JP2020168827A - 集積回路装置、及びプリントヘッド - Google Patents

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Kazuhito Fujisawa
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Abstract

【課題】残留振動の信号の検出精度が低下するおそれを低減することが可能な集積回路装置、及びプリントヘッドを提供すること。【解決手段】第1駆動信号の第1容量性負荷への供給を制御する第1選択制御回路と、第2駆動信号の第2容量性負荷への供給を制御する第2選択制御回路と、第1容量性負荷に生じる変位を第1残留振動信号として検出する第1検出回路と、第2容量性負荷に生じる変位を第2残留振動信号として検出する第2検出回路と、を備え、第1選択制御回路と第2選択制御回路とは、第1方向に並んで位置し、第1選択制御回路と第1検出回路とは、第1方向と交差する第2方向に並んで位置し、第2選択制御回路と第2検出回路とは、第2方向に並んで位置し、第1検出回路と第2検出回路とは、第1方向に並んで位置している、集積回路装置。【選択図】図23

Description

本発明は、集積回路装置、及びプリントヘッドに関する。
インクジェットプリンター等の液体吐出装置は、吐出部に設けられる圧電素子等の駆動素子を駆動信号により駆動させることで、プリントヘッドの内部に充填されたインクをノズルから吐出させて、記録媒体上に画像を形成する。このようなプリントヘッドにおいて、プリントヘッドの内部に充填されたインクの粘度が増加すると、吐出異常が発生し、印刷される画像の画質が低下することがある。さらに、プリントヘッド内部への気泡の混入や、ノズル近傍への紙粉の付着等が生じた場合にも、ノズルから吐出されるインクの吐出異常が生じるおそれがあり、このような場合であっても、媒体に印刷される画像の画質が低下するおそれがある。このため、高品位な印刷を実現するためには、プリントヘッドにおいて、インクの吐出状態を検査することが望ましい。
特許文献1には、駆動信号により圧電素子を駆動させることで生じる残留振動を検出し、検出結果に基づいて吐出部におけるインクの吐出状態を検査する手法が開示されている。
特開2015−039856号公報
しかしながら、近年の高精細な印刷要求に応えるために、プリントヘッドが備えるノズル数が増加しており、このような多くのノズルを有するプリントヘッドに対して、特許文献1に記載の技術を適用した場合、検査対象のノズルとインクが吐出されるノズルとを切り替えるためのスイッチ素子が増加する。その結果、当該スイッチ素子に起因する寄生容量が増加し、残留振動の信号の検出精度が低下するおそれがある。
本発明に係る集積回路装置の一態様は、
第1容量性負荷を駆動させる第1駆動信号と、第2容量性負荷を駆動させる第2駆動信号とを供給する集積回路装置であって、
前記第1駆動信号の前記第1容量性負荷への供給を制御する第1選択制御回路と、
前記第2駆動信号の前記第2容量性負荷への供給を制御する第2選択制御回路と、
前記第1駆動信号が前記第1容量性負荷に供給された後、前記第1容量性負荷に生じる変位を第1残留振動信号として検出する第1検出回路と、
前記第2駆動信号が前記第2容量性負荷に供給された後、前記第2容量性負荷に生じる変位を第2残留振動信号として検出する第2検出回路と、
を備え、
前記第1選択制御回路と前記第2選択制御回路とは、第1方向に並んで位置し、
前記第1選択制御回路と前記第1検出回路とは、前記第1方向と交差する第2方向に並んで位置し、
前記第2選択制御回路と前記第2検出回路とは、前記第2方向に並んで位置し、
前記第1検出回路と前記第2検出回路とは、前記第1方向に並んで位置している。
前記集積回路装置の一態様において、
前記第1検出回路と前記第1選択制御回路との最短距離は、前記第2検出回路と前記第1選択制御回路との最短距離よりも短く、
前記第2検出回路と前記第2選択制御回路との最短距離は、前記第1検出回路と前記第2選択制御回路との最短距離よりも短くてもよい。
前記集積回路装置の一態様において、
前記第1検出回路が前記第1残留振動信号を検出するタイミングと、前記第2検出回路が前記第2残留振動信号を検出するタイミングとを制御するタイミング制御回路を備え、
前記タイミング制御回路は、前記第1検出回路と前記第2検出回路との間に設けられていてもよい。
前記集積回路装置の一態様において、
前記第1選択制御回路は、前記第1駆動信号を前記第1容量性負荷に供給するのか否かを制御する複数の第1選択回路を有し、
前記第2選択制御回路は、前記第2駆動信号を前記第2容量性負荷に供給するのか否かを制御する複数の第2選択回路を有し、
前記複数の前記第1選択回路は、前記第2方向に並んで位置し、
前記複数の前記第2選択回路は、前記第2方向に並んで位置していてもよい。
本発明に係るプリントヘッドの一態様は、
第1駆動信号と第2駆動信号とを供給する集積回路装置と、
前記第1駆動信号に基づいて駆動されることで第1ノズルから液体を吐出させる第1容量性負荷と、
前記第2駆動信号に基づいて駆動されることで第2ノズルから液体を吐出させる第2容量性負荷と、
を備え、
前記集積回路装置は、
前記第1駆動信号の前記第1容量性負荷への供給を制御する第1選択制御回路と、
前記第2駆動信号の前記第2容量性負荷への供給を制御する第2選択制御回路と、
前記第1駆動信号が前記第1容量性負荷に供給された後、前記第1容量性負荷に生じる変位を第1残留振動信号として検出する第1検出回路と、
前記第2駆動信号が前記第2容量性負荷に供給された後、前記第2容量性負荷に生じる変位を第2残留振動信号として検出する第2検出回路と、
を有し、
前記第1選択制御回路と前記第2選択制御回路とは、第1方向に並んで位置し、
前記第1選択制御回路と前記第1検出回路とは、前記第1方向と交差する第2方向に並んで位置し、
前記第2選択制御回路と前記第2検出回路とは、前記第2方向に並んで位置し、
前記第1検出回路と前記第2検出回路とは、前記第1方向に並んで位置している。
前記プリントヘッドの一態様において、
前記第1ノズルと前記第2ノズルとを含む複数のノズルを備え、
前記複数の前記ノズルは、1インチ当たり300個以上の密度で、且つ600個以上設けられていてもよい。
液体吐出装置の構成の概略を示す斜視図である。 液体吐出装置の電気構成を示す図である。 プリントヘッドの分解斜視図である。 プリントヘッドの断面を示す断面図である。 インクの吐出動作を説明するための図である。 アクチュエーター基板の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。 アクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 気泡混入が生じた場合におけるノズルの付近を示す概念図である。 気泡混入時のアクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 乾燥増粘が生じた場合のノズルの付近を示す概念図である。 乾燥増粘の場合のアクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 紙粉付着の場合のノズルの付近を示す概念図である。 紙粉付着の場合のアクチュエーター基板の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。 駆動信号選択制御回路の電気構成を示す図である。 選択制御回路の構成を示すブロック図である。 デコーダーが行うデコードの内容を示す図である。 単位動作期間における選択制御回路の動作を説明するための図である。 駆動信号Vinの波形の一例を示す図である。 切替回路、及び検出回路の電気構成を示す図である。 検出回路の構成を示すブロック図である。 計測部の動作を説明するための図である。 判定部における判定の内容を説明するための図である。 集積回路装置に実装される駆動信号選択制御回路のレイアウトを示す図である。 図23に示す駆動信号選択制御回路のうち、第1選択制御回路の詳細を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.液体吐出装置の構成
まず、液体吐出装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る液体吐出装置1の構成の概略を示す斜視図である。また、図1には、互いに直交するX方向、Y方向、及びZ方向を図示している。なお、以下の説明では、図1の+Z方向に相当する上側を「上部」、−Z方向に相当する下側を「下部」と称する場合がある。
液体吐出装置1は、上部後方に媒体Pを設置するトレイ81と、下部前方に媒体Pを排出する排紙口82と、上部面に操作パネル83とが設けられている。操作パネル83は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、LEDランプ等で構成され、エラーメッセージ等を表示する不図示の表示部と、各種スイッチ等で構成される不図示の操作部とを備えている。
また、液体吐出装置1は、往復動する移動体3を有する印刷手段4を備える。移動体3は、後述するプリントヘッド35を複数備えるヘッドユニット30と、4個のインクカートリッジ31と、ヘッドユニット30及び4個のインクカートリッジ31を搭載したキャリッジ32と、を備える。各プリントヘッド35の内部には、インクカートリッジ31から供給されたインクが充填されている。そして、各プリントヘッド35は、内部に充填されたインクを吐出する。また、4個のインクカートリッジ31は、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの4つの色と1対1に対応する。そして、各インクカートリッジ31には、対応する色のインクが充填されている。複数のプリントヘッド35の各々は、4個のインクカートリッジ31のいずれか1つからインクの供給を受ける。すなわち、複数のプリントヘッド35から、4色のインクが吐出される。
なお、本実施形態に係る液体吐出装置1は、4色のインクのそれぞれに対応する4個のインクカートリッジ31を備えているが、異なる色のインクが充填されたインクカートリッジ31をさらに備えていてもよく、また、一部の色に対応するインクカートリッジ31を複数備えてもよい。さらに、各インクカートリッジ31は、キャリッジ32に搭載される代わりに、液体吐出装置1の別の場所に設けられてもよい。
印刷手段4は、移動体3を主走査方向であるY方向に沿った方向に往復移動させる駆動源となるキャリッジモーター41と、キャリッジモーター41の回転を受けて、移動体3を往復移動させる往復動機構42とを備える。往復動機構42は、その両端が不図示のフレームに支持されたキャリッジガイド軸422と、キャリッジガイド軸422と平行に延在するタイミングベルト421とを有している。キャリッジ32は、キャリッジガイド軸422に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト421の一部に固定されている。そのため、キャリッジモーター41の作動により、プーリを介してタイミングベルト421を正逆走行させることで、移動体3は、キャリッジガイド軸422に案内されて、往復動する。
また、液体吐出装置1は、媒体Pを印刷手段4に供給、及び排出するための給紙装置7を備える。給紙装置7は、駆動源となる給紙モーター71と、給紙モーター71の作動により回転する給紙ローラー72とを有している。給紙ローラー72は、媒体Pの搬送経路において媒体Pを挟んで上下に対向する従動ローラー72aと、駆動ローラー72bとで構成されている。ここで、駆動ローラー72bは、給紙モーター71に連結されている。これにより、給紙ローラー72は、トレイ81に設置した複数枚の媒体Pを、印刷手段4に向かって1枚ずつ送り込み、印刷手段4から1枚ずつ排出する。なお、液体吐出装置1は、トレイ81に代えて、媒体Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
また、液体吐出装置1は、印刷手段4及び給紙装置7を制御する制御部6を備える。制御部6は、後述するパーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューター9から入力された画像データImgに基づいて、印刷手段4や給紙装置7等を制御することで媒体Pへの印刷処理を行う。
具体的には、制御部6は、給紙装置7を制御することで、媒体Pを一枚ずつX方向である副走査方向に間欠送りする。また、制御部6は、移動体3を副走査方向と交差するY方向である主走査方向に往復動させるように制御する。つまり、制御部6は、移動体3を主走査方向に往復動させるように制御するとともに、媒体Pを副走査方向に間欠送りするように給紙装置7を制御する。そして、制御部6は、画像データImgに基づいて、各プリントヘッド35からのインクの吐出タイミングを制御することで、媒体Pへの印刷処理を実行する。
また、制御部6は、操作パネル83の表示部にエラーメッセージ等を表示させ、あるいはLEDランプ等を点灯/点滅させるとともに、操作パネル83の操作部から入力された各種スイッチの押下信号に基づいて、対応する処理を各部に実行させる。さらに、制御部6は、必要に応じてエラーメッセージや吐出異常等の情報をホストコンピューター9に転送する処理を実行する。
図2は、本実施形態に係る液体吐出装置1の電気構成を示す図である。図2に示すように、液体吐出装置1は、制御部6、ヘッドユニット30、駆動信号生成回路54、操作パネル83、回復機構84、キャリッジモーター41、キャリッジモータードライバー43、給紙モーター71、及び給紙モータードライバー73を備える。
制御部6は、液体吐出装置1の各部の動作を制御する各種制御信号を出力する。制御部6は、CPU61と、記憶部62とを備える。
記憶部62は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、PROMを有する。EEPROMは、ホストコンピューター9から不図示のインターフェース部を介して供給される画像データImgをデータ格納領域に格納する。RAMは、印刷処理等の各種処理を実行する際に必要なデータを一時的に格納し、あるいは印刷処理等の各種処理を実行するための制御プログラムを一時的に展開する。PROMは、液体吐出装置1の各部を制御する制御プログラム等を格納する。
CPU61は、ホストコンピューター9から供給される画像データImgを、記憶部62に格納する。また、CPU61は、画像データImg等の記憶部62に格納されている各種データに基づいて、キャリッジモータードライバー43の動作を制御するためのドライバー制御信号Ctr1と、給紙モータードライバー73の動作を制御するためのドライバー制御信号Ctr2と、駆動信号生成回路54を制御する為の基駆動信号dAと、ヘッドユニット30を制御する為のクロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swと、回復機構84の動作を制御するための信号と、操作パネル83の動作を制御するための信号と、を含む各種信号を生成し出力する。
キャリッジモータードライバー43は、ドライバー制御信号Ctr1に基づいてキャリッジモーター41を駆動する。これにより、キャリッジモーター41は、ヘッドユニット30を搭載したキャリッジ32を往復動させる。また、給紙モータードライバー73は、ドライバー制御信号Ctr2に基づいて給紙モーター71を駆動する。これにより、給紙モーター71は、媒体Pを搬送する。
駆動信号生成回路54は、制御部6から供給される基駆動信号dAに基づいて駆動信号Comを生成する。基駆動信号dAは、駆動信号Comの波形を規定するデジタルの信号である。駆動信号生成回路54は、基駆動信号dAをデジタル/アナログ変換した後、当該信号を増幅することで、駆動信号Comを生成する。駆動信号生成回路54は、生成した駆動信号Comを、ヘッドユニット30に出力する。なお、詳細は後述するが、本実施形態において駆動信号生成回路54は、駆動信号Comとして、3つの駆動信号Com−A、Com−B、及びCom−Cを生成している。
ヘッドユニット30は、複数のプリントヘッド35を有する。また、各プリントヘッド35は、駆動信号選択制御回路200と、複数の吐出部600とを有し、各吐出部600は、圧電素子60を含む。
駆動信号選択制御回路200は、吐出部600と電気的に接続され、駆動信号Comを圧電素子60に供給するか否かを選択する。具体的には、駆動信号選択制御回路200は、制御部6から供給されるクロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHと、駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Comと、に基づいて、圧電素子60を駆動させるための駆動信号Vinを生成し出力する。
また、駆動信号選択制御回路200は、圧電素子60が駆動信号Vinにより駆動された後に生じる残留振動を残留振動信号Voutとして検出する。そして、駆動信号選択制御回路200は、残留振動信号Voutに基づいて、検出した残留振動信号Voutに対応する圧電素子60を含む吐出部600に異常があるか否か、及び当該吐出部600における吐出状態を判定し、判定結果を表す判定結果信号Rsを制御部6に出力する。なお、駆動信号選択制御回路200の詳細については後述する。
制御部6は、判定結果信号Rsに基づいて、回復機構84に回復処理を実行させる。回復機構84が実行する回復処理としては、例えば、インクが吐出されるノズルが設けられているノズル面を覆うキャップにポンプを接続し、当該ポンプによりノズルからプリントヘッド35の内部のインクを吸引するポンプ吸引処理、プリントヘッド35に充填されたインクのリフレッシュのために、当該インクを吐出させるフラッシング処理、また、ノズル面を拭き取るワイピング処理等が挙げられる。
2.プリントヘッドの構成
ここで、プリントヘッド35の構成について説明する。図3は、プリントヘッド35の分解斜視図である。また、図4は、図3のIII−III線におけるプリントヘッド35の断面を示す断面図である。
図3に示すように、プリントヘッド35は、X方向に配列された2M個のノズルNを備える。本実施形態において、2M個のノズルNは、列L1と列L2との2列で配列している。以下の説明では、列L1に属するM個のノズルNの各々をノズルN1と称し、列L2に属するM個のノズルNの各々をノズルN2と称する場合がある。また、以下の説明では、列L1に属するM個のノズルN1のうち、i番目(iは、1≦i≦Mを満たす自然数)のノズルN1と、列L2に属するM個のノズルN2のうち、i番目のノズルN2との、X方向での位置が略一致する場合を想定する。ここで、「略一致」とは、完全に一致する場合の他に、誤差を考慮すれば同一とみなせる場合を含む。なお、2M個のノズルNは、列L1に属するM個のノズルN1のうち、i番目のノズルN1と、列L2に属するM個のノズルN2のうち、i番目のノズルN2との、X方向の位置が相違するように、所謂、千鳥状又はスタガ状に配列されてもよい。
図3及び図4に示すように、プリントヘッド35は、流路基板132を備える。流路基板132は、面F1と面FAとを含む板状部材である。面F1は、プリントヘッド35から見て媒体P側の表面であって、面FAは、面F1とは反対側の表面である。面FAの面上には、圧力室基板134、アクチュエーター基板136、複数の圧電素子60、配線基板138、及び筐体部140が設けられている。また、面F1の面上には、ノズル板152が設けられている。なお、プリントヘッド35の各要素は、概略的にはX方向に長尺な板状部材であり、Z方向に積層されている。
ノズル板152は板状部材であり、ノズル板152には、貫通孔である2M個のノズルNが形成されている。なお、以下の説明においてノズル板152には、600個以上のノズルNが形成され、列L1及び列L2の各々に対応するノズルNは、1インチあたり300個以上の密度で設けられている。換言すれば、プリントヘッド35には、1インチ当たり300個以上の密度で、且つ600個以上のノズルN設けられている。このノズル板152のうち、プリントヘッド35の外側に位置し、媒体Pと対向する面が、前述したノズル面に相当する。
流路基板132は、インクの流路を形成するための板状部材である。図3及び図4に示すように、流路基板132には流路RAが形成されている。また、流路基板132には、2M個のノズルNと1対1に対応するように、2M個の流路131と2M個の流路133とが形成される。流路131及び流路133は、図4に示すように流路基板132を貫通するように形成された開口である。流路133は、当該流路133に対応するノズルNに連通する。また、流路基板132の面F1には、2つの流路139が形成される。2つの流路139のうち一方は、流路RAと列L1に属するM個のノズルN1に1対1に対応するM個の流路131とを連結する流路であり、他方は、流路RAと列L2に属するM個のノズルN2に1対1に対応するM個の流路131とを連結する流路である。
図3及び図4に示すように、圧力室基板134は、2M個のノズルNと1対1に対応するように2M個の開口137が形成された板状部材である。圧力室基板134のうち流路基板132とは反対側の表面にはアクチュエーター基板136が設けられる。
図4に示すように、アクチュエーター基板136と流路基板132の面FAとは、各開口137の内側で相互に間隔をあけて対向する。開口137の内側で流路基板132の面FAとアクチュエーター基板136との間に位置する空間は、当該空間に充填されたインクに圧力を付与するためのキャビティーCとして機能する。キャビティーCは、例えば、Y方向を長手方向としてX方向を短手方向とする空間である。プリントヘッド35には、2M個のノズルNに1対1に対応するように、2M個のキャビティーCが設けられている。ノズルN1に対応して設けられたキャビティーCは、流路131及び流路139を介して流路RAに連通するとともに、流路133を介してノズルN1に連通する。また、ノズルN2に対応して設けられたキャビティーCは、流路131及び流路139を介して流路RAに連通するとともに、流路133を介してノズルN2に連通する。
図3及び図4に示すように、アクチュエーター基板136のうちキャビティーCとは反対側の面上には、2M個のキャビティーCに1対1に対応するように、2M個の圧電素子60が設けられている。圧電素子60には、駆動信号Vinが供給される。そして、圧電素子60は、供給される駆動信号Vinに応じて駆動される。そして、アクチュエーター基板136は、圧電素子60の変形に連動して振動し、アクチュエーター基板136が振動すると、キャビティーCの内部圧力が変動する。そして、キャビティーCの内部圧力の変動により、キャビティーCに充填されたインクが、流路133及びノズルNを経由して吐出される。
なお、キャビティーC、流路131,133、ノズルN、アクチュエーター基板136、及び圧電素子60が、キャビティーCに充填されたインクを圧電素子60の駆動により吐出させるための吐出部600として機能する。すなわち、プリントヘッド35には、X方向に沿って複数の吐出部600が2列に並設されている。
図3及び図4に示す配線基板138は、面G1と、面G1と対向する面G2とを有し、集積回路装置162に駆動信号Comを伝搬する。また、配線基板138は、アクチュエーター基板136に形成された2M個の圧電素子60を保護するための板状部材であり、アクチュエーター基板136の表面、又は、圧力室基板134の表面に設けられる。
配線基板138のうちプリントヘッド35から見て媒体P側の表面である面G1には、2つの収容空間145が形成される。2つの収容空間145のうち一方は、M個のノズルN1に対応するM個の圧電素子60を収容するための空間であり、他方は、M個のノズルN2に対応するM個の圧電素子60を収容するための空間である。この収容空間145のZ方向の幅である高さは、圧電素子60が変位しても圧電素子60と配線基板138とが接触しないように、十分な大きさを有する。
配線基板138のうち面G1の反対側の表面である面G2には、集積回路装置162が設けられている。集積回路装置162には、図2に示す駆動信号選択制御回路200が実装されている。集積回路装置162には、プリントヘッド35に入力される駆動信号Com、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swが入力される。そして、集積回路装置162は、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHに基づいて、各圧電素子60に供給する駆動信号Vinを生成し出力する。
配線基板138には、駆動信号Com、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swを伝搬する為の複数の配線が設けられている。また、配線基板138には、集積回路装置162から出力された駆動信号Vinを圧電素子60に供給するための配線が設けられている。
また、配線基板138には、接続配線164が電気的に接続される。接続配線164は、プリントヘッド35に入力された複数の信号を、集積回路装置162に転送するための複数の配線が形成された部材であり、例えば、FPC(Flexible Printed Circuit)や、FFC(Flexible Flat Cable)等であってもよい。
次に、プリントヘッド35から吐出されるインクの吐出動作について、図5を用いて説明する。図5はインクの吐出動作を説明するための図である。圧電素子60に駆動信号Vinが供給されると、圧電素子60の電極間の印加された電界に比例した歪が発生し、アクチュエーター基板136は、図5の(a)に示す初期状態に対して、上方向に撓む。したがって、図5の(b)に示すようにキャビティーCの容積が拡大する。この状態において、駆動信号Vinの電圧値が増加から減少、又は減少から増加に転じると、アクチュエーター基板136は、弾性復元力によって復元し、初期状態におけるアクチュエーター基板136の位置を越えて下方向に移動する。したがって、図5の(c)に示すようにキャビティーCの容積が急激に収縮する。このとき、キャビティーCの内部圧力が増加し、キャビティーCに充填されたインクの一部が、ノズルNから吐出される。
アクチュエーター基板136は、この一連のインク吐出動作が終了した後、次のインク吐出動作を開始するまでの間、減衰振動を行う。以下、この減衰振動を残留振動と称する場合がある。駆動信号Vinが圧電素子60に供給された後のキャビティーの内部圧力の変化に基づいて生じるアクチュエーター基板136の変化が残留振動に相当し、当該残留振動に基づいて圧電素子60が変位する。すなわち、残留振動は、アクチュエーター基板136の変化であると共に、アクチュエーター基板136の変化により圧電素子60に生じ変位である。以下の説明では、残留振動に基づく圧電素子60の変位により生じた信号を残留振動信号Voutと称する。このような、アクチュエーター基板136に生じる残留振動は、インク粘度等による音響抵抗r、プリントヘッド35の流路内のインク重量によるイナータンスm、及びアクチュエーター基板136のコンプライアンスCmによって決定される固有振動周波数を有するものと想定される。
ここで、本実施形態において、圧電素子60が容量性負荷の一例であり、列L1を形成するノズルN1のいずれかが第1ノズルの一例であり、当該ノズルN1に対応する圧電素子60が第1容量性負荷の一例であり、列L2を形成するノズルN2のいずれかが第2ノズルの一例であり、当該ノズルN1に対応する圧電素子60が第2容量性負荷の一例である。
3.残留振動について
ここで、アクチュエーター基板136に生じる残留振動の計算モデルについて説明する。図6は、アクチュエーター基板136の残留振動を想定した単振動の計算モデルを示す回路図である。アクチュエーター基板136の残留振動の計算モデルは、音圧pと、上述のイナータンスm、コンプライアンスCm、及び音響抵抗rで表せる。そして、図6の回路に音圧pを与えた時のステップ応答を体積速度uについて計算すると、次式が得られる。
Figure 2020168827
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Figure 2020168827
式(1)〜(3)から得られた計算結果と、別途行ったインクの吐出後のアクチュエーター基板136の残留振動の実験における実験結果とを比較する。図7は、アクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。図7に示す結果からも分かるように、実験値と計算値の2つの波形は、概ね一致している。
ここで、プリントヘッド35が吐出動作を行ったにもかかわらずノズルNからインクが正常に吐出されない現象、即ちインクの吐出異常が発生する場合がある。この吐出異常が発生する原因としては、(1)キャビティーCの内部に気泡が混入する気泡混入、(2)インクの粘度が乾燥等により増粘する乾燥増粘、(3)ノズルNの出口付近に紙粉が付着する紙粉付着、等が挙げられる。
このような吐出異常が生じると、ノズルNからインクが吐出されない不吐出現象が発生し、その場合、媒体Pに印刷された画像に画素のドット抜けが生じる。また、ノズルNからインクが吐出された場合であっても、吐出されたインクの量が過少となり、また、インクの飛行方向がずれることで、インクが、媒体Pに適正に着弾できず、不吐出現象の場合と同様に、画素のドット抜けとなって現れる。なお以下の説明では、インクの吐出異常のことを単に「ドット抜け」と称する場合がある。
以下の説明では、図7に示す比較結果に基づいて、プリントヘッド35に発生する吐出異常であるドット抜け現象を原因別に検討する。具体的には、アクチュエーター基板136の残留振動の計算値と実験値が概ね一致するように、音響抵抗r、及びイナータンスmのうち少なくとも一方の値を調整し、実験値と比較する。
まず、ドット抜けの1つの原因である、気泡混入について検討する。図8は、気泡混入が生じた場合におけるノズルNの付近を示す概念図である。図8に示すように、プリントヘッド35に混入した気泡Aは、キャビティーCの壁面に発生付着しているものと想定される。
このように、キャビティーCの内部に気泡Aが混入した場合、キャビティーCの内部を満たすインクの総重量が減り、イナータンスmが低下するものと考えられる。また、図8に示すように、気泡AがノズルNの付近に付着している場合、その径の大きさだけノズルNの径が大きくなったような状態となり、音響抵抗rが低下するものと考えられる。したがって、インクが正常に吐出された図7の場合に対して、音響抵抗r、及びイナータンスmを共に小さく設定し、気泡混入時の残留振動の実験値と概ね一致することで、図9に示すような結果が得られた。図9は、気泡混入時のアクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。図7及び図9の結果から分かるように、キャビティーCの内部に気泡Aが混入した場合、正常に吐出された場合に比べて周波数が高くなる特徴的な残留振動波形が得られる。なお、音響抵抗rの低下などにより、残留振動の振幅の減衰率も小さくなり、残留振動は、その振幅をゆっくりと下げていることも確認することができる。
次に、ドット抜けのもう1つの原因である、乾燥増粘について検討する。図10は、乾燥増粘が生じた場合のノズルNの付近を示す概念図である。図10に示すように、ノズルNの付近のインクが乾燥し、固着した場合、キャビティーCの内部のインクは、キャビティーCの内部に閉じこめられたような状況となる。また、キャビティーCの内部のインクの粘度が増加した場合であっても同様に、キャビティーCの内部のインクは、キャビティーCの内部に閉じこめられたような状況となる。このように、ノズルN付近のインクが乾燥、増粘した場合、音響抵抗rが増加するものと考えられる。
したがって、インクが正常に吐出された図7の場合に対して、音響抵抗rを大きく設定し、ノズルNの付近のインクが乾燥増粘した場合の残留振動の実験値と概ね一致することにより、図11のような結果が得られた。図11は、乾燥増粘の場合のアクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。なお、図11に示す実験値は、ノズルNに対して不図示のキャップを数日間装着しない状態でプリントヘッド35を放置し、ノズルNの付近のインクが乾燥、増粘したことによりインクが固着し、インクの吐出ができなくなった状態におけるアクチュエーター基板136の残留振動を測定したものである。図7及び図11の結果から分かるように、ノズルNの付近のインクが乾燥により固着した場合、正常に吐出した場合に比べて周波数が極めて低くなるとともに、残留振動が過減衰となる特徴的な残留振動波形が得られる。これは、アクチュエーター基板136が上方に引き寄せられることによって、キャビティーCの内部にインクが流入し、その後、インクを吐出するためにアクチュエーター基板136が下方に移動する場合に、キャビティーCの内部のインクに逃げ道がなく、アクチュエーター基板136が急激に振動できなくなるためである。なお、インクの粘度が増加した場合でも同様の傾向となる。
次に、ドット抜けのさらにもう1つの原因である、紙粉付着について検討する。図12は、紙粉付着の場合のノズルNの付近を示す概念図である。図12に示すように、ノズルNの出口付近に紙粉Bが付着した場合、キャビティーCの内部から紙粉Bを介してインクが染み出してしまうとともに、ノズルNからインクを吐出することができなくなる。このように、ノズルNの出口付近に紙粉Bが付着し、ノズルNからインクが染み出している場合、アクチュエーター基板136から見てキャビティーCの内部、及び染み出し分のインクが正常時よりも増えるため、イナータンスmが増加するものと考えられる。また、ノズルNの出口付近に付着した紙粉Bの繊維によって音響抵抗rが増大するものと考えられる。
したがって、インクが正常に吐出された図7の場合に対して、イナータンスm、音響抵抗rを共に大きく設定して、ノズルNの出口付近への紙粉付着時の残留振動の実験値と概ね一致することにより、図13のような結果が得られた。図13は、紙粉付着の場合のアクチュエーター基板136の残留振動の実験値と計算値との関係を示す図である。図7及び図13の結果から分かるように、ノズルNの出口付近に紙粉Bが付着した場合、正常に吐出した場合と比べて周波数が低くなる特徴的な残留振動波形が得られる。
なお、図11及び図13に示す結果から、紙粉付着の場合は、インクの乾燥増粘の場合と比較して、残留振動の周波数が高いことが分かる。
ここで、ノズルN付近のインクが乾燥増粘した場合と、ノズルNの出口付近に紙粉が付着した場合とでは、いずれも正常にインク滴が吐出された場合に比べて減衰振動の周波数が低くなっている。これら2つのドット抜けの原因は、例えば、減衰振動の周波数や周期、位相において所定の閾値を持って比較するか、或いは、残留振動の周期変化や振幅変化の減衰率から特定することができる。以上のように、プリントヘッド35が有するノズルNからインク滴が吐出された場合のアクチュエーター基板136の残留振動の変化、特に、その周波数の変化によって、プリントヘッド35が有するノズルNの吐出異常を検出することができる。また、その場合の残留振動の周波数を正常吐出時の残留振動の周波数と比較することにより、吐出異常の原因を特定することもできる。
4.駆動信号選択制御回路の構成
4.1 駆動信号選択生後回路の構成
以上に説明した残留振動は、残留振動信号Voutとして駆動信号選択制御回路200に入力される。そして、駆動信号選択制御回路200は、入力された残留振動信号Voutに基づいて、対応するノズルNの吐出異常の有無、及び原因の判定を実行し、判定結果を判定結果信号Rsとして出力する。ここで、残留振動信号Voutに基づいて、判定結果信号Rsを生成する駆動信号選択制御回路200の構成について図14を用いて説明する。なお、以下の説明において、駆動信号選択制御回路200は、図3に示す列L1に含まれるM個のノズルN1に対応する圧電素子60に供給される駆動信号Vinを駆動信号Vin1と称し、当該圧電素子60で生じた残留振動信号Voutを残留振動信号Vout1と称し、残留振動信号Vout1に基づく吐出異常の判定結果を示す信号を判定結果信号Rs1と称する場合がある。同様に、列L2に含まれるM個のノズルN2に対応する圧電素子60に供給される駆動信号Vinを駆動信号Vin2と称し、当該圧電素子60で生じた残留振動信号Voutを残留振動信号Vout2と称し、残留振動信号Vout2に基づく吐出異常の判定結果を示す信号を判定結果信号Rs2と称する場合がある。
図14は、駆動信号選択制御回路200の電気構成を示す図である。図14に示すように、駆動信号選択制御回路200は、第1選択制御回路51−1、第2選択制御回路51−2、第1検出回路52−1、第2検出回路52−2、第1切替回路53−1、第2切替回路53−2、及びタイミング制御回路55を備える。
タイミング制御回路55には、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swが入力される。
タイミング制御回路55は、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHを、第1選択制御回路51−1に対応するクロック信号CL1、印刷信号SI1、ラッチ信号LAT1、及びチェンジ信号CH1と、第2選択制御回路51−2に対応するクロック信号CL2、印刷信号SI2、ラッチ信号LAT2、及びチェンジ信号CH2とに分岐し、対応する第1選択制御回路51−1、及び第2選択制御回路51−2のそれぞれに出力する。
また、タイミング制御回路55は、入力される切替制御信号Swを、第1切替回路53−1に対応する切替制御信号Sw1と、第2切替回路53−2に対応する切替制御信号Sw2とに分岐し、対応する第1切替回路53−1、及び第2切替回路53−2のそれぞれに出力する。
さらに、タイミング制御回路55は、不図示の温度検出素子により検出された駆動信号選択制御回路200の温度情報に基づいて、駆動信号選択制御回路200の温度異常を示す温度異常信号を生成し、制御部6に出力してもよく、また、当該温度情報を、制御部6に出力してもよい。
なお、駆動信号選択制御回路200は、タイミング制御回路55を含まず、例えば、制御部6により生成された、クロック信号CL1,CL2、印刷信号SI1,SI2、ラッチ信号LAT1,LAT2、チェンジ信号CH1,CH2、及び切替制御信号Sw1,Sw2が入力され、入力された各種信号により、第1選択制御回路51−1、第2選択制御回路51−2、第1切替回路53−1、第2切替回路53−2のそれぞれが制御される構成であってもよい。
第1選択制御回路51−1には、タイミング制御回路55から出力されるクロック信号CL1、印刷信号SI1、ラッチ信号LAT1、及びチェンジ信号CH1と、駆動信号生成回路54から出力される駆動信号Comとが入力される。そして、第1選択制御回路51−1は、クロック信号CL1、印刷信号SI1、ラッチ信号LAT1、及びチェンジ信号CH1に基づいて、駆動信号Comを選択、又は非選択とすることで、駆動信号Vin1を生成し、第1切替回路53−1に出力する。換言すれば、第1選択制御回路51−1は、駆動信号Comの列L1に含まれるノズルN1に対応する圧電素子60への供給を制御する。
第1切替回路53−1は、切替制御信号Sw1に基づいて、駆動信号Vin1をノズルN1に対応する圧電素子60に供給するのか、又は、駆動信号Vin1がノズルN1に対応する圧電素子60に供給された後、当該圧電素子60に生じる残留振動を示す残留振動信号Vout1を、第1検出回路52−1に供給するのかを切り替える。換言すれば、第1切替回路53−1は、ノズルN1に対応する圧電素子60と、第1選択制御回路51−1とを電気的に接続するのか、又は当該圧電素子60と、第1検出回路52−1とを電気的に接続するのかを切り替える。
第1検出回路52−1は、入力される残留振動信号Vout1を検出する。そして、第1検出回路52−1は、検出した残留振動信号Vout1に基づいて判定結果信号Rs1を生成し、制御部6に出力する。
第2選択制御回路51−2には、タイミング制御回路55から出力されるクロック信号CL2、印刷信号SI2、ラッチ信号LAT2、及びチェンジ信号CH2と、駆動信号生成回路54から出力される駆動信号Comとが入力される。そして、第2選択制御回路51−2は、クロック信号CL2、印刷信号SI2、ラッチ信号LAT2、及びチェンジ信号CH2に基づいて、駆動信号Comを選択、又は非選択とすることで、駆動信号Vin2を生成し、第2切替回路53−2に出力する。換言すれば、第2選択制御回路51−2は、駆動信号Comの列L2に含まれるノズルN2に対応する圧電素子60への供給を制御する。
第2切替回路53−2は、切替制御信号Sw2に基づいて、駆動信号Vin2をノズルN2に対応する圧電素子60に供給するのか、又は、駆動信号Vin2がノズルN2に対応する圧電素子60に供給された後、当該圧電素子60に生じる残留振動を示す残留振動信号Vout2を、第2検出回路52−2に供給するのかを切り替える。換言すれば、第2切替回路53−2は、ノズルN2に対応する圧電素子60と、第2選択制御回路51−2とを電気的に接続するのか、又は当該圧電素子60と、第2検出回路52−2とを電気的に接続するのかを切り替える。
第2検出回路52−2は、入力される残留振動信号Vout2を検出する。そして、第2検出回路52−2は、検出した残留振動信号Vout2に基づいて判定結果信号Rs2を生成し、制御部6に出力する。
すなわち、集積回路装置162に実装された駆動信号選択制御回路200は、列L1に含まれるノズルN1に対応する圧電素子60を駆動させる駆動信号Vin1と、列L2に含まれるノズルN2に対応する圧電素子60を駆動させる駆動信号Vin2とを供給するとともに、列L1に含まれるノズルN1に対応する圧電素子60に生じた残留振動に起因する残留振動信号Vout1と、列L2に含まれるノズルN2に対応する圧電素子60に生じた残留振動に起因する残留振動信号Vout2とを検出する。
ここで、列L1に含まれるノズルN1に対応する圧電素子60を駆動させる駆動信号Vin1が第1駆動信号の一例であり、列L2に含まれるノズルN2に対応する圧電素子60を駆動させる駆動信号Vin2が第2駆動信号の一例であり、列L1に含まれるノズルN1に対応する圧電素子60に生じた残留振動に起因する残留振動信号Vout1が第1残留振動信号の一例であり、列L2に含まれるノズルN2に対応する圧電素子60に生じた残留振動に起因する残留振動信号Vout2が第2残留振動信号の一例である。
また、第1選択制御回路51−1、第1検出回路52−1、及び第1切替回路53−1のそれぞれと、第2選択制御回路51−2、第2検出回路52−2、及び第2切替回路53−2のそれぞれとは、入力される信号、及び出力される信号が異なるだけであり、それぞれ同様の構成である。そのため、以下の説明において、第1選択制御回路51−1と第2選択制御回路51−2とを区別する必要がない場合、選択制御回路51と称し、第1検出回路52−1と第2検出回路52−2とを区別する必要がない場合、検出回路52と称し、第1切替回路53−1と第2切替回路53−2とを区別する必要がない場合、切替回路53と称する場合がある。
そして、以下の説明において、選択制御回路51には、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHと、駆動信号Comとが入力され、選択制御回路51は、入力される各種信号に基づいて、駆動信号Vinを生成する。また、切替回路53が、駆動信号Vinを圧電素子60に供給するのか、又は、当該圧電素子60に生じた残留振動を残留振動信号Voutとして検出回路52に供給するのか、を切り替え、検出回路52は、残留振動信号Voutに基づいて判定結果信号Rsを出力するとして説明を行う。
4.2 選択制御回路の構成、及び動作
まず、図15から図18を用いて、選択制御回路51の構成、及び動作の詳細について説明する。図15は、選択制御回路51の構成を示すブロック図である。図15に示すように、選択制御回路51は、シフトレジスターSR、ラッチ回路LT、デコーダーDC、及びトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcからなる組を、M個のノズルNに1対1で対応するようにM組有する。以下の説明では、M組の各要素を、図15において上から順番に、1段、2段、…、M段と称する場合がある。なお、図15には、1段、2段、…、M段のそれぞれに対応するシフトレジスターSRをSR[1],SR[2],…,SR[M]と示し、ラッチ回路LTをLT[1],LT[2],…,LT[M]と示し、デコーダーDCをDC[1],DC[2],…,DC[M]と示し、駆動信号VinをVin[1],Vin[2],…,Vin[M]と示している。
選択制御回路51には、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び駆動信号Comが供給される。ここで、詳細は後述するが図15に示すように本実施形態における駆動信号Comは、3つの駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cを含んで構成されている。
印刷信号SIは、画像の1ドットを形成する場合に、対応するノズルNから吐出させるインクの量を規定するデジタルの信号である。詳細には、印刷信号SIは、3ビットの印刷データ[b1,b2,b3]を含み、印刷データ[b1,b2,b3]に応じてノズルNから吐出させるインクの量を規定する。この印刷信号SIは、クロック信号CLに同期して、タイミング制御回路55から選択制御回路51にシリアルに入力される。選択制御回路51は、入力された印刷信号SIに基づいて、ノズルNから吐出されるインクの量に応じた駆動信号Vinを生成する。この駆動信号Vinが、対応する圧電素子60に供給されることで、媒体Pには、非記録、小ドット、中ドット、及び大ドットの4階調を表現するドットが形成される。また、選択制御回路51は、入力された印刷信号SIに基づいて、ノズルNの状態を検査するための検査用の駆動信号Vinも生成する。
シフトレジスターSRのそれぞれは、印刷信号SIを、ノズルNのそれぞれに対応する3ビットの情報毎に一旦保持すると共に、クロック信号CLに従って順次後段のシフトレジスターSRに転送する。詳細には、M個のノズルNのそれぞれと1対1で対応する、M個のシフトレジスターSRが縦続接続される。シリアルで供給された印刷信号SIが、クロック信号CLに従って順次後段のシフトレジスターSRに転送される。そして、M個のシフトレジスターSRの全てに印刷信号SIが転送された時点で、クロック信号CLの供給が停止する。これにより、M個のシフトレジスターSRのそれぞれには、M個のノズルNのそれぞれに対応する印刷信号SIが保持される。
M個のラッチ回路LTのそれぞれは、ラッチ信号LATの立ち上がりに同期して、M個のシフトレジスターSRのそれぞれが保持する3ビットの印刷信号SIを一斉にラッチする。ここで、図15に示すSI[1]〜SI[M]は、M個のシフトレジスターSR[1]〜SR[M]のそれぞれで保持され、対応するラッチ回路LT[1]〜LT[M]によってラッチされた印刷信号SIを示している。
ところで、液体吐出装置1が印刷を実行する動作期間は、複数の単位動作期間Tuを含む。また、各単位動作期間Tuは、制御期間Ts1とこれに後続する制御期間Ts2とを含む。この複数の単位動作期間Tuには、印刷処理が実行される単位動作期間Tu、吐出異常検出処理が実行される単位動作期間Tu、及び印刷処理及び吐出異常検出処理の両方の処理が実行される単位動作期間Tu等が含まれる。
タイミング制御回路55は、選択制御回路51に対して、単位動作期間Tu毎に印刷信号SIを供給するとともに、ラッチ回路LTが単位動作期間Tu毎に印刷信号SIをラッチするように、選択制御回路51を制御する。すなわち、タイミング制御回路55は、単位動作期間Tu毎にM個のノズルNに対応する圧電素子60に駆動信号Vinが供給されるように、選択制御回路51を制御する。
具体的には、プリントヘッド35が、単位動作期間Tuにおいて印刷処理のみを実行する場合、タイミング制御回路55は、M個のノズルNに対応する圧電素子60に対して、印刷用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御する。この場合、M個のノズルNのそれぞれから画像データImgに応じた量のインクが媒体Pに吐出される。よって、媒体Pには、画像データImgに対応する画像が形成される。
一方、プリントヘッド35が、単位動作期間Tuにおいて吐出異常検出処理のみを実行する場合、タイミング制御回路55は、M個のノズルNに対応する圧電素子60に対して検査用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御する。
また、プリントヘッド35が、単位動作期間Tuにおいて印刷処理、及び吐出異常検出処理の両方を実行する場合、タイミング制御回路55は、M個のノズルNに対応する圧電素子60の一部に対して印刷用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御し、残りのノズルNに対応する圧電素子60に対して検査用の駆動信号Vinが供給されるように選択制御回路51を制御する。
デコーダーDCは、ラッチ回路LTによってラッチされた3ビット分の印刷信号SIをデコードし、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて、Hレベル又はLレベルの選択信号Sa,Sb,Scを出力する。
図16は、デコーダーDCが行うデコードの内容を示す図である。図16に示すように、印刷信号SIが示す内容が、例えば印刷データ[b1,b2,b3]が[1、0、0]である場合、対応するデコーダーDCは、制御期間Ts1において、選択信号SaをHレベルに設定するとともに、選択信号Sb及びScをLレベルに設定し、制御期間Ts2において、選択信号Sa及びScをLレベルに設定するとともに、選択信号SbをHレベルに設定する。
また、印刷信号SIの下位ビットb3が「1」の場合、つまり、印刷データ[b1,b2,b3]が[0、0、1]である場合、i段のデコーダーDCは、制御期間Ts1,Ts2において、選択信号Sa及びSbをLレベルに設定するとともに、選択信号ScをHレベルに設定する。
図15に戻り、選択制御回路51は、トランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの組をM個備える。これら、M個のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの組は、M個のノズルNに1対1に対応するように設けられている。
トランスミッションゲートTGaは、選択信号SaがHレベルの場合にオンし、Lレベルの場合にオフする。また、トランスミッションゲートTGbは、選択信号SbがHレベルの場合にオンし、Lレベルの場合にオフする。また、トランスミッションゲートTGcは、選択信号ScがHレベルの場合にオンし、Lレベルの場合にオフする。
例えば、印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[1、0、0]である場合、制御期間Ts1においてトランスミッションゲートTGaはオンに制御され、トランスミッションゲートTGb及びTGcはオフに制御される。また、制御期間Ts2においてトランスミッションゲートTGbはオンに制御され、トランスミッションゲートTGb及びTGcはオフに制御される。
図15に示すように、トランスミッションゲートTGaの一端には、駆動信号Comの内の駆動信号Com−Aが供給され、トランスミッションゲートTGbの一端には、駆動信号Comの内の駆動信号Com−Bが供給され、トランスミッションゲートTGcの一端には、駆動信号Comの内の駆動信号Com−Cが供給される。また、トランスミッションゲートTGa,TGb,TGcのそれぞれの他端は、切替回路53への出力端OTNに共通接続されている。
ここで、図16に示すように、トランスミッションゲートTGa,TGb,TGcは、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて排他的にオンとなる。したがって、制御期間Ts1,Ts2毎に選択された駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cが、駆動信号Vinとして出力端OTNに出力される。そして、駆動信号Vinが、切替回路53を介して対応する圧電素子60に供給される。
図17は、単位動作期間Tuにおける選択制御回路51の動作を説明するための図である。図17に示すように、単位動作期間Tuは、タイミング制御回路55が出力するラッチ信号LATにより規定される。また、単位動作期間Tuに含まれる制御期間Ts1,Ts2は、タイミング制御回路が出力するラッチ信号LATとチェンジ信号CHとにより規定される。
単位動作期間Tuにおいて、駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Com−Aは、印刷用の駆動信号Vinを生成するための信号であり、制御期間Ts1に配置された単位波形PA1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PA2とを連続させた波形である。単位波形PA1、及び単位波形PA2の開始、及び終了のタイミングにおける電位は、いずれも基準電位V0である。また、単位波形PA1の電位Va11と電位Va12との電位差は、単位波形PA2の電位Va21と電位Va22との電位差よりも大きい。このため、圧電素子60が単位波形PA1により駆動された場合、当該圧電素子60に対応するノズルNから吐出されるインクの量は、当該圧電素子60が単位波形PA2により駆動された場合にノズルNから吐出されるインクの量よりも多い。
また、単位動作期間Tuにおいて駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Com−Bは、印刷用の駆動信号Vinを生成するための信号であり、制御期間Ts1に配置された単位波形PB1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PB2とを連続させた波形である。単位波形PB1の開始及び終了のタイミングにおける電位は、いずれも基準電位V0であり、単位波形PB2の電位は、制御期間Ts2に亘って基準電位V0に保たれる。また、単位波形PB1の電位Vb11と基準電位V0との電位差は、単位波形PA2の電位Va21と電位Va22との電位差よりも小さい。そして、ノズルNに対応する圧電素子60が単位波形PB1により駆動された場合、当該圧電素子60に対応するノズルNからはインクは吐出されない。同様に、圧電素子60に単位波形PB2が供給された場合にも、ノズルNからインクは吐出されない。
また、単位動作期間Tuにおいて駆動信号生成回路54から供給される駆動信号Com−Cは、検査用の駆動信号Vinを生成するための信号であり、制御期間Ts1に配置された単位波形PC1と、制御期間Ts2に配置された単位波形PC2とを連続させた波形である。単位波形PC1の開始のタイミングにおける電位、及び単位波形PC2の終了のタイミングにおける電位は、いずれも基準電位V0である。また、単位波形PC1は、基準電位V0から電位Vc11に遷移した後、電位Vc11から電位Vc12に遷移し、その後、制御期間Ts1の終了まで電位Vc12に保たれる。また、単位波形PC2は、電位Vc12を維持した後、制御期間Ts2が終了する前に電位Vc12から基準電位V0に遷移する。
図17に示すように、シリアルに供給された印刷信号SI[1]〜SI[M]は、クロック信号CLにより順次シフトレジスターSRで伝搬され、クロック信号CLが停止することで、対応するシフトレジスターSR[1]〜SR[M]に保持される。そして、ラッチ信号LATの立ち上がりのタイミング、すなわち、単位動作期間Tuが開始されるタイミングにおいて、選択制御回路51が有するM個のラッチ回路LTは、シフトレジスターSR[1]〜SR[M]のそれぞれに保持されている印刷信号SI[1]〜SI[M]をラッチする。
M個のデコーダーDCのそれぞれは、制御期間Ts1,Ts2のそれぞれにおいて、ラッチ回路LTによりラッチされた印刷信号SI[1]〜SI[M]に応じた論理レベルの選択信号Sa,Sb,Scを図16に記載の内容に従い出力する。
そして、M個のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcのそれぞれが、入力される選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルに基づいて、オン又はオフに制御されることで、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれが選択、又は非選択とされ、駆動信号Vinとして出力される。
次に、図18を用いて、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51から出力される駆動信号Vinの波形について説明する。図18は、駆動信号Vinの波形の一例を示す図である。
単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[1、1、0]の場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Aが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Aが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PA1と単位波形PA2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA1に基づく中程度の量のインクと、単位波形PA2に基づく小程度の量のインクとが吐出される。そして、ノズルNから吐出されたインクが媒体Pにおいて結合することにより、媒体Pには、大ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[1、0、0]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Aが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Bが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PA1と単位波形PB2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA1に基づく中程度の量のインクが吐出され、媒体Pには、中ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[0、1、0]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをH,L,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Bが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Aが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PB1と単位波形PA2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、単位波形PA2に基づく小程度の量のインクが吐出され、媒体Pには、小ドットが形成される。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[0、0、0]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,H,Lレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Bが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Bが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PB1と単位波形PB2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、インクが吐出されない。したがって、媒体Pには、ドットが形成されない。この場合において、選択制御回路51が出力する駆動信号Vinは、ノズルNからインクが吐出されない程度に圧電素子60を駆動させ、ノズル付近のインクの増粘を防止する所謂微振動波形に相当する。
また、単位動作期間Tuにおいて選択制御回路51に供給される印刷信号SIの印刷データ[b1,b2,b3]が[0、0、1]である場合、デコーダーDCは、制御期間Ts1における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,L,Hレベルとし、制御期間Ts2における選択信号Sa,Sb,Scの論理レベルをL,L,Hレベルとする。したがって、制御期間Ts1において、駆動信号Com−Cが選択され、制御期間Ts2において、駆動信号Com−Cが選択される。よって、選択制御回路51は、単位動作期間Tuにおいて単位波形PC1と単位波形PC2とを連続させた波形の駆動信号Vinを出力する。その結果、対応するノズルNから、単位動作期間Tuにおいて、インクが吐出されない。したがって、媒体Pには、ドットが形成されない。この場合において、選択制御回路51が出力する駆動信号Vinは、圧電素子60の残留振動を検出するための検査用波形に相当する。
ここで、本実施形態では、駆動信号Vinが駆動信号の一例であるとして説明したが、前述のように、駆動信号Vinは、選択制御回路51において駆動信号Comに含まれる単位波形を選択、又は非選択とすることで生成される。したがって、駆動信号Comもまた、広義の上での駆動信号の一例である。
4.3 切替回路、及び検出回路の構成、及び動作
次に、切替回路53、及び検出回路52の構成、及び動作について説明する。図19は、切替回路53、及び検出回路52の電気構成を示す図である。なお、図19には、1段、2段、…、M段のそれぞれに対応する切替スイッチUをU[1],U[2],…,U[M]と示し、圧電素子60を60[1],60[2],…,60[M]と示し、切替スイッチUをU[1],U[2],…,U[M]と示し、切替制御信号SwをSw[1],Sw[2],…,Sw[M]と示し、残留振動信号Voutを残留振動信号Vout[1],Vout[2],…,Vout[M]と示している。
図19に示すように、切替回路53は、M個の圧電素子60に対応するM個の切替スイッチUを有する。各切替スイッチUは、切替制御信号Swに基づいて、選択制御回路51から入力される駆動信号Vinを、対応する圧電素子60に供給するのか、又は駆動信号Vinが圧電素子60に供給された後に生じる圧電素子60の残留振動に基づく残留振動信号Voutを、検出回路52に供給するのかを切り替える。
具体的には、切替スイッチU[1]には、切替制御信号Sw[1]が入力される。そして、切替スイッチU[1]は、切替制御信号Sw[1]に基づいて、駆動信号Vin[1]を圧電素子60[1]に供給するのか、又は、圧電素子60[1]に駆動信号Vin[1]が供給された後に圧電素子60[1]に生じる残留振動に基づく残留振動信号Vout[1]を、残留振動信号Voutとして検出回路52に供給するのかを切り替える。
同様に、切替スイッチU[i]には、切替制御信号Sw[i]が入力される。そして、切替スイッチU[i]は、切替制御信号Sw[i]に基づいて、駆動信号Vin[i]を圧電素子60[i]に供給するのか、又は、圧電素子60[i]に駆動信号Vin[i]が供給された後に圧電素子60[i]に生じる残留振動に基づく残留振動信号Vout[i]を、残留振動信号Voutとして検出回路52に供給するのかを切り替える。
ここで、切替制御信号Sw[1]〜Sw[M]は、単位動作期間Tuにおいて、M個の圧電素子60[1]〜60[M]のうちのいずれか1つが検出回路52と電気的に接続されるようにM個の切替スイッチU[1]〜U[M]の切り替えを制御する。換言すれば、検出回路52は、切替制御信号Swに基づいてM個の圧電素子60[1]〜60[M]のそれぞれに対応する残留振動信号Vout[1]〜Vout[M]の内のいずれか1つを残留振動信号Voutとて検出し、対応するノズルNにおける吐出異常の有無を判定する。そのため、切替制御信号Swは、M個の切替スイッチU[1]〜U[M]を順次オンに制御できればよく、例えば、タイミング制御回路55から出力された切替制御信号Swが、シフトレジスターなどにより伝搬されることで、M個の切替スイッチUを逐次切替える構成であてもよい。
以上のように、切替回路53が残留振動信号Voutを検出するタイミングは、切替制御信号Swにより制御される。すなわち、切替制御信号Swを出力するタイミング制御回路55は、第1検出回路52-1が残留振動信号Vout1を検出するタイミングと、第2検出回路52-2が残留振動信号Vout2を検出するタイミングとを制御する。
次に、検出回路52の構成について説明する。図20は、検出回路52の構成を示すブロック図である。検出回路52は、残留振動信号Voutとして検出し、検出した残留振動信号Voutに基づいてノズルNの吐出異常の有無の検出、及び前記吐出異常の原因を特定する。
図20に示すように、検出回路52は、周期計測部510、及び判定部520を含む。周期計測部510は、波形整形部511と、計測部512とを含み、残留振動信号Voutに基づいて、残留振動の1周期分の時間長を表す検出信号NTcを出力する。
具体的には、波形整形部511は、残留振動信号Voutからノイズ成分を除去した整形波形信号Vdを生成する。波形整形部511は、例えば、残留振動信号Voutの周波数帯域よりも低域の周波数成分を減衰させた信号を出力するためのハイパスフィルターや、残留振動信号Voutの周波数帯域よりも高域の周波数成分を減衰させた信号を出力するためのローパスフィルター等を備える。そして、波形整形部511は、残留振動信号Voutの周波数範囲を限定し、ノイズ成分を除去した整形波形信号Vdを出力する。また、波形整形部511は、残留振動信号Voutの振幅を調整するための負帰還型の増幅回路や、残留振動信号Voutのインピーダンスを変換するためのボルテージフォロア回路などを含んでもよい。
計測部512は、整形波形信号Vdに基づき、残留振動信号Voutの周期を計測し、検出信号NTcを生成する。計測部512には、整形波形信号Vdと、マスク信号Mskと、閾値電位Vth_c,Vth_o,Vth_uとが入力される。ここで、マスク信号Msk、閾値電位Vth_c,Vth_o,Vth_uは、例えば、制御部6、タイミング制御回路55等から供給されてもよく、また、不図示の記憶部に記憶されていてもよい。
図21は、計測部512の動作を説明するための図である。図21に示すように、閾値電位Vth_cは、整形波形信号Vdの振幅中心レベルの電位に定められた閾値であり、閾値電位Vth_oは、閾値電位Vth_cよりも高電位側に定められた閾値であり、閾値電位Vth_uは、閾値電位Vth_cよりも低電位側に定められた閾値である。そして、計測部512は、入力されるこれらの信号に基づいて、検出信号NTcと、当該検出信号NTcが有効な値であるか否かを示す有効性フラグFlagとを出力する。
具体的には、計測部512は、整形波形信号Vdの電位と閾値電位Vth_cとを比較する。そして、計測部512は、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_c以上の場合にHレベルとなり、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_c未満の場合にLレベルとなる比較信号Cmp1を生成する。
また、計測部512は、整形波形信号Vdの電位と閾値電位Vth_oとを比較する。そして、計測部512は、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_o以上の場合にHレベルとなり、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_o未満の場合にLレベルとなる比較信号Cmp2を生成する。
また、計測部512は、整形波形信号Vdの電位と閾値電位Vth_uとを比較する。そして、計測部512は、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_u未満の場合にHレベルとなり、整形波形信号Vdの電位が、閾値電位Vth_u以上の場合にLレベルとなる比較信号Cmp3を生成する。
マスク信号Mskは、整形波形信号Vdの供給が開始される時刻t0から所定の期間Tmskの間だけHレベルとなる信号である。計測部512は、整形波形信号Vdのうち、期間Tmskの経過後の整形波形信号Vdのみを対象として、検出信号NTcを生成する。これにより、計測部512は、残留振動の開始直後に重畳するノイズ成分を除去した精度の高い検出信号NTcを得ることができる。
計測部512は、不図示のカウンターを備える。マスク信号MskがLレベルに立ち下がった後、整形波形信号Vdの示す電位が最初に閾値電位Vth_cと等しくなるタイミングである時刻t1において、当該カウンターは、不図示のクロック信号のカウントを開始する。すなわち、当該カウンターは、マスク信号MskがLレベルに立ち下がった後、比較信号Cmp1が最初にHレベルに立ち上がるタイミング、又は比較信号Cmp1が最初にLレベルに立ち下がるタイミングのうち、早い方のタイミングである時刻t1において、カウントを開始する。
そして、当該カウンターは、カウントを開始した後において、整形波形信号Vdの示す電位が、2度目に閾値電位Vth_cとなるタイミングである時刻t2においてクロック信号のカウントを終了させる。すなわち、当該カウンターは、マスク信号MskがLレベルに立ち下がった後、比較信号Cmp1が2度目にHレベルに立ち上がるタイミング、又は比較信号Cmp1が2度目にLレベルに立ち下がるタイミングのうち、早い方のタイミングである時刻t2において、カウントを終了する。
そして、計測部512は、当該カウンターにより得られたカウント値を、検出信号NTcとして出力する。すなわち、計測部512は、時刻t1から時刻t2までの時間長を、整形波形信号Vdの1周期分の時間長として計測することで検出信号NTcを生成する。
ここで、図21において鎖線で示すように整形波形信号Vdの振幅が小さい場合、検出信号NTcを正確に計測できないおそれがある。また、整形波形信号Vdの振幅が小さい場合、仮に検出信号NTcの結果のみに基づいてノズルNの吐出状態が正常であると判断される場合であっても、例えば、キャビティーCにインクが注入されていないことによりインクを吐出できない状態である等、実際には吐出異常が生じている可能性が存在する。そこで、計測部512は、整形波形信号Vdの振幅が、検出信号NTcの計測のために十分な大きさを有しているか否かを判定し、当該判定の結果を有効性フラグFlagとして出力する。
具体的には、計測部512は、カウンターによりカウントが実行されている期間、つまり、時刻t1から時刻t2までの期間において、整形波形信号Vdの示す電位が、閾値電位Vth_oを超え、且つ、閾値電位Vth_uを下回る場合、有効性フラグFlagの値を、検出信号NTcが有効であることを示す値「1」に設定し、それ以外の場合には「0」に設定したうえで、有効性フラグFlagを出力する。より詳細には、計測部512は、時刻t1から時刻t2までの期間において、比較信号Cmp2がLレベルからHレベルに立ち上がった後再びLレベルに立下り、且つ、比較信号Cmp3がLレベルからHレベルに立ち上がった後再びLレベルに立下る場合に、有効性フラグFlagの値を「1」に設定し、それ以外の場合に、有効性フラグFlagの値を「0」に設定する。
以上のように計測部512は、整形波形信号Vdの1周期分の時間長を示す検出信号NTcを生成するのに加え、整形波形信号Vdが検出信号NTcの計測のために十分な大きさの振幅を有しているか否かを判定する。これにより、検出回路52は、より正確に吐出異常の有無を検出することが可能となる。
図20に戻り、判定部520は、整形波形信号Vdの周期と所定の閾値とに基づいて、該当するノズルNにおける吐出異常の有無の検出、及び吐出異常の原因を判定する。そして、判定部520は、吐出異常の有無、及び吐出異常の原因の判定結果を示す判定結果信号Rsを出力する。
図22は、判定部520における判定の内容を説明するための図である。図22に示すように、判定部520は、検出信号NTcが示す時間長を、第1閾値NTx1、第1閾値NTx1よりも長い時間長を表す第2閾値NTx2、及び第2閾値NTx2よりもさらに長い時間長を表す第3閾値NTx3のそれぞれと比較する。
ここで、第1閾値NTx1は、吐出異常の原因として気泡混入が発生して残留振動の周波数が高くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。また、第2閾値NTx2は、吐出異常の原因として紙粉付着が発生して残留振動の周波数が低くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、吐出状態が正常である場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。また、第3閾値NTx3は、吐出異常の原因として乾燥増粘が発生して、紙粉付着の場合よりもさらに残留振動の周波数が低くなる場合における残留振動の1周期分の時間長と、ノズルN出口付近に紙粉が付着した場合における残留振動の1周期分の時間長との境界を示すための値である。
図22に示すように、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTx1≦NTc≦NTx2」の関係を満たす場合、対応するノズルNにおけるインクの吐出状態が正常であると判定する。そして、判定部520は、吐出状態が正常であることを示す判定結果信号Rsを出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTc<NTx1」の関係を満たす場合、キャビティーCに混入した気泡により吐出異常が発生していると判定する。そして、判定部520は、気泡混入の吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rs出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTx2<NTc≦NTx3」の関係を満たす場合、ノズルNの出口付近に付着した紙粉により吐出異常が発生していると判定する。そして、判定部520は、紙粉付着の吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rsを出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「1」であり、且つ、検出信号NTcが「NTx3<NTc」の関係を満たす場合、インクの増粘により吐出異常が発生していると判定する。そして、判定部520は、乾燥増粘の吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rsを出力する。
また、判定部520は、有効性フラグFlagの値が「0」である場合、インクが注入されていない等の原因により吐出異常が発生していることを示す判定結果信号Rsを出力する。
以上のように、判定部520は、第1閾値NTx1、第2閾値NTx2、及び第3閾値NTx3を用いて、残留振動信号Voutの周期に基づいて、対応するノズルNにおいて吐出異常が生じているか否かを判定し、吐出異常が生じている場合においては当該吐出異常の原因として、気泡混入、乾燥増粘及び紙粉付着の少なくとも1つを特定する。そして、判定部520は、当該判定結果を判定結果信号Rsとして制御部6に出力する。制御部6は、判定結果信号Rsに基づいて、回復機構84において回復処理を実行させる。
4.4 駆動信号選択制御回路が実装された集積回路装置の構成
以上のように構成された駆動信号選択制御回路200は、集積回路装置162に実装されている。そこで、集積回路装置162に実装される駆動信号選択制御回路200の各構成の配置について、図23及び図24を用いて説明する。図23は、集積回路装置162に実装される駆動信号選択制御回路200のレイアウトを示す図である。また、図24は、図23に示す駆動信号選択制御回路200のうち、第1選択制御回路51−1の詳細を示す図である。なお、図23、及び図24では、集積回路装置162において、第1選択制御回路51−1が実装される領域を第1選択制御回路実装部91−1と称し、第2選択制御回路51−2が実装される領域を第2選択制御回路実装部91−2と称し、第1検出回路52−1が実装される領域を第1検出回路実装部92−1と称し、第2検出回路52−2が実装される領域を第2検出回路実装部92−2と称し、第1切替回路53−1が実装される領域を第1切替回路実装部93−1と称し、第2切替回路53−2が実装される領域を第2切替回路実装部93−2と称し、タイミング制御回路55が実装される領域をタイミング制御回路実装部95と称する。
図23に示すように、集積回路装置162は、基板94を有する。基板94は、Y方向において対向する辺96、辺97と、X方向において対向する辺98、辺99とを有する。そして、基板94には、第1選択制御回路実装部91−1、第2選択制御回路実装部91−2、第1検出回路実装部92−1、第2検出回路実装部92−2、第1切替回路実装部93−1、第2切替回路実装部93−2、及びタイミング制御回路実装部95とが設けられている。
具体的には、図23に示すように、基板94において、第1選択制御回路実装部91−1と第2選択制御回路実装部91−2とはY方向に並んで位置し、第1選択制御回路実装部91−1と第1検出回路実装部92−1とはX方向に並んで位置し、第2選択制御回路実装部91−2と第2検出回路実装部92−2とはX方向に並んで位置し、第1検出回路実装部92−1と第2検出回路実装部92−2とはY方向に並んで位置している。換言すれば、第1選択制御回路51−1と第2選択制御回路51−2とは第1方向の一例であるY方向に並んで位置し、第1選択制御回路51−1と第1検出回路52−1とはY方向と交差する第2方向の一例であるX方向に並んで位置し、第2選択制御回路51−2と第2検出回路52−2とはX方向に並んで位置し、第1検出回路52−1と第2検出回路52−2とはY方向に並んで位置する。
そして、第1検出回路52−1と第1選択制御回路51−1との最短距離は、第2検出回路52−2と第1選択制御回路51−1との最短距離よりも短く、第2検出回路52−2と第2選択制御回路51−2との最短距離は、第1検出回路52−1と第2選択制御回路51−2との最短距離よりも短くなるように位置している。
また、タイミング制御回路55が実装されているタイミング制御回路実装部95は、第1検出回路実装部92−1と第2検出回路実装部92−2との間に設けられている。換言すれば、タイミング制御回路55は、第1検出回路52−1と第2検出回路52−2との間に設けられている。
図23及び図24を用いて、駆動信号選択制御回路200を実装する集積回路装置162のレイアウトの詳細に説明する。なお、以下の説明では、第1選択制御回路51−1、及び第2選択制御回路51−2のそれぞれが有するトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcの組を選択回路SEと称する。そして、図24には、第1選択制御回路51−1、及び第2選択制御回路51−2のそれぞれにおいて1段、2段、…、M段に対応する選択回路SEを、選択回路SE[1],SE[2],…,SE[M]と示している。
図23に示すように、第1検出回路実装部92−1、第2検出回路実装部92−2、及びタイミング制御回路実装部95は、辺98に沿って辺96から辺97に向かって、第1検出回路実装部92−1、タイミング制御回路実装部95、第2検出回路実装部92−2の順に並んで位置している。
また、第1検出回路実装部92−1、タイミング制御回路実装部95、第2検出回路実装部92−2の辺99側には、第1選択制御回路実装部91−1、第2選択制御回路実装部91−2、第1切替回路実装部93−1、及び第2切替回路実装部93−2が、辺96から辺97に向かって、第1切替回路実装部93−1、第1選択制御回路実装部91−1、第2選択制御回路実装部91−2、第2切替回路実装部93−2の順に並んで設けられている。換言すれば、第1選択制御回路実装部91−1、第2選択制御回路実装部91−2、第1切替回路実装部93−1、及び第2切替回路実装部93−2は、辺99に沿って、辺96から辺97に向かって、第1切替回路実装部93−1、第1選択制御回路実装部91−1、第2選択制御回路実装部91−2、第2切替回路実装部93−2の順に並んで位置している。
ここで、図24を用いて、基板94における第1選択制御回路実装部91−1に実装される第1選択制御回路51−1に含まれるM個のシフトレジスターSR[1]〜SR[M]、ラッチ回路LT[1]〜LT[M]、デコーダーDC[1]〜DC[M]、及び選択回路SE[1]〜[M]のそれぞれと、第1切替回路53−1に含まれるM個の切替スイッチU[1]〜U[M]との配置について説明する。
図24に示すように第1選択制御回路51-1は、駆動信号Vin1を圧電素子60に供給するのか否かを制御する複数の選択回路SEを有し、第2選択制御回路51-2は、駆動信号Vin2を圧電素子60に供給するのか否かを制御する複数の選択回路SEを有し、第1選択制御回路51−1に含まれる複数の選択回路SEは、X方向に並んで位置し、第2選択制御回路51−2に含まれる複数の選択回路SEは、X方向に並んで位置している。ここで、第1選択制御回路51−1に含まれる複数の選択回路SEが第1選択回路の一例であり、第2選択制御回路51−2に含まれる複数の選択回路SEが第2選択回路の一例である。
第1選択制御回路実装部91−1において、M個のシフトレジスターSR[1]〜SR[M]は、タイミング制御回路実装部95、及び第1検出回路実装部92−1が位置する辺98から辺99に向かいシフトレジスターSR[1],SR[2],…,SR[M]の順に並んで位置している。また、シフトレジスターSR[1]に対応するラッチ回路LT[1]、デコーダーDC[1]、及び選択回路SE[1]は、辺97から辺98に向かって並んで位置している。同様に、シフトレジスターSR[i]に対応するラッチ回路LT[i]、デコーダーDC[i]、及び選択回路SE[i]は、辺97から辺98に向かって並んで位置している。換言すれば、第1選択制御回路実装部91−1において、M個のラッチ回路LT[1]〜LT[M]は、辺98から辺99に向かうX方向にラッチ回路LT[1],LT[2],…,LT[M]の順に並んで位置し、M個のデコーダーDC[1]〜DC[M]は、辺98から辺99に向かうX方向にデコーダーDC[1],DC[2],…,DC[M]の順に並んで位置し、M個の選択回路SE[1]〜SE[M]は、辺98から辺99に向かうX方向に選択回路SE[1],SE[2],…,SE[M]の順に並んで位置している。
第1切替回路53−1は、第1選択制御回路実装部91−1の辺96側に位置し、第1切替回路53−1が有するM個の切替スイッチU[1]〜U[M]が、第1切替回路実装部93−1において、辺98から辺99に向かって切替スイッチU[1],U[2],…,U[M]の順に並んで位置している。切替スイッチU[1]は、第1選択制御回路実装部91−1が有するシフトレジスターSR[1]、ラッチ回路LT[1]、デコーダーDC[1]、及び選択回路SE[1]の組に対応して設けられ、切替スイッチU[i]は、第1選択制御回路実装部91−1が有するシフトレジスターSR[i]、ラッチ回路LT[i]、デコーダーDC[i]、及び選択回路SE[i]の組に対応して設けられている。
なお、図24では、図示を省略するが、第2選択制御回路実装部91−2には、第1選択制御回路実装部91−1と同様に、辺98から辺99に向かってM個のシフトレジスターSR[1]〜SR[M]が、M個のシフトレジスターSR[1],SR[2],…,SR[M]の順に並んで設けられている。そして、第2選択制御回路実装部91−2には、シフトレジスターSR[1]に対応する、ラッチ回路LT[1]、デコーダーDC[1]、及び選択回路SE[1]が辺96から辺97に向かって順に設けられ、シフトレジスターSR[i]に対応する、ラッチ回路LT[i]、デコーダーDC[i]、及び選択回路SE[i]が辺96から辺97に向かって順に設けられている。
また、第2選択制御回路実装部91−2の辺97側に設けられたM個の切替スイッチU[1]〜U[M]は、辺96から辺97に向かって切替スイッチU[1],U[2],…,U[M]の順に設けられている。そして、第2切替回路実装部93−2に設けられている切替スイッチU[1]は、第2選択制御回路実装部91−2に設けられているシフトレジスターSR[1]、ラッチ回路LT[1]、デコーダーDC[1]、及び選択回路SE[1]の組に対応して設けられ、切替スイッチU[i]は、第2選択制御回路実装部91−2が有するシフトレジスターSR[i]、ラッチ回路LT[i]、デコーダーDC[i]、及び選択回路SE[i]の組に対応して設けられている。
以上のように構成された集積回路装置162には、図3及び図4に示す接続配線164、及び配線基板138を介して、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、チェンジ信号CH、及び切替制御信号Swが入力される。そして、クロック信号CL、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及びチェンジ信号CHは、タイミング制御回路実装部95に設けられたタイミング制御回路55により、分岐され、第1選択制御回路実装部91−1に設けられた第1選択制御回路51−1、第2選択制御回路実装部91−2に設けられた第2選択制御回路51−2に入力される。
そして、第1選択制御回路51−1は、シフトレジスターSRにおいて、入力される印刷信号SI1を順次後段のシフトレジスターSRに伝搬すると共に、シフトレジスターSRに、ノズルNに対応する印刷信号SI1を保持させる。そして、ラッチ信号LAT1の立上りで、シフトレジスターSRに保持された印刷信号SI1を、一斉にラッチする。デコーダーDCは、ラッチされた印刷信号SI1に基づいて、選択回路SEを制御するための選択信号Sa,Sb,Scを出力する。
選択回路SEには、選択信号Sa,Sb,Scと、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cとが入力される。なお、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cは、集積回路装置162と、配線基板138とを電気的に接続する例えば樹脂コアバンプ等を介して供給される。そして、選択回路SEは、選択信号Sa,Sb,Scに基づいて、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれを選択、又は非選択とすることで、駆動信号Vinを生成し、対応するノズルNに出力する。ここで、第1切替回路53−1から出力される駆動信号Vinは、例えば列L1を形成するM個のノズルNのそれぞれに供給される。すなわち、選択回路SEは、駆動信号Vinを圧電素子60に供給するか否かを制御する。
また、第1検出回路52−1は、第1切替回路53−1に入力される切替制御信号Sw1に基づいて、列L1を形成するM個のノズルNから出力される残留信号に基づく残留振動信号Voutを、逐次検出、及び判定し、判定結果信号Rs1を出力する。
同様に、第2選択制御回路51−2は、シフトレジスターSRにおいて、入力される印刷信号SI2を順次後段のシフトレジスターSRに伝搬すると共に、シフトレジスターSRに、ノズルNに対応する印刷信号SI2を保持させる。そして、ラッチ信号LAT2の立上りで、シフトレジスターSRに保持された印刷信号SI2を、一斉にラッチする。デコーダーDCは、ラッチされた印刷信号SI2に基づいて、選択回路SEを制御するための選択信号Sa,Sb,Scを出力する。
選択回路SEには、選択信号Sa,Sb,Scと、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cとが入力される。なお、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cは、集積回路装置162と、配線基板138とを電気的に接続する例えば樹脂コアバンプ等を介して供給される。そして、選択回路SEは、選択信号Sa,Sb,Scに基づいて、駆動信号Com−A,Com−B,Com−Cのそれぞれを選択、又は非選択とすることで、駆動信号Vinを生成し、対応するノズルNに出力する。ここで、第2切替回路53−2から出力される駆動信号Vinは、例えば列L2を形成するM個のノズルNのそれぞれに供給される。
また、第2検出回路52−2は、第2切替回路53−2に入力される切替制御信号Sw2に基づいて、列L2を形成するM個のノズルNから出力される残留信号に基づく残留振動信号Voutを、逐次検出、及び判定し、判定結果信号Rs2を出力する。
以上のように、集積回路装置162は、辺96側に実装された第1選択制御回路51−1において、列L1に含まれるノズルNに対応する圧電素子60に供給する駆動信号Vinを生成し、出力すると共に、辺96側に実装された第1検出回路52−1におて、列L1に含まれるノズルNに対応する圧電素子60に生じた残留振動信号Voutを検出し、辺97側に実装された第2選択制御回路51−2において、列L2に含まれるノズルNに対応する圧電素子60に供給する駆動信号Vinを生成し、出力すると共に、辺97側に実装された第2検出回路52−2におて、列L2に含まれるノズルNに対応する圧電素子60に生じた残留振動信号Voutを検出する。
5.作用効果
以上のように、本実施形態におけるプリントヘッド35が有する集積回路装置162は、列L1に含まれるノズルNに対応する圧電素子60を駆動する駆動信号Vin1を出力する第1選択制御回路51−1と、当該圧電素子60に駆動信号Vin1が供給された後に生じる残留振動信号Vout1を検出する第1検出回路52−1と、列L2に含まれるノズルNに対応する圧電素子60を駆動させる駆動信号Vin2を出力する第2選択制御回路51−2と、当該圧電素子60に駆動信号Vin2が供給された後に生じる残留振動信号Vout2を検出する第2検出回路52−2と、を有する。すなわち、プリントヘッド35が有する集積回路装置162は、選択制御回路51と検出回路52との組を2つ有する。そのため、1つあたりの選択制御回路51から出力される駆動信号Vinが供給される圧電素子60の数を少なくすることが可能となる。したがって、駆動信号Vin、及び残留振動信号Voutが伝搬される経路において、選択制御回路51から出力され駆動信号Vinを対応する圧電素子60に供給するのか、又は、圧電素子60で生じた残留振動信号Voutを、検出回路52に供給するのかを切り替えるための切替スイッチUの数を少なくすることが可能となる。これにより、残留振動信号Voutが伝搬される経路における切替スイッチUに起因する寄生容量の影響を低減できる。したがって、残留振動信号Voutの信号レベルが低下するおそれを低減することが可能となり、残留振動信号Voutの検出精度が低下するおそれを低減することができる。
また、プリントヘッド35が有する集積回路装置162が、列L1に対応する第1選択制御回路51−1、及び第1検出回路52−1と、列L2に対応する第2選択制御回路51−2、及び第2検出回路52−2とを有することで、残留振動信号Vout1と、残留振動信号Vout2とを並行して検出することが可能となる。したがって、プリントヘッド35が多くのノズルNを有する場合であっても、残留振動信号Voutを用いてノズルNの吐出異常の有無の検査時間を短くすることが可能となる。
さらに、駆動信号Vin1を供給する第1選択制御回路51−1、及び残留振動信号Vout1を検出する第1検出回路52−1と、駆動信号Vin2を供給する第2選択制御回路51−2、及び残留振動信号Vout2を検出する第2検出回路52−2とを、第1選択制御回路51−1と第2選択制御回路51−2とをY方向に並んで位置し、第1選択制御回路51−1と第1検出回路52−1とを、X方向に並んで位置し、第2選択制御回路51−2と第2検出回路52−2とを、X方向に並んで位置し、第1検出回路52−1と第2検出回路52−2とを、Y方向に並んで位置することで、駆動信号Vin1を供給する第1選択制御回路51−1、及び残留振動信号Vout1を検出する第1検出回路52−1は、集積回路装置162において固まって位置し、駆動信号Vin2を供給する第2選択制御回路51−2、及び残留振動信号Vout2を検出する第2検出回路52−2は、集積回路装置162において固まって位置する。これにより、駆動信号Vin1、及び残留振動信号Vout2が、駆動信号Vin2、及び残留振動信号Vout2と干渉するおそれを低減することが可能となる。したがって、残留振動信号Voutの信号レベルが低下するおそれを低減することが可能となり、残留振動信号Voutの検出精度が低下するおそれをさらに低減することができる。
この場合において、タイミング制御回路55が、第1検出回路52−1と第2検出回路52−2との間に位置することで、第1検出回路52−1に入力される残留振動信号Vout1と、第2検出回路52−2に入力される残留振動信号Vout2とが、相互に干渉するおそれをさらに低減することが可能となる。したがって、残留振動信号Voutの信号レベルが低下するおそれを低減することが可能となり、残留振動信号Voutの検出精度が低下するおそれをさらに低減することができる。
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、上記の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1…液体吐出装置、3…移動体、4…印刷手段、6…制御部、7…給紙装置、9…ホストコンピューター、30…ヘッドユニット、31…インクカートリッジ、32…キャリッジ、35…プリントヘッド、41…キャリッジモーター、42…往復動機構、43…キャリッジモータードライバー、51…選択制御回路、51−1…第1選択制御回路、51−2…第2選択制御回路、52…検出回路、52−1…第1検出回路、52−2…第2検出回路、53…切替回路、53−1…第1切替回路、53−2…第2切替回路、54…駆動信号生成回路、55…タイミング制御回路、60…圧電素子、61…CPU、62…記憶部、71…給紙モーター、72…給紙ローラー、72a…従動ローラー、72b…駆動ローラー、73…給紙モータードライバー、81…トレイ、82…排紙口、83…操作パネル、84…回復機構、91−1…第1選択制御回路実装部、91−2…第2選択制御回路実装部、92−1…第1検出回路実装部、92−2…第2検出回路実装部、93−1…第1切替回路実装部、93−2…第2切替回路実装部、94…基板、95…タイミング制御回路実装部、96,97,98,99…辺、131…流路、132…流路基板、133…流路、134…圧力室基板、136…アクチュエーター基板、137…開口、138…配線基板、139…流路、140…筐体部、145…収容空間、152…ノズル板、162…集積回路装置、164…接続配線、200…駆動信号選択制御回路、421…タイミングベルト、422…キャリッジガイド軸、510…周期計測部、511…波形整形部、512…計測部、520…判定部、600…吐出部、C…キャビティー、DC…デコーダー、F1,FA,G1,G2…面、L1,L2…列、LT…ラッチ回路、N,N1,N2…ノズル、P…媒体、RA…流路、SE…選択回路、SR…シフトレジスター、TGa,TGb,TGc…トランスミッションゲート、U…切替スイッチ

Claims (6)

  1. 第1容量性負荷を駆動させる第1駆動信号と、第2容量性負荷を駆動させる第2駆動信号とを供給する集積回路装置であって、
    前記第1駆動信号の前記第1容量性負荷への供給を制御する第1選択制御回路と、
    前記第2駆動信号の前記第2容量性負荷への供給を制御する第2選択制御回路と、
    前記第1駆動信号が前記第1容量性負荷に供給された後、前記第1容量性負荷に生じる変位を第1残留振動信号として検出する第1検出回路と、
    前記第2駆動信号が前記第2容量性負荷に供給された後、前記第2容量性負荷に生じる変位を第2残留振動信号として検出する第2検出回路と、
    を備え、
    前記第1選択制御回路と前記第2選択制御回路とは、第1方向に並んで位置し、
    前記第1選択制御回路と前記第1検出回路とは、前記第1方向と交差する第2方向に並んで位置し、
    前記第2選択制御回路と前記第2検出回路とは、前記第2方向に並んで位置し、
    前記第1検出回路と前記第2検出回路とは、前記第1方向に並んで位置している、
    ことを特徴とする集積回路装置。
  2. 前記第1検出回路と前記第1選択制御回路との最短距離は、前記第2検出回路と前記第1選択制御回路との最短距離よりも短く、
    前記第2検出回路と前記第2選択制御回路との最短距離は、前記第1検出回路と前記第2選択制御回路との最短距離よりも短い、
    ことを特徴とする請求項1に記載の集積回路装置。
  3. 前記第1検出回路が前記第1残留振動信号を検出するタイミングと、前記第2検出回路が前記第2残留振動信号を検出するタイミングとを制御するタイミング制御回路を備え、
    前記タイミング制御回路は、前記第1検出回路と前記第2検出回路との間に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の集積回路装置。
  4. 前記第1選択制御回路は、前記第1駆動信号を前記第1容量性負荷に供給するのか否かを制御する複数の第1選択回路を有し、
    前記第2選択制御回路は、前記第2駆動信号を前記第2容量性負荷に供給するのか否かを制御する複数の第2選択回路を有し、
    前記複数の前記第1選択回路は、前記第2方向に並んで位置し、
    前記複数の前記第2選択回路は、前記第2方向に並んで位置している、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の集積回路装置。
  5. 第1駆動信号と第2駆動信号とを供給する集積回路装置と、
    前記第1駆動信号に基づいて駆動されることで第1ノズルから液体を吐出させる第1容量性負荷と、
    前記第2駆動信号に基づいて駆動されることで第2ノズルから液体を吐出させる第2容量性負荷と、
    を備え、
    前記集積回路装置は、
    前記第1駆動信号の前記第1容量性負荷への供給を制御する第1選択制御回路と、
    前記第2駆動信号の前記第2容量性負荷への供給を制御する第2選択制御回路と、
    前記第1駆動信号が前記第1容量性負荷に供給された後、前記第1容量性負荷に生じる変位を第1残留振動信号として検出する第1検出回路と、
    前記第2駆動信号が前記第2容量性負荷に供給された後、前記第2容量性負荷に生じる変位を第2残留振動信号として検出する第2検出回路と、
    を有し、
    前記第1選択制御回路と前記第2選択制御回路とは、第1方向に並んで位置し、
    前記第1選択制御回路と前記第1検出回路とは、前記第1方向と交差する第2方向に並んで位置し、
    前記第2選択制御回路と前記第2検出回路とは、前記第2方向に並んで位置し、
    前記第1検出回路と前記第2検出回路とは、前記第1方向に並んで位置している、
    ことを特徴とするプリントヘッド。
  6. 前記第1ノズルと前記第2ノズルとを含む複数のノズルを備え、
    前記複数の前記ノズルは、1インチ当たり300個以上の密度で、且つ600個以上設けられている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のプリントヘッド。
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