JP2020173341A - パターン形成方法、イオン注入方法及び、電子デバイスの製造方法 - Google Patents

パターン形成方法、イオン注入方法及び、電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を、KrFの光により露光する場合において、断面形状の矩形性と耐イオンインプランテーション性能とに優れたパターンを形成できる、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法等を提供する。【解決手段】(i)特定の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を形成する工程、(ii)上記感活性光線性又は感放射線性膜にKrF光を照射する工程、及び(iii)上記KrF光が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成する工程を有するパターン形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、パターン形成方法、イオン注入方法及び電子デバイスの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程、平版印刷版、酸硬化性組成物に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法、イオン注入方法及び電子デバイスの製造方法に関する。
KrFエキシマレーザー(248nm)用レジスト以降、光吸収による感度低下を補うためにレジストの画像形成方法として化学増幅という画像形成方法が用いられている。ポジ型の化学増幅の画像形成方法を例に挙げ説明すると、エキシマレーザー、電子線、極紫外光などの露光により、露光部の酸発生剤が分解し酸を生成させ、露光後のベーク(PEB:Post Exposure Bake)でその発生酸を反応触媒として利用してアルカリ不溶性の基をアルカリ可溶性の基に変化させ、アルカリ現像液により露光部を除去する画像形成方法である。
上記方法において、アルカリ現像液としては、種々のものが提案されているが、2.38質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の水系アルカリ現像液が汎用的に用いられている。
また、ポジ型だけではなく、有機系現像液を用いたネガ型による微細パターン形成の開発も行われている。これは、半導体素子等の製造にあたってはライン、トレンチ(溝)、ホールなど種々の形状を有するパターン形成の要請があり、その形成において、ネガ型パターン形成方法を用いた方が有利になる場合があるためである。
また、レジスト膜の膜厚についても、用途に応じて、種々のものが提案されており、特許文献1では、膜厚12μmの感活性光線性又は感放射線性膜における波長248nmの光に対する透過率が5%以上となる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて、膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を形成し、波長200〜300nmの活性光線又は放射線により露光後、現像液を用いて現像するパターン形成方法が提案されており、このパターン形成方法によれば、高感度にて優れた断面形状を有するパターンを形成できるとされている。
更に、上述のようなレジスト技術の応用として、レジスト組成物を、イメージセンサー作製時等の一工程であるイオンインプラント(イオン注入)において用いるイオンインプランテーション用途などの微細加工用途が進展しつつある。
国際公開第2017/078031号
しかしながら、厚膜(例えば1μm以上)レジストパターンを形成し、そのレジストパターン(特に孤立スペースパターン)をマスクとして、イオンインプラントを実施する場合において、断面形状の矩形性と耐イオンインプランテーション性能とに優れたレジストパターンを形成することは困難であった。
本発明は、上記課題を解決し、膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を、KrFの光により露光する場合において、断面形状の矩形性と耐イオンインプランテーション性能とに優れたパターン(特に孤立スペースパターン)を形成できる、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法、イオン注入方法、及び電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1]
(i)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を形成する工程、
(ii)上記感活性光線性又は感放射線性膜にKrF光を照射する工程、及び
(iii)上記KrF光が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成する工程を有するパターン形成方法であって、
上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、(A)芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(C)溶剤を含有し、
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、上記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して15モル%以上である、パターン形成方法。
[2]
上記工程(ii)を複数回行う、[1]記載のパターン形成方法。
[3]
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、上記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して15〜60モル%である、[1]又は[2]に記載のパターン形成方法。
[4]
上記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位の含有量は、上記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して25〜50モル%である、[1]〜[3]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[5]
上記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位が、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[6]
上記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位が酸の作用により発生する極性基を有する繰り返し単位が、(メタ)アクリル酸に対応する繰り返し単位である、[1]〜[5]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[7]
上記化合物(B)が、下記一般式(ZI−3)又は一般式(ZI−4)で表される化合物である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
一般式(ZI−3)中、
Mは、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、環構造を有するとき、上記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、及び炭素−炭素二重結合の少なくとも1種を含んでいてもよい。
1c及びR2cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。R1cとR2cとが結合して環を形成してもよい。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はアルケニル基を表す。R及びRが結合して環を形成してもよい。また、M、R1c及びR2cから選ばれる少なくとも2つが結合して環構造を形成してもよく、上記環構造に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
は、アニオンを表す。
一般式(ZI−4)中、
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
14は、複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基を表す。
15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又はナフチル基を表す。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。
は、アニオンを表す。
[8]
上記化合物(B)におけるフッ素原子の数が6以下である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[9]
上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が酸拡散制御剤を含む、[1]〜[8]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[10]
上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が架橋剤を含まない、[1]〜[9]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[11]
上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分濃度が15質量%以上である、[1]〜[10]のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
[12]
[1]〜[11]のいずれか1項に記載のパターン形成方法により得られたパターンをマスクとして、イオンを注入する工程を含む、イオン注入方法。
[13]
[1]〜[11]のいずれか1項に記載のパターン形成方法又は[12]に記載のイオン注入方法を含む、電子デバイスの製造方法。
本発明によれば、膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を、KrFの光により露光する場合において、断面形状の矩形性と耐イオンインプランテーション性能とに優れたパターン(特に孤立スペースパターン)を形成できる、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いたパターン形成方法、イオン注入方法及び電子デバイスの製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。また、本明細書中における「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本明細書における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線(EB)等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
なお、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書において、(メタ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを表し、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを表す。
本明細書において、樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分散度(Mw/Mn)は、GPC(Gel Permeation Chromatography)装置(東ソー製HLC−8120GPC)によるGPC測定(溶媒:テトラヒドロフラン、流量(サンプル注入量):10μl、カラム:東ソー社製TSK gel Multipore HXL−M(×4本)、カラム温度:40℃、流速:1.0mL/分、検出器:示差屈折率(RI)検出器)によるポリスチレン換算値として定義される。
また、本明細書において、「置換基を有していてもよい」というときの置換基の種類、置換基の位置、及び、置換基の数は特に限定されない。置換基の数は例えば、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上であってもよい。置換基の例としては水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、例えば、以下の置換基群Tから選択することができる。
(置換基群T)
置換基群Tとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基及びベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基及びメトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基及びtert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基及びp−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;アルキル基;シクロアルキル基;アリール基;ヘテロアリール基;水酸基;カルボキシ基;ホルミル基;スルホ基;シアノ基;アルキルアミノカルボニル基;アリールアミノカルボニル基;スルホンアミド基;シリル基;アミノ基;モノアルキルアミノ基;ジアルキルアミノ基;アリールアミノ基;並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法は、
(i)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜(以下、単に膜とも言う)を形成(製膜)する工程、
(ii)上記感活性光線性又は感放射線性膜にKrF光(KrFエキシマレーザー)を照射する工程、及び
(iii)上記KrF光が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成する工程を有するパターン形成方法であって、
上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、(A)芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(C)溶剤を含有し、
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して15モル%以上である、パターン形成方法である。
本発明により上記課題が解決できるメカニズムは、完全には明らかになっていないが、本発明者らは以下のように推定している。
先ず、イオンインプランテーション用途のレジストパターンにおいても、種々形状のレジストパターンを高精度に形成することが求められている。レジストパターンとして、孤立スペースパターンを形成する場合には、現像後に形成される孤立スペース部に対応するレジスト膜の領域を露光領域とするポジ型パターン形成方法と、上記孤立スペース領域には対応しないレジスト膜の領域を露光領域とするネガ型パターン形成方法とが考えらえる。ネガ型パターン形成方法においては、孤立スペース領域に対応する狭小領域を取り囲む広大領域が露光領域となるため、一般に、狭小領域が露光領域となるポジ型パターン形成方法と比較して、意図した光学像がレジスト膜上に形成されやすい。その結果、例えば特許文献1に記載の技術を使用した場合においては、アルカリ現像液を用いたポジ型パターン形成方法であっても、有機系現像液を用いたネガ型パターン形成方法であっても、パターンの断面形状は優れたものになるが、特定形状のパターンを形成する場合においては、有機系現像液を用いたネガ型パターン形成方法を用いた場合の方が、パターンの断面形状の矩形性がより高精度になる傾向となる。
本発明においては、先ず、上記工程(iii)に記載のように、KrF光が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成するため、特に孤立スペースパターンを形成する場合においても、断面形状の矩形性に優れたレジストパターンが得られるものと考えられる。
また、本発明者らが鋭意検討したところ、本発明のパターン形成方法において用いられる感活性光線性又は感放射線性組成物の構成成分としての樹脂が、芳香環基を有する繰り返し単位を有し、上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量を、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して15モル%以上とすることで、レジストパターンの断面形状における矩形性が優れることに加えて、驚くべきことに、耐イオンインプランテーション性能が非常に向上し、ひいては、基板の所望領域に精度良くイオンインプランテーションを実施し得ることを見出した。
その理由は、詳細には定かでないが、芳香環基を有する繰り返し単位における芳香環基が、イオンに対する耐性に何らかの影響を与えており、このような繰り返し単位が一定量以上で樹脂中に存在することにより、イオンインプランテーション工程において、イオンが、レジストパターンのレジスト膜部を透過するなどして意図しない領域に入り込むことが抑制されるためと推測される。
なお、特許文献1には、イオンインプラントの実施、及び、耐イオンインプランテーション性能等に関する明らかな記載はない。
まず、本発明のパターン形成方法に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物について記載する。
[感活性光線又は感放射線性樹脂組成物]
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(以下、単に本発明の組成物とも言う)は、(A)芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(C)溶剤を含有し、
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して15モル%以上である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、KrF露光用であることが好ましい。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、有機溶剤現像用のネガ型レジスト組成物である。また本発明に係る組成物は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
<(A)芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有する樹脂>
本発明の組成物は、芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有する樹脂(以下、樹脂(A)ともいう)を含有する。
樹脂(A)は、酸の作用により分解して極性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する繰り返し単位を有することから、樹脂(A)は、典型的には、酸の作用により有機溶剤を主成分とする現像液に対する溶解性が減少する樹脂であることが好ましい。
(芳香族基を有する繰り返し単位)
芳香族基を有する繰り返し単位を構成する芳香族基における芳香環としては、単環又は多環の芳香環であり、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環、フェナントレン環などの炭素数6〜18の置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、又は、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾピロール環、トリアジン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環等のヘテロ環を含む芳香族ヘテロ環等を挙げることができる。中でも、ベンゼン環、ナフタレン環が解像性の観点で好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
芳香族基は更に置換基を有していても良い。好ましい置換基としては、特に限定されないが、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、及びニトロ基等が挙げられる。
樹脂(A)は、芳香族基を有する繰り返し単位を含有し、上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して15モル%以上である。これにより、KrFの光により露光する場合において、断面形状の矩形性と耐イオンインプランテーション性能とに優れたパターンを形成できる。
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して15モル%以上である。
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量の上限値は特に限定されないが、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して、通常85モル%以下である。
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対して好ましくは、15モル%〜70モル%であり、より好ましくは、15モル%〜60モル%であり、更に好ましくは、15モル%〜55モル%である。
芳香族基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(A)で表される繰り返し単位が挙げられる。
式中、R01、R02及びR03は、各々独立に、例えば、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。Arは、芳香環基を表す。R03がアルキレン基を表し、Arと結合して、−C−C−鎖と共に、5員又は6員環を形成していてもよい。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表し、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
01〜R03としてのアルキル基は、例えば、炭素数20以下のアルキル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基又はドデシル基である。より好ましくは、これらアルキル基は、炭素数8以下のアルキル基である。なお、これらアルキル基は、置換基を有していてもよい。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R01〜R03におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
シクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8の単環のシクロアルキル基が挙げられる。なお、これらシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
03がアルキレン基を表す場合、このアルキレン基としては、好ましくは、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、又はオクチレン基等の炭素数1〜8のものが挙げられる。
Arとしての芳香環基は、炭素数6〜14のものが好ましく、例えば、ベンゼン環、トルエン環又はナフタレン環が挙げられる。なお、これら芳香環基は、置換基を有していてもよい。
上記Yの少なくとも1つとしての酸の作用により脱離する基は、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位において後述するものを好適に挙げることできる。
上記Yの少なくとも1つとしての酸の作用により脱離する基は、下記一般式(B)で表される構造であることがより好ましい。
式中、L及びLは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、シクロアルキル基、環状脂肪族基、芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。環状脂肪族基及び芳香環基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
Q、M、Lの少なくとも2つが互いに結合して、5員又は6員環を形成していてもよい。
及びLとしてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
及びLとしてのシクロアルキル基は、例えば炭素数3〜15のシクロアルキル基であり、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基が挙げられる。
及びLとしてのアリール基は、例えば炭素数6〜15のアリール基であり、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
及びLとしてのアラルキル基は、例えば炭素数6〜20のアラルキル基であり、具体的には、ベンジル基及びフェネチル基が挙げられる。
Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基又はオクチレン基)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基又はシクロヘキシレン基)、アルケニレン基(例えば、エチレン基、プロペニレン基又はブテニレン基)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基又はナフチレン基)、−S−、−O−、−CO−、−SO−、−N(R)−、又は、これらの2以上の組み合わせである。ここで、Rは、水素原子又はアルキル基である。Rとしてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基が挙げられる。
Qとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、上述したL及びLとしての各基と同様である。
Qとしての環状脂肪族基又は芳香環基としては、例えば、上述したL及びLとしてのシクロアルキル基及びアリール基が挙げられる。これらシクロアルキル基及びアリール基は、好ましくは、炭素数3〜15の基である。
Qとしてのヘテロ原子を含んだ環状脂肪族基又は芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール及びピロリドン等の複素環構造を有した基が挙げられる。但し、炭素とヘテロ原子とで形成される環、又は、ヘテロ原子のみによって形成される環であれば、これらに限定されない。
Q、M及びLの少なくとも2つが互いに結合して形成し得る環構造としては、例えば、これらがプロピレン基又はブチレン基を形成してなる5員又は6員環構造が挙げられる。なお、この5員又は6員環構造は、酸素原子を含有している。
一般式(B)におけるL、L、M及びQで表される各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。これら置換基は、炭素数が8以下であることが好ましい。
−(M−Q)で表される基としては、炭素数1〜20の基が好ましく、炭素数1〜10の基がより好ましく、炭素数1〜8が更に好ましい。
一般式(A)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対し、5〜60モル%であることが好ましく、20〜60モル%であることがより好ましく、30〜60モル%であることが更に好ましい。
また、芳香族基を有する繰り返し単位としては、例えば、フェノール性水酸基を有する繰り返し単位を有することも好ましい。
フェノール性水酸基とは、芳香族基の水素原子を水酸基で置換してなる基である。芳香族基を構成する芳香環は上述の通りである。
フェノール性水酸基を有する繰り返し単位としては、例えば、下記一般式(B−1)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(BH−1)中、
B1、RB2及びRB3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。RB3はArB1と結合して環を形成していてもよく、その場合のRB3はアルキレン基を表す。
B3は、単結合又は2価の連結基を表す。
ArB1は、(n+1)価の芳香環基を表し、RB3と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、1〜4の整数を表す。
一般式(BH−1)におけるRB1、RB2及びRB3で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、及びドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が好ましく、炭素数8以下のアルキル基がより好ましく、炭素数3以下のアルキル基が更に好ましい。
一般式(BH−1)におけるRB1、RB2及びRB3で表されるシクロアルキル基としては、単環でも、多環でもよい。置換基を有していてもよい、シクロプロピル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等の炭素数3〜8個で単環のシクロアルキル基が好ましい。
一般式(BH−1)におけるRB1、RB2及びRB3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
一般式(BH−1)におけるRB1、RB2及びRB3で表されるアルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記RB1、RB2及びRB3におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、及びニトロ基等が挙げられ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
ArB1は、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
が2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
B3としての2価の連結基としては、−COO−又は−CONR64−が挙げられる。
B3としての−CONR64−(R64は、水素原子、アルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、置換基を有していてもよい、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、及びドデシル基等の炭素数20以下のアルキル基が好ましく、炭素数8以下のアルキル基がより好ましい。
B3は、単結合、−COO−、又は−CONH−を表すことが好ましく、単結合、又は−COO−を表すことがより好ましく、単結合を表すことが更に好ましい。
ArB1としては、炭素数6〜18の芳香環基がより好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、ビフェニレン環基が特に好ましい。
ArB1は、ベンゼン環基であることが好ましい。
は1〜4の整数を表し、1又は2を表すことが好ましく、1を表すことがより好ましい。
上記一般式(BH−1)で表される繰り返し単位は、下記一般式(BH−2)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(BH−2)中、RB1、RB2及びRB3は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
ArB1は、(n+1)価の芳香環基を表す。
は、1〜4の整数を表す。
一般式(BH−2)中のRB1、RB2、RB3、ArB1及びnの具体例及び好ましい例は、上記一般式(BH−1)中のRB1、RB2、RB3、ArB1及びn、の具体例及び好ましい例と同義である。但し、RB3はArB1と結合して環を形成しない。
以下に、一般式(BH−1)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。式中、aは1又は2を表す。

フェノール性水酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対し、10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、30〜60モル%であることが更に好ましい。
(酸の作用により分解して極性基を生じる基(酸分解性基)を有する繰り返し単位)
酸分解性基は、酸の作用により分解し脱離する基で極性基が保護された構造を有することが好ましい。
極性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等の酸性基(従来レジストの現像液として用いられている、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中で解離する基)、又はアルコール性水酸基等が挙げられる。
好ましい極性基としては、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール基)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらの極性基の水素原子を酸の作用により脱離する基で置換した基である。
酸の作用により脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)又は−CH(R36)(Ar)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基又はアルケニル基を表す。
Arは、アリール基を表す。
36〜R39、R01、又はR02としてのアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基及びオクチル基が挙げられる。
36〜R39、R01、又はR02としてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基及びシクロオクチルが挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピナニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基及びアンドロスタニル基が挙げられる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、又はArとしてのアリール基は、炭素数6〜10のアリール基であることが好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。
36〜R39、R01、又はR02としてのアラルキル基は、炭素数7〜12のアラルキル基であることが好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基が好ましい。
36〜R39、R01、又はR02としてのアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基であることが好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基及びシクロへキセニル基が挙げられる。
36とR37とが互いに結合して形成し得る環は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造及びシクロオクタン構造が挙げられる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルカン構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造及びテトラシクロドデカン構造が挙げられる。なお、環構造中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上記各基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基及びニトロ基が挙げられる。これら置換基は、炭素数が8以下であることが好ましい。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂(A)が含有し得る、酸分解性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AI)で表される繰り返し単位が好ましい。
一般式(AI)に於いて、
Xaは、水素原子、又は、アルキル基を表す。
Tは、単結合又は2価の連結基を表す。
Rx〜Rxは、各々独立に、アルキル基(直鎖若しくは分岐)又はシクロアルキル基(単環若しくは多環)を表す。
Rx〜Rxの2つが結合して、シクロアルキル基(単環若しくは多環)を形成してもよい。
Xaにより表されるアルキル基は、置換基を有しても有さなくてもよく、例えば、メチル基又は−CH−R11で表される基が挙げられる。R11は、ハロゲン原子(フッ素原子など)、ヒドロキシル基又は1価の有機基を表し、例えば、炭素数5以下のアルキル基、炭素数5以下のアシル基が挙げられ、好ましくは炭素数3以下のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基である。Xaは、一態様において、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基等である。
Tの2価の連結基としては、アルキレン基、−COO−Rt−基、−O−Rt−基等が挙げられる。式中、Rtは、アルキレン基又はシクロアルキレン基を表す。
Tは、単結合又は−COO−Rt−基が好ましい。Rtは、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、−CH−基、−(CH−基、−(CH−基がより好ましい。
Rx〜Rxのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが好ましい。
Rx〜Rxのシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの単環のシクロアルキル基、ノルボルニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基などの多環のシクロアルキル基が好ましい。炭素数5〜6の単環のシクロアルキル基が特に好ましい。
Rx〜Rxの2つが結合して形成されるシクロアルキル基は、例えば、環を構成するメチレン基の1つが、酸素原子等のヘテロ原子、又は、カルボニル基等のヘテロ原子を有する基で置き換わっていてもよい。
一般式(AI)で表される繰り返し単位は、例えば、Rxがメチル基又はエチル基であり、RxとRxとが結合して上述のシクロアルキル基を形成している態様が好ましい。
上記各基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基(炭素数1〜4)、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基(炭素数1〜4)、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基(炭素数2〜6)などが挙げられ、炭素数8以下が好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の好ましい具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbは各々炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは、極性基を含む置換基を表し、複数存在する場合は各々独立である。pは0又は正の整数を表す。Zにより表される極性基を含む置換基としては、例えば、水酸基、シアノ基、アミノ基、アルキルアミド基又はスルホンアミド基を有する、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましくは、水酸基を有するアルキル基である。分岐状アルキル基としてはイソプロピル基が特に好ましい。

上記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位は、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有することが好ましい。脂環式炭化水素基としては、特に限定されないが、例えばシクロアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、炭素数5〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基及びシクロオクチルが挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピナニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基及びアンドロスタニル基が挙げられる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
炭素数5〜20の脂環式炭化水素基における炭素数は、脂環式炭化水素環の骨格を構成する炭素数を表す。
上記脂環式炭化水素基は更に置換基を有していても良い。
樹脂(A)は、一般式(AI)で表される繰り返し単位として、例えば、一般式(3)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
一般式(3)中、
31は、水素原子又はアルキル基を表す。
32は、アルキル基又はシクロアルキル基を表し、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
33は、R32が結合している炭素原子とともに単環の脂環炭化水素構造を形成するのに必要な原子団を表す。脂環炭化水素構造は、環を構成する炭素原子の一部が、ヘテロ原子、又は、ヘテロ原子を有する基で置換されていてもよい。
31のアルキル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としてはフッ素原子、水酸基などが挙げられる。R31は、好ましくは水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
32は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基又はシクロヘキシル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基又はtert−ブチル基であることがより好ましい。
33が炭素原子とともに形成する単環の脂環炭化水素構造は、3〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
33が炭素原子とともに形成する単環の脂環炭化水素構造において、環を構成し得るヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、ヘテロ原子を有する基としては、カルボニル基等が挙げられる。ただし、ヘテロ原子を有する基は、エステル基(エステル結合)ではないことが好ましい。
33が炭素原子とともに形成する単環の脂環炭化水素構造は、炭素原子と水素原子とのみから形成されることが好ましい。
一般式(3)で表される繰り返し単位は、下記一般式(3’)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
一般式(3’)中、R31及びR32は、上記一般式(3)における各々と同義である。
一般式(3)で表される構造を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
一般式(3)で表される構造を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して10〜70モル%であることが好ましく、20〜60モル%であることがより好ましく、30〜50モル%であることが更に好ましい。
また、酸分解性基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(A)で表される繰り返し単位であることも好ましい。
酸の作用により極性を発生しやすいことを鑑みて、上記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位が酸の作用により発生する極性基を有する繰り返し単位が、(メタ)アクリル酸に対応する繰り返し単位であることが好ましい。
酸分解性基を有する繰り返し単位の合計としての含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対し、20〜90mol%であることが好ましく、25〜85mol%であることがより好ましく、25〜50mol%であることが更に好ましい。
樹脂(A)は、芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有するが、芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位以外にも、その他の繰り返し単位を有していても良い。
(その他の繰り返し単位)
樹脂(A)は、一態様において、環状炭酸エステル構造を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。この環状炭酸エステル構造は、環を構成する原子群として−O−C(=O)−O−で表される結合を含む環を有する構造である。環を構成する原子群として−O−C(=O)−O−で表される結合を含む環は、5〜7員環であることが好ましく、5員環であることが最も好ましい。このような環は、他の環と縮合し、縮合環を形成していてもよい。
また、樹脂(A)は、ラクトン構造又はスルトン(環状スルホン酸エステル)構造を有する繰り返し単位を含有していてもよい。
ラクトン基又はスルトン基としては、ラクトン構造又はスルトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環のラクトン構造又はスルトン構造であり、5〜7員環のラクトン構造又はスルトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)、(SL1−1)及び(SL1−2)のいずれかで表されるラクトン構造又はスルトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造又はスルトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造又はスルトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−8)であり、(LC1−4)であることがより好ましい。特定のラクトン構造又はスルトン構造を用いることでラインウィズスラフネス(LWR)、現像欠陥が良好になる。

ラクトン構造部分又はスルトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン基又はスルトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。
樹脂(A)は、一般式(AI)以外の水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有していてもよい。これにより基板密着性、現像液親和性が向上する。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
c〜Rcは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc〜Rcの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、Rc〜Rcの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc〜Rcの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。

一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、
cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c〜Rcは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、Rc〜Rcと同義である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。

本発明の組成物に用いられる樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位を有してもよい。酸基としてはカルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられ、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。酸基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。酸基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接酸基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖に酸基が結合している繰り返し単位、更には酸基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
また、樹脂(A)は、酸基を有する繰り返し単位として、上記のフェノール性水酸基を有する繰り返し単位も挙げることができる。
酸基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)の全繰り返し単位に対し、30〜90mol%が好ましく、より好ましくは35〜85mol%、更に好ましくは40〜80mol%である。
酸基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH,CH,CHOH,又はCFを表す。
樹脂(A)は、更に、極性基(例えば、酸基、水酸基、シアノ基等)を持たない環状炭化水素構造を有し酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(IV)で表される繰り返し単位が挙げられる。
上記一般式(IV)中、Rは、少なくとも一つの環状構造を有し極性基を有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3〜12のシクロアルケニル基、フェニル基などが挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3〜7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基、ビフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの環状炭化水素構造は置換基を有していてもよく、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していてもよく、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基を挙げることができる。
上記水素原子が置換された基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
樹脂(A)は、極性基を持たない環状炭化水素構造を有し酸分解性を示さない繰り返し単位を含有していても含有していなくてもよいが、含有する場合、この繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対し、1〜40モル%が好ましく、より好ましくは2〜20モル%である。
極性基を持たない環状炭化水素構造を有し酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
本発明の組成物に用いられる樹脂(A)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、酸基選択)、(5)未露光部の基板への密着性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明における樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種及び開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤にモノマー種と開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、なかでもこの滴下重合法が好ましい。反応溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド溶剤、更には後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンのような本発明の組成物を溶解する溶媒が挙げられる。より好ましくは本発明の組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤として市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて、重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10〜150℃であり、好ましくは30〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
本発明の樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜200,000であり、より好ましくは2,000〜20,000、更により好ましくは3,000〜15,000、特に好ましくは3,000〜11,000である。重量平均分子量を、1,000〜200,000とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、かつ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化したりすることを防ぐことができる。
分散度(分子量分布)は、通常1.0〜3.0であり、好ましくは1.0〜2.6、更に好ましくは1.0〜2.0、特に好ましくは1.1〜2.0の範囲のものが使用される。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、かつレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
樹脂(A)の組成物全体中の含有率は、全固形分中30〜99質量%が好ましく、より好ましくは50〜97質量%である。
また、樹脂(A)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
<(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物>
本発明の組成物は、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(「化合物(B)」、「光酸発生剤」ともいう)を含有する。
光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により有機酸を発生する化合物が好ましい。例えば、スルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物、ジアゾニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物、ジアゾジスルホン化合物、ジスルホン化合物、及びo−ニトロベンジルスルホネート化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物を、単独又はそれらの混合物として適宜選択して使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0125]〜[0319]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0086]〜[0094]、及び、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0323]〜[0402]に開示された公知の化合物を好適に使用できる。
光酸発生剤としては、例えば、下記一般式(ZI)、一般式(ZII)又は一般式(ZIII)で表される化合物が好ましい。
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30であり、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又はカルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)及び−CH−CH−O−CH−CH−が挙げられる。
は、アニオン(非求核性アニオンが好ましい。)を表す。
一般式(ZI)におけるカチオンの好適な態様としては、後述する化合物(ZI−1)、化合物(ZI−2)、一般式(ZI−3)で表される化合物(化合物(ZI−3))及び一般式(ZI−4)で表される化合物(化合物(ZI−4))における対応する基が挙げられる。
なお、光酸発生剤は、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つと、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つとが、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
まず、化合物(ZI−1)について説明する。
化合物(ZI−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、すなわち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基であり、残りがアルキル基又はシクロアルキル基であってもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、及びアリールジシクロアルキルスルホニウム化合物が挙げられる。
アリールスルホニウム化合物に含まれるアリール基としては、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール残基、フラン残基、チオフェン残基、インドール残基、ベンゾフラン残基、及びベンゾチオフェン残基等が挙げられる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖状アルキル基、炭素数3〜15の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基は、各々独立に、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、又はフェニルチオ基を置換基として有してもよい。
次に、化合物(ZI−2)について説明する。
化合物(ZI−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含む芳香族環も包含する。
201〜R203としての芳香環を有さない有機基は、一般的に炭素数1〜30であり、炭素数1〜20が好ましい。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基であり、より好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、又はアルコキシカルボニルメチル基、更に好ましくは直鎖状又は分岐鎖状の2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基又は炭素数3〜10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、及び、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が挙げられる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、又はニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、化合物(ZI−3)について説明する。
一般式(ZI−3)中、Mは、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、環構造を有するとき、上記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、及び炭素−炭素二重結合の少なくとも1種を含んでいてもよい。R1c及びR2cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。R1cとR2cとが結合して環を形成してもよい。R及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はアルケニル基を表す。R及びRが結合して環を形成してもよい。また、M、R1c及びR2cから選ばれる少なくとも2つが結合して環構造を形成してもよく、上記環構造に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。Zは、アニオンを表す。
一般式(ZI−3)中、Mで表されるアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜15(好ましくは炭素数1〜10)の直鎖状アルキル基、炭素数3〜15(好ましくは炭素数3〜10)の分岐鎖状アルキル基、又は炭素数3〜15(好ましくは炭素数1〜10)のシクロアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、及びシクロヘキシル基、及びノルボルニル基等が挙げられる。
Mで表されるアリール基としては、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。アリール基は、酸素原子又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、及びベンゾチオフェン環等が挙げられる。
上記Mは、更に置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。この態様として、例えば、Mとしてベンジル基などが挙げられる。
なお、Mが環構造を有する場合、上記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、及び、炭素−炭素二重結合の少なくとも1種を含んでいてもよい。
1c及びR2cで表されるアルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基としては、上述したMと同様のものが挙げられ、その好ましい態様も同じである。また、R1cとR2cは、結合して環を形成してもよい。
1c及びR2cで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。
及びRで表されるアルキル基、及びシクロアルキル基としては、上述したMと同様のものが挙げられ、その好ましい態様も同じである。
及びRで表されるアルケニル基としては、アリル基又はビニル基が好ましい。
上記R及びRは、更に置換基(例えば、置換基群T)を有していてもよい。この態様として、例えば、R及びRとして2−オキソアルキル基又はアルコキシカルボニルアルキル基などが挙げられる。
及びRで表される2−オキソアルキル基としては、例えば、炭素数1〜15(好ましくは炭素数1〜10)のものが挙げられ、具体的には、2−オキソプロピル基、及び2−オキソブチル基等が挙げられる。
及びRで表されるアルコキシカルボニルアルキル基としては、例えば、炭素数1〜15(好ましくは炭素数1〜10)のものが挙げられる。また、RとRは、結合して環を形成してもよい。
とRとが互いに連結して形成される環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は、炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
一般式(ZI−3)中、MとR1cとが結合して環構造を形成してもよく、形成される環構造は、炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
上記化合物(ZI−3)は、なかでも、化合物(ZI−3A)であることが好ましい。
化合物(ZI−3A)は、下記一般式(ZI−3A)で表され、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
一般式(ZI−3A)中、
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、シクロアルキルカルボニルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アルキルチオ基又はアリールチオ基を表す。
6c及びR7cとしては、上述した一般式(ZI−3)中のR及びRと同義であり、その好ましい態様も同じである。
及びRとしては、上述した上述した一般式(ZI−3)中のR及びRと同義であり、その好ましい態様も同じである。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、RとRは、各々結合して環構造を形成してもよく、この環構造は、各々独立に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は、炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。また、R5c及びR6c、R5c及びRは、各々結合して環構造を形成してもよく、この環構造は、各々独立に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。また、R6cとR7cは、各々結合して環構造を形成してもよい。
上記環構造としては、芳香族又は非芳香族の炭化水素環、芳香族又は非芳香族の複素環、及びこれらの環が2つ以上組み合わされてなる多環縮合環が挙げられる。環構造としては、3〜10員環が挙げられ、4〜8員環が好ましく、5又は6員環がより好ましい。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、及びペンチレン基等が挙げられる。
5cとR6c、及びR5cとRが結合して形成する基としては、単結合又はアルキレン基が好ましい。アルキレン基としては、メチレン基、及びエチレン基等が挙げられる。
Zcは、アニオンを表す。
次に、化合物(ZI−4)について説明する。
化合物(ZI−4)は、下記一般式(ZI−4)で表される。
一般式(ZI−4)中、
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。
14は、複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。
15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又はナフチル基を表す。これらの基は置換基を有していてもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。一態様において、2つのR15がアルキレン基であり、互いに結合して環構造を形成することが好ましい。
は、アニオンを表す。
一般式(ZI−4)において、R13、R14及びR15のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状である。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、又はt−ブチル基等がより好ましい。
上記化合物(B)は、上記一般式(ZI−3)又は一般式(ZI−4)で表される化合物であることが好ましい。
次に、一般式(ZII)、及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)、及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。R204〜R207のアリール基は、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基の骨格としては、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、及びベンゾチオフェン等が挙げられる。
204〜R207のアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基又は炭素数3〜10の分岐鎖状アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びペンチル基)、又は、炭素数3〜10のシクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びノルボルニル基)が好ましい。
204〜R207のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基は、各々独立に、置換基を有していてもよい。R204〜R207のアリール基、アルキル基、及びシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、及びフェニルチオ基等が挙げられる。
は、アニオンを表す。
一般式(ZI)におけるZ、一般式(ZII)におけるZ、一般式(ZI−3)におけるZ、一般式(ZI−3A)におけるZc、及び一般式(ZI−4)におけるZとしては、下記一般式(3)で表されるアニオンが好ましい。
一般式(3)中、
oは、1〜3の整数を表す。pは、0〜10の整数を表す。qは、0〜10の整数を表す。
Xfは、フッ素原子、又は少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。このアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。また、少なくとも1つのフッ素原子で置換されたアルキル基としては、パーフルオロアルキル基が好ましい。
Xfは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが好ましく、フッ素原子又はCFであることがより好ましい。特に、双方のXfがフッ素原子であることが更に好ましい。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又は少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R及びRが複数存在する場合、R及びRは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
及びRで表されるアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数1〜4が好ましい。R及びRは、好ましくは水素原子である。
少なくとも一つのフッ素原子で置換されたアルキル基の具体例及び好適な態様は一般式(3)中のXfの具体例及び好適な態様と同じである。
Lは、2価の連結基を表す。Lが複数存在する場合、Lは、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
2価の連結基としては、例えば、−COO−(−C(=O)−O−)、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜6)、シクロアルキレン基(好ましくは炭素数3〜15)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜6)及びこれらの複数を組み合わせた2価の連結基等が挙げられる。これらの中でも、−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CO−、−O−、−SO−、−COO−アルキレン基−、−OCO−アルキレン基−、−CONH−アルキレン基−又は−NHCO−アルキレン基−が好ましく、−COO−、−OCO−、−CONH−、−SO−、−COO−アルキレン基−又は−OCO−アルキレン基−がより好ましい。
Wは、環状構造を含む有機基を表す。これらの中でも、環状の有機基であることが好ましい。
環状の有機基としては、例えば、脂環基、アリール基、及び複素環基が挙げられる。
脂環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂環基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環基としては、例えば、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が挙げられる。中でも、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、及びアダマンチル基等の炭素数7以上の嵩高い構造を有する脂環基が好ましい。
アリール基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。このアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基及びアントリル基が挙げられる。
複素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。多環式の方がより酸の拡散を抑制可能である。また、複素環基は、芳香族性を有していてもよいし、芳香族性を有していなくてもよい。芳香族性を有している複素環としては、例えば、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、及びピリジン環が挙げられる。芳香族性を有していない複素環としては、例えば、テトラヒドロピラン環、ラクトン環、スルトン環及びデカヒドロイソキノリン環が挙げられる。ラクトン環及びスルトン環の例としては、前述の樹脂において例示したラクトン構造及びスルトン構造が挙げられる。複素環基における複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、又はデカヒドロイソキノリン環が特に好ましい。
上記環状の有機基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、シクロアルキル基(単環、多環、及び、スピロ環のいずれであってもよく、炭素数3〜20が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、水酸基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基、及びスルホン酸エステル基が挙げられる。なお、環状の有機基を構成する炭素(環形成に寄与する炭素)はカルボニル炭素であってもよい。
一般式(3)で表されるアニオンとしては、SO −CF−CH−OCO−(L)q’−W、SO −CF−CHF−CH−OCO−(L)q’−W、SO −CF−COO−(L)q’−W、SO −CF−CF−CH−CH−(L)q−W、SO −CF−CH(CF)−OCO−(L)q’−Wが好ましい。ここで、L、q及びWは、一般式(3)と同様である。q’は、0〜10の整数を表す。
一態様において、一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI−3)におけるZc、及び一般式(ZI−4)におけるZ-としては、下記の一般式(4)で表されるアニオンも好ましい。
一般式(4)中、
B1及びXB2は、各々独立に、水素原子、又はフッ素原子を有さない1価の有機基を表す。XB1及びXB2は、水素原子であることが好ましい。
B3及びXB4は、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。XB3及びXB4の少なくとも一方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることが好ましく、XB3及びXB4の両方がフッ素原子又はフッ素原子を有する1価の有機基であることがより好ましい。XB3及びXB4の両方が、フッ素原子で置換されたアルキル基であることが更に好ましい。
L、q及びWは、一般式(3)と同様である。
一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI−3)におけるZc、及び一般式(ZI−4)におけるZ-は、ベンゼンスルホン酸アニオンであってもよく、分岐鎖状アルキル基又はシクロアルキル基によって置換されたベンゼンスルホン酸アニオンであることが好ましい。
一般式(ZI)におけるZ-、一般式(ZII)におけるZ-、一般式(ZI−3)におけるZc、及び一般式(ZI−4)におけるZ-としては、下記の一般式(SA1)で表される芳香族スルホン酸アニオンも好ましい。
式(SA1)中、
Arは、アリール基を表し、スルホン酸アニオン及び−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。更に有してもよい置換基としては、フッ素原子及び水酸基等が挙げられる。
nは、0以上の整数を表す。nとしては、1〜4が好ましく、2〜3がより好ましく、3が更に好ましい。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基、エステル基、及び、これらの2種以上の組み合わせからなる基等が挙げられる。
Bは、炭化水素基を表す。
好ましくは、Dは単結合であり、Bは脂肪族炭化水素構造である。Bは、イソプロピル基又はシクロヘキシル基がより好ましい。
一般式(ZI)におけるスルホニウムカチオン、及び一般式(ZII)におけるヨードニウムカチオンの好ましい例を以下に示す。
一般式(ZI)、一般式(ZII)におけるアニオンZ-、一般式(ZI−3)におけるZc、及び一般式(ZI−4)におけるZ-の好ましい例を以下に示す。
上記のカチオン及びアニオンを任意に組みわせて光酸発生剤として使用できる。
光酸発生剤は、芳香環基を全く有さない又は一つしか有さないスルホニウム塩であることが、パターンの断面形状の矩形性の観点から好ましい。
光酸発生剤におけるフッ素原子の数が6以下であることが、パターンの断面形状及び耐イオンインプランテーション性能の観点から好ましい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であってもよく、重合体の一部に組み込まれた形態であってもよい。また、低分子化合物の形態と重合体の一部に組み込まれた形態を併用してもよい。
光酸発生剤は、低分子化合物の形態であることが好ましい。
光酸発生剤が、低分子化合物の形態である場合、分子量は3,000以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,000以下が更に好ましい。
光酸発生剤が、重合体の一部に組み込まれた形態である場合、前述した樹脂(A)の一部に組み込まれてもよく、樹脂(A)とは異なる樹脂に組み込まれてもよい。
光酸発生剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物中、光酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.1〜35質量%が好ましく、0.5〜25質量%がより好ましく、0.5〜20質量%が更に好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
光酸発生剤として、上記一般式(ZI−3)又は(ZI−4)で表される化合物を含有する場合、組成物中に含まれる光酸発生剤の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、1〜35質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
<(C)溶剤>
本発明の組成物は、溶剤を含有する。
組成物を調製する際に使用することができる溶剤としては、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン(好ましくは炭素数4〜10)、環を有してもよいモノケトン化合物(好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル等の有機溶剤を挙げることができる。
これらの溶剤の具体例は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書[0441]〜<0455>に記載のもの、及び、酢酸イソアミル、ブタン酸ブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル、イソ酪酸イソブチル、プロピオン酸ブチル等を挙げることができる。
本発明においては、有機溶剤として構造中に水酸基を含有する溶剤と、水酸基を含有しない溶剤とを混合した混合溶剤を使用してもよい。
水酸基を含有する溶剤、水酸基を含有しない溶剤としては前述の例示化合物が適宜選択可能であるが、水酸基を含有する溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME、別名1−メトキシ−2−プロパノール)、乳酸エチルがより好ましい。また、水酸基を含有しない溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、アルキルアルコキシプロピオネート、環を含有してもよいモノケトン化合物、環状ラクトン、酢酸アルキルなどが好ましく、これらの内でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチルが特に好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルエトキシプロピオネート、2−ヘプタノンが最も好ましい。
水酸基を含有する溶剤と水酸基を含有しない溶剤との混合比(質量)は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。水酸基を含有しない溶剤を50質量%以上含有する混合溶剤が塗布均一性の点で特に好ましい。
溶剤は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含むことが好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶剤、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含有する2種類以上の混合溶剤であることが好ましい。
<酸拡散制御剤(D)>
本発明の組成物は、酸拡散制御剤を含有することが好ましい。酸拡散制御剤は、露光時に光酸発生剤等から発生する酸をトラップし、余分な発生酸による、未露光部における酸分解性樹脂の反応を抑制するクエンチャーとして作用する。例えば、塩基性化合物(DA)、活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)、酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)、又はカチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)等を酸拡散制御剤として使用できる。本発明の組成物においては、公知の酸拡散制御剤を適宜使用できる。例えば、米国特許出願公開2016/0070167A1号明細書の段落[0627]〜[0664]、米国特許出願公開2015/0004544A1号明細書の段落[0095]〜[0187]、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0403]〜[0423]、及び、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0259]〜[0328]に開示された公知の化合物を酸拡散制御剤(D)として好適に使用できる。
塩基性化合物(DA)としては、下記式(A)〜(E)で示される構造を有する化合物が好ましい。
一般式(A)及び(E)中、
200、R201及びR202は、同一でも異なってもよく、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜20)又はアリール基(炭素数6〜20)を表す。R201とR202は、互いに結合して環を形成してもよい。
203、R204、R205及びR206は、同一でも異なってもよく、各々独立に、炭素数1〜20のアルキル基を表す。
一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、置換基を有していても無置換であってもよい。
上記アルキル基について、置換基を有するアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基、又は炭素数1〜20のシアノアルキル基が好ましい。
一般式(A)及び(E)中のアルキル基は、無置換であることがより好ましい。
塩基性化合物(DA)としては、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、又はピペリジン等が好ましく、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造若しくはピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/若しくはエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、又は、水酸基及び/若しくはエーテル結合を有するアニリン誘導体等がより好ましい。
活性光線又は放射線の照射により塩基性が低下又は消失する塩基性化合物(DB)(以下、「化合物(DB)」ともいう。)は、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解して、プロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化する化合物である。
プロトンアクセプター性官能基とは、プロトンと静電的に相互作用し得る基又は電子を有する官能基であって、例えば、環状ポリエーテル等のマクロサイクリック構造を有する官能基、又は、π共役に寄与しない非共有電子対をもった窒素原子を有する官能基を意味する。π共役に寄与しない非共有電子対を有する窒素原子とは、例えば、下記式に示す部分構造を有する窒素原子である。
プロトンアクセプター性官能基の好ましい部分構造として、例えば、クラウンエーテル構造、アザクラウンエーテル構造、1〜3級アミン構造、ピリジン構造、イミダゾール構造、及びピラジン構造等が挙げられる。
化合物(DB)は、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下若しくは消失し、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する。ここでプロトンアクセプター性の低下若しくは消失、又はプロトンアクセプター性から酸性への変化とは、プロトンアクセプター性官能基にプロトンが付加することに起因するプロトンアクセプター性の変化であり、具体的には、プロトンアクセプター性官能基を有する化合物(DB)とプロトンとからプロトン付加体が生成するとき、その化学平衡における平衡定数が減少することを意味する。
プロトンアクセプター性は、pH測定を行うことによって確認することができる。
活性光線又は放射線の照射により化合物(DB)が分解して発生する化合物の酸解離定数pKaは、pKa<−1を満たすことが好ましく、−13<pKa<−1を満たすことがより好ましく、−13<pKa<−3を満たすことが更に好ましい。
酸解離定数pKaとは、水溶液中での酸解離定数pKaのことを表し、例えば、化学便覧(II)(改訂4版、1993年、日本化学会編、丸善株式会社)に定義される。酸解離定数pKaの値が低いほど酸強度が大きいことを示す。水溶液中での酸解離定数pKaは、具体的には、無限希釈水溶液を用い、25℃での酸解離定数を測定することにより実測できる。あるいは、下記ソフトウェアパッケージ1を用いて、ハメットの置換基定数及び公知文献値のデータベースに基づいた値を、計算により求めることもできる。本明細書中に記載したpKaの値は、全て、このソフトウェアパッケージを用いて計算により求めた値を示す。
ソフトウェアパッケージ1: Advanced Chemistry Development (ACD/Labs) Software V8.14 for Solaris (1994−2007 ACD/Labs)。
本発明の組成物では、光酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)を酸拡散制御剤として使用できる。
光酸発生剤と、光酸発生剤から生じた酸に対して相対的に弱酸である酸を発生するオニウム塩とを混合して用いた場合、活性光線性又は放射線の照射により光酸発生剤から生じた酸が未反応の弱酸アニオンを有するオニウム塩と衝突すると、塩交換により弱酸を放出して強酸アニオンを有するオニウム塩を生じる。この過程で強酸がより触媒能の低い弱酸に交換されるため、見かけ上、酸が失活して酸拡散の制御を行うことができる。
光酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩としては、下記一般式(d1−1)〜(d1−3)で表される化合物が好ましい。
式中、R51は置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Z2cは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(但し、Sに隣接する炭素にはフッ素原子は置換されていないものとする)であり、R52は有機基であり、Yは直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基であり、Rfはフッ素原子を含む炭化水素基であり、Mは各々独立に、アンモニウムカチオン、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンである。
として表されるスルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンの好ましい例としては、一般式(ZI)で例示したスルホニウムカチオン及び一般式(ZII)で例示したヨードニウムカチオンが挙げられる。
光酸発生剤に対して相対的に弱酸となるオニウム塩(DC)は、カチオン部位とアニオン部位を同一分子内に有し、かつ、カチオン部位とアニオン部位が共有結合により連結している化合物(以下、「化合物(DCA)」ともいう。)であってもよい。
化合物(DCA)としては、下記一般式(C−1)〜(C−3)のいずれかで表される化合物が好ましい。
一般式(C−1)〜(C−3)中、
、R、及びRは、各々独立に炭素数1以上の置換基を表す。
は、カチオン部位とアニオン部位とを連結する2価の連結基又は単結合を表す。
−Xは、−COO、−SO 、−SO 、及び−N−Rから選択されるアニオン部位を表す。Rは、隣接するN原子との連結部位に、カルボニル基(−C(=O)−)、スルホニル基(−S(=O)−)、及びスルフィニル基(−S(=O)−)のうち少なくとも1つを有する1価の置換基を表す。
、R、R、R、及びLは、互いに結合して環構造を形成してもよい。また、一般式(C−3)において、R〜Rのうち2つを合わせて1つの2価の置換基を表し、N原子と2重結合により結合していてもよい。
〜Rにおける炭素数1以上の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、及びアリールアミノカルボニル基等が挙げられる。好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基である。
2価の連結基としてのLは、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、及びこれらの2種以上を組み合わせてなる基等が挙げられる。Lは、好ましくは、アルキレン基、アリーレン基、エーテル結合、エステル結合、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる基である。
窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(DD)(以下、「化合物(DD)」ともいう。)は、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体であることが好ましい。
酸の作用により脱離する基としては、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、又はヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、又はヘミアミナールエーテル基がより好ましい。
化合物(DD)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が更に好ましい。
化合物(DD)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有してもよい。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表される。
一般式(d−1)において、
Rbは、各々独立に、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30)、アリール基(好ましくは炭素数3〜30)、アラルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、又はアルコキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。Rbは相互に結合して環を形成していてもよい。
Rbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立にヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
Rbとしては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基が好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又はシクロアルキル基がより好ましい。
2つのRbが相互に連結して形成する環としては、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環式炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。
一般式(d−1)で表される基の具体的な構造としては、米国特許公報US2012/0135348A1号明細書の段落[0466]に開示された構造が挙げられるが、これに限定されない。
化合物(DD)は、下記一般式(6)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(6)において、
lは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、l+m=3を満たす。
Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。lが2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に連結して式中の窒素原子と共に複素環を形成していてもよい。この複素環には式中の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。
Rbは、上記一般式(d−1)におけるRbと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(6)において、Raとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、各々独立にRbとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基が置換されていてもよい基として前述した基と同様な基で置換されていてもよい。
上記Raのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらの基は、上記基で置換されていてもよい)の具体例としては、Rbについて前述した具体例と同様な基が挙げられる。
好ましい一態様として、一般式(6)において、lが2でmが1であり、かつ2つのRaは相互に連結して式中の窒素原子と共に複素環を形成する。
本発明における特に好ましい化合物(DD)の具体例としては、米国特許出願公開2012/0135348A1号明細書の段落[0475]に開示された化合物が挙げられるが、これに限定されない。
カチオン部に窒素原子を有するオニウム塩化合物(DE)(以下、「化合物(DE)」ともいう。)は、カチオン部に窒素原子を含む塩基性部位を有する化合物であることが好ましい。塩基性部位は、アミノ基であることが好ましく、脂肪族アミノ基であることがより好ましい。塩基性部位中の窒素原子に隣接する原子の全てが、水素原子又は炭素原子であることが更に好ましい。また、塩基性向上の観点から、窒素原子に対して、電子求引性の官能基(カルボニル基、スルホニル基、シアノ基、及びハロゲン原子等)が直結していないことが好ましい。
化合物(DE)の好ましい具体例としては、米国特許出願公開2015/0309408A1号明細書の段落[0203]に開示された化合物が挙げられるが、これに限定されない。
酸拡散制御剤の好ましい例を以下に示す。
本発明の組成物において、酸拡散制御剤(D)は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸拡散制御剤の本発明の組成物中の含有量(複数種存在する場合はその合計)は、組成物の全固形分を基準として、0.05〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
<疎水性樹脂(E)>
本発明の組成物は、疎水性樹脂を含有していてもよい。なお、疎水性樹脂は、樹脂(A)とは異なる樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂は、レジスト膜の表面に偏在するように設計されることが好ましいが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくてもよい。
疎水性樹脂は、膜表層への偏在化の観点から、“フッ素原子”、“ケイ素原子”、及び “樹脂の側鎖部分に含有されたCH部分構造”からなる群から選択される少なくとも1種を有する繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂が、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含む場合、疎水性樹脂における上記フッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含む場合、フッ素原子を有する部分構造として、フッ素原子を有するアルキル基、フッ素原子を有するシクロアルキル基、又はフッ素原子を有するアリール基を有する樹脂であることが好ましい。
疎水性樹脂は、下記(x)〜(z)の群から選ばれる基を少なくとも1つを有することが好ましい。
(x)酸基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(以下、極性変換基ともいう)
(z)酸の作用により分解する基
酸基(x)としては、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
酸基としては、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホンイミド基、又はビス(アルキルカルボニル)メチレン基が好ましい。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(y)としては、例えば、ラクトン基、カルボン酸エステル基(−COO−)、酸無水物基(−C(O)OC(O)−)、酸イミド基(−NHCONH−)、カルボン酸チオエステル基(−COS−)、炭酸エステル基(−OC(O)O−)、硫酸エステル基(−OSOO−)、及びスルホン酸エステル基(−SOO−)等が挙げられ、ラクトン基又はカルボン酸エステル基(−COO−)が好ましい。
これらの基を含んだ繰り返し単位としては、例えば、樹脂の主鎖にこれらの基が直接結合している繰り返し単位であり、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等が挙げられる。この繰り返し単位は、これらの基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合していてもよい。又は、この繰り返し単位は、これらの基を有する重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位としては、例えば、先に樹脂(A)の項で説明したラクトン構造を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する基(y)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、1〜100モル%が好ましく、3〜98モル%がより好ましく、5〜95モル%が更に好ましい。
疎水性樹脂(E)における、酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、樹脂(A)で挙げた酸分解性基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位は、フッ素原子及びケイ素原子の少なくともいずれかを有していてもよい。酸の作用により分解する基(z)を有する繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、1〜80モル%が好ましく、10〜80モル%がより好ましく、20〜60モル%が更に好ましい。
疎水性樹脂(E)は、更に、上述した繰り返し単位とは別の繰り返し単位を有していてもよい。
フッ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、10〜100モル%が好ましく、30〜100モル%がより好ましい。また、ケイ素原子を含む繰り返し単位は、疎水性樹脂(E)中の全繰り返し単位に対して、10〜100モル%が好ましく、20〜100モル%がより好ましい。
一方、特に疎水性樹脂(E)が側鎖部分にCH部分構造を含む場合においては、疎水性樹脂(E)が、フッ素原子及びケイ素原子を実質的に含まない形態も好ましい。また、疎水性樹脂(E)は、炭素原子、酸素原子、水素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる原子のみによって構成された繰り返し単位のみで実質的に構成されることが好ましい。
疎水性樹脂(E)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000〜100,000が好ましく、1,000〜50,000がより好ましい。
疎水性樹脂(E)に含まれる残存モノマー及び/又はオリゴマー成分の合計含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。また、分散度(Mw/Mn)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3の範囲である。
疎水性樹脂(E)としては、公知の樹脂を、単独又はそれらの混合物として適宜に選択して使用することができる。例えば、米国特許出願公開2015/0168830A1号明細書の段落[0451]〜[0704]、及び、米国特許出願公開2016/0274458A1号明細書の段落[0340]〜[0356]に開示された公知の樹脂を疎水性樹脂(E)として好適に使用できる。また、米国特許出願公開2016/0237190A1号明細書の段落[0177]〜[0258]に開示された繰り返し単位も、疎水性樹脂(E)を構成する繰り返し単位として好ましい。
疎水性樹脂(E)を構成する繰り返し単位に相当するモノマーの好ましい例を以下に示す。
疎水性樹脂(E)は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
表面エネルギーが異なる2種以上の疎水性樹脂(E)を混合して使用することが、液浸露光における液浸液追随性と現像特性の両立の観点から好ましい。
疎水性樹脂(E)の組成物中の含有量は、本発明の組成物中の全固形分に対し、0.01〜10質量%が好ましく、0.05〜8質量%がより好ましい。
<架橋剤(G)>
本発明の組成物は、酸の作用により樹脂を架橋する化合物(以下、架橋剤(G)ともいう)を含有してもよい。架橋剤(G)としては、公知の化合物を適宜に使用することができる。例えば、米国特許出願公開2016/0147154A1号明細書の段落[0379]〜[0431]、及び、米国特許出願公開2016/0282720A1号明細書の段落[0064]〜[0141]に開示された公知の化合物を架橋剤(G)として好適に使用できる。
架橋剤(G)は、樹脂を架橋しうる架橋性基を有している化合物であり、架橋性基としては、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、アシルオキシメチル基、アルコキシメチルエーテル基、オキシラン環、及びオキセタン環等が挙げられる。
架橋性基は、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、オキシラン環又はオキセタン環であることが好ましい。
架橋剤(G)は、架橋性基を2個以上有する化合物(樹脂も含む)であることが好ましい。
架橋剤(G)は、ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を有する、フェノール誘導体、ウレア系化合物(ウレア構造を有する化合物)又はメラミン系化合物(メラミン構造を有する化合物)であることがより好ましい。
架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋剤(G)の含有量は、本発明の組成物の全固形分に対して、1〜50質量%が好ましく、3〜40質量%が好ましく、5〜30質量%が更に好ましい。
本発明の組成物は、架橋剤(G)を含有していても良く、含有していなくても良い。一態様として、架橋剤(G)を含有しないことが好ましい。
<界面活性剤(H)>
本発明の組成物は、界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤を含有する場合、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(具体的には、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、又はフッ素原子とケイ素原子との両方を有する界面活性剤)が好ましい。
本発明の組成物が界面活性剤を含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源を使用した場合に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないパターンを得ることができる。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤として、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0276]に記載の界面活性剤が挙げられる。
また、米国特許出願公開第2008/0248425号明細書の段落[0280]に記載の、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。
これらの界面活性剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物が界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の含有量は、組成物の全固形分に対して、0.0001〜2質量%が好ましく、0.0005〜1質量%がより好ましい。
一方、界面活性剤の含有量が、組成物の全固形分に対して10ppm(parts per million)以上とすることにより、疎水性樹脂(E)の表面偏在性が上がる。それにより、感活性光線性又は感放射線性膜の表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性が向上する。
<その他添加剤>
本発明の組成物は、カルボン酸オニウム塩を含有してもしなくてもよい。このようなカルボン酸オニウム塩は、米国特許出願公開2008/0187860号明細書<0605>〜<0606>に記載のものを挙げることができる。
これらのカルボン酸オニウム塩は、スルホニウムヒドロキシド、ヨードニウムヒドロキシド、アンモニウムヒドロキシドとカルボン酸とを、適当な溶剤中酸化銀と反応させることによって合成できる。
本発明の組成物がカルボン酸オニウム塩を含有する場合、その含有量は、組成物の全固形分に対し、一般的には0.1〜20質量%、好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
本発明の組成物には、必要に応じて更に、酸増殖剤、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻止剤及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物(例えば、分子量1000以下のフェノール化合物、カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物)等を含有させることができる。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4,916,210、欧州特許第219294等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<用途>
本発明のパターン形成方法に用いられる本発明の組成物は、活性光線又は放射線の照射により反応して性質が変化する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。更に詳しくは、本発明の組成物は、IC(Integrated Circuit)等の半導体製造工程、液晶若しくはサーマルヘッド等の回路基板の製造、インプリント用モールド構造体の作製、その他のフォトファブリケーション工程、又は平版印刷版、若しくは酸硬化性組成物の製造に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物に関する。本発明のパターン形成方法により形成されるパターンは、エッチング工程、イオンインプランテーション工程、バンプ電極形成工程、再配線形成工程、及びMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等において使用できる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を形成するため組成物であり、感活性光線性又は感放射線性膜の膜厚は、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更に好ましい。
また、感活性光線性又は感放射線性膜の膜厚は、通常、15μm以下である。
本発明の組成物の固形分濃度は、通常10質量%以上であり、好ましくは15質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。
本発明の組成物の固形分濃度は、組成物の塗布性確保の観点から、通常を50質量%以下であり、好ましくは45質量%以下である。
本発明の組成物の固形分濃度は、好ましくは10〜50質量%であり、より好ましくは15〜45質量%、更に好ましくは15〜40質量%である。
固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の質量の質量百分率である。
本発明の組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは上記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、所定の基板上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは一般的には1.0μm以下、好ましくは100nm以下、より好ましくは10nm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば特開2002−62667号公報のように、循環的な濾過を行ったり、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ったりしてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
上述の通り、本発明のパターン形成方法は、
(i)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜(以下、単に膜とも言う)を形成(製膜)する工程、
(ii)上記感活性光線性又は感放射線性膜にKrF光を照射する工程(露光工程)、及び
(iii)上記KrF光が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成する工程(現像工程)を有するパターン形成方法であって、
上記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、(A)芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(C)溶剤を含有し、
上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(A)中の全繰り返し単位に対して15モル%以上である、パターン形成方法である。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程の後に、(iv)加熱工程を含むことが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(ii)露光工程を、複数回含んでいてもよい。
(ii)露光工程を、複数回含むものとして、多重露光が挙げられる。
多重露光とは、KrF光を用いて上記感活性光線性又は感放射線性膜の複数の焦点深度部を露光し、これら焦点深度部が、それぞれ上記感活性光線性又は感放射線性膜内の異なる領域にわたることをさす。
多重露光は、膜厚方向に複数の焦点深度部を露光することが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、(iv)加熱工程を、複数回含んでいてもよい。
本発明のパターン形成方法において、本発明の組成物を用いて膜を基板上に形成する工程、膜を露光する工程、及び現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
本発明において膜を形成する基板は特に限定されるものではなく、シリコン、SiN、SiO2やSiN等の無機基板、SOG等の塗布系無機基板等、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造工程、更にはその他のフォトファブリケーションのリソグラフィー工程で一般的に用いられる基板を用いることができる。更に、必要に応じて、レジスト膜と基板の間に反射防止膜を形成させてもよい。反射防止膜としては、公知の有機系、無機系の反射防止膜を適宜用いることができる。
上記の通り、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物によって得られる膜の膜厚は1μm以上であり、2μm以上であることがより好ましく、3μm以上であることが更に好ましい。
また、膜の膜厚は、通常、15μm以下である。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜160℃で行うことが好ましく、80〜150℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行ってもよい。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
本発明における露光装置に用いられる光源波長は、200〜300nmである。よって、光源としては、KrFエキシマレーザー(248nm)である。
本発明の組成物を用いて形成された膜を現像する工程において使用する現像液は有機溶剤を含む現像液(以下、有機系現像液とも言う)を用いる。
有機系現像液としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができ、これらの具体例としては特開2013−218223号公報の段落<0507>に記載された溶剤、及び酢酸イソアミル、ブタン酸ブチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチルなどを挙げることができる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウエハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウエハ面内の寸法均一性が良化する。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
有機系現像液は、塩基性化合物を含んでいてもよい。本発明で用いられる有機系現像液が含みうる塩基性化合物の具体例及び好ましい例としては、酸拡散制御剤(D)として前述した、組成物が含みうる塩基性化合物におけるものと同様である。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜及びレジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶剤に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後には、リンス液を用いて洗浄する工程を含むことが好ましい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、及び炭化水素系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、特に好ましくは、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、最も好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。
ここで、リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
リンス工程で用いられる炭化水素系溶剤としては、炭素数6〜30の炭化水素化合物が好ましく、炭素数8〜30の炭化水素化合物がより好ましく、炭素数7〜30の炭化水素化合物が更に好ましく、炭素数10〜30の炭化水素化合物が特に好ましい。中でも、デカン及び/又はウンデカンを含むリンス液を用いることにより、パターン倒れが抑制される。
各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウエハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウエハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、有機溶剤を含む現像液を用いる現像を行ったウエハを上記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
本発明のパターン形成方法においては、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(有機溶剤現像工程)に加えて、アルカリ水溶液を用いて現像を行う工程(アルカリ現像工程)を組み合わせて使用してもよい。これにより、より微細なパターンを形成することができる。
本発明において、有機溶剤現像工程によって露光強度の弱い部分が除去されるが、更にアルカリ現像工程を行うことによって露光強度の強い部分も除去される。このように現像を複数回行う多重現像プロセスにより、中間的な露光強度の領域のみを溶解させずにパターン形成が行えるので、通常より微細なパターンを形成できる(特開2008−292975号公報 <0077>と同様のメカニズム)。
本発明のパターン形成方法においては、アルカリ現像工程及び有機溶剤現像工程の順序は特に限定されないが、アルカリ現像を、有機溶剤現像工程の前に行うことがより好ましい。
アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、エチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリアミルアンモニウムヒドロキシド、ジブチルジペンチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。アルカリ現像液のアルカリ濃度及びpHは、適宜調製して用いることができる。アルカリ現像液は、界面活性剤や有機溶剤を添加して用いてもよい。
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及び、本発明のパターン形成方法において使用される各種材料(例えば、レジスト溶剤、現像液、リンス液、反射防止膜形成用組成物、トップコート形成用組成物など)は、金属等の不純物を含まないことが好ましい。これら材料に含まれる不純物の含有量としては、1ppm以下が好ましく、10ppb以下がより好ましく、100ppt以下が更に好ましく、10ppt以下が特に好ましく、実質的に含まないこと(測定装置の検出限界以下であること)が最も好ましい。
上記各種材料から金属等の不純物を除去する方法としては、例えば、フィルターを用いた濾過を挙げることができる。フィルター孔径としては、ポアサイズ10nm以下が好ましく、5nm以下がより好ましく、3nm以下が更に好ましい。フィルターの材質としては、ポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のフィルターが好ましい。フィルターは、これらの材質とイオン交換メディアを組み合わせた複合材料であってもよい。フィルターは、有機溶剤であらかじめ洗浄したものを用いてもよい。フィルター濾過工程では、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して用いてもよい。複数種類のフィルターを使用する場合は、孔径及び/又は材質が異なるフィルターを組み合わせて使用しても良い。また、各種材料を複数回濾過してもよく、複数回濾過する工程が循環濾過工程であっても良い。
また、上記各種材料に含まれる金属等の不純物を低減する方法としては、各種材料を構成する原料として金属含有量が少ない原料を選択する、各種材料を構成する原料に対してフィルター濾過を行う、装置内をテフロン(登録商標)でライニングする等してコンタミネーションを可能な限り抑制した条件下で蒸留を行う等の方法を挙げることができる。各種材料を構成する原料に対して行うフィルター濾過における好ましい条件は、上記した条件と同様である。
フィルター濾過の他、吸着材による不純物の除去を行っても良く、フィルター濾過と吸着材を組み合わせて使用しても良い。吸着材としては、公知の吸着材を用いることができ、例えば、シリカゲル、ゼオライトなどの無機系吸着材、活性炭などの有機系吸着材を使用することができる。
本発明の方法により形成されるパターンに対して、パターンの表面荒れを改善する方法を適用しても良い。パターンの表面荒れを改善する方法としては、例えば、国際公開パンフレット2014/002808号に開示された水素を含有するガスのプラズマによってレジストパターンを処理する方法が挙げられる。その他にも、特開2004−235468、US公開特許公報2010/0020297号、特開2009−19969、Proc. of SPIE Vol.8328 83280N−1”EUV Resist Curing Technique for LWR Reduction and Etch Selectivity Enhancement”に記載されているような公知の方法を適用してもよい。
本発明のパターン形成方法は、DSA(Directed Self−Assembly)におけるガイドパターン形成(例えば、ACS Nano Vol.4 No.8 Page4815−4823参照)にも用いることができる。
また、上記の方法によって形成されたレジストパターンは、例えば特開平3−270227及び特開2013−164509に開示されたスペーサープロセスの芯材(コア)として使用できる。
本発明は、本発明のパターン形成方法により得られたパターンをマスクとして、イオンを注入する工程を含む、イオン注入方法(本発明のイオン注入方法ともいう)にも関する。
本発明のパターン形成方法によりパターンを形成した後、該パターンをマスクとして、イオンインプランテーションを行うものである。
イオンインプランテーション方法自体は、公知であり、目的とする物質をイオン化し、静電気的に加速して固体中(基板上の薄膜)に注入するものである。このイオン注入時のイオン加速エネルギー等の条件については、公知のものをそのまま採用できる。イオン源としては、ホウ素、りん、砒素、アルゴンなどのイオンが挙げられる。基板上の薄膜としては、ケイ素、ニ酸化ケイ素、チッカ珪素、アルミニウムなどが挙げられる。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法又は本発明のイオン注入方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の調製>
下表1に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについてのレジスト溶液を調製し、これを1.0μmのポアサイズを有するUPE (ultra high molecular weight polyethylene)フィルターで濾過した。これにより、表1に記載の固形分濃度の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物(レジスト組成物)を調製した。
上記表1における成分及び略号は、次のとおりである。
樹脂の構造、組成比(モル比)、重量平均分子量(Mw)、及び分散度(Mw/Mn)を以下に示す。

光酸発生剤の構造は下記のとおりである。なお、Buは、n−ブチル基を表す。
酸拡散制御剤の構造は下記のとおりである。
C−1: トリオクチルアミン

界面活性剤の構造は下記のとおりである。

G−2: トロイゾルS366(シリコン系界面活性剤, トロイケミカル(株)製)
G−3: メガファック−R4(フッ素素系界面活性剤, DIC(株)製)
溶剤については以下のとおりである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
EL:乳酸エチル
実施例1〜36、及び比較例1〜2
(パターン形成)
東京エレクトロン製スピンコーター「ACT−8」を用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施した8インチのSi基板(Advanced Materials Technology社製(以下、「Si基板」又は「基板」ともいう。))上に、反射防止層を設けることなく、上記で調製したレジスト組成物を基板が静止した状態で滴下した。滴下した後、基板を回転し、その回転数を、3秒間500rpmで維持し、その後2秒間100rpmで維持し、更に3秒間500rpmで維持し、再び2秒間100rpmで維持した後、膜厚設定回転数(表2に記載の膜厚となるような回転数)に上げて60秒間維持した。その後、ホットプレート上で150℃で60秒間ベーク(PreBake;PB)を行い、表2に示す膜厚(μm)膜厚を有する感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成した。
レジスト膜が形成されたウエハを、KrFエキシマレーザースキャナー(ASML製、PAS5500/850C,波長248nm、NA0.55)を用い、露光マスクを介して、パターン露光を行った。その後、115℃で60秒間ベーク(Post Exposure Bake;PEB)した後、下表2に記載の有機系現像液で60秒間現像し、4−メチル−2−ペンタノールでリンスした後、スピン乾燥した。これにより、スペース400nm、ピッチ3000nmの孤立スペースパターンを得た。
下表2において、nBAは、n−酢酸ブチルを表し、MAKは、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)を表す。
1インチは25.4ミリメートルである。
<評価>
(孤立スペースパターンの断面形状)
縮小投影露光後のスペースパターンが400nm、ピッチが3000nmとなるような、ラインアンドスペースパターンを有するマスクを介して露光し、形成されるスペースパターンが、パターンの高さ(表2に記載の膜厚)を100%としたときの10%位置でのスペース幅が400nmとなるような露光量を最適露光量とし、この最適露光量を感度(mJ/cm)とした。スペースパターン幅の測定は走査型電子顕微鏡(SEM)(日立社製9380II)を用いた。
上記感度において形成した孤立スペースパターンを有するウエハ(Wafer)を割断し、割断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。断面の孤立スペースパターンにおける膜厚方向でのパターンの高さ(表2に記載の膜厚)を100%としたときの90%、10%位置でのスペース幅をそれぞれ、CD(Top)、CD(bottom)とし、CD(Top)とCD(bottom)との差((CD(Top))−(CD(bottom)))の絶対値をCD−Bias(nm)とした。CD−Biasの値が小さいほど、孤立スペースパターンは矩形である。また、CD−Biasの値が以下の式を満たすものは、実用上の許容範囲である。
(耐イオンインプランテーション性能評価)
東京エレクトロン製スピンコーター「ACT−8」を用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施した8インチのSi基板(Advanced Materials Technology社製(以下、「基板」ともいう。))上に、反射防止層を設けることなく、上記で調製したレジスト組成物を基板が静止した状態で滴下した。滴下した後、基板を回転し、その回転数を、3秒間500rpmで維持し、その後2秒間100rpmで維持し、更に3秒間500rpmで維持し、再び2秒間100rpmで維持した後、膜厚設定回転数(表2に記載の膜厚となるような回転数)に上げて60秒間維持した。その後、ホットプレート上で150℃にて90秒間加熱乾燥を行い、表2に示す膜厚(μm)のレジスト膜を形成した。
上記手順により、基板と、基板上に形成されたレジスト膜のべた膜とを有するレジスト膜付きウェハを得た。このレジスト膜付きウェハを、露光及び現像処理をせずに、評価用ウェハとして用いた。
次いで、評価用ウェハに対してイオン注入を実施し、基板へのイオン漏れを評価した。
具体的には、イオン注入法により、リンを、ドーズ量2×1013cm−2、エネルギー80KeVの条件で注入した後、上記マスクを剥離除去した。この後、基板に対するリンの注入量をダイナミックSIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析により定量化した。なお、実施例及び比較例の各値は、比較例1の値を1(基準)として規格化して示した。
この値が小さい方が、Si基板へのイオン漏れが少なく、レジストパターンをマスクとしてイオン注入した場合には、マスクの下部領域に位置する基板へのイオン漏れが抑制されて、耐イオンインプランテーション性能が優れることを意味する。
(多重露光でのパターン形成)
露光時に、露光におけるフォーカス位置を2か所の最適フォーカス位置に変更して、これらの最適フォーカス位置にて2回の露光を行った以外は、実施例33、34と同様にパターン形成したものを実施例35、36とした。
実施例1〜32において、上記と同様の2回露光を行ったものも同様に良好な断面形状が得られた。
以上の結果より、本発明のパターン形成方法を用いた実施例1〜36は、上記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量が、上記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して15モル%未満となる比較例1と比較して、レジストパターンの断面形状における矩形性が優れるとともに、耐イオンインプランテーション性能にも優れることが分かった。

Claims (13)

  1. (i)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて膜厚が1μm以上の感活性光線性又は感放射線性膜を形成する工程、
    (ii)前記感活性光線性又は感放射線性膜にKrF光を照射する工程、及び
    (iii)前記KrF光が照射された感活性光線性又は感放射線性膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成する工程を有するパターン形成方法であって、
    前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が、(A)芳香族基を有する繰り返し単位と、酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位とを有する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物、及び(C)溶剤を含有し、
    前記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して15モル%以上である、パターン形成方法。
  2. 前記工程(ii)を複数回行う、請求項1記載のパターン形成方法。
  3. 前記芳香族基を有する繰り返し単位の含有量は、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して15〜60モル%である、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位の含有量は、前記樹脂(A)の全繰り返し単位に対して25〜50モル%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位が、炭素数5〜20の脂環式炭化水素基を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記酸の作用により分解して極性基を生じる基を有する繰り返し単位が酸の作用により発生する極性基を有する繰り返し単位が、(メタ)アクリル酸に対応する繰り返し単位である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  7. 前記化合物(B)が、下記一般式(ZI−3)又は一般式(ZI−4)で表される化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

    一般式(ZI−3)中、
    Mは、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、環構造を有するとき、上記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、及び炭素−炭素二重結合の少なくとも1種を含んでいてもよい。
    1c及びR2cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。R1cとR2cとが結合して環を形成してもよい。
    及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、又はアルケニル基を表す。R及びRが結合して環を形成してもよい。また、M、R1c及びR2cから選ばれる少なくとも2つが結合して環構造を形成してもよく、上記環構造に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
    は、アニオンを表す。

    一般式(ZI−4)中、
    lは0〜2の整数を表す。
    rは0〜8の整数を表す。
    13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
    14は、複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、又は単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基を表す。
    15は、各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又はナフチル基を表す。2つのR15が互いに結合して環を形成してもよい。2つのR15が互いに結合して環を形成するとき、環骨格内に、酸素原子、又は窒素原子等のヘテロ原子を含んでもよい。
    は、アニオンを表す。
  8. 前記化合物(B)におけるフッ素原子の数が6以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  9. 前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が酸拡散制御剤を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  10. 前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が架橋剤を含まない、請求項1〜9のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  11. 前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分濃度が15質量%以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターン形成方法により得られたパターンをマスクとして、イオンを注入する工程を含む、イオン注入方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のパターン形成方法又は請求項12に記載のイオン注入方法を含む、電子デバイスの製造方法。
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