JP2020174475A - モータ、ポンプ装置およびモータの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁部材を介して複数の駆動用コイルが巻回されるステータコアを備えるモータにおいて、径方向における外側面に渡り線が配置されるガイド壁が絶縁部材に形成されていても、トルクを確保しつつ、軸方向で小型化することが可能なモータを提供する。【解決手段】このモータでは、筒状に形成されロータの外周側に配置されるステータ6は、駆動用コイル23U、23V、23Wと、絶縁部材25を介して駆動用コイル23U、23V、23Wが巻回される複数の突極部24bを有するステータコア24とを備えている。絶縁部材25のZ1方向の端部には、ステータ6の径方向の外側への駆動用コイル23U、23V、23Wの巻崩れを防止するガイド壁26b〜26dが形成され、同相の駆動用コイル23U、23V、23Wを繋ぐ渡り線27U、27V、27Wが、ステータ6の径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面に沿って配置されている。【選択図】図3
Description
本発明は、ポンプ装置等で使用されるモータに関する。また、本発明は、かかるモータを備えるポンプ装置、および、かかるモータの製造方法に関する。
従来、ポンプ装置で使用されるモータが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のモータは、三相ブラシレスモータである。このモータは、ロータと、ロータの外周側に配置される筒状のステータとを備えている。ステータは、インシュレータと、複数の駆動用コイルと、インシュレータを介して駆動用コイルが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備えている。ステータコアは、磁性材料からなる薄い磁性板がモータの軸方向に積層されて形成された積層コアである。
特許文献1に記載のモータでは、インシュレータは、駆動用コイルの外周側でステータコアの軸方向の端面を覆うコア外側面覆い部を備えている。コア外側面覆い部は、ステータの突極部に巻回される駆動用コイルが、モータの径方向の外側に崩れるのを防止する機能も果たしている。すなわち、コア外側面覆い部は、駆動用コイルの、径方向の外側への巻崩れを防止する機能も果たしている。また、モータの軸方向の出力側でステータコアの端面を覆うコア外側面覆い部の出力側の端面には、出力側に突出する壁部が形成されている。
特許文献1に記載のモータでは、ステータの出力側において、U相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線とV相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線とW相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線とが、モータの径方向における壁部の外側面に沿って配置されている。壁部は、渡り線を引き回す際にモータの周方向へ渡り線を案内する機能を果たしている。壁部は、駆動用コイルの出力側の端面よりも出力側に配置されており、渡り線は、駆動用コイルの出力側の端面よりも出力側に配置されている。
特許文献1に記載のモータでは、ステータの突極部に巻回される駆動用コイルの巻崩れを防止するためのコア外側面覆い部の出力側の端面に、径方向の外側面に沿って渡り線が配置される壁部が出力側に突出するように形成されているため、軸方向でモータが大型化する。特許文献1に記載のモータを軸方向で小型化するためには、磁性板の積層数を減らしてステータコアの軸方向の長さを短くしたり、駆動用コイルの巻き数を減らしたりすれば良いが、この場合には、モータのトルクが低下する。
そこで、本発明の課題は、絶縁部材を介して複数の駆動用コイルが巻回されるステータコアを備えるモータにおいて、径方向における外側面に渡り線が配置されるガイド壁が絶縁部材に形成されていても、トルクを確保しつつ、軸方向で小型化することが可能なモータを提供することにある。また、本発明の課題は、かかるモータを備えるポンプ装置、および、かかるモータの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のモータは、駆動用磁石を有するロータと、筒状に形成されロータの外周側に配置されるステータとを備え、ステータは、絶縁部材と、複数の駆動用コイルと、絶縁部材を介して複数の駆動用コイルのそれぞれが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備え、筒状に形成されるステータの軸方向の一方を第1方向とすると、絶縁部材の第1方向の端部には、ステータの径方向の外側への駆動用コイルの巻崩れを防止するガイド壁が形成され、同相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線が、ステータの径方向におけるガイド壁の外側面に沿って配置されていることを特徴とする。
本発明において、モータは、たとえば、複数のU相の駆動用コイルと、複数のV相の駆動用コイルと、複数のW相の駆動用コイルと、複数のU相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線と、複数のV相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線と、複数のW相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線とをステータが備える三相モータである。
本発明のモータでは、絶縁部材の第1方向の端部に、ステータの径方向の外側への駆動用コイルの巻崩れを防止するガイド壁が形成されている。また、本発明では、同相の駆動用コイルを繋ぐ渡り線が、ステータの径方向におけるガイド壁の外側面に沿って配置されている。すなわち、本発明では、駆動用コイルの巻崩れを防止するガイド壁の、径方向の外側面に沿って渡り線が配置されている。そのため、本発明では、径方向の外側面に沿って渡り線が配置される壁部等を、ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出するように形成する必要がない。
したがって、本発明では、ステータコアの軸方向の長さを短くするために磁性板の積層数を減らしたり、駆動用コイルの巻き数を減らしたりしなくても、軸方向でステータを小型化することが可能になる。その結果、本発明では、径方向における外側面に渡り線が配置されるガイド壁が絶縁部材に形成されていても、モータのトルクを確保しつつ、軸方向でモータを小型化することが可能になる。
本発明において、第1方向の反対方向を第2方向とすると、渡り線は、駆動用コイルの第1方向の端面よりも第2方向側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、軸方向におけるガイド壁の長さを短くすることが可能になる。したがって、軸方向でモータをより小型化することが可能になる。
本発明において、ガイド壁の第1方向の端面には、ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれた痕である突起痕が形成されていることが好ましい。すなわち、本発明において、モータの製造時には、ガイド壁の第1方向の端面に第1方向側に突出する突起が形成されていることが好ましい。
このように構成すると、完成後のモータにおいて、駆動用コイルの巻崩れを防止するガイド壁の、径方向の外側面に沿って渡り線が配置されていても、モータの製造時には、ガイド壁の第1方向の端面から突出する突起を利用して渡り線を引き回すことが可能になる。したがって、軸方向におけるガイド壁の長さを短くしても、巻線機を用いて、駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能になる。また、完成後のモータでは、ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれているため、巻線機を用いて駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能であっても、軸方向でモータを小型化することが可能になる。
本発明において、絶縁部材は、突極部ごとに取り付けられる複数の個別絶縁部材によって構成され、ステータの周方向のうちの、渡り線が引き回される方向を第3方向とし、第3方向の反対方向を第4方向とすると、個別絶縁部材には、ガイド壁として、この個別絶縁部材が取り付けられる突極部の第3方向側に配置される第1ガイド壁が形成され、第1ガイド壁の第1方向の端面の第4方向端側には、第1ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれた痕である突起痕が形成されていることが好ましい。
このように構成すると、完成後のモータにおいて、第1ガイド壁の、径方向の外側面に沿って渡り線が配置されていても、モータの製造時には、第1ガイド壁の第1方向の端面から突出する突起を利用して渡り線を引き回すことが可能になる。したがって、軸方向における第1ガイド壁の長さを短くしても、巻線機を用いて、駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能になる。また、完成後のモータでは、第1ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれているため、巻線機を用いて駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能であっても、軸方向でモータを小型化することが可能になる。また、このように構成すると、モータの製造時には、突極部の第3方向側に配置される第1ガイド壁の第1方向の端面の第4方向端側に突起が形成されているため、駆動用コイルの巻線作業を行う際に、絶縁部材を介してステータコアの突極部に巻回された駆動用コイルから渡り線を引き出しやすくなる。
本発明において、個別絶縁部材には、ガイド壁として、この個別絶縁部材が取り付けられる突極部の第4方向側に配置される第2ガイド壁が形成され、第2ガイド壁の第1方向の端面の第3方向端側には、第2ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれた痕である突起痕が形成されていることが好ましい。
このように構成すると、モータの製造時に、第2ガイド壁の第1方向の端面から突出する突起を利用して渡り線を引き回すことが可能になるため、軸方向における第2ガイド壁の長さを短くしても、巻線機を用いて、駆動用コイルの巻線作業をより容易に行うことが可能になる。また、完成後のモータでは、第2ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれているため、巻線機を用いて駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能であっても、軸方向でモータを小型化することが可能になる。また、このように構成すると、モータの製造時には、突極部の第4方向側に配置される第2ガイド壁の第1方向の端面の第3方向端側に突起が形成されているため、駆動用コイルの巻線作業を行う際に、ステータコアの突極部に向かって渡り線を引き込みやすくなる。
本発明において、個別絶縁部材には、ガイド壁として、ステータの周方向において第1ガイド壁と第2ガイド壁との間に配置される第3ガイド壁が形成されていることが好ましい。このように構成すると、径方向の外側への駆動用コイルの巻崩れを効果的に防止することが可能になる。
本発明において、ステータの径方向におけるガイド壁の外側面の、第1方向側から見たときの形状は、ステータの軸心を曲率中心とする円弧状となっていることが好ましい。このように構成すると、渡り線の弛みや張りを抑制しやすくなる。
本発明のモータは、ロータと一体で形成されるかまたはロータに固定される羽根車と、羽根車およびロータが配置されるとともに流体が通過するポンプ室と、ステータとポンプ室との間に配置されステータの配置箇所へのポンプ室内の流体の流入を防止する隔壁を有する隔壁部材とを備えるポンプ装置に用いることができる。このポンプ装置では、径方向における外側面に渡り線が配置されるガイド壁が絶縁部材に形成されていても、モータのトルクを確保しつつ、軸方向でモータを小型化することが可能になる。したがって、このポンプ装置では、ポンプ装置の特性を確保しつつ、軸方向でポンプ装置を小型化することが可能になる。
本発明において、隔壁は、ステータの径方向においてロータとステータとの間に配置される円筒状の円筒部と、円筒部の第2方向端を塞ぐ底部と、円筒部の第1方向端からステータの径方向の外側に広がる鍔部とを備え、鍔部は、ステータの第1方向側に配置され、鍔部の第2方向側の面には、第1方向側に窪む凹部が形成され、凹部には、ガイド壁の第1方向側の端部が配置されていることが好ましい。このように構成すると、軸方向でポンプ装置をより小型化することが可能になる。
本発明において、凹部は、ステータの周方向において所定の間隔をあけた状態で複数の突極部ごとに複数箇所に形成され、ステータの周方向における凹部の間は、補強用のリブとなっていることが好ましい。このように構成すると、鍔部に凹部が形成されていても、鍔部の強度を確保することが可能になる。
本発明のモータは、たとえば、絶縁部材を介して突極部に駆動用コイルを巻回するとともに突起に沿って渡り線を引き回す巻線工程と、巻線工程後に突起を取り除く突起除去工程とを備えるモータの製造方法で製造される。この製造方法では、巻線工程において、ガイド壁の第1方向の端面から突出する突起を利用して渡り線を引き回しているため、巻線機を用いて、駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能になる。また、この製造方法では、突起除去工程において、ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が除去されているため、巻線機を用いて駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能であっても、軸方向でモータを小型化することが可能になる。
以上のように、本発明では、絶縁部材を介して複数の駆動用コイルが巻回されるステータコアを備えるモータにおいて、径方向における外側面に渡り線が配置されるガイド壁が絶縁部材に形成されていても、モータのトルクを確保しつつ、軸方向でモータを小型化することが可能になる。また、本発明のポンプ装置では、ポンプ装置の特性を確保しつつ、軸方向でポンプ装置を小型化することが可能になる。また、本発明のモータの製造方法でモータを製造すれば、巻線機を用いて、駆動用コイルの巻線作業を容易に行うことが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(ポンプ装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるポンプ装置1の断面図である。図2は、図1に示すステータ6および隔壁部材11の斜視図である。以下の説明では、図1の上側(Z1方向側)を「上」側とし、図1の下側(Z2方向側)を「下」側とする。
図1は、本発明の実施の形態にかかるポンプ装置1の断面図である。図2は、図1に示すステータ6および隔壁部材11の斜視図である。以下の説明では、図1の上側(Z1方向側)を「上」側とし、図1の下側(Z2方向側)を「下」側とする。
本形態のポンプ装置1は、キャンドポンプ(キャンドモータポンプ)と呼ばれるタイプのポンプであり、羽根車2と、羽根車2を回転させるモータ3とを備えている。モータ3は、三相モータである。具体的には、モータ3は、三相ブラシレスモータである。モータ3は、ロータ5と、ステータ6と、モータ3を制御するための回路基板4とを備えている。羽根車2およびモータ3は、ハウジング7と、ハウジング7の上部を覆う上ケース8とを備えるケース体の内部に配置されている。ハウジング7と上ケース8とは、図示を省略するネジによって互いに固定されている。
上ケース8には、流体の吸入部8aと、流体の吐出部8bとが形成されている。ハウジング7と上ケース8との間には、吸入部8aから吸入された流体が吐出部8bに向かって通過するポンプ室9が形成されている。また、ハウジング7と上ケース8との接合部分には、ポンプ室9の密閉性を確保するためのシール部材(Oリング)10が配置されている。ハウジング7は、ポンプ室9とステータ6とを隔てるようにポンプ室9とステータ6との間に配置される隔壁11aを有する隔壁部材11と、隔壁部材11の下面および側面を覆う樹脂製の樹脂封止部材12とを備えている。
ロータ5は、駆動用磁石14と、円筒状のスリーブ15と、駆動用磁石14およびスリーブ15を保持する保持部材16とを備えている。保持部材16は、鍔付きの略円筒状に形成されている。駆動用磁石14は、保持部材16の外周側に固定され、スリーブ15は、保持部材16の内周側に固定されている。上側に配置される保持部材16の鍔部16aには、羽根車2が固定されている。すなわち、ロータ5には、羽根車2が取り付けられている。羽根車2およびロータ5は、ポンプ室9に配置されている。
ロータ5は、固定軸17に回転可能に支持されている。固定軸17は、固定軸17の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、ロータ5の軸方向である。固定軸17の上端部は、上ケース8に保持され、固定軸17の下端部は、ハウジング7に保持されている。固定軸17は、スリーブ15の内周側に挿通されている。また、固定軸17には、スリーブ15の上端面に当接するスラスト軸受部材18が取り付けられている。本形態では、スリーブ15がロータ5のラジアル軸受として機能し、スリーブ15およびスラスト軸受部材18がロータ5のスラスト軸受として機能している。
ステータ6は、複数の駆動用コイル23U、23V、23Wと、ステータコア24と、絶縁部材としてのインシュレータ25とを備えており、全体として筒状に形成されている。具体的には、ステータ6は、略円筒状に形成されている。ステータ6は、隔壁11aを介して、ロータ5の外周側に配置されており、ステータ6は、ステータ6の軸方向と上下方向とが一致するように配置されている。すなわち、上下方向は、ステータ6の軸方向である。ステータ6の具体的な構成については後述する。
なお、本形態の上方向(Z1方向)は、ステータ6の軸方向の一方である第1方向となっており、下方向(Z2方向)は、第1方向の反対方向である第2方向となっている。以下の説明では、ロータ5およびステータ6の径方向(すなわち、モータ3の径方向)を「径方向」とし、ロータ5およびステータ6の周方向(すなわち、モータ3の周方向(円周方向))を「周方向」とする。
隔壁部材11は、上述のように、隔壁11aを備えている。隔壁11aは、鍔付きの略有底円筒状に形成されており、円筒部11bと底部11cと鍔部11dとを備えている。円筒部11bは、円筒状に形成されており、駆動用磁石14の外周面を覆うように配置されている。すなわち、円筒部11bは、ロータ5とステータ6との間に配置されている。具体的には、円筒部11bは、径方向において、ロータ5とステータ6との間に配置されている。
底部11cは、円筒部11bの下端を塞ぐ円板状に形成されている。鍔部11dは、円筒部11bの上端から径方向の外側へ広がるように形成されている。図1に示すように、隔壁11aの内側および上側がポンプ室9となっており、羽根車2およびロータ5は、隔壁11aの内側および上側に配置されている。隔壁11aは、ステータ6および回路基板4の配置箇所へのポンプ室9内の流体の流入を防止する機能を果たしている。隔壁部材11の具体的な構成については後述する。
(ステータ、ハウジングおよび回路基板の構成)
図3は、図2に示すステータ6の斜視図である。図4は、図3に示すステータ6の平面図である。図5は、図3に示すステータ6の構成を説明するための斜視図である。図6は、図2に示す隔壁部材11の斜視図である。
図3は、図2に示すステータ6の斜視図である。図4は、図3に示すステータ6の平面図である。図5は、図3に示すステータ6の構成を説明するための斜視図である。図6は、図2に示す隔壁部材11の斜視図である。
ステータ6は、上述のように、駆動用コイル23U、23V、23Wとステータコア24とインシュレータ25とを備えている。ステータコア24は、磁性材料からなる薄い磁性板が上下方向に積層されて形成された積層コアである。ステータコア24は、環状に形成される外周環部24aと、外周環部24aから径方向の内側に向かって突出する複数の突極部24bとを備えている。本形態のステータコア24は、9個の突極部24bを備えている。9個の突極部24bは、等角度ピッチで形成されており、周方向において一定のピッチで配置されている。なお、ステータコア24が有する突極部24bの数は、9個以外の数であっても良い。
外周環部24aは、上下方向から見たときの外周面の形状が略円形状となる環状に形成されている。外周環部24aの外周面は、ステータコア24の外周面を構成している。外周環部24aは、9個の外周部24eによって構成されている。すなわち、外周環部24aは、突極部24bと同じ数の外周部24eによって構成されている。突極部24bは、周方向における外周部24eの中心に形成されている。突極部24bの先端部(径方向の内側端部)を構成する突極先端部24cの先端面(径方向の内側端面)は、円筒部11bを介して駆動用磁石14の外周面と対向している。上下方向から見たときの突極先端部24cの形状は、円弧状となっている。
本形態のステータコア24は、直線状に繋がっていた9個の外周部24e(図5参照)を、外周部24eと外周部24eとの境界部分で折り曲げてその端部同士を繋ぐことで形成されるカーリングコアである。すなわち、ステータコア24は、外周環部24aとなる帯状コアと、この帯状コアの一方の面から立ち上がる9個の突極部24bとから構成されるコアの端部同士を繋ぐことで、環状に形成されている。
インシュレータ25は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。本形態では、突極部24bごとに取り付けられる複数の個別インシュレータ26によってインシュレータ25が構成されている。すなわち、インシュレータ25は、9個の個別インシュレータ26によって構成されている。個別インシュレータ26は、両端に鍔部を有する鍔付きの筒状に形成されており、筒状に形成される個別インシュレータ26の軸方向とステータ6の径方向とが一致するように突極部24bに取り付けられている。本形態の個別インシュレータ26は、個別絶縁部材である。なお、個別インシュレータ26は、上下方向に分割可能な上インシュレータと下インシュレータとによって構成されており、上インシュレータと下インシュレータとを組み合わせることで個別インシュレータ26が形成されている。
個別インシュレータ26は、径方向における個別インシュレータ26の外側部分を構成する外側鍔部26aを備えている。外側鍔部26aは、外周環部24aの上下の両端面と外周環部24aの内周側を覆っている。外周環部24aの上端面を覆う外側鍔部26aの上端部の上面(すなわち、外側鍔部26aの上面)は、上下方向に直交する平面となっている。外側鍔部26aの上面には、径方向の外側への駆動用コイル23U、23V、23Wの巻き崩れを防止するガイド壁26b〜26dが形成されている。すなわち、インシュレータ25の上端部には、径方向の外側への駆動用コイル23U、23V、23Wの巻き崩れを防止するガイド壁26b〜26dが形成されている。
ガイド壁26b〜26dは、外側鍔部26aの上面から上側に向かって立ち上がっている。また、外側鍔部26aの上面には、3個のガイド壁26b〜26dが形成されている。すなわち、個別インシュレータ26には、3個のガイド壁26b〜26dが形成されている。3個のガイド壁26b〜26dは、周方向において間隔をあけた状態で配置されている。
具体的には、周方向のうちの、図4の時計回りの方向(図4のCW方向)を「時計方向」とし、図4の反時計回りの方向(図4のCCW方向)を「反時計方向」とすると、ガイド壁26bは、個別インシュレータ26が取り付けられる突極部24bの反時計方向側に配置され、ガイド壁26cは、個別インシュレータ26が取り付けられる突極部24bの時計方向側に配置され、ガイド壁26dは、周方向においてガイド壁26bとガイド壁26cとの間に配置されている。
本形態では、ガイド壁26bは、外側鍔部26aの上面の反時計方向端側に配置され、ガイド壁26cは、外側鍔部26aの上面の時計方向端側に配置され、ガイド壁26dは、外側鍔部26aの上面の周方向における中心位置に配置されている。また、ガイド壁26b〜26dは、外側鍔部26aの上面の、径方向の略中心位置に形成されている。本形態のガイド壁26bは、第1ガイド壁であり、ガイド壁26cは、第2ガイド壁であり、ガイド壁26dは、第3ガイド壁である。
ガイド壁26b〜26dは、曲板状に形成されている。具体的には、ガイド壁26b〜26dは、上側から見たときの形状がステータ6の軸心を曲率中心とする円弧状となる曲板状に形成されており、ガイド壁26b〜26dは、ガイド壁26b〜26dの厚さ方向と径方向とが一致するように配置されている。すなわち、径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面の、上側から見たときの形状は、ステータ6の軸心を曲率中心とする円弧状となっている。ガイド壁26b〜26dの上端面は、駆動用コイル23U、23V、23Wの上端面よりも上側に配置されている。
ガイド壁26bの上端面には、ガイド壁26bの上端面から上側に突出していた突起26e(図5参照)が取り除かれた痕である突起痕26fが形成されている。同様に、ガイド壁26cの上端面には、ガイド壁26cの上端面から上側に突出していた突起26g(図5参照)が取り除かれた痕である突起痕26hが形成されている。突起痕26fは、ガイド壁26bの上端面の時計方向端側に形成され、突起痕26hは、ガイド壁26bの上端面の反時計方向端側に形成されている。
具体的には、突起痕26fは、ガイド壁26bの上端面の時計方向端に形成され、突起痕26hは、ガイド壁26cの上端面の反時計方向端に形成されている。突起26e、26gは、円柱状に形成されており、突起痕26e、26hは、円板状に形成されている。突起26e、26gは、ステータ6の製造時において、後述の渡り線27U、27V、27Wを引き回すときに、渡り線27U、27V、27Wを案内する機能を果たしている。
駆動用コイル23U、23V、23Wは、アルミニウム合金または銅合金からなる導線によって構成されている。駆動用コイル23U、23V、23Wは、インシュレータ25を介して9個の突極部24bのそれぞれに巻回されており、ステータ6は、9個の駆動用コイル23U、23V、23Wを備えている。上述のように、本形態のモータ3は、三相ブラシレスモータである。9個の駆動用コイル23U、23V、23Wのうちの3個の駆動用コイル23Uは、U相コイルであり、残りの6個の駆動用コイル23V、Wのうちの3個の駆動用コイル23Vは、V相コイルであり、残りの3個の駆動用コイル23Wは、W相コイルである。
すなわち、ステータ6は、3個のU相の駆動用コイル23Uと、3個のV相の駆動用コイル23Vと、3個のW相の駆動用コイル23Wとを備えている。駆動用コイル23Uと駆動用コイル23Vと駆動用コイル23Wとは、周方向においてこの順番に配列されている。3個の駆動用コイル23Uは、1本の導線が3個の突極部24bに順次巻回されることで形成され、3個の駆動用コイル23Vは、1本の導線が3個の突極部24bに順次巻回されることで形成され、3個の駆動用コイル23Wは、1本の導線が3個の突極部24bに順次巻回されることで形成されている。
3個の駆動用コイル23Uを構成する1本の導線の一端部は、回路基板4に半田付けされて固定されている。同様に、3個の駆動用コイル23Vを構成する1本の導線の一端部、および、3個の駆動用コイル23Wを構成する1本の導線の一端部は、回路基板4に半田付けされて固定されている。3個の駆動用コイル23Uを構成する1本の導線の他端部、3個の駆動用コイル23Vを構成する1本の導線の他端部、および、3個の駆動用コイル23Wを構成する1本の導線の他端部は、コモン線(図示省略)に接続されている。
3個の駆動用コイル23Uは、2本の渡り線27Uによって繋がれている。同様に、3個の駆動用コイル23Vは、2本の渡り線27Vによって繋がれ、3個の駆動用コイル23Wは、2本の渡り線27Wによって繋がれている。すなわち、ステータ6は、3個の駆動用コイル23Uを繋ぐ2本の渡り線27Uと、3個の駆動用コイル23Vと繋ぐ2本の渡り線27Vと、3個の駆動用コイル23Wを繋ぐ2本の渡り線27Wとを備えている。
図3、図4に示すように、U相の駆動用コイル23Uを繋ぐ渡り線27U、V相の駆動用コイル23Vを繋ぐ渡り線27V、および、W相の駆動用コイル23Wを繋ぐ渡り線27Wは、径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面に沿って配置されている。すなわち、同相の駆動用コイル23U、23V、23Wを繋ぐ渡り線27U、27V、27Wが、径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面に沿って配置されている。
渡り線27U、27V、27Wは、駆動用コイル23U、23V、23Wの上端面よりも下側に配置されている。また、渡り線27U、27V、27Wは、反時計方向に引き回されている。本形態の反時計方向(CCW方向)は、ステータ6の周方向のうちの、渡り線27U、27V、27Wが引き回される方向である第3方向となっており、時計方向(CW方向)は、第3方向の反対方向である第4方向となっている。
隔壁部材11は、絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。上述のように、隔壁部材11の隔壁11aは、円筒部11bと底部11cと鍔部11dとを備えている。また、上述のように、底部11cは、円筒部11bの下端を塞ぎ、鍔部11dは、円筒部11bの上端から径方向の外側へ広がっている。底部11cの上面には、固定軸17の下端側を保持する軸保持部11fが形成されている(図1参照)。底部11cの下面には、回路基板4を隔壁部材11に固定するための固定用突起11gと、回路基板4を位置決めするための位置決め用突起11hとが形成されている。なお、図2では、固定用突起11gおよび位置決め用突起11hの図示を省略している。
鍔部11dは、ステータ6の上側に配置されている。鍔部11dの下面には、ガイド壁26b〜26dの上端部が配置される凹部11jが形成されている。凹部11jは、鍔部11dの下面から上側に窪んでいる。また、凹部11jは、周方向に所定の間隔をあけた状態で複数箇所に形成されている。具体的には、凹部11jは、周方向に一定の間隔をあけた状態で突極部24bごとに形成されている。すなわち、鍔部11dの下面には、9個の凹部11jが形成されている。上下方向から見たときの凹部11jの形状は、円筒部11bの軸心を曲率中心とする円弧状となっている。周方向における凹部11jの間は、補強用のリブ11kとなっている。
回路基板4は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、平板状に形成されている。回路基板4は、回路基板4の厚さ方向と上下方向とが一致した状態で、かつ、固定用突起11gと位置決め用突起11hとによって位置決めされた状態で、固定用突起11gにねじ込まれるネジ28によって固定されている。すなわち、回路基板4は、底部11cよりも下側で底部11cに固定されており、ポンプ室9の外側に配置されている。また、回路基板4は、駆動用コイル23U、23V、23Wおよびステータコア24よりも下側に配置されている。なお、回路基板4の外周端には、駆動用コイル23U、23V、23Wを構成する導線の一端部が配置される切欠きが形成されている。また、回路基板4の下面には、導線の一端部が半田付けされる半田ランドが切欠きの縁に沿って形成されている。
樹脂封止部材12は、BMC(Bulk Molding Compound)によって形成されている。樹脂封止部材12は、ステータ6および回路基板4を覆っている。樹脂封止部材12は、回路基板4および駆動用コイル23U、23V、23W等を流体から保護する機能を果たしている。また、樹脂封止部材12は、全体として略有底円筒状に形成されており、ステータ6、円筒部11bおよび底部11cを完全に覆っている。また、樹脂封止部材12は、回路基板4の前後方向の一部分を除いた全体と鍔部11dの下面とを覆っている。
(ステータの製造方法)
図7(A)は、図3に示すステータ6の製造方法を説明するための平面図であり、図7(B)は、図3に示すステータ6の製造方法を説明するための側面図である。図8は、図3に示すステータ6の製造時の、図7(B)のE部の状態を説明するための側面図である。
図7(A)は、図3に示すステータ6の製造方法を説明するための平面図であり、図7(B)は、図3に示すステータ6の製造方法を説明するための側面図である。図8は、図3に示すステータ6の製造時の、図7(B)のE部の状態を説明するための側面図である。
ステータ6の製造時には、まず、環状のステータコア24になる前の帯状のコアにインシュレータ25を取り付ける。すなわち、環状のステータコア24になる前の帯状のコアの突極部24bごとに、個別インシュレータ26を取り付ける。具体的には、突起26e、26gが取り除かれる前の個別インシュレータ26を帯状のコアの突極部24bごとに取り付ける。すなわち、突起26e、26gが形成されている個別インシュレータ26を帯状のコアの突極部24bごとに取り付ける(図5参照)。
その後、インシュレータ25を介して9個の突極部24bに駆動用コイル23U、23V、23Wを巻回する(巻線工程)。巻線工程では、巻線機を用いて自動で駆動用コイル23U、23V、23Wを巻回する。また、巻線工程では、駆動用コイル23U、駆動用コイル23Vおよび駆動用コイル23Wを順次巻回する。本形態では、最初に3個の駆動用コイル23Wを巻回し、次に3個の駆動用コイル23Vを巻回し、最後に3個の駆動用コイル23Uを巻回する。
3個の駆動用コイル23Wを巻回するときには、たとえば、まず、帯状のコアの端に配置される突極部24b(たとえば、図7の左端に配置される突極部24b)に1個目の駆動用コイル23Wを巻回する。1個目の駆動用コイル23Wが巻回されると、突起26eに沿って(具体的には、突起26eの、突極部24b側の側面に沿って)渡り線27Wを引き出した後(図7(A)参照)、2個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bまで渡り線27Wを引き回す(図7(B)参照)。
このときには、1個目の駆動用コイル23Wが巻回された突極部24bに取り付けられる個別インシュレータ26の突起26e、1個目の駆動用コイル23Wが巻回された突極部24bと2個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bとの間に配置される2個の個別インシュレータ26の突起26e、26g、および、2個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bに取り付けられる個別インシュレータ26の突起26gに沿って渡り線27Wを引き回す。
その後、2個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bに取り付けられる個別インシュレータ26の突起26gに沿って(具体的には、突起26gの、突極部24b側の側面に沿って)渡り線27Wを引き込んでから(図7(A)参照)、2個目の駆動用コイル23Wを巻回する。2個目の駆動用コイル23Wの巻回開始後しばらくの間は、駆動用コイル23Wを構成する導線がガイド壁26b〜26dの上端面よりも下側に引っ張られるため、1個目の駆動用コイル23Wと2個目の駆動用コイル23Wとの間の渡り線27Wは、ガイド壁26b〜26dの径方向の外側面に沿って下側へ移動する(図8(A)参照)。
2個目の駆動用コイル23Wが巻回されると、同様にして、突起26eに沿って渡り線27Wを引き出した後、3個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bまで渡り線27Wを引き回す(図8(A)参照)。このときには、2個目の駆動用コイル23Wが巻回された突極部24bに取り付けられる個別インシュレータ26の突起26e、2個目の駆動用コイル23Wが巻回された突極部24bと3個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bとの間に配置される2個の個別インシュレータ26の突起26e、26g、および、3個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bに取り付けられる個別インシュレータ26の突起26gに沿って渡り線27Wを引き回す。
その後、3個目の駆動用コイル23Wが巻回される突極部24bに取り付けられる個別インシュレータ26の突起26gに沿って渡り線27Wを引き込んでから、3個目の駆動用コイル23Wを巻回する。3個目の駆動用コイル23Wの巻回開始後しばらくの間は、駆動用コイル23Wを構成する導線がガイド壁26b〜26dの上端面よりも下側に引っ張られるため、2個目の駆動用コイル23Wと3個目の駆動用コイル23Wとの間の渡り線27Wは、ガイド壁26b〜26dの径方向の外側面に沿って下側へ移動する(図8(B)参照)。3個目の駆動用コイル23Wが巻回されると、駆動用コイル23Wを構成する導線の一端部は、下側へ引き出される。
3個の駆動用コイル23Wが巻回されると、同様にして、3個の駆動用コイル23Vを巻回する。3個の駆動用コイル23Vを巻回するときには、突起26e、26gに沿って渡り線27Vを引き回す。また、3個の駆動用コイル23Vが巻回されると、同様にして、3個の駆動用コイル23Uを巻回する。3個の駆動用コイル23Uを巻回するときには、突起26e、26gに沿って渡り線27Uを引き回す。3個の駆動用コイル23Uが巻回されると、巻線工程が終了する。
巻線工程が終了すると、その後、突起26e、26gを取り除く(突起除去工程)。突起除去工程では、突起26e、26gを切断して取り除く。突起除去工程で突起26e、26gが除去されると、突起痕26f、26hが形成される。なお、巻線工程において、渡り線27U、27V、27Wがガイド壁26b〜26dの径方向の外側面に沿って下側へ移動していない場合には、渡り線27U、27V、27Wをガイド壁26b〜26dの径方向の外側面に沿って下側へ移動させてから、突起除去工程において、突起26e、26gを切断して取り除く。
突起除去工程が終了すると、径方向の内側へ突極部24bが突出するように帯状のコアの端部同士を繋いで、環状のステータコア24を形成する。環状のステータコア24が形成されると、ステータ6が完成する。なお、ステータ6が完成すると、ステータ6の内周側に隔壁部材11の円筒部11bを挿入して、隔壁部材11にステータ6を取り付ける。また、回路基板4を隔壁部材11に固定する。その後、下側へ引き出されている駆動用コイル23U、23V、23Wの導線の一端部を回路基板4に半田付けして固定する。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、インシュレータ25の上端部に、径方向の外側への駆動用コイル23U、23V、23Wの巻き崩れを防止するガイド壁26b〜26dが形成されており、渡り線27U、27V、27Wが径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面に沿って配置されている。すなわち、本形態では、駆動用コイル23U、23V、23Wの巻崩れを防止するガイド壁26b〜26dの、径方向の外側面に沿って渡り線27U、27V、27Wが配置されている。そのため、本形態では、径方向の外側面に沿って渡り線27U、27V、27Wが配置される壁部等を、ガイド壁26b〜26dの上端面から上側に突出するように形成する必要がない。
以上説明したように、本形態では、インシュレータ25の上端部に、径方向の外側への駆動用コイル23U、23V、23Wの巻き崩れを防止するガイド壁26b〜26dが形成されており、渡り線27U、27V、27Wが径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面に沿って配置されている。すなわち、本形態では、駆動用コイル23U、23V、23Wの巻崩れを防止するガイド壁26b〜26dの、径方向の外側面に沿って渡り線27U、27V、27Wが配置されている。そのため、本形態では、径方向の外側面に沿って渡り線27U、27V、27Wが配置される壁部等を、ガイド壁26b〜26dの上端面から上側に突出するように形成する必要がない。
したがって、本形態では、ステータコア24の上下方向の長さを短くするために磁性板の積層数を減らしたり、駆動用コイル23U、23V、23Wの巻き数を減らしたりしなくても、上下方向(軸方向)でステータ6を小型化することが可能になる。その結果、本形態では、径方向における外側面に渡り線27U、27V、27Wが配置されるガイド壁26b〜26dがインシュレータ25に形成されていても、モータ3のトルクを確保しつつ、上下方向でモータ3を小型化することが可能になる。
また、本形態では、渡り線27U、27V、27Wが駆動用コイル23U、23V、23Wの上端面よりも下側に配置されているため、上下方向におけるガイド壁26b〜26dの長さを短くすることが可能になる。したがって、本形態では、上下方向でモータ3をより小型化することが可能になる。
また、本形態では、モータ3のトルクを確保しつつ、上下方向でモータ3を小型化することが可能になるため、ポンプ装置1の特性を確保しつつ、上下方向でポンプ装置1を小型化することが可能になる。特に本形態では、隔壁部材11の鍔部11dの下面に、ガイド壁26b〜26dの上端部が配置される凹部11jが形成されているため、上下方向でポンプ装置1をより小型化することが可能になる。また、本形態では、周方向における凹部11jの間が補強用のリブ11kとなっているため、鍔部11dに凹部11jが形成されていても、鍔部11dの強度を確保することが可能になる。
本形態では、ガイド壁26bの上端面に、ガイド壁26bの上端面から上側に突出していた突起26eが取り除かれた痕である突起痕26fが形成され、ガイド壁26cの上端面に、ガイド壁26cの上端面から上側に突出していた突起26gが取り除かれた痕である突起痕26hが形成されている。すなわち、本形態では、ステータ6の製造時に、ガイド壁26bの上端面に突起26eが形成されるとともに、ガイド壁26cの上端面に突起26gが形成されている。また、本形態では、巻線工程において、突起26e、26gに沿って渡り線27U、27V、27Wを引き回している。
そのため、本形態では、完成後のモータ3において、駆動用コイル23U、23V、23Wの巻崩れを防止するガイド壁26b〜26dの、径方向の外側面に沿って渡り線27U、27V、27Wが配置されていても、ステータ6の製造時には、ガイド壁26b〜26dの上端面から突出する突起26e、26gを利用して渡り線27U、27V、27Wを引き回すことが可能になる。したがって、本形態では、ガイド壁26b〜26dの上下方向の長さを短くしても、巻線機を用いて、駆動用コイル23U、23V、23Wの巻線作業を容易に行うことが可能になる。
また、本形態では、突起除去工程において、ガイド壁26b、26cの上端面から上側に突出していた突起26e、26gが切断されて取り除かれているため、巻線機を用いて駆動用コイル23U、23V、23Wの巻線作業を容易に行うことが可能であっても、上下方向でモータ1を小型化することが可能になる。
本形態では、ステータ6の製造時に、突極部24bの反時計方向側に配置されるガイド壁26bの上端面の時計方向端に突起26eが形成されている。そのため、本形態では、駆動用コイル23U、23V、23Wの巻線作業を行う際に、突極部24bに巻回された駆動用コイル23U、23V、23Wから渡り線27U、27V、27Wを引き出しやすくなる。また、本形態では、ステータ6の製造時に、突極部24bの時計方向側に配置されるガイド壁26cの上端面の反時計方向端に突起26gが形成されているため、駆動用コイル23U、23V、23Wの巻線作業を行う際に、突極部24bに向かって渡り線27U、27V、27Wを引き込みやすくなる。
本形態では、周方向においてガイド壁26bとガイド壁26cとの間にガイド壁26dが形成されている。そのため、本形態では、径方向の外側への駆動用コイル23U、23V、23Wの巻崩れを効果的に防止することが可能になる。また、帯状のコアの端部同士を繋いで環状のステータコア24を形成したときに、渡り線27U、27V、27Wの弛みを抑制しやすくなる。また、本形態では、径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面の、上側から見たときの形状が、ステータ6の軸心を曲率中心とする円弧状となっているため、渡り線27U、27V、27Wの弛みや張りを抑制しやすくなる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態において、径方向におけるガイド壁26b〜26dの外側面の、上側から見たときの形状は、直線状となっていても良い。また、上述した形態において、個別インシュレータ26にガイド壁26dが形成されていなくても良い。さらに、上述した形態において、9個の個別インシュレータ26の上インシュレータが一体で形成され、9個の個別インシュレータ26の下インシュレータが一体で形成されていても良い。また、個別インシュレータ26は、インサート成形によってステータコア24と一体で形成されていても良い。
上述した形態において、渡り線27U、27V、27Wの上端部が駆動用コイル23U、23V、23Wの上端面より上側に配置されていても良い。また、上述した形態において、突起26e、26gは、円柱状以外の形状に形成されていても良い。たとえば、突起26e、26gは、多角柱状に形成されていても良いし、直方体状に形成されていても良い。
上述した形態において、巻線工程が終了してから環状のステータコア24を形成した後に、突起26e、26gを切断して取り除いても良い。また、上述した形態では、突起除去工程において、突起26e、26gを切断して取り除いているが、突起除去工程において、突起26e、26gを溶融等させて取り除いても良い。さらに、上述した形態において、ガイド壁26dの上端面に、ガイド壁26dの上端面から上側に突出していた突起が切断された痕である突起痕が形成されていても良い。また、上述した形態において、ガイド壁26b、26cの上端面に突起痕26f、26hが形成されていなくても良い。
上述した形態において、凹部11jは、周方向の全域に亘って形成されていても良い。また、上述した形態において、凹部11jが形成されていなくても良い。さらに、上述した形態において、羽根車2は、ロータ5と一体で形成されていても良い。たとえば、羽根車2は、保持部材16と一体で形成されていても良い。また、上述した形態において、モータ3は、三相モータ以外の多相モータであっても良い。また、上述した形態では、モータ3は、ポンプ装置1に使用されているが、モータ3は、ポンプ装置1以外に使用されても良い。
1 ポンプ装置
2 羽根車
3 モータ
5 ロータ
6 ステータ
9 ポンプ室
11 隔壁部材
11a 隔壁
11b 円筒部
11c 底部
11d 鍔部
11j 凹部
11k リブ
14 駆動用磁石
23U、23V、23W 駆動用コイル
24 ステータコア
24b 突極部
25 インシュレータ(絶縁部材)
26 個別インシュレータ(個別絶縁部材)
26b ガイド壁(第1ガイド壁)
26c ガイド壁(第2ガイド壁)
26d ガイド壁(第3ガイド壁)
26e、26g 突起
26f、26h 突起痕
27U、27V、27W 渡り線
CW 第4方向
CCW 第3方向
Z1 第1方向
Z2 第2方向
2 羽根車
3 モータ
5 ロータ
6 ステータ
9 ポンプ室
11 隔壁部材
11a 隔壁
11b 円筒部
11c 底部
11d 鍔部
11j 凹部
11k リブ
14 駆動用磁石
23U、23V、23W 駆動用コイル
24 ステータコア
24b 突極部
25 インシュレータ(絶縁部材)
26 個別インシュレータ(個別絶縁部材)
26b ガイド壁(第1ガイド壁)
26c ガイド壁(第2ガイド壁)
26d ガイド壁(第3ガイド壁)
26e、26g 突起
26f、26h 突起痕
27U、27V、27W 渡り線
CW 第4方向
CCW 第3方向
Z1 第1方向
Z2 第2方向
Claims (12)
- 駆動用磁石を有するロータと、筒状に形成され前記ロータの外周側に配置されるステータとを備え、
前記ステータは、絶縁部材と、複数の駆動用コイルと、前記絶縁部材を介して複数の前記駆動用コイルのそれぞれが巻回される複数の突極部を有するステータコアとを備え、
筒状に形成される前記ステータの軸方向の一方を第1方向とすると、
前記絶縁部材の第1方向の端部には、前記ステータの径方向の外側への前記駆動用コイルの巻崩れを防止するガイド壁が形成され、
同相の前記駆動用コイルを繋ぐ渡り線が、前記ステータの径方向における前記ガイド壁の外側面に沿って配置されていることを特徴とするモータ。 - 複数のU相の前記駆動用コイルと、複数のV相の前記駆動用コイルと、複数のW相の前記駆動用コイルと、複数のU相の前記駆動用コイルを繋ぐ前記渡り線と、複数のV相の前記駆動用コイルを繋ぐ前記渡り線と、複数のW相の前記駆動用コイルを繋ぐ前記渡り線とを前記ステータが備える三相モータであることを特徴とする請求項1記載のモータ。
- 第1方向の反対方向を第2方向とすると、
前記渡り線は、前記駆動用コイルの第1方向の端面よりも第2方向側に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載のモータ。 - 前記ガイド壁の第1方向の端面には、前記ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれた痕である突起痕が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ。
- 前記絶縁部材は、前記突極部ごとに取り付けられる複数の個別絶縁部材によって構成され、
前記ステータの周方向のうちの、前記渡り線が引き回される方向を第3方向とし、第3方向の反対方向を第4方向とすると、
前記個別絶縁部材には、前記ガイド壁として、この個別絶縁部材が取り付けられる前記突極部の第3方向側に配置される第1ガイド壁が形成され、
前記第1ガイド壁の第1方向の端面の第4方向端側には、前記第1ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれた痕である突起痕が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ。 - 前記個別絶縁部材には、前記ガイド壁として、この個別絶縁部材が取り付けられる前記突極部の第4方向側に配置される第2ガイド壁が形成され、
前記第2ガイド壁の第1方向の端面の第3方向端側には、前記第2ガイド壁の第1方向の端面から第1方向側に突出していた突起が取り除かれた痕である突起痕が形成されていることを特徴とする請求項5記載のモータ。 - 前記個別絶縁部材には、前記ガイド壁として、前記ステータの周方向において前記第1ガイド壁と前記第2ガイド壁との間に配置される第3ガイド壁が形成されていることを特徴とする請求項6記載のモータ。
- 前記ステータの径方向における前記ガイド壁の外側面の、第1方向側から見たときの形状は、前記ステータの軸心を曲率中心とする円弧状となっていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のモータ。
- 請求項1から8のいずれかに記載のモータと、前記ロータと一体で形成されるかまたは前記ロータに固定される羽根車と、前記羽根車および前記ロータが配置されるとともに流体が通過するポンプ室と、前記ステータと前記ポンプ室との間に配置され前記ステータの配置箇所への前記ポンプ室内の流体の流入を防止する隔壁を有する隔壁部材とを備えることを特徴とするポンプ装置。
- 前記隔壁は、前記ステータの径方向において前記ロータと前記ステータとの間に配置される円筒状の円筒部と、前記円筒部の第2方向端を塞ぐ底部と、前記円筒部の第1方向端から前記ステータの径方向の外側に広がる鍔部とを備え、
前記鍔部は、前記ステータの第1方向側に配置され、
前記鍔部の第2方向側の面には、第1方向側に窪む凹部が形成され、
前記凹部には、前記ガイド壁の第1方向側の端部が配置されていることを特徴とする請求項9記載のポンプ装置。 - 前記凹部は、前記ステータの周方向において所定の間隔をあけた状態で複数の前記突極部ごとに複数箇所に形成され、
前記ステータの周方向における前記凹部の間は、補強用のリブとなっていることを特徴とする請求項10記載のポンプ装置。 - 請求項4から7のいずれかに記載のモータの製造方法であって、
前記絶縁部材を介して前記突極部に前記駆動用コイルを巻回するとともに前記突起に沿って前記渡り線を引き回す巻線工程と、前記巻線工程後に前記突起を取り除く突起除去工程とを備えることを特徴とするモータの製造方法。
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