JP2020175541A - 液体吐出装置、及び液体吐出装置のメンテナンス方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び液体吐出装置のメンテナンス方法 Download PDF

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泰弘 細川
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Abstract

【課題】インクの補充が可能な液体吐出装置において、媒体に印刷される画像の画質が低下するおそれを低減すること。【解決手段】駆動素子と、振動板と、キャビティーと、ノズルと、を有するプリントヘッドと、プリントヘッドに供給される液体を貯留するとともに、液体の補充が可能な液体貯留部と、駆動信号が駆動素子に供給された後に生じる振動板の変位を残留振動信号として検出する検出回路と、残留振動信号に基づいて、ノズルの吐出異常の有無、及び吐出異常の原因を判定する判定回路と、吐出異常の原因に対応する回復処理を実行させる制御回路と、を備え、判定回路において、吐出異常の原因が前記ノズルから吐出される液体の粘度に異常が生じている粘度異常であると判定された回数に基づいて、制御回路は、吐出異常の原因が液体貯留部に貯留されている液体の粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否かを判定する、液体吐出装置。【選択図】図25

Description

本発明は、液体吐出装置、及び液体吐出装置のメンテナンス方法に関する。
インクジェットプリンター等の液体吐出装置は、吐出部に設けられる圧電素子等の駆動素子を駆動信号により駆動させることで、プリントヘッドの内部に充填されたインクをノズルから吐出させて、記録媒体上に画像を形成する。このようなプリントヘッドにおいて、プリントヘッドの内部に充填されたインクの粘度が増加すると、吐出異常が発生し、印刷される画像の画質が低下することがある。このため、高品位な印刷を実現するためには、プリントヘッドにおいて、インクの吐出状態を検査することが望ましく、特許文献1には、駆動信号により圧電素子を駆動させることで生じる残留振動を検出し、検出結果に基づいて吐出部におけるインクの吐出状態を検査する手法が開示されている。
また、近年、インクの補充可能なインク貯留部を採用し、当該インク貯留部にインクを補充することで、インクカートリッジ等を含むインク貯留部の交換を必要としない液体吐出装置が開発され実用に至っている。例えば、特許文献2には、インク貯留部であるインクタンクが、インクを注入するインク注入部を備えることで、当該インクタンクに対してインクの補充が可能な液体噴射装置(液体吐出装置)が開示されている。
特開2004−276544号公報 特開2017−077705号公報
しかしながら、特許文献2に記載の液体吐出装置では、インクの補充が可能な構成を採用しているが故に、インク貯留部に大気が混入するおそれがあり、仮に、インク貯留部に大気が混入すると、当該インクに含まれる水分が蒸発し、その結果、インク貯留部に貯留されているインクの粘度が増加するおそれがある。このような場合において、特許文献1に記載のインクの吐出状態を検査する手法を実行し、検査結果に基づく対策を行った場合であっても、吐出異常が解消されないおそれがあり、その結果、媒体に印刷される画像の画質が低下するおそれがあった。
本発明に係る液体吐出装置の一態様は、
駆動信号に基づいて駆動される駆動素子と、前記駆動信号の駆動により変位する振動板と、内部に液体が充填され前記振動板の変位により内部圧力が変化するキャビティーと、前記内部圧力の変化により液体が吐出されるノズルと、を有するプリントヘッドと、
前記キャビティーに供給される液体を貯留するとともに、液体の補充が可能な液体貯留部と、
前記駆動信号が前記駆動素子に供給された後の前記内部圧力の変化に基づいて生じる前記振動板の変位を残留振動信号として検出する検出回路と、
前記検出回路において検出された前記残留振動信号に基づいて、前記ノズルの吐出異常の有無、及び前記吐出異常の原因を判定する判定回路と、
前記判定回路において判定された前記吐出異常の原因に対応する吐出異常対応処理を実行させる制御回路と、
を備え、
前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記ノズルから吐出される液体の粘度に異常が生じている粘度異常であると判定された回数に基づいて、前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部に貯留されている液体の粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否かを判定する。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定した場合、前記吐出異常対応処理として、前記液体貯留部への液体の補充を促す通知を表示部に表示させる処理を実行してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定した場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定回路における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理を実行してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定した場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定回路における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理の実行の要否を前記表示部に表示させる処理を実行してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
入力部を備え、
前記制御回路は、前記入力部から入力される入力操作信号に基づいて、前記閾値補正処理の実行の要否を判定してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記入力操作信号が、前記制御回路に前記閾値補正処理を実行させること示す信号である場合、前記制御回路は、前記閾値補正処理を実行してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記入力操作信号が、前記制御回路に前記閾値補正処理を実行させないこと示す信号である場合、前記制御回路は、前記閾値補正処理を実行せず、且つ前記閾値補正処理の実行の要否の前記表示部への表示を停止させてもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記制御回路は、前回電源電圧が供給されてからの時間情報に基づいて、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常である否かを判定してもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記判定回路において判定された前記吐出異常の原因に対応し、前記吐出異常から回復させるための処理を実行する回復処理部を含み、
前記回復処理部は、前記ノズルから液体を予備的に吐出するフラッシング処理を含む複数の処理を実行し、
前記制御回路は、前記判定回路において判定された前記粘度異常の回数に応じて、前記フラッシング処理と、前記フラッシング処理とは異なる処理とを、前記回復処理部に実行させてもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記判定回路において判定された前記吐出異常の原因に対応し、前記吐出異常から回復
させるための処理を実行する回復処理部を含み、
前記回復処理部は、前記ノズルから第1の量の液体を予備的に吐出する第1フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも多い第2の量の液体を予備的に吐出する第2フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも少ない第3の量の液体を予備的に吐出する第3フラッシング処理と、を実行し、
前記制御回路は、前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第1フラッシング処理を前記回復処理部に実行させ、前記第1フラッシング処理の後、前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第2フラッシング処理を前記回復処理部に実行させ、前記第2フラッシング処理の後、前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第3フラッシング処理を前記回復処理部に実行させてもよい。
前記液体吐出装置の一態様において、
前記液体貯留部を第1液体貯留部とし、さらに第2液体貯留部を有し、
前記制御回路は、前記第1液体貯留部に前記液体貯留部異常が生じていると判定した場合、前記第2液体貯留部にも前記液体貯留部異常が生じていると判定してもよい。
本発明に係る液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様は、
駆動信号に基づいて駆動される駆動素子と、前記駆動素子の駆動により変位する振動板と、内部に液体が充填され前記振動板の変位により内部圧力が変化するキャビティーと、前記内部圧力の変化により液体が吐出されるノズルと、を有するプリントヘッドと、
前記キャビティーに供給される液体を貯留するとともに、液体の補充が可能な液体貯留部と、
を備えた液体吐出装置のメンテナンス方法であって、
前記駆動信号が前記駆動素子に供給された後の前記内部圧力の変化に基づいて生じる前記振動板の変位を残留振動信号として検出する検出工程と、
前記検出工程において検出された前記残留振動信号に基づいて、前記ノズルの吐出異常の有無、及び前記吐出異常の原因を判定する判定工程と、
前記判定工程において判定された前記吐出異常の原因に対応する吐出異常対応処理を実行させる吐出異常対応処理工程と、
前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記ノズルから吐出される液体の粘度に異常が生じている粘度異常であると判定された回数に基づいて、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部に貯留されている液体の粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否か判定する液体貯留部異常判定工程と、
を含む。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記液体貯留部異常判定工程において、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定された場合、前記吐出異常対応処理として、前記液体貯留部への液体の補充を促す通知を表示部に表示させる処理が実行されてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記液体貯留部異常判定工程において、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定された場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定工程における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理が実行されてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記液体貯留部異常判定工程において、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定された場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定工程における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理の実行の要否を前記表示部に表示させる処理が実行さ
れてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記吐出異常対応処理工程では、入力部から入力される入力操作信号に基づいて、前記閾値補正処理の実行の要否が判定されてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記入力操作信号が、前記閾値補正処理の実行を示す信号である場合、前記吐出異常対応処理として、前記閾値補正処理が実行されてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記入力操作信号が、前記閾値補正処理を実行しないこと示す信号である場合、前記吐出異常対応処理として、前記閾値補正処理が実行されず、且つ前記閾値補正処理の実行の要否の前記表示部への表示を停止させてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記液体貯留部異常判定工程では、前回電源電圧が供給されてからの時間情報に基づいて、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であるかが判定されてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記吐出異常対応処理は、前記ノズルから液体を予備的に吐出するフラッシング処理を含む複数の処理を含み、
前記吐出異常対応処理工程では、前記判定工程において判定された前記粘度異常の回数に応じて、前記フラッシング処理と、前記フラッシング処理とは異なる処理とを実行させてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記吐出異常対応処理は、前記ノズルから第1の量の液体を予備的に吐出する第1フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも多い第2の量の液体を予備的に吐出する第2フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも少ない第3の量の液体を予備的に吐出する第3フラッシング処理とを含み、
前記吐出異常対応処理工程では、前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第1フラッシング処理を実行させ、前記第1フラッシング処理の後、前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第2フラッシング処理を実行させ、前記第2フラッシング処理の後、前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第3フラッシング処理を実行させてもよい。
前記液体吐出装置のメンテナンス方法の一態様において、
前記液体吐出装置は、前記液体貯留部としての第1液体貯留部に加え、第2液体貯留部を有し、
前記液体貯留部異常判定工程において、前記第1液体貯留部に前記液体貯留部異常が生じていると判定された場合、前記液体貯留部異常判定工程では、前記第2液体貯留部にも前記液体貯留部異常が生じていると判定されてもよい。
液体吐出装置の構成の概略を示す斜視図である。 液体吐出装置の電気構成を示す図である。 プリントヘッドの分解斜視図である。 プリントヘッドの断面を示す断面図である。 インクの吐出動作を説明するための図である。 アクチュエーター基板の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。 アクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 気泡混入が生じた場合におけるノズルの付近を示す概念図である。 気泡混入時のアクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 乾燥増粘が生じた場合のノズルの付近を示す概念図である。 乾燥増粘の場合のアクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 紙粉付着の場合のノズルの付近を示す概念図である。 紙粉付着の場合のアクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 駆動信号選択制御回路の電気構成を示す図である。 選択制御回路の構成を示すブロック図である。 デコーダーが行うデコードの内容を示す図である。 単位動作期間における選択制御回路の動作を説明するための図である。 駆動信号の波形の一例を示す図である。 切替回路、及び残留振動検出回路の電気構成を示す図である。 残留振動検出回路の構成を示すブロック図である。 計測部の動作を説明するための図である。 判定部における判定の内容を説明するための図である。 ポンプ吸引処理の一例を示す図である。 ワイピング処理の一例を示す図である。 液体吐出装置のメンテナンス方法を説明するための図である。 判定信号処理部が実行させる液体貯留部異常に応じた回復処理の詳細を説明するための図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液体吐出装置の構成
まず、液体吐出装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る液体吐出装置1の構成の概略を示す斜視図である。また、図1には、互いに直交するX方向、Y方向、及びZ方向を図示している。なお、以下の説明では、図1の+Z方向に相当する上側を「上部」、−Z方向に相当する下側を「下部」と称する場合がある。
液体吐出装置1は、上部後方に媒体Pを設置するトレイ81と、下部前方に媒体Pを排出する排紙口82と、上部面に操作パネル83とが設けられている。操作パネル83は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する不図示の表示部と、各種スイッチ等で構成される不図示の操作部とを備えている。
また、液体吐出装置1は、往復動する移動体3を有する印刷手段4を備える。移動体3は、後述するプリントヘッド35を複数備えるヘッドユニット30と、4個のインクカートリッジ31と、ヘッドユニット30及び4個のインクカートリッジ31を搭載したキャ
リッジ32と、を備える。各プリントヘッド35の内部には、インクカートリッジ31から供給された液体の一例としてのインクが充填されている。そして、各プリントヘッド35は、内部に充填されたインクを吐出する。
4個のインクカートリッジ31は、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの4つの色と1対1に対応する。そして、各インクカートリッジ31には、対応する色のインクが充填されている。複数のプリントヘッド35の各々は、4個のインクカートリッジ31のいずれか1つからインクの供給を受ける。すなわち、複数のプリントヘッド35から、4色のインクが吐出される。
また、各インクカートリッジ31は、プリントヘッド35に供給されるインクを貯留するとともに、インクの補充が可能である。例えば、各インクカートリッジ31は、不図示のインク供給口を有し、当該インク供給口から新たなインクが供給されることで、貯留されるインクが補充される。
なお、本実施形態に係る液体吐出装置1は、4色のインクのそれぞれに対応する4個のインクカートリッジ31を備えているが、異なる色のインクが充填されたインクカートリッジ31をさらに備えていてもよく、また、一部の色に対応するインクカートリッジ31を複数備えてもよい。さらに、各インクカートリッジ31は、キャリッジ32に搭載される代わりに、液体吐出装置1の本体など、別の場所に設けられてもよい。ここで、インクカートリッジ31が、液体貯留部の一例である。
印刷手段4は、移動体3を主走査方向であるY方向に沿った方向に往復移動させる駆動源となるキャリッジモーター41と、キャリッジモーター41の回転を受けて、移動体3を往復移動させる往復動機構42とを備える。往復動機構42は、その両端が不図示のフレームに支持されたキャリッジガイド軸422と、キャリッジガイド軸422と平行に延在するタイミングベルト421とを有している。キャリッジ32は、キャリッジガイド軸422に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト421の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター41の作動により、プーリを介してタイミングベルト421を正逆走行させることで、移動体3は、キャリッジガイド軸422に案内されて、往復動する。
また、液体吐出装置1は、媒体Pを印刷手段4に供給、及び排出するための給紙装置7を備える。給紙装置7は、駆動源となる給紙モーター71と、給紙モーター71の作動により回転する給紙ローラー72とを有している。給紙ローラー72は、媒体Pの搬送経路において媒体Pを挟んで上下に対向する従動ローラー72aと、駆動ローラー72bとで構成されている。ここで、駆動ローラー72bは、給紙モーター71に連結されている。これにより、給紙ローラー72は、トレイ81に設置した複数枚の媒体Pを、印刷手段4に向かって1枚ずつ送り込み、印刷手段4から1枚ずつ排出する。なお、液体吐出装置1は、トレイ81に代えて、媒体Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
また、液体吐出装置1は、印刷手段4及び給紙装置7を制御する制御部6を備える。制御部6は、後述するパーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューター9から入力された画像データImgに基づいて、印刷手段4や給紙装置7等を制御することで媒体Pへの印刷処理を行う。
具体的には、制御部6は、給紙装置7を制御することで、媒体Pを一枚ずつX方向である副走査方向に間欠送りする。また、制御部6は、移動体3を副走査方向と交差するY方向である主走査方向に往復動させるように制御する。つまり、制御部6は、移動体3を主
走査方向に往復動させるように制御するとともに、媒体Pを副走査方向に間欠送りするように給紙装置7を制御する。そして、制御部6は、画像データImgに基づいて、各プリントヘッド35からのインクの吐出タイミングを制御することで、媒体Pへの印刷処理を実行する。
また、制御部6は、操作パネル83の表示部にエラーメッセージ等を表示させ、あるいはLEDランプ等を点灯/点滅させるとともに、操作パネル83の操作部から入力された各種スイッチの押下信号に基づいて、対応する処理を各部に実行させる。さらに、制御部6は、必要に応じてエラーメッセージや吐出異常等の情報をホストコンピューター9に転送する処理を実行する。この操作パネル83が入力部の一例である。
図2は、本実施形態に係る液体吐出装置1の電気構成を示す図である。図2に示すように、液体吐出装置1は、制御部6、ヘッドユニット30、駆動信号生成回路54、操作パネル83、回復処理部84、キャリッジモーター41、キャリッジモータードライバー43、給紙モーター71、及び給紙モータードライバー73を備える。
制御部6は、液体吐出装置1の各部の動作を制御する各種制御信号を出力する。制御部6は、CPU61、及び記憶部62を備える。
記憶部62は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、PROMを有する。EEPROMは、ホストコンピューター9から不図示のインターフェース部を介して供給される画像データImgをデータ格納領域に格納する。RAMは、印刷処理等の各種処理を実行する際に必要なデータを一時的に格納し、あるいは印刷処理等の各種処理を実行するための制御プログラムを一時的に展開する。PROMは、液体吐出装置1の各部を制御する制御プログラム等を格納する。
CPU61は、ホストコンピューター9から供給される画像データImgを、記憶部62に格納する。また、CPU61は、画像データImg等の記憶部62に格納されている各種データに基づいて、キャリッジモータードライバー43の動作を制御するためのドライバー制御信号Ctr1と、給紙モータードライバー73の動作を制御するためのドライバー制御信号Ctr2と、駆動信号生成回路54を制御する為の基駆動信号dAと、ヘッドユニット30を制御する為のクロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swと、回復処理部84の動作を制御するための回復処理信号RCと、操作パネル83の動作を制御するための信号と、を含む各種信号を生成し出力する。
キャリッジモータードライバー43は、ドライバー制御信号Ctr1に基づいてキャリッジモーター41を駆動する。これにより、キャリッジモーター41は、ヘッドユニット30を搭載したキャリッジ32を往復動させる。また、給紙モータードライバー73は、ドライバー制御信号Ctr2に基づいて給紙モーター71を駆動する。これにより、給紙モーター71は、媒体Pを搬送する。
駆動信号生成回路54は、制御部6から供給される基駆動信号dAに基づいて駆動信号Comを生成する。基駆動信号dAは、駆動信号Comの信号波形を規定するデジタルの信号である。駆動信号生成回路54は、基駆動信号dAをデジタル/アナログ変換した後、当該信号を増幅することで、駆動信号Comを生成する。駆動信号生成回路54は、生成した駆動信号Comを、ヘッドユニット30に出力する。なお、詳細は後述するが、本実施形態において駆動信号生成回路54は、駆動信号Comとして、3つの駆動信号Com−A、Com−B、及びCom−Cを生成している。
ヘッドユニット30は、複数のプリントヘッド35を有する。また、各プリントヘッド35は、駆動信号選択制御回路200と、複数の吐出部600とを有し、各吐出部600は、圧電素子60を含む。なお、以下の説明において、本実施形態における液体吐出装置1が備えるプリントヘッド35は、4個であるとして説明を行うが、4個に限られるものではなく、吐出されるインクの数や種類、インクカートリッジ31の数などに応じて、5個以上であってもよく、また3個以下であってもよい。
駆動信号選択制御回路200は、吐出部600と電気的に接続され、駆動信号Comを圧電素子60に供給するか否かを選択する。具体的には、駆動信号選択制御回路200は、制御部6から供給されるクロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHと、駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Comと、に基づいて、圧電素子60を駆動させるための駆動信号Vinを生成し出力する。
また、駆動信号選択制御回路200は、圧電素子60が駆動信号Vinにより駆動された後に生じる残留振動を残留振動信号Voutとして検出する。そして、駆動信号選択制御回路200は、残留振動信号Voutに基づいて、検出した残留振動信号Voutに対応する圧電素子60を含む吐出部600に異常があるか否か、及び当該吐出部600における吐出状態を判定し、判定結果を表す判定結果信号Rsを制御部6に出力する。なお、駆動信号選択制御回路200の詳細については後述する。
制御部6が有する判定信号処理部63は、判定結果信号Rsに基づいて、回復処理部84に吐出部600の異常を回復させるための処理を実行させる回復処理信号RCを出力する。回復処理部84は、回復処理信号RCに基づいて、吐出部600の異常を回復させるための処理を実行する。回復処理部84が実行する回復処理としては、例えば、インクが吐出されるノズルが設けられているノズル面を覆うキャップにポンプを接続し、当該ポンプによりノズルからプリントヘッド35の内部のインクを吸引するポンプ吸引処理、プリントヘッド35に充填されたインクのリフレッシュのために、当該インクを予備的に吐出させるフラッシング処理、また、ノズル面を拭き取るワイピング処理等が挙げられる。すなわち、回復処理部84は、ノズルからインクを予備的に吐出するフラッシング処理を含む複数の処理を実行する。
また、判定信号処理部63は、判定結果信号Rsに基づいて、各種判定閾値の補正や修正、操作パネル83、その他のディスプレイ等の表示部を介して使用者に対して各種回復処理の実行を促す通知などを行うことで、各種回復処理を実行する。換言すれば、判定信号処理部63は、判定結果信号Rsに基づいて、吐出異常の原因に対応する上述のポンプ吸引処理、フラッシング処理、ワイピング処理等に加え、各種判定閾値の補正や修正、及び各種回復処理を実行させる。ここで、上述のポンプ吸引処理、フラッシング処理、ワイピング処理等の回復処理部84が実行する処理に加え、各種判定閾値の補正や修正、及び各種回復処理の実行を促す通知などの各種処理を吐出異常対応処理と称する場合がある。
2.プリントヘッドの構成
ここで、プリントヘッド35の構成について説明する。図3は、プリントヘッド35の分解斜視図である。また、図4は、図3のIII−III線におけるプリントヘッド35の断面を示す断面図である。図3、及び図4に示すプリントヘッド35は、駆動信号Vinに基づいて駆動される圧電素子60と、圧電素子60の駆動により変位するアクチュエーター基板136と、内部に液体の一例としてのインクが充填されアクチュエーター基板136の変位により内部圧力が変化するキャビティーCと、内部圧力の変化により液体が吐出されるノズルNとを有する。
図3に示すように、プリントヘッド35は、X方向に配列された2M個のノズルNを備える。本実施形態において、2M個のノズルNは、列L1と列L2との2列で配列している。以下の説明では、列L1に属するM個のノズルNの各々をノズルN1と称し、列L2に属するM個のノズルNの各々をノズルN2と称する場合がある。また、以下の説明では、列L1に属するM個のノズルN1のうち、i番目(iは、1≦i≦Mを満たす自然数)のノズルN1と、列L2に属するM個のノズルN2のうち、i番目のノズルN2との、X方向での位置が略一致する場合を想定する。ここで、「略一致」とは、完全に一致する場合の他に、誤差を考慮すれば同一とみなせる場合を含む。なお、2M個のノズルNは、列L1に属するM個のノズルN1のうち、i番目のノズルN1と、列L2に属するM個のノズルN2のうち、i番目のノズルN2との、X方向の位置が相違するように、所謂、千鳥状又はスタガ状に配列されてもよい。
図3及び図4に示すように、プリントヘッド35は、流路基板132を備える。流路基板132は、面F1と面FAとを含む板状部材である。面F1は、プリントヘッド35から見て媒体P側の表面であって、面FAは、面F1とは反対側の表面である。面FAの面上には、圧力室基板134、アクチュエーター基板136、複数の圧電素子60、配線基板138、及び筐体部140が設けられている。また、面F1の面上には、ノズル板152が設けられている。なお、プリントヘッド35の各要素は、概略的にはX方向に長尺な板状部材であり、Z方向に積層されている。
ノズル板152は板状部材であり、ノズル板152には、貫通孔である2M個のノズルNが形成されている。なお、以下の説明においてノズル板152には、600個以上のノズルNが形成され、列L1及び列L2の各々に対応するノズルNは、1インチあたり300個以上の密度で設けられている。このノズル板152のうち、プリントヘッド35の外側に位置し、媒体Pと対向する面が、前述したノズル面に相当する。
流路基板132は、インクの流路を形成するための板状部材である。図3及び図4に示すように、流路基板132には流路RAが形成されている。また、流路基板132には、2M個のノズルNと1対1に対応するように、2M個の流路131と2M個の流路133とが形成される。流路131及び流路133は、図4に示すように流路基板132を貫通するように形成された開口である。流路133は、当該流路133に対応するノズルNに連通する。また、流路基板132の面F1には、2つの流路139が形成される。2つの流路139のうち一方は、流路RAと列L1に属するM個のノズルN1に1対1に対応するM個の流路131とを連結する流路であり、他方は、流路RAと列L2に属するM個のノズルN2に1対1に対応するM個の流路131とを連結する流路である。
図3及び図4に示すように、圧力室基板134は、2M個のノズルNと1対1に対応するように2M個の開口137が形成された板状部材である。圧力室基板134のうち流路基板132とは反対側の表面にはアクチュエーター基板136が設けられる。
図4に示すように、アクチュエーター基板136と流路基板132の面FAとは、各開口137の内側で相互に間隔をあけて対向する。開口137の内側で流路基板132の面FAとアクチュエーター基板136との間に位置する空間は、当該空間に充填されたインクに圧力を付与するためのキャビティーCとして機能する。キャビティーCは、例えば、Y方向を長手方向としてX方向を短手方向とする空間である。プリントヘッド35には、2M個のノズルNに1対1に対応するように、2M個のキャビティーCが設けられている。ノズルN1に対応して設けられたキャビティーCは、流路131及び流路139を介して流路RAに連通するとともに、流路133を介してノズルN1に連通する。また、ノズルN2に対応して設けられたキャビティーCは、流路131及び流路139を介して流路RAに連通するとともに、流路133を介してノズルN2に連通する。
図3及び図4に示すように、アクチュエーター基板136のうちキャビティーCとは反対側の面上には、2M個のキャビティーCに1対1に対応するように、2M個の圧電素子60が設けられている。圧電素子60には、駆動信号Vinが供給される。そして、圧電素子60は、供給される駆動信号Vinに応じて駆動される。そして、アクチュエーター基板136は、圧電素子60の変形に連動して振動し、アクチュエーター基板136が振動すると、キャビティーCの内部圧力が変動する。そして、キャビティーCの内部圧力の変動により、キャビティーCに充填されたインクが、流路133及びノズルNを経由して吐出される。
なお、キャビティーC、流路131,133、ノズルN、アクチュエーター基板136、及び圧電素子60が、キャビティーCに充填されたインクを圧電素子60の駆動により吐出させるための吐出部600として機能する。すなわち、プリントヘッド35には、X方向に沿って複数の吐出部600が2列に並設されている。
図3及び図4に示す配線基板138は、面G1と、面G1と対向する面G2とを有し、集積回路装置162に駆動信号Comを伝搬する。また、配線基板138は、アクチュエーター基板136に形成された2M個の圧電素子60を保護するための板状部材であり、アクチュエーター基板136の表面、又は、圧力室基板134の表面に設けられる。
配線基板138のうちプリントヘッド35から見て媒体P側の表面である面G1には、2つの収容空間145が形成される。2つの収容空間145のうち一方は、M個のノズルN1に対応するM個の圧電素子60を収容するための空間であり、他方は、M個のノズルN2に対応するM個の圧電素子60を収容するための空間である。この収容空間145のZ方向の幅である高さは、圧電素子60が変位しても圧電素子60と配線基板138とが接触しないように、十分な大きさを有する。
配線基板138のうち面G1の反対側の表面である面G2には、集積回路装置162が設けられている。集積回路装置162には、図2に示す駆動信号選択制御回路200が実装されている。集積回路装置162には、プリントヘッド35に入力される駆動信号Com、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swが入力される。そして、集積回路装置162は、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHに基づいて、各圧電素子60に供給する駆動信号Vinを生成し出力する。
配線基板138には、駆動信号Com、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swを伝搬する為の複数の配線が設けられている。また、配線基板138には、集積回路装置162から出力された駆動信号Vinを圧電素子60に供給するための配線が設けられている。
また、配線基板138には、接続配線164が電気的に接続されている。接続配線164は、プリントヘッド35に入力された複数の信号を、集積回路装置162に転送するための複数の配線が形成された部材であり、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)や、FFC(Flexible Flat Cable)等であってもよい。
次に、プリントヘッド35から吐出されるインクの吐出動作について、図5を用いて説明する。図5はインクの吐出動作を説明するための図である。圧電素子60に駆動信号Vinが供給されると、圧電素子60の電極間の印加された電界に比例した歪が発生し、アクチュエーター基板136は、図5の(a)に示す初期状態に対して、上方向に撓む。したがって、図5の(b)に示すようにキャビティーCの容積が拡大する。この状態におい
て、駆動信号Vinの電圧値が増加から減少、又は減少から増加に転じると、アクチュエーター基板136は、弾性復元力によって復元し、初期状態におけるアクチュエーター基板136の位置を越えて下方向に移動する。したがって、図5の(c)に示すようにキャビティーCの容積が急激に収縮する。このとき、キャビティーCの内部圧力が増加し、キャビティーCに充填されたインクの一部が、ノズルNから吐出される。
アクチュエーター基板136は、この一連のインク吐出動作が終了した後、次のインク吐出動作を開始するまでの間、減衰振動を行う。以下、この減衰振動を残留振動と称する場合がある。換言すれば、駆動信号Vinが圧電素子60に供給された後のキャビティーCの内部圧力の変化に基づいて生じるアクチュエーター基板136の変位が残留振動に相当する。ここで、本実施形態において、圧電素子60が駆動素子の一例であり、アクチュエーター基板136が振動板の一例である。そして、アクチュエーター基板136の変位により圧電素子60が変位する。この残留振動に基づく圧電素子60の変位により生じた信号が残留振動信号Voutに相当する。
このような、アクチュエーター基板136に生じる残留振動は、インク粘度等による音響抵抗r、プリントヘッド35の流路内のインク重量によるイナータンスm、及びアクチュエーター基板136のコンプライアンスCmによって決定される固有振動周波数を有するものと想定される。
3.残留振動について
ここで、アクチュエーター基板136に生じる残留振動の計算モデルについて説明する。図6は、アクチュエーター基板136の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。アクチュエーター基板136の残留振動の計算モデルは、音圧pと、上述のイナータンスm、コンプライアンスCm、及び音響抵抗rで表せる。そして、図6の回路に音圧pを与えた時のステップ応答を体積速度uについて計算すると、次式が得られる。
式(1)〜(3)から得られた計算結果と、別途行ったインクの吐出後のアクチュエーター基板136の残留振動の実験における実験結果とを比較する。図7は、アクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。図7に示す結果からも分かるように、実験値と計算値の2つの波形は、概ね一致している。
ここで、プリントヘッド35が吐出動作を行ったにもかかわらずノズルNからインクが
正常に吐出されない現象、即ちインクの吐出異常が発生する場合がある。この吐出異常が発生する原因としては、(1)キャビティーCの内部に気泡が混入する気泡混入、(2)インクの粘度が乾燥等により増粘する乾燥増粘、(3)ノズルNの出口付近に紙粉が付着する紙粉付着、等が挙げられる。ここで、上述の吐出異常の内の乾燥増粘が粘度異常の一例である。
このような吐出異常が生じると、ノズルNからインクが吐出されない不吐出現象が発生し、その場合、媒体Pに印刷された画像に画素のドット抜けが生じる。また、ノズルNからインクが吐出された場合であっても、吐出されたインクの量が過少となり、また、インクの飛行方向がずれることで、インクが、媒体Pに適正に着弾できず、不吐出現象の場合と同様に、画素のドット抜けとなって現れる。なお以下の説明では、インクの吐出異常のことを単に「ドット抜け」と称する場合がある。
以下の説明では、図7に示す比較結果に基づいて、プリントヘッド35に発生する吐出異常であるドット抜け現象を原因別に検討する。具体的には、アクチュエーター基板136の残留振動の計算値と実験値が概ね一致するように、音響抵抗r、及びイナータンスmのうち少なくとも一方の値を調整し、実験値と比較する。
まず、ドット抜けの1つの原因である、気泡混入について検討する。図8は、気泡混入が生じた場合におけるノズルNの付近を示す概念図である。図8に示すように、プリントヘッド35に混入した気泡Aは、キャビティーCの壁面に発生付着しているものと想定される。
このように、キャビティーCの内部に気泡Aが混入した場合、キャビティーCの内部を満たすインクの総重量が減り、イナータンスmが低下するものと考えられる。また、図8に示すように、気泡AがノズルNの付近に付着している場合、その径の大きさだけノズルNの径が大きくなったような状態となり、音響抵抗rが低下するものと考えられる。したがって、インクが正常に吐出された図7の場合に対して、音響抵抗r、及びイナータンスmを共に小さく設定し、気泡混入時の残留振動の実験値と概ね一致することで、図9に示すような結果が得られた。図9は、気泡混入時のアクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。図7及び図9の結果から分かるように、キャビティーCの内部に気泡Aが混入した場合、正常に吐出された場合に比べて周波数が高くなる特徴的な残留振動波形が得られる。なお、音響抵抗rの低下などにより、残留振動の振幅の減衰率も小さくなり、残留振動は、その振幅をゆっくりと下げていることも確認することができる。
次に、ドット抜けのもう1つの原因である、乾燥増粘について検討する。図10は、乾燥増粘が生じた場合のノズルNの付近を示す概念図である。図10に示すように、ノズルNの付近のインクが乾燥し、固着した場合、キャビティーCの内部のインクは、キャビティーCの内部に閉じこめられたような状況となる。また、キャビティーCの内部のインクの粘度が増加した場合であっても同様に、キャビティーCの内部のインクは、キャビティーCの内部に閉じこめられたような状況となる。このように、ノズルN付近のインクが乾燥、増粘した場合、音響抵抗rが増加するものと考えられる。
したがって、インクが正常に吐出された図7の場合に対して、音響抵抗rを大きく設定し、ノズルNの付近のインクが乾燥増粘した場合の残留振動の実験値と概ね一致することにより、図11のような結果が得られた。図11は、乾燥増粘の場合のアクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。なお、図11に示す実験値は、ノズルNに対して不図示のキャップを数日間装着しない状態でプリントヘッド35を放置し、ノズルNの付近のインクが乾燥、増粘したことによりインクが固着し、イン
クの吐出ができなくなった状態におけるアクチュエーター基板136の残留振動を測定したものである。図7及び図11の結果から分かるように、ノズルNの付近のインクが乾燥により固着した場合、正常に吐出した場合に比べて周波数が極めて低くなるとともに、残留振動が過減衰となる特徴的な残留振動波形が得られる。これは、アクチュエーター基板136が上方に引き寄せられることによって、キャビティーCの内部にインクが流入し、その後、インクを吐出するためにアクチュエーター基板136が下方に移動する場合に、キャビティーCの内部のインクに逃げ道がなく、アクチュエーター基板136が急激に振動できなくなるためである。なお、インクの粘度が増加した場合でも同様の傾向となる。
次に、ドット抜けのさらにもう1つの原因である、紙粉付着について検討する。図12は、紙粉付着の場合のノズルNの付近を示す概念図である。図12に示すように、ノズルNの出口付近に紙粉Bが付着した場合、キャビティーCの内部から紙粉Bを介してインクが染み出してしまうとともに、ノズルNからインクを吐出することができなくなる。このように、ノズルNの出口付近に紙粉Bが付着し、ノズルNからインクが染み出している場合、アクチュエーター基板136から見てキャビティーCの内部、及び染み出し分のインクが正常時よりも増えるため、イナータンスmが増加するものと考えられる。また、ノズルNの出口付近に付着した紙粉Bの繊維によって音響抵抗rが増大するものと考えられる。
したがって、インクが正常に吐出された図7の場合に対して、イナータンスm、音響抵抗rを共に大きく設定して、ノズルNの出口付近への紙粉付着時の残留振動の実験値と概ね一致することにより、図13のような結果が得られた。図13は、紙粉付着の場合のアクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。図7及び図13の結果から分かるように、ノズルNの出口付近に紙粉Bが付着した場合、正常に吐出した場合と比べて周波数が低くなる特徴的な残留振動波形が得られる。
なお、図11及び図13に示す結果から、紙粉付着の場合は、インクの乾燥増粘の場合と比較して、残留振動の周波数が高いことが分かる。
ここで、ノズルN付近のインクが乾燥増粘した場合と、ノズルNの出口付近に紙粉が付着した場合とでは、いずれも正常にインク滴が吐出された場合に比べて減衰振動の周波数が低くなっている。これら2つのドット抜けの原因は、例えば、減衰振動の周波数や周期、位相において所定の閾値を持って比較するか、或いは、残留振動の周期変化や振幅変化の減衰率から特定することができる。以上のように、プリントヘッド35が有するノズルNからインク滴が吐出された場合のアクチュエーター基板136の残留振動の変化、特に、その周波数の変化によって、プリントヘッド35が有するノズルNの吐出異常を検出することができる。また、その場合の残留振動の周波数を正常吐出時の残留振動の周波数と比較することにより、吐出異常の原因を特定することもできる。
4.駆動信号選択制御回路の構成
4.1 駆動信号選択制御回路の構成
以上に説明した残留振動は、残留振動信号Voutとして駆動信号選択制御回路200に入力される。そして、駆動信号選択制御回路200は、入力された残留振動信号Voutに基づいて、対応するノズルNの吐出異常の有無、及び吐出異常の原因を判定し、判定結果を判定結果信号Rsとして出力する。ここで、残留振動信号Voutに基づいて、判定結果信号Rsを生成する駆動信号選択制御回路200の構成について図14を用いて説明する。
図14は、駆動信号選択制御回路200の電気構成を示す図である。図14に示すように、駆動信号選択制御回路200は、選択制御回路51、残留振動検出回路52、及び切
替回路53を備える。
選択制御回路51には、制御部6から出力されるクロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHと、駆動信号生成回路54から出力される駆動信号Comとが入力される。そして、選択制御回路51は、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHに基づいて、駆動信号Comを選択、又は非選択とすることで、駆動信号Vinを生成し、切替回路53に出力する。
切替回路53は、制御部6から出力される切替制御信号Swに基づいて、駆動信号Vinを圧電素子60に供給するのか、又は、駆動信号Vinが圧電素子60に供給された後、当該圧電素子60に生じる残留振動を示す残留振動信号Voutを、残留振動検出回路52に供給するのかを切り替える。換言すれば、切替回路53は、圧電素子60と、選択制御回路51とを電気的に接続するのか、又は当該圧電素子60と、残留振動検出回路52とを電気的に接続するのかを切り替える。
残留振動検出回路52は、入力される残留振動信号Voutを検出し、検出した残留振動信号Voutに基づいて対応するノズルNにおける吐出異常の有無、及び吐出異常の原因を判定する。そして、残留振動検出回路52は、検出した残留振動信号Voutに基づいて判定結果信号Rsを生成し、制御部6に出力する。
4.2 選択制御回路の構成、及び動作
まず、図15から図18を用いて、選択制御回路51の構成、及び動作の詳細について説明する。図15は、選択制御回路51の構成を示すブロック図である。図15に示すように、選択制御回路51は、シフトレジスターSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、及びトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcからなる組を、2M個のノズルNに1対1で対応するように2M組有する。以下の説明では、2M組の各要素を、図15において上から順番に、1段、2段、…、2M段と称する場合がある。なお、図15には、1段、2段、…、2M段のそれぞれに対応するシフトレジスターSRをSR[1],SR[2],…,SR[2M]と示し、ラッチ回路LTをLT[1],LT[2],…,LT[2M]と示し、デコーダーDCをDC[1],DC[2],…,DC[2M]と示し、駆動信号VinをVin[1],Vin[2],…,Vin[2M]と示している。
選択制御回路51には、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び駆動信号Comが供給される。ここで、詳細は後述するが図15に示すように本実施形態における駆動信号Comは、3つの駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cを含んで構成されている。
印刷信号SIは、画像の1ドットを形成する場合に、対応するノズルNから吐出させるインクの量を規定するデジタルの信号である。詳細には、印刷信号SIは、3ビットの印刷データ[b1,b2,b3]を含む。そして、選択制御回路51は、印刷データ[b1,b2,b3]に応じてノズルNから吐出させるインクの量を規定する。この印刷信号SIは、クロック信号CLに同期して、制御部6から選択制御回路51にシリアルに入力される。選択制御回路51は、入力された印刷信号SIに基づいて、ノズルNから吐出されるインクの量に応じた駆動信号Vinを生成する。この駆動信号Vinが、対応する圧電素子60に供給されることで、媒体Pには、非記録、小ドット、中ドット、及び大ドットの4階調を表現するドットが形成される。また、選択制御回路51は、入力された印刷信号SIに基づいて、ノズルNの状態を検査するための検査用の駆動信号Vinも生成する。
シフトレジスターSRのそれぞれは、印刷信号SIを、ノズルNのそれぞれに対応する
3ビットの情報毎に一旦保持すると共に、クロック信号CLに従って順次後段のシフトレジスターSRに転送する。詳細には、2M個のノズルNのそれぞれと1対1で対応する、2M個のシフトレジスターSRが縦続接続される。シリアルで供給された印刷信号SIが、クロック信号CLに従って順次後段のシフトレジスターSRに転送される。そして、2M個のシフトレジスターSRの全てに印刷信号SIが転送された時点で、クロック信号CLの供給が停止する。これにより、2M個のシフトレジスターSRのそれぞれには、2M個のノズルNのそれぞれに対応する印刷信号SIが保持される。
2M個のラッチ回路LTのそれぞれは、ラッチ信号LATの立ち上がりに同期して、2M個のシフトレジスターSRのそれぞれが保持する3ビットの印刷信号SIを一斉にラッチする。ここで、図15に示すSI[1]、SI[2]、…、SI[2M]は、1段、2段、…、2M段の各シフトレジスターSR[1],SR[2],…,SR[2M]で保持され、対応するラッチ回路LT[1],LT[2],…,LT[2M]によってラッチされた印刷信号SIを示している。
ところで、液体吐出装置1が印刷を実行する動作期間は、複数の単位動作期間Tuを含む。また、各単位動作期間Tuは、制御期間Ts1とこれに後続する制御期間Ts2とを含む。この複数の単位動作期間Tuには、印刷処理が実行される単位動作期間Tu、吐出異常検出処理が実行される単位動作期間Tu、及び印刷処理及び吐出異常検出処理の両方の処理が実行される単位動作期間Tu等が含まれる。
制御部6は、選択制御回路51に対して、単位動作期間Tu毎に印刷信号SIを供給するとともに、ラッチ回路LTが単位動作期間Tu毎に印刷信号SI[1]、SI[2]、…、SI[2M]をラッチするように、選択制御回路51を制御する。すなわち、制御部6は、単位動作期間Tu毎に2M個のノズルNに対応する圧電素子60に駆動信号Vinが供給されるように、選択制御回路51を制御する。
具体的には、プリントヘッド35が、単位動作期間Tuにおいて印刷処理のみを実行する場合、制御部6は、2M個のノズルNに対応する圧電素子60に対して、印刷用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御する。この場合、2M個のノズルNのそれぞれから画像データImgに応じた量のインクが媒体Pに吐出される。よって、媒体Pには、画像データImgに対応する画像が形成される。
一方、プリントヘッド35が、単位動作期間Tuにおいて吐出異常検出処理のみを実行する場合、制御部6は、2M個のノズルNに対応する圧電素子60に対して検査用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御する。
また、プリントヘッド35が、単位動作期間Tuにおいて印刷処理、及び吐出異常検出処理の両方を実行する場合、制御部6は、2M個のノズルNに対応する圧電素子60の一部に対して印刷用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御し、残りのノズルNに対応する圧電素子60に対して検査用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御する。
デコーダーDCは、ラッチ回路LTによってラッチされた3ビット分の印刷信号SIをデコードし、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて、Hレベル又はLレベルの選択信号Sa,Sb,Scを出力する。
図16は、デコーダーDCが行うデコードの内容を示す図である。図16に示すように、j段(jは、1≦j≦2Mを満たす自然数)に対応する印刷信号SI[j]が示す内容が、例えば印刷データ[b1,b2,b3]が[1、0、0]である場合、j段のデコー
ダーDCは、制御期間Ts1において、選択信号SaをHレベルに設定するとともに、選択信号Sb及びScをLレベルに設定し、制御期間Ts2において、選択信号Sa及びScをLレベルに設定するとともに、選択信号SbをHレベルに設定する。
また、印刷信号SIの下位ビットb3が「1」の場合、つまり、印刷データ[b1,b2,b3]が[0、0、1]である場合、j段のデコーダーDCは、制御期間Ts1,Ts2において、選択信号Sa及びSbをLレベルに設定するとともに、選択信号ScをHレベルに設定する。
図15に戻り、選択制御回路51は、トランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの組を2M個備える。これら、2M個のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの組は、2M個のノズルNに1対1に対応するように設けられている。
トランスミッションゲートTGaは、選択信号SaがHレベルの場合にオンし、Lレベルの場合にオフする。また、トランスミッションゲートTGbは、選択信号SbがHレベルの場合にオンし、Lレベルの場合にオフする。また、トランスミッションゲートTGcは、選択信号ScがHレベルの場合にオンし、Lレベルの場合にオフする。
例えば、j段目において、印刷信号SI[j]の印刷データ[b1,b2,b3]が[1、0、0]である場合、制御期間Ts1においてトランスミッションゲートTGaはオンに制御され、トランスミッションゲートTGb及びTGcはオフに制御される。また、制御期間Ts2においてトランスミッションゲートTGbはオンに制御され、トランスミッションゲートTGb及びTGcはオフに制御される。
図15に示すように、トランスミッションゲートTGaの一端には、駆動信号Comの内の駆動信号Com−Aが供給され、トランスミッションゲートTGbの一端には、駆動信号Comの内の駆動信号Com−Bが供給され、トランスミッションゲートTGcの一端には、駆動信号Comの内の駆動信号Com−Cが供給される。また、トランスミッションゲートTGa,TGb,TGcのそれぞれの他端は、切替回路53への出力端OTNに共通接続されている。
ここで、図16に示すように、トランスミッションゲートTGa,TGb,TGcは、排他的にオンとなる。したがって、制御期間Ts1,Ts2毎に選択された駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cが、駆動信号Vin[j]として出力端OTNに出力される。そして、駆動信号Vin[j]が、切替回路53を介してj段のノズルNに対応する圧電素子60に供給される。
図17は、単位動作期間Tuにおける選択制御回路51の動作を説明するための図である。図17に示すように、単位動作期間Tuは、制御部6が出力するラッチ信号LATにより規定される。また、単位動作期間Tuに含まれる制御期間Ts1,Ts2は、制御部6が出力するラッチ信号LATとチェンジ信号CHとにより規定される。
単位動作期間Tuにおいて、駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Com−Aは、印刷用の駆動信号Vinを生成するための信号であり、制御期間Ts1に配置された単位波形PA1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PA2とを連続させた波形である。単位波形PA1、及び単位波形PA2の開始、及び終了のタイミングにおける電位は、いずれも基準電位V0である。また、単位波形PA1の電位Va11と電位Va12との電位差は、単位波形PA2の電位Va21と電位Va22との電位差よりも大きい。このため、圧電素子60が単位波形PA1により駆動された場合、当該圧電素子60に対応するノズルNから吐出されるインクの量は、当該圧電素子60が単位波形PA2により駆
動された場合にノズルNから吐出されるインクの量よりも多い。
また、単位動作期間Tuにおいて駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Com−Bは、印刷用の駆動信号Vinを生成するための信号であり、制御期間Ts1に配置された単位波形PB1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PB2とを連続させた波形である。単位波形PB1の開始及び終了のタイミングにおける電位は、いずれも基準電位V0であり、単位波形PB2の電位は、制御期間Ts2に亘って基準電位V0に保たれる。また、単位波形PB1の電位Vb11と基準電位V0との電位差は、単位波形PA2の電位Va21と電位Va22との電位差よりも小さい。そして、ノズルNに対応する圧電素子60が単位波形PB1により駆動された場合、当該圧電素子60に対応するノズルNからはインクは吐出されない。同様に、圧電素子60に単位波形PB2が供給された場合にも、ノズルNからインクは吐出されない。
また、単位動作期間Tuにおいて駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Com−Cは、検査用の駆動信号Vinを生成するための信号であり、制御期間Ts1に配置された単位波形PC1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PC2とを連続させた波形である。単位波形PC1の開始のタイミングにおける電位、及び単位波形PC2の終了のタイミングにおける電位は、いずれも基準電位V0である。また、単位波形PC1は、基準電位V0から電位Vc11に遷移した後、電位Vc11から電位Vc12に遷移し、その後、制御期間Ts1の終了まで電位Vc12に保たれる。また、単位波形PC2は、電位Vc12を維持した後、制御期間Ts2が終了する前に電位Vc12から基準電位V0に遷移する。
図17に示すように、シリアルに供給された印刷信号SI[1]、SI[2]、…、SI[2M]は、クロック信号CLにより順次シフトレジスターSRで伝搬され、クロック信号CLが停止することで、対応するシフトレジスターSR[1],SR[2],…,SR[2M]に保持される。そして、ラッチ信号LATの立ち上がりのタイミング、すなわち、単位動作期間Tuが開始されるタイミングにおいて、選択制御回路51が有する2M個のラッチ回路LTは、シフトレジスターSR[1],SR[2],…,SR[2M]のそれぞれに保持されている印刷信号SI[1]、SI[2]、…、SI[2M]をラッチする。
2M個のデコーダーDCのそれぞれは、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて、ラッチ回路LTによりラッチされた印刷信号SI[1]、SI[2]、…、SI[2M]に応じた論理レベルの選択信号Sa,Sb,Scを図16に記載の内容に従い出力する。
そして、2M個のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcのそれぞれが、入力される選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルに基づいて、オン又はオフに制御されることで、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれが選択、又は非選択とされ、駆動信号Vinとして出力される。
次に、図18を用いて、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51から出力される駆動信号Vinの波形について説明する。図18は、駆動信号Vinの波形の一例を示す図である。
単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[1、1、0]の場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Aが選択され、制御期間Ts2において、駆動
信号Com−Aが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PA1と単位波形PA2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA1に基づく中程度の量のインクと、単位波形PA2に基づく小程度の量のインクとが吐出される。そして、ノズルNから吐出されたインクが媒体Pにおいて結合することにより、媒体Pには、大ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[1、0、0]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Aが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Bが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PA1と単位波形PB2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA1に基づく中程度の量のインクが吐出され、媒体Pには、中ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[0、1、0]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Bが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Aが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PB1と単位波形PA2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA2に基づく小程度の量のインクが吐出され、媒体Pには、小ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[0、0、0]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Bが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Bが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PB1と単位波形PB2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、インクが吐出されない。したがって、媒体Pには、ドットが形成されない。この場合において、選択制御回路51が出力する駆動信号Vinは、ノズルNからインクが吐出されない程度に圧電素子60を駆動させ、ノズル付近のインクの増粘を防止する所謂微振動波形に相当する。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[0、0、1]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,L,Hレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,L,Hレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Cが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Cが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PC1と単位波形PC2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、インクが吐出されない。したがって、媒体Pには、ドットが形成されない。この場合において、選択制御回路51が出力する駆動信号Vinは、圧電素子60の残留振動を検出するための検査用波形に相当する。
4.3 切替回路、及び検出回路の構成、及び動作
次に、切替回路53、及び残留振動検出回路52の構成、及び動作について説明する。図19は、切替回路53、及び残留振動検出回路52の電気構成を示す図である。なお、図19には、1段、2段、…、2M段のそれぞれに対応する切替スイッチUをU[1],U[2],…,U[2M]と示し、圧電素子60を60[1],60[2],…,60[2M]と示し、切替スイッチUをU[1],U[2],…,U[2M]と示し、切替制御信号SwをSw[1],Sw[2],…,Sw[2M]と示し、残留振動信号Voutを残留振動信号Vout[1],Vout[2],…,Vout[2M]と示している。
図19に示すように、切替回路53は、2M個の圧電素子60に対応する2M個の切替スイッチUを有する。各切替スイッチUは、切替制御信号Swに基づいて、選択制御回路51から入力される駆動信号Vinを、対応する圧電素子60に供給するのか、又は駆動信号Vinが圧電素子60に供給された後に生じる当該圧電素子60の残留振動に基づく残留振動信号Voutを、残留振動検出回路52に供給するのかを切り替える。
具体的には、切替スイッチU[1]には、切替制御信号Sw[1]が入力される。そして、切替スイッチU[1]は、切替制御信号Sw[1]に基づいて、駆動信号Vin[1]を圧電素子60[1]に供給するのか、又は、圧電素子60[1]に駆動信号Vin[1]が供給された後に圧電素子60[1]に生じる残留振動に基づく残留振動信号Vout[1]を、残留振動信号Voutとして残留振動検出回路52に供給するのかを切り替える。
同様に、切替スイッチU[j]には、切替制御信号Sw[j]が入力される。そして、切替スイッチU[j]は、切替制御信号Sw[j]に基づいて、駆動信号Vin[j]を圧電素子60[j]に供給するのか、又は、圧電素子60[j]に駆動信号Vin[j]が供給された後に圧電素子60[j]に生じる残留振動に基づく残留振動信号Vout[j]を、残留振動信号Voutとして残留振動検出回路52に供給するのかを切り替える。
ここで、切替制御信号Sw[1]〜Sw[2M]は、単位動作期間Tuにおいて、M個の圧電素子60[1]〜[2M]のうちのいずれか1つが残留振動検出回路52と電気的に接続されるように2M個の切替スイッチU[1]〜U[2M]のいずれかの切り替えを制御する。換言すれば、残留振動検出回路52は、切替制御信号Swに基づいてM個の圧電素子60[1]〜60[2M]のそれぞれに対応する残留振動信号Vout[1]〜Vout[2M]の内のいずれか1つを残留振動信号Voutとて検出し、対応するノズルNにおける吐出異常の有無を判定する。そのため、切替制御信号Swは、2M個の切替スイッチU[1]〜U[M]を順次制御できればよく、例えば、制御部6から出力された切替制御信号Swが、シフトレジスターなどにより伝搬されることで、2M個の切替スイッチUを逐次切替える構成であてもよい。
次に、残留振動検出回路52の構成について説明する。図20は、残留振動検出回路52の構成を示すブロック図である。残留振動検出回路52は、残留振動信号Voutを検出し、検出した残留振動信号Voutに基づいてノズルNの吐出異常の有無の検出、及び前記吐出異常の原因を特定する。
図20に示すように、残留振動検出回路52は、検出部510、及び判定部520を含む。検出部510は、駆動信号Vinが圧電素子60に供給された後の内部圧力の変化に基づいて生じるアクチュエーター基板136の変位を残留振動信号Voutとして検出する。
具体的には、検出部510は、波形整形部511と、計測部512とを含み、残留振動信号Voutに基づいて、残留振動の1周期分の時間長を表す検出信号NTcを出力する。波形整形部511は、残留振動信号Voutからノイズ成分を除去した整形波形信号Vdを生成する。波形整形部511は、例えば、残留振動信号Voutの周波数帯域よりも低域の周波数成分を減衰させた信号を出力するためのハイパスフィルターや、残留振動信号Voutの周波数帯域よりも高域の周波数成分を減衰させた信号を出力するためのローパスフィルター等を備える。そして、波形整形部511は、残留振動信号Voutの周波数範囲を限定し、ノイズ成分を除去した整形波形信号Vdを出力する。また、波形整形部511は、残留振動信号Voutの振幅を調整するための負帰還型の増幅回路や、残留振動信号Voutのインピーダンスを変換するためのボルテージフォロア回路などを含んでもよい。
計測部512は、整形波形信号Vdに基づき、残留振動信号Voutの周期を計測し、検出信号NTcを生成する。計測部512には、整形波形信号Vdと、マスク信号Mskと、閾値電位Vth_c,Vth_o,Vth_uとが入力される。ここで、マスク信号Msk、閾値電位Vth_c,Vth_o,Vth_uは、例えば、制御部6から供給されてもよく、また、不図示の記憶部に記憶されていてもよい。また、マスク信号Msk、閾値電位Vth_c,Vth_o,Vth_uは、液体吐出装置1の仕様や、周辺環境、残留振動信号Vout、及びインクの特性のばらつきに対して、最適な値となるように変更可能に設けられている。
図21は、計測部512の動作を説明するための図である。図21に示すように、閾値電位Vth_cは、整形波形信号Vdの振幅中心レベルの電位に定められた閾値であり、閾値電位Vth_oは、閾値電位Vth_cよりも高電位側に定められた閾値であり、閾値電位Vth_uは、閾値電位Vth_cよりも低電位側に定められた閾値である。そして、計測部512は、入力されるこれらの信号に基づいて、検出信号NTcと、当該検出信号NTcが有効な値であるか否かを示す有効性フラグFlagとを出力する。
具体的には、計測部512は、整形波形信号Vdの電位と閾値電位Vth_cとを比較する。そして、計測部512は、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_c以上の場合にHレベルとなり、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_c未満の場合にLレベルとなる比較信号Cmp1を生成する。
また、計測部512は、整形波形信号Vdの電位と閾値電位Vth_oとを比較する。そして、計測部512は、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_o以上の場合にHレベルとなり、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_o未満の場合にLレベルとなる比較信号Cmp2を生成する。
また、計測部512は、整形波形信号Vdの電位と閾値電位Vth_uとを比較する。そして、計測部512は、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_u未満の場合にHレベルとなり、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_u以上の場合にLレベルとなる比較信号Cmp3を生成する。
マスク信号Mskは、整形波形信号Vdの供給が開始される時刻t0から所定の期間Tmskの間だけHレベルとなる信号である。計測部512は、整形波形信号Vdのうち、期間Tmskの経過後の整形波形信号Vdのみを対象として、検出信号NTcを生成する。これにより、計測部512は、残留振動の開始直後に重畳するノイズ成分を除去した精度の高い検出信号NTcを得ることができる。
計測部512は、不図示のカウンターを備える。マスク信号MskがLレベルに立ち下がった後、整形波形信号Vdの示す電位が最初に閾値電位Vth_cと等しくなるタイミングである時刻t1において、当該カウンターは、不図示のクロック信号のカウントを開始する。すなわち、当該カウンターは、マスク信号MskがLレベルに立ち下がった後、比較信号Cmp1が最初にHレベルに立ち上がるタイミング、又は比較信号Cmp1が最初にLレベルに立ち下がるタイミングのうち、早い方のタイミングである時刻t1において、カウントを開始する。
そして、当該カウンターは、カウントを開始した後において、整形波形信号Vdの示す電位が、2度目に閾値電位Vth_cとなるタイミングである時刻t2においてクロック信号のカウントを終了させる。すなわち、当該カウンターは、マスク信号MskがLレベルに立ち下がった後、比較信号Cmp1が2度目にHレベルに立ち上がるタイミング、又は比較信号Cmp1が2度目にLレベルに立ち下がるタイミングのうち、早い方のタイミングである時刻t2において、カウントを終了する。
そして、計測部512は、当該カウンターにより得られたカウント値を、検出信号NTcとして出力する。すなわち、計測部512は、時刻t1から時刻t2までの時間長を、整形波形信号Vdの1周期分の時間長として計測することで検出信号NTcを生成する。
ここで、図21において鎖線で示すように整形波形信号Vdの振幅が小さい場合、検出信号NTcを正確に計測できないおそれがある。また、整形波形信号Vdの振幅が小さい場合、仮に検出信号NTcの結果のみに基づいてノズルNの吐出状態が正常であると判定される場合であっても、例えば、キャビティーCにインクが注入されていないことによりインクを吐出できない状態である等、実際には吐出異常が生じている可能性が存在する。そこで、計測部512は、整形波形信号Vdの振幅が、検出信号NTcの計測のために十分な大きさを有しているか否かを判定し、当該判定の結果を有効性フラグFlagとして出力する。
具体的には、計測部512は、カウンターによりカウントが実行されている期間、つまり、時刻t1から時刻t2までの期間において、整形波形信号Vdの示す電位が、閾値電位Vth_oを超え、且つ、閾値電位Vth_uを下回る場合、有効性フラグFlagの値を、検出信号NTcが有効であることを示す値「1」に設定し、それ以外の場合には「0」に設定したうえで、有効性フラグFlagを出力する。より詳細には、計測部512は、時刻t1から時刻t2までの期間において、比較信号Cmp2がLレベルからHレベルに立ち上がった後再びLレベルに立下り、且つ、比較信号Cmp3がLレベルからHレベルに立ち上がった後再びLレベルに立下る場合に、有効性フラグFlagの値を「1」に設定し、それ以外の場合に、有効性フラグFlagの値を「0」に設定する。
以上のように計測部512は、整形波形信号Vdの1周期分の時間長を示す検出信号NTcを生成するのに加え、整形波形信号Vdが検出信号NTcの計測のために十分な大きさの振幅を有しているか否かを判定する。これにより、残留振動検出回路52は、より正確に吐出異常の有無を検出することが可能となる。ここで、検出部510が検出回路の一例である。
図20に戻り、判定部520は、整形波形信号Vdの周期と所定の閾値とに基づいて、該当するノズルNにおける吐出異常の有無の検出、及び吐出異常の原因を判定する。そして、判定部520は、吐出異常の有無、及び吐出異常の原因の判定結果を示す判定結果信号Rsを出力する。換言すれば、判定部520は、検出部510において検出された残留振動信号Voutに基づいて、ノズルNの吐出異常の有無、及び吐出異常の原因を判定する。
図22は、判定部520における判定の内容を説明するための図である。図22に示すように、判定部520は、検出信号NTcが示す時間長を、第1閾値NTx1、第1閾値NTx1よりも長い時間長を表す第2閾値NTx2、及び第2閾値NTx2よりもさらに長い時間長を表す第3閾値NTx3のそれぞれと比較する。
ここで、第1閾値NTx1は、吐出異常の原因として気泡混入が発生して残留振動の周波数が高くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。また、第2閾値NTx2は、吐出異常の原因として紙粉付着が発生して残留振動の周波数が低くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。また、第3閾値NTx3は、吐出異常の原因として乾燥増粘が発生して、紙粉付着の場合よりもさらに残留振動の周波数が低くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、ノズルN出口付近に紙粉が付着した場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。
図22に示すように、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTx1≦NTc≦NTx2」の関係を満たす場合、対応するノズルNにおけるインクの吐出状態が正常であると判定する。そして、判定部520は、吐出状態が正常であることを示す判定結果信号Rsを出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTc<NTx1」の関係を満たす場合、キャビティーCに混入した気泡により吐出異常が発生していると判定する。そして、判定部520は、気泡混入の吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rs出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTx2<NTc≦NTx3」の関係を満たす場合、ノズルNの出口付近に付着した紙粉により吐出異常が発生していると判定する。そして、判定部520は、紙粉付着の吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rsを出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTx3<NTc」の関係を満たす場合、インクの増粘により吐出異常が発生していると判定する。そして、判定部520は、乾燥増粘の吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rsを出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「0」である場合、インクが注入されていない等の原因により吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rsを出力する。
以上のように、判定部520は、第1閾値NTx1、第2閾値NTx2、及び第3閾値NTx3を用いて、残留振動信号Voutの周期に基づいて、対応するノズルNにおいて吐出異常が生じているか否かを判定し、吐出異常が生じている場合においては当該吐出異常の原因として、気泡混入、乾燥増粘及び紙粉付着の少なくとも1つを特定する。そして、判定部520は、当該判定結果を判定結果信号Rsとして制御部6に出力する。ここで、判定部520が判定回路の一例である。
5.液体吐出装置に生じた吐出異常から回復させるための処理
次に判定結果信号Rsに基づいて実行される吐出異常から回復させるための処理について説明する。なお、以下の説明において、吐出異常から回復させるための処理を単に回復
処理と称する場合がある。制御部6は、判定結果信号Rsに含まれる吐出異常の有無、及び吐出異常の原因の情報に基づいて、回復処理を実行させる。具体的には、判定結果信号Rsは、制御部6が有する判定信号処理部63に入力される。そして、判定信号処理部63は、判定結果信号Rsに含まれる吐出異常の有無と、吐出異常の原因とを示す情報に基づいて、当該吐出異常の原因に対応する回復処理を実行させるために、回復処理部84に対して、回復処理信号RCを出力する。
ここで、回復処理部84で実行される回復処理の一例、及び当該回復処理と吐出異常の原因との関係について説明にする。本実施形態における回復処理部84は、回復処理信号RCに基づいて、上述したポンプ吸引処理、フラッシング処理、及びワイピング処理を実行する。
図23は、ポンプ吸引処理の一例を示す図である。図23に示すチューブ321は、ポンプ吸引処理におけるインクの排出系を示す。チューブ321の一端は、キャップ310の底部に接続され、チューブ321の他端は、ポンプ320を介して排インクカートリッジ340に接続される。また、キャップ310の内部底面には、インク吸収体330が設けられている。インク吸収体330は、ポンプ吸引処理において、ノズルNから吐出されるインクを吸収し、一時的に貯蔵する。これにより、ポンプ吸引処理の実行時において、吸引されたインクが跳ね返り、ノズル板152に付着するおそれを低減することができる。
図24は、ワイピング処理の一例を示す図である。図24の(a)に示すようにワイパー300は、ノズル板152と当接可能なように、上下移動可能に設けられる。そして、ワイピング処理が実行されると、ワイパー300の先端に設けられたワイピング部材301が、ノズル板152よりも上側に位置するように移動する。そして、キャリッジモーター41を駆動することで、プリントヘッド35を移動させる。これにより、図24の(b)に示すようにワイピング部材301がノズル板152に当接する。ここで、ワイピング部材301は可塑性のゴム等で構成される。したがって、ワイピング部材301がノズル板152に当接した場合、ワイピング部材301の先端部に撓みが生じる。これにより、ワイピング部材301によりノズル板152の表面をふき取ることが可能となり、当該ノズル板152に付着した紙片等を除去することが可能となる。
フラッシング処理は、例えば、図23に示すキャップ310が装着された状態で、対象となるプリントヘッド35含む1又は複数のプリントヘッド35を駆動し、対応するノズルNからインクを吐出させる。フラッシング処理を行うことで、プリントヘッド35に貯留されるインクをリフレッシュすることが可能となり、キャビティーCに貯留されているインクの粘度を適正範囲に保持、あるいは、回復すること可能となる。
上述した回復処理部84で実行される回復処理は、残留振動検出回路52により特定された吐出異常の原因に応じて実行される。具体的には、残留振動検出回路52において、吐出異常の原因が気泡混入であると判定された場合、判定信号処理部63は、回復処理部84にポンプ吸引処理を実行させるための回復処理信号RCを生成し、出力する。また、残留振動検出回路52において、吐出異常の原因が乾燥増粘であると判定された場合、判定信号処理部63は、回復処理部84にフラッシング処理、又はポンプ吸引処理を実行させるための回復処理信号RCを生成し、出力する。また、残留振動検出回路52において、吐出異常の原因が紙片付着であると判定された場合、判定信号処理部63は、回復処理部84にワイピング処理を実行させるための回復処理信号RCを生成し出力する。
そして、回復処理部84は、入力される回復処理信号RCに基づいて、上述した回復処理を実行した後、当該吐出異常が生じたノズルNを含む1又は複数のノズルNからインク
を吐出させる。そして、残留振動検出回路52は、当該ノズルNに対して吐出異常の有無を再び判定する。これにより、吐出異常が生じたノズルNに対して実行した回復処理が正常に機能したか否かを判定する。
ここで、判定部520において、吐出異常の原因がノズルNから吐出されるインクの粘度に異常が生じている乾燥増粘であると判定された回数に基づいて、判定信号処理部63は、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否かを判定する。
具体的には、判定信号処理部63は、乾燥増粘の吐出異常が生じているノズルNに対して回復処理を施したにも関わらず、判定部520が乾燥増粘の吐出異常を所定の回数、検出した場合、判定部520が同じノズルNに対して乾燥増粘の吐出異常を所定の回数連続して取得した場合、また、任意の期間内に判定部520が乾燥増粘の吐出異常を所定の回数検出した場合等、判定部520が吐出異常の原因が乾燥増粘であると判定した回数に基づいて、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否かを判定する。
本実施形態に示すようなインクの補充が可能なインクカートリッジ31では、インクカートリッジ31にインクを補充するためのインク供給口を有する。そのため、当該インク供給口を介して、インクカートリッジ31の内部に大気が混入するおそれがある。そして、インクカートリッジ31の内部に大気が混入すると、インクカートリッジ31に貯留されているインクの水分が蒸発し、当該インクの粘度が増加するおそれがある。
このようなインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度の増加に対して、乾燥増粘の吐出異常に対応するフラッシング処理、又はポンプ吸引処理等の回復処理を実行しても、インクカートリッジ31から供給されるインクの粘度が増加している以上、逐次、粘度が増加したインクがキャビティーCに供給されるため、ノズルNから吐出されるインクに対する乾燥増粘の吐出異常は解消されない。
これに対して、本実施形態における液体吐出装置1では、判定部520において、吐出異常の原因がノズルNから吐出されるインクの粘度に異常が生じている乾燥増粘であると判定した回数に基づいて、判定信号処理部63が、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常であると判定する。これにより、インクカートリッジ31に貯留されるインクの粘度異常に対応する吐出異常対応処理を実行させることが可能となる。これにより、液体吐出装置1において、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常が生じた場合であっても、適切な回復処理を施すことが可能となり、媒体Pに印刷される画像の画質が低下するおそれを低減することができる。
ここで、液体貯留部異常に対応する吐出異常対応処理について説明する。液体貯留部異常に対応する処理には、判定信号処理部63が、インクの粘度が増加したインクカートリッジ31に、インクの粘度が増加していないインクの補充を促す通知を表示部に表示させる処理を含む。換言すれば、判定信号処理部63は、吐出異常対応処理として、インクカートリッジ31へのインクの補充を促す通知を表示部に表示させる処理を実行する。
具体的には、判定信号処理部63は、液体貯留部異常から回復させる処理として、インクカートリッジ31へのインクの補充を促す情報を、操作パネル83や、ホストコンピューター9が有するディスプレイに表示させることで使用者に通知する。これにより、使用者に対してインク補充を促す。そして、使用者が、インクカートリッジ31にインクを補充することで、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度を、適性の範囲内
に回復することができる。したがって、ノズルNは、乾燥増粘の吐出異常から回復する。ここで、操作パネル83や、ホストコンピューター9が有するディスプレイが表示部の一例である。
また、判定信号処理部63は、液体貯留部異常に対応する処理として、判定部520における乾燥増粘に対応する判定閾値を補正する閾値補正処理を実行してもよい。具体的には、判定信号処理部63は、吐出異常の原因が液体貯留部異常であると判定した場合、一時的に、又は恒久的に乾燥増粘に対応する判定閾値である第3閾値NTx3を補正する閾値補正処理を実行してもよい。
液体貯留部異常が生じた場合、判定部520は、残留振動信号Voutに基づいて、吐出異常の原因が乾燥増粘であると判定する。したがって、判定信号処理部63は、乾燥増粘の吐出異常に対応する回復処理として、フラッシング処理、及びポンプ吸引処理を実行させる。しかしながら、前述の通り、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度が増加した場合、乾燥増粘から回復させるための処理を実行した場合であっても、判定部520は、継続して乾燥増粘の吐出異常を検出する。その結果、回復処理部84は、フラッシング処理やポンプ吸引処理を継続して実行する。そのため、当該回復処理によるインクの消費量が増加する。
判定信号処理部63において、液体貯留部異常であると判定された場合、乾燥増粘に対応する判定閾値である第3閾値NTx3を、一時的に、又は恒久的にインクカートリッジ31に貯留されたインクの粘度の増加を加味した閾値に補正する。これにより回復処理により生じるインクの消費量を低減することが可能となる。なお、閾値補正処理により補正された第3閾値NTx3は、例えば、インクカートリッジ31にインクが補充された場合に、補正前の第3閾値NTx3となってもよい。
ここで、第3閾値NTx3の補正は、使用者の要求に基づいて、実行するか否かが決定されてもよい。すなわち、判定信号処理部63は、液体貯留部異常であると判定した場合に、吐出部異常処理として、判定部520における乾燥増粘の判定閾値である第3閾値NTx3を補正する閾値補正処理の実行の要否を表示部に表示してもよい。そして、使用者が、操作パネル83を介して、閾値補正処理の実行の要否を選択することで、判定信号処理部63は、操作パネル83から入力される入力操作信号に基づいて、閾値補正処理の実行の要否を判定する。
具体的には、操作パネル83から入力される入力操作信号が、閾値補正処理を実行させること示す信号である場合、判定信号処理部63は、閾値補正処理を実行し、操作パネル83から入力される入力操作信号が、閾値補正処理を実行させないこと示す信号である場合、判定信号処理部63は、閾値補正処理を実行せず、且つ閾値補正処理の実行の要否の表示部への表示を停止させる。
以上のように、使用者の要求に基づいて、第3閾値NTx3の補正を実行するか否かを決定することで、使用者が求める印刷品質と、利便性との双方を加味した液体吐出装置1を提供することが可能となる。
ここで、判定信号処理部63が制御回路の一例であり、また、判定信号処理部63を含む制御部6も広義の上での制御回路の一例である。
以上に説明したように、本実施形態における液体吐出装置1は、残留振動信号Voutに基づいて、ノズルNから吐出されるインクの吐出異常を検出し、当該検出結果に基づいて、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度の増加を検出する。そして、
吐出異常が、ノズルNの近傍における気泡混入、乾燥増粘、及び紙粉付着であるのか、又はインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度の増加に起因するのかに応じた吐出異常他旺処理を実行することで、液体吐出装置1のメンテナンスを可能とする。
そこで、図25及び図26を用いて液体吐出装置1のメンテナンス方法について説明する。図25は、液体吐出装置1のメンテナンス方法を説明するための図である。
液体吐出装置1は、検出工程として、検出部510が、駆動信号Vinが圧電素子60に供給された後のキャビティーCの内部圧力の変化に基づいて生じるアクチュエーター基板136の変位を残留振動信号Voutとして検出する(ステップS110)。そして、判定工程として、判定部520は、検出工程において検出された残留振動信号Voutに基づいて、ノズルNの吐出異常の有無、及び吐出異常の原因を判定する(ステップS120)。判定部520は、判定結果を示す判定結果信号Rsを生成し、制御部6に含まれる判定信号処理部63に出力する。
判定信号処理部63は、判定結果信号Rsに含まれるノズルNに対応する吐出異常の有無、及び吐出異常の原因の情報から、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度が異常か否かを判定する(ステップS130)。具体的には、判定信号処理部63は、液体貯留部異常判定工程として、判定工程において、吐出異常の原因がノズルNから吐出されるインクの粘度に異常が生じている乾燥増粘であると判定された回数に基づいて、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否かを判定する。
そして、液体貯留部異常判定工程において、判定信号処理部63が、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常ではないと判定された場合(ステップS130のN)、判定信号処理部63は、判定部520で判定された吐出異常の原因に応じた吐出異常対応処理を実行させる(ステップS140)。
一方、液体貯留部異常判定工程において、判定信号処理部63が、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常であると判定した場合(ステップS130のY)、判定信号処理部63は、液体貯留部異常に応じた吐出異常対応処理を実行させる(ステップS150)。
ここで、上述のステップS140、及びステップS150が、判定工程において判定された吐出異常の原因に対応して、判定信号処理部63が、吐出異常対応処理を実行させる吐出異常対応処理工程の一例である。
図26は、判定信号処理部63が実行させる液体貯留部異常に応じた吐出異常対応処理(ステップS150)の詳細を説明するための図である。
液体貯留部異常に応じた回復処理として、まず、判定信号処理部63は、使用者に対して、インクカートリッジ31へのインクの補充を促す通知を行う(ステップS151)。具体的には、判定信号処理部63は、乾燥増粘の吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクであると判定した場合、インクカートリッジ31へのインクの補充を促す通知として、操作パネル83、又はホストコンピューター9が有するディスプレイ等の表示部に表示させる処理を実行する。
その後、判定信号処理部63は、乾燥増粘に対応する判定閾値である第3閾値NTx3の補正の要否を使用者に対して通知する。具体的には、判定信号処理部63は、判定工程
における粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理の実行の要否を表示部に表示させる処理が実行する。そして、使用者が、操作パネル83を介して補正の要否を選択することで、操作パネル83から、第3閾値NTx3の補正の要否を示す信号が判定信号処理部63に入力される。判定信号処理部63は、入力された第3閾値NTx3の補正の要否を示す信号に基づいて、第3閾値NTx3の補正処理の実行の要否を判定する(ステップS153)。操作パネル83から入力された信号が、第3閾値NTx3の補正を実行することを示す信号である場合(ステップS153のY)、判定信号処理部63は、インクカートリッジ31に貯留されたインクの粘度の増加を加味して第3閾値NTx3の補正処理を実行する(ステップS154)。一方、操作パネル83から入力された信号が、第3閾値NTx3の補正を実行しないことを示す信号である場合(ステップS153のN)、判定信号処理部63は、第3閾値NTx3の補正処理を実行しない(ステップS155)。この場合において、判定信号処理部63は、使用者に対する第3閾値NTx3の補正処理の実行の要否の表示部への表示を停止する(ステップS156)。
以上のように、本実施形態における液体吐出装置1のメンテナンス方法では、判定部520において、吐出異常の原因がノズルNから吐出されるインクの粘度に異常が生じている乾燥増粘であると判定した回数に基づいて、判定信号処理部63が、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否かを判定することで、インクカートリッジ31に貯留されるインクの粘度異常に対応する回復処理を実行させることが可能となる。これにより、液体吐出装置1において、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常が生じた場合であっても、適切な回復処理を施すことが可能となり、媒体Pに印刷される画像の画質が低下するおそれを低減することができる。
また、使用者の要求に基づいて、第3閾値NTx3の補正を実行するか否かを決定することで、使用者が求める印刷品質と、利便性との双方を加味した液体吐出装置1を提供することが可能となる。
なお、液体貯留部異常に応じた吐出異常対応処理として、判定信号処理部63は、使用者に対して、インクカートリッジ31へのインクの補充を促す通知を行った後(ステップS151)、使用者に対して、乾燥増粘に対応する判定閾値である第3閾値NTx3の補正の要否を使用者に対して通知することなく、判定信号処理部63が、インクカートリッジ31に貯留されたインクの粘度の増加を加味して第3閾値NTx3の補正処理を実行してもよい。この場合、使用者に対する操作の負荷を低減し、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常が生じた場合であっても、媒体Pに印刷される画像の画質が低下するおそれを低減することができる。
6.作用効果
以上に説明したように、本実施形態における液体吐出装置1では、判定部520において、吐出異常の原因がノズルNから吐出されるインクの粘度に異常が生じている乾燥増粘であると判定した回数に基づいて、判定信号処理部63において、吐出異常の原因がインクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常であると判定することが可能となる。そして、判定信号処理部63が、インクカートリッジ31に貯留されるインクの粘度異常に対応する吐出異常対応処理を実行することが可能となる。これにより、液体吐出装置1において、インクカートリッジ31に貯留されているインクの粘度に異常が生じている液体貯留部異常が生じた場合であっても、適切な回復処理を施すことが可能となり、媒体Pに印刷される画像の画質が低下するおそれを低減することができる。
7.変形例
以上に説明した液体吐出装置1において、判定信号処理部63は、液体吐出装置1に前回電源電圧が供給されてからの時間情報に基づいて、吐出異常の原因が液体貯留部異常であるか否かを判定してもよい。ここで、前回電源電圧が供給されてからの時間情報とは、例えば、液体吐出装置1に前回電源電圧が供給された日時の情報であってもよく、経過時間の情報であってもよい。そして、液体吐出装置1が、前回電源電圧が供給されてからの時間情報を記憶していることで、例えば、液体吐出装置1が長期間未使用で放置されていたか否か判定することが可能となる。
液体吐出装置1が長期間未使用で放置されていた場合、インクカートリッジ31の内部に大気が混入するおそれが高まり、その結果、インクカートリッジ31の内部に貯留されているインクの粘度が増加している可能性が高まる。したがって、本変形例に示すように、判定信号処理部63が、液体吐出装置1に前回電源電圧が供給されてからの時間情報に基づいて、吐出異常の原因が液体貯留部異常であるか否かを判定することにより、液体吐出装置1が長期間未使用で放置されていたことに起因するインクの粘度の増加を加味して液体貯留部異常であるかを判定することが可能となる。よって、乾燥増粘に対応する回復処理が実行される回数を減らすことが可能となり、回復処理に伴うインクの吐出量を削減できる。
また、以上に説明した液体吐出装置1において、判定信号処理部63は、判定部520において判定された乾燥増粘の吐出異常の回数に応じて、フラッシング処理と、フラッシング処理とは異なる処理とを、回復処理部に実行させてもよい。具体的には、判定信号処理部63は、乾燥増粘の吐出異常の回数に応じて、回復処理としてフラッシング処理を実行させるのか、又は、フラッシング処理とは異なるポンプ吸引処理を実行させるのを切り替える。以上のように、乾燥増粘の吐出異常が生じたノズルNに対して異なる回復処理を実行させることにより、乾燥増粘の吐出異常が生じたノズルNが、対応する回復処理により回復できないおそれを低減することが可能となる。換言すれば、判定信号処理部63が、キャビティーCに充填されているインクの粘度に異常が生じている場合に、誤って、液体貯留部異常であると判定するおそれを低減する。したがって、判定信号処理部63における液体貯留部異常の判定の精度を高めることが可能となる。
また、以上に説明した液体吐出装置1において、判定信号処理部63は、判定部520において、吐出異常の原因が粘度異常であると判定された場合、フラッシング処理を回復処理部84に実行させ、当該フラッシング処理の後、判定部520において、吐出異常の原因が再度粘度異常であると判定された場合、前回のフラッシング処理よりも多くのインクが吐出されるフラッシング処理を回復処理部84に実行させ、そして、2回目のフラッシング処理の後、判定回路において、吐出異常の原因が再度粘度異常であると判定された場合、最初のフラッシング処理よりもインクの吐出量が少ないフラッシング処理を回復処理部84に実行させてもよい。
前述の通り、判定信号処理部63は、判定部520において、吐出異常の原因が乾燥増粘であると判定した回数に基づいて、インクカートリッジ31の内部に貯留されているインクの粘度が増加している液体貯留部異常と判定する。すなわち、継続して吐出異常の原因が乾燥増粘でると判定されることで、インクカートリッジ31の内部に貯留されているインクの粘度が増加している液体貯留部異常であるおそれが高まる。
そこで、判定部520において吐出異常の原因が継続して乾燥増粘であると判定された場合において、判定信号処理部63が、1回目にフラッシング処理が実行された場合のインクの吐出量に対して、2回目にフラッシング処理が実行された場合のインクの吐出量の方が多くなるように回復処理部84に実行させることで、1回目のフラッシング処理により、キャビティーCに充填されたインクのリフレッシュが十分でなかったおそれを低減す
ることが可能となる。すなわち、判定信号処理部63が、キャビティーCに充填されているインクの粘度に異常が生じている場合に、誤って、液体貯留部異常であると判定するおそれを低減することが可能となる。
そして、判定信号処理部63が、1回目のフラッシング処理が実行された場合のインクの吐出量に対して、3回目のフラッシング処理が実行された場合のインクの吐出量の方が少なくなるように回復処理部84を実行させることで、乾燥増粘に対応する吐出医用対応処理としてフラッシング処理が実行されることに伴うインクの吐出量を削減できる。よって、判定信号処理部63におけるインクカートリッジ31の内部のインクの粘度異常であることの判定精度を高めるとともに、回復処理に伴うインクの吐出量を削減できる。
ここで、1回目のフラッシング処理が第1フラッシング処理の一例であり、当該フラッシング処理において吐出されるインクの量が第1の量の一例である。また、1回目のフラッシング処理の後、判定部520において吐出異常の原因が継続して乾燥増粘であると判定された場合の2回目のフラッシング処理が第2フラッシング処理の一例であり、当該フラッシング処理において吐出されるインクの量が第2の量の一例である。また、2回目のフラッシング処理の後、判定部520において吐出異常の原因が継続して乾燥増粘であると判定された場合の3回目のフラッシング処理が第3フラッシング処理の一例であり、当該フラッシング処理において吐出されるインクの量が第3の量の一例である。
また、以上に説明した液体吐出装置1が複数のインクカートリッジ31を有する場合、判定信号処理部63は、複数のインクカートリッジ31のいずれかおいて、内部に貯留されているインクの粘度が増加している液体貯留部異常が生じていると判定した場合、判定信号処理部63は、液体貯留部異常が生じていると判定していない他のインクカートリッジ31に対しても液体貯留部異常が生じているインクカートリッジ31と同様の回復処理を実行させてもよい。換言すれば、複数のインクカートリッジ31を有し、判定信号処理部63は、複数のインクカートリッジ31の何れかに液体貯留部異常が生じていると判定した場合、異なるインクカートリッジ31にも液体貯留部異常が生じていると判定する。
複数のインクカートリッジ31が、1つの液体吐出装置1に設けられている以上、各インクカートリッジ31は、同様の環境下に設けられている。したがって、いずれかのインクカートリッジ31に液体貯留部異常が生じた場合、他のインクカートリッジ31にも同様に液体貯留部異常が生じる可能性が高い。
複数のインクカートリッジ31のいずれかに液体貯留部異常が生じた時点で、他のインクカートリッジ31にも同様の液体貯留部異常が生じていると判定することで、液体吐出装置1におけるインクの吐出精度を高めることが可能となり、印刷品質を高めることが可能となる。
ここで、複数のインクカートリッジ31のいずれかが第1液体貯留部の一例であり、複数のインクカートリッジ31の異なるいずれかが第2液体貯留部の一例である。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる
構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…液体吐出装置、3…移動体、4…印刷手段、6…制御部、7…給紙装置、9…ホストコンピューター、30…ヘッドユニット、31…インクカートリッジ、32…キャリッジ、35…プリントヘッド、41…キャリッジモーター、42…往復動機構、43…キャリッジモータードライバー、51…選択制御回路、52…残留振動検出回路、53…切替回路、54…駆動信号生成回路、60…圧電素子、61…CPU、62…記憶部、63…判定信号処理部、71…給紙モーター、72…給紙ローラー、72a…従動ローラー、72b…駆動ローラー、73…給紙モータードライバー、81…トレイ、82…排紙口、83…操作パネル、84…回復処理部、131…流路、132…流路基板、133…流路、134…圧力室基板、136…アクチュエーター基板、137…開口、138…配線基板、139…流路、140…筐体部、145…収容空間、152…ノズル板、162…集積回路装置、164…接続配線、200…駆動信号選択制御回路、300…ワイパー、301…ワイピング部材、310…キャップ、320…ポンプ、321…チューブ、330…インク吸収体、340…排インクカートリッジ、421…タイミングベルト、422…キャリッジガイド軸、510…検出部、511…波形整形部、512…計測部、520…判定部、600…吐出部、A…気泡、B…紙粉、C…キャビティー、DC…デコーダー、F1,FA,G1,G2…面、L1,L2…列、LT…ラッチ回路、N…ノズル、P…媒体、RA…流路、SR…シフトレジスター、TGa…トランスミッションゲート、TGb…トランスミッションゲート、TGc…トランスミッションゲート、U…切替スイッチ

Claims (22)

  1. 駆動信号に基づいて駆動される駆動素子と、前記駆動信号の駆動により変位する振動板と、内部に液体が充填され前記振動板の変位により内部圧力が変化するキャビティーと、前記内部圧力の変化により液体が吐出されるノズルと、を有するプリントヘッドと、
    前記キャビティーに供給される液体を貯留するとともに、液体の補充が可能な液体貯留部と、
    前記駆動信号が前記駆動素子に供給された後の前記内部圧力の変化に基づいて生じる前記振動板の変位を残留振動信号として検出する検出回路と、
    前記検出回路において検出された前記残留振動信号に基づいて、前記ノズルの吐出異常の有無、及び前記吐出異常の原因を判定する判定回路と、
    前記判定回路において判定された前記吐出異常の原因に対応する吐出異常対応処理を実行させる制御回路と、
    を備え、
    前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記ノズルから吐出される液体の粘度に異常が生じている粘度異常であると判定された回数に基づいて、前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部に貯留されている液体の粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定した場合、前記吐出異常対応処理として、前記液体貯留部への液体の補充を促す通知を表示部に表示させる処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定した場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定回路における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記制御回路は、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定した場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定回路における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理の実行の要否を前記表示部に表示させる処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  5. 入力部を備え、
    前記制御回路は、前記入力部から入力される入力操作信号に基づいて、前記閾値補正処理の実行の要否を判定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記入力操作信号が、前記制御回路に前記閾値補正処理を実行させること示す信号である場合、前記制御回路は、前記閾値補正処理を実行する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記入力操作信号が、前記制御回路に前記閾値補正処理を実行させないこと示す信号である場合、前記制御回路は、前記閾値補正処理を実行せず、且つ前記閾値補正処理の実行の要否の前記表示部への表示を停止させる、
    ことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御回路は、前回電源電圧が供給されてからの時間情報に基づいて、前記吐出異常
    の原因が前記液体貯留部異常である否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記判定回路において判定された前記吐出異常の原因に対応し、前記吐出異常から回復させるための処理を実行する回復処理部を含み、
    前記回復処理部は、前記ノズルから液体を予備的に吐出するフラッシング処理を含む複数の処理を実行し、
    前記制御回路は、前記判定回路において判定された前記粘度異常の回数に応じて、前記フラッシング処理と、前記フラッシング処理とは異なる処理とを、前記回復処理部に実行させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記判定回路において判定された前記吐出異常の原因に対応し、前記吐出異常から回復させるための処理を実行する回復処理部を含み、
    前記回復処理部は、前記ノズルから第1の量の液体を予備的に吐出する第1フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも多い第2の量の液体を予備的に吐出する第2フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも少ない第3の量の液体を予備的に吐出する第3フラッシング処理と、を実行し、
    前記制御回路は、前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第1フラッシング処理を前記回復処理部に実行させ、前記第1フラッシング処理の後、前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第2フラッシング処理を前記回復処理部に実行させ、前記第2フラッシング処理の後、前記判定回路において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第3フラッシング処理を前記回復処理部に実行させる、
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記液体貯留部を第1液体貯留部とし、さらに第2液体貯留部を有し、
    前記制御回路は、前記第1液体貯留部に前記液体貯留部異常が生じていると判定した場合、前記第2液体貯留部にも前記液体貯留部異常が生じていると判定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 駆動信号に基づいて駆動される駆動素子と、前記駆動素子の駆動により変位する振動板と、内部に液体が充填され前記振動板の変位により内部圧力が変化するキャビティーと、前記内部圧力の変化により液体が吐出されるノズルと、を有するプリントヘッドと、
    前記キャビティーに供給される液体を貯留するとともに、液体の補充が可能な液体貯留部と、
    を備えた液体吐出装置のメンテナンス方法であって、
    前記駆動信号が前記駆動素子に供給された後の前記内部圧力の変化に基づいて生じる前記振動板の変位を残留振動信号として検出する検出工程と、
    前記検出工程において検出された前記残留振動信号に基づいて、前記ノズルの吐出異常の有無、及び前記吐出異常の原因を判定する判定工程と、
    前記判定工程において判定された前記吐出異常の原因に対応する吐出異常対応処理を実行させる吐出異常対応処理工程と、
    前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記ノズルから吐出される液体の粘度に異常が生じている粘度異常であると判定された回数に基づいて、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部に貯留されている液体の粘度に異常が生じている液体貯留部異常であるか否か判定する液体貯留部異常判定工程と、
    を含むことを特徴とする液体吐出装置のメンテナンス方法。
  13. 前記液体貯留部異常判定工程において、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であ
    ると判定された場合、前記吐出異常対応処理として、前記液体貯留部への液体の補充を促す通知を表示部に表示させる処理が実行される、
    ことを特徴とする請求項12に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  14. 前記液体貯留部異常判定工程において、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定された場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定工程における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理が実行される、
    ことを特徴とする請求項13に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  15. 前記液体貯留部異常判定工程において、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であると判定された場合、前記吐出異常対応処理として、前記判定工程における前記粘度異常の判定閾値を補正する閾値補正処理の実行の要否を前記表示部に表示させる処理が実行される、
    ことを特徴とする請求項13に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  16. 前記吐出異常対応処理工程では、入力部から入力される入力操作信号に基づいて、前記閾値補正処理の実行の要否が判定される、
    ことを特徴とする請求項15に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  17. 前記入力操作信号が、前記閾値補正処理の実行を示す信号である場合、前記吐出異常対応処理として、前記閾値補正処理が実行される、
    ことを特徴とする請求項16に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  18. 前記入力操作信号が、前記閾値補正処理を実行しないこと示す信号である場合、前記吐出異常対応処理として、前記閾値補正処理が実行されず、且つ前記閾値補正処理の実行の要否の前記表示部への表示を停止させる、
    ことを特徴とする請求項16に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  19. 前記液体貯留部異常判定工程では、前回電源電圧が供給されてからの時間情報に基づいて、前記吐出異常の原因が前記液体貯留部異常であるかが判定される、
    ことを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  20. 前記吐出異常対応処理は、前記ノズルから液体を予備的に吐出するフラッシング処理を含む複数の処理を含み、
    前記吐出異常対応処理工程では、前記判定工程において判定された前記粘度異常の回数に応じて、前記フラッシング処理と、前記フラッシング処理とは異なる処理とを実行させる、
    ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  21. 前記吐出異常対応処理は、前記ノズルから第1の量の液体を予備的に吐出する第1フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも多い第2の量の液体を予備的に吐出する第2フラッシング処理と、前記ノズルから前記第1の量よりも少ない第3の量の液体を予備的に吐出する第3フラッシング処理とを含み、
    前記吐出異常対応処理工程では、前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第1フラッシング処理を実行させ、前記第1フラッシング処理の後、前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前記第2フラッシング処理を実行させ、前記第2フラッシング処理の後、前記判定工程において、前記吐出異常の原因が前記粘度異常であると判定された場合、前
    記第3フラッシング処理を実行させる、
    ことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1項に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
  22. 前記液体吐出装置は、前記液体貯留部としての第1液体貯留部に加え、第2液体貯留部を有し、
    前記液体貯留部異常判定工程において、前記第1液体貯留部に前記液体貯留部異常が生じていると判定された場合、前記液体貯留部異常判定工程では、前記第2液体貯留部にも前記液体貯留部異常が生じていると判定される、
    ことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項に記載の液体吐出装置のメンテナンス方法。
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