JP2020168684A - ハイポイドギヤの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性と動力伝達効率とを両立することができるハイポイドギヤの製造方法を提供する。【解決手段】ハイポイドギヤ10の製造方法であって、ハイポイドギヤ10の歯の形状を加工する歯切り工程S1と、歯の表面に硬化層が形成された第3中間ギヤ10cを成形する熱処理工程S2及び第1ショットピーニング工程S3と、第3中間ギヤ10cを直径が14μm以下の砥粒を用いた加工により第4中間ギヤ10dを成形するラッピング工程S4と、第4中間ギヤ10dに直径160μm以下の粒子を吹き付ける第2ショットピーニング工程S5とを有し、ラッピング工程S4が、砥粒の直径をR(μm)、ドライブピニオンの回転速度をN(rpm)としたとき、33000≦R×N≦50000の関係式を満たしている。【選択図】 図3

Description

本発明は、ハイポイドギヤの製造方法に関し、特にラッピング工程とショットピーニング工程とを有するハイポイドギヤの製造方法に関する。
従来より、ハイポイドギヤは、耐久性が高く、歯当り音が小さいという優位性を有するため、動力伝達を行う車両用差動装置の主要構成部品として広く実用に供されている。
このハイポイドギヤは、回転駆動時、複数の歯が同時に噛み合うため、各々の歯に入力される負荷を複数の歯に分散することが可能である。その反面、ピニオンギヤとリングギヤとの接触部分(歯当り位置)が相対的に滑ることから、摺動抵抗の増加に伴ってエネルギー損失が増大し、動力伝達機構としての機械効率が低下するという特性を有している。
それ故、ハイポイドギヤには、ギヤ表面に潤滑用被膜が形成されている。
図6に示すように、ハイポイドギヤは、ハイポイドギヤの歯形状を加工する歯切り工程S11と、歯の表面に硬化層を形成する熱処理工程S12及びショットピーニング工程S13と、#320(粒径40μm)の砥粒を用いて加工するラッピング工程S14と、歯の表面に潤滑用被膜を形成するリューブライト処理工程S15によって製造されている。
リューブライト処理工程S15では、対象ワークをリン酸塩液に浸漬して表面にリン酸塩皮膜を形成し、このリン酸塩皮膜とリューベ(脂肪酸ソーダ石鹸)を反応させて潤滑性を備えた金属石鹸を生成している。
また、更に疲労強度の向上を図る技術も提案されている。
特許文献1の歯車の製造法は、歯切り工程、硬化層を形成するための表面処理工程、ラッピング工程を行った後、リューブライト処理工程に替えてショットピーニング工程及びジャイロ研磨処理工程を行っている。これにより、ショットピーニングによって曲げ疲労強度を向上し、ジャイロ研磨処理によって面圧強度を向上している。
特開2000−280120号公報
一般に、研磨加工法の一種であるラッピング加工は、粗研磨に区分され、粗面仕上げが要求されている場合や仕上げ研磨の前工程として実施される。このようなラッピング加工は、一定の圧力下において砥粒と加工液から構成されたラップ剤(混合スラリー)を間に介在させて硬質工具とワークとを相対移動させることにより、ワークの表面を砥粒で微小切削して工具形状をワーク表面に転写する遊離砥粒方式の砥粒加工法である。
それ故、ラッピング加工後、ハイポイドギヤの歯筋方向に砥粒の圧着に伴う筋目状の加工痕が形成され、ハイポイドギヤの歯面粗さの悪化を招く。
また、筋目状の加工痕が歯筋方向に連続的に形成されているため、ハイポイドギヤの回転駆動時、潤滑油が加工痕を伝って外部に排出され、結果的に、歯面に油膜破断が生じ、十分な動力伝達効率を発揮できない虞がある。
ラッピング加工による加工痕を除去するために、ラッピング加工の後、粒径を段階的に小さくした多段階のショットピーニング工程を複数工程設定することも考えられる。
しかし、粒径が異なるショットピーニング工程を複数工程設定した場合、生産工程が増加して製造設備が大掛かりになると共に、生産に係るサイクルタイムの長期化を招くことから、量産設備としては現実的ではない。
即ち、生産性と動力伝達効率とを両立させるハイポイドギヤの製造方法は未だ確立されていない。
本発明の目的は、生産性と動力伝達効率とを両立可能なハイポイドギヤの製造方法等を提供することである。
請求項1のハイポイドギヤの製造方法は、ハイポイドギヤの製造方法において、前記ハイポイドギヤの歯の形状を加工する歯切り工程と、前記歯の表面に硬化層が形成された第1中間体を成形する表面処理工程と、前記第1中間体を直径が14μm以下の砥粒を用いた加工により第2中間体を成形するラッピング工程と、前記第2中間体に直径160μm以下の粒子を吹き付けるショットピーニング工程と、を有することを特徴としている。
このハイポイドギヤの製造方法では、直径が14μm以下の砥粒を用いた精研磨を実行可能なラッピング工程を有するため、表面処理工程で生じた歯の形状歪を除去すると共にハイポイドギヤの歯面粗さを改善することができる。
ラッピング工程後にショットピーニング工程を有するため、歯面強度の向上を図りながら潤滑油を歯面上に保持可能なディンプルを歯面上に形成することができる。
また、ショットピーニング工程は、直径が14μm以下の砥粒を用いてラッピング加工された第2中間体に直径160μm以下の粒子を吹き付けるため、ラッピング工程で生じた筋目状の加工痕を単一のショットピーニング工程によって除去することができ、歯面上の油膜破断を回避することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記表面処理工程が、熱処理工程と所定粒径の粒子を吹き付けるショットピーニング工程のうち少なくとも1つの工程を含むことを特徴としている。
この構成によれば、ハイポイドギヤの歯面を容易に硬質化することができる。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記ラッピング工程が、砥粒の直径をR(μm)、ドライブピニオンの回転速度をN(rpm)としたとき、
33000≦R×N≦50000
の関係式を満たすことを特徴としている。
この構成によれば、砥粒の大きさに関わらずラッピング工程の処理時間を略同等にすることができる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、砥粒の直径を14μm、ドライブピニオンの回転速度を2400rpmとしたことを特徴としている。
この構成によれば、筋目状の加工痕を除去しつつラッピング工程で使用されるラップ盤の制御性を確保することができる。
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記ショットピーニング工程後のハイポイドギヤの歯面粗さが、0.8μm以下であることを特徴としている。
この構成によれば、動力伝達損失を大幅に低減することができる。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1項の発明において、前記ハイポイドギヤは、差動装置のピニオンギヤ又はリングギヤであることを特徴としている。
この構成によれば、車両の動力伝達損失を低減することができ、燃費改善を図ることができる。
本発明のハイポイドギヤの製造方法によれば、精研磨を実行するラッピング工程後に筋目状の加工痕を除去可能なショットピーニング工程を実行することにより、生産性と動力伝達効率とを両立することができる。
実施例1に係るハイポイドギヤを備えたRDUを搭載したパワープラントユニットの斜視図である。 RDUの破断説明図である。 ハイポイドギヤの製造方法に係るステップチャートである。 第1の検証結果の表である。 第2の検証結果のグラフである。 従来のハイポイドギヤの製造方法に係るステップチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
以下、本発明の実施例1について図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例1に係るハイポイドギヤ10は、例えば、4輪駆動車両のパワープラントユニット1に装備される差動装置、具体的には、FDU(Front Differential Unite)2とRDU(Rear Differential Unite)3の主要な構成部品である。パワープラントユニット1は、エンジン4から出力された駆動力を変速機5によって変速し、変速された駆動力をFDU2及びRDU3を介して前後ドライブシャフト6,7に伝達している。
図2に示すように、RDU3は、ピニオンギヤ11とリングギヤ12とを備えている。
ピニオンギヤ11は、変速機5から出力された駆動力を下流側に伝達するリヤ側駆動軸8の先端(後端)に取り付けられている。リングギヤ12は、RDU3のケース3aの内側に取り付けられている。ピニオンギヤ11とリングギヤ12は、各々の回転中心軸が捩れ位置関係、つまり、相互に交差せず且つ非平行状態で噛合している。即ち、ハイポイドギヤ10は、ピニオンギヤ11とリングギヤ12が噛合された歯車対によって構成されている。FDU2は、RDU3と同様に、ハイポイドギヤを構成するピニオンギヤとリングギヤとを備えている(何れも図示略)。
次に、図3に基づき、ハイポイドギヤ10(11,12)の製造工程について説明する。
尚、Si(i=1,2…)は各工程を示すステップである。また、第1〜第5中間ギヤ10a〜10eは、ピニオンギヤ11の中間体とリングギヤ12の中間体の歯車対を表す。
図3に示すように、ハイポイドギヤ10は、歯切り工程S1、熱処理工程S2、第1ショットピーニング工程S3、ラッピング工程S4、第2ショットピーニング工程S5(ショットピーニング工程)を経て完成される。ここで、熱処理工程S2と第1ショットピーニング工程S3は、ハイポイドギヤ10の歯の表面に硬化層を形成する表面処理工程に相当している。
歯切り工程S1は、ギヤ素材に完成品における歯の寸法形状を形成している。
ギヤ素材は、焼入用合金鋼(機械構造用炭素鋼)であり、例えば、球状黒鉛鋳鉄(FCD45)である。歯は、ホブ盤によるホブ切り、或いはピニオンカッタ等を用いた歯切りによって切削加工され、ギヤ素材から第1中間ギヤ10aを形成している。
ホブの回転と共に一定比率でギヤ素材を回転し、同時にホブをギヤ軸方向に送り出すことで創成歯切りが行われる。歯筋が捩れた曲線であるハイポイドギヤ10では、環状カッタを用いた創成歯切り、又は円錐ホブを用いた創成歯切りにより歯切り加工されている。
熱処理工程S2は、浸炭焼入れを行う。
第1中間ギヤ10aを、例えば、900〜950℃の温度範囲に加熱し、1.5〜4時間保持して浸炭及び拡散処理を行う。その後、850℃まで温度を下げて所定時間温度を保持した後、200〜250℃のソルトバスに所定時間浸漬させて焼入れを行い第2中間ギヤ11bを形成する。尚、この焼入れ後、130〜170℃の温度範囲で1〜2時間保持した後、空冷する焼き戻しを行うことで、第2中間ギヤ10bの圧縮残留応力を更に高めることも可能である。
第1ショットピーニング工程S3は、歯面に対する圧縮残留応力付与を主目的としたショットピーニングを行う。第2中間ギヤ10bの外周位置に、ショットピーニング装置(図示略)を配置している。第2中間ギヤ10bを軸心回りに回転させながら鋼球粒子を歯及び歯底に向かって投射し、第3中間ギヤ10c(第1中間体)を形成する。
投射条件は、例えば、粒子の平均直径が0.1〜1.0mm、粒子の硬度が600〜800HV、投射速度が50〜100m/secに設定されている。粒子の平均直径が0.1mm未満では、圧縮残留応力が殆ど付与されず、1.0mm超では、歯面粗さが大きくなるためである。尚、投射速度を50〜60m/secのコンベンショナルショットと、50〜100m/secのハードショットの2段ショットピーニングにしても良い。
ラッピング工程S4は、ラップ盤(図示略)を用いてラッピング加工を行う。
このラッピング工程S4では、平均直径が14μm以下の微細砥粒を用いて、浸炭焼入れ後の第3中間ギヤ10cの焼入れ歪を除去すると共に、第3中間ギヤ10cのピニオンギヤとリングギヤとの噛合わせを滑らかにするための精研磨加工を実行し、第4中間ギヤ10d(第2中間体)を形成する。平均直径が14μmを超える砥粒を用いる場合、第2ショットピーニング工程S5にて筋目状の加工痕を除去することが難しく、それ故、別途、後工程で精研磨加工が必要になるためである。
ラップ盤は、例えば、第3中間ギヤ10cのピニオンギヤ(ドライブピニオン)を回転自在に保持するピニオンギヤ保持手段と、回転軸が第3中間ギヤ10cのピニオンギヤの回転軸に交差するように配置され且つリングギヤを回転自在に保持するリングギヤ保持手段と、基台上においてリングギヤ保持手段を前後上下左右方向に移動可能なリングギヤ移動手段と、基台上において揺動中心回りにピニオンギヤ保持手段を水平方向に揺動可能なピニオンギヤ移動手段と、砥粒と加工液から構成されたラップ剤を第3中間ギヤ10cの噛合い歯面に供給する供給手段と、制御手段等を備えている(何れも図示略)。ラップ盤の構成は公知であるため、詳細な説明を省略する。
制御手段は、ピニオンギヤの回転速度(rpm)、伝達トルク、揺動幅、サイクル数、サイクル時間等の加工条件に基づきラッピング加工を実行する。1サイクルは、ラップ盤の動作により第3中間ギヤ10cの歯当りが歯幅全体を歯筋方向に往復移動(オシレーション)して元の位置に戻るまでの移動行程であり、サイクル時間は、設定されたサイクル数を実行するために要する時間である。
砥粒の大きさに関わらずラッピング工程S5の要する処理時間を略同等にするため、砥粒の直径をR(μm)、ピニオンギヤの回転速度N(rpm)としたとき、次式の関係が成立している。
33000≦R×N≦50000 …(1)
33000未満の場合、量産性を確保することができず、50000を超える場合、加工精度を確保することができないためである。本実施例では、砥粒の平均直径が14μm、回転速度2400rpm、伝達トルクが1.0kgmに設定され、砥粒の平均直径が40μm、回転速度1200rpm、伝達トルクが1.0kgmを条件としたラッピング加工と略同等の加工量を確保している。
第2ショットピーニング工程S5は、平均直径が160μm以下の鋼球粒子を用いてショットピーニングを行い、ハイポイドギヤ10の完成品を得る。
第4中間ギヤ10dのピニオンギヤ及びリングギヤには、ラッピング工程S4の砥粒の圧着による歯筋方向に延びる筋目状の加工痕が形成されている。そこで、第2ショットピーニング工程S5では、ラッピング工程S4で生じた加工痕の除去を主な目的としている。
平均直径が160μmを超える鋼球粒子を用いた場合、歯面粗さを0.8μmに抑えることが難しく、しかも、ショットピーニングにより形成されたディンプル(凹部)内に潤滑油を保持する潤滑油保持機能を十分に発揮することができない。本実施例では、鋼球粒子の平均直径を160μmに設定している。
次に、上記ハイポイドギヤの製造方法の作用、効果について説明する。
作用、効果の説明に当り、第1,第2の検証を行った。
第1の検証は、ハイポイドギヤに形成された筋目状の加工痕を確認した。
検証手順は、#320、#500、及び#800の砥粒を用いて夫々ラッピング加工を行ったハイポイドギヤの中間体に対して粒径の異なる4種類(50μm,90μm,160μm,190μm)の鋼球を用いたショットピーニングを行い、各ショットピーニング後における筋目状の加工痕の有無について確認を行った。尚、#320は平均直径40μm、#500は平均直径25μm、及び#800は平均直径14μmの砥粒であり、砥粒径以外の処理条件は同じである。
図4の検証結果に示すように、#320及び#500の砥粒を用いたラッピング加工を行った場合、ハイポイドギヤに形成された加工痕が大きいため、何れの粒径の鋼球であっても、加工痕を除去することは困難であった。一方、#800の砥粒を用いたラッピング加工を行った場合、平均直径50μm及び160μmの鋼球を用いたショットピーニングにより加工痕が除去された。
以上により、少なくとも、平均直径14μmの砥粒を用いたラッピング加工を行った場合、平均直径が160μm以下の鋼球を用いたショットピーニングによって筋目状の加工痕を除去可能であることが確認された。尚、製造公差等の生産性の観点から、平均直径160μmの鋼球粒子は、平均直径50μmの鋼球粒子よりも供給安定性が高い。
第2の検証は、製造方法及び製造工程が異なる3種類のハイポイドギヤA〜Cを製造し、各々の噛合摩擦損失(%)を比較した。
ハイポイドギヤAは、ラッピング工程の砥粒が#320(平均直径40μm)とされ、第2ショットピーニング工程を省略してリューブライト処理工程を行い、それ以外の工程は本実施例と同様の製造方法で製造された。ハイポイドギヤBは、第2ショットピーニング工程の鋼球粒子の平均直径が50μmとされ、それ以外の工程は本実施例と同様の製造方法で製造された。ハイポイドギヤCは、本実施例の製造方法で製造された完成品である。
図5に検証結果を示す。
図5に示すように、ハイポイドギヤAは、歯面粗さが0.98μmであり、噛合摩擦損失が4.4%であった。このハイポイドギヤAには、筋目状の加工痕が存在していた。
ハイポイドギヤB,Cは、共に歯面粗さが0.8μm以下であり、噛合摩擦損失が夫々2.2%,3.4%であった。また、ハイポイドギヤB,Cには、共に筋目状の加工痕が存在していない。これにより、第2ショットピーニング工程の鋼球粒子の平均直径が160μm以下の場合、噛合摩擦損失が改善されることが確認された。しかも、平均直径が小さい程、噛合摩擦損失の改善効果が高いことが判明した。
この製造方法によれば、直径が14μm以下の砥粒を用いた精研磨を実行可能なラッピング工程S4を有するため、熱処理工程S2及び第1ショットピーニング工程S3で生じた歯の形状歪を除去すると共にハイポイドギヤ10の歯面粗さを改善することができる。
ラッピング工程S4後に第2ショットピーニング工程S5を有するため、歯面強度の向上を図りながら潤滑油を歯面上に保持可能なディンプルを歯面上に形成することができる。
また、第2ショットピーニング工程S5は、直径が14μm以下の砥粒を用いてラッピング加工された第4中間ギヤ10dに直径160μm以下の粒子を吹き付けるため、ラッピング工程S4で生じた筋目状の加工痕を単一の第2ショットピーニング工程S5によって除去することができ、歯面上の油膜破断を回避することができる。
表面処理工程が、熱処理工程S2と所定粒径の粒子を吹き付ける第1ショットピーニング工程S3を含むため、ハイポイドギヤ10の歯面を容易に硬質化することができる。
ラッピング工程S4が、砥粒の直径をR(μm)、ドライブピニオンの回転速度をN(rpm)としたとき、式(1)を満たすため、砥粒の大きさに関わらずラッピング工程S4の処理時間を略同等にすることができる。
砥粒の直径を14μm、ドライブピニオンの回転速度を2400rpmとしたため、筋目状の加工痕を除去しつつラッピング工程S4で使用されるラップ盤の制御性を確保することができる。
第2ショットピーニング工程S5後のハイポイドギヤ10の歯面粗さが、0.8μm以下であるため、動力伝達損失を大幅に低減することができる。
ハイポイドギヤ10は、RDU3のピニオンギヤ11及びリングギヤ12であるため、車両の動力伝達損失を低減することができ、燃費改善を図ることができる。
次に、前記実施形態を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施形態においては、4輪駆動車両の作動装置に用いられたハイポイドギヤ10の例を説明したが、FDU2及びRDU3のうち一方のみのハイポイドギヤに適用しても良い。また、2輪駆動車両の作動装置に適用しても良く、耐久性が要求される動力伝達機構であれば車両以外の何れの機構に対しても適用可能である。
2〕前記実施形態においては、ラッピング工程S4の前に熱処理工程S2及び第1ショットピーニング工程S3を実行した例を説明したが、少なくとも、ラッピング工程S4に連続して単一の第2ショットピーニング工程S5を実行すれば良く、ラッピング工程S4の前に熱処理工程S2と第1ショットピーニング工程S3のうち何れか一方のみを実行しても良い。また、熱処理工程S2及び第1ショットピーニング工程S3の実行条件は、記載した仕様に限られず、適宜条件を設定可能である。
3〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施形態に種々の変更を付加した形態や各実施形態を組み合わせた形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
3 RDU
10 ハイポイドギヤ
11 ピニオンギヤ
12 リングギヤ
S1 歯切り工程
S2 熱処理工程
S3 第1ショットピーニング工程
S4 ラッピング工程
S5 第2ショットピーニング工程

Claims (6)

  1. ハイポイドギヤの製造方法において、
    前記ハイポイドギヤの歯の形状を加工する歯切り工程と、
    前記歯の表面に硬化層が形成された第1中間体を成形する表面処理工程と、
    前記第1中間体を直径が14μm以下の砥粒を用いた加工により第2中間体を成形するラッピング工程と、
    前記第2中間体に直径160μm以下の粒子を吹き付けるショットピーニング工程と、
    を有することを特徴とするハイポイドギヤの製造方法。
  2. 前記表面処理工程が、熱処理工程と所定粒径の粒子を吹き付けるショットピーニング工程のうち少なくとも1つの工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のハイポイドギヤの製造方法。
  3. 前記ラッピング工程が、砥粒の直径をR(μm)、ドライブピニオンの回転速度をN(rpm)としたとき、
    33000≦R×N≦50000
    の関係式を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載のハイポイドギヤの製造方法。
  4. 砥粒の直径を14μm、ドライブピニオンの回転速度を2400rpmとしたことを特徴とする請求項3に記載のハイポイドギヤの製造方法。
  5. 前記ショットピーニング工程後のハイポイドギヤの表面粗さが、0.8μm以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のハイポイドギヤの製造方法。
  6. 前記ハイポイドギヤは、差動装置のピニオンギヤ又はリングギヤであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のハイポイドギヤの製造方法。
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