JP2020175754A - リトラクタ及びシートベルト装置 - Google Patents

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Koji Tanaka
康二 田中
竜也 樋口
Tatsuya Higuchi
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Abstract

【課題】予捩れ現象が生じた場合であってもエネルギー吸収量を安定させることができる、リトラクタ及びシートベルト装置を提供する。【解決手段】リトラクタ1は、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプール2と、緊急時にスプール2のウェビング引出方向の回転を規制するロック機構3と、緊急時にウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナ4と、プリテンショナ4の作動後にスプール2のウェビング引出方向の回転を許容するトーションバー5と、トーションバー5の予捩れを所定量に規制する予捩れ規制手段6とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、リトラクタ及びシートベルト装置に関し、特に、トーションバーを備えたリトラクタ及びシートベルト装置に関する。
自動車等の車両には、一般に、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えたシートに乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。かかるシートベルト装置は、乗員を拘束するウェビングと、ウェビングの巻き取りを行うリトラクタと、シートの側面に配置されたバックルと、ウェビングに配置されたトングとを含み、トングをバックルに嵌着させることによってウェビングにより乗員をシートに拘束している。
近年のリトラクタは、車両衝突時等の緊急時にはプリテンショナを作動させることによってウェビングの弛みを除去して乗員をシートに拘束する一方で、慣性力によって乗員の上体が前方に移動する際にはウェビングを巻き取るスプールを引出方向に回転させてエネルギー吸収するように構成されていることが多い。
例えば、特許文献1には、ウェビングを巻取る巻取りドラムと、一端部が巻取りドラムに相対回転不能に係合されトーションバーとして機能するスピンドル軸とを備え、車両緊急時にスピンドル軸の捩じり変形によりエネルギー吸収を行うようにしたシートベルトリトラクタにおいて、車両緊急時にスピンドル軸の一端部の他端近傍部に対する捩じり変形回転量が所定値になるまでスピンドル軸の捩じり変形を許し、且つ前記捩じり変形回転量が所定値に達したときスピンドル軸の他端近傍部と巻取りドラムとを相対回転不能に締結する締結機構を設けたことを特徴とするシートベルトリトラクタが開示されている。
特開平11−222100号公報
上述した特許文献1に記載された発明では、トーションバーの捩り変形回転量の上限が締結機構によって制限されている。一方、プリテンショナの作動時にトーションバーに所定の荷重が負荷されて捩れてしまう現象(以下、「予捩れ現象」と称する。)を生じることがある。
かかる予捩れ現象が生じた場合、プリテンショナ作動後の時点で既にトーションバーが捩れていることから、エネルギー吸収時におけるトーションバーの捩り変形回転量が予定していた捩り回転量よりも少なくなってしまうという問題がある。また、予捩れ現象が生じた際における捩れ変形回転量のバラツキによって、エネルギー吸収量が不安定になってしまうという問題もある。
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、予捩れ現象が生じた場合であってもエネルギー吸収量を安定させることができる、リトラクタ及びシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールと、緊急時に前記スプールのウェビング引出方向の回転を規制するロック機構と、緊急時に前記ウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナと、該プリテンショナの作動後に前記スプールのウェビング引出方向の回転を許容するトーションバーと、を含むリトラクタにおいて、前記トーションバーの予捩れを所定量に規制する予捩れ規制手段を備える、ことを特徴とするリトラクタが提供される。
また、本発明によれば、乗員をシートに拘束するシートベルト装置において、前記乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールと、緊急時に前記スプールのウェビング引出方向の回転を規制するロック機構と、緊急時に前記ウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナと、該プリテンショナの作動後に前記スプールのウェビング引出方向の回転を許容するトーションバーと、を含むリトラクタであって、前記トーションバーの予捩れを所定量に規制する予捩れ規制手段を備えるリトラクタを含む、ことを特徴とするシートベルト装置が提供される。
前記予捩れ規制手段は、前記プリテンショナ側に固定されたリング部材と、該リング部材に径方向外方に突出可能に配置されたパウル部材と、該パウル部材が径方向外方に突出した際に係止する内歯を備えたロッキング部材と、前記スプールとの間に所定荷重が生じた際に前記スプールに対して回転可能に配置されたガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記トーションバーが所定量予捩れした際に、前記パウル部材を径方向外方に突出させるように構成されていてもよい。
前記ガイド部材は、前記スプールの端面に配置される環状の本体部と、該本体部の外縁部に沿って形成された突起部と、所定荷重まで前記スプールに対する前記本体部の回転を規制する回転規制部と、を備えていてもよい。
前記リトラクタは、前記パウル部材を径方向内方に付勢するバネ部材を備え、前記ガイド部材は、前記トーションバーに予捩れが生じた際に前記パウル部材を径方向外方に移動させるように構成されていてもよい。
また、前記リトラクタは、前記パウル部材を径方向外方に付勢するバネ部材を備え、前記ガイド部材は、前記トーションバーに予捩れが生じるまで前記パウル部材の径方向外方への移動を制限するように構成されていてもよい。
前記リング部材は、前記パウル部材を収容可能な凹部と、前記パウル部材を回動可能に支持する軸部と、を備えていてもよい。
前記ガイド部材は、前記トーションバーが30〜90°の位相だけ捩れた際に前記パウル部材を前記ロッキング部材に係合させるように構成されていてもよい。
上述した本発明に係るリトラクタ及びシートベルト装置によれば、トーションバーの予捩れを所定量に規制する予捩れ規制手段を配置したことにより、予捩れ現象が生じた際における、トーションバーの捩り変形回転量を一定量に規制することができるとともに捩り変形回転量のバラツキを抑制することができ、予捩れ現象が生じた場合であってもエネルギー吸収量を安定させることができる。
本発明の第一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。 図1に示した予捩れ規制手段を示す部品展開図である。 ガイド部材の構成を示す部品展開図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、を示している。 図2に示した予捩れ規制手段の動作を示す説明図であり、(A)は初期状態、(B)はロック状態、を示している。 予捩れ規制手段の変形例を示す部品展開図である。 図5に示した予捩れ規制手段の動作を示す説明図であり、(A)は初期状態、(B)はロック状態、を示している。 本発明の第二実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。 本発明の一実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図8を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。図2は、図1に示した予捩れ規制機構を示す部品展開図である。図3は、ガイド部材の構成を示す部品展開図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、を示している。
本発明の第一実施形態に係るリトラクタ1は、図1及び図2に示したように、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプール2と、緊急時にスプール2のウェビング引出方向の回転を規制するロック機構3と、緊急時にウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナ4と、プリテンショナ4の作動後にスプール2のウェビング引出方向の回転を許容するトーションバー5と、トーションバー5の予捩れを所定量に規制する予捩れ規制手段6とを備えている。なお、図1において、ウェビングの図は省略してある。
スプール2は、ウェビングを巻き取る巻胴であり、リトラクタ1の骨格を形成するベースフレーム11内に回転可能に収容されている。ベースフレーム11は、例えば、対峙する第一端面111及び第二端面112と、これらの端面を連結する側面113と、を有している。ベースフレーム11は、側面113と対峙し第一端面111及び第二端面112に接続されるタイプレート114を備えていてもよい。
また、例えば、第一端面111側にスプリングユニット7が配置され、第二端面112側にプリテンショナ4及びロック機構3が配置される。なお、スプリングユニット7、プリテンショナ4、ロック機構3等の配置は、図示した構成に限定されるものではない。
また、ベースフレーム11の第一端面111には、スプール2の軸部を挿通する開口部111aが形成されており、ベースフレーム11の第二端面112には、ロック機構3のパウル(図示せず)と係合可能な内歯を有する開口部112aが形成されている。また、ベースフレーム11の第二端面112の内側には、プリテンショナ4の一部(例えば、リングギア41)が配置される。また、ベースフレーム11の第二端面112の外側にはロック機構3が配置され、ロック機構3はリテーナカバー31内に収容される。
リテーナカバー31には、車体の急減速や傾きを検出するビークルセンサ(図示せず)を配置する凹部31aが形成されていてもよい。ビークルセンサは、例えば、球形の質量体と、質量体の移動によって揺動されるセンサレバーと、を有している。
スプール2は、ロック機構3側から中心部に形成された略円柱形状の空洞を有し、軸心を形成するトーションバー5が挿通されている。トーションバー5は、第一端部51がスプール2の端部に接続されたロック機構3のロッキングベース32(図2参照)に接続されており、第二端部52がスプール2の空洞の底部に固定されている。
一方、スプール2は、スプリングユニット7側の端面に形成された凸部2aを介してスプリングユニット7のスプリングコアに接続されており、スプリングユニット7に格納されたゼンマイバネによりウェビングを巻き取る方向に付勢されている。なお、スプール2に巻き取り力を付与する手段は、スプリングユニット7に限定されるものではなく、電動モータ等を用いた他の手段であってもよい。
ロック機構3は、例えば、スプール2とロック機構3とを連結するロッキングベース32と、ロッキングベース32に隣接するように配置されたロックギア33と、ロックギア33を収容するリテーナカバー31と、を備えている。なお、ロック機構3は、図示した構成に限定されるものではなく、従来から存在している種々の構成のものを任意に選択して使用することができる。
ロッキングベース32は、その側面部から出没可能に配置されたパウル(図示せず)を備えている。ロック機構3の作動時には、パウルをロッキングベース32の側面部から突出させることにより、ベースフレーム11の開口部112aに形成された内歯に係合させ、ロッキングベース32のウェビング引出方向の回転を拘束する。
したがって、ロック機構3が作動した状態で、ウェビング引出方向に荷重が負荷された場合であっても、トーションバー5に閾値以上の荷重が生じるまでは、スプール2を非回転状態に保持することができる。そして、トーションバー5に閾値以上の荷重が生じた場合には、トーションバー5が捩れることによって、スプール2が相対的に回転運動を生じ、ウェビングが引き出される。
ロックギア33は、揺動可能に配置されたフライホイール(図示せず)を備えており、ウェビングが通常の引出加速度よりも早い場合には、フライホイールが揺動してリテーナカバー31に形成された内歯31bに係合する。また、ビークルセンサが作動した場合には、そのセンサレバーがロックギア33の側面に形成された外歯33aに係合する。
このように、ロックギア33は、フライホイール又はビークルセンサの作動により回転が規制される。そして、ロックギア33の回転が規制されると、ロッキングベース32とロックギア33との間に相対回転が生じ、この相対回転に伴ってパウルがロッキングベース32の側面部から突出され、ベースフレーム11の開口部112aに形成された内歯に係合する。
プリテンショナ4は、例えば、外周に係合歯を備えたリングギア41と、車両衝突時等の緊急時にリングギア41を回転させる動力伝達手段42と、リングギア41を収容するプリテンショナカバー43と、を備えている。
動力伝達手段42は、例えば、リングギア41に動力を伝達する動力伝達部材(図示せず)と、動力伝達部材をリングギア41に案内する案内部材42aと、案内部材42aの後端部に配置されたガス発生器42bと、を備えている。なお、動力伝達部材は、複数の球体により構成される質量体であってもよいし、塑性変形可能なロッド形状の樹脂部材であってもよい。
プリテンショナカバー43は、例えば、ベースフレーム11の第二端面112の内側に配置される。リングギア41は、プリテンショナカバー43内であって、案内部材42aの先端部から放出される動力伝達部材と係合可能な位置に配置される。
車両衝突時等の緊急時にはプリテンショナ4が作動し、ガス発生器42bから案内部材42a内に作動ガスが供給され、動力伝達部材が作動ガスによって押し出され、案内部材42aに沿って移動し、案内部材42aの先端部からプリテンショナカバー43内に放出される。
放出された動力伝達部材は、リングギア41を回転させながらプリテンショナカバー43に形成された壁面に沿って移動する。動力伝達部材は、最終的に、ウェビングの弛みを巻き取り終えることによって停止する。なお、動力伝達部材は、プリテンショナカバー43内に配置されたストッパ(図示せず)に衝突して停止する場合もある。
トーションバー5は、例えば、ロック機構3(ロッキングベース32)に接続される第一端部51と、スプール2に接続される第二端部52と、所定の荷重が負荷された場合に捩り変形回転する軸部53と、を備えた金属部材である。なお、スプール2には、上述した特許文献1に記載されたようなトーションバー5の捩り変形回転量の上限を制限する機構(図示せず)が配置されていてもよい。
軸部53の捩り変形荷重は、プリテンショナ4が作動して乗員をシートに拘束した後、慣性力によって乗員が前方に移動する際に生じる荷重を想定して設定される。したがって、理想的には、プリテンショナ4の作動時にはトーションバー5が捩り変形回転しない状態を保持し、プリテンショナ4の作動後のエネルギー吸収時に初めてトーションバー5が捩り変形回転することが好ましい。
しかしながら、プリテンショナ4の作動時にトーションバー5に所定の荷重が負荷されて予捩れ現象を生じることがある。かかる予捩れ現象が生じた場合、プリテンショナ4の作動後の時点で既にトーションバー5が捩れていることから、エネルギー吸収時におけるトーションバー5の捩り変形回転量が予定していた捩り変形回転量よりも少なくなってしまう。また、予捩れ現象が生じた際における捩れ変形回転量のバラツキによって、エネルギー吸収量が不安定にもなってしまう。
そこで、本実施形態に係るリトラクタ1では、予捩れ現象が生じた場合であっても、予捩れによる捩り変形回転量を一定量に規制する予捩れ規制手段6を配置している。
予捩れ規制手段6は、例えば、プリテンショナ4側に固定されたリング部材61と、リング部材61に径方向外方に突出可能に配置されたパウル部材62と、パウル部材62を径方向内方に付勢するバネ部材63と、パウル部材62が径方向外方に突出した際に係合する係合歯64aを備えたロッキング部材64と、スプール2との間に所定荷重が生じた際にスプール2に対して回転可能に配置されたガイド部材65と、を備えている。
リング部材61は、例えば、ロッキングベース32の軸部に固定される環状の部材である。ロッキングベース32にはトーションバー5の第一端部51が固定されることから、リング部材61は、ロッキングベース32を介して間接的にトーションバー5に固定されている。リング部材61は、スプール2とリングギア41との間に配置される。なお、リング部材61は、スプール2とリングギア41との間に配置されたスペーサ又はベアリングであってもよい。
リング部材61は、パウル部材62を収容可能な凹部61aと、パウル部材62を回動可能に支持する軸部61bと、を備えていてもよい。凹部61aは、例えば、リング部材61のスプール2側の面に形成された凸部によって形成される。凸部には、バネ部材63を係止可能な突起61cが形成されていてもよい。
パウル部材62は、ロッキング部材64の係合歯64aに係合可能な先端部62aと、リング部材61の軸部61bに挿通される開口部62bと、バネ部材63を係止可能な突起62cと、を備えている。パウル部材62は、例えば、リング部材61の外周に均等な間隔で二箇所に配置される。ただし、パウル部材62の個数は二つに限定されるものではなく、一つであってもよいし、三つ以上であってもよい。
バネ部材63は、例えば、パウル部材62の突起62cに係止される第一端部63aと、リング部材61に形成された突起61cに係止される第二端部63bと、パウル部材62を回動可能に支持する軸部61bに係止されるコイル部63cと、を備えている。バネ部材63は、パウル部材62の先端部62aをリング部材61の径方向内方に付勢するように配置されている。
ロッキング部材64は、リング部材61の外周を囲うように配置される環状の部材である。ロッキング部材64の内縁には、パウル部材62の先端部62aが係合したときにトーションバー5の予捩れ方向の回転を規制する係合歯64aが形成されている。ロッキング部材64は、例えば、プリテンショナカバー43にピンやリベット等の締結具によって固定される。
ガイド部材65は、例えば、スプール2の端面に配置される環状の本体部65aと、本体部65aの外縁部に沿って形成された一対の突起部65bと、所定荷重までスプール2に対する本体部65aの回転を規制する回転規制部65cと、を備えている。図3(A)に示したように、スプール2の端面には、外周に沿って形成された壁部21によって、ガイド部材65を配置する凹部22が形成されている。
回転規制部65cは、例えば、本体部65aの外周に形成された弾性変形可能又は塑性変形可能な複数の凸部によって構成される。かかる回転規制部65cを変形させながら凹部22にガイド部材65を押し込むことによって、所定の荷重が負荷されるまでガイド部材65のスプール2に対する相対回転を規制することができる。
また、回転規制部65cは、図3(B)に示したように、スプール2の端面に形成された穴23に挿入可能なピンによって構成してもよい。かかる構成により、所定の荷重が負荷されるまでガイド部材65のスプール2に対する相対回転を規制することができ、所定の荷重が負荷されたときにはピンを破断又は変形させることにより、ガイド部材65をスプール2に対して相対回転させることができる。
突起部65bは、トーションバー5に予捩れが生じて所定量だけ捩れた際に、パウル部材62の先端部62aに接触するように構成されている。突起部65bは、パウル部材62と対になるように配置される。したがって、ガイド部材65は、トーションバー5がウェビング引出方向に所定量捩れた際に、パウル部材62を径方向外方に突出させるように構成されている。
次に、予捩れ規制手段6の動作について、図4(A)及び図4(B)を参照しつつ説明する。ここで、図4は、図2に示した予捩れ規制手段の動作を示す説明図であり、(A)は初期状態、(B)はロック状態、を示している。なお、各図において、説明の便宜上、リング部材61及びロッキング部材64は薄灰色で着色し、パウル部材62及びバネ部材63は濃灰色で着色し、ガイド部材65は突起部65bの断面のみを図示してある。
また、図4(A)に示した初期状態における突起部65bの先端とパウル部材62の回動軸を形成する軸部61bの中心とのなす角度を位相θとする。また、図4(B)に示したロック状態における突起部65bの先端とパウル部材62の回動軸を形成する軸部61bの中心とのなす角度を位相αとする。
図4(A)に示したように、トーションバー5に予捩れが生じていない初期状態では、パウル部材62はバネ部材63によってリング部材61の径方向内方に付勢されている。したがって、この状態でリング部材61がロッキング部材64に対して相対回転してもパウル部材62がロッキング部材64に係合することはなく、スプール2は自由に回転することができる。
また、パウル部材62は、ガイド部材65(突起部65b)に対してトーションバー5の捩れ方向と反対方向(図の時計回り方向)に位相θだけずれた位置に配置される。この初期状態の位相θは、例えば、約30〜90°の範囲内に設定される。トーションバー5に予捩れが生じていない状態では、パウル部材62とガイド部材65(突起部65b)との位置関係(位相θ)はこの初期状態のまま保持される。
プリテンショナ4の作動時にトーションバー5に予捩れが生じた場合、ガイド部材65(突起部65b)はスプール2と同期した動きをするのに対して、リング部材61は相対的に反対方向に回転することになる。したがって、リング部材61に配置されたパウル部材62はガイド部材65の突起部65bに接近することとなる。
そして、リング部材61がガイド部材65に対して位相(θ−α)だけ相対回転すると、図4(B)に示したように、パウル部材62はガイド部材65の突起部65bに接触し、パウル部材62の先端部62aが軸部61bを中心に回動し、パウル部材62の先端部62aがリング部材61の径方向外方に移動することとなる。
パウル部材62の先端部62aが所定量だけ径方向外方に移動すると、パウル部材62の先端部62aがロッキング部材64の係合歯64aに接触し、パウル部材62の胴部がリング部材61の凹部61aを形成する凸部に接触し、パウル部材62の回動がロックされた状態となり、パウル部材62の先端部62aが係合歯64aに係合する。すなわち、ガイド部材65は、トーションバー5が位相(θ−α)だけ捩れた際にパウル部材62がロッキング部材64に係止するように構成されている。
このように、パウル部材62がロッキング部材64に係合するとトーションバー5の予捩れが規制され、位相(θ−α)以上の捩り変形回転が抑制される。したがって、予捩れ現象が生じた際におけるトーションバー5の捩り変形回転量を一定量に規制することができ、エネルギー吸収時におけるトーションバー5の捩り変形量を常に一定量確保することができる。その結果、トーションバー5の捩れ変形回転量のバラツキを抑制することができ、予捩れ現象が生じた場合であってもエネルギー吸収量を安定させることができる。
なお、プリテンショナ4の作動後、乗員の上体が前方に移動する際にはウェビングを引き出して乗員に負荷されるエネルギーを吸収する必要がある。このエネルギー吸収時には、スプール2に所定の荷重が負荷されることから、ガイド部材65の回転規制部65cがガイド部材65のスプール2に対する相対回転を許容し、トーションバー5が捩り変形回転することとなる。
次に、予捩れ規制手段6の変形例について、図5〜図6(B)を参照しつつ説明する。ここで、図5は、予捩れ規制手段の変形例を示す部品展開図である。図6は、図5に示した予捩れ規制手段の動作を示す説明図であり、(A)は初期状態、(B)はロック状態、を示している。
図5〜図6(B)に示した予捩れ規制手段6は、パウル部材62を径方向外方に付勢するバネ部材63と、トーションバー5に予捩れが生じるまでパウル部材62の径方向外方への移動を制限するガイド部材65と、を備えたものである。
図示した変形例では、一つのパウル部材62を配置しているが、パウル部材62を複数配置するようにしてもよい。また、パウル部材62の先端部62aは、二つの係合歯64aに係合する形状に構成されているが、一つの係合歯64aに係合する形状であってもよい。なお、図2に示したパウル部材62を図5に示したパウル部材62に変更してもよいし、図5に示したパウル部材62を図2に示したパウル部材62に変更してもよい。
バネ部材63は、例えば、パウル部材62の先端部62aに係止される第一端部63aと、リング部材61に形成された突起61cに係止される第二端部63bと、パウル部材62を回動可能に支持する軸部61bに係止されるコイル部63cと、を備えている。
ガイド部材65は、例えば、スプール2の端面に配置される環状の本体部65aと、所定荷重までスプール2に対する本体部65aの回転を規制する回転規制部65cと、本体部65aの外縁部に沿って形成された壁部65dと、を備えている。
壁部65dは、トーションバー5に予捩れが生じるまでパウル部材62の径方向外方への移動を規制し、トーションバー5に予捩れが生じて所定量だけ捩れた際に、パウル部材62の径方向外方への移動を許容するように構成されている。
ここで、図6(A)に示した初期状態における壁部65dの先端とパウル部材62の回動軸を形成する軸部61bの中心とのなす角度を位相θとする。また、図6(B)に示したロック状態における壁部65dの先端とパウル部材62の回動軸を形成する軸部61bの中心とのなす角度を位相βとする。
図6(A)に示したように、トーションバー5に予捩れが生じていない初期状態では、パウル部材62はガイド部材65の壁部65dによってリング部材61の径方向外方への移動が規制されている。したがって、この状態でリング部材61がロッキング部材64に対して相対回転してもパウル部材62がロッキング部材64に係合することはなく、スプール2は自由に回転することができる。
プリテンショナ4の作動時にトーションバー5に予捩れが生じた場合、ガイド部材65(壁部65d)はスプール2と同期した動きをするのに対して、リング部材61は相対的に反対方向に回転することになる。したがって、リング部材61に配置されたパウル部材62はガイド部材65の壁部65dの先端に接近する方向に移動することとなる。
そして、リング部材61がガイド部材65に対して位相(θ−β)だけ相対回転すると、図6(B)に示したように、パウル部材62の先端部62aはガイド部材65の壁部65dから開放され、パウル部材62の先端部62aが軸部61bを中心に回動し、パウル部材62の先端部62aがリング部材61の径方向外方に移動して、ロッキング部材64の係合歯64aに係合することとなる。したがって、かかる変形例は、図2に示した予捩れ規制手段6と同様の効果を有する。
次に、本発明の第二実施形態に係るリトラクタ1について、図7を参照しつつ説明する。ここで、図7は、本発明の第二実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。なお、上述した第一実施形態に係るリトラクタ1と実質的に同じ構成部品については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第二実施形態に係るリトラクタ1は、プリテンショナ4をベースフレーム11の外側に配置したものである。ベースフレーム11は、第一端面111、第二端面112及び側面113を有し、側面113の外面にプリテンショナ4が配置される。なお、第一端面111と第二端面112とを連結するタイプレートの図は省略してある。スプール2の付勢力を付与するスプリングユニット(図示せず)は、タイプレートの側に配置される。
かかる型式のリトラクタでは、予捩れ規制手段6を構成するロッキング部材64は、ベースフレーム11の側面113の内面に固定される。また、予捩れ規制手段6を構成するリング部材61は、ロック機構3のロッキングベース32によって構成される。このように、予捩れ規制手段6は、プリテンショナ4をベースフレーム11の外側に配置したリトラクタ1にも配置することができる。
次に、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置100について、図8を参照しつつ説明する。ここで、図8は、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。なお、図8において、説明の便宜上、シートベルト装置以外の構成部品については、一点鎖線で図示している。
図8に示したシートベルト装置100は、例えば、乗員を拘束するウェビングWと、ウェビングWの巻き取りを行うリトラクタ1と、車体側に設けられウェビングWを案内するガイドアンカー101と、ウェビングWを車体側に固定するベルトアンカー102と、シートSの側面に配置されたバックル103と、ウェビングWに配置されたトング104と、を備え、リトラクタ1は、例えば、図1に示した構成を有している。
以下、リトラクタ1以外の構成部品について、簡単に説明する。シートSは、例えば、乗員が着座する腰掛部S1と、乗員の背面に位置する背もたれ部S2と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト部S3とを備えている。リトラクタ1は、例えば、車体のBピラーPに内蔵される。また、一般に、バックル103は腰掛部S1の側面に配置されることが多く、ベルトアンカー102は腰掛部S1の下面に配置されることが多い。また、ガイドアンカー101は、BピラーPに配置されることが多い。そして、ウェビングWは、一端がベルトアンカー102に接続され、他端がガイドアンカー101を介してリトラクタ1に接続されている。
したがって、トング104をバックル103に嵌着させる場合、ウェビングWはガイドアンカー101の挿通孔を摺動しながらリトラクタ1から引き出されることとなる。また、乗員がシートベルトを装着した場合や降車時にシートベルトを解除した場合には、リトラクタ1のスプリングユニット7の作用により、ウェビングWは一定の負荷がかかるまで巻き取られる。
上述したシートベルト装置100は、前部座席における通常のシートベルト装置に、上述した実施形態に係るリトラクタ1を適用したものである。したがって、本実施形態に係るシートベルト装置100によれば、トーションバー5の予捩れ現象が生じた際における、トーションバー5の捩り変形回転量を一定量に規制することができるとともに捩り変形回転量のバラツキを抑制することができ、予捩れ現象が生じた場合であってもエネルギー吸収量を安定させることができる。
なお、本実施形態に係るシートベルト装置100は、前部座席への適用に限定されるものではなく、例えば、ガイドアンカー101を省略して後部座席にも容易に適用することができる。また、本実施形態に係るシートベルト装置100は、車両以外の乗物にも使用することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 リトラクタ
2 スプール
2a 凸部
3 ロック機構
4 プリテンショナ
5 トーションバー
6 予捩れ規制手段
7 スプリングユニット
11 ベースフレーム
21 壁部
22 凹部
23 穴
31 リテーナカバー
31a 凹部
31b 内歯
32 ロッキングベース
33 ロックギア
33a 外歯
41 リングギア
42 動力伝達手段
42a 案内部材
42b ガス発生器
43 プリテンショナカバー
51 第一端部
52 第二端部
53 軸部
61 リング部材
61a 凹部
61b 軸部
61c 突起
62 パウル部材
62a 先端部
62b 開口部
62c 突起
63 バネ部材
63a 第一端部
63b 第二端部
63c コイル部
64 ロッキング部材
64a 係合歯
65 ガイド部材
65a 本体部
65b 突起部
65c 回転規制部
65d 壁部
100 シートベルト装置
101 ガイドアンカー
102 ベルトアンカー
103 バックル
104 トング
111 第一端面
111a 開口部
112 第二端面
112a 開口部
113 側面
114 タイプレート

Claims (8)

  1. 乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールと、緊急時に前記スプールのウェビング引出方向の回転を規制するロック機構と、緊急時に前記ウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナと、該プリテンショナの作動後に前記スプールのウェビング引出方向の回転を許容するトーションバーと、を含むリトラクタにおいて、
    前記トーションバーの予捩れを所定量に規制する予捩れ規制手段を備える、
    ことを特徴とするリトラクタ。
  2. 前記予捩れ規制手段は、前記プリテンショナ側に固定されたリング部材と、該リング部材に径方向外方に突出可能に配置されたパウル部材と、該パウル部材が径方向外方に突出した際に係止する内歯を備えたロッキング部材と、前記スプールとの間に所定荷重が生じた際に前記スプールに対して回転可能に配置されたガイド部材と、を備え、前記ガイド部材は、前記トーションバーが所定量予捩れした際に、前記パウル部材を径方向外方に突出させるように構成されている、請求項1に記載のリトラクタ。
  3. 前記ガイド部材は、前記スプールの端面に配置される環状の本体部と、該本体部の外縁部に沿って形成された突起部と、所定荷重まで前記スプールに対する前記本体部の回転を規制する回転規制部と、を備える請求項2に記載のリトラクタ。
  4. 前記パウル部材を径方向内方に付勢するバネ部材を備え、前記ガイド部材は、前記トーションバーに所定量予捩れが生じた際に前記パウル部材を径方向外方に移動させるように構成されている、請求項2に記載のリトラクタ。
  5. 前記パウル部材を径方向外方に付勢するバネ部材を備え、前記ガイド部材は、前記トーションバーに所定量予捩れが生じるまで前記パウル部材の径方向外方への移動を制限するように構成されている、請求項2に記載のリトラクタ。
  6. 前記リング部材は、前記パウル部材を収容可能な凹部と、前記パウル部材を回動可能に支持する軸部と、を備える請求項2に記載のリトラクタ。
  7. 前記ガイド部材は、前記トーションバーが30〜90°の位相だけ捩れた際に前記パウル部材を前記ロッキング部材に係合させるように構成されている、請求項2に記載のリトラクタ。
  8. 乗員をシートに拘束するシートベルト装置において、請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のリトラクタを含む、ことを特徴とするシートベルト装置。
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