JP2020174996A - 吸収性物品 - Google Patents
吸収性物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020174996A JP2020174996A JP2019080548A JP2019080548A JP2020174996A JP 2020174996 A JP2020174996 A JP 2020174996A JP 2019080548 A JP2019080548 A JP 2019080548A JP 2019080548 A JP2019080548 A JP 2019080548A JP 2020174996 A JP2020174996 A JP 2020174996A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- absorbent article
- gel lotion
- top sheet
- sheet
- surfactant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
Abstract
Description
この点において、特許文献1に記載の吸収性物品は、着用者の肌と接する領域の少なくとも一部にゲルローションを塗布することにより、着用者の肌を保護するローションを、着用者の肌に継続的に放出することを目的とするものであり、2回目以降の体液の吸収においても、吸収性物品の長手方向及び幅方向への十分な体液拡散性を発揮する、繰り返し吸収時における体液拡散性についての解決策を提供することを目的とするものではない。
また、体液の拡散性を向上させるため、トップシート等を表面処理することにより、体液とトップシート等との親和性を高めた吸収性物品においては、体液が一度、吸収性物品に吸収されると、体液により表面処理剤が洗い流されてしまうことがあり、繰り返し吸収時における体液拡散性が十分ではないことがある。
(構成)
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、上記トップシート及び上記バックシートの間に配置される吸収層と、を備える吸収性物品であって、上記吸収性物品は、上記トップシート、及び上記トップシートと上記吸収層との間に配置されていてもよいシートから選ばれる繊維シートの、上記吸収層と厚さ方向に重畳する領域の少なくとも一部に、ゲルローションが塗布されたゲルローション塗布部を備え、上記ゲルローションが、スチレン系エラストマー、炭化水素系オイル、及び界面活性剤、を含み、上記ゲルローション塗布部が設けられた上記繊維シートの領域が、繊維密度が周辺部よりも高い高繊維密度部を備える、吸収性物品。
本発明の第1の態様の吸収性物品は、トップシート及びトップシートと吸収層との間に配置されるシートから選ばれる繊維シートの、吸収層と厚さ方向に重畳する領域の少なくとも一部に、ゲルローションが塗布されたゲルローション塗布部を備えている。そして、このゲルローションに含まれる、炭化水素系オイル、及び界面活性剤の極性の違いから、界面活性剤がゲルローションの表面にブリードアウトしやすいので、ブリードアウトした界面活性剤の作用により、吸収性物品に吸収される体液の拡散性が高まる。さらに、本発明の第1の態様の吸収性物品は、体液により上記繊維シートや、上記ゲルローションの表面に存在する界面活性剤が洗い流されたとしても、この界面活性剤が、ゲルローションの内部から供給されて、ゲルローションの表面に再度、ブリードアウトするので、体液拡散性が維持される。
(構成)
上記繊維シートが、上記トップシートであり、上記ゲルローション塗布部が上記トップシートの非肌側面に配置されている、第1の態様に記載の吸収性物品。
本発明の第2の態様によれば、ゲルローションがトップシートの非肌側面に塗布されている。このため、ゲルローションが、トップシートにおける体液の透過を妨げにくいので、吸収性物品が、トップシートの全面から体液を吸収しやすい。したがって、トップシートの、体液を透過する特性である体液透過性が良好に維持される。
(構成)
上記トップシートが少なくとも1の方向に対して交互に配置された凹部及び凸部を有し、上記凸部の非肌側面における上記ゲルローションの存在量よりも、上記凹部の非肌側面における上記ゲルローションの存在量が少ない、第2の態様に記載の吸収性物品。
本発明の第3の態様によれば、凹部の非肌側面は、凸部の非肌側面よりもゲルローションの存在量が少ないので、トップシートの凹部から、体液が吸収層に向かって浸透しやすい。したがって、トップシートの体液透過性が高まる。
(構成)
上記トップシートの肌側面に配置された凹部の非肌側面に凸部が配置されており、肌側面に配置された凸部の非肌側面に凹部が配置されている、第3の態様に記載の吸収性物品。
本発明の第4の態様においては、トップシートが断面波状の形態を構成する凸部と凹部を有している。ここで、ゲルローションは、凹部の非肌側面に比べて、凸部の非肌側面により多く存在しているので、凸部の非肌側面のゲルローションからブリードアウトした界面活性剤は、重力にしたがい、凹部にも拡散しやすい。これにより、凸部だけではなく、凹部においても体液の拡散性が高まる。
(構成)
上記凹部及び上記凸部が、それぞれ、上記少なくとも1の方向に対して直交する方向に沿って配置されており、上記ゲルローション塗布部が、上記直交する方向に沿って配置されている、第3又は第4の態様に記載の吸収性物品。
本発明の第4の態様によれば、ゲルローションの作用により体液を拡散させやすい凸部と、凸部から移動した体液を透過しやすい凹部とが、上記直交する方向に沿って存在しており、ゲルローション塗布部も上記直交する方向に沿って配置されているので、吸収性物品の繰り返し吸収時の体液拡散性と、トップシートの体液透過性がともに高まる。
(構成)
上記直交する方向と交差する1又は複数の方向に沿って、上記吸収層の表面に、吸収層エンボスパターンが形成されている、第5の態様に記載の吸収性物品。
本発明の第6の態様によれば、吸収層の表面に形成された吸収層エンボスパターンが、トップシートを透過して吸収層の表面に到達した体液を、上記直交する方向と交差する1又は複数の方向に沿って拡散させるので、吸収性物品の、繰り返し吸収時の体液拡散性が高まる。
(構成)
上記凹部及び上記凸部が千鳥状のパターンで配置されている、第3又は第4の態様に記載の吸収性物品。
本発明の第7の態様によれば、体液を拡散させやすい凸部と、凸部から移動した体液を透過しやすい凹部とが、千鳥状のパターンで存在しているので、吸収性物品の繰り返し吸収時の体液拡散性と、トップシートの体液透過性がともに高まる。
(構成)
上記トップシートの上記高繊維密度部が、上記凹部に存在する、第3から第7のいずれかの態様に記載の吸収性物品。
本発明の第8の態様によれば、毛細管現象により、凹部が拡散する体液を吸収しやすいので、吸収層に向かって、体液がトップシートを透過しやすくなる。したがって、吸収性物品の、繰り返し吸収時の体液拡散性と、トップシートの体液透過性が高まる。
(構成)
上記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤である、第1から第8のいずれかの態様に記載の吸収性物品。
本発明の第9の態様によれば、ゲルローションからの界面活性剤がより持続性かつ徐放性のものとなるとともに、ゲルローションの肌への刺激性が軽減される。
(構成)
上記界面活性剤が、7以上20以下のHLB値を有する、第1から第9のいずれかの態様に記載の吸収性物品。
本発明の第10の態様によれば、界面活性剤がゲルローションからよりブリードアウトしやすくなり、吸収性物品の、繰り返し吸収時の体液拡散性が高まる。
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す第1の実施形態に限定されるものではない。
本発明の吸収性物品は、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、トップシート及びバックシートの間に配置される吸収層を有する。そして、図1及び図2に示すように、本実施形態の吸収性物品1においては、トップシート2の非肌側面の、吸収層4と厚さ方向Tに重畳する領域の少なくとも一部に、ゲルローションが塗布されたゲルローション塗布部5を、長手方向Lに沿って備えている。そして、トップシート2の領域が、繊維密度が周辺部よりも高い高繊維密度部8を備えている。
まず、長手方向Lに延設されたゲルローションは、界面活性剤をブリードアウトする性質を有するが、このブリードアウトされた界面活性剤は、重力や、トップシート2内の繊維密度の差によりトップシート2内を高繊維密度部へ向かって幅方向に拡散し、自動的にゲルローションをトップシート内に広く配置させることができる。また、ゲルローションに含まれる炭化水素系オイルは、界面活性剤と同様にブリードアウトして、体液滑性付与剤としても機能するので、ブリードアウトした炭化水素系オイルがトップシート2内を拡散することにより、体液の吸収層4への透過性も高まる。
本実施形態においては、体液がトップシート2を透過して、界面活性剤や、炭化水素系オイルが洗い流されたとしても、ゲルローションの内部から、追加の界面活性剤や、炭化水素系オイルが継続的にブリードアウトするので、繰り返し吸収時においても、体液吸収性や、体液透過性が良好に維持される。
本発明において、ゲルローションは、スチレン系エラストマー、炭化水素系オイル、及び界面活性剤を含む。本実施形態においては、後述するトップシート2が、このようなゲルローションが塗布されたゲルローション塗布部5を備えており、このゲルローションに含まれる、炭化水素系オイル、及び界面活性剤の極性の違いから、界面活性剤がゲルローションの表面にブリードアウトしやすいので、ブリードアウトした界面活性剤の作用により、吸収性物品1に吸収される体液の拡散性が高まる。さらに、本実施形態においては、体液によりトップシート2や、ゲルローションの表面に存在する界面活性剤が洗い流されたとしても、この界面活性剤が、ゲルローションの内部から供給されて、ゲルローションの表面に再度、ブリードアウトするので、体液拡散性が維持される。
スチレン系エラストマーとしては、ハードセグメント及びソフトセグメントを有するものが好ましく、上記ハードセグメントとしては、ポリスチレンブロックが好ましく、上記ソフトセグメントとしては、ポリオレフィンブロックが好ましい。
さらに、上記ソフトセグメントには、ポリブタジエンブロックの水素付加物、並びにブタジエンと、エチレン、プロピレン、ブチレン及びブタジエン等のコポリマーとからなるブロックの水素付加物も含まれる。
(i)ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)
(以下、「SEP」と省略する場合がある)
(ii)ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)−block−ポリスチレン
(以下、「SEPS」と省略する場合がある)
(iii)ポリスチレン−block−ポリ(エチレン−co−ブチレン)−block−ポリスチレン
(以下、「SEBS」と省略する場合がある)
(iv)ポリスチレン−block−ポリエチレン−block−ポリ(エチレン−co−プロピレン)−block−ポリスチレン
(以下、「SEEPS」と省略する場合がある)
なお、重量平均分子量の測定方法は、後述する。
なお、上記炭化水素系オイルは、スチレン系エラストマーのソフトセグメントの緩い網目に保持されているのみであり、後述する界面活性剤とともに、ゲルローションの表面に移動可能である。
本発明の実施形態におけるゲルローションは、炭化水素系オイルを含む。ここで、本明細書において、「炭化水素系オイル」とは、炭素と水素とからなる化合物(炭化水素)であって、常温において一定の流動性を有するものを意味する。上記炭化水素としては、鎖状炭化水素、例えば、パラフィン系炭化水素(二重結合及び三重結合を含まない、アルカンとも称される)、オレフィン系炭化水素(二重結合を1つ含む、アルケンとも称される)、アセチレン系炭化水素(三重結合を1つ含む、アルキンとも称される)、及び二重結合及び三重結合からなる群から選択される結合を2つ以上含む炭化水素、並びに環状炭化水素、例えば、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素が挙げられる。
本発明において、ゲルローションは界面活性剤を含む。界面活性剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、及びノニオン系界面活性剤等を挙げることができるが、本発明の実施形態においては、ゲルローションがノニオン系界面活性剤を含んでいることが好ましい。本発明の実施形態において、ゲルローションがノニオン系界面活性剤を含んでいることにより、ゲルローションからの界面活性剤がより持続性かつ徐放性のものとなるとともに、ゲルローションの肌への刺激性が軽減される。
上記のノニオン系界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、ポリオオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル等のエーテル系界面活性剤;ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンポリオール脂肪酸エステル等のエステル系界面活性剤を挙げることができるが、本発明の実施形態においては、ゲルローションがエステル系界面活性剤を含むことが好ましい。
HLB値=[(Σ無機性値)/(Σ有機性値)]×10
HLB値は0から20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く20に近いほど親水性が高くなる。
ゲルローションは、上記炭化水素系オイルに加えて、当該技術分野におけるゲルローション製造にあたって、ローション成分として用いられる、その他のローション成分をさらに含んでいてもよい。
なお、本明細書において、動粘度は、JIS K 2283:2000の「5.動粘度試験方法」にしたがって、キャノンフェンスケ逆流形粘度計を用いて、40℃の試験温度で測定する。
Mw=ΣNiMi 2/ΣNiMi
により求められるMwを意味する。
GPCの測定条件としては、例えば、以下の条件が挙げられる。
機種:(株)日立ハイテクノロジーズ製 高速液体クロマトグラム Lachrom Elite
カラム:昭和電工(株)製 SHODEX KF−801、KF−803及びKF−804
溶離液:THF
流量:1.0mL/分
打込み量:100μL
検出:RI(示差屈折計)
本発明の実施形態において、ゲルローションは、繰り返し吸収時の体液拡散性を良好にする観点から、界面活性剤を、好ましくは1質量%以上20質量%以下、より好ましくは2質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは2質量%以上10質量%以下含む。
本発明において用いられるゲルローションは、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
上記その他の成分としては、例えば、BHT(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル等の酸化防止剤;方沸石、菱沸石、輝沸石、ナトロライト、束沸石、及びソモソナイト等の天然ゼオライト、並びに、合成ゼオライト等を挙げることができる。
上述のとおり、本発明の吸収性物品は、トップシート、及びトップシートと吸収層との間に配置されていてもよいシートから選ばれる繊維シートの、吸収層と厚さ方向に重畳する領域の少なくとも一部に、後述するゲルローション塗布部を備えているが、図2に示すように、本実施形態の吸収性物品1は、トップシート2の非肌側面にゲルローション塗布部5を備えている。トップシート2の非肌側面にゲルローション塗布部5を備えていることにより、ゲルローションが、トップシート2における体液の透過を妨げにくいので、吸収性物品1が、トップシート2の全面から体液を吸収しやすい。したがって、トップシート2の、体液を透過する特性である体液透過性が良好に維持される。
図1から3に示すように、本実施形態において、凹部6及び凸部7は、幅方向Wに対して交互に配置されており、長手方向Lに沿って配置されている。そして、この凸部7の非肌側面に形成されている凹部に、ゲルローション塗布部5が、長手方向Lに沿って設けられている。本発明においては、ゲルローションが界面活性剤を含んでいるが、上述のとおり、本実施形態の吸収性物品1においては、凸部7において、ゲルローションの作用により体液を、長手方向Lに沿って、拡散させやすく、凹部6において、凸部7から移動した体液を厚さ方向Tに透過しやすいが、凹部6と凸部7とが、長手方向Lに沿って存在しており、ゲルローション塗布部5も長手方向Lに沿って配置されているので、吸収性物品1の繰り返し吸収時の体液拡散性と、トップシート2の体液透過性がともに高まる。また、この凸部7の非肌側面に形成されている凹部に、ゲルローション塗布部5が設けられていることにより、トップシート2の凹部6から、体液が吸収層4に向かって浸透しやすく、トップシート2の体液透過性が高まる。
なお、本発明においては、凹部及び凸部は、幅方向Wに対して交互に、長手方向Lに沿って配置されている態様に限定されるものではなく、長手方向Lに対して交互に、幅方向Wに沿って配置されていてもよい。
また、本発明において、ゲルローション塗布部5は、凸部7の非肌面側の凹部のみに設けられている実施形態に限定されるものではなく、吸収層と厚さ方向に重畳する領域の少なくとも一部に設けられていればよく、例えば、凹部の非肌面側にもゲルローションが存在するとともに、凸部の非肌側面におけるゲルローションの存在量よりも、凹部の非肌側面におけるゲルローションの存在量が少なくなるような態様であってもよい。本発明において、ゲルローション塗布部は、トップシートの非肌側面に設けられる態様に限定されるものではなく、トップシートと吸収層との間に配置されてもよいシートの肌側面又は非肌側面に設けられていてもよい。また、本発明の実施形態において、ゲルローションは、トップシート2の厚さ方向Tに浸透しない傾向が強く、凸部7の非肌面側の凹部の表面に存在している傾向にある。
本発明においては、ゲルローションは、長手方向に連続して設けられているものに限定されず、長手方向に沿って間欠的に設けられていてもよい。
本発明の吸収性物品においては、ゲルローション塗布部が設けられた繊維シートの領域が、繊維密度が周辺部よりも高い高繊維密度部を有する。
そして、図3に示すように、本実施形態においては、トップシート2の凹部6に、長手方向Lに沿って、凸部7よりも繊維密度が高い高繊維密度部8が存在している。高繊維密度部8は、例えば、上記のエンボス加工やギア加工において、原反シートにおける一方の延伸ロールの突稜の頂部により他方の延伸ロールの凹溝に押し付けられた部分である。これにより、体液や、ゲルローションの表面にブリードアウトした界面活性剤が、毛細管現象によって高繊維密度部8に拡散しやすく、長手方向Lにおける体液の拡散性が高まるとともに、毛細管現象により、凹部6に拡散する体液が高繊維密度部8に吸収されやすいので、吸収層4に向かって、体液がトップシート2を透過しやすくなる。したがって、吸収性物品1の、繰り返し吸収時の体液拡散性と、トップシート2の体液透過性が高まる。
本発明の吸収性物品は、トップシート及びバックシートの間に、吸収層が配置されている。ここで、本発明の吸収性物品において、吸収層の種類は、特段限定されるものではなく、フラッフパルプ等の吸水性繊維と、高吸収性ポリマーとからなる吸収体であってもよいし、高吸収性ポリマーが、不織布の間に保持された、吸収シートであってもよい。本実施形態においては、吸収層4は、長手方向Lと交差する1又は複数の方向に沿って、吸収層4の表面に、図示しない吸収層エンボスパターンが形成されていてもよい。このような構成を採用することにより、吸収層4の表面に形成された吸収層エンボスパターンが、トップシート2を透過して吸収層4の表面に到達した体液を、長手方向Lと交差する1又は複数の方向に沿って拡散させるので、吸収性物品1の、繰り返し吸収時の体液拡散性が高まる。
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と共通する構成については、その説明を省略することがある。また、本発明は、以下に示す第2の実施形態に限定されるものではない。
図5に示すように、本実施形態の吸収性物品1’は、トップシート2’の非肌側面にゲルローション塗布部5’を備えているが、図6に示すように、本実施形態の吸収性物品1’において用いられるトップシート2’は、凹部6’及び凸部7’が、幅方向W及び幅方向Wに対して交互に、すなわち、千鳥状のパターンで配置されており、凹部6’の非肌側面には凸部が、凸部7’の非肌側面には凹部が形成されて、断面波状の形態を有している。そして、図5に示すように、凹部6’の非肌側面に形成されている凸部の頂部(凹部6’の底部の非肌側面)は、吸収層4の肌側面と接した状態で保持されている。
図4から6に示すように、本実施形態において、凹部6’及び凸部7’は、千鳥状のパターンで配置されている。そして、この凸部7’の非肌側面に形成されている凹部に、ゲルローション塗布部5’が、設けられている。本実施形態においては、ゲルローションが界面活性剤を含んでおり、第1の実施形態で説明したとおり、ゲルローションの作用により体液を平面方向に拡散させやすい凸部7’と、凸部7’から移動した体液を透過しやすい凹部6’とが、千鳥状のパターンで存在しているので、吸収性物品1’の繰り返し吸収時の体液拡散性と、トップシート2’の体液透過性がともに高まる。
本発明の吸収性物品においては、ゲルローション塗布部が設けられた繊維シートの領域が、繊維密度が周辺部よりも高い高繊維密度部を有する。
そして、図3に示すように、本実施形態においては、トップシート2’の凹部6’に、凸部7’よりも繊維密度が高い高繊維密度部8’が存在している。高繊維密度部8’は、例えば、上記のエンボス加工やギア加工において、原反シートにおける一方の延伸ロールの千鳥状パターンの突稜の頂部により他方の延伸ロールの千鳥状パターンの凹溝に押し付けられた部分である。これにより、毛細管現象によって、凹部6’が拡散する体液が吸収されやすいので、吸収層4に向かって、体液がトップシート2’を透過しやすくなる。したがって、吸収性物品1’の、繰り返し吸収時の、平面方向における体液拡散性と、トップシート2’の体液透過性が高まる。
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、第1の実施形態と共通する構成については、その説明を省略することがある。また、本発明は、以下に示す第3の実施形態に限定されるものではない。
SEEPS(クラレ株式会社製、セプトン4055、スチレン含有量:30質量%、重量平均分子量:約25万)2部と、エステル系界面活性剤として、ポリソルベート20(日油株式会社製、原料商品名:ノニオンLT−20、HLB:16.7)を0.1質量部から16.7質量部とを、約140℃に加熱したパールリームEX(日油株式会社製、流動イソパラフィン、イソブテン及びn−ブテンを共重合し、次いで水素を付加することにより生成された分岐鎖炭化水素、37.8℃における動粘度が10mm2/s)98部に添加し、これらを5時間、攪拌しながら混合することにより混合物を生成し、当該混合物を直径40mmの円筒形容器に、高さ8mmまで注ぎ、次いで混合物を冷却することにより、直径40mm且つ高さ8mmの円筒形のゲルローションNo.1を得た。
ゲルローションNo.1において、エステル系界面活性剤として、ポリソルベート20(日油株式会社製、ノニオンLT−20、HLB:16.7)に代えて、トリグリセリド(日油株式会社製、パナセート810S)中に溶解させた、50%セラメーラ(東洋紡株式会社製、マンノシルエリスリトールの水酸基に、脂肪酸がエステル結合した糖脂質構造を有するバイオサーファクタント)を0.1質量部から16.7質量部を、流動急パラフィンに添加して加熱した点以外は、調整例1と同様にして、ゲルローションNo.2を得た。
エステル系界面活性剤を添加しなかった点以外は、調整例1と同様にして、ゲルローションNo.3を得た。
[ゲルローション自体の濡れ性の評価]
ゲルローションNo.1からNo.3の表面に着色した蒸留水を1滴(0.05ml)滴下し、10分後の液滴の径を測定した。結果を表1に示す。
トップシート(疎水性スパンボンド不織布、坪量17g/m2)の長手方向に、ゲルローションNo.1からNo.3を、0.2g/m、1.0g/m、及び2.0g/mの塗布量となるように、ビード状に20cm塗工した。塗工したゲルローション20cmの中央に、着色した蒸留水を2滴(0.1ml)滴下し、2分経過後の液拡散状態を観察し、ビード状に塗工したゲルローションに沿った拡散長を測定した。結果を表2に示す。
トップシート(、親水性スパンボンド不織布、坪量18g/m2)に幅方向に対して交互に、長手方向に延びる凹部及び凸部を、幅7cm当たりの凸部が21本となるように形成し、ゲルローションNo.2及びNo.3を塗工量0.05g/m/本として、凸部の裏面に塗布した。このトップシートの凹部の裏面を、熱エンボス加工により、セカンドシート(旭化成株式会社製、親水性スパンボンド不織布、坪量18g/m2)に接着させ、この積層体の吸収速度及び液拡散性を以下の手法で評価した。
(1)トップシートの上面に、直径7cm、200gの荷重円筒を置き、そこに80ccの人工尿を注入して所要時間(秒)を測定し、円筒内の人工尿がなくなると同時にトップシート上の人工尿の液拡散を測定する。
(2)人工尿の注入開始から10分後に、再び、同量の人工尿を注入し、上記と同様の測定を行う。
(3)注入は合計3回(合計240cc)行う。結果を表3に示す。
また、表2から分かるように、蒸留水は、ビード状に塗工したゲルローションに沿って拡散した。また、蒸留水は、ゲルローションの幅方向にも、ゲルローションの幅を超えて拡散した。したがって、ゲルローションから界面活性剤が不織布に広がり、界面活性剤のブリードアウトが効率よく行われたと考えられる。なお、ゲルローションNo.1については測定しなかった。
また、表3から分かるようにゲルローションNo.2は、3回目まで吸収速度が10秒台を維持できた。これは、吸収体の容量が一杯になり吸収しにくくなる3回目注入時でも、7cm荷重円筒からのトップシートでの液拡散が起きるためと考えられる。トップシートの液拡散は、長手方向に延びる凹部及び凸部のうち凹部のエンボス部がきっかけとなっていた。これは、エンボス部の繊維密度が高く、毛細力が働いたためと考えられる。
ゲルローションが無い場合(なし)や、エステル系界面活性剤を添加していない場合(No.3)に、3回目に吸収速度が時20秒台まで落ちたのは、もともと不織布に付着していた繊維油剤(界面活性剤)が人工尿の繰返し注入で流出しまったためと考えられる。ゲルローションNo.2でも、不織布に付着していた繊維油剤は流出するものの、10秒台を維持できるのは、ゲルローション中の界面活性剤がブリードアウトして繊維密度の高いエンボス部に移行することで、繊維の濡れ性を補完して毛管力を維持しているためと考えられる。
2,2’,2” トップシート
3 バックシート
4 吸収層
5,5’,5” ゲルローション塗布部
6,6’ 凹部
7,7’ 凸部
8,8’ 高繊維密度部
9 セカンドシート
Claims (10)
- 液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、前記トップシート及び前記バックシートの間に配置される吸収層と、を備える吸収性物品であって、
前記吸収性物品は、前記トップシート、及び前記トップシートと前記吸収層との間に配置されていてもよいシートから選ばれる繊維シートの、前記吸収層と厚さ方向に重畳する領域の少なくとも一部に、ゲルローションが塗布されたゲルローション塗布部を備え、
前記ゲルローションが、
スチレン系エラストマー、
炭化水素系オイル、及び
界面活性剤、を含み、
前記ゲルローション塗布部が設けられた前記繊維シートの領域が、繊維密度が周辺部よりも高い高繊維密度部を備える、吸収性物品。 - 前記繊維シートが、前記トップシートであり、前記ゲルローション塗布部が前記トップシートの非肌側面に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記トップシートが少なくとも1の方向に対して交互に配置された凹部及び凸部を有し、
前記凸部の非肌側面における前記ゲルローションの存在量よりも、前記凹部の非肌側面における前記ゲルローションの存在量が少ない、請求項2に記載の吸収性物品。 - 前記トップシートの肌側面に配置された凹部の非肌側面に凸部が配置されており、肌側面に配置された凸部の非肌側面に凹部が配置されている、請求項3に記載の吸収性物品。
- 前記凹部及び前記凸部が、それぞれ、前記少なくとも1の方向に対して直交する方向に沿って配置されており、
前記ゲルローション塗布部が、前記直交する方向に沿って配置されている、請求項3又は4に記載の吸収性物品。 - 前記直交する方向と交差する1又は複数の方向に沿って、前記吸収層の表面に、吸収層エンボスパターンが形成されている、請求項5に記載の吸収性物品。
- 前記凹部及び前記凸部が千鳥状のパターンで配置されている、請求項3又は4に記載の吸収性物品。
- 前記トップシートの前記高繊維密度部が、前記凹部に存在する、請求項3から7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記界面活性剤が、ノニオン系界面活性剤である、請求項1から8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記界面活性剤が、7以上20以下のHLB値を有する、請求項1から9のいずれか1項に記載の吸収性物品。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019080548A JP2020174996A (ja) | 2019-04-19 | 2019-04-19 | 吸収性物品 |
PCT/JP2020/016967 WO2020213733A1 (ja) | 2019-04-19 | 2020-04-17 | 吸収性物品 |
CN202080030236.3A CN113825476B (zh) | 2019-04-19 | 2020-04-17 | 吸收性物品 |
JP2023076179A JP7492631B2 (ja) | 2019-04-19 | 2023-05-02 | 吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019080548A JP2020174996A (ja) | 2019-04-19 | 2019-04-19 | 吸収性物品 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023076179A Division JP7492631B2 (ja) | 2019-04-19 | 2023-05-02 | 吸収性物品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020174996A true JP2020174996A (ja) | 2020-10-29 |
Family
ID=72937518
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019080548A Pending JP2020174996A (ja) | 2019-04-19 | 2019-04-19 | 吸収性物品 |
JP2023076179A Active JP7492631B2 (ja) | 2019-04-19 | 2023-05-02 | 吸収性物品 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023076179A Active JP7492631B2 (ja) | 2019-04-19 | 2023-05-02 | 吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP2020174996A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023017758A1 (ja) * | 2021-08-11 | 2023-02-16 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
WO2024029375A1 (ja) * | 2022-08-03 | 2024-02-08 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020130466A (ja) * | 2019-02-15 | 2020-08-31 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP7234740B2 (ja) * | 2019-03-28 | 2023-03-08 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP7234741B2 (ja) * | 2019-03-28 | 2023-03-08 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP7234760B2 (ja) * | 2019-04-11 | 2023-03-08 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP7234761B2 (ja) * | 2019-04-11 | 2023-03-08 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2021186294A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2023063369A (ja) * | 2022-01-07 | 2023-05-09 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2023060269A (ja) * | 2022-04-01 | 2023-04-27 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2023060270A (ja) * | 2022-04-01 | 2023-04-27 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011065247A1 (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-03 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
WO2012086476A1 (ja) * | 2010-12-20 | 2012-06-28 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
JP2018079033A (ja) * | 2016-11-15 | 2018-05-24 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
WO2018100650A1 (ja) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
-
2019
- 2019-04-19 JP JP2019080548A patent/JP2020174996A/ja active Pending
-
2023
- 2023-05-02 JP JP2023076179A patent/JP7492631B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011065247A1 (ja) * | 2009-11-24 | 2011-06-03 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
WO2012086476A1 (ja) * | 2010-12-20 | 2012-06-28 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
JP2018079033A (ja) * | 2016-11-15 | 2018-05-24 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
WO2018100650A1 (ja) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023017758A1 (ja) * | 2021-08-11 | 2023-02-16 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
JP2023025797A (ja) * | 2021-08-11 | 2023-02-24 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
WO2024029375A1 (ja) * | 2022-08-03 | 2024-02-08 | ユニ・チャーム株式会社 | 吸収性物品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2023093758A (ja) | 2023-07-04 |
JP7492631B2 (ja) | 2024-05-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2020174996A (ja) | 吸収性物品 | |
TWI762504B (zh) | 失禁用吸收性物品 | |
JP4248825B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5677611B1 (ja) | 吸収性物品 | |
WO2017164366A1 (ja) | 吸収性物品 | |
CN102596139A (zh) | 带有环形吸收件的吸收性物品 | |
JP2014068813A (ja) | 吸収体及びこれを用いた吸収性物品 | |
KR20160081907A (ko) | 흡수성 물품 | |
TW201726091A (zh) | 失禁用吸收性物品 | |
JP2017169927A5 (ja) | ||
WO2017022532A1 (ja) | 吸収性物品 | |
WO2018180608A1 (ja) | 吸収性物品 | |
AU2016364173B9 (en) | Absorbent article | |
JP5302612B2 (ja) | 吸収性物品 | |
WO2020213733A1 (ja) | 吸収性物品 | |
WO2017002485A1 (ja) | 吸収性物品用の表面シート、及びそれを用いた吸収性物品 | |
JP6418818B2 (ja) | 吸収性物品用の表面シート | |
JP2007222265A (ja) | 吸収性物品 | |
JP6157447B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP7178951B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP6611890B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2003070820A (ja) | お産用パッド | |
JP2017217068A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2011120654A (ja) | 吸収性物品 | |
JP7063551B2 (ja) | 吸収性物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201013 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220104 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220307 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220621 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20220822 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221020 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20230228 |