JP2020173261A - シート状センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】センサの設置作業性を向上するとともに、コンクリートなどの充填物の充填状況を確実に検知できるようにする。【解決手段】可撓性を有するシート状に形成されたシート部材Sと、前記シート部材Sに配置された、充填物の充填状況を検知するセンサとを有し、前記センサは、2つの電極25、25が前記シート部材Sの一方側面に所定の離隔幅で対向配置された抵抗式センサ24を含む。前記抵抗式センサ24の2つの電極25、25間に、空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を有する抵抗体28が形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、山岳トンネルの構築に当たって覆工コンクリート又はモルタルなどの充填物の充填状況を確実に検知できるようにしたコンクリートの充填検知などに用いられるシート状センサに関する。
例えば、NATM工法に代表される山岳トンネル工事では、発破などによる掘進後、掘削されたトンネル内壁面に吹付けによって吹付けコンクリートを施工し、ロックボルトを打ち込んだ後、セントル(覆工コンクリート用移動型枠)をトンネル方向に順次移動させながら、トンネル方向に1スパン毎、前記吹付けコンクリートの内周面に沿って防水シートを張設した状態(この面が地山側壁面となる。)で、この地山側壁面との間に距離を空けて周方向に沿って前記セントルの型枠を設置し、地山側壁面と型枠との間の空間内に覆工用コンクリートを打設している。
前記覆工コンクリートの打設に当たっては、地山側壁面と型枠との間の空間内に覆工用コンクリートが密実に充填できたかどうかの管理のために、トンネルの天端部位にコンクリートの充填状況を確認するためのセンサが配置される。
前記コンクリート充填検知センサとしては、従来より種々のものが開発されている。例えば、下記特許文献1には、間隔を保持して対向した第1電極と第2電極とからなる対電極を、コンクリートの打ち上がり方向に複数個配置した集合電極と、前記各対電極の前記第1電極と前記第2電極の間に電圧を印加して該第1電極と該第2電極の間のインピーダンスを測定し、該インピーダンスの測定結果に応じて該第1電極と該第2電極の間にコンクリートが存在するか否かを判別するコンクリート有無判別手段と、該コンクリート有無判別手段により前記第1電極と前記第2電極の間にコンクリートが存在すると判別された前記対電極の個数と、前記対電極の配置間隔とを用いて、コンクリートの打ち上がり高さを算出する高さ算出手段とを備えたコンクリートレベルセンサが開示されている。
また、下記特許文献2には、交流電圧が印加される少なくとも二つの棒状電極と、当該棒状電極を略平行に支持する支持部とを備えたセメント組成物センサが開示されている。
更に、下記特許文献3には、 電気エネルギを機械エネルギに変換するセンサ素子(圧電素子)を有する検出手段と、所定の範囲で周波数が時間的に変化する正弦波の電気信号を繰り返し発生させて加振用信号を生成する加振用信号生成手段と、前記検出手段に前記加振用信号が印加されたときの該検出手段の周波数特性を反映した受信信号を出力する周波数特性反映信号出力手段と、前記周波数特性反映信号出力手段からの受信信号と前記加振用信号生成手段からの加振用信号とを乗算する乗算手段とを具備し、前記検出手段は、並列接続された固有振動数の異なる複数のセンサ素子を有する充填物検知装置が開示されている。
前記特許文献1,2に係るセンサは、電極間の抵抗を測定することによりコンクリートの充填を検出するものであり、前記特許文献3に係るセンサは、圧電素子が充填物と接触することにより出力周波数の特性が変化することによってコンクリートの充填を検出するものである。
特開2000−146673号公報 特開平9−228639号公報 特開2003−194615号公報
上記特許文献1〜3記載のセンサは、いずれも小片状のセンサであり、設置点におけるコンクリート充填具合を検出するものである。
山岳トンネルの場合は、掘削方法が発破工法であっても、自由断面掘削機,トンネルボーリングマシンなどを用いた機械掘削であっても、掘削した壁面にはかなりの凹凸(不陸)が生じている。
しかしながら、上記特許文献1〜3に係る小片状のセンサは、トンネル天端位置にトンネル長手方向に間隔を空けて2〜3箇所配置されるだけであり、ポイントでの計測となることから、トンネル天端部全体への充填を確認することが難しかった。仮に前記小片状のセンサが地山側壁面の凹凸の内、内空側への凸部分に設置された場合には、センサがコンクリートと接触することにより充填検知の信号を出力したとしても、窪んだ凹部への充填が確認されておらず、窪んだ部分にコンクリートが充填されないことにより、この部分が空洞になって覆工コンクリートの耐久性が低下するという危険性があった。
充填検知の精度を向上するには、センサの数を増加するのが有効であるが、小片状のセンサを1個ずつ設置するのに非常に手間がかかるとともに、各センサから延びるリード線の本数が増加するため、断線のおそれや、接続したセンサからの信号と位置との整合などに注意しながら配線作業を行う必要があり、その取り扱いに手間がかかっていた。
更に、上記特許文献1,2に係るセンサのように、所定の離隔幅で対向配置された電極間の抵抗を計測して電極間にコンクリートが存在するか否かを判別する抵抗式センサは、充填物と直接接触するため、抵抗の大小を観測することによりブリーディング水かコンクリートかがある程度判別できる利点を有するものの、センサの数が少なく、センサがこのような抵抗式センサのみからなる場合には、偶然に電極間にコンクリートが付着することにより、全体に充填されていなくてもコンクリートが充填されたと認識されるおそれがあった。
また、上記特許文献1,2に係るセンサでは、抵抗式センサが用いられているが、この抵抗式センサでは、各電極から延びるリード線の断線を検知できないという問題があった。具体的には、センサの設置作業時やコンクリートの充填作業時などにおいて、各電極から延びるリード線が断線することがある。抵抗式センサの場合、電極間の抵抗値を常時モニタリングし、抵抗値の変化から充填物の識別を行っている。未充填時の電極間に何も介在しない空気が存在する状態から、コンクリートの充填に伴い、電極間に水(ブリーディング水)が介在した後、コンクリートが介在するというように時間の経過とともに充填物が変化する場合を想定すると、電極間の抵抗値は、図26に示されるように、理論的に無限大となる空気が最も大きく、次いで水(ブリーディング水)、コンクリートの順に徐々に小さくなる傾向にある(空気>水>コンクリート)。ここで、電極間に水(ブリーディング水)が介在する水接触時に断線したとすると、電極間の抵抗値は、図27に示されるように、それまでの空気の抵抗値から水接触により低減した後、断線によって再び空気の抵抗値に戻るという検出結果が得られる。このように、断線後の抵抗値が、未充填時の空気の抵抗値と同じレベルであるため、この検出結果がコンクリートが未だ充填されないことによるものなのか、断線によるものなのかが判別困難で、コンクリートの充填状況を正確に把握することができなかった。
そこで本発明の主たる課題は、センサの設置作業性の向上を図れるようにするとともに、コンクリートなどの充填物の充填状況を確実に検知できるようにしたシート状センサを提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、充填物の充填状況を検知するシート状センサであって、
撓性を有するシート状に形成されたシート部材と、前記シート部材配置された、前記充填物の充填状況を検知するセンサとを有し、
前記センサは、2つの電極が前記シート部材の一方側面に所定の離隔幅で対向配置された抵抗式センサを含むことを特徴とするシート状センサが提供される。
上記請求項1記載の発明では、可撓性を有するシート状に形成されたシート部材と、前記シート部材に配置された、前記充填物の充填状況を検知するセンサとを有し、前記センサは、2つの電極が前記シート部材の一方側面に所定の離隔幅で対向配置された抵抗式センサを含んで構成されているため、このシート状センサを設置面(山岳トンネルにおける覆工コンクリート打設の場合、地山側壁面)に沿わせて設置することにより、可撓性を有するシート状センサが、設置面の凹凸に沿って自在に変形し、設置面の凹凸に沿ったコンクリートの充填状況、すなわち窪んだ凹部への充填状況も確実に把握できるようになる。また、前記シート状センサは、設置面に対し、接着剤や両面テープなどの接合手段によって設置面の凹凸に追従してほぼ隙間なく密着して接合されるため、センサの設置作業性の向上が図れるようになる。
請求項に係る本発明として、前記抵抗式センサの2つの電極間に、空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を有する抵抗体が形成されている請求項記載のシート状センサが提供される。
上記請求項記載の発明は、前記シート状センサに、電極から延びるリード線の断線検知機能を付加したものである。具体的には、前記抵抗式センサの2つの電極間に、空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を有する抵抗体を形成している。これによる断線検知の仕組みは、次のとおりである。予め電極間に空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を有する抵抗体を形成しているため、充填物の未充填時の電極間が空気に触れている状態でも、空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を検出している。断線後には、前記抵抗には通電せず、断線部分に介在する空気の抵抗値を検知するため、前記抵抗の抵抗値より大きな空気の抵抗値が検出されることとなる。これによって、検出された抵抗値が、前記電極間に配置した抵抗の抵抗値以上になったことで、断線を検知できる。従って、断線時と充填物の未充填時を容易に判別できるので、充填物の充填状況を確実に把握することができるようになる。
請求項3に係る本発明として、前記センサは、上部電極層、圧電層、下部電極層が順に積層された圧電式センサ又は上部電極層、誘電体層、下部電極層が順に積層された静電容量式センサを更に含む請求項1、2いずれかに記載のシート状センサが提供される。
上記請求項3記載の発明では、前記センサとして、圧電式センサ又は静電容量式センサを更に含んでいる。
上記請求項記載の発明では、圧電式センサ又は静電容量式センサと抵抗式センサの2種類のセンサを用いて、コンクリートなどの充填物の充填を総合的に判定しているため、充填物の充填状況が確実に検知できるようになる。具体的には、前記抵抗式センサによって、前記シート部材の一方側面に所定の離隔幅で対向配置された2つの電極間の電気抵抗を測定することにより、充填物の充填状況及び充填物の種類(コンクリートを充填する場合、空気、ブリーディング水、コンクリートのいずれか)が判定できる。また、前記圧電式センサ又は静電容量式センサによって、2層の薄膜電極層で挟まれた高誘電率を有する層の変形によって生じる電極間の電圧又は静電容量の変化を捉えることにより、充填物の充填及び締固めの状況が判定できる。このように、2種類のセンサを用いているため、抵抗式センサの電極間に偶然に充填物が付着することによる充填完了の誤判定を防止することができる。
請求項に係る本発明として、前記シート部材の一方側面に前記圧電式センサ又は静電容量式センサが配設され、これと反対側の面に前記抵抗式センサが配設されている請求項記載のシート状センサが提供される。
上記請求項記載の発明では、前記シート部材の一方側面に圧電式センサ又は静電容量式センサを配設し、これと反対側の面に抵抗式センサを配設している。前記圧電式センサ又は静電容量式センサが配設された一方側の面をシート状センサの設置面側(山岳トンネルにおける覆工コンクリート打設の場合、防水シート側)に向けて配置し、前記抵抗式センサが設置された面を充填物側(山岳トンネルにおける覆工コンクリート打設の場合、セントル側)に向けて配置することにより、充填物の充填により前記圧電式センサ又は静電容量式センサが設置面側(地山側)に押圧されるとともに、抵抗式センサが直接コンクリートなどの充填物に接触するため、それぞれのセンサ感度が向上する。
請求項に係る本発明として、前記圧電式センサ又は静電容量式センサにおける上部電極層と抵抗式センサにおける前記2つの電極のうちの一方の電極とが電気的に接続されている請求項記載のシート状センサが提供される。
上記請求項記載の発明では、圧電式センサ又は静電容量式センサと抵抗式センサとがシート部材の表裏面にそれぞれ配設されている場合において、前記圧電式センサ又は静電容量式センサにおける上部電極層と抵抗式センサにおける一方の電極とを電気的に接続することにより、前記上部電極層及び一方の電極がシールド電極(アース)として機能するようになり、シールド電極を別途設置する必要が無くなり、電極構造が簡略化できるとともに、電極構成の簡略化によるコスト削減が図れるようになる。
請求項に係る本発明として、前記シート部材の一方側面に前記圧電式センサ又は静電容量式センサ及び抵抗式センサが隣接して配設されている請求項記載のシート状センサが提供される。
上記請求項記載の発明では、前記圧電式センサ又は静電容量式センサと抵抗式センサとをシート部材の一方側の面に隣接して配設している。この場合には、これら2種類のセンサが配設された一方側の面が充填物側(山岳トンネルにおける覆工コンクリート打設の場合、セントル側)に向けて配置され、これと反対側の面が設置面側(山岳トンネルにおける覆工コンクリート打設の場合、防水シート側)に向けて配置される。このようにセンサ部分をシート部材の一方側の面に纏めて配設することにより、製造が容易になる。
請求項に係る本発明として、前記圧電式センサ又は静電容量式センサにおける前記上部電極層が、複数の前記圧電式センサ又は静電容量式センサに跨る連続した連続上部電極層からなるとともに、前記抵抗式センサにおける前記2つの電極のうちの一方の電極が、複数の前記抵抗式センサに跨る連続した連続抵抗式センサ用電極からなる請求項記載のシート状センサが提供される。
上記請求項記載の発明は、前記圧電式センサ又は静電容量式センサと前記抵抗式センサとの配設形態に関する変形例であり、前記圧電式センサ又は静電容量式センサにおける前記上部電極層が、複数の前記圧電式センサ又は静電容量式センサに跨る前記長手辺方向に沿って連続した連続上部電極層からなるとともに、前記抵抗式センサにおける対向配置された2つの電極のうちの一方の電極が、複数の前記抵抗式センサに跨る前記長手辺方向に沿って連続した連続抵抗式センサ用電極からなるものである。前記連続上部電極層及び連続抵抗式センサ用電極とすることによって、シート状センサの製造において、電極の配置工程が簡略化でき、製造コストが低減できる。
請求項に係る本発明として、前記圧電式センサ又は静電容量式センサの保護層として、前記シート状センサを固定するための接着剤又は両面テープが用いられている請求項3〜いずれかに記載のシート状センサが提供される。
上記請求項記載の発明では、前記圧電式センサ又は静電容量式センサの保護層として、シート状センサを固定するための接着剤又は両面テープを用いているため、前記圧電式センサ又は静電容量式センサの表面を保護するためのシリコンなどによる保護層を別途設ける必要が無くなり、シート状センサを更に薄型化できるとともに、製造コストを低減することができる。
請求項9に係る本発明として、前記シート部材は、シート状に形成された基材と、前記基材に沿って配線され、一端部が前記センサに接続されるとともに、他端部が前記シート部材の長手辺方向の一端に向けて延びる複数のリード線とを有する請求項3〜8いずれかに記載のシート状センサが提供される。
上記請求項9記載の発明では、前記シート部材が、シート状に形成された基材と、前記基材に沿って配線され、一端部が前記センサに接続されるとともに、他端部が前記シート部材長手辺方向の一端に向けて延びる複数のリード線とを備えているため、このシート状センサを所定の位置に設置するだけで、センサに接続するリード線が配線されるため、センサの設置作業性の向上が図れるようになる。
請求項10に係る本発明として、前記リード線は、前記抵抗式センサにおける前記2つの電極に対し前記基材を挟んで反対側面に配線されている請求項記載のシート状センサが提供される。
上記請求項10記載の発明では、前記センサとして抵抗式センサを含む場合において、基材の一方側面に抵抗式センサの2つの電極を配置し、他方側面にリード線を配線している。これによって、リード線が充填物の対向面側に配置されることなく、反対側面に配置されるため、リード線の断線がより確実に防止できるようになる。
請求項11に係る本発明として、前記基材が、前記リード線の下側を覆う第1の基材と、前記リード線の上側を覆う第2の基材とを有し、前記センサが、前記第1の基材及び第2の基材のうち前記センサ側に位置する基材を貫通する貫通孔に挿通された前記リード線に接続されている請求項9、10いずれかに記載のシート状センサが提供される。
上記請求項11記載の発明では、例えば、前記リード線としてワイヤを用い、このワイヤの上下をそれぞれ前記第1の基材及び第2の基材によってラミネート加工した構造とすることできるため、基材の表面にプリント配線した構造などと比較して、製造コストの大幅な低減が可能となる。
請求項12に係る本発明として、前記圧電層又は誘電体層が前記上部電極層及び下部電極層より外側に延在して配置され、前記基材と前記圧電層又は誘電体層との間に前記下部電極層及びリード線が配置されている請求項9〜11いずれかに記載のシート状センサが提供される。
上記請求項12記載の発明では、前記圧電式センサ又は静電容量式センサの圧電層又は誘電体層が電極層より外側に延在して配置され、前記リード線及び下部電極層がこれらの間に配置されているため、基材を2層構造としなくてもリード線を2層のシート間に配線することができ、シート状センサの厚みを薄型化できるようになる。
請求項13に係る本発明として、前記上部電極層に隣接して所定の離隔幅で前記抵抗式センサを構成する2つの電極のうちの一方の電極が配置され、前記上部電極層が前記抵抗式センサを構成する2つの電極のうちの他方の電極を兼ねている請求項12記載のシート状センサが提供される。
上記請求項13記載の発明では、前記上部電極層に隣接して所定の離隔幅で電極を配置することにより、前記上部電極層が抵抗式センサの他方の電極と圧電式センサ又は静電容量式センサの上部電極層とを兼ねるようにしている。これにより、センサの構造が簡略化でき、製造コストが低減できる。
請求項14に係る本発明として、前記圧電式センサ又は静電容量式センサと前記抵抗式センサとからなるセンサ部分が、前記シート状センサの長手辺方向に沿って複数に分割して列設されている請求項3〜13いずれかに記載のシート状センサが提供される。
上記請求項14記載の発明では、前記圧電式センサ又は静電容量式センサと前記抵抗式センサとからなるセンサ部分が、前記シート状センサの長手辺方向に沿って複数に分割して列設されているため、各センサ部分毎に充填物の充填状況が検知できるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、センサの設置作業性の向上が図れるようになるとともに、充填物の充填状況を確実に検知できるようになる。従って、充填物の充填検知精度の向上によりコンクリートなどの品質向上に資することができる。
山岳トンネルにおける覆工コンクリートの打設要領を示す一部破断斜視図である。 その横断面図である。 シート状センサ10の配設状態を示す天端部の拡大縦断方向断面図である。 シート状センサ10を示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図4(A)のV−V線矢視図)である。 圧電層22の加工要領を示す断面図である。 変形例に係る抵抗式センサ24の拡大平面図である。 リード線18の破断時における抵抗式センサ24の抵抗値の変化を示すグラフである。 第2形態例に係るシート状センサ10Aを示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図9のX−X線矢視図)である。 第3形態例に係るシート状センサ10Bを示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図11のXII−XII線矢視図)である。 第4形態例に係るシート状センサ10Cを示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図13のXIV−XIV線矢視図)である。 第5形態例に係るシート状センサ10Dを示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図15のXVI−XVI線矢視図)である。 第6形態例に係るシート状センサ10Eを示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図17のXVIII−XVIII線矢視図)である。 第7形態例に係るシート状センサ10Fを示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図19のXX−XX線矢視図)である。 第8形態例に係るシート状センサ10Gを示す、(A)は防水シート側の平面図、(B)はセントル側の平面図である。 その横断面図(図21のXXII−XXII線矢視図)である。 (A)は圧電式センサ20、(B)は抵抗式センサ24による計測結果を示す時系列波形である。 他の形態例に係るシート状センサ10の配設状態を示す、天端部の拡大縦断方向断面図である。 他の形態例に係るシート状センサ10の斜視図である。 抵抗式センサの電極間に介在する充填物の変化による抵抗値の変化を示すグラフである。 リード線の断線時における抵抗式センサの抵抗値の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。以下の形態例では、山岳トンネルにおける覆工コンクリートの打設を例に挙げ、詳細に説明する。
本発明に係るシート状センサ10は、図1〜図3に示されるように、山岳トンネルTの構築に当たって、トンネル方向に1スパン毎、発破などによる掘進後、掘削されたトンネル内壁面に吹付けによって吹付けコンクリート1を施工し、ロックボルトを打ち込んだ後、その表面に防水シート2を貼設し、地山側壁面T1との間に距離を空けて周方向に沿ってセントル3(覆工コンクリート用移動型枠)の型枠5を設置し、地山側壁面T1とセントル3の型枠5との間の空間内に覆工コンクリート4を打設する際、この覆工コンクリート4(充填物)の充填状況を検知するのに好適に使用されるものである。なお、図示例の吹付けコンクリートは、鋼アーチ部材を支保工として併用した構造となっている。
前記セントル3は、トンネル施工用重機の後方に設置され、図1及び図2に示されるように、トンネルTの地山側壁面T1との間に所定幅の空間を形成するように配設される型枠5と、この型枠5を支持する支持フレーム6と、この支持フレーム6が走行可能でトンネルTの下面に敷設される走行レール7とから主に構成される。
前記型枠5は、トンネルTの地山側壁面T1に沿って設けられ、その外面は平滑に形成されるとともに、コンクリートとの剥離性に優れる材質で構成されている。また、前記型枠5は、トンネルTの周方向に対して複数個のパーツに分割して設けられ、各パーツが連結して構成されている。さらに、図3に示されるように、前記型枠部材5上部の坑口側近傍には、コンクリートを打設するためのコンクリート打設口8が設けられている。
前記型枠5は、図1及び図2に示されるように、前記支持フレーム6に、油圧シリンダ6Aなどの連結部材を介して、トンネルTの断面に対して左右方向及び上下方向に移動自在に取り付けられている。
前記支持フレーム6は、略門型の鉄骨材などからなる門型フレーム6Bと、前記型枠5が取り付けられる前記油圧シリンダ6Aなどの連結部材とから構成されている。
前記走行レール7は、前記門型フレーム6Bを走行可能に支持し、トンネルTの下面に長手方向に沿って2条敷設されている。
前記シート状センサ10は、例えば図4及び図5に示されるように、可撓性を有するシート状に形成され、複数のセンサ部分15、15…がトンネル長手方向に沿って所定の間隔で設けられた構造を成し、図1〜図3に示されるように、覆工コンクリート4の打設前に、前記地山側壁面T1の天端に、トンネルTの長手方向に沿って、前記地山側壁面T1に沿わせて設置されるものである。
より詳細な前記シート状センサ10の構造は、図4及び図5に示されるように、平面視で長手辺と短手辺とを有し、可撓性を有するシート状に形成されたシート部材Sと、前記シート部材Sの少なくとも一方側面に、長手辺方向に沿って間隔をあけて複数配置された、前記充填物の充填状況を検知するセンサ(圧電式センサ20、抵抗式センサ24など)と、前記シート部材Sの長手辺方向の一端に設けられたコネクタ19とを備えている。
前記シート部材Sは、シート状に形成された基材11と、前記基材11に沿って配線され、一端部が前記センサに接続されるとともに、他端部が前記シート部材Sの長手辺方向の一端に設けられた前記コネクタ19に接続される複数のリード線18、18…とを備えている。
前記シート状センサ10を設置することにより、覆工コンクリート4を打設した際、スパン長手方向に沿った方向の打設状況が線又は面的に把握できるようになる。また、前記シート状センサ10は、可撓性を有するシート状に形成されるため、地山側壁面T1の不陸(凹凸)に沿って自在に変形でき、その配設区間における地山側壁面T1の凹凸に沿ったコンクリートの充填状況、すなわち地山側へ窪んだ凹部への充填状況も確実に把握できるようになる。
また、前記シート状センサ10では、可撓性を有するシート部材Sにセンサが複数配置され、このシート部材Sには、前記センサに接続したリード線18が予め配線されているため、このシート状センサ10をトンネル天端位置にトンネル長手方向に沿って設置するだけで、所定の位置に複数のセンサが配置されると同時に、これらのセンサに接続するリード線18が配線されるようになる。このため、センサの設置作業性の向上が図れるようになる。また、複数のセンサがリード線18の破断などを生じることなく、所定の位置に確実に配置できるため、コンクリートの充填状況が確実に検知できるようになる。
〔第1形態例〕
以下、前記シート状センサ10について更に詳細に説明すると、第1形態例に係るシート状センサ10は、図4及び図5に示されるように、上部電極層21、圧電層22、下部電極層23が順に積層された複数の圧電式センサ20、20…が前記長手辺方向に沿って所定の間隔で設けられるとともに、2つの電極25、25が前記シート部材Sの一方側面に所定の離隔幅で対向配置された複数の抵抗式センサ24、24…が前記長手辺方向に沿って所定の間隔で設けられている。第1形態例に係るシート状センサ10では、前記圧電式センサ20及び抵抗式センサ24の2種類のセンサを用いることにより、コンクリートの充填・締固めが総合的に判定できるようになる。
第1形態例に係るシート状センサ10では、前記圧電式センサ20と抵抗式センサ24とからなるセンサ部分15が、前記長手辺方向に沿って複数に分割して列設されている。すなわち、複数のセンサ部分15、15…が、シート状センサ10の長手辺方向に沿って、所定の間隔をあけて離散的に配置されている。
前記シート状センサ10は、図1〜図3に示されるように、前記防水シート2を貼設した後の地山側壁面T1の天端に対し、シート状センサ10の長手辺方向がトンネルTの長手方向にほぼ一致する向きで配置されるとともに、接着剤や両面テープなどの接合手段によって前記防水シート2にほぼ隙間なく密着して接合され、トンネルTの地山側壁面T1の凹凸に追従できるようになっている。
図3に示される形態例では、前記シート状センサ10は、セントル3によって覆工コンクリート4を打設する1スパンの全長に亘って配設されている。すなわち、シート状センサ10の長手寸法がセントル3の1スパンの長さLとほぼ同等の長さで形成されている。一般的なセントルの場合、1スパンの長さLは10.5mであるから、シート状センサ10は、長手寸法を10.5m以上とするのが好ましい。1スパンの全長に亘って前記センサ10を配設することによって、トンネル方向の打設区間の全長(1スパンの全長)に亘ってコンクリートの打設状況が線又は面的に把握できるようになる。
第1形態例に係るシート状センサ10では、可撓性を有する樹脂シートを基材11とし、この基材11の一方側の面に前記圧電式センサ20が配設され、これと反対側の面に前記抵抗式センサ24が配設されている。つまり、前記圧電式センサ20と抵抗式センサ24とが前記基材11の表裏面に別々に配設されている。
前記基材11を構成する素材としては、高温でコーティングしたときの高耐熱性を有するとともに、トンネルTの地山側壁面T1の凹凸に追従可能な柔軟性及び高弾性率を有する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いるのが好ましい。
前記基材11の平面形状は、長手辺と短手辺とを有する長方形状(帯状)に形成されている。厚みは、0.3〜1.5mm、好ましくは1mm程度とするのがよく、幅は、1〜500mm、特に100〜300mmとするのがよい。
図5に示されるように、後段で説明する剥離材13を除く前記シート状センサ10の全体の厚みtは、5mm以下、特に0.5〜2.5mm程度とするのが好ましい。この厚みとすることにより、シート状のシート状センサ10が地山の凹凸に沿って柔軟に変形しやすくなる。
前記圧電式センサ20の測定原理は、前記圧電層22の圧電効果によって圧力や振動などの力学的エネルギーを電気エネルギーに変換して、圧電層22に発生した電荷を上部電極層21及び下部電極層23で検知し、コンクリートの充填・締固めを把握するというものである。
本シート状センサ10では、前記圧電式センサ20に代えて、上部電極層、誘電体層、下部電極層が順に積層された静電容量式センサ(図示せず)を用いてもよい。これは後述の実施形態例においても同様である。この静電容量式センサは、前記圧電式センサ20よりもコストを削減することが可能である。この静電容量式センサの測定原理は、常時電圧を掛けた状態にしておき、コンクリート充填による圧力や振動を受けることにより、前記誘電体層に蓄えられる静電容量の変化を検知し、コンクリートの充填・締固めを把握するというものである。
前記圧電式センサ20は、電極層同士の短絡防止、防水、電極の保護及び絶縁によるノイズの除去などのため、表面が保護層12で覆われるようにするのが望ましい。この保護層12としては、電気絶縁性や防水性に優れたシリコンゴムなどを用いてもよいが、前記シート状センサ10を防水シート2に固定するための接着剤又は両面テープを用いるのが好ましい。
この保護層12を接着剤で構成した場合、前記接着剤としては、接着強度が高く、電気絶縁性及び防水性に優れる性質を有するものであれば公知のものを広く用いることができるが、特に、ブチルゴム系又はアクリル系の接着剤を用いるのが望ましい。
前記保護層12として接着剤又は両面テープを用いた場合、この保護層12が容易に剥離可能な紙やプラスチック等からなる剥離材13で覆われている。シート状センサ10を防水シート2に固定するには、前記剥離材13を剥離して使用する。
前記圧電式センサ20の平面形状は、略長方形又は正方形に形成するのが好ましく、シート状センサ10の長手辺方向の寸法は1〜100mm、短手辺方向の寸法は0.5〜299mmとするのが好ましい。
前記圧電層22を構成する圧電性物質としては、有機系のポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)と3フッ化エチレン(TrFE)の共重合体(P(VDF−TrFE))が好ましく、且つこのフッ素系圧電性物質に対して、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET,PETE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ乳酸(PLA)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリウレタン(PU)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル、ABS樹脂(ABS)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアセタール樹脂(POM)など相溶する物質同士をブレンドしたものを用いても構わない。
また、圧電性物質として、前記有機系の圧電性物質に無機系のチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム又はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の粒子を複合して用いても構わない。
前記圧電層22を加工するには公知の方法を用いることができる。例えば、スプレーコーティング、ペースト塗布、シルク印刷、パット印刷法、スパッタ法、蒸着法等を用いることができる。特に、特開2013-701号公報に開示されるスプレーコーティング技術を用いることにより、電圧の検知感度が向上でき、複雑形状にも対応可能で、且つ大面積化が可能となるなどの効果を有するので好ましい。本公報に開示されるスプレーコーティング技術の概略を説明すると、図6に示されるように、被コーティング物(下部電極層23)上に圧電性膜を形成するための電界コーティング及び電界分極において、a.被コーティング物をプラス極(アース状態)に保ち、前記被コーティング物のコーティング面に対向させたコーティング噴霧機30先端の電極針にマイナス1kV〜90kVの高電圧を印加して被コーティング物とコーティング噴霧機30との間に電界31を形成する、b.次に、前記コーティング噴霧機30先端の不活性気体噴出ノズルから不活性気体を被コーティング物に向けて噴射し、同時にコーティング噴霧機30先端であって、中心に前記電極針を位置させた誘電性溶液噴出ノズルより誘電性物質を溶媒に溶解した溶液(誘電性溶液)を被コーティング物に向けて噴射し、この誘電性溶液の液滴にマイナスの電荷を与え、前記コーティング噴霧機30を移動しながら被コーティング物上に前駆分極膜を形成する、c.次に、電界コーティングを一旦停止し、被コーティング物に向けていたコーティング噴霧機30を被コーティング物より外側に移動し、前記コーティング噴霧機30の誘電性溶液噴出ノズルから不活性気体を吐出することにより、誘電性溶液噴出ノズル内に残留する誘電性溶液を全て排出する、d.次に、前記コーティング噴霧機30を元の位置に戻し、被コーティング物とコーティング噴霧機30の間に再度電界31を形成し、前駆分極膜をさらに分極させて(電界分極)被コーティング物上に圧電性膜を形成する、という手順で行われるものである。
また、前記スプレーコーティング技術によれば、対象を選ばず圧電層22を形成することができるため、覆工コンクリートを打設する際に、地山側壁面T1に張設される防水シート2に対して直接的に、シート状センサ10を設けることも可能となる。
前記上部電極層21及び下部電極層23は、導電性の高い銀、銅、カーボン粉末材料をはじめとする導電性高分子溶液または金属ペーストを用いて形成したものである。
次いで、前記抵抗式センサ24について詳細に説明すると、前記抵抗式センサ24は、2つの電極25、25が所定の離隔幅で対向配置されて成り、前記基材11のセントル側の面において、保護層などで覆われることなく、充填されたコンクリートなどが直接接触できるように露出して配置されている。
前記抵抗式センサ24の測定原理は、2つの電極25、25の離隔部に介在する物質(空気、ブリーディング水、コンクリートなど)によって電極間の抵抗値(通電量)が異なることを利用して、この抵抗値を検出することによりコンクリートの充填の有無や介在する物質の種別(空気、ブリーディング水、コンクリートのいずれか)を判断している。
本実施形態例では、前記抵抗式センサ24を構成する2つの電極25、25は、ほぼ同じ大きさで形成され、シート状センサ10の長手辺方向に所定の離隔幅Wで対向配置されている。このため、前記2つの電極25、25の間の離隔部は、シート状センサ10の短手辺方向に沿って形成されるようになる。
2つの電極25、25の離隔部は、図4に示されるように、所定の離隔幅Wで形成されている。前記離隔幅Wとしては、0.1〜30mm、好ましくは1〜10mmとするのがよい。
各電極25の平面形状は、2つの電極25、25の離隔部が延びる方向に沿って長い長方形状に形成するのが好ましく、図示例では、シート状センサ10の短手辺方向に長い長方形状に形成されている。各電極25のシート状センサ10の長手辺方向に沿った寸法は、1〜50mm、好ましくは5〜20mmとするのがよく、短手辺方向に沿った寸法は、0.5〜299mm、好ましくは8〜30mmとするのがよい。
基材11の表裏面において、前記圧電式センサ20の配設位置と前記抵抗式センサ24の配設位置とは必ずしも一致しなくてもが、両者の配設位置がほぼ一致するようにするのが好ましい。つまり、前記圧電式センサ20と抵抗式センサ24とは、基材11の表裏面において近接する位置、望ましくは厚み方向に重なる位置に配置するのがよい。これにより、抵抗式センサ24と圧電式センサ20の計測位置がほぼ同じになり、両者の計測結果の整合性がとれるようになる。
長手辺方向に沿って配置された隣り合う圧電式センサ20、20の間隔は、1〜5000mm、好ましくは10〜1000mm程度とするのがよい。
前記シート状センサ10には、前記圧電式センサ20の上部電極層21、下部電極層23及び前記抵抗式センサ24の各電極25からそれぞれ延びるリード線18が設けられている(図4(A))。
前記リード線18は、シート状センサ10の長手辺方向の一方端に向けて延び、この端部に設けられたコネクタ19を介して1本の平ケーブルとして外部に延びている。従来のように小片状のセンサを複数設置した場合には、各センサから延びるケーブルを多数配置する必要があり、設置が煩雑になるばかりでなく、センサからの信号と位置との整合が困難となるなどの欠点があった。これに対して、本シート状センサ10では、センサ10から1本の平ケーブルが延びており、この平ケーブルを解析装置に接続することによって、各センサ部分15で得られた信号を簡単に解析装置(コンピューター等)に電送することが可能となり、設置作業が簡単になるとともに、センサからの信号とコンクリート充填検知位置との整合が簡単にとれるようになる。
前記リード線18としては、公知のものを広く用いることが可能であるが、基材11に直接印刷したプリント配線(例えば、Agペーストによるプリント配線)やスズメッキ線などからなる配線材(ワイヤ)を用いるのが好ましい。
前記リード線18は、基材11の設置時に防水シート側となる面に配設され、外面が接着剤や両面テープ、シリコンなどによって被覆されているのが好ましい。つまり、セントル側にはリード線18が配設されないようにするのが好ましい。セントル側に配設された抵抗式センサ24の電極25から延びるリード線18は、基材11を貫通する貫通孔29を通って防水シート側の面に配設されるようにするのがよい。リード線18が基材11の防水シート側に配置され、充填物が接触するセントル側には配置されていないため、リード線18の断線がより確実に防止できるようになる。
前記シート状センサ10の取付けは、図5に示されるように、前記抵抗式センサ24が配設された側の面がセントル3側に向けて配置され、前記圧電式センサ20が配設された側の面に設けられた保護層12(接着剤等)を防水シート2に固定することにより行われる。
前記シート状センサ10には、図4及び図5に示されるように、ノイズ除去のためアースをとることを目的として、導電性に優れた素材からなるシールド電極14を設けるのが好ましい。前記シールド電極14は、前記基材11のセンサ設置時にセントル3側となる面(前記圧電式センサ20が配設された側の面)に設けられた電極14bと、前記基材11のセンサ設置時に防水シート2側となる面(前記抵抗式センサ24が配設された側の面)に設けられた電極14aと、前記基材11を貫通するとともに、前記電極14a、14bを連結する連結材14cとから構成されている。図4に示されるように、センサ設置時にセントル3側となる面に設けられた電極14bは、センサ部分15、15…が設置された範囲のほぼ全長に亘って延びる連続する帯状又は線状に形成されている。前記電磁シールド用電極14を設けることにより、各センサ部分15間のリード線や、電磁シールド用のフィルムなどの設置が不要となり、製品原価を低く抑えることができるようになる。
前記圧電式センサ20における上部電極層21と、前記抵抗式センサ24における2つの電極25、25のうちの一方の電極25とは、電気的に接続させてもよい。具体的には、前記上部電極層21と前記電極25とに接続するリード線を、基材11を厚み方向に貫通する貫通孔に挿通して電気的に接続する。これら上部電極層21と電極25とを電気的に接続することにより、前記上部電極層21及び電極25がシールド電極(アース)として機能するようになり、シールド電極を別途設ける必要が無くなり、電極構造が簡略化でき、コスト削減が図れるようになる。
前記シート状センサ10による充填物の検知は、前記圧電式センサ20において、覆工コンクリート4による圧力やコンクリート締固め時の振動により、圧電層22の歪みに伴う圧電効果によって上部電極層21及び下部電極層24を介して電荷を得ることにより行うとともに、前記抵抗式センサ24において、所定の離隔幅で対向配置された2つの電極25、25間に覆工コンクリート4が充填されることにより両電極間の電圧の変化を計測することにより行う。本シート状センサ10は、覆工コンクリートに埋め殺しされるものであるため、覆工コンクリートの打込み後に行われる締固めの際、バイブレータからの振動を検知することによりトンネル長手方向の各箇所での締固め状況も併せて把握することが可能となる。
以上の構成からなる第1形態例に係るシート状センサ10では、前記抵抗式センサ24において、所定の離隔幅で対向配置された2つの電極25、25間の電気抵抗を測定することによって、コンクリートの充填状況及び充填物の種類(空気、ブリーディング水、コンクリート)を判定することができる。更に、前記圧電式センサ20において、上部電極層21及び下部電極層23で挟まれた高誘電率を有する圧電層22の変形によって生じる電極21、23間の電圧の変化を捉えることで、コンクリートの充填及び締固めを判定することができる。従って、これら2種類のセンサを用いることによって、コンクリートの充填状況が確実に把握できるようになる。また、前記2種類のセンサを用いているため、抵抗式センサ24の電極25、25間に偶然にコンクリートが付着することによる充填完了の誤判定を防止することができる。
また、本第1形態例に係るシート状センサ10では、前記圧電式センサ20が基材11の防水シート2側の面に配置されているため、コンクリートの充填により前記圧電式センサ20が地山側に確実に押圧され、圧電層22が地山の凹凸に沿って変形し易くなるため、センサ感度が向上するとともに、コンクリートの充填状況が正確に把握できるようになる。
更に、第1形態例に係るシート状センサ10では、前記圧電式センサ20の保護層12として接着剤又は両面テープを用いているため、この接着剤又は両面テープによりシート状センサ10を防水シート2に固定することができるとともに、別途シリコンなどによる保護層を設ける必要が無く、シート状センサ10の薄型化を図ることができ、地山の凹凸への追従性が良好になるとともに、製造コストが低減できる。
次に、上記第1形態例に係るシート状センサ10の変形例として、電極から延びるリード線18の断線検知機能を付加した構成について説明する。前記断線検知機能は、図7に示されるように、前記抵抗式センサ24の2つの電極25、25間に、空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を有する抵抗体28を接続することにより付加することができる。前記抵抗体28としては、空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を有するものであれば特に制限はないが、カーボン繊維を主原料とした線材とするのが好ましい。
この構成による断線検知の仕組みは、次のとおりである。抵抗式センサ24では、前記電極25、25間の抵抗値を常時モニタリングし、抵抗値の変化から充填物を識別している。この電極25、25間には前述の通り前記抵抗体28が配設されているため、未充填時には前記抵抗体28の抵抗値が検出され、図8に示されるように、これは空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値となる。コンクリートの充填により、ブリーディング水が接触したとすると、検出される抵抗値が減少し、その後コンクリートの接触により抵抗値が更に減少する。これに対して、断線後には、前記抵抗体28を通電せず、空気を介して別の電極との間の抵抗値を検知するため、図8に示されるように、前記抵抗体28の抵抗値より大きな本来の空気の抵抗値が検出されることとなる。前述の通り、前記リード線18は、基材11に設けられた貫通孔を通って防水シート側の面に配設され、保護層12で被覆されているので、断線した箇所と近くの電極(例えば圧電式センサ20の上部電極層21又は下部電極層23)との間の空気の抵抗値を検出することとなる。これによって、検知する抵抗値が、前記電極25、25間に配置した抵抗体28の抵抗値以上になったことで、断線を検知できる。これによって、断線時とコンクリートの未充填時を容易に判別できるので、コンクリートの充填状況を確実に把握することができるようになる。
〔第2形態例〕
第2形態例に係るシート状センサ10Aは、図9及び図10に示されるように、可撓性を有する樹脂シートを基材11とし、前記基材11の一方側の面に前記圧電式センサ20及び抵抗式センサ24が隣接して配設されている。すなわち、前記圧電式センサ20及び抵抗式センサ24は基材11の一方側の同一面に配置され、その反対側の面には配置されていない。
前記基材11の一方側の面における圧電式センサ20及び抵抗式センサ24の配置は、基材11の短手辺方向に対して、一方側に、複数の圧電式センサ20、20…が長手辺方向に沿って所定の間隔で列設され、他方側に、複数の抵抗式センサ24、24…が長手辺方向に沿って所定の間隔で列設されている。
前記基材11の長手辺方向に対する前記圧電式センサ20と抵抗式センサ24との配置は任意であるが、前記圧電式センサ20と抵抗式センサ24とを基材11の短手辺方向に隣接して配置するのが好ましい。前記圧電式センサ20と抵抗式センサ24との離隔距離は任意であるが、両者の計測結果が適合するように、検知位置が近接する位置に設けるのが好ましい。これらの離隔距離としては、1〜20mm程度とするのが好ましい。
前記圧電式センサ20は、表面が保護層12で覆われている。前記保護層12としては、電気絶縁性及び防水性に優れた可撓性を有する材質のものであれば公知のものを使用できるが、特にシリコンゴムを用いるのが好ましい。
一方、前記抵抗式センサ24は、前記保護層12で覆われることなく、外部に露出している。従って、前記保護層12は、基材11の一方側の面において、前記圧電式センサ20が列設された短手辺方向の一方側の範囲にのみ、長手辺方向に沿って形成されている。
前記基材11の圧電式センサ20及び抵抗式センサ24が配置された面と反対側の面には、シート状センサ10を防水シート2に固定するための接着剤又は両面テープなどからなる粘着層16が設けられている。前記粘着層16は、表面が剥離可能な紙やプラスチック等からなる剥離材13で覆われている。
前記シート状センサ10Aの取付けは、図10に示されるように、前記圧電式センサ20及び抵抗式センサ24が配設された面がセントル3側に向けて配置され、前記粘着層16が設けられた面が防水シート2側に向けて配置される。
本形態例のようにセンサ部分15を基材11の一方側の面に纏めて配設することにより、片面にのみ電極を設置すればよく、リード線18の配線が片面だけで済むなど、製造が容易になる。
〔第3形態例〕
第3形態例に係るシート状センサ10Bは、図11及び図12に示されるように、基材11の一方側の面に圧電式センサ20が配設され、これと反対側の面に抵抗式センサ24が配設されている。
前記シート状センサ10Bは、図11及び図12に示されるように、前記圧電式センサ20における上部電極層が、シート状センサ10Bの長手辺方向に沿って列設された複数の前記圧電式センサ20、20…に跨る前記長手辺方向に沿って連続した連続上部電極層26からなるとともに、前記抵抗式センサ24における前記2つの電極のうちの一方の電極が、シート状センサ10Bの長手辺方向に沿って列設された複数の抵抗式センサ24、24…に跨る前記長手辺方向に沿って連続した連続抵抗式センサ用電極27からなる構成を備えている。
前記圧電式センサ20では、前記連続上部電極層26が前記長手辺方向に沿って連続して配設され、前記圧電層22及び下部電極層23が前記長手辺方向に沿って複数に分割して列設されている。前記連続上部電極層26は、基材11のほぼ全長に亘って連続して配設されている。
前記抵抗式センサ24においても同様に、対向配置された2つの電極のうちの一方の電極(連続抵抗式センサ用電極27)が前記長手辺方向に沿って連続して配設され、他方の電極25が前記長手辺方向に沿って複数に分割して列設されている。前記連続抵抗式センサ用電極27は、基材11のほぼ全長に亘って連続して配設されている。前記連続抵抗式センサ用電極27と電極25とは、シート状センサ10の短手辺方向に離隔して配置され、この離隔部がシート状センサ10の長手辺方向に沿って延びている。
各電極から延びるリード線18は、前記圧電式センサ20が配設された一方側の面に沿って配設するのが好ましい。前記抵抗式センサ24が配設された側の面に設けられた電極25及び連続抵抗式センサ用電極27に接続するリード線18は、基材11を厚み方向に貫通する貫通孔29を通って前記一方側の面に配設するのが好ましい。
前記連続上部電極層26と連続抵抗式センサ用電極27とは、電気的に接続させるのが好ましい。具体的には、図11に示されるように、連続抵抗式センサ用電極27から延びるリード線18aを、基材11を厚み方向に貫通する貫通孔29に挿通して前記圧電式センサ20が配設された一方側の面において、連続上部電極層26から延びるリード線18bに接続する。
前記連続上部電極層26と連続抵抗式センサ用電極27とを電気的に接続することにより、前記連続上部電極層26及び連続抵抗式センサ用電極27がシールド電極(アース)として機能するようになり、シールド電極を別途設ける必要が無く、電極構造が簡略化でき、コスト削減が図れるようになる。
〔第4形態例〕
第4形態例に係るシート状センサ10Cは、図13及び図14に示されるように、基材11の一方側の面に圧電式センサ20及び抵抗式センサ24が隣接して配設されるとともに、前記圧電式センサ20における上部電極層が、複数の圧電式センサ20、20…に跨る長手辺方向に沿って連続した連続上部電極層26からなり、かつ前記抵抗式センサ24における対向配置された2つの電極のうちの一方の電極が、複数の抵抗式センサ24、24…に跨る長手辺方向に沿って連続した連続抵抗式センサ用電極27からなる構造を備えている。
前記基材11の反対側の面には、アースとなるシールド電極14を配設するのが好ましい。
〔第5形態例〕
第5形態例に係るシート状センサ10Dは、図15及び図16に示されるように、基材11が、リード線18の下側を覆う第1の基材11aと、リード線18の上側を覆う第2の基材11bとを有し、前記圧電式センサ20の下部電極層23及び抵抗式センサ24の各電極25、25がそれぞれ、前記第1の基材11a及び第2の基材11bのうち前記センサ20、24側に位置する基材を貫通する貫通孔29a、29bに挿通された前記リード線18に接続されている。前記圧電式センサ20は、前記第1の基材11aの外面(第2の基材11bと反対側の面)に配置され、更にその外側が第1の基材11aの全面に亘って設けられた接着剤等からなる保護層12によって覆われるとともに、下部電極層23が第1の基材11aを貫通する貫通孔29aに挿通されたリード線18に接続されている。一方、前記抵抗式センサ24は、前記第2の基材11bの外面(第1の基材11aと反対側の面)に配置され、各電極25、25が第2の基材11bを貫通する貫通孔29bに挿通されたリード線18に接続されている。前記第1の基材11aと第2の基材11bとの間は、前記リード線18を配置した状態で、接着剤や加熱融着などによってほぼ隙間なく密着されている。
本実施形態例では、例えば、前記リード線18としてスズメッキ線などからなる配線材(ワイヤ)を用い、このリード線18の上下をそれぞれポリエチレンテレフタレート(PET)等からなる第1の基材11a及び第2の基材11bによってラミネート加工した構造とするのが可能である。このため、基材11の表面に印刷によってプリント配線を施した構造などと比較して、大幅なコストダウンを図ることが可能である。また、前記リード線18の上下がそれぞれ樹脂材からなる基材11a、11bで覆われているため、シート状センサ10Dの設置作業中などに、強い衝撃を受けた場合や、先端が鋭利なもので傷付けられた場合でもリード線18の破断が防止できる。
〔第6形態例〕
第6形態例に係るシート状センサ10Eは、図17及び図18に示されるように、前記圧電式センサ20の圧電層22が上部電極層21及び下部電極層23より外側に延在して前記基材11のほぼ全面に配置され、前記基材11と圧電層22との間に前記下部電極層23及びリード線18が配置され、前記圧電層22の外面(前記基材11と反対側の面)に前記上部電極層21が配置された構造を成している。前記基材11と圧電層22との間は、前記下部電極層23及びリード線18を配置した状態で、接着剤や加熱融着などによってほぼ隙間なく密着され、前記下部電極層23が水と接触しない構造となっている。
また、本第6形態例に係るシート状センサ10Eでは、前記上部電極層21に隣接して、所定の離隔幅で前記抵抗式センサ24を構成する2つの電極25、25のうちの一方の電極25が配置され、前記上部電極層21が前記抵抗式センサ24を構成する2つの電極25、25のうちの他方の電極25を兼ねるようにするのが好ましい。すなわち、図18に示されるように、圧電層22を挟んで下部電極層23と厚み方向に重なる圧電層22の外面に配置された電極が、前記下部電極層23及び圧電層22との関係で圧電式センサ20の上部電極層21を構成するとともに、前記圧電層22の外面に所定の離隔幅を有しながら配置された電極25との関係で抵抗式センサ24の2つの電極25、25のうちの1つの電極25を構成している。前記圧電層22の外面に配置された電極25、25(上部電極層21)はそれぞれ、圧電層22を貫通する貫通孔29cに挿通された前記リード線18に接続されている。また、下部電極層23は、前記基材11と圧電層22との間において前記リード線18に接続されている。
第6形態例に係るシート状センサ10Eでは、基材11を2層構造としなくてもリード線18を2層のシート間に配線することができ、シート状センサの厚みを更に薄型化できる利点がある。また、圧電式センサ20の上部電極層21が抵抗式センサ24の1つの電極25を兼ねているため、コストダウン及び配線の簡略化が図れるようになる。
なお、上記の説明では、圧電式センサ20の圧電層22が基材11のほぼ全面に配置されていることとしたが、圧電層22は上部電極層21及び下部電極層23より外側に延在し、基材11と圧電層22との間に下部電極層23及びリード線18が配置される構成であれば足りる。
〔第7形態例〕
第7形態例に係るシート状センサ10Fは、図19及び図20に示されるように、充填物の充填状況を検知するセンサとして、2つの電極25、25が所定の離隔幅で対向配置された抵抗式センサ24のみで構成し、前記圧電式センサ20又は静電容量式センサを備えないものである。前記圧電式センサ20の電極25、25が基材11のセントル側に配置されるとともに、各電極25に接続されたリード線18が前記基材11を貫通する貫通孔29を通って、基材11の防水シート側の基材11と保護層12との間に配線されている。
この形態例においても、前記基材11がシート状に形成され、この基材11に沿ってリード線18が配線されているため、センサの設置作業性の向上が図れるようになる。また、リード線18が基材11の防水シート側に配置され、充填物が接触するセントル側には配置されていないため、リード線18の断線がより確実に防止できるようになる。
〔第8形態例〕
第8形態例に係るシート状センサ10Gは、図21及び図22に示されるように、充填物の充填状況を検知するセンサとして、上部電極層21、圧電層22、下部電極層23が順に積層された圧電式センサ20又は静電容量式センサのみで構成し、前記抵抗式センサ20を備えないものである。前記圧電式センサ20が基材11の防水シート側に配置され、同じく防水シート側に配線されたリード線18に下部電極層23が接続されている。
この形態例においても、前記基材11がシート状に形成され、この基材11に沿ってリード線18が配線されているため、センサの設置作業性の向上が図れるようになる。
山岳トンネルの構築に当たって、地山側壁面の天端に、トンネル長手方向に沿って、上記第1形態例に係るシート状センサ10を前記地山側壁面に沿わせて設置し、地山側壁面との間に距離を空けて周方向に沿って設置した型枠と地山側壁面との間の空間内に覆工コンクリートを打設する際、前記シート状センサ10の圧電式センサ20及び抵抗式センサ24により電圧の時間変化を計測した。その結果を図23に示す。
図23に示されるように、抵抗式センサ24の2つの電極25、25の離隔部分に介在する物質(空気、ブリーディング水、コンクリート)によって測定される電圧が変化し、電圧の値によって離隔部に介在する物質が判別でき、コンクリートの充填状況を把握することができるようになる。
圧電式センサ20においても前記抵抗式センサ24と同様の傾向が見られる。また、圧電式センサ20においては、コンクリートの充填により、圧電層22が地山側に押し付けられ、地山側壁面の凹凸に沿ってお椀型に変形することにより、電圧が山形に変化する部分が現れる(図23(A)の右上図中、点線の円で囲んだ部分)。この変化を捉えることにより、コンクリートの充填完了を判断することができる。
〔他の形態例〕
(1)前記シート状センサ10の配設態様の他の形態例として、図24に示されるように、トンネルの縦断勾配の高い側から低い側に向かって1スパン長(L)の少なくとも1/3以上、好ましくは1/2以上の長さ範囲(L)に亘って配設することとしてもよい。道路トンネルには排水のために2%以下の範囲で縦断勾配が設けられており、縦断勾配の高い側から低い側に向かって所定区間長に亘ってシート状センサ10を配設するようにすれば、コンクリートの充填の有無を確実に把握できるようになる。
(2)上記形態例では、長手辺方向に沿って所定の間隔で設けられたセンサ部分15、15…が、短手辺方向に1列で配設されているが、図25に示されるように、短手辺方向に所定の間隔で複数列で配設してもよい。
(3)上記形態例では、山岳トンネルにおいて覆工コンクリートの充填状況を検知するのにシート状センサを用いていたが、前記シート状センサは、その他の用途にも使用できる。例えば、その他のコンクリート全般、既設管渠閉塞時の流動化処理土、パイプインパイプのグラウト(エアミルク、エアモルタル等)、ロックボルト周囲の充填材(モルタル、セメントミルク等)、逆打工法の打継目充填材(無収縮モルタル、エポキシ樹脂等)、鋼板巻立工法の充填材(無収縮モルタル、水中モルタル、エポキシ樹脂等)、PCグラウトの充填において、充填物の充填状況を検知するのに用いることができる。
1…吹付けコンクリート、2…防水シート、3…セントル、4…覆工コンクリート、5…型枠部材、6…支持フレーム、7…走行レール、10・10A・10B・10C・10D・10E・10F・10G…シート状センサ、11…基材、12…被覆層、13…剥離材、14…シールド電極、18…リード線、19…コネクタ、20…圧電式センサ、21…上部電極層、22…圧電層、23…下部電極層、24…抵抗式センサ、25…電極、26…連続上部電極層、27…連続抵抗式センサ用電極、29…貫通孔、T…トンネル、T1…地山側壁面

Claims (14)

  1. 充填物の充填状況を検知するシート状センサであって、
    撓性を有するシート状に形成されたシート部材と、前記シート部材配置された、前記充填物の充填状況を検知するセンサとを有し、
    前記センサは、2つの電極が前記シート部材の一方側面に所定の離隔幅で対向配置された抵抗式センサを含むことを特徴とするシート状センサ。
  2. 前記抵抗式センサの2つの電極間に、空気の抵抗値と水の抵抗値の間の抵抗値を有する抵抗体が形成されている請求項記載のシート状センサ。
  3. 前記センサは、上部電極層、圧電層、下部電極層が順に積層された圧電式センサ又は上部電極層、誘電体層、下部電極層が順に積層された静電容量式センサを更に含む請求項1、2いずれかに記載のシート状センサ。
  4. 前記シート部材の一方側面に前記圧電式センサ又は静電容量式センサが配設され、これと反対側の面に前記抵抗式センサが配設されている請求項記載のシート状センサ。
  5. 前記圧電式センサ又は静電容量式センサにおける上部電極層と抵抗式センサにおける前記2つの電極のうちの一方の電極とが電気的に接続されている請求項記載のシート状センサ。
  6. 前記シート部材の一方側面に前記圧電式センサ又は静電容量式センサ及び抵抗式センサが隣接して配設されている請求項記載のシート状センサ。
  7. 前記圧電式センサ又は静電容量式センサにおける前記上部電極層が、複数の前記圧電式センサ又は静電容量式センサに跨る連続した連続上部電極層からなるとともに、前記抵抗式センサにおける前記2つの電極のうちの一方の電極が、複数の前記抵抗式センサに跨る連続した連続抵抗式センサ用電極からなる請求項記載のシート状センサ。
  8. 前記圧電式センサ又は静電容量式センサの保護層として、前記シート状センサを固定するための接着剤又は両面テープが用いられている請求項3〜いずれかに記載のシート状センサ。
  9. 前記シート部材は、シート状に形成された基材と、前記基材に沿って配線され、一端部が前記センサに接続されるとともに、他端部が前記シート部材の長手辺方向の一端に向けて延びる複数のリード線とを有する請求項3〜8いずれかに記載のシート状センサ。
  10. 前記リード線は、前記抵抗式センサにおける前記2つの電極に対し前記基材を挟んで反対側面に配線されている請求項記載のシート状センサ。
  11. 前記基材が、前記リード線の下側を覆う第1の基材と、前記リード線の上側を覆う第2の基材とを有し、前記センサが、前記第1の基材及び第2の基材のうち前記センサ側に位置する基材を貫通する貫通孔に挿通された前記リード線に接続されている請求項9、10いずれかに記載のシート状センサ。
  12. 前記圧電層又は誘電体層が前記上部電極層及び下部電極層より外側に延在して配置され、前記基材と前記圧電層又は誘電体層との間に前記下部電極層及びリード線が配置されている請求項9〜11いずれかに記載のシート状センサ。
  13. 前記上部電極層に隣接して所定の離隔幅で前記抵抗式センサを構成する2つの電極のうちの一方の電極が配置され、前記上部電極層が前記抵抗式センサを構成する2つの電極のうちの他方の電極を兼ねている請求項12記載のシート状センサ。
  14. 前記圧電式センサ又は静電容量式センサと前記抵抗式センサとからなるセンサ部分が、前記シート状センサの長手辺方向に沿って複数に分割して列設されている請求項3〜13いずれかに記載のシート状センサ。
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