JP7141956B2 - コンクリートの脱型時強度判定用型枠 - Google Patents
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Description
前記脱型時強度判定用型枠は、型枠を兼ねる絶縁性の板材と、絶縁性シートの一方面側に一定方向に間隔を空けて、可撓性を有し薄肉の電極が複数並設された電極付きシートとからなり、前記電極付きシートの他方面側を前記板材に対して、前記電極に対応する部分を避けた領域において接着し取り付けてあることを特徴とするコンクリートの脱型時強度判定用型枠が提供される。
図1に示されるように、山岳トンネルの施工では、発破などによる掘進後、掘削されたトンネル内壁面に吹付けによって吹付けコンクリートTを施工し、ロックボルトを打ち込んだ後、油圧ショベルなどの掘削機械によってトンネル底部のインバート掘削を行い、シート台車を使用して前記吹付けコンクリートTの内周面に防水シートを張設した状態で(この面が地山側壁面となる。)、覆工セントル10(移動式の鋼製型枠)をトンネル軸方向に順次移動させながら、トンネル軸方向に1スパン毎、前記地山側壁面との間に距離を空けて周方向に沿って前記覆工セントル10の型枠11を位置決めするとともに、端部に褄型枠12を設置した後、前記地山側壁面と型枠11との間の空間に天井部に設けたコンクリート打設孔14からコンクリートを流し込み、その硬化を待って脱型した後、次の打設箇所まで覆工用セントル10を移動して、次の覆工コンクリート13の打設が繰り返し行われる。
前記脱型時強度判定用型枠1によって、打設したコンクリートの比抵抗を計測し、この比抵抗から脱型時の強度を推定する手法について詳述する。
<測定原理及びキャリブレーション>
従来より、セメントの水和反応に伴う強度発現の過程で比抵抗が変化し、コンクリートの比抵抗と強度との間に相関関係が存在することが知られている。この比抵抗ρを求めるには、対象物に既知の電流Iを入力したとき、それによって生じる電極間の電位差Vを測定し、下式(1)から算出する。
a:電極の間隔
前記定数cは、次の手順で行った脱型時期判定用型枠1のキャリブレーションにより得られる定数である。通常の強度試験用供試体(円柱体)の比抵抗を測定する場合は、両端に電極をあてて電流を流すため平行電流になっているのに対して、本発明に係る脱型時強度判定用型枠1はコンクリート面に接触した電極での計測となるため、キャリブレーションを行い換算定数cを設定する必要がある。
山岳トンネルの施工において、図2及び図3に示されるように、覆工セントル10を所定の位置に位置決めするとともに、型枠11を地山側壁面から所定距離だけ離間させた位置に位置決めしたならば、褄型枠12を設置するに当たって、天端部分に褄型枠12の一部分に代えて、本発明に係る脱型時強度判定用型枠1を取り付ける。脱型時強度判定用型枠1から伸びた電線ケーブル6は比抵抗計測装置7に接続する。
(1)1回目:電流電極41、44、電位電極42、43
(2)2回目:電流電極42、45、電位電極43、44
(3)3回目:電流電極43、46、電位電極44、45
次に、脱型前に以下の手順で脱型時の強度を予測し脱型時期の判定を行う。
具体的には、前述したキャリブレーション時に、比抵抗測定プラモールド20にコンクリートを充填して比抵抗用供試体を作製する際に、強度測定用供試体を幾つか作製しておき、比抵抗が異なる各段階で圧縮強度試験を実施し、図10に示されるように、比抵抗(プラモールド)(Ω・m)と強度(N/mm2)との相関式を得ておく。平均比抵抗(Ω・m)と強度(N/mm2)との関係は、図10に示されるように、1次式による直線近似が可能であり、測定した比抵抗から強度を推定するに当たっては、この1次式(y=0.717x-4.4109)に比抵抗の計測値を代入することによって強度を得るようにする。
(1)上記形態例では、脱型時強度判定用型枠1を山岳トンネルのトンネル覆工に用いたが、建物などのコンクリート構造物を構築する際に使用される型枠の一部として、本脱型時強度判定用型枠1を用いることも可能である。
Claims (7)
- 型枠内に打設されたコンクリートに複数の電極を接触させた状態で前記電極間の電位差を計測することによって比抵抗を求め、この比抵抗から脱型時の強度を推定するためのコンクリートの脱型時強度判定用型枠であって、
前記脱型時強度判定用型枠は、型枠を兼ねる絶縁性の板材と、絶縁性シートの一方面側に一定方向に間隔を空けて、可撓性を有し薄肉の電極が複数並設された電極付きシートとからなり、前記電極付きシートの他方面側を前記板材に対して、前記電極に対応する部分を避けた領域において接着し取り付けてあることを特徴とするコンクリートの脱型時強度判定用型枠。 - 前記電極は、所定幅で一方向に長い矩形状の平面形状を成している請求項1記載のコンクリート脱型時強度判定用型枠。
- 前記電極は、印刷型電極又はテープ型電極である請求項1、2いずれかに記載のコンクリートの脱型時強度判定用型枠。
- 前記電極は、少なくとも4本以上が等間隔で並設されている請求項1~3いずれかに記載のコンクリートの脱型時強度判定用型枠。
- 前記板材は樹脂板である請求項1~4いずれかに記載のコンクリート脱型時強度判定用型枠。
- 前記電極に対応する部分を避けた領域は、絶縁性シートにおける周縁部分である請求項1~5いずれかに記載のコンクリートの脱型強度判定用型枠。
- 前記脱型時強度判定用型枠は、山岳トンネル施工における覆工コンクリートの褄型枠の一部として用いられるものである請求項1~6いずれかに記載のコンクリートの脱型時強度判定用型枠。
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