JP2020170333A - 情報処理装置、情報処理方法、および、学習装置 - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、および、学習装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機器の運転状態に関する学習を行うための適切な学習データを得る。【解決手段】情報処理装置100は、運転データを取得する運転情報取得部121と、修理点検情報を取得する修理点検情報取得部122と、対象期間を設定する期間設定部130と、対象期間の運転データに基づいて、機器の運転状態と運転情報とが対応づけられた第1学習データ181を生成する学習データ生成部140とを備え、期間設定部130は、修理点検情報に含まれる機器の修理の日時を対象期間の終点の候補とし、対象期間の始点の候補として日時を選択可能に提示し、選択された日時を対象期間の始点、及び終点とし、第1学習データ181に含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する始点の候補を、第1学習データ181に含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する始点の候補よりも、終点の候補から離れた日時とする。【選択図】図3

Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および、学習装置に関する。
従来、機器の運転状態に関するデータを学習して、運転状態を診断する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された装置は、プラントの状態量を計測した計測信号である過去の蓄積データを、正常データ、予兆データ、異常データに分類して学習を行う。
国際公開第2012/073289号
学習により機器の運転状態を診断するためには、十分な量の学習データを用意することが望まれるが、データの量を確保することは容易ではない。例えば、特許文献1に記載の構成では、過去に発生した異常の回数が少なければ、機器に異常が発生した場合のデータを多く確保することはできない。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、機器の運転状態に関する学習を行うための適切な学習データを得ることを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明は、機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、対象期間を設定する期間設定部と、前記対象期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた学習データを生成する学習データ生成部と、を備え、前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記対象期間の終点の候補とし、前記対象期間の始点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記対象期間の始点、及び終点とし、前記学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記始点の候補を、前記学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記始点の候補よりも、前記終点の候補から離れた日付または日時とすること、を特徴とする。
これによれば、学習データの事例が少ない場合には、対象期間を相対的に長く設定するので、学習データの量を確保できる。また、事例の数が閾値以上ある場合は対象期間を相対的に短く設定することにより、学習に特に適している運転情報を選び、精度の高い学習データを生成できる。さらに、対象期間の終点の候補を修理の日付または日時から移動させないので、修理と無関係な学習データを選択されることを防止し、学習データとしての品質を維持できる。従って、機器の運転状態を学習するために適した学習データを得ることができる。
また、前記目的を達成するため、本発明は、機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、前記機器が正常動作していると見なされる正常動作期間を設定する期間設定部と、前記正常動作期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた正常期間学習データを生成する学習データ生成部と、を備え、前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記正常動作期間の始点の候補とし、前記正常動作期間の終点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記正常動作期間の始点、及び終点とし、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記終点の候補を、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記終点の候補よりも、前記始点から離れた日付または日時とすること、を特徴とする。
これによれば、正常動作期間に関する学習データの事例が少ない場合には、対象期間を相対的に長く設定して学習データの量を確保できる。また、事例の数が閾値以上ある場合は対象期間を相対的に短く設定することにより、学習に特に適している運転情報を選び、精度の高い学習データを生成できる。従って、正常動作している場合の機器の運転状態を学習するために適した学習データを得ることができる。
本発明の情報処理装置によれば、学習データに含まれる事例数に対応して、適切な量および品質を有する学習データを得ることができる。本発明の情報処理方法による場合にも、同様の効果が得られる。
実施形態の機器管理システムの概略構成を示す説明図。 機器管理システムの動作の概要を示すシーケンス図。 情報処理装置の機能ブロック図。 記憶部の要部構成図。 情報処理装置の動作を示すフローチャート。 情報処理装置の動作を示すフローチャート。 学習データの生成に使用されるデータの構成例を示す模式図。 学習データの生成に使用されるデータの構成例を示す模式図。 学習データの生成に使用されるデータの構成例を示す模式図。 作業者端末における表示例を示す図。 作業者端末における表示例を示す図。
第1の発明は、機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、対象期間を設定する期間設定部と、前記対象期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた学習データを生成する学習データ生成部と、を備え、前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記対象期間の終点の候補とし、前記対象期間の始点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記対象期間の始点、及び終点とし、前記学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記始点の候補を、前記学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記始点の候補よりも、前記終点の候補から離れた日付または日時とする。
これによれば、学習データの事例が少ない場合には、対象期間を相対的に長く設定するので、学習データの量を確保できる。また、事例の数が閾値以上ある場合は対象期間を相対的に短く設定することにより、学習に特に適している運転情報を選び、精度の高い学習データを生成できる。さらに、対象期間の終点の候補を修理の日付または日時から移動させないので、修理と無関係な学習データが選択されることを防止し、学習データとしての品質を維持できる。従って、機器の運転状態を学習するために適した学習データを得ることができる。
第2の発明は、前記期間設定部は、前記学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記終点から離れている日付または日時を前記始点の候補とし、前記学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記終点に近い日付または日時を前記始点の候補とする。
これによれば、学習データの事例が少ない場合に、修理に関係する運転情報が含まれる最長の期間を対象期間とすることができ、学習データの量を確保できる。また、学習データに含まれる事例数が十分である場合には、対象期間を大幅に短くすることによって、学習データの精度を高めることができる。
第3の発明は、前記修理点検情報は、前記機器の点検が実行された日付または日時、前記機器の修理点検に関する情報が受け付けられた日付または日時、前記機器の設定が変更された日付または日時、および、前記機器が運転状態に関する警報を出力した日付または日時のうちいずれか1以上と、前記機器の修理が実行された日付または日時と、を含む。
これによれば、機器の修理に関係する運転情報を利用して、学習データを得ることができる。
第4の発明は、前記対象期間は、前記機器の運転状態が特定の状態であると判断される期間であり、前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれるいずれかの日付もしくは日時、または、前記機器の点検で発見された症状および前記機器の平常運転における前記運転情報との差に基づき、前記対象期間の始点を設定する。
これによれば、機器の運転状態に対応する学習データを、容易に得ることができる。
第5の発明は、前記機器の平常運転における前記運転情報は、前記機器の運用設計時に得られる前記運転情報、前記機器の試運転における前記運転情報、前記機器が正常動作していると判断される運転中の前記運転情報のいずれかである。
これによれば、機器に対する各種の修理点検が行われたタイミング、または、機器の平常運転における運転情報を基準として、対象期間を適切に設定できる。
第6の発明は、前記対象期間の始点の候補を選択する操作を行う操作者ごとに、前記操作者のスキルを示すスキル情報を記憶した操作者情報記憶部を備え、前記期間設定部は、特定の前記スキル情報に該当する前記操作者の操作に基づき設定された前記対象期間の運転情報を、前記学習データの生成に利用するか否かを選択可能に提示する。
これによれば、始点の候補を選択する操作者のスキルの差に対応して、高品質の学習データを得ることができる。
第7の発明は、前記学習データ生成部は、前記機器の設置条件、前記機器のレイアウト、および、前記機器の機種のいずれかを含む機器特性情報と、前記対象期間の前記運転情報とを対応づける前記学習データを生成する。
これによれば、機器の機種、設置条件、レイアウト等に対応する学習データを得ることができる。
第8の発明は、機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、前記機器が正常動作していると見なされる正常動作期間を設定する期間設定部と、前記正常動作期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた正常期間学習データを生成する学習データ生成部と、を備え、前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記正常動作期間の始点の候補とし、前記正常動作期間の終点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記正常動作期間の始点、及び終点とし、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記終点の候補を、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記終点の候補よりも、前記始点から離れた日付または日時とする。
これによれば、正常動作期間に関する学習データの事例が少ない場合には、正常動作期間を相対的に長く設定して学習データの量を確保できる。また、事例の数が閾値以上ある場合は正常動作期間を相対的に短く設定することにより、学習に特に適している運転情報を選び、精度の高い学習データを生成できる。従って、正常動作している場合の機器の運転状態を学習するために適した学習データを得ることができる。
第9の発明は、前記期間設定部は、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記始点から離れている日付または日時を前記終点の候補とし、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記始点に近い日付または日時を前記終点の候補とする。
これによれば、正常期間学習データの事例が少ない場合に、正常動作期間を長くすることができ、正常期間学習データの量を確保できる。また、正常期間学習データに含まれる事例数が十分である場合には、正常動作期間を短くすることによって、正常期間学習データの精度を高めることができる。
第10の発明は、前記修理点検情報は、前記機器の点検が実行された日付または日時、前記機器の修理点検に関する情報が受け付けられた日付または日時、前記機器の設定が変更された日付または日時、および、前記機器が運転状態に関する警報を出力した日付または日時のうちいずれか1以上と、前記機器の修理が実行された日付または日時と、を含む。
これによれば、機器の修理に関係する運転情報を利用して、正常期間学習データを得ることができる。
第11の発明は、前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれるいずれかの日付もしくは日時、または、前記機器の点検で発見された症状および前記機器の平常運転における前記運転情報との差に基づき、前記正常動作期間の終点を設定する。
これによれば、機器の運転状態に基づいて、正常期間学習データを得ることができる。
第12の発明は、前記機器の平常運転における前記運転情報は、前記機器の運用設計時に得られる前記運転情報、前記機器の試運転における前記運転情報、前記機器が正常動作していると判断される運転中の前記運転情報のいずれかである。
これによれば、機器に対する各種の修理点検が行われたタイミング、または、機器の平常運転における運転情報を基準として、正常動作期間を適切に設定できる。
第13の発明は、前記正常動作期間の終点の候補を選択する操作を行う操作者ごとに、前記操作者のスキルを示すスキル情報を記憶した操作者情報記憶部を備え、前記期間設定部は、特定の前記スキル情報に該当する前記操作者の操作に基づき設定された前記正常動作期間の運転情報を、前記正常期間学習データの生成に利用するか否かを選択可能に提示する。
これによれば、始点の候補を選択する操作者のスキルの差に対応して、高品質の正常期間学習データを得ることができる。
第14の発明は、前記学習データ生成部は、前記機器の設置条件、前記機器のレイアウト、および、前記機器の機種のいずれかを含む機器特性情報と、前記正常動作期間の前記運転情報とを対応づける前記正常期間学習データを生成する。
これによれば、機器の機種、設置条件、レイアウト等に対応する正常期間学習データを得ることができる。
第15の発明は、機器の運転情報を取得し、前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得し、対象期間の始点および終点を設定する期間設定処理を行い、前記期間設定処理で設定された前記対象期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた学習データを生成し、前記期間設定処理において、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記対象期間の終点の候補とし、前記対象期間の始点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記対象期間の始点、及び終点とし、前記学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記始点の候補を、前記学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記始点の候補よりも、前記終点の候補から離れた日付または日時とする。
これによれば、学習データの事例が少ない場合には、対象期間を相対的に長く設定するので、学習データの量を確保できる。また、事例の数が閾値以上ある場合は対象期間を相対的に短く設定することにより、学習に特に適している運転情報を選び、精度の高い学習データを生成できる。さらに、対象期間の終点の候補を修理の日付または日時から移動させないため、修理と無関係な学習データが選択されることを防止し、学習データとしての品質を維持できる。従って、機器の運転状態を学習するために適切な量および品質を有する学習データを得ることができる。
第16の発明は、機器の運転情報を取得し、前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得し、前記機器が正常動作していると見なされる正常動作期間を設定する期間設定処理を行い、前記正常動作期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた正常期間学習データを生成し、前記期間設定処理において、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を含む前記正常動作期間の始点とし、前記正常動作期間の終点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記正常動作期間の始点、及び終点とし、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記終点の候補を、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記終点の候補よりも、前記始点から離れた日付または日時とする。
これによれば、機器が正常動作していると見なされる正常動作期間の候補を提示し、候補に基づき指定される正常動作期間の始点および終点に基づき、機器の正常動作に関する学習データを得ることができる。これにより、正常動作している場合の機器の運転状態を学習するために適した学習データを得ることができる。
第17の発明は、機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、前記修理点検情報に基づき設定される対象期間の前記運転情報をもとに、学習データを生成する学習データ生成部と、前記学習データに基づいて、前記機器の運転状態に関連付けられる前記運転情報の条件を学習する学習部と、を備える。
これによれば、機器の運転状態と、機器から取得される運転情報とを関連を学習することにより、機器の運転状態に関する高精度の予測、診断、或いは検知が可能となる。
以下、本発明を適用した実施形態を、図面を参照して説明する。
[1.機器管理システムの構成]
図1は、本発明を適用した情報処理装置100を含む機器管理システム1の概略構成を示す説明図である。
機器管理システム1は、機器を管理するための情報を処理するシステムである。機器管理システム1が管理する機器の種類および構成について制限はなく、本実施形態では一例として、空気調和装置10を管理する構成を説明する。機器管理システム1は、空気調和装置10の修理点検に関連して使用される受付端末20、および、作業者端末30を含む。受付端末20および作業者端末30の数は特に制限されない。また、機器管理システム1が管理する機器の数も制限されない。
以下の説明において、空気調和装置10において発生する事象のうち、修理や処置を必要とする不具合や故障を、異常と呼ぶ。空気調和装置10の修理点検とは、空気調和装置10の異常が発生した場合の修理および調整、空気調和装置10の設定および設定変更、ならびに空気調和装置10の点検を含む。
空気調和装置10は、圧縮機、熱源側熱交換器、送風ファン等を有する室外ユニットと、利用側熱交換器および送風ファン等を有する室内ユニットとを含む装置であり、室外ユニットおよび室内ユニットの数や接続形態は制限されない。空気調和装置10は、室内ユニットおよび室内ユニットを制御する図示しない制御装置を備え、制御装置が通信ネットワーク40を介して情報処理装置100に接続される。空気調和装置10は、室内ユニットおよび室内ユニットの状態を監視するための各種のセンサを備え、制御装置は、空気調和装置10の制御に関する設定値やセンサの計測値等を含む運転データを、情報処理装置100に送信する。また、空気調和装置10の制御装置は、空気調和装置10の故障や動作状態の異常を検知した場合に、情報処理装置100に対して警報を出力する。
受付端末20は、空気調和装置10の修理点検に関する受付業務を行う作業者U2が使用する装置である。作業者U2は、空気調和装置10を所有または管理する顧客から電話や電子メールによって空気調和装置10の修理点検を依頼された場合に、受付情報を受付端末20により入力する。
作業者端末30は、空気調和装置10の修理点検に関わる作業者Uが使用する装置である。図1には、3人の作業者U1、U3、U4が、それぞれ作業者端末30a、30b、30cを使用する。本実施形態では、作業者端末30a、30b、30cを区別しない場合、および総称する場合に作業者端末30と表記する。同様の規則により、作業者U1、U2、U3、U4を作業者Uと表記し、後述するタッチパネル31a、31b、31cをタッチパネル31と表記する。作業者U1、U3、U4は本発明の操作者の一例に対応する。
以下の説明において、作業者U1は、空気調和装置10の設置場所に出向いて修理や点検の作業を行う作業者であり、作業者U3は後述する学習データ生成に関する操作を行う。作業者U4は、学習データ生成に関して作業者U3を補助する補助者である。機器管理システム1に関与する作業者Uの数に制限はなく、例えば、一人の人物が本実施形態で説明する作業者U1と作業者U3の役割を兼ねても構わない。
受付端末20および作業者端末30は、入力操作および情報の表示が可能なコンピュータであり、パーソナルコンピュータやタブレット型コンピュータ、スマートフォン、或いはその他の形態の装置である。
作業者端末30は、タッチパネル31を有する。作業者端末30a、30b、30cは、それぞれ、タッチパネル31a、31b、31cを備える。
タッチパネル31は、作業者Uによるタッチ操作を検出するタッチセンサーと、表示パネルとを重畳した部材であり、情報を入力する入力装置、および、情報を表示する表示装置として機能する。例えば、作業者U1は、空気調和装置10の修理点検を行う際に、作業者端末30aを携行し、タッチパネル31aに対する操作を行うことにより情報を入力する。
受付端末20および作業者端末30は、それぞれ、通信ネットワーク40を介して情報処理装置100に接続される。受付端末20および作業者端末30は、データ通信機能を備え、情報処理装置100との間でデータ通信を実行する。
通信ネットワーク40は、受付端末20および作業者端末30と情報処理装置100とを相互にデータ通信可能に接続する。通信ネットワーク40は、公衆回線網、専用線、各種の無線通信回線を含んでもよく、サーバ、ルータ、無線通信アクセスポイント等の機器を含んでもよい。
図2は、機器管理システム1の動作の概要を示すシーケンス図であり、特に、情報処理装置100が機器管理システム1の各装置からデータを収集する収集フェーズの動作を示す。図2には、便宜的に各装置の動作を上から順に示しているが、これらの動作の実行順序は図2に示された順序に限定されない。
機器管理システム1では、空気調和装置10が運転データを情報処理装置100に送信する(ステップS11)。ステップS11の動作は、予め設定された時間間隔で繰り返し、常時実行される。空気調和装置10が送信する運転データは、空気調和装置10の全ての設定値および全てのセンサの計測値を含んでいなくてもよい。例えば、空気調和装置10は、センサごと、或いはセンサの種類ごとに異なるタイミングで運転データを送信してもよい。この場合、各センサのサンプリング周期に合わせて運転データを生成し、送信してもよい。
本実施形態では、機器管理システム1において、顧客との契約に基づき作業者U1が定期的に空気調和装置10の点検を行う運用を想定している。作業者U1は、空気調和装置10の点検を行う毎に、点検の内容や結果を作業者端末30aに入力する。作業者端末30aは、作業者U1が入力した情報を含む点検情報を、情報処理装置100に送信する(ステップS12)。ステップS12の動作は、空気調和装置10の定期点検の周期に従って繰り返し実行される。また、定期的でない空気調和装置10の点検が実行された場合に、ステップS12の動作が実行されてもよい。
作業者U2は、顧客から修理の依頼を受けると、受付端末20に対して依頼内容を入力する。受付端末20は、作業者U2が入力した受付情報を、情報処理装置100に送信する(ステップS13)。
作業者U2は、顧客から依頼された修理を作業者U1に行わせるため、受付端末20を操作する。この操作により、受付端末20から作業者端末30aに、修理を依頼するデータが送信される(ステップS14)。作業者U1は、受付端末20が作業者端末30aに送信した依頼に従って、空気調和装置10の修理を実行する。修理作業の後、作業者U1は、修理内容を作業者端末30aに入力する。作業者端末30aは、作業者U1が入力した修理情報を、情報処理装置100に送信する(ステップS15)。作業者U2から作業者U1への修理の依頼は、受付端末20および作業者端末30aを経由せず、電話や、その他の連絡手段を用いて行われてもよい。
ステップS13−S15の動作は、受付端末20が依頼を受け付ける毎に実行される。
上記のように、空気調和装置10の修理点検は、空気調和装置10の動作に関する設定および設定変更を含む。顧客の依頼等により作業者U1が空気調和装置10の設定作業を行う場合、設定作業の結果が修理情報として作業者端末30aから情報処理装置100に送信される。設定作業は、作業者U1が空気調和装置10の設置場所を訪れて実行する作業に限らず、例えば、作業者端末30aまたは他のコンピュータが空気調和装置10に遠隔接続して設定する態様であってもよい。
空気調和装置10は、異常を検知した場合に、警報を示すデータを情報処理装置100に送信する(ステップS16)。また、空気調和装置10は、作業者端末30aに対して警報を示すデータを送信してもよい(ステップS17)。また、空気調和装置10の警報に対応して、情報処理装置100から作業者端末30aに対し、修理を依頼するデータが送信されてもよい。作業者U1は、空気調和装置10の修理を実行し、修理内容を作業者端末30aに入力する。作業者端末30aは、作業者U1が入力した修理情報を、情報処理装置100に送信する(ステップS18)。
ステップS16−S18の動作は、受付端末20が依頼を受け付ける毎に実行される。
このように、機器管理システム1では、空気調和装置10に対する修理点検が適宜に実行され、修理点検に関するデータを情報処理装置100が収集する。
情報処理装置100は、収集したデータに基づき、後述するように学習データ180を生成する。学習データ180は、空気調和装置10の異常検知、故障診断、故障予測等を実行する人工知能(AI:Artificial Intelligence)の学習に利用される。
[2.情報処理装置の構成]
図3は、情報処理装置100の機能ブロック図である。
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)やマイコン等のプロセッサにより、プログラムを実行するコンピュータであり、空気調和装置10を管理する管理サーバと言い換えることができる。
情報処理装置100は、通信ネットワーク40を介して空気調和装置10、受付端末20、および作業者端末30等とデータ通信を実行する通信部110を備える。
情報処理装置100は、処理部120および記憶部160を備える。処理部120は、プロセッサ、或いは、プロセッサとROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等とが統合されたデバイスで構成される。
記憶部160は、半導体メモリ素子、磁気的記憶媒体、光学的記憶媒体、その他の記憶デバイス等により構成され、処理部120のプロセッサによって読み取り可能にデータやプログラムを記憶する。本実施形態の記憶部160は、制御用プログラム161と、機器属性情報171、運転データ172、警報データ173、受付情報174、修理情報175、点検情報176、および学習データ180を記憶する。
また、記憶部160の記憶領域には、学習モデル記憶部190が設けられる。学習モデル記憶部190は、異常検知モデル191、故障診断モデル192、および、故障予知モデル193を記憶する。
制御用プログラム161は、処理部120のプロセッサが実行するプログラムである。
ユーザDB162は、情報処理装置100が実行する処理に関与するユーザに関する情報を格納するデータベースである。ユーザは、機器管理システム1の作業者Uを指す。例えば、ユーザDB162は、作業者Uに固有のユーザ識別情報、氏名、職種、スキル等に関する情報を格納する。ユーザDB162は、本発明の操作者情報記憶部の一例に対応する。
図4は、記憶部160の要部構成図であり、記憶部160が記憶する一部の情報の内容の具体例を示す。
機器属性情報171は、機器管理システム1により管理される管理対象の機器に関する情報を含む。具体的には、機器属性情報171は、管理対象の空気調和装置10毎に、空気調和装置10を識別する機器ID、機種、設置条件、およびレイアウトを示す情報を含む。設置条件は、空気調和装置10の設置場所等を示す情報であり、例えば、屋上、地面、建築物内部の熱源機械室等である。レイアウトは、空気調和装置10の全体的な構成に関する情報であり、例えば、配管長、室外ユニットと室内ユニットの接続形態、制御装置との接続形態等に関する情報である。機器属性情報171は、本発明の機器特性情報の一例に対応する。
運転データ172は、空気調和装置10が送信する運転データの内容を含む。運転データ172は、例えば、日時、センサの計測値、設定値等を含む。日時は、センサが計測した日時、或いは、空気調和装置10が運転データを送信した日時である。
警報データ173は、空気調和装置10が送信する警報に関するデータを含む。警報データ173は、警報を出力した空気調和装置10の機器ID、警報が出力された日時を示す警報発報日時、警報名等を含む。警報名は、警報の内容や種類を示す情報である。
受付情報174は、受付端末20が送信する受付情報の内容を含み、例えば、修理依頼の対象となった空気調和装置10の機器ID、受付日時、症状、処置内容、受付者名等を含む。受付日時は作業者U2が依頼を受け付けた日時または受付端末20に情報が入力された日時である。症状は、依頼された空気調和装置10の不調や故障の内容である。処置内容は、依頼に対して作業者U1が行った処置の内容である。処置内容は、作業者U1による作業の後に、受付端末20または作業者端末30から送信される情報に基づき、追加または更新されてもよい。受付者名は作業者U2の氏名やユーザ識別情報である。
修理情報175は、作業者端末30aが送信する修理情報の内容を含み、例えば、修理された空気調和装置10の機器ID、修理日時、修理内容、設定変更内容、交換部品、故障原因、担当者名、担当者スキルを含む。修理内容は空気調和装置10に対して実行された修理の内容であり、設定変更内容は、空気調和装置10の設定作業により設定された項目や変更内容である。担当者名および担当者スキルは、修理または設定作業を行った作業者Uの名前、および、スキルを示す情報である。担当者スキルは、担当者名に基づきユーザDB162から取得される情報であってもよい。
点検情報176は、作業者端末30aが送信する点検情報の内容を含み、例えば、点検された空気調和装置10の機器ID、点検日時、症状、処置内容、担当者名、担当者スキルを含む。症状とは、点検により発見された空気調和装置10の不具合等である。担当者名は点検を行った作業者Uの名前であり、担当者スキルは担当者の習熟度や能力レベルを示す。担当者スキルは、担当者名に基づきユーザDB162から取得される情報であってもよい。
処理部120は、制御用プログラム161を実行することにより、運転情報取得部121、修理点検情報取得部122、期間設定部130、学習データ生成部140、および、学習部150として機能する。
運転情報取得部121および修理点検情報取得部122は、収集フェーズにおいて通信部110が受信した情報を取得する。すなわち、図2のステップS11で受信した運転データ、ステップS12で受信した点検情報、ステップS13で受信した受付情報、ステップS16で受信した警報、および、ステップS18で受信した修理情報を取得できる。
運転情報取得部121は、空気調和装置10が送信した運転データを取得し、取得したデータに基づき運転データ172を生成し、記憶部160に記憶させる。運転情報取得部121は、空気調和装置10が出力した警報に基づき警報データ173を生成して、記憶部160に記憶させる。運転情報取得部121は、通信部110が空気調和装置10から運転データまたは警報を受信する毎に、記憶部160が記憶する運転データ172または警報データ173を更新する。
修理点検情報取得部122は、受付端末20が送信した受付情報を取得し、取得した受付情報に基づき受付情報174を生成し、記憶部160に記憶させる。修理点検情報取得部122は、作業者端末30aが送信した修理情報を取得し、取得した修理情報に基づき修理情報175を生成し、記憶部160に記憶させる。修理点検情報取得部122は、作業者端末30aが送信した点検情報を取得し、取得した点検情報に基づき点検情報176を生成し、記憶部160に記憶させる。修理点検情報取得部122は、通信部110が受付情報、修理情報、または点検情報を受信する毎に、記憶部160が記憶する受付情報174、修理情報175、または点検情報176を更新する。
期間設定部130は、故障原因ラベル抽出部131、異常区間候補抽出部132、異常データ特徴抽出部133、選択情報提示部134、選択指示取得部135、および、対象期間設定部136を含む。学習データ生成部140は、第1学習データ生成部141および第2学習データ生成部142を含む。
期間設定部130および学習データ生成部140は、記憶部160が記憶する情報に基づいて、学習データ180を生成する。
学習データ180は、第1学習データ181および第2学習データ182を含む。第1学習データ181は、空気調和装置10で発生した異常に関するデータである。第2学習データ182は、空気調和装置10の正常動作中の運転データ172に関するデータである。第1学習データ181は、本発明の学習データの一例に対応する。第2学習データ182は、本発明の正常期間学習データの一例に対応する。また、本実施形態の正常動作は、本発明でいう平常運転に相当する。
以下の説明では、空気調和装置10の異常が発生していると見なされる時間を、異常区間とする。これに対し、異常が発生していないときの空気調和装置10の動作を正常動作と呼び、空気調和装置10が正常動作している期間を正常区間とする。
異常区間は、本発明の対象期間の一例に対応する。また、空気調和装置10の異常あるいは異常の内容は、本発明の機器の運転状態の一例に対応する。また、運転データ172は運転情報の一例に対応する。また、本発明の修理点検情報は、修理情報175に相当する情報を含み、警報データ173、受付情報174、点検情報176のいずれか1以上を含んでもよい。正常区間は、本発明の正常動作期間の一例に対応する。
後述する処理において、情報処理装置100は、修理情報175に含まれる修理日を異常区間の終点の候補とする。修理日は空気調和装置10の異常が解決しているため、修理日とすることが合理的である。修理日は終点の候補であり、後述する作業者Uの操作により、異常区間の終点を、修理日とは異なる日付あるいは日時にすることができる。
異常区間の始点は、複数の日時から選択可能である。例えば、警報データ173の警報発報日時、受付情報174の受付日時、および、点検情報176の点検日時は、いずれも異常区間の始点として適切であり、始点の候補といえる。
また、修理情報175に含まれる設定変更日時を始点の候補としてもよい。空気調和装置10の動作の設定が適切でない場合、空気調和装置10の異常を招く可能性があるためである。例えば、冷媒圧力の低圧側の設定値が適切な範囲より高いと、いわゆる冷えが悪い状態になることがある。
異常区間の始点は、例えば、上記の候補から選択される。また、異常区間の終点として、上記の候補または上記の候補とは異なる日付もしくは日時が指定される。始点が終点に近いほど異常区間が短く、始点が終点から離れた日時であるほど異常区間が長い。
正常区間は、異常区間を除く全ての期間としてもよい。また、正常区間は、異常区間を除く期間のうち、明らかに異常が発生していないと作業者Uが判断した期間としてもよい。
期間設定部130は、第1学習データ181および第2学習データ182を適切に生成するため、正常区間と異常区間とを定める。この動作は、空気調和装置10において発生した各々の異常について行われる。
故障原因ラベル抽出部131は、対象となる異常に対応する修理情報175から、修理内容、交換部品、故障原因等、故障の内容に関連する情報を、ラベルとして抽出する。また、故障原因ラベル抽出部131は、機器属性情報171から、機種、設置条件、レイアウト等の情報を、ラベルとして抽出する。ラベルには、機器IDや担当者スキルを含んでもよい。
異常区間候補抽出部132は、対象となる異常についての異常区間の始点および終点となり得る日時を、記憶部160の情報から抽出する。具体的には、警報データ173の警報発報日時、受付情報174の受付日時、修理情報175の修理日時、および、点検情報176の点検日時を取得する。また、異常区間候補抽出部132は、修理情報175の修理日時のうち、設定変更を行った日時を、設定変更日時とする。設定変更日時は、修理日時とは区別して処理される。
警報データ173、受付情報174、修理情報175および点検情報176に含まれる日時は、日付であってもよい。つまり、時刻情報が含まれなくてもよい。この場合、異常区間候補抽出部132は、日時の代わりに日付の情報を抽出する。さらに、異常区間候補抽出部132は、抽出した日付に、時刻情報を付加してもよい。異常区間候補抽出部132が付加する時刻情報は、予め設定されていることが望ましい。設定される時刻は任意であり、例えば、午前0時00分や午前12時00分とされる。同様に、以下に説明する日時に関する各種処理においても、日時の代わりに日付の情報を利用できる。
異常データ特徴抽出部133は、運転データ172から、故障原因ラベル抽出部131が抽出したラベルに関連するデータを抽出する。運転データ172は、多数の項目の計測値や設定値を含んでいるので、異常データ特徴抽出部133は、抽出されたラベルに関連する項目や内容のデータを選択する。異常データ特徴抽出部133が選択するデータの項目或いは内容は、例えば、予めラベルに対応づけて設定されている。詳細には、個々のラベル、または、ラベルの組み合わせに対応づけてデータの項目が設定される。
さらに、異常データ特徴抽出部133は、選択した項目または内容のデータのうち、異常区間候補抽出部132が抽出した日時に対応する期間のデータを抽出する。具体的には、異常データ特徴抽出部133は、異常区間候補抽出部132により抽出された日時のうち最も早い日時から遅い日時までを含む期間のデータを抽出する。
選択情報提示部134は、異常区間候補抽出部132が抽出した日時、および、異常データ特徴抽出部133が抽出した運転データを作業者Uに提示するためのデータを生成し、作業者端末30に送信する。
選択指示取得部135は、選択情報提示部134が提示したデータに基づき作業者Uが入力する指示を取得する。
対象期間設定部136は、選択指示取得部135が取得する指示に基づき、異常区間、および、正常区間を設定する。
学習データ生成部140が有する第1学習データ生成部141は、異常区間における運転データを、運転データ172から取得する。第1学習データ生成部141は、運転データ172から取得したデータ、および、故障原因ラベル抽出部131が抽出したラベルに基づき、第1学習データ181を生成する。つまり、第1学習データ181は、空気調和装置10の異常に関するラベルが付された、ラベル付きのデータである。
第1学習データ生成部141は、故障原因ラベル抽出部131が抽出した機器IDを利用して第1学習データ181を生成してもよい。この場合、例えば、第1学習データ181は、機器IDで分類されたラベル付きのデータとなる。
第2学習データ生成部142は、正常区間における運転データを運転データ172から取得して、第2学習データ182を生成する。第2学習データ182は、空気調和装置10の正常動作中のデータを含み、ラベルが付与されていなくて、正常動作中のデータという属性を有している。また、第2学習データ182が含むデータに、正常動作中のデータであることを示すラベルを付加してもよい。
学習部150は、モデル生成部151、異常検知モデル実行部152、故障診断モデル実行部153、および、故障予知モデル実行部154を含む。
モデル生成部151は、機械学習モデルに、第2学習データ182を利用して、いわゆる深層学習等の機械学習を実行させ、異常検知モデル191を生成する。
情報処理装置100は、本発明の学習装置の一例に対応する。
異常検知モデル191は、異常検知モデル実行部152により実行される。異常検知モデル実行部152は、運転データ172の入力に対し、空気調和装置10が正常動作しているか否かを推定し、推定結果を出力するAIである。より具体的には、異常検知モデル実行部152は、運転データ172を解析する動作を周期的に、或いは常時実行し、空気調和装置10が正常状態とは異なる運転状態になったと推定した場合に、異常が発生したと推定して報知を行う。なお、異常検知モデル191の機能は、正常動作しているか否かを推定する機能に限定されない。例えば、異常検知モデル191は、運転データ172が示す空気調和装置10の運転状態と正常時の動作との違いを数値として、周期的に、あるいは常時出力しても良い。この場合の数値は、いわゆる異常度であってもよい。
モデル生成部151は、第1学習データ181および第2学習データ182を機械学習モデルに学習させて、故障診断モデル192を生成する。モデル生成部151は、ラベル付きのデータである第1学習データ181を用いて、例えば教師あり学習を実行し、故障診断モデル192を生成する。
モデル生成部151は、第1学習データ181および第2学習データ182を機械学習モデルに学習させて、故障予知モデル193を生成する。モデル生成部151は、第1学習データ181を解析することによって、空気調和装置10において発生した複数の異常の相関を含む学習を実行する。ここで、異常の数は、例えば、1つの修理情報175が1つの異常に対応すると見なしてカウントすることができる。
第1学習データ181が機器IDを含む場合、或いは機器IDで分類されたデータを含む場合には、モデル生成部151は、同一の空気調和装置10で発生した複数の異常の相関について、機械学習モデルに学習させることができる。
故障診断モデル192は、故障診断モデル実行部153により実行される。故障診断モデル実行部153は、空気調和装置10に異常が発生した場合に、異常が発生する前または発生前後の運転データ172に基づき、異常の原因を推定するAIである。
故障診断モデル実行部153が推定を実行するタイミングは任意に設定できる。例えば、故障診断モデル実行部153は、警報データ173、受付情報174または修理情報175を通信部110が受信したことをトリガーとして、推定を実行してもよい。また、異常検知モデル実行部152が異常発生を報知したことをトリガーとして、推定を行ってもよい。
故障予知モデル193は、故障予知モデル実行部154により実行される。故障予知モデル実行部154は、空気調和装置10において発生した異常の原因と運転データ172とに基づき、将来発生する異常の原因および/または異常発生時期を推定する。
故障予知モデル実行部154が推定を実行するタイミングは任意に設定できる。例えば、故障予知モデル実行部154は、警報データ173、受付情報174または修理情報175を通信部110が受信したことをトリガーとして推定を実行してもよい。また、故障予知モデル実行部154は、故障診断モデル実行部153が推定を行う毎に、故障診断モデル実行部153の推定結果を取得して、推定を実行してもよい。
学習部150は、モデル生成部151によって異常検知モデル191を更新する。例えば、第2学習データ生成部142が第2学習データ182を更新する毎に、更新後の第2学習データ182を異常検知モデル191に学習させることにより、異常検知モデル191を更新する。同様に、モデル生成部151は、第1学習データ181または第2学習データ182が更新された場合に、更新後のデータに基づき故障診断モデル192および故障予知モデル193を学習させる。
ところで、空気調和装置10の運転開始からしばらくの間は、異常の発生件数が少ない。このため、第1学習データ181に含まれるデータ量、すなわちサンプル数が少なく、故障診断モデル192および故障予知モデル193の学習が進みにくい。
本実施形態の情報処理装置100は、第1学習データ181が十分な数のデータを含んでいない段階では、第1学習データ生成部141が取得するデータの量が多くなるように調整を行うことにより、第1学習データ181のデータ量の増加を促進する。この動作について以下に説明する。
[3.情報処理装置の動作]
図5および図6は、情報処理装置100の動作を示すフローチャートである。図5のステップS101−S106,S108は、学習データ180を生成するための動作であり、学習データ生成フェーズという。上記の収集フェーズと学習データ生成フェーズとの実行順序に制約は無く、例えば、情報処理装置100は収集フェーズと学習データ生成フェーズとを並行して実行できる。
学習データ生成部140は、学習データ180の事例数の閾値を設定する(ステップS101)。ステップS101で設定される閾値は、第1学習データ181が十分な量のデータを含んでいるか否かを判定する基準であり、第1学習データ181の事例数と比較される。第1学習データ181の事例数は、第1学習データ181が含むデータ量の指標であり、例えば、第1学習データ181に含まれる運転データの数をいう。上記のように空気調和装置10は周期的に計測値等を取得する。空気調和装置10が1回に取得する計測値等を1つの運転データとし、1つの事例として数える。この場合、事例数はサンプル数と言い換えることもできる。
続いて、期間設定部130および学習データ生成部140は、学習データ180に追加するデータを抽出するためのデータ登録処理を実行する(ステップS102)。データ登録処理の詳細は後述する。
学習データ生成部140は、ステップS102で抽出されたデータを含むように、第1学習データ181および第2学習データ182を更新する(ステップS103)。
学習データ生成部140は、ステップS103で更新された第1学習データ181の事例数が閾値以上か否かを判定する(ステップS105)。事例数が閾値より少ない場合(ステップS105;NO)、学習データ生成部140は、異常区間を長くする設定を行う(ステップS106)。これにより、異常区間に含まれるデータの事例数が多くなるので、第1学習データ181のデータ量の増加が促進される。
その後、モデル生成部151は、更新された学習データ180に基づく学習を行い、異常検知モデル191、故障診断モデル192、および故障予知モデル193を生成または更新する(ステップS107)。
一方、第1学習データ181の事例数が閾値以上である場合(ステップS105;YES)、学習データ生成部140は、異常区間を短くする設定を行う(ステップS108)。
図6に、学習データ登録処理の詳細を示す。
学習データ登録処理では、最初に処理対象の異常が選択される(ステップS121)。具体的には、異常に関して作成された修理情報175のいずれか1つが選択される。ステップS121では、期間設定部130が異常を選択してもよいし、作業者端末30の操作により選択されてもよい。
故障原因ラベル抽出部131は、対象となる異常に対応する修理情報175および機器属性情報171から、上述したラベルとなる情報を抽出する(ステップS122)。
異常区間候補抽出部132は、対象となる異常に関連する警報データ173、受付情報174、修理情報175、および点検情報176を参照し、始点の候補となる日時および終点の候補となる日時を抽出する(ステップS123)。ステップS123で、異常区間候補抽出部132は、修理情報175の修理日時と機器IDとに基づいて、対象となる異常に関連する情報を特定する。
続いて、異常データ特徴抽出部133は、異常区間候補抽出部132が抽出した日時に対応する抽出期間を設定する(ステップS124)。抽出期間は、始点の候補のうち最も早い日時と、終点の日時とを含む期間に設定される。また、ステップS124では、正常区間の選択が容易になるように、始点の候補より前の期間、および、終点の候補より後の期間を含む抽出期間を設定することが望ましい。
異常データ特徴抽出部133は、抽出期間の運転データ172から、故障原因ラベル抽出部131が抽出したラベルに関連する項目の運転データを抽出する(ステップS125)。
選択情報提示部134は、ステップS106またはステップS108で設定された異常区間の長さに関する設定内容を取得する(ステップS126)。
ここで、異常データ特徴抽出部133が抽出するデータについて説明する。
図7、図8および図9は、それぞれ、学習データ180の生成に使用されるデータの構成例を示す模式図である。
図7には、1つの異常に関する受付情報174および修理情報175と、異常データ特徴抽出部133が運転データ172から抽出した抽出データ178とを示す。これらのデータの組み合わせをデータセット170aとする。なお、図7の抽出データ178は、抽出区間のデータの一部のみを示しており、図8および図9においても同様である。
データセット170aには、警報データ173および点検情報176は含まれない。つまり、学習データ登録処理の対象となる異常に対応する警報データ173、受付情報174、および点検情報176の全てがデータセット170aに記憶されていることは必須ではない。
上述のように、受付情報174には機器ID、受付日時、症状、処置内容、受付者名が含まれる。図7の受付情報174は受付日時の代わりに受付日が含まれている。また、修理情報175には、故障原因がフィルタ詰まりであり、部品交換に代えてフィルタ清掃が行われたことを示す情報が含まれている。故障原因ラベル抽出部131は、修理情報175から「フィルタ清掃」、「フィルタ詰まり」、「担当者スキル」をラベルとして抽出する。また、故障原因ラベル抽出部131は図示しない機器属性情報171から機種、設置条件、レイアウト等をラベルとして抽出する。
「フィルタ清掃」および「フィルタ詰まり」のラベル、および機器属性情報171から抽出されたラベルに対応する運転データ172の項目は、例えば、吸込温度、吹出温度および冷媒温度の計測値と、風量および運転モードの設定値である。抽出データ178は、機器IDおよび日時に加え、ラベルに関連して選択された各項目のデータを含む。
図8に示すデータセット170bは、警報データ173、修理情報175および抽出データ178を含む。修理情報175から抽出されるラベルは、「冷媒補充」、「冷媒不足」である。抽出されたラベルに対応する運転データ172の項目は、例えば、過熱度、過冷却度、膨張弁開度、圧縮機回転数であり、これらの項目のデータが抽出データ178に含まれる。
図8の例では、警報データ173に3回の警報のデータが含まれており、空気調和装置10の1つの異常に関して3回の警報が出力されたことを示している。
図9に示すデータセット170cは、点検情報176、修理情報175および抽出データ178を含む。修理情報175から抽出されるラベルは、「圧縮機」、「圧縮機の劣化」である。抽出されたラベルに対応する運転データ172の項目は、例えば、圧縮機回転数、圧縮機1次電流であり、これらの項目のデータが抽出データ178に含まれる。
このように、異常データ特徴抽出部133によって、多数の項目のデータを含む運転データ172から、ラベルに関連するデータが抽出されるので、異常に関連する可能性のあるデータを学習データ180として利用できる。
選択情報提示部134は、異常区間候補抽出部132が抽出した異常区間の始点の候補と、異常区間の終点の候補と、異常データ特徴抽出部133が抽出した運転データとを集約して提示用データを生成し、作業者端末30bに送信する(図6のステップS127)。
図10および図11は、作業者端末30bにおける表示例を示す図であり、選択情報提示部134が生成する提示用データをタッチパネル31bに表示した例である。
図10に示す提示画面310には、機器情報表示部311、内容表示部312、事例数表示部314、登録指示ボタン315が配置される。機器情報表示部311には、機器属性情報171から抽出された情報が表示される。内容表示部312には、学習データ登録処理の対象の故障について、修理情報175から抽出された故障原因等の情報が表示される。事例数表示部314には、学習データ登録処理の実行時点における第1学習データ181の事例数が表示される。登録指示ボタン315は、作業者U3が登録を指示するための操作部として機能するボタンである。
提示画面310には、期間表示領域320が配置される。期間表示領域320は、運転データ表示部321、および区間表示部327を有する。
運転データ表示部321には、時間軸322に沿って、運転データ172から抽出された計測値のグラフが表示される。図10の例では、圧縮機1次電流のグラフ323、および、圧縮機回転数のグラフ324が表示されている。また、時間軸322には、異常区間の始点の候補である日時を示す日時記号331、332、333、334、335、および、異常区間の終点の候補である日時を示す日時記号336が配置される。図10の例において始点の候補は、点検日時、2回の設定変更日時、受付日時、および警報日時である。また、終点の候補は修理日時である。
区間表示部327には、時間軸322に従って、異常区間T1および正常期間T2が矢印により表示される。
正常期間T2は異常区間T1以外の期間に設定されており、具体的には、異常区間T1の始点と正常期間T2の終点とが一致し、異常区間T1の終点と正常期間T2の始点とが一致している。
正常期間T2の始点および終点は、異常区間T1の終点および始点と一致していなくてもよい。つまり、正常期間T2の始点および終点を、異常区間T1の終点および始点とは独立して設定可能であってもよい。図10の提示画面310は、選択情報提示部134がステップS127で作業者U3に提示する候補である。つまり、選択情報提示部134は候補として、異常区間T1と正常期間T2とが連続する例を提示する。従って、作業者U3の操作により、正常期間T2の始点および終点を、異常区間T1の終点および始点と一致しない日時とすることができる。
また、正常期間T2は、区間表示部327に示される始点と終点との間の全期間としてもよい。この場合、区間表示部327の正常期間T2の始点から、現在の対象の異常の後に発生する異常に関して指定される異常区間T1の始点までが正常期間T2となる。
或いは、正常期間T2の長さは予め設定されていてもよい。この長さを、仮に、正常期間長TLとする。正常期間長TLは、日、時間、分、あるいは秒を単位として予め設定しておくことができる。また、提示画面310に対する操作により正常期間長TLを設定可能であってもよい。この場合、正常期間T2は、区間表示部327で指定される正常期間T2の始点および終点から正常期間長TLの期間である。図10の例では、正常期間T2は、点検日時から正常期間長TLだけ遡及する期間、および、修理日時から正常期間長TLが経過するまでの期間であり、設定された正常期間長TLの2倍の長さとなる。また、正常期間T2の終点からの正常期間長TLと、正常期間T2の始点からの正常期間長TLとを、異なる長さとしてもよい。
図10の例は、異常区間を長くする設定が行われた場合に生成される提示用データに基づく表示例である。従って、作業者U3に対し、異常区間を長くするように促す表示がなされる。具体的には、始点の候補のうち、最も終点の候補から離れている日時を示す日時記号331が、他の日時記号332−335とは異なる表示状態で表示されている。また、終点の候補としては修理日時が提示される。すなわち、終点を示す日時記号336は、日時記号332−335とは異なる表示状態で表示されている。
さらに、図10の提示画面310では、正常期間T2の始点を修理日時とし、正常期間T2の終点の候補として点検日時が提示されている。別の表現をすれば、正常期間T2の終点の候補は、異常区間T1を除く期間において正常期間T2の始点に最も近い日時とされている。この候補に従って正常期間T2が指定された場合、正常期間T2は最も長くなる。図10の例は、第1学習データ181の事例数が少ない状態であり、正常期間T2に関する第2学習データ182の事例数もまた、少ない。このため、正常期間T2を長く設定することで、第2学習データ182の事例数の増加を促進できる。
提示画面310では、登録指示ボタン315が操作される前は、異常区間T1および正常期間T2を、作業者U3の操作により変更可能である。例えば、日時記号331、332、333、334、335のいずれかに対するタッチ操作によって、始点の候補のいずれかを選択できる。始点の候補が選択された場合、選択情報提示部134は提示用データを更新し、提示画面310の表示が更新される。例えば、異常区間T1の表示が、選択された始点の候補に合わせて更新される。
作業者U3は、提示画面310のグラフ323、324を見て、内容表示部312に表示された異常に関連する動作状態が始まった時期を判断し、異常区間T1始点の候補から始点を選択する。また、作業者U3は終点を指定する。また、作業者U3は、正常期間T2と異常区間T1を連続させない意図がある場合は、正常期間T2の終点および始点を指定する。作業者U3の操作に従って提示画面310が更新された後、作業者U3は、更新された異常区間T1および正常期間T2が自身の意図の通りであれば、登録指示ボタン315を操作する。
登録指示ボタン315が操作されると、作業者端末30bから情報処理装置100に対し、作業者U3が選択した異常区間T1の始点および終点の日時と、登録の指示とが送信される。この指示に、正常期間T2の始点および終点の日時が含まれてもよい。
なお、提示画面310においては、異常区間T1の始点を、時間軸322における日時記号331、332、333、334、335以外の位置にする操作が行われてもよい。例えば、日時記号332と日時記号333との間を始点とする操作が可能であってもよい。
また、異常区間T1の終点についても同様に、日時記号336以外の位置にする操作が可能である。例えば、日時記号331、332、333、334、335の位置を終点とする操作が可能である。さらにまた、上記の日時記号以外の位置を終点とするように、終点の位置を変更する操作が可能であってもよい。これらの異常区間T1の終点を変更する指示が行われる毎に、区間表示部327の表示が更新される。さらに、登録指示ボタン315が操作されると、作業者端末30bから情報処理装置100に対し、作業者U3が選択した始点および終点の日時と、登録の指示とが送信される。
図11の提示画面310は、異常区間T1を短くする設定が行われた場合に生成される提示用データに基づく表示例である。事例数表示部314に表示される事例数が、図10の例とは異なり、閾値以上の数となっている。
図11の提示画面310では、始点の候補のうち、終点の候補である修理日時に最も近い日時を示す日時記号335が、他の日時記号331−334とは異なる表示状態で表示されている。また、図10に示した例と同様に、終点の候補として日時記号336が日時記号331−334とは異なる表示状態で表示されている。
また、図11の例では、提示画面310に、注意喚起表示部313が配置される。注意喚起表示部313には、第1学習データ181の事例数が十分であることを報知し、異常区間T1が短くなるように設定することを促すメッセージが表示される。
修理日時においては作業者U1が空気調和装置10の状態を確認しているので、異常が発生していることが確実である。異常区間T1が短い方が、運転データ172から抽出されるデータの品質が高いといえる。つまり、抽出されるデータにおいて、異常に関連しているデータの割合が高く、異常とは無関係のデータの割合が低い。第1学習データ181の事例数が十分な数に達している場合、第1学習データ181の品質を高めることが有用である。このため、選択情報提示部134は、注意喚起表示部313により、作業者U3に対して異常区間T1を短くすることを促す。
また、図11の提示画面310では、正常期間T2の始点を修理日時とし、正常期間T2の終点の候補として点検日時が提示されている。別の表現をすれば、正常期間T2の終点の候補は、正常期間T2の始点から最も離れた日時とされている。
図11の例では、異常区間T1の始点と正常期間T2の終点とが一致していない。選択情報提示部134は、図11に示すように、正常期間T2を、異常区間T1の始点の候補が含まれない期間として提示することもできる。
図11の例は、第1学習データ181の事例数が増えた状態であるため、正常期間T2に関する第2学習データ182の事例数もまた、増えている。このため、選択情報提示部134は、図11に示すように、正常期間T2を異常区間T1から離すよう提示する。この例では、第2学習データ182の品質を高めることが期待できる。
また、選択情報提示部134は、正常期間T2の始点と終点の候補を提示する際に、異常区間T1の長さに応じた候補の提示を行ってもよい。例えば、選択情報提示部134は、異常区間T1が長い場合には、異常区間T1以外を正常期間T2とし、異常区間T1が短い場合には、異常区間T1と正常期間T2とが隣接しないように候補を設定して提示してもよい。
提示画面310の登録指示ボタン315が操作されると、選択指示取得部135が、作業者端末30bにより送信される指示を取得する(図6のステップS128)。ここで、選択指示取得部135は、登録指示ボタン315を操作した作業者Uが、他の作業者Uによる確認を必要とするか否かを判定する(ステップS129)。他の作業者Uによる確認を必要とする場合とは、登録指示ボタン315を操作した作業者Uのスキルが、定められた水準以下の場合である。
他の作業者Uによる確認を必要としない場合(ステップS129;NO)、対象期間設定部136が、運転データ172から異常区間および正常区間のデータを抽出し(ステップS130)、ステップS103に移行する。
他の作業者Uによる確認を必要とする場合(ステップS129;YES)、選択情報提示部134は確認用のデータを生成して、作業者端末30cに送信する(ステップS131)。この場合、タッチパネル31cに、提示画面310で作業者U3が操作した内容を示す情報、或いは、登録指示ボタン315が操作された時点における提示画面310が表示される。作業者U4は、作業者U3が設定した異常区間T1および正常期間T2が適切か否か等の観点で、作業者U3の操作を許可するか否かを判断し、作業者端末30cに入力する。作業者U4が入力した内容は、作業者端末30cから情報処理装置100に送信される。
選択指示取得部135は、通信部110が作業者端末30cから受信する指示を取得し(ステップS132)、作業者U3の指示による登録が許可されたか否かを判定する(ステップS133)。登録が許可されなかった場合(ステップS133;NO)、情報処理装置100は、処理を終了する。
また、登録が許可された場合(ステップS133;YES)、ステップS130に移行してデータを抽出し、ステップS103に移行する。
図5および図6に示す処理は、警報データ173、受付情報174、修理情報175および点検情報176が更新される毎、或いは、運転データ172が所定量増加する毎に、繰り返し実行される。ステップS101は繰り返す必要がないため、必要に応じて実行されればよい。
また、情報処理装置100は、ステップS108で異常区間を短くする設定を行った場合に、過去に第1学習データ181の生成のために利用された事例を対象として、ステップS102−S103を再実行し、第1学習データ181を作り直してもよい。この場合、第1学習データ181の全体の品質を向上させることができ、より高精度の推定が可能な故障診断モデル192および故障予知モデル193を生成できる。
以上説明したように、実施形態の情報処理装置100は、空気調和装置10の運転データを取得する運転情報取得部121と、空気調和装置10の修理点検の内容、および、修理点検の日付または日時を含む修理情報175を取得する修理点検情報取得部122と、異常区間を設定する期間設定部130と、異常区間の運転データに基づいて、空気調和装置10の運転状態と運転データとが対応づけられた第1学習データ181を生成する学習データ生成部140と、を備え、期間設定部130は、修理情報175に含まれる空気調和装置10の修理の日付または日時を異常区間の終点とし、異常区間の始点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を異常区間の始点とし、第1学習データ181に含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する始点の候補を、第1学習データ181に含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する始点の候補よりも、終点から離れた日付または日時とする。
情報処理装置100、および情報処理装置100が実行する情報処理方法によれば、第1学習データ181の事例が少ない場合には異常区間を相対的に長く設定し、第1学習データ181のデータ量を確保できる。また、事例の数が閾値以上である場合は異常区間を相対的に短く設定することにより、学習に特に適している運転データを選び、精度の高い第1学習データ181を生成できる。さらに、異常区間の終点を修理の日付または日時から移動させないので、修理と無関係な第1学習データ181となることを防止し、第1学習データ181としての品質を維持できる。
このため、空気調和装置10において発生した異常の事例の多寡にかかわらず、学習部150によって空気調和装置10の運転状態を学習するために適した第1学習データ181を得ることができる。
期間設定部130は、第1学習データ181に含まれる事例数が閾値より少ない場合は、警報データ173、受付情報174、修理情報175、および点検情報176等に含まれる日付または日時のうち最も終点から離れている日付または日時を始点の候補とし、第1学習データ181に含まれる事例数が閾値以上の場合は、最も終点に近い日付または日時を始点の候補とする。
例えば、図10および図11に示した提示画面310の例において、第1学習データ181の事例数が閾値より少ない場合は点検日時を始点の候補として日時記号331の表示状態を変更し、第1学習データ181の事例数が閾値以上の場合は設定変更日時を始点の候補として日時記号335の表示状態を変更する。
これによれば、第1学習データ181の事例が少ない場合に、修理に関係する運転データが含まれる最長の期間を異常区間とすることができ、第1学習データ181の量を確保できる。また、第1学習データ181に含まれる事例数が十分である場合には、異常区間を大幅に短くすることによって、第1学習データ181の精度を高めることができる。
修理点検情報は、空気調和装置10の点検が実行された日付または日時、空気調和装置10の修理点検に関する情報が受け付けられた日付または日時、空気調和装置10の設定が変更された日付または日時、および、空気調和装置10が運転状態に関する警報を出力した日付または日時のうちいずれか1以上と、空気調和装置10の修理が実行された日付または日時と、を含む。具体的には、期間設定部130および学習データ生成部140は、警報データ173、受付情報174、および点検情報176の少なくともいずれかと、修理情報175とを取得して利用する。
これによれば、空気調和装置10の修理に関係する運転データを利用して、第1学習データ181および第2学習データ182を得ることができる。
異常区間は、空気調和装置10の運転状態が特定の状態であると判断される期間であり、期間設定部130は、上記の修理点検情報に含まれるいずれかの日付もしくは日時、または、空気調和装置10の点検で発見された症状および空気調和装置10の平常運転における運転データとの差に基づき、異常区間の始点を設定してもよい。例えば、正常期間における運転データ172とは異なる運転データ172が得られた期間を、異常区間として、提示画面310により提示してもよい。この場合、空気調和装置10の運転状態に対応する第1学習データ181を、容易に得ることができる。
空気調和装置10の正常運転における運転データは、空気調和装置10の運用設計時に得られる運転データ、空気調和装置10の試運転における運転データ、空気調和装置10が正常動作していると判断される運転中の運転データのいずれかとすることができる。本実施形態の情報処理装置100は、空気調和装置10が正常動作していると判断される運転中の運転データを、正常期間の運転データとして第2学習データ182を生成する。これによれば、空気調和装置10に対する各種の修理点検が行われたタイミング、または、空気調和装置10の平常運転における運転データを基準として、異常区間および正常区間を適切に設定できる。
情報処理装置100は、異常区間の始点の候補を選択する操作を行う作業者Uごとに、作業者Uのスキルを示すスキル情報を記憶したユーザDB162を備え、期間設定部130は、特定のスキル情報に該当する作業者U3の操作に基づき設定された異常区間の運転データを、第1学習データ181の生成に利用するか否かを選択可能に、作業者U4に提示する。
これによれば、始点の候補を選択する作業者Uのスキルの差に対応して、高品質の第1学習データ181を得ることができる。
学習データ生成部140は、空気調和装置10の設置条件、空気調和装置10のレイアウト、および、空気調和装置10の機種のいずれかを含む機器属性情報171と、異常区間の運転データとを対応づける第1学習データ181を生成する。具体的には、学習データ生成部140は、機器属性情報171から抽出されるラベルと、運転データ172から抽出された運転データとに基づき第1学習データ181を生成する。
これによれば、空気調和装置10の機種、設置条件、レイアウト等に対応する第1学習データ181を得ることができる。
情報処理装置100は、空気調和装置10の運転データを取得する運転情報取得部121と、空気調和装置10の修理点検の内容、および、修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部122と、修理点検情報に基づき設定される異常区間の運転データをもとに、第1学習データ181を生成する学習データ生成部140と、第1学習データ181に基づいて、空気調和装置10の運転状態に関連付けられる運転データの条件を学習する学習部150と、を備える学習装置である。
これによれば、空気調和装置10の運転状態と、空気調和装置10から取得される運転データとを関連を学習することにより、空気調和装置10の運転状態に関する高精度の予測、診断、或いは検知が可能となる。
また、情報処理装置100は、空気調和装置10の運転データを取得する運転情報取得部121と、空気調和装置10の修理点検の内容、および、修理点検の日付または日時を含む修理情報175を取得する修理点検情報取得部122と、空気調和装置10が正常動作していると見なされる正常区間を設定する期間設定部130と、正常区間の運転データに基づいて、空気調和装置10の運転状態と運転データとが対応づけられた第2学習データ182を生成する学習データ生成部140と、を備え、期間設定部130は、修理情報175に含まれる機器の修理の日付または日時を正常区間の始点の候補とし、正常区間の終点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を正常区間の始点、及び終点とし、第1学習データ181または第2学習データ182に含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する終点の候補を、第1学習データ181または第2学習データ182に含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する終点の候補よりも、始点から離れた日付または日時とする。
このように、情報処理装置100、および情報処理装置100が実行する情報処理方法によれば、空気調和装置10が正常動作していると見なされる正常区間の候補を提示し、正常区間に関する第2学習データ182の事例が少ない場合には、正常区間を相対的に長く設定して第2学習データ182の量を確保できる。また、事例の数が閾値以上ある場合は正常区間を相対的に短く設定することにより、学習に特に適している運転情報を選び、精度の高い学習データを生成できる。従って、正常動作している場合の機器の運転状態を学習するために適した第2学習データ182を得ることができる。
期間設定部130は、第1学習データ181または第2学習データ182に含まれる事例数が閾値より少ない場合は、警報データ173、受付情報174、修理情報175、および点検情報176等に含まれる日付または日時のうち最も始点から離れている日付または日時を終点の候補とし、第2学習データ182に含まれる事例数が閾値以上の場合は、修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も始点に近い日付または日時を終点の候補とする。
これによれば、第2学習データ182の事例が少ない場合に、正常区間を長くすることにより、第2学習データ182の量を確保できる。また、第2学習データ182に含まれる事例数が十分である場合には、正常区間を短くすることによって、第2学習データ182の精度を高めることができる。
期間設定部130は、上記の修理点検情報に含まれるいずれかの日付もしくは日時、または、空気調和装置10の点検で発見された症状および空気調和装置10の平常運転における運転データとの差に基づき、正常区間の終点を設定してもよい。例えば、平常運転における運転データと空気調和装置10の運転データとの差に基づき異常区間を設定し、異常区間の始点および終点をもとに正常区間の終点および始点を設定してもよい。この場合、空気調和装置10の運転状態に基づいて、第2学習データ182を容易に得ることができる。
情報処理装置100は、正常区間の終点の候補を選択する操作を行う作業者Uごとに、作業者Uのスキルを示すスキル情報を記憶したユーザDB162を備え、期間設定部130は、特定のスキル情報に該当する作業者U3の操作に基づき設定された正常区間の運転データを、第2学習データ182の生成に利用するか否かを選択可能に、作業者U4に提示する。これによれば、正常区間の終点の候補を選択する作業者Uのスキルの差に対応して、高品質の第2学習データ182を得ることができる。
学習データ生成部140は、空気調和装置10の設置条件、空気調和装置10のレイアウト、および、空気調和装置10の機種のいずれかを含む機器属性情報171と、正常区間の運転データとを対応づける第2学習データ182を生成してもよい。この場合、空気調和装置10の機種、設置条件、レイアウト等に対応する第2学習データ182を得ることができる。
[4.他の実施形態]
なお、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。あくまでも本発明の一実施態様を例示するものであるから、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更、および応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、対象区間として空気調和装置10の異常が発生した異常区間、および、正常区間を設定し、運転データ172を抽出して学習データ180を生成する例を説明した。本発明はこれに限定されず、対象の機器の運転状態に基づき対象区間を設定する他の例にも適用できる。例えば、空気調和装置10の動作状態が特に良好な対象区間について学習データ180を生成してもよい。
また、例えば、情報処理装置100が処理する情報は、空気調和装置10に関する情報に限定されない。例えば、本発明は、冷蔵ショーケース、冷凍庫等の各種の冷凍設備に関する情報を処理する構成や、冷凍回路を備えていない各種装置に関する情報を処理する構成に適用できる。
また、図3は、本願発明の理解を容易にするために、情報処理装置100の機能構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、これらの構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。
例えば、上記実施形態では、情報処理装置100が期間設定部130、学習データ生成部140および学習部150を備える構成として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、学習部150を、情報処理装置100とは別の装置として構成してもよい。この場合、学習部150を備える装置は、学習データ生成部140により生成される学習データ180にアクセス可能であればよい。また、学習データ180を記憶するデータベースサーバを、情報処理装置100とは異なる装置として構成し、通信ネットワーク40により情報処理装置100に接続してもよく、その他の態様としてもよい。また、図3の各構成要素の処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
以上のように、本発明に係る情報処理装置、および、本発明の情報処理方法を適用した装置は、機器の動作状態の事例数に対応して、機器の運転状態を学習するために適した学習データを得られる情報処理装置として、好適に利用可能である。
1 機器管理システム
10 空気調和装置
20 受付端末
30、30a、30b、30c 作業者端末
31、31a、31b、31c タッチパネル
100 情報処理装置(学習装置)
120 処理部
121 運転情報取得部
122 修理点検情報取得部
130 期間設定部
131 故障原因ラベル抽出部
132 異常区間候補抽出部
133 異常データ特徴抽出部
134 選択情報提示部
135 選択指示取得部
136 対象期間設定部
140 学習データ生成部
141 第1学習データ生成部
142 第2学習データ生成部
150 学習部
151 モデル生成部
152 異常検知モデル実行部
153 故障診断モデル実行部
154 故障予知モデル実行部
162 ユーザDB
171 機器属性情報
172 運転データ
173 警報データ
174 受付情報
175 修理情報
176 点検情報
178 抽出データ
180 学習データ
181 第1学習データ(学習データ)
182 第2学習データ
190 学習モデル記憶部
191 異常検知モデル
192 故障診断モデル
193 故障予知モデル

Claims (17)

  1. 機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、
    前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、
    対象期間を設定する期間設定部と、
    前記対象期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた学習データを生成する学習データ生成部と、を備え、
    前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記対象期間の終点の候補とし、前記対象期間の始点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記対象期間の始点、及び終点とし、
    前記学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記始点の候補を、前記学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記始点の候補よりも、前記終点から離れた日付または日時とすること、
    を特徴とする情報処理装置。
  2. 前記期間設定部は、前記学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記終点から離れている日付または日時を前記始点の候補とし、前記学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記終点に近い日付または日時を前記始点の候補とすること、
    を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
  3. 前記修理点検情報は、前記機器の点検が実行された日付または日時、前記機器の修理点検に関する情報が受け付けられた日付または日時、前記機器の設定が変更された日付または日時、および、前記機器が運転状態に関する警報を出力した日付または日時のうちいずれか1以上と、前記機器の修理が実行された日付または日時と、を含むこと、
    を特徴とする請求項1または2記載の情報処理装置。
  4. 前記対象期間は、前記機器の運転状態が特定の状態であると判断される期間であり、
    前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれるいずれかの日付もしくは日時、または、前記機器の点検で発見された症状および前記機器の平常運転における前記運転情報との差に基づき、前記対象期間の始点を設定すること、
    を特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記機器の平常運転における前記運転情報は、前記機器の運用設計時に得られる前記運転情報、前記機器の試運転における前記運転情報、前記機器が正常動作していると判断される運転中の前記運転情報のいずれかであること、
    を特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記対象期間の始点の候補を選択する操作を行う操作者ごとに、前記操作者のスキルを示すスキル情報を記憶した操作者情報記憶部を備え、
    前記期間設定部は、特定の前記スキル情報に該当する前記操作者の操作に基づき設定された前記対象期間の運転情報を、前記学習データの生成に利用するか否かを選択可能に提示すること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記学習データ生成部は、前記機器の設置条件、前記機器のレイアウト、および、前記機器の機種のいずれかを含む機器特性情報と、前記対象期間の前記運転情報とを対応づける前記学習データを生成すること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  8. 機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、
    前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、
    前記機器が正常動作していると見なされる正常動作期間を設定する期間設定部と、
    前記正常動作期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた正常期間学習データを生成する学習データ生成部と、を備え、
    前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記正常動作期間の始点の候補とし、前記正常動作期間の終点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記正常動作期間の始点、及び終点とし、
    前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記終点の候補を、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記終点の候補よりも、前記始点から離れた日付または日時とすること、
    を特徴とする情報処理装置。
  9. 前記期間設定部は、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記始点から離れている日付または日時を前記終点の候補とし、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合は、前記修理点検情報に含まれる日付または日時のうち最も前記始点に近い日付または日時を前記終点の候補とすること、
    を特徴とする請求項8記載の情報処理装置。
  10. 前記修理点検情報は、前記機器の点検が実行された日付または日時、前記機器の修理点検に関する情報が受け付けられた日付または日時、前記機器の設定が変更された日付または日時、および、前記機器が運転状態に関する警報を出力した日付または日時のうちいずれか1以上と、前記機器の修理が実行された日付または日時と、を含むこと、
    を特徴とする請求項8または9記載の情報処理装置。
  11. 前記期間設定部は、前記修理点検情報に含まれるいずれかの日付もしくは日時、または、前記機器の点検で発見された症状および前記機器の平常運転における前記運転情報との差に基づき、前記正常動作期間の終点を設定すること、
    を特徴とする請求項10記載の情報処理装置。
  12. 前記機器の平常運転における前記運転情報は、前記機器の運用設計時に得られる前記運転情報、前記機器の試運転における前記運転情報、前記機器が正常動作していると判断される運転中の前記運転情報のいずれかであること、
    を特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
  13. 前記正常動作期間の終点の候補を選択する操作を行う操作者ごとに、前記操作者のスキルを示すスキル情報を記憶した操作者情報記憶部を備え、
    前記期間設定部は、特定の前記スキル情報に該当する前記操作者の操作に基づき設定された前記正常動作期間の運転情報を、前記正常期間学習データの生成に利用するか否かを選択可能に提示すること、
    を特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  14. 前記学習データ生成部は、前記機器の設置条件、前記機器のレイアウト、および、前記機器の機種のいずれかを含む機器特性情報と、前記正常動作期間の前記運転情報とを対応づける前記正常期間学習データを生成すること、
    を特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
  15. 機器の運転情報を取得し、
    前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得し、
    対象期間の始点および終点を設定する期間設定処理を行い、
    前記期間設定処理で設定された前記対象期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた学習データを生成し、
    前記期間設定処理において、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を前記対象期間の終点の候補とし、前記対象期間の始点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記対象期間の始点、及び終点とし、
    前記学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記始点の候補を、前記学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記始点の候補よりも、前記終点から離れた日付または日時とすること、
    を特徴とする情報処理方法。
  16. 機器の運転情報を取得し、
    前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得し、
    前記機器が正常動作していると見なされる正常動作期間を設定する期間設定処理を行い、
    前記正常動作期間の前記運転情報に基づいて、前記機器の運転状態と前記運転情報とが対応づけられた正常期間学習データを生成し、
    前記期間設定処理において、前記修理点検情報に含まれる前記機器の修理の日付または日時を含む前記正常動作期間の始点とし、前記正常動作期間の終点の候補として日付または日時を選択可能に提示し、選択された日付または日時を前記正常動作期間の始点、及び終点とし、
    前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値より少ない場合に提示する前記終点の候補を、前記正常期間学習データに含まれる事例数が閾値以上の場合に提示する前記終点の候補よりも、前記始点から離れた日付または日時とすること、
    を特徴とする情報処理方法。
  17. 機器の運転情報を取得する運転情報取得部と、
    前記機器の修理点検の内容、および、前記修理点検の日付または日時を含む修理点検情報を取得する修理点検情報取得部と、
    前記修理点検情報に基づき設定される対象期間の前記運転情報をもとに、学習データを生成する学習データ生成部と、
    前記学習データに基づいて、前記機器の運転状態に関連付けられる前記運転情報の条件を学習する学習部と、
    を備えることを特徴とする学習装置。
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