JP2020170833A - ヒートシンク及び電子部品パッケージ - Google Patents
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Abstract
Description
一方側の面を電子部品接触面にし逆側の面を放熱面とした板状のベース部と、前記ベース部において前記放熱面が連続する方向の一端側と他端側に設けられた二つの放熱片とを備え、前記二つの放熱片の各々は、前記放熱面から突出する側壁部と、前記側壁部の突端側から他方の放熱片へ向かって突出して前記放熱面との間に内部空間を確保した天壁部とを有し、二つの前記天壁部は、その間に、前記内部空間と外部空間とを連通する通気路を確保して離隔していることを特徴とするヒートシンク。
第一の特徴は、一方側の面を電子部品接触面にし逆側の面を放熱面としたベース部と、前記ベース部において前記放熱面が連続する方向の一端側と他端側に設けられた二つの放熱片とを備え、前記二つの放熱片の各々は、前記放熱面から突出する側壁部と、前記側壁部の突端側から他方の放熱片へ向かって突出して前記放熱面との間に内部空間を確保した天壁部とを有し、二つの前記天壁部は、その間に、前記内部空間と外部空間とを連通する通気路を確保して離隔している(図1〜図20参照)。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
また、このヒートシンク1は、単一材料から形成してもよいし、二つ以上の異なる材料を一体的に組み合わせた複合材料から形成してもよい。
そして、図示例のヒートシンク1は、電子部品接触面11を電子部品X(例えば、CPUや、トランジスタ、サイリスタ、その他の半導体や電子部品等)に接触させて電子部品パッケージP(図1参照)を構成する。
このベース部10の逆側(図示の上側)の面は、凹凸のない平坦状に形成されるが、必要に応じて、適宜形状の放熱フィン等を設けることも可能である。
この開口部Bは、外部空間S1と内部空間S2とを間に空気を流通させる空気流路として機能する。
また、図示例以外の他例としては、取付孔13を省くことも可能である。この場合、例えば、放熱片30を、嵌合や接着等、ねじ止め以外の手段により電子部品Xに固定すればよい。
図2(a)に示すように、ヒートシンク1について、電子部品接触面11を下方へ向けて電子部品Xに接触させた場合(以降、水平設置と称する)、通気路Aにベース部10の熱による上昇気流が発生し、この上昇気流に両側の空気が引き込まれるようにして、図示の2点鎖線F1に沿う連続的な空気の流れが形成される。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、両側の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、スリット部32a及び貫通部32bを通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12、及び放熱片30の内面に接触して熱交換を行い、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇を抑制する。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、通気路Aと下方の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、上方の開口部Bを通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12及び放熱片30の内面に接触して熱交換を行い、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇を抑制する。
図3に示すヒートシンク2は、上記構成のヒートシンク1に対し、各天壁部32に、通気孔33と突縁部34を設けたものである。
各通気孔33は、多角形状(図示例によれば正六角形状)に形成され、天壁部32を厚み方向へ貫通している。
この突縁部34は、複数の通気孔33にそれぞれ対応するように、複数配設される。隣接する突縁部34の間には隙間が確保される。この隙間は、突縁部34の放熱面積を増大している。
各突縁部34との突出量は、図示例によれば、天壁部32の厚み程度に設定される。
図4(a)に示すように、ヒートシンク2を水平設置した場合には、上記ヒートシンク1と略同様にして、図示の2点鎖線F1に沿う連続的な空気の流れが形成される。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、両側の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、スリット部32a、貫通部32b及び通気孔33を通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12、放熱片30の内面、通気孔33及び突縁部34の内面等に接触して熱交換を行い、突縁部34の外面側でも外部空間S1の空気との熱交換が行われ、ひいては、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、通気路A、通気孔33及び下方の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、上方の開口部Bを通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12、放熱片30の内面、通気孔33及び突縁部34の内面等に接触して熱交換を行い、突縁部34の外面側でも外部空間S1の空気との熱交換が行われ、ひいては、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
図5に示すヒートシンク3は、上記構成のヒートシンク1に対し、各天壁部32に、通気孔35と突縁部36を設けたものである。
各通気孔35は、多角形状(図示例によれば正六角形状)に形成され、天壁部32を厚み方向へ貫通している。
この突縁部36は、複数の通気孔35にそれぞれ対応するように、複数配設される。隣接する二つの突縁部36,36は、その間に位置する壁部36aを共用して一体に構成される。壁部36aは、天壁部32を強度アップする作用を奏する。
各突縁部36との突出量は、図示例によれば、天壁部32の厚み程度に設定される。
図6(a)に示すように、ヒートシンク3を水平設置した場合には、上記ヒートシンク1と略同様にして、図示の2点鎖線F1に沿う連続的な空気の流れが形成される。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、両側の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、スリット部32a、貫通部32b及び通気孔35を通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12、放熱片30の内面、通気孔35及び突縁部36の内面等に接触して熱交換を行い、突縁部36の外面側でも外部空間S1の空気との熱交換が行われ、ひいては、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、通気路A、通気孔35及び下方の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、上方の開口部Bを通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12、放熱片30の内面、通気孔35及び突縁部36の内面等に接触して熱交換を行い、突縁部36の外面側でも外部空間S1の空気との熱交換が行われ、ひいては、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
図7に示すヒートシンク4は、上記構成のヒートシンク1に対し、各天壁部32に、外部空間側へ突出する突起37を設けたものである。
各突起37は、ベース部10側に対する逆側に底部を有する多角形(図示例によれば正六角形状)の有底筒状に形成され、外部空間S1側へ突出している(図8参照)。
各突起37の突出量は、図示例によれば、天壁部32の厚み程度に設定される。
隣接する突起37,37間には、隙間が確保されている。この隙間は、各突起37の放熱面積を広く確保している。
図9(a)に示すように、ヒートシンク4を水平設置した場合には、上記ヒートシンク1と略同様にして、図示の2点鎖線F1に沿う連続的な空気の流れが形成される。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、両側の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、スリット部32a及び貫通部32b等の通気路Aを通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12、放熱片30の内面、及び突起37の内面等に接触して熱交換を行い、突起37外面側でも外部空間S1の空気との熱交換が行われ、ひいては、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
詳細に説明すれば、外部空間S1の空気は、通気路A及び下方の開口部Bから内部空間S2へ侵入し、上方の開口部Bを通過して、上方の外部空間S1へ流れる。
そして、このようにして流れる空気が、ベース部10の放熱面12、放熱片30の内面、突起37の内面等に接触して熱交換を行い、突起37外面側でも外部空間S1の空気との熱交換が行われ、ひいては、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
次に、上記構成のヒートシンク1〜4と、従来構造の比較例100について、コンピュータ解析によるベース部の温度上昇値、重量等を比較した結果を説明する(図11参照)。
比較例100は、矩形状のベース部110の上面に、間隔を置いて略平行に6枚の放熱フィン120を設けたものである。
また、ヒートシンク1〜4は、何れも、比較例100よりも重量が大幅に低かった。
図12に示すヒートシンク5は、上記構成のヒートシンク1に対し、ベース部10をベース部10’に置換し、各放熱片30の天壁部32を、天壁部32’に置換したものである。
このヒートシンク5は、一方の放熱片30の天壁部32’と、他方の放熱片30の天壁部32’とを、互いに斜辺を対向させた三角形状に形成するとともに、対向する二つの斜辺間に形成されるスリット部32a’によって通気路Aを確保している。
取付孔13’は、貫通孔であり、通気路Aの平面視上の範囲内に設けられる。言い換えれば、取付孔13’の中心軸上に通気路Aが位置する。
その上、取付孔13’に挿通される止着具(例えばネジやボルト等)によってヒートシンク5を電子部品等に止着固定する際に、止着具を締め込むための治具(例えばドライバー等)を遊挿するための空間として、通気路Aを用いることができる。
なお、図12に示す一例では、取付孔13’を、通気路A(スリット部32a’)の一端側と他端側に対応して二か所に設けているが、単数又は三以上設けることも可能である。
図13に示すヒートシンク6は、上記構成のヒートシンク5に対し、貫通部32b’を加えて、スリット部32a’及び貫通部32b’によって通気路Aを構成したものである。
貫通部32b’は、スリット部32a’よりも幅の大きい平面視略正方形状であって、二つの天壁部32’,32’に跨って設けられる。
この実験に用いた試料の外観寸法は、何れも、約60×59×10mmである。
ヒートシンク6は、図14の表に示すように、略正方形状の貫通部32b’の一辺の寸法Qが異なる五種類の試料について、それぞれ、実験を行った。
また、垂直設置の場合の温度上昇値は、寸法Qが大きくなるにつれて上昇することを、Q=40mmになるまで確認した。
これらの結果より、水平設置で用いる場合には、寸法Q=30mmとするのが好ましく、垂直設置で用いる場合には、寸法Q=40mmとするのが好ましいといえる。
図15に示すヒートシンク7は、上記構成のヒートシンク5における天壁部32’に、通気孔33’及び突縁部34’を設けたものである。
突縁部34’は、通気孔33’の内縁全周から内部空間S2へ向かって突出し、略筒状に構成される。
また、垂直設置された場合には、上記ヒートシンク2等と同様に、一方の開口部Bから内部空間S2へ侵入して他方の開口部Bから外部空間S1へ出てゆく空気の流れが形成され、この流れに、スリット部32a’から内部空間S2へ侵入する空気が合流し、さらに、通気孔33’から内部空間S2へ侵入する空気も合流する(図示せず)。
この突起37’を具備したヒートシンクによれば、外部に突出するフィン等の無い省スペース且つ軽量な構造を得ることができる上、突起37’によって天壁部32’の強度アップや、放熱性能の向上等の作用効果を得ることができる。
図17に示すヒートシンク8は、上記構成のヒートシンク6における天壁部32’に、通気孔33’と突縁部34’とを複数設けたものである。
通気孔33’及び突縁部34’は、ヒートシンク7のものと同構造である(図16(a)参照)。
図18に示すヒートシンク9は、上記構成のヒートシンク5における側壁部31に、複数の通気部31aを形成したものである。
通気部31aは、側壁部31の突出方向(図示例によれば上方)へ長尺なスリット状の貫通孔であり、前記突出方向に対する交差方向へ間隔を置いて複数設けられる。
図19及び図20に示すヒートシンク50は、上記ヒートシンク5(図12参照)を第一のヒートシンク51とし、この第一のヒートシンク51の内部空間に、第二のヒートシンク52を設けてなる。
このベース部52aには、ベース部10’の各取付孔13’に連通するように、取付孔52cが設けられる。
10,10’,:ベース部
11:電子部品接触面
12:放熱面
13’:取付孔
30:放熱片
31:側壁部
32,32’:天壁部
32a,32a’:スリット部
32b,32b’:貫通部
33,33’,35:通気孔
34,34’,36:突縁部
37,37’:突起
51:第一のヒートシンク
52:第二のヒートシンク
52a:ベース部
52b:放熱片
A:通気路
B:開口部
S1:外部空間
S2:内部空間
Claims (15)
- 一方側の面を電子部品接触面にし逆側の面を放熱面としたベース部と、前記ベース部において前記放熱面が連続する方向の一端側と他端側に設けられた二つの放熱片とを備え、
前記二つの放熱片の各々は、前記放熱面から突出する側壁部と、前記側壁部の突端側から他方の放熱片へ向かって突出して前記放熱面との間に内部空間を確保した天壁部とを有し、
二つの前記天壁部は、その間に、前記内部空間と外部空間とを連通する通気路を確保して離隔していることを特徴とするヒートシンク。 - 前記通気路には、前記二つの天壁部の間のスリット部を含むことを特徴とする請求項1記載のヒートシンク。
- 前記通気路には、前記二つの天壁部に跨る貫通孔状であって且つ前記スリット部よりも幅の大きい貫通部を含むことを特徴とする請求項2記載のヒートシンク。
- 前記二つの天壁部のうち、少なくともその一方には、該天壁部を厚み方向へ貫通する通気孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載のヒートシンク。
- 前記通気孔の内縁側には、外部空間へ向かって突出する突縁部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のヒートシンク。
- 前記通気孔の内縁側には、内部空間へ向かって突出する突縁部が設けられていることを特徴とする請求項4記載のヒートシンク。
- 前記通気孔及び前記突縁部が前記天壁部毎に複数設けられ、隣接する二つの前記突縁部は、隙間を置いて配設されることを特徴とする請求項5又は6記載のヒートシンク。
- 前記通気孔及び前記突縁部が前記天壁部毎に複数設けられ、隣接する二つの前記突縁部は、その間に位置する壁部を共用して一体に構成されることを特徴とする請求項5又は6記載のヒートシンク。
- 前記二つの天壁部のうち、少なくともその一方には、外部空間側へ突出する複数の突起が設けられ、前記各突起は、ベース部側に対する逆側に底部を有する有底筒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜8何れか1項記載のヒートシンク。
- 前記二つの天壁部のうち、少なくともその一方には、内部空間側へ突出する複数の突起が設けられ、前記各突起は、ベース部側に底部を有する有底筒状に形成されていることを特徴とする請求項1〜8何れか1項記載のヒートシンク。
- 前記ベース部には、貫通状の取付孔が設けられ、
前記取付孔は、前記通気路の平面視上の範囲内に設けられていることを特徴とする請求項1〜10何れか1項記載のヒートシンク。 - 前記二つの放熱片のうち、その一方の放熱片の前記天壁部と、他方の放熱片の前記天壁部とを、互いに斜辺を対向させた三角形状に形成するとともに、対向する二つの斜辺間に前記通気路を確保したことを特徴とする請求項1〜11何れか1項記載のヒートシンク。
- 前記側壁部に貫通状の通気部を設けたことを特徴とする請求項1〜12何れか1項記載のヒートシンク。
- 請求項1〜13何れか1項記載のヒートシンクを第一のヒートシンクとし、この第一のヒートシンクの内部空間に、第二のヒートシンクを設けてなるヒートシンクであって、
第二のヒートシンクは、前記ベース部及び前記二つの放熱片と略同構成のベース部及び二つの放熱片を有することを特徴とするヒートシンク。 - 前記電子部品接触面に、電子部品が接触して支持されていることを特徴とする請求項1〜12何れか1項記載のヒートシンクを用いた電子部品パッケージ。
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