けられている。金属パターン電極71は、金ワイヤー8を介して第1基板3と電気的に接続している。金属パターン電極72は、金ワイヤー9を介して第2基板6と電気的に接続している。
また、光伝送の場合、発光側の光素子から受光側の光素子までの光結合効率が必要であるため、各光素子を高精度に実装するとともに、動作中の各光素子の位置の変動を極力抑制する必要がある。そこで、本実施の形態では、第1基板3として、実装時のパターン精度やプロセス中の基材の熱膨張の少ないシリコン(Si)基板を用いる。
しかしながら、近年、光変換の高速化に伴い、光素子を構成する材料は、例えばガリヒ素(GaAS)といった脆弱な材料を用いることが多くなっている。この材料は、シリコンに比べて、2倍ほどの熱膨張率を示すため、光素子と基板との接合を強固にする必要が出てきている。
そのため、光素子を基板に実装する場合、上述した事情を考慮した接合工法の確立が不可欠になっている。
ここで、図2を用いて、図1に示した光素子1、金属電極2、および第1基板3の詳細について説明する。図2は、図1に示した光素子1、金属電極2、および第1基板3の拡大断面図である。
図2に示すように、光素子1は、基板部11、電極部12、レンズ15を有する。
電極部12およびレンズ15は、基板部11の下部に設けられている。
レンズ15は、光を受光する。なお、光モジュール100が発光側である場合、レンズ15は、光を発光する。
電極部12は、層構造を有する。具体的には、図2に示すように、電極部12は、層の接合を強固にする密着層121、絶縁層122、および金属電極層123を有する。
絶縁層122が設けられていることにより、光素子1は、効率的に光信号を電気信号に変換することが可能となる。
金属電極2は、スタッドバンプにより光素子1側に形成される。図2に示すように、金属電極2は、突起部21および台座部22を有する。突起部21は、第1基板3の電極部31と接合し、台座部22は、電極部12の金属電極層123と接合する。
金属電極2が形成された光素子1を第1基板3に接合する際、突起部21が塑性変形することで良好な接合が可能となる。この接合の際、突起部21は、押し潰されるが、完全には無くならない。よって、金属電極2では、台座部22および突起部21による2段形状が維持される。
この金属電極2では、台座部22と突起部21との境界を観察することができ、台座部22のみで構成された光モジュールに比べて、突起部21に超音波振動を印加し易くなる。よって、強固な接合力を維持することが可能となる。
また、光素子1と第1基板3との接合後に突起部21が残るため、金属電極2の高さを確保することが可能となる。また、金の特性としてじん性を活かす構造を実現することができる。また、接合後の応力を緩和する構造を実現することができ、熱応力や熱の昇降が起こる環境化での変化に耐えることができる。
<従来の光素子の実装構造>
図2に示した本実施の形態の光素子1の実装構造(以下、本実施の形態の構造という)と、図3に示す従来の光素子の実装構造(以下、従来構造という)とを比較することにより、本実施の形態の構造の有効性について説明する。図3は、従来構造における光素子1、金属電極部2、および第1基板3の拡大断面図である。
図3に示す従来構造は、例えば、以下の工程により実現される。
まず、第1基板3の電極部31上に、金(Au)の金属バンプである金属電極2を形成する。
次に、金属電極2に光素子1を当接させ、レンズ15が第1基板3と接触しない高さまで金属電極2を押し潰し、金属電極2と光素子1とを接合させる。このときに用いられる接合方法としては、本実施の形態と同様に、例えば、金属間接合によって強固な接合強度を得ることが可能な、フリップチップの超音波接合が挙げられる。
以上の工程により、図3に示す従来構造が実現される。この従来構造では、高速伝送に耐えられるように金属配線長(配線経路の長さといってもよい)を極力短くすることが可能となり、特性を飛躍的に向上させることができる。
しかしながら、図3に示す従来構造では、金属電極2を塑性変形させることにより接合を行う一方で、変形代(変形量といってもよい)を大きくする。よって、金属電極2が潰れてしまい、光素子1がダメージを受け、残留応力が肥大化してしまうという問題がある。
<従来構造の課題>
図4A〜図4Cを用いて、上述した従来構造における課題について、超音波接合のメカニズムなどを含め、さらに詳細に説明する。
図4Aは、光素子1の実装前に行われるスタッドバンプ工法時を示す断面図である。
図4Aに示す金属電極2は、キャピラリ110の穴に通された金線(図示略。以下同様)の先端部に対してのみ高電圧を印加することで金属の球体(以下、金属ボールという)を形成し、その金属ボールを第1基板3の電極部31に押し付けることにより、形成される。
このようにして形成された金属電極2は、インナーチャンファー111の形状に応じてキャピラリ110内に形成された突起部21aと、上述した金属ボールが潰されて形成された台座部22aとを有する特徴的な形状となる。
図4Bは、超音波接合による光素子1の実装時を示す断面図である。
図4Bに示すように、光素子1は、第1基板3に形成された金属電極2上に配置される。このとき、光素子1は、電極部12と突起部21aとが接合されるように高精度に位置決めされ、金属電極2に実装される。
光素子1は、金属電極2と接触した状態で超音波振動(図中の矢印USは振動の方向を示す)および荷重(図中の矢印Pは荷重の方向を示す)を印加されることにより、金属電極2と接合する。この超音波接合では、台座部22aは変形しないが、突起部21aは、弾性領域を超えて大きく変形し、塑性変形を起こす。これにより、金属の流動が起こると同時に、金属の拡散が進行し、電極部12と突起部21aとの界面においてエネルギーが集中し、光素子1と金属電極2との接合が実現される。
超音波接合時時の金属電極2の応力の変化について、図4Cを用いて以下に説明する。図4Cは、シミュレーションによって求められた、超音波接合時における金属電極2の変形および応力の集中部を示す図である。
図4Cにおいて、線が密集している集中部Bは、変形および応力がともに大きい箇所を表している。この集中部Bは、図4A、図4Bに示した突起部21aに発生する。また、図4Cに示す部分Aは、図4A、図4Bに示した台座部22aに発生する。部分Aは、変形および応力がともに小さい部分である。
上述した集中部Bとその近辺が脆弱であると、金属電極2が応力に耐えられない。よって、光素子1は、剛性が弱い部分からダメージを受け、破壊される。このメカニズムは、金属電極2内の結晶粒をみても説明できる。
<従来構造の金属電極内の結晶粒>
図5Aを用いて、従来構造における金属電極2内の結晶粒の分布について説明する。
図5Aは、金属電極2を形成したときの金属電極2内の結晶粒を模式的に示す断面図である。
図5Aにおいて、金属電極2内の複数の円は、結晶粒を示している。図5Aに示す大小2種類の円のうち、小さい方の円は、比較的小さい(例えば、1μm未満の)結晶粒を示しており、大きい方の円は、比較的大きい(例えば、1μm以上の)結晶粒を示している。以下、前者の結晶粒を「小さい結晶粒」(第1結晶粒の一例)といい、後者の結晶粒を「大きい結晶粒」(第2結晶粒の一例)という。なお、これらの事項は、後述する図5B、図6A、図6B、図6Cにも同様に当てはまるものとする。
金属電極2の突起部21aの形状は、上述したとおり、図4Aに示したキャピラリ110のインナーチャンファー111の形状に依存する。
また、上述したとおり、金属ボールは、キャピラリ110(図4A参照)の穴に通された金線の先端部に対して高電圧を印加することにより形成される。このとき、金属ボール内には、再結晶により、大きい結晶粒が形成される。
図5Aは、金属ボールの上部がキャピラリ110のインナーチャンファー111内に入り込むように金属ボールを電極部31に押圧し、超音波を印加することで形成された金属電極2内の結晶粒の分布を示している。
図5Aの金属電極2が形成される際、応力が集中する部分では、結晶粒が小さく(細かく)なる。そのため、図5Aに示すように、台座部22aの下方(電極部31との界面付近)に含まれる結晶粒は、台座部22aにおける下方以外に含まれる結晶粒に比べて、1/10〜1/2程度のサイズまで微細化する。また、図5Aに示すように、突起部21aの上方に含まれる結晶粒は、突起部21aにおける上方以外に含まれる結晶粒に比べて、1/10〜1/2程度のサイズまで微細化する。
次に、図5Bを用いて、従来構造における光素子1のフリップチップ実装時の金属電極2内の結晶粒の変化について説明する。
図5Bは、光素子1を金属電極2に押し付け、超音波を印加しているときの結晶粒を模式的に示す断面図である。
フリップチップ接合では、微細化した結晶粒は、流動性を有し、変形する。そのため、台座部22aでは、結晶粒が変形せずに残る。
また、台座部22a内の結晶粒は、大きいまま、固く変形しにくい。そのため、光素子1側に応力が集中しやすくなり、部分Cでは、結晶粒が変形する。
また、それと同時に、光素子1側は超音波により振動しているため、部分Cにおいて結晶粒が微細化しながらエネルギーを吸収してしまう。そのため、部分Eには、比較的固く大きな結晶粒が残ってしまう。
また、部分Dにおいては、金属電極2を第1基板3に形成した際に結晶粒が小さくなるが、部分Eの結晶粒の大きさは変化しない。そのため、フリップチップ実装時の超音波振動では、部分Dの結晶粒は大きく変化しない。
以上のことから、部分Cにはフリップチップ接合時の応力が集中してしまい、光素子1の電極部12に大きなダメージを与えてしまう。
<本実施の形態の構造の金属電極内の結晶粒>
図6Aを用いて、本実施の形態の構造における金属電極2内の結晶粒の分布について説明する。
図6Aは、金属電極2を形成したときの金属電極2内の結晶粒を模式的に示す断面図である。
本実施の形態では、従来と同様にスタッドバンプ工法を用いる。ただし、図6Aに示すキャピラリ110内のインナーチャンファー111の体積は、図5Aに示すインナーチャンファー111の体積よりも大きいとする。
本実施の形態では、キャピラリ110を用いて金属ボールを光素子1の電極部12に押圧することにより、突起部21および台座部22を有する金属電極2が光素子1側に形成される。そして、キャピラリ110の穴に通された金線が引き千切られた際、図6Aに示すように、突起部21の上方部分には、小さい結晶粒が配置され、突起部21の下方部分には、大きい結晶粒が配置される。
また、台座部22には、金属ボールの形成時の再結晶化により、従来構造と同様に、大きい結晶粒が配置される。
キャピラリ110によって押圧された際、金属電極2の部分Fでは、超音波接合時の応力が集中する。その部分Fでは、図6Aに示すように、結晶粒の一部が小さくなる。そして、金属電極2(台座部22)と光素子1(電極部12)とが接合される。
このとき、金属電極2は、台座部22の体積に対する突起部21の体積の比率が80%以上120%以下となるように形成されることが好ましい。
従来構造では、第1基板3への接合強度(接合力といってもよい)を向上させるため、台座部22の体積に対する突起部21の体積の比率を80%以下に抑えることで、部分Fに発生する局所応力を最大化する必要があった。また、従来構造では、接合時の突起部21aの変形を大きくすることで、光素子1との接合強度を向上させていたが、接合強度は向上するものの、信頼性評価では、接合時に電極部12がダメージを受け、剥がれなどが発生してしまっていた。
そのため、本実施の形態では、接合時に光素子1の電極部12に極力応力がかからない構造とすることが不可欠であった。
一方で、台座部22の体積に対する突起部21の体積の比率が80%より小さい場合、実装ズレが大きくなり、光素子1の実装精度を悪化させてしまい、特性面において、光伝送効率が大幅に下がってしまう。また、台座部22の厚みを20μm以上確保できなくなり、応力を緩和することが困難になってしまう。
また、台座部22の体積に対する突起部21の体積の比率が120%以上である場合では、金属電極2の形成時に不着が起こりやすくなり、金属電極2を光素子1に接合する接合強度の確保が非常に難しくなる。
次に、図6B、図6Cを用いて、本実施の形態の構造における光素子1のフリップチップ実装時の金属電極2内の結晶粒の変化について説明する。
図6Bは、光素子1に接合された金属電極2を第1基板3に押し付ける前の状態における結晶粒を模式的に示す断面図である。図6Cは、光素子1に接合された金属電極2を第1基板3に押し付け、超音波を印加しているときの結晶粒を模式的に示す断面図である。
図6Bに示すように、光素子1に接合された金属電極2の突起部21を、第1基板3の電極部31に対向させる。そして、図6Cに示すように、突起部21を電極部31に接触させて押圧しながら、超音波印加を行う。これにより、第1基板3と金属電極2の間に、応力が集中する集中部Hが発生する。この集中部Hを起点に、金属電極2と第1基板3との接合が行われる。
このとき、第1基板3側では、図6Bに示した突起部21内の大きい結晶粒が、超音波振動により細かく分解されながら、自由に移動する。
これにより、図6Cに示した台座部22内の小さい結晶粒は、図5Bに示した従来構造における台座部22a内の小さい結晶粒よりも多くなる。よって、図6Cに示した本実施の形態の構造では、図5Bに示した従来構造よりも優れた応力分散の効果を得ることができる。したがって、本実施の形態の構造では、接合力と、デバイスの信頼性における機械強度とを十分に確保できる。
また、図6Cに示すように、突起部21内には、小さい結晶粒のみが配置される。
また、本実施の形態では、金属電極2を第1基板3へ接合する際に、図6Cに示した部分Gには応力が集中せず、図6Cに示した部分Hに超音波振動のエネルギーが集中する。そのため、光素子1の電極部12にダメージを与えることなく、金属電極2と第1基板3との接合が可能となる。
結果的には、小さい結晶粒の平均粒径が0.01〜1μmであり、大きい結晶粒の平均粒径が1〜5μmである金属電極2が形成されることが望ましい。
また、大きい結晶粒の体積に対する小さい結晶粒の体積の比率は、例えば1〜3倍であることが好ましい。その体積比率では、良好な接合状態を得ることが可能となる。
なお、大きい結晶粒の体積に対する小さい結晶粒の体積の比率が1より小さい場合、接合性を保つことができない。一方で、大きい結晶粒の体積に対する小さい結晶粒の体積の比率が3倍より大きい場合、金属電極2を形成するときに不着が多くなり、量産性に適さない金属電極2となってしまう。
また、本実施の形態では、台座部22には加圧中心軸(例えば、図6Cに示す金属電極2の中心軸I)を中心として均一に力がかかり、台座部22は水平方向(図6Cにおける左右方向)へ広がる。このとき、台座部22内の大きい結晶粒は、加圧中心軸よりも外側に追いやられる。また、台座部22内の大きい結晶粒は、突起部21内の小さい結晶粒の移動により細かくされる。よって、図6Cに示したように、台座部22の中心部分に小さい結晶粒が配置される。これにより、本実施の形態の構造では、伸びに対し強くなり、接合後の残留応力を大きく緩和することができる。
最終的には、図6Cに示したように、小さい結晶粒が加圧中心軸の近辺に集中し、大きい結晶粒が外側に位置した分布となる。また、この分布は、加圧中心軸に対して対称性を持ったものとなる。よって、加圧中心軸付近において比較的物性が柔らかく、柔軟な構造を確立することが可能になる。
したがって、本実施の形態の構造は、接合後の残留応力が緩和されるため、無理な強制力による構造ではない。
また、本実施の形態の構造は、環境下の熱変動に対して、金属電極2自体のじん性を確保できる。そのため、本実施の形態の構造は、長期信頼性を確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態の光モジュール100は、第1基板3と、電気信号を光信号に変換する、または、光信号を電気信号に変換する光素子1と、第1基板3と光素子1とを接続する金属電極2と、を有し、金属電極2は、光素子1に接合された台座部22と、第1基板3に接合された突起部21と、を備えることを特徴とする。
この特徴により、本実施の形態では、光素子の高速化によって脆弱化している層に応力が集中せず、超音波振動を用いた強固な金属接合を実現できる。その結果、光素子の電極部において最も脆い層が破壊されることがなくなり、光モジュールにおいて高速化を実現できる。
また、高速処理に伴う電気信号処理による熱影響に対しても、上述したように金属接合を可能とすることから非常に高い接合強度を得ることができ、長期信頼性を確保するという点においても、非常に優れた高速光変換モジュールを提供できる。よって、例えば5Gなどの情報の高速処理化などに大きく寄与することができる。
すなわち、本実施の形態では、光素子に対するダメージを低減し、かつ、良好な接合強度を実現できる光モジュールおよびその製造方法を提供することができる。
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
本開示の光モジュールは、電極直下の層構造が脆い電子部品の実装方法および構造にも適用でき、様々な電子部品に適用することができる。
1 光素子
2 金属電極
3 第1基板
4 封止樹脂
5 接合材
6 第2基板
7 信号処理基板
8、9 金ワイヤー
10 光ファイバー
11 基板部
12 電極部
15 レンズ
21、21a 突起部
22、22a 台座部
31 電極部
32 光導波路
71、72 金属パターン電極
100 光モジュール
110 キャピラリ
111 インナーチャンファー
121 密着層
122 絶縁層
123 金属電極層

Claims (10)

  1. 第1基板と、
    電気信号を光信号に変換する、または、光信号を電気信号に変換する光素子と、
    前記第1基板と前記光素子とを接続する金属電極と、を有し、
    前記金属電極は、
    前記光素子に接合された台座部と、
    前記第1基板に接合された突起部と、を備える、
    光モジュール。
  2. 前記台座部は、大きさの異なる結晶粒を含み、
    前記台座部の中心部分に配置される第1結晶粒は、前記台座部の外側部分に配置される第2結晶粒よりも小さい、
    請求項1に記載の光モジュール。
  3. 前記突起部は、前記台座部の外側部分に配置される第1結晶粒よりも小さい第2結晶粒のみを含む、
    請求項1または2に記載の光モジュール。
  4. 前記台座部の体積に対する前記突起部の体積の比率は、80%以上120%以下である、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の光モジュール。
  5. 前記第1結晶粒の平均粒径は、0.01〜1μmであり、
    前記第2結晶粒の平均粒径は、1〜5μmである、
    請求項2または3に記載の光モジュール。
  6. 前記第2結晶粒の体積に対する前記第1結晶粒の体積の比率は、1〜3倍である、
    請求項2から5のいずれか1項に記載の光モジュール。
  7. 前記台座部に含まれる前記第1結晶粒および前記第2結晶粒は、前記台座部の中心軸を基準として対称に分布している、
    請求項2から6のいずれか1項に記載の光モジュール。
  8. 前記第1基板は、前記光素子と、該光素子とは別の光素子とを光学的に接続する光導波路を備える、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の光モジュール。
  9. 前記第1基板と接合された第2基板と、
    前記第2基板に設けられ、信号処理を行う信号処理基板と、をさらに有し、
    前記信号処理基板は、前記第1基板および前記第2基板と電気的に接続されている、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の光モジュール。
  10. 金属ボールを光素子に押圧し、超音波を印加することにより、突起部および台座部を有する金属電極を形成するとともに、前記台座部と前記光素子とを接合する工程と、
    前記突起部を基板に押圧し、超音波を印加することにより、前記突起部と前記基板とを接合する工程と、を含む、
    光モジュールの製造方法。
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