JP2020168958A - 電動車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】雨水等の汚れが跳ね上がることを防止しつつ、前輪周辺の視認性を向上して運転し易くすること。【解決手段】電動車両(1)は、車体前部に配置される左右一対の前輪(3)と、少なくとも前輪の後上方の一部を覆うフロントカバー(21)と、フロントカバーの後方に配置されるシート(7)と、を備える。フロントカバーは、前輪の後方で車幅方向外側に膨出する膨出部(21a)を有する。フロントカバーは、平面視において、膨出部から前方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなる。【選択図】図3

Description

本発明は、電動車両に関する。
歩行が困難な高齢者や身体障害者等の歩行困難者の移動手段として、電動車いす等の小型電動車両が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、左右一対の前輪と左右一対の後輪とを備えた四輪の小型電動車両が開示されている。特許文献1に記載の小型電動車両では、前輪の後上部を覆うようにフロントフェンダが設けられている。フロントフェンダは、前輪の泥除けとして機能する。
このような小型電動車両において、運転者は車体前下方の視認性を確保する必要がある。前輪の向きや歩道の段差、及び路面状態を確認することで運転性が向上するためである。しかしながら、フロントフェンダが前輪を覆うことで、車体前下方の視認性が悪化することが想定される。このため、特許文献1では、フロントフェンダを透明又は半透明材料で構成している。これにより、泥除けとしての機能を確保しつつ、車体前下方の視認性(視界)も確保している。
特開2013−106896号公報
しかしながら、特許文献1のようにフロントフェンダを透明又は半透明材料で構成したとしても、フロントフェンダの内外面に泥や埃が付着すると車体前下方の視界が遮られてしまう。この結果、前輪付近を目視することができなくなるおそれがあった。すなわち、車体前下方の視認性確保には改善の余地があった。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、雨水等の汚れが跳ね上がることを防止しつつ、前輪周辺の視認性を向上して運転し易い電動車両を提供することを目的とする。
本発明の一態様の電動車両は、車体前部に配置される左右一対の前輪と、少なくとも前記前輪の後上方の一部を覆うフロントカバーと、前記フロントカバーの後方に配置されるシートと、を備え、前記フロントカバーは、前記前輪の後方で車幅方向外側に膨出する膨出部を有し、平面視において、前記膨出部から前方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなることを特徴とする。
本発明によれば、雨水等の汚れが跳ね上がることを防止しつつ、前輪周辺の視認性を向上して運転し易くすることができる。
本実施の形態に係る電動車両の左側面図である。 本実施の形態に係る電動車両を運転席から前下方に向かって見た斜視図である。 本実施の形態に係る電動車両の前半部分における上面図である。 本実施の形態に係る電動車両のフロントカバー周辺の左側面図である。 本実施の形態に係る電動車両のフロントカバー周辺の正面図である。 本実施の形態に係る電動車両において、旋回したときの前輪の上面図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明が適用される電動車両として、高齢者向けのセニアカーを例にして説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、身体に障害を持った人向けの電動車いす等、他のタイプの電動車両に本発明を適用してもよい。また、方向については運転者を基準とし、車両前方を矢印FR、車両後方を矢印RE、車両上方を矢印UP、車両下方を矢印LO、車両左方を矢印L、車両右方を矢印Rでそれぞれ示す。すなわち、矢印FRの示す方向が車両の前進方向である。
図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る電動車両について説明する。図1は、本実施の形態に係る電動車両の左側面図である。図2は、本実施の形態に係る電動車両を運転席から前下方に向かって見た斜視図である。なお、電動車両は、以下に示す構成に限定されず、適宜変更が可能である。
先ず、本実施の形態に係る電動車両1の概略構成について説明する。図1に示すように、電動車両1は、歩道を走行するセニアカーで構成される。電動車両1は、運転者が高齢者であることが多く、法規上は歩行者として取り扱われる。具体的に電動車両1は、車体フレーム20に外装カバーを取り付けた車体2を備えている。
車体フレーム20は、全体の骨格部分を構成し、前後方向に延びている。車体2の前側には、左右一対の前輪3が配置されている。車体2の後側には、左右一対の後輪4が配置されている。また、前輪3の上側には、車両を操舵可能にするハンドルユニット5が配置されている。詳細は後述するが、前輪3は、車軸30(図5参照)を介してサスペンション31に支持されている。後輪4も同様に、車軸(不図示)を介してサスペンション41に支持されている。
外装カバーは、車体前側に配置されるフロントカバー(フロントフェンダと呼ばれてもよい)21と、車体後側に配置されるリヤカバー(リヤフェンダと呼ばれてもよい)22と、運転者が足を乗せるフロアマット23と、を含んで構成される。フロントカバー21は、左右一対の前輪3の上方を覆うように形成される。詳細は後述するが、フロントカバー21は、前輪3の泥除けとして機能する。リヤカバー22は、左右一対の後輪4の上方を覆うように形成される。リヤカバー22もフロントカバー21と同様に、後輪4の泥除けとして機能する。フロアマット23は、前後に延びる車体フレーム20の一部を覆うように形成される。フロアマット23は、リヤカバー22とフロントカバー21の間に配置される。
前輪3とハンドルユニット5は、図示しないステアリングシャフトによって連結されている。ステアリングシャフトは上下に延びており、上端側が僅かに後方に傾斜している。ステアリングシャフトの周囲は、レッグシールド24によって覆われている。レッグシールド24は、外装カバーの一部を構成し、車体前部で上方に向けて立ち上がるように設けられている。レッグシールド24は、後述するシート7に着座した運転者の足まわりを風等が直接当たらないように保護する風防としての機能を有する。
ステアリングシャフトの上端には、ハンドルユニット5を取り付けるためのハンドルブラケット50が設けられている。ハンドルユニット5は、シート7に着座した運転者により回転操作されるように構成されている。具体的にハンドルユニット5は、運転者が把持するハンドルバー51と、各種操作スイッチが配置されたスイッチボックス(不図示)と、を含んで構成される。なお、スイッチボックスは、説明の便宜上、図示を省略している。
ハンドルバー51は、左右方向に延びるストレート部52と、ストレート部52の両端から平面視U字状に屈曲した一対の把持部53と、によって構成される。ストレート部52は、ハンドルブラケット50に固定される。ストレート部52の両側には、バックミラー54が取り付けられている。スイッチボックスは、ハンドルバー51中央のハンドルブラケット50に取り付けられる。
レッグシールド24の前方には、フロントバスケット6が設けられている。フロントバスケット6は、フロントカバー21の上方に配置されている。フロントバスケット6の上部には、アッパプレート60が取り付けられている。アッパプレート60は、フロントバスケット6の上方開口の一部(後半部)を覆っている。
車体2の後部上方には、運転者用のシート7が配置されている。シート7は、運転者が着座するシートクッション70と、運転者の背もたれを構成するシートバック71と、左右一対のアームレスト72と、を有する。シートバック71は、シートクッション70の後端から上方に延びている。アームレスト72は、シートバック71の両側部に設けられている。
シート7の下方には、後輪4用のモータやバッテリ(共に不図示)が配置されている。モータは、図示しないディファレンシャル装置を介して後輪4を駆動する。モータは、バッテリの電力により駆動する。モータ及びバッテリは、リヤカバー22によって覆われている。
ところで、上記したようにセニアカー等の電動車両においては、前輪の上方を覆うようにフロントフェンダ(フロントカバー)が設けられている。フロントフェンダは、電動車両の外観を表現するだけでなく、走行中に前輪によって巻き上げられる小石や雨水等が運転者側に跳ね上がることを防止する泥除けとしても機能する。そのため、フロントフェンダは、前輪の外周を覆うように形成されるのが通常である。
しかしながら、泥除けとしての機能を優先して前輪の大部分をフロントフェンダで覆ってしまうと、前輪近傍の所定範囲が運転者から視認できなくなることが想定される。すなわち、運転者にとって前輪周辺の所定範囲がフロントフェンダによって遮られ、死角となってしまうことになる。この場合、運転者は、前輪の向きや歩道の段差、及び路面状態を目視確認し難くなり、運転性に影響を与えるおそれがある。
そこで、本件発明者は、セニアカー等の電動車両において、フロントフェンダの形状に着目し、泥除けとしての機能と前輪周辺の視認性を確保することを両立すべく本発明に想到した。具体的に本実施の形態では、少なくとも前輪3の後上方の一部を覆うフロントカバー21が、前輪3の後方で車幅方向外側に膨出する膨出部21aを有している。また、フロントカバー21は、平面視において、膨出部21aから前方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなるような外面形状を有する。また、膨出部21aの頂点は、平面視において、前輪3よりも後方に位置する。
より具体的に膨出部21aの頂点は、前輪3の幅中心よりも外側で且つ前輪3の幅方向外側の縁部より内側に位置している。更に、平面視において、膨出部21aの前方におけるフロントカバー21の外縁部は、前輪3の回転軸より後側では前輪の幅中心よりも外側に位置し、前輪3の回転軸より前側では前輪3の幅中心よりも内側に位置する
これらの構成によれば、前輪3の後方において、フロントカバー21に膨出部21aが設けられることにより、前輪3が巻き上げる小石や雨水等を膨出部21aで受けることができる。すなわち、膨出部21aにより、フロントカバー21の泥除けとしての機能を確保することが可能である。また、フロントカバー21は、膨出部21aから前方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなることで、前輪3がフロントカバー21によって完全に覆われることがない。このため、シートに着座した運転者にとって前輪3周辺の視界が遮られることなく、運転者は前輪3周辺の所定範囲を目視することが可能である。よって、前輪3の向きや歩道の段差、及び路面状態を目視確認し易くなり、運転性を向上することができる。また、前輪3の点検が容易になると共に、交換タイミングも把握し易くなる。このように、本実施の形態に係るフロントカバー21によれば、泥除けとしての機能と前輪周辺の視認性を確保することを両立することが可能である。また、膨出部21aの頂点は、平面視において、前輪3よりも後方に位置することで、フロントフェンダ21の後方の運転席から見て、前輪3後方周辺の視認性も向上されている。なお、膨出部21aの頂点とは、膨出部21aの外縁のうち、車幅方向外側に最も膨出した箇所を示し、点に限らず所定の範囲を含む概念とする。
次に図3から図6を参照して、本実施の形態に係る電動車両1、特にフロントカバー21について詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る電動車両の前半部分における上面図である。図4は、本実施の形態に係る電動車両のフロントカバー周辺の左側面図である。図5は、本実施の形態に係る電動車両のフロントカバー周辺の正面図である。図6は、本実施の形態に係る電動車両において、旋回したときの前輪の上面図である。
図3から図5に示すように、フロントカバー21は、前輪3の後上方を覆うだけでなく、車体前部を覆うように平面視で概略U字状で且つ側面視で概略C字状に形成されている。フロントカバー21には、前輪3の後方に位置する後端部分に車幅方向外側に向かって部分的に膨出する膨出部21aが形成されている。
図3に示す平面視において、膨出部21aの前側は僅かに内側に窪んでおり、窪んだ部分が膨出部21aの基端21fとなっている。膨出部21aは、基端21fから後方の頂点に向かうに従って車幅方向外側に傾斜する傾斜部21bを有している。また、膨出部21aは、頂点から後方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなるよう緩やかに湾曲した形状を有している。
また、平面視において、フロントカバー21は、膨出部21aの基端21fから前方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなるように湾曲した外縁形状を有している。詳細は後述するが、フロントカバー21において、前輪3の回転軸を基準に当該回転軸より前側部分を前側湾曲部21cとし、回転軸より後側部分を後側湾曲部21dとする。後側湾曲部21dは、膨出部21aを含むものとする。
図4及び図5に示すように、フロントカバー21には、左右一対の前輪3の上方において、それぞれ上方に向かって突出する突出部21eが形成されている。突出部21eは、側面視において概略三角形状を有している。また、図4に示す側面視において、前輪3の回転軸を含むように鉛直方向に延びる直線として仮想線L1を規定する。フロントカバー21は、仮想線L1よりも前側で前輪3の外周に沿うように湾曲する前側湾曲部21cと、仮想線L1よりも後側で前輪3の外周に沿うように湾曲する後側湾曲部21dと、を有している。後側湾曲部21dは、前側湾曲部21cよりも曲率半径が小さくなっている。
このため、前側湾曲部21cと前輪3との隙間より後側湾曲部21dと前輪3との隙間の方が大きくなっている。この結果、車両側面の前輪後方側からフロントカバー21の下方にアクセスし易くなり、前輪3の交換作業やサスペンション31等の前輪3の周辺部品の調整・点検がし易くなる。
また、図4に示すように、フロントカバー21とシート7(図1参照)との間に配置されるフロアマット23は、左右一対の前輪3の内側において、前輪3の上半部分から後方に向かって延びる車体フレーム20を覆い隠すように形成されている。更にフロアマット23には、左右一対の前輪3の間で前輪3の中心に向かって凹む凹部23aが形成されている。凹部23aの分だけ前下方に膨らんだフロアマット23の外面は、側面視で前輪3の外縁部分に僅かに重なっている。フロントカバー21の後方で凹部23aによって形成される空間は、運転者の足Fを載せる空間となっている。凹部23aは、上下方向において前輪3と重なっている。すなわち、運転者の足Fが上下方向において前輪3と重なっている。これにより、運転者の足を載せる箇所をより低くして地面に近づけることができ、運転者が電動車両1に乗り易くなっている。
この場合、前輪3の上端よりも低い位置にフロアマット23が設けられるため、上記のように運転者が乗降し易くなるものの、フロアマット23に泥等が跳ねやすくなってしまう。しかしながら、本実施の形態では、泥等が跳ねやすい箇所に対応して膨出部21aを設けたことにより、泥除けとしての機能を十分に発揮することが可能である。
より具体的には、上記したように、膨出部21aが後側湾曲部21dに設けられている(図4のハッチング部参照)。膨出部21aは、前側湾曲部21cの最下端よりも下方に位置している。また、フロアマット23は、膨出部21aに重なる位置に設けられている。このように、運転者の足Fに対応する箇所(足Fの近傍)に膨出部21aが設けられることで、運転者に対する泥除けとしての機能をより向上することが可能である。
また、図4に示すように、前輪3の回転軸(中心)を含んで走行面に平行な直線として仮想線L2を規定し、膨出部21aと前輪3の回転軸を結ぶ直線として仮想線L3を規定する。仮想線L3は、例えば側面視において、膨出部21aとフロアマット23の上面とが重なる領域の前端位置と、前輪3の回転軸とを結ぶ直線で規定される。この場合、仮想線L2、L3が成す鋭角θ1の範囲内では、下方(後方)に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなっている(図3又は図6も参照)。この構成によれば、フロントカバー21の泥除けとしての機能を確保するために、フロントカバー21の高い位置ほどその左右幅を大きくしつつ、フロントカバー21の位置が低いほど左右幅を小さくしている。これにより、乗車時に運転者がフロントカバー21の後端に接触することを抑制でき、電動車両1に乗降し易くすることが可能である。
また、図5に示すように、前輪3は、車軸30によって回転可能に支持されている。車軸30は、各前輪3にそれぞれ設けられている。車軸30は、前輪3の回転軸から車幅方向内側に向かって延びている。より具体的に左右一対の車軸30は、前輪3から車幅方向中央に向かうに従って上方に傾斜するように配置されている。車両中央において、左右一対の車軸30は、車体フレーム20から延びる固定部20aに揺動可能に連結される。このように、左右一対の車軸30は、正面視でV字状に配置される。
また、車軸30は、懸架装置としてのサスペンション31により支持されている。サスペンション31は、車軸30を前輪3の車幅方向内側で支持する。サスペンション31は、軸方向(伸縮方向)が上下方向に向けられた状態で各車軸30に設けられる。具体的にサスペンション31の一端(下端)は、車軸30の左右方向の中央より外側に連結される。サスペンション31の他端(上端)は、不図示の車体フレーム20に連結される。
また、図5に示す正面視において、車軸30に対するサスペンション31の接続部とフロントカバー21の外縁部とを結ぶ直線として仮想線L4を規定する。ここで、フロントカバー21の外縁部とは、図4に示す前側湾曲部21cと後側湾曲部21dの境界に位置するフロントカバー21の外縁部(前輪3の上部に対向する部分)を示している。仮想線L4は、フロントカバー21の外縁部からサスペンション31の一端に向かって傾斜している。すなわち、仮想線L4は、車両外側から車両内側に向かうに従って下方に傾斜している。このように、仮想線L4は、前輪3の内側の側縁部に重ならないように配置されている。この構成によれば、車両側方のフロントカバー21と前輪3の隙間からサスペンション31へアクセスがし易くなる。この結果、サスペンション31のメンテナンスや前輪3の交換作業を容易に実施することが可能である。
また、図6に示すように、一方(左方)の前輪3を内側に限界まで旋回させたときの前輪3の傾斜角(車両前後方向に対する前輪3の傾斜角)を最大旋回角θ2とすると、車両前後方向に対する傾斜部21bの傾斜角θ3は、最大旋回角θ2よりも小さくなっている。この構成によれば、前輪3を車両内側に旋回させた場合にフロントカバー21(傾斜部21b)と前輪3との間に形成される隙間が大きくなる。このため、サスペンション31の視認性が高まり、サスペンション31の整備やメンテナンスがし易くなる。また、工具のアクセススペースを確保することができ、作業性を向上することが可能である。
また、図2に示すように、左右一対の前輪3の最外縁部同士の幅をD1とし、フロントカバー21の左右幅をD2とし、フロアマット23の左右幅をD3とし、レッグシールド24の左右幅をD4とすると、D1>D2>D3(又はD4)の関係が成立する。この構成によれば、左右一対の前輪3の幅D1内にフロントカバー21を収めることができ、過度にフロントカバー21を大きくすることなく、泥除けとしての機能を確保することができる。また、運転席(シート7)から前方に向かうに従って徐々に車幅が大きくなるため、ステアリングシャフト(不図示)の傾斜に伴ってレッグシールド24及びフロントバスケット6が運転者側に近づいたとしても、前輪3に対する運転者の視界が遮られることを防止できる。
以上説明したように、本実施の形態では、前輪3の後方において、フロントカバー21に車幅方向外側へ膨出する膨出部21aを形成し、膨出部21aから前方に向かうに従ってフロントカバー21の左右幅が徐々に小さくなるように湾曲させている。これにより、フロントカバー21において、泥除けとしての機能と前輪周辺の視認性を確保することが可能である。
なお、上記した実施の形態では、フロントカバー21が一体的に形成される場合を例にして説明したが、これに限定されない。フロントカバー21は、左右の前輪3をそれぞれ覆うように2つ以上の部材で構成されてもよい。
また、上記した実施の形態では、前輪3の上方に向かってステアリングシャフトが延び、ステアリングシャフトの後方にレッグシールド24が設けられる場合について説明したが、これに限定されない。前輪3の上方にステアリングシャフトやレッグシールドが設けられない電動車両にも本発明を適用可能である。
また、上記の実施形態において、前輪3で電動車両1を操舵する構成について説明したが、これに限定されない。後輪4で電動車両1を操舵するように構成してもよい。
また、上記の実施形態において、4輪の電動車両1を例にして説明したが、これに限定されない。電動車両は、前輪が2つで後輪1つ、又は前輪が1つで後輪2つで構成されてもよい。
また、上記の実施形態において、前輪3の車軸30が一対で構成される場合について説明したが、これに限定されない。一本の車軸で2つの前輪3を支持してもよい。
また、本実施の形態及び変形例を説明したが、本発明の他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本発明の実施の形態は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。更には、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。従って、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施形態をカバーしている。
以上説明したように、本発明は、雨水等の汚れが跳ね上がることを防止しつつ、前輪周辺の視認性を向上して運転し易くすることができるという効果を有し、特に、セニアカー等の電動車両に有用である。
1 :電動車両
2 :車体
3 :前輪
4 :後輪
5 :ハンドルユニット
6 :フロントバスケット
7 :シート
20 :車体フレーム
20a :固定部
21 :フロントカバー
21a :膨出部
21b :傾斜部
21c :前側湾曲部
21d :後側湾曲部
21e :突出部
21f :膨出部の基端
22 :リヤカバー
23 :フロアマット
23a :凹部
24 :レッグシールド
30 :車軸
31 :サスペンション
41 :サスペンション
50 :ハンドルブラケット
51 :ハンドルバー
52 :ストレート部
53 :把持部
54 :バックミラー
60 :アッパプレート
70 :シートクッション
71 :シートバック
72 :アームレスト
F :足
L1 :仮想線
L2 :仮想線
L3 :仮想線
L4 :仮想線
θ1 :鋭角
θ2 :最大旋回角
θ3 :傾斜角

Claims (8)

  1. 車体前部に配置される左右一対の前輪と、
    少なくとも前記前輪の後上方の一部を覆うフロントカバーと、
    前記フロントカバーの後方に配置されるシートと、を備え、
    前記フロントカバーは、前記前輪の後方で車幅方向外側に膨出する膨出部を有し、平面視において、前記膨出部から前方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなることを特徴とする電動車両。
  2. 前記膨出部の頂点は、前記前輪の幅中心よりも外側で且つ前記前輪の幅方向外側の縁部より内側に位置することを特徴とする請求項1に記載の電動車両。
  3. 平面視において、前記膨出部の前方における前記フロントカバーの外縁部は、前記前輪の回転軸より後側では前記前輪の幅中心よりも外側に位置し、前記前輪の回転軸より前側では前記前輪の幅中心よりも内側に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動車両。
  4. 側面視において、前記フロントカバーは、
    前記前輪の回転軸よりも前側で前記前輪の外周に沿うように湾曲する前側湾曲部と、
    前記前輪の回転軸よりも後側で前記前輪の外周に沿うように湾曲する後側湾曲部と、を有し、
    前記後側湾曲部は、前記前側湾曲部よりも曲率半径が小さいことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電動車両。
  5. 前記フロントカバーと前記シートとの間に配置されるフロアマットを更に有し、
    側面視において、前記フロアマットは、前記膨出部に重なる位置に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電動車両。
  6. 前記膨出部は、頂点から下方又は後方に向かうに従って車幅方向の幅が小さくなることを特徴とする請求項5に記載の電動車両。
  7. 前記前輪の車軸を前記前輪の車幅方向内側で支持するサスペンションを更に有し、
    正面視において、前記車軸に対する前記サスペンションの接続部と前記フロントカバーの外縁部とを結ぶ仮想線が前記前輪に重ならないことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電動車両。
  8. 平面視において、前記膨出部は、基端から頂点に向かうに従って車幅方向外側に傾斜する傾斜部を有し、
    前記傾斜部の傾斜角は、前記前輪の最大旋回角よりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の電動車両。
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