JP2020175617A - 液体噴射装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体噴射ヘッドにおける液体のメニスカスが、媒体を搬送する搬送ベルトの帯電に影響される状態でも、微振動により液体を適切に攪拌する制御部を提供する。【解決手段】液体を噴射するノズルと、ノズルに連通する圧力室と、圧力室内の圧力を変動させる圧電素子と、媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、搬送ベルトを帯電させる帯電部と、ノズルから液体を噴射させずに圧力室内の液体に微振動を発生させる微振動パルスを圧電素子に供給する駆動回路41と、湿度を検出する湿度センサー54とを具備し、湿度センサーが検出する湿度に応じて微振動パルスが変更する微駆動調性部63Dを有する液体噴射装置。【選択図】図11
Description
本発明は、液体噴射装置およびその制御方法に関する。
印刷用紙等の媒体にインク等の液体を噴射する液体噴射装置が従来から提案されている。例えば特許文献1には、媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、搬送ベルトを帯電させる帯電部とを具備する液体噴射装置が開示されている。搬送ベルトを帯電部が帯電させることで、媒体は搬送ベルトに吸着される。また、特許文献1の技術では、液体が噴射されない程度の微小な振動(以下「微振動」という)を液体に発生させることで、液体の増粘が抑制される。
特許文献1の技術のもとでは、搬送ベルトの帯電が液体のメニスカスに影響する。例えば、搬送ベルトの帯電によって液体のメニスカスが搬送ベルトに向けて引寄せられる。したがって、搬送ベルトが帯電しない状態と比較して、微振動による液体の攪拌が抑制される可能性がある。
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係る液体噴射装置は、液体を噴射するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室内の圧力を変動させる圧電素子と、媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトを帯電させる帯電部と、前記ノズルから液体を噴射させずに前記圧力室内の液体に微振動を発生させる微振動パルスを前記圧電素子に供給する駆動回路と、湿度を検出する湿度センサーとを具備し、前記湿度センサーが検出する湿度に応じて前記微振動パルスが異なる。
以上の課題を解決するために、本発明のひとつの態様に係る液体噴射装置の制御方法は、液体を噴射するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室内の圧力を変動させる圧電素子と、媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトを帯電させる帯電部と、前記ノズルから液体を噴射させずに前記圧力室内の液体に微振動を発生させる微振動パルスを前記圧電素子に供給する駆動回路と、を具備する液体噴射装置の制御方法であって、湿度を検出し、前記検出した湿度に応じて前記微振動パルスを制御する。
A:第1実施形態
図1および図2に図示される通り、以下の説明では、相互に直交するX軸とY軸とZ軸とを想定する。任意の地点からみてY軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向の反対の方向をY2方向と表記する。X軸とY軸とを含むX-Y平面は水平面に相当する。Z軸は、鉛直方向に沿う軸線である。Z軸の方向から対象を観測することを、以下では「平面視」と表記する。
図1および図2に図示される通り、以下の説明では、相互に直交するX軸とY軸とZ軸とを想定する。任意の地点からみてY軸に沿う一方向をY1方向と表記し、Y1方向の反対の方向をY2方向と表記する。X軸とY軸とを含むX-Y平面は水平面に相当する。Z軸は、鉛直方向に沿う軸線である。Z軸の方向から対象を観測することを、以下では「平面視」と表記する。
図1は、第1実施形態に係る液体噴射装置100Aの部分的な構成図である。第1実施形態の液体噴射装置100Aは、液体の一例であるインクの液滴を媒体11に対して噴射するインクジェット方式の印刷装置である。媒体11は、例えば印刷用紙である。ただし、例えば樹脂フィルムまたは布帛等の任意の材質の印刷対象が媒体11として利用される。液体噴射装置100Aには液体容器12が設置される。液体容器12はインクを貯留する。例えば、液体噴射装置100Aに着脱可能なカートリッジ、可撓性のフィルムで形成された袋状のインクパック、または、インクを補充可能なインクタンクが、液体容器12として利用される。なお、液体容器12に貯留されるインクの種類数は任意である。
図1に例示される通り、液体噴射装置100Aは、制御ユニット20と搬送機構30と液体噴射ヘッド40とを具備する。制御ユニット20は、液体噴射装置100Aの各要素を制御する。制御ユニット20は、例えば制御装置21と記憶装置22とを具備する。制御装置21は、各種の演算および制御を実行する単数または複数のプロセッサーである。具体的には、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等の1種類以上のプロセッサーにより、制御装置21が構成される。
記憶装置22は、制御装置21が実行するプログラムと制御装置21が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリーである。例えば半導体記録媒体および磁気記録媒体等の公知の記録媒体、または複数種の記録媒体の組合せが、記憶装置22として任意に採用される。
図2は、液体噴射装置100AをX軸の方向からみた側面図である。搬送機構30は、制御ユニット20による制御のもとで媒体11をY軸に沿って搬送する。図1および図2に例示される通り、第1実施形態の搬送機構30は、供給機構31と排出機構32と支持機構33と帯電部34と第1除電装置35と第2除電装置36とを具備する。
供給機構31は、第1供給ローラー311と第2供給ローラー312とを含み、支持機構33に媒体11を供給する。第1供給ローラー311および第2供給ローラー312の回転軸はX軸に平行である。第1供給ローラー311および第2供給ローラー312の一方または双方の回転により、媒体11は、両者間を通過してY1方向に搬送される。支持機構33は、媒体11を支持する機構である。供給機構31は支持機構33に対してY2方向に位置し、排出機構32は支持機構33に対してY1方向に位置する。
排出機構32は、第1排出ローラー321と第2排出ローラー322とを含み、液体噴射装置100Aから媒体11を排出する。第1排出ローラー321および第2排出ローラー322の回転軸はX軸に平行である。第1排出ローラー321および第2排出ローラー322の一方または双方の回転により、媒体11は、両者間を通過してY1方向に搬送される。
支持機構33は、第1搬送ローラー331と第2搬送ローラー332と搬送ベルト334とを具備する。第1搬送ローラー331および第2搬送ローラー332の回転軸はX軸に平行である。第1搬送ローラー331と第2搬送ローラー332とはY軸の方向に間隔をあけて設置される。搬送ベルト334は、第1搬送ローラー331と第2搬送ローラー332とに巻掛けられた無端状のベルトである。したがって、X軸の方向は、搬送ベルト334の幅方向に相当する。搬送ベルト334は、例えばゴム等の弾性材料により、X軸の方向における媒体11の全範囲にわたる横幅に形成される。第1搬送ローラー331および第2搬送ローラー332の一方または双方の回転により搬送ベルト334が回転する。媒体11は、搬送ベルト334の外周面に接触した状態でY1方向に搬送される。
帯電部34は、搬送ベルト334を帯電させる。第1実施形態の帯電部34は、帯電ローラー341と電源装置342とを具備する。帯電ローラー341の回転軸はX軸に平行である。帯電ローラー341は搬送ベルト334の外周面に接触する。電源装置342は帯電ローラー341に電圧を印加する。なお、帯電部34による搬送ベルト334の帯電は、直流帯電および交流帯電の何れでもよい。
帯電ローラー341が搬送ベルト334に従動することで、帯電ローラー341から搬送ベルト334に正電荷が供給される。したがって、搬送ベルト334の外周面は正極性に帯電する。帯電状態の搬送ベルト334に載置される媒体11に誘電分極が発生することで、搬送ベルト334と媒体11との間には静電力が作用する。すなわち、搬送ベルト334の外周面に媒体11が静電吸着される。
第1除電装置35は、Y軸の方向において帯電部34と液体噴射ヘッド40との間に設置される。第1除電装置35は、搬送ベルト334に向けて突出するブラシ351を含む除電部352と、搬送ベルト334または媒体11に対する除電部352の接触圧を調整する稼働部353とを具備する。ブラシ351は、媒体11から電荷を除去できる材料、例えば導電性ナイロン等の樹脂材料で形成された糸束である。
稼働部353は、例えばソレノイド等の駆動機構を具備し、当該駆動機構により除電部352を移動させる。具体的には、稼働部353は、図2に矢印で図示される通り、除電部352をZ軸に沿って移動させることで、搬送ベルト334または媒体11に対する除電部352の接触圧を調整する。媒体11を除電する必要がある場合、稼働部353は、搬送ベルト334の外周面が撓む程度の接触圧で除電部352を搬送ベルト334に接触させる。他方、媒体11を除電する必要がない場合、稼働部353は、搬送ベルト334から離間した位置に除電部352を退避させる。
第1除電装置35は、媒体11の表面に付着した紙粉をブラシ91により除去することで、当該紙粉がノズルNに付着することに起因した印字不良を抑制するために設置される。また、搬送ベルト334の外周面に静電吸着されていない媒体11の表面の電荷を第1除電装置35により除去することで、静電吸着力を向上させることが可能である。なお、第1除電装置35では、媒体11または搬送ベルト334の電荷を完全には除去できない。なお、搬送ベルト334の帯電に交流帯電を採用する構成では、第1除電装置35を省略してもよい。
第2除電装置36は、搬送ベルト334において媒体11に対する対向面とは反対の外周面に接触することで搬送ベルト334の電荷を除去する。なお、搬送ベルト334の帯電に交流帯電を採用する構成では、第2除電装置36を省略してもよい。
液体噴射ヘッド40は、液体容器12から供給されるインクを制御ユニット20による制御のもとで複数のノズルNから媒体11に噴射する。図1に例示される通り、第1実施形態の液体噴射ヘッド40は、X軸の方向に長尺なラインヘッドである。複数のノズルNは、X軸の方向における媒体11の全範囲にわたり分布する。搬送機構30による媒体11の搬送に並行して液体噴射ヘッド40が媒体11にインクを噴射することで、媒体11の表面には画像が形成される。
図2に例示される通り、液体噴射ヘッド40は、複数のノズルNと複数の圧力室Cと複数の駆動素子Eとを具備する。複数のノズルNは、液体噴射ヘッド40における搬送ベルト334との対向面に設置される。すなわち、媒体11は、液体噴射ヘッド40と搬送ベルト334との間においてY1方向に搬送される。
圧力室Cおよび駆動素子EはノズルN毎に形成される。圧力室Cは、ノズルNに連通する空間である。液体容器12から供給されるインクが液体噴射ヘッド40の複数の圧力室Cに充填される。駆動素子Eは、圧力室C内のインクの圧力を変動させる。例えば圧力室Cの壁面を変形させることで当該圧力室Cの容積を変化させる圧電素子、または、圧力室C内のインクの加熱により圧力室C内に気泡を発生させる発熱素子が、駆動素子Eとして利用される。駆動素子Eが圧力室C内のインクの圧力を変動させることで、当該圧力室C内のインクがノズルNから噴射される。第1実施形態では、各ノズルN内のインクが負極性に帯電する場合を想定する。
図1に例示される通り、制御ユニット20は、制御信号Sと駆動信号Dとを含む複数の信号を液体噴射ヘッド40に供給する。制御信号Sは、複数の駆動素子Eの各々についてインクの噴射の有無を所定長の期間(以下「単位期間」という)T毎に指示する信号である。駆動信号Dは、単位期間Tを周期として変動する電圧信号である。
図3は、駆動信号Dの波形図である。図3に例示される通り、第1実施形態の駆動信号Dは、噴射パルスPaと微振動パルスPbとを単位期間T毎に含む。噴射パルスPaは、ノズルNからインクが噴射されるように駆動素子Eを駆動するパルスである。すなわち、噴射パルスPaの供給により駆動素子Eを動作させることで、当該駆動素子Eに対応するノズルNからインクが噴射される。
微振動パルスPbは、ノズルNからインクを噴射させずに圧力室C内のインクに微振動を発生させるパルスである。すなわち、微振動パルスPbの供給により駆動素子Eを動作させることで、当該駆動素子Eに対応する圧力室C内のインクに微振動が発生する。微振動パルスPbは、ノズルN内のインクのメニスカスを振動させる波形とも換言される。圧力室C内に発生する微振動の強度は、微振動パルスPbの振幅Aに依存する。具体的には、振幅Aが大きいほど微振動の強度は増加する。振幅Aは、微振動パルスPbにおける電圧の変動幅である。
第1実施形態の液体噴射装置100Aにおいては、複数のノズルNが搬送ベルト334に対向する。前述の通り各ノズルN内のインクは負極性に帯電するから、帯電状態の搬送ベルト334が複数のノズルNに対向する状態(以下「第1状態」という)では、搬送ベルト334の帯電がノズルN内のインクのメニスカスに影響する。具体的には帯電状態の搬送ベルト334に向けてメニスカスが引寄せられる。
搬送ベルト334の帯電量は、湿度等の環境条件に応じて変動する。したがって、微振動の強度が一定に維持される構成では、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動による攪拌の度合が変動し、微振動によりインクが充分に攪拌されない可能性がある。以上の事情を考慮して、第1実施形態では、各圧力室C内のインクに付与される微振動の強度を搬送ベルト334の帯電量に応じて制御する。
図4は、制御ユニット20が微振動の強度を制御するための機能的な構成を例示するブロック図である。図4に例示される通り、第1実施形態の液体噴射装置100Aは、駆動回路41と振動検出回路51とを具備する。駆動回路41は、液体噴射ヘッド40に搭載される。ただし、駆動回路41を液体噴射ヘッド40の外部に設置してもよい。
駆動回路41は、制御ユニット20による制御のもとで複数の駆動素子Eの各々を駆動する。第1実施形態の駆動回路41は、駆動信号Dの噴射パルスPaまたは微振動パルスPbを複数の駆動素子Eの各々に対して単位期間T毎に供給する。具体的には、駆動回路41は、制御信号Sによりインクの噴射が指示された駆動素子Eには噴射パルスPaを供給し、制御信号Sによりインクの非噴射が指示された駆動素子Eには微振動パルスPbを供給する。
振動検出回路51は、複数の圧力室Cのうち特定の圧力室C内における残留振動を検出する。残留振動は、駆動素子Eに対する噴射パルスPaの供給後に圧力室C内のインクに残留する圧力の変動である。振動検出回路51は、例えば圧力室C内の残留振動が駆動素子Eに伝播することで当該駆動素子Eに発生する起電力を、残留振動の波形を表す電圧信号として検出する。第1状態では、搬送ベルト334の帯電量が大きいほどノズルN内のインクは搬送ベルト334に引寄せられ、結果的に残留振動が抑制されるという傾向がある。すなわち、残留振動の振幅は、搬送ベルト334の帯電量に依存する。したがって、残留振動の振幅は、搬送ベルト334の帯電量を間接的に表す指標として利用できる。
図4に例示される通り、制御ユニット20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで、図4の制御部60Aとして機能する。制御部60Aは、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動パルスPbを制御する。すなわち、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動パルスPbが変化する。図4に例示される通り、第1実施形態の制御部60Aは、第1データ取得部61Aと第2データ取得部62Aと微振動調整部63Aと駆動信号生成部64とを具備する。なお、制御部60Aの機能の一部または全部を制御装置21以外の専用の電子回路で実現してもよい。また、相互に別体で構成された複数の装置により制御部60Aの機能を実現してもよい。
第1データ取得部61Aは、第1状態におけるノズルNのメニスカスに関する第1データM1を取得する。具体的には、第1データM1は、搬送ベルト334の帯電量に依存するメニスカスの状態に関するデータである。前述の通り、残留振動の特性は搬送ベルト334の帯電量に依存する。以上の関係を考慮して、第1実施形態の第1データ取得部61Aは、第1状態において振動検出回路51が検出する残留振動の特性を表す第1データM1を取得する。具体的には、第1データM1は、第1状態における残留振動の振幅を表す。例えば、複数の圧力室Cのうち特定の圧力室Cについて振動検出回路51が検出した残留振動の振幅が、第1データM1により表現される。搬送ベルト334の帯電量が大きいほど、第1データM1が表す残留振動の振幅は小さいという傾向がある。以上の説明から理解される通り、第1データM1は、搬送ベルト334の帯電量を間接的に表すデータとも換言される。
第2データ取得部62Aは、帯電状態の搬送ベルト334と複数のノズルNとが対向しない状態(以下「第2状態」という)におけるノズルNのメニスカスに関する第2データM2を取得する。第2状態は、搬送ベルト334が帯電していない状態である。具体的には、帯電部34が動作しない状態が第2状態に相当する。第2データM2は、第1データM1が表すメニスカスの状態に対して基準となる参照データである。
第1実施形態の第2データ取得部62Aは、第2状態において振動検出回路51が検出する残留振動の特性を表す第2データM2を取得する。具体的には、第2データM2は、第2状態における残留振動の振幅を表す。例えば、複数の圧力室Cのうち特定の圧力室Cについて振動検出回路51が検出した残留振動の振幅が、第2データM2により表現される。
駆動信号生成部64は、噴射パルスPaと微振動パルスPbとを単位期間T毎に含む駆動信号Dを生成する。駆動信号生成部64が生成した駆動信号Dが、別途に生成された制御信号Sとともに駆動回路41に供給される。
微振動調整部63Aは、駆動信号生成部64が生成する駆動信号Dの微振動パルスPbを制御する。具体的には、第1実施形態の微振動調整部63Aは、微振動パルスPbの振幅Aを変更可能である。前述の通り、圧力室C内に発生する微振動の強度は微振動パルスPbの振幅Aに依存するから、微振動調整部63Aは、圧力室C内に発生する微振動の強度を制御する要素とも換言される。
第1実施形態の微振動調整部63Aは、第1データ取得部61Aが取得した第1データM1と第2データ取得部62Aが取得した第2データM2とに応じて微振動パルスPbを制御する。具体的には、微振動調整部63Aは、第1データM1と第2データM2とを比較した結果に応じて微振動パルスPbの振幅Aを制御する。
第1データM1が表す残留振動の振幅と、第2データM2が表す残留振動の振幅との差分δに着目する。搬送ベルト334の帯電量が大きいほど差分δが大きいという傾向がある。以上の傾向を考慮して、第1実施形態の微振動調整部63Aは、第1データM1と第2データM2との間の差分δが大きいほど、微振動パルスPbの振幅Aを増加させることで微振動の強度を上昇させる。図5には、差分δと微振動パルスPbの振幅Aとの関係が例示されている。図5に例示される通り、差分δがとり得る第1値δ1と第2値δ2とに着目する。第1値δ1は第2値δ2を上回る(δ1>δ2)。図5から理解される通り、差分δが第1値δ1である場合の微振動パルスPbの振幅A1は、差分δが第2値δ2である場合の微振動パルスPbの振幅A2を上回る(A1>A2)。
図6は、制御部60Aが微振動の強度を調整する処理(以下「調整処理」という)の具体的な手順を例示するフローチャートである。例えば、媒体11に画像を形成する動作(以下「噴射動作」という)を開始する直前に図6の調整処理が実行される。
調整処理を開始すると、第1データ取得部61Aは、以下の手順により第1データM1を取得する(Sa1)。まず、第1データ取得部61Aは、搬送ベルト334を回転させる(Sa11)。また、第1データ取得部61Aは、帯電部34を動作させる(Sa12)。すなわち、帯電状態の搬送ベルト334が複数のノズルNに対向する第1状態に移行する。以上の説明から理解される通り、第1状態は、搬送ベルト334が回転している状態とも換言される。なお、調整処理の実行中は、供給機構31は媒体11を搬送しない。したがって、搬送ベルト334は媒体11を支持しない状態で回転する。なお、搬送ベルト334の回転の開始(Sa11)と帯電部34の動作の開始(Sa12)との順序を逆転してもよい。また、搬送ベルト334の回転(Sa11)と帯電部34の動作(Sa12)とを同時に開始してもよい。
第1データ取得部61Aは、第1状態におけるメニスカスの状態に関する第1データM1を取得する(Sa13)。具体的には、第1データ取得部61Aは、駆動回路41を制御することで駆動素子Eに噴射パルスPaを供給する。第1データ取得部61Aは、噴射パルスPaの供給後に振動検出回路51が検出した残留振動を解析することで、当該残留振動の振幅を表す第1データM1を生成する。
第2データ取得部62Aは、以下の手順により第2データM2を取得する(Sa2)。まず、第2データ取得部62Aは、搬送ベルト334の回転を停止させる(Sa21)。また、第2データ取得部62Aは、帯電部34の動作を停止させる(Sa22)。すなわち、帯電状態の搬送ベルト334が複数のノズルNに対向しない第2状態に移行する。以上の説明から理解される通り、第2状態は、搬送ベルト334が回転していない状態とも換言される。なお、搬送ベルト334の回転の停止(Sa21)と帯電部34の動作の停止(Sa22)との順序を逆転してもよい。また、搬送ベルト334の回転(Sa21)と帯電部34の動作(Sa22)とを同時に停止してもよい。
第2データ取得部62Aは、以上に説明した第2状態におけるメニスカスの状態に関する第2データM2を取得する(Sa23)。具体的には、第2データ取得部62Aは、駆動回路41を制御することで駆動素子Eに噴射パルスPaを供給する。第2データ取得部62Aは、噴射パルスPaの供給後に振動検出回路51が検出した残留振動を解析することで、当該残留振動の振幅を表す第2データM2を生成する。なお、以上の説明では、第1データM1の取得(Sa1)後に第2データM2を取得したが(Sa2)、第2データM2の取得(Sa2)後に第1データM1を取得してもよい(Sa1)。
微振動調整部63Aは、第1データM1と第2データM2とを比較した結果に応じて微振動パルスPbを設定する(Sa3)。具体的には、微振動調整部63Aは、第1データM1および第2データM2から差分δを算定し、当該差分δに応じた微振動パルスPbの振幅Aを設定する。以上に例示した調整処理の実行後の噴射動作において、駆動信号生成部64は、微振動調整部63Aが設定した振幅Aの微振動パルスPbを含む駆動信号Dを生成する。
以上に説明した通り、第1実施形態では、第1状態におけるメニスカスの状態に関する第1データM1に応じて微振動パルスPbが制御されるから、メニスカスの状態が搬送ベルト334の帯電に影響される状態でも、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できる。第1実施形態では特に、搬送ベルト334の帯電がメニスカスに影響する第1状態における第1データM1と、搬送ベルト334の帯電がメニスカスに影響しない第2状態における第2データM2と、を比較した結果に応じて微振動パルスPbが制御される。したがって、圧力室C内のインクを微振動により充分に攪拌できる。
また、第1実施形態では、圧力室C内の残留振動の特性を表す第1データM1に応じて微振動パルスPbが制御される。したがって、搬送ベルト334の帯電量を直接的に検出するための構成を必要とせずに、搬送ベルト334の帯電量に応じて圧力室C内のインクを適切に攪拌できる。
なお、搬送ベルト334に想定される帯電量が最大である場合でも確実にインクが攪拌されるように、微振動パルスPbの振幅Aを充分に大きい数値に設定することも考えられる。しかし、微振動の強度が過度に大きい場合には、メニスカスが破損する可能性、または、増粘の低減という微振動の本来の目的に反してインクの増粘が進行する可能性がある。第1実施形態によれば、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動の強度が調整されるから、微振動が過剰に付与される可能性が低減される。したがって、メニスカスの破損またはインクの増粘の進行を抑制できるという利点がある。
なお、第1実施形態では、1個の圧力室C内の残留振動に応じて微振動パルスPbを制御したが、微振動パルスPbの制御に加味される圧力室Cの個数は任意である。例えば、複数の圧力室Cの各々について振動検出回路51が検出した残留振動の振幅の平均値を、第1データM1または第2データM2として利用してもよい。また、第1実施形態では、噴射動作のための駆動素子Eを残留振動の検出に流用したが、噴射動作用の駆動素子Eとは別個に、残留振動の検出に専用される検出素子を設置してもよい。
第1実施形態では、振動検出回路51が検出する残留振動から第2データM2を生成したが、記憶装置22に事前に記憶された第2データM2を第2データ取得部62Aが取得してもよい。例えば、第2状態における標準的な残留振動の振幅を表す第2データM2が記憶装置22に記憶される。以上の構成によれば、調整処理における第2データM2の生成(Sa2)が不要であるから、調整処理が簡素化されるという利点がある。なお、振動検出回路51が検出する残留振動から第2データM2を生成する第1実施形態では、実際のインクの状態が第2データM2に反映される。したがって、第2データM2が記憶装置22に記憶される構成と比較して、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できるという効果が顕著である。
第1実施形態では、噴射パルスPaの供給後の残留振動を検出したが、圧力室C内に残留振動を発生させる方法は噴射パルスPaの供給に限定されない。例えば、ノズルNからインクを噴射させない検出用のパルスを駆動素子Eに供給することで、残留振動を発生させてもよい。以上の構成によれば、インクの消費量が削減されるという利点、および、インクの付着による搬送ベルト334の汚損が抑制されるという利点がある。
B:第2実施形態
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図7は、第2実施形態における液体噴射装置100Bの機能的な構成を例示するブロック図である。図7に例示される通り、第2実施形態の液体噴射装置100Bは、第1実施形態の振動検出回路51に代えて位置センサー52を具備する。液体噴射ヘッド40および搬送機構30の構成は第1実施形態と同様である。
位置センサー52は、複数のノズルNのうち特定のノズルNについてZ軸の方向におけるメニスカスの位置(以下「メニスカス位置」という)を検出するセンサーである。例えば、メニスカスにレーザー光等の光を照射する発光素子と、当該メニスカスからの反射光を受光する受光素子と、を含む光学センサーが、位置センサー52として好適に利用される。また、例えばメニスカスに対する超音波の送信と、当該メニスカスから反射した超音波の受信と、を実行する超音波素子を含む超音波センサーを、位置センサー52として利用してもよい。
位置センサー52が検出するメニスカス位置は、搬送ベルト334の帯電量に依存する。具体的には、搬送ベルト334の帯電量が大きいほど、メニスカス位置は搬送ベルト334に近付くという傾向がある。すなわち、メニスカス位置は、搬送ベルト334の帯電量に依存する。したがって、位置センサー52が検出するメニスカス位置は、搬送ベルト334の帯電量を間接的に表す指標として利用できる。
第2実施形態における制御ユニット20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで、図7の制御部60Bとして機能する。制御部60Bは、第1実施形態の制御部60Aと同様に、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動パルスPbを制御する。制御部60Bは、第1実施形態と同様の駆動信号生成部64のほか、第1データ取得部61Bと第2データ取得部62Bと微振動調整部63Bとを具備する。
第1データ取得部61Bは、第1状態において位置センサー52が検出するメニスカス位置を表す第1データM1を取得する(Sa1)。すなわち、第1データM1は、第1実施形態と同様に、第1状態におけるメニスカスの状態に関するデータである。また、第2データ取得部62Bは、第2状態において位置センサー52が検出するメニスカス位置を表す第2データM2を取得する(Sa2)。すなわち、第2データM2は、第1実施形態と同様に、第2状態におけるメニスカスの状態に関するデータである。第1データM1および第2データM2は、搬送ベルト334の帯電量を間接的に表すデータとも換言される。
微振動調整部63Bは、第1実施形態の微振動調整部63Aと同様に、第1データM1と第2データM2とを比較した結果に応じて微振動パルスPbを制御する(Sa3)。具体的には、微振動調整部63Bは、図5の例示と同様に、第1データM1が表すメニスカス位置と第2データM2が表すメニスカス位置との差分δが大きいほど、微振動パルスPbの振幅を増加させる。
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、位置センサー52が検出するメニスカス位置を表す第1データM1および第2データM2に応じて微振動パルスPbが制御されるから、メニスカスに対する搬送ベルト334の帯電の実際の影響に応じて圧力室C内のインクを適切に攪拌できる。
なお、以上の説明では、1個のノズルNのメニスカス位置に応じて微振動パルスPbを制御したが、微振動パルスPbの制御に加味されるノズルNの個数は任意である。例えば、複数のノズルNの各々について位置センサー52が検出したメニスカス位置の平均値を、第1データM1または第2データM2として利用してもよい。
第2実施形態では、位置センサー52が検出したメニスカス位置を表す第2データM2を生成したが、記憶装置22に事前に記憶された第2データM2を第2データ取得部62Bが取得してもよい。例えば、第2状態における標準的なメニスカス位置を表す第2データM2が記憶装置22に記憶される。以上の構成によれば、調整処理における第2データM2の生成(Sa2)が不要であるから、調整処理が簡素化されるという利点がある。なお、位置センサー52が検出するメニスカス位置を表す第2データM2を生成する第2実施形態では、実際のインクの状態が第2データM2に反映される。したがって、第2データM2が記憶装置22に記憶される構成と比較して、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できるという効果が顕著である。
なお、以上の説明では、第1データM1の取得(Sa1)後に第2データM2を取得したが(Sa2)、第2データM2の取得(Sa2)後に第1データM1を取得してもよい(Sa1)。
C:第3実施形態
図8は、第3実施形態における液体噴射装置100Cの機能的な構成を例示するブロック図である。図8に例示される通り、第3実施形態の液体噴射装置100Cは、第1実施形態の振動検出回路51に代えて撮像装置53を具備する。撮像装置53は、媒体11の表面を撮像するセンサーである。具体的には、撮像装置53は、液体噴射ヘッド40から着弾したインクで媒体11の表面に形成される画像を撮像する。なお、第3実施形態における液体噴射ヘッド40および搬送機構30の構成は第1実施形態と同様である。
図8は、第3実施形態における液体噴射装置100Cの機能的な構成を例示するブロック図である。図8に例示される通り、第3実施形態の液体噴射装置100Cは、第1実施形態の振動検出回路51に代えて撮像装置53を具備する。撮像装置53は、媒体11の表面を撮像するセンサーである。具体的には、撮像装置53は、液体噴射ヘッド40から着弾したインクで媒体11の表面に形成される画像を撮像する。なお、第3実施形態における液体噴射ヘッド40および搬送機構30の構成は第1実施形態と同様である。
第3実施形態における制御ユニット20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで、図8の制御部60Cとして機能する。制御部60Cは、第1実施形態の制御部60Aと同様に、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動パルスPbを制御する。制御部60Cは、第1実施形態と同様の駆動信号生成部64のほか、着弾位置解析部65と微振動調整部63Cとを具備する。着弾位置解析部65は、撮像装置53が撮像した画像を解析することで、液体噴射ヘッド40から噴射されたインクが媒体11の表面に着弾した位置(以下「着弾位置」という)を特定する。
図9は、第3実施形態における調整処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様に、噴射動作の開始前に調整処理が実行される。調整処理を開始すると、制御部60Cは、搬送ベルト334を回転させ(Sc1)、帯電部34を動作させる(Sc2)。制御部60Cは、駆動回路41を制御することで各駆動素子Eに微振動パルスPbを供給する(Sc3)。すなわち、帯電状態の搬送ベルト334を複数のノズルNに対向させた状態で各圧力室C内に微振動を発生させる動作(以下「準備動作」という)が実行される。準備動作は、帯電状態の搬送ベルト334を回転させた状態で所定の時間にわたり継続される。準備動作の実行中は、搬送機構30は媒体11を搬送しない。
準備動作が所定の時間にわたり継続されると、制御部60Cは、帯電部34の動作を継続したまま、搬送機構30による媒体11の搬送を開始させる(Sc4)。また、制御部60Cは、駆動回路41の制御により各駆動素子Eに噴射パルスPaを供給することで、複数のノズルNから媒体11に対してインクを噴射させる(Sc5)。具体的には、所定のパターン(以下「試験パターン」という)が媒体11の表面に形成されるように、制御部60Cは駆動回路41を制御する。試験パターンは、例えばX軸に平行な罫線等の幾何学的な画像である。
制御部60Cは、媒体11に形成された試験パターンを撮像装置53に撮像させる(Sc6)。着弾位置解析部65は、撮像装置53が撮像した画像を解析することでノズルN毎に着弾位置を特定する(Sc7)。また、着弾位置解析部65は、画像から特定した着弾位置と所定の目標位置との間の誤差εを算定する(Sc8)。例えば、特定のノズルNから噴射されたインクの着弾位置と目標位置との差分が誤差εとして算定される。また、着弾位置と目標位置との差分を複数のノズルNについて平均した数値を誤差εとして算定してもよい。
微振動調整部63Cは、着弾位置解析部65が算定した誤差εに応じて微振動パルスPbを調整する(Sc9)。着弾位置の誤差εが大きいということは、搬送ベルト334の帯電量に対して微振動が不充分であることを意味する。以上の関係を考慮して、微振動調整部63Cは、着弾位置の誤差εが大きいほど微振動パルスPbの振幅Aを増加させる。以上の説明から理解される通り、第3実施形態の制御部60Cは、媒体11に対するインクの着弾位置に応じて微振動パルスPbを制御する。駆動信号生成部64は、以上に例示した調整処理による調整後の微振動パルスPbを含む駆動信号Dを生成する。
以上の説明から理解される通り、第3実施形態では、媒体11上におけるインクの着弾位置に応じて微振動パルスPbが制御されるから、メニスカスの状態が搬送ベルト334の帯電に影響される状態でも、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できる。
なお、図10に例示される通り、X軸の方向に沿って第1部分334aと第2部分334bとに分割された搬送ベルト334を調整処理に利用してもよい。各圧力室Cに微振動が付与される準備動作では、搬送ベルト334のうち第1部分334aは回転し、第2部分334bは回転しない。また、準備動作では、第1部分334aは帯電され、第2部分334bは帯電されない。以上の準備動作を実行すると、制御部60Cは、複数のノズルNから媒体11に対してインクを噴射させる。着弾位置解析部65は、撮像装置53が撮像した画像を解析することで、各ノズルNから噴射されたインクの着弾位置を特定する。具体的には、着弾位置解析部65は、第1部分334aに対応する各ノズルNから噴射されたインクの着弾位置と、第2部分334bに対応する各ノズルNから噴射されたインクの着弾位置との誤差εを算定する。着弾位置の誤差εに応じて微振動調整部63Cが微振動パルスPbを制御する動作は第3実施形態と同様である。
第3実施形態では、各駆動素子Eに対する微振動パルスPbの供給(Sc3)前に、画像の形成には寄与しないインクを各ノズルNから強制的に噴射するフラッシング、または、吸引または加圧により複数のノズルNからインクを排出するクリーニング、等の保守動作を実行することが好ましい。保守動作の実行により、例えば、調整処理前からのインクの増粘に起因して試験パターンに発生する着弾位置のズレが抑制されるから、誤差εの算定誤差を低減できる。
D:第4実施形態
図11は、第4実施形態における液体噴射装置100Dの機能的な構成を例示するブロック図である。図11に例示される通り、第4実施形態の液体噴射装置100Dは、第1実施形態の振動検出回路51に代えて湿度センサー54を具備する。液体噴射ヘッド40および搬送機構30の構成は第1実施形態と同様である。湿度センサー54は、液体噴射装置100Dが使用される環境の湿度Hを検出する。具体的には、湿度センサー54は、液体噴射装置100Dにおける筐体内部の湿度Hを検出する。なお、液体噴射装置100の外部空間の湿度Hを湿度センサー54が検出してもよい。
図11は、第4実施形態における液体噴射装置100Dの機能的な構成を例示するブロック図である。図11に例示される通り、第4実施形態の液体噴射装置100Dは、第1実施形態の振動検出回路51に代えて湿度センサー54を具備する。液体噴射ヘッド40および搬送機構30の構成は第1実施形態と同様である。湿度センサー54は、液体噴射装置100Dが使用される環境の湿度Hを検出する。具体的には、湿度センサー54は、液体噴射装置100Dにおける筐体内部の湿度Hを検出する。なお、液体噴射装置100の外部空間の湿度Hを湿度センサー54が検出してもよい。
第4実施形態における制御ユニット20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで、図8の制御部60Dとして機能する。制御部60Dは、第1実施形態の制御部60Aと同様に、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動パルスPbを制御する。搬送ベルト334の帯電量は湿度Hに依存する。具体的には、湿度Hが低いほど搬送ベルト334の帯電量は増加する。以上の関係を考慮して、第4実施形態の制御部60Dは、湿度センサー54が検出した湿度Hに応じて微振動パルスPbを制御する。制御部60Dは、第1実施形態と同様の駆動信号生成部64のほか、微振動調整部63Dを具備する。
微振動調整部63Dは、湿度センサー54が検出する湿度Hに応じて微振動パルスPbの振幅Aを制御する。湿度Hが低いほど搬送ベルト334の帯電量が増加するという傾向と、搬送ベルト334の帯電量が大きいほど圧力室C内のインクが微振動により攪拌され難いという傾向とがある。以上の傾向を考慮して、第4実施形態の微振動調整部63Dは、湿度センサー54が検出する湿度Hが低いほど、微振動パルスPbの振幅Aを増加させることで微振動の強度を上昇させる。図12には、湿度Hと微振動パルスPbの振幅Aとの関係が例示されている。図12に例示される通り、湿度Hがとり得る第1値H1と第2値H2とに着目する。第1値H1は第2値H2を下回る(H1<H2)。図11から理解される通り、湿度Hが第1値H1である場合の微振動パルスPbの振幅A1は、湿度Hが第2値H2である場合の微振動パルスPbの振幅A2を上回る(A1>A2)。
図13は、第4実施形態における調整処理の具体的な手順を例示するフローチャートである。第1実施形態と同様に、噴射動作の開始前に調整処理が実行される。調整処理を開始すると、微振動調整部63Dは、湿度センサー54により検出された湿度Hを取得する(Sd1)。微振動調整部63Dは、湿度Hに応じて微振動パルスPbの振幅Aを設定する(Sd2)。以上に例示した調整処理の実行後の噴射動作において、駆動信号生成部64は、微振動調整部63Dが設定した振幅Aの微振動パルスPbを含む駆動信号Dを生成する。
以上に説明した通り、第4実施形態では、湿度センサー54が検出する湿度Hに応じて微振動パルスPbが制御されるから、メニスカスの状態が搬送ベルト334の帯電に影響される状態でも、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できる。第4実施形態では特に、湿度Hが第1値H1である場合の微振動パルスPbの振幅A1が、湿度Hが第2値H2である場合の微振動パルスPbの振幅A2を上回る。したがって、湿度Hが低いほど搬送ベルト334が帯電し易いという傾向のもとで、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できるという利点がある。
第4実施形態では、湿度Hが第1値H1である場合の微振動パルスPbの振幅A1は、湿度Hが第2値H2である場合の振幅A2を上回る。したがって、湿度Hが低いほど搬送ベルト334の帯電量が増加するという傾向のもとで、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できる。
E:第5実施形態
図14は、第5実施形態における液体噴射装置100Eの機能的な構成を例示するブロック図である。図14に例示される通り、第5実施形態の液体噴射装置100Eは、第1実施形態の振動検出回路51に代えてK個の帯電センサーQ1〜QKを具備する(Kは1以上の自然数)。
図14は、第5実施形態における液体噴射装置100Eの機能的な構成を例示するブロック図である。図14に例示される通り、第5実施形態の液体噴射装置100Eは、第1実施形態の振動検出回路51に代えてK個の帯電センサーQ1〜QKを具備する(Kは1以上の自然数)。
図14に例示される通り、搬送ベルト334の外周面は、X軸に沿ってK個の領域R1〜RKに区分される。各帯電センサーQk(k=1〜K)は、K個の領域R1〜RKのうち1個の領域Rkに対向する。すなわち、K個の帯電センサーQ1〜QKは、X軸の方向における搬送ベルト334の相異なる位置に設置される。また、K個の帯電センサーQ1〜QKは、Y軸の方向において液体噴射ヘッド40と第1除電装置35との間に設置される。各帯電センサーQkは、搬送ベルト334における領域Rkの帯電量Gkを検出する。すなわち、搬送ベルト334の外周面のうちX軸上の相異なるK個の領域R1〜RKの各々について帯電量Gkが検出される。例えば非接触型の表面電位測定器が帯電センサーQkとして利用される。
第5実施形態の液体噴射ヘッド40は、X軸に沿って配列されたK個の部分(以下「単位ヘッド部」という)U1〜UKを具備する。K個の単位ヘッド部U1〜UKの各々は、複数のノズルNと複数の圧力室Cと複数の駆動素子Eとを具備する。各単位ヘッド部Ukの複数のノズルNは、搬送ベルト334の領域Rkに対向する。すなわち、K個の単位ヘッド部U1〜UKは、搬送ベルト334の相異なる領域Rkに対向する。K個の単位ヘッド部U1〜UKの各々には、別個の駆動信号Dkが制御ユニット20から供給される。駆動信号Dkは、第1実施形態の駆動信号Dと同様に、噴射パルスPaと微振動パルスPbとを含む。
第4実施形態における制御ユニット20の制御装置21は、記憶装置22に記憶されたプログラムを実行することで、図14の制御部60Eとして機能する。制御部60Eは、K系統の駆動信号D1〜DKを生成する。また、制御部60Eは、微振動の強度を調整する調整処理を実行する。調整処理において、制御部60Eは、各帯電センサーQkが検出した帯電量Gkに応じて駆動信号Dkの微振動パルスPbの振幅Aを制御する。具体的には、制御部60Eは、帯電量Gkが大きいほど駆動信号Dkの微振動パルスPbの振幅を増加させる。すなわち、搬送ベルト334の帯電量Gkが大きいほど、単位ヘッド部Uk内の各圧力室Cに発生する微振動の強度は上昇する。
以上に説明した通り、第5実施形態では、搬送ベルト334の実際の帯電量Gkに応じて微振動の強度が調整されるから、メニスカスの状態が搬送ベルト334の帯電に影響される状態でも、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できる。また、第5実施形態では、搬送ベルト334のK個の領域R1〜RNの各々の帯電量Gkに応じて駆動信号Dkの微振動パルスPbが制御されるから、搬送ベルト334の幅方向における帯電量Gkが相違する場合でも、圧力室C内のインクを微振動により適切に攪拌できるという利点もある。
F:変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)搬送ベルト334の回転速度が速いほど、メニスカスに対する搬送ベルト334の帯電の影響が増大するという傾向がある。以上の傾向を考慮すると、前述の各形態において、制御部60(60A,60B,60C,60D,60E)が、搬送ベルト334の回転速度に応じて微振動パルスPbを制御してもよい。例えば、制御部60は、搬送ベルト334の回転速度が速いほど、微振動パルスPbの振幅Aを増加させることで微振動の強度を上昇させる。以上の構成によれば、搬送ベルト334の回転速度に対して適切な強度の微振動を圧力室C内に発生させることが可能である。
(2)図15は、前述の各形態に適用可能な変形例における液体噴射装置100の部分的な構成の説明図である。図15に例示される通り、搬送ベルト334の外周面は、X軸に沿って3個の領域R1〜R3に区分される。領域R2は、領域R1と領域R3との間に位置する。領域R1は、搬送ベルト334の周縁Faを含む領域であり、領域R3は、搬送ベルト334の周縁Fbを含む領域である。領域R2は、搬送ベルト334の中心線Oを内包する。中心線Oは、媒体11が搬送されるY軸に沿う直線である。
搬送ベルト334の帯電量は、当該搬送ベルト334の幅方向の位置に応じて相違し得る。具体的には、搬送ベルト334の幅方向における中央部の帯電量は、両端部の帯電量を上回るという傾向がある。したがって、搬送ベルト334のうち中心線Oに近い領域R2の帯電量は、周縁Faに近い領域R1および周縁Fbに近い領域R3の帯電量を上回る。
液体噴射ヘッド40は、相異なる領域Rk(k=1〜3)に対応する3個の単位ヘッド部U1〜U3を具備する。第5実施形態と同様に、3個の単位ヘッド部U1〜U3の各々には、別個の駆動信号Dkが制御ユニット20から供給される。なお、以下の説明では、単位ヘッド部Ukの各ノズルNを「ノズルNk」と表記する。ノズルN1およびノズルN3は「第1ノズル」の一例であり、ノズルN2は「第2ノズル」の一例である。また、ノズルN1またはノズルN3に対応する圧力室Cは「第1圧力室」の一例であり、ノズルN2に対応する圧力室Cは「第2圧力室」の一例である。
単位ヘッド部U1の複数のノズルN1は、搬送ベルト334の領域R1に対向する。同様に、単位ヘッド部U2の複数のノズルN2は搬送ベルト334の領域R2に対向し、単位ヘッド部U3の複数のノズルN3は搬送ベルト334の領域R3に対向する。したがって、ノズルN1は、平面視でノズルN2よりも搬送ベルト334の周縁Faに近く、ノズルN3は、平面視でノズルN2よりも搬送ベルト334の周縁Fbに近い。また、ノズルN2は、平面視でノズルN1およびノズルN3よりも中心線Oに近い。
制御部60(60A,60B,60C,60D,60E)は、複数の圧力室CのうちノズルN2に対応する圧力室C内のインクに発生する微振動の強度が、ノズルN1に対応する圧力室C内のインクに発生する微振動の強度を上回るように、駆動信号Dkの微振動パルスPbを制御する。具体的には、駆動信号D2における微振動パルスPbの振幅Aは、駆動信号D1または駆動信号D3における微振動パルスPbの振幅を上回る。
以上に例示した通り、ノズルN2に対応する圧力室C内の微振動の強度が、ノズルN1またはノズルN3に対応する圧力室C内の微振動の強度を上回る。したがって、搬送ベルト334の幅方向における中央部の帯電量が両端部の帯電量を上回るとという帯電量のムラがある場合でも、ノズルN1またはノズルN3に対応する圧力室CとノズルN2に対応する圧力室Cとの双方についてインクを適切に攪拌できるという利点がある。以上に例示した変形例は、前述の第1実施形態から第5実施形態の何れにも適用され得る。
(3)第1実施形態および第2実施形態では、帯電状態の搬送ベルト334が回転する状態を第1状態として例示したが、第1状態は以上の例示に限定されない。例えば、帯電部34が帯電させた搬送ベルト334の回転が停止した状態でも、電荷が充分に除去される以前の状態は第1状態に相当する。以上の説明から理解される通り、第1状態は、帯電状態の搬送ベルト334がノズルNに対向する状態を意味し、帯電部34の動作の有無または搬送ベルト334の回転の有無は不問である。
(4)第1実施形態および第2実施形態においては、搬送ベルト334が帯電していない状態を第2状態として例示したが、第2状態は以上の例示に限定されない。例えば、複数のノズルNに対向しない位置(以下「待機位置」という)に搬送ベルト334が退避可能な構成では、搬送ベルト334の帯電の有無に関わらず、搬送ベルト334が待機位置にある状態が第2状態に該当する。複数のノズルNが搬送ベルト334に対向しない位置まで液体噴射ヘッド40が搬送ベルト334に対して移動した状態も、第2状態に該当する。また、搬送ベルト334の電荷を除去する複数の第1除電装置35が、液体噴射ヘッド40の上流側かつ帯電部34の下流側に設置された構成では、帯電部34から供給される電荷が複数の第1除電装置35により除去された状態が第2状態に相当する。また、搬送ベルト334の回転が停止した状態では、帯電部34が停止した状態における第2除電装置36による除電、または経時的な自然放電により、搬送ベルト334が帯電していない第2状態に遷移する。以上の説明から理解される通り、第2状態は、搬送ベルト334の帯電量が充分に小さい状態(典型的には帯電していない状態)を意味し、帯電部34の動作の有無または搬送ベルト334の回転の有無は不問である。
(5)前述の各形態では、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動パルスPbの振幅Aを調整したが、微振動の強度を調整するための方法は以上の例示に限定されない。例えば、微振動パルスPbにおいて電圧が上昇する区間の勾配を搬送ベルト334の帯電量に応じて制御してもよい。例えば、制御部60は、搬送ベルト334の帯電量が大きいほど、微振動パルスPbの勾配(すなわち電圧の変化率)を増加させることで微振動の強度を上昇させる。また、搬送ベルト334の帯電量に応じて微振動の回数を制御してもよい。例えば、制御部60は、搬送ベルト334の帯電量が大きいほど、微振動パルスPbの回数を増加させる。
(6)第1実施形態から第5実施形態のうちの2以上を併合してもよい。例えば、第1実施形態から第4実施形態の何れかに第5実施形態を適用してもよい。また、微振動の強度を調整する他の構成を第1実施形態から第5実施形態に組合わせてもよい。例えば、液体噴射装置100が使用される環境の温度に応じて微振動の強度を調整する構成を、第1実施形態から第5実施形態に適用してもよい。
搬送ベルト334の使用量に応じて微振動の強度を調整する構成を、第1実施形態から第5実施形態に適用してもよい。搬送ベルト334の使用量(例えば搬送量の累計)が多いほど、搬送ベルト334が帯電し難くなるという傾向が想定される。したがって、搬送ベルト334の使用量が多いほど微振動の強度を低下させる構成が好適である。なお、搬送ベルト334の交換または清掃等の保守作業後に搬送ベルト334の使用量は初期化される。
帯電部34の使用量に応じて微振動の強度を調整する構成を、第1実施形態から第5実施形態に適用してもよい。帯電部34の使用量(例えば動作時間の累計)が多いほど、帯電部34が搬送ベルト334を帯電させる能力は低下する。したがって、帯電部34の使用量が多いほど微振動の強度を低下させる構成が好適である。
第1除電装置35の使用量に応じて微振動の強度を調整する構成を、第1実施形態から第5実施形態に適用してもよい。第1除電装置35の使用量(例えば動作時間の累計)が多いほど、例えば紙粉が第1除電装置35のブラシ351に付着し、結果的に搬送ベルト334の帯電量が増加する。したがって、第1除電装置35の使用量が多いほど微振動の強度を上昇させる構成が好適である。
(7)前述の各形態では、複数のノズルNが媒体11の全幅にわたり分布するライン方式の液体噴射装置100を例示したが、液体噴射ヘッド40をX軸に沿って往復させるシリアル方式の液体噴射装置にも本発明は適用される。シリアル方式の液体噴射装置においては、例えば液体噴射ヘッドが媒体に対向しない待機位置にある状態が、第2状態の一例である。
(8)前述の各形態で例示した液体噴射装置100は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、液体噴射装置100の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を噴射する液体噴射装置は、液晶表示パネル等の表示装置のカラーフィルターを形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を噴射する液体噴射装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、生体に関する有機物の溶液を噴射する液体噴射装置は、例えばバイオチップを製造する製造装置として利用される。
G:付記
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
以上に例示した形態から、例えば以下の構成が把握される。
好適な態様(態様1)に係る液体噴射装置は、液体を噴射するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室内の圧力を変動させる圧電素子と、媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトを帯電させる帯電部と、前記ノズルから液体を噴射させずに前記圧力室内の液体に微振動を発生させる微振動パルスを前記圧電素子に供給する駆動回路と、湿度を検出する湿度センサーとを具備し、前記湿度センサーが検出する湿度に応じて前記微振動パルスが異なる。搬送ベルトの帯電量は、液体噴射装置が使用される環境の湿度に依存する。したがって、湿度センサーが検出する湿度に応じて微振動パルスが異なる前述の態様によれば、メニスカスの状態が搬送ベルトの帯電に影響される状態でも、微振動により圧力室内の液体を適切に攪拌できる。
態様1の好適例(態様2)において、前記湿度が第1値である場合に前記圧力室内の液体に発生する微振動の強度が、前記湿度が前記第1値よりも高い第2値である場合に前記圧力室内の液体に発生する微振動の強度を上回る。以上の態様によれば、湿度が低いほど搬送ベルトが帯電し易いという傾向のもとで、微振動により圧力室内の液体を適切に攪拌できる。
態様1または態様2の好適例(態様3)において、前記搬送ベルトの回転速度に応じて前記微振動パルスが異なる。以上の態様によれば、搬送ベルトの回転速度に対して適切な強度の微振動を圧力室内に発生させることが可能である。
態様1から態様3の何れかの好適例(態様4)に係る液体噴射装置は、前記ノズルを含む複数のノズルと、前記圧力室を含み、前記複数のノズルにそれぞれ対応する複数の圧力室と、前記圧電素子を含み、前記複数のノズルにそれぞれ対応する複数の圧電素子とを具備し、前記複数のノズルは、第1ノズルと第2ノズルとを含み、前記第1ノズルは、平面視で前記第2ノズルよりも、前記搬送ベルトにおいて前記媒体が搬送される方向に沿う中心線に近く、前記第2ノズルは、平面視で前記第1ノズルよりも前記搬送ベルトの周縁に近く、前記複数の圧力室のうち前記第1ノズルに対応する第1圧力室内の液体に発生する前記微振動の強度が、前記複数の圧力室のうち前記第2ノズルに対応する第2圧力室内の液体に発生する前記微振動の強度を上回る。以上の態様では、第1圧力室内の液体に付与される微振動の強度が第2圧力室内の液体に付与される微振動の強度を上回るから、搬送ベルトの中心線の近傍では周縁の近傍と比較して帯電量が大きいという帯電量のムラがある場合でも、第1圧力室および第2圧力室の双方について液体を適切に攪拌できる。
態様1から態様4の何れかの好適例(態様5)に係る液体噴射装置は、前記搬送ベルトの帯電量を検出する帯電センサーを具備し、前記帯電センサーが検出した帯電量に応じて前記微振動パルスが異なる。以上の態様によれば、搬送ベルトの実際の帯電量に応じて、微振動により圧力室内の液体を適切に攪拌できる。
態様1から態様4の何れかの好適例(態様6)に係る液体噴射装置は、前記搬送ベルトの帯電量を検出する複数の帯電センサーを具備し、前記複数の帯電センサーは、前記搬送ベルトの幅方向の相異なる位置に設置され、前記複数の帯電センサーが検出した帯電量に応じて前記微振動パルスが異なる。以上の態様によれば、搬送ベルトの実際の帯電量に応じて、微振動により圧力室内の液体を適切に攪拌できる。特に、搬送ベルトの幅方向における相異なる位置に複数の帯電センサーが設置されるから、搬送ベルトの幅方向において帯電量が相違する場合でも、微振動により圧力室内の液体を適切に攪拌できる。
好適な態様(態様7)に係る液体噴射装置の制御方法は、液体を噴射するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室内の圧力を変動させる圧電素子と、媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送ベルトを帯電させる帯電部と、前記ノズルから液体を噴射させずに前記圧力室内の液体に微振動を発生させる微振動パルスを前記圧電素子に供給する駆動回路と、を具備する液体噴射装置の制御方法であって、湿度を検出し、前記検出した湿度に応じて前記微振動パルスを制御する。搬送ベルトの帯電量は、液体噴射装置が使用される環境の湿度に依存する。したがって、湿度センサーが検出する湿度に応じて微振動パルスを制御する前述の態様によれば、メニスカスの状態が搬送ベルトの帯電に影響される状態でも、微振動により圧力室内の液体を適切に攪拌できる。
100A,100B,100C,100D,100E…液体噴射装置、11…媒体、12…液体容器、20…制御ユニット、21…制御装置、22…記憶装置、30…搬送機構、31…供給機構、311…第1供給ローラー、312…第2供給ローラー、32…排出機構、321…第1排出ローラー、322…第2排出ローラー、33…支持機構、331…第1搬送ローラー、332…第2搬送ローラー、334…搬送ベルト、34…帯電部、341…帯電ローラー、342…電源装置、35…第1除電装置、36…第2除電装置、40…液体噴射ヘッド、41…駆動回路、51…振動検出回路、52…位置センサー、53…撮像装置、54…湿度センサー、60A,60B,60C,60D,60E…制御部、61A,61B…第1データ取得部、62A,62B…第2データ取得部、63A,63B,63C,63D…微振動調整部、64…駆動信号生成部、65…着弾位置解析部、Qk(Q1〜QK)…帯電センサー、Gk(G1〜GK)…帯電量、Uk(U1〜UK)…単位ヘッド部、Rk(R1〜RK)…領域、D,Dk(D1〜DK)…駆動信号、O…中心線、Fa,Fb…周縁。
Claims (7)
- 液体を噴射するノズルと、
前記ノズルに連通する圧力室と、
前記圧力室内の圧力を変動させる圧電素子と、
媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを帯電させる帯電部と、
前記ノズルから液体を噴射させずに前記圧力室内の液体に微振動を発生させる微振動パルスを前記圧電素子に供給する駆動回路と、
湿度を検出する湿度センサーとを具備し、
前記湿度センサーが検出する湿度に応じて前記微振動パルスが異なる
液体噴射装置。 - 前記湿度が第1値である場合に前記圧力室内の液体に発生する微振動の強度が、前記湿度が前記第1値よりも高い第2値である場合に前記圧力室内の液体に発生する微振動の強度を上回る
請求項1の液体噴射装置。 - 前記搬送ベルトの回転速度に応じて前記微振動パルスが異なる
請求項1または請求項2の液体噴射装置。 - 前記ノズルを含む複数のノズルと、
前記圧力室を含み、前記複数のノズルにそれぞれ対応する複数の圧力室と、
前記圧電素子を含み、前記複数のノズルにそれぞれ対応する複数の圧電素子とを具備し、
前記複数のノズルは、第1ノズルと第2ノズルとを含み、
前記第1ノズルは、平面視で前記第2ノズルよりも、前記搬送ベルトにおいて前記媒体が搬送される方向に沿う中心線に近く、前記第2ノズルは、平面視で前記第1ノズルよりも前記搬送ベルトの周縁に近く、
前記複数の圧力室のうち前記第1ノズルに対応する第1圧力室内の液体に発生する前記微振動の強度が、前記複数の圧力室のうち前記第2ノズルに対応する第2圧力室内の液体に発生する前記微振動の強度を上回る
請求項1から請求項3の何れかの液体噴射装置。 - 前記搬送ベルトの帯電量を検出する帯電センサーを具備し、
前記帯電センサーが検出した帯電量に応じて前記微振動パルスが異なる
請求項1から請求項4の何れかの液体噴射装置。 - 前記搬送ベルトの帯電量を検出する複数の帯電センサーを具備し、
前記複数の帯電センサーは、前記搬送ベルトの幅方向の相異なる位置に設置され、
前記複数の帯電センサーが検出した帯電量に応じて前記微振動パルスが異なる
請求項1から請求項4の何れかの液体噴射装置。 - 液体を噴射するノズルと、
前記ノズルに連通する圧力室と、
前記圧力室内の圧力を変動させる圧電素子と、
媒体を搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを帯電させる帯電部と、
前記ノズルから液体を噴射させずに前記圧力室内の液体に微振動を発生させる微振動パルスを前記圧電素子に供給する駆動回路と、
を具備する液体噴射装置の制御方法であって、
湿度を検出し、
前記検出した湿度に応じて前記微振動パルスを制御する
液体噴射装置の制御方法。
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---|---|---|---|
JP2019080613A JP2020175617A (ja) | 2019-04-22 | 2019-04-22 | 液体噴射装置およびその制御方法 |
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ID=72936231
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JP2019080613A Pending JP2020175617A (ja) | 2019-04-22 | 2019-04-22 | 液体噴射装置およびその制御方法 |
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JP (1) | JP2020175617A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022202222A1 (ja) * | 2021-03-23 | 2022-09-29 | 株式会社Screenホールディングス | 印刷装置、印刷方法、印刷プログラムおよび記録媒体 |
-
2019
- 2019-04-22 JP JP2019080613A patent/JP2020175617A/ja active Pending
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