JP2020167371A - 発光素子封止用シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents

発光素子封止用シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置 Download PDF

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匡志 木村
雅史 高瀬
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雅史 高瀬
賢太郎 坂本
Kentaro Sakamoto
賢太郎 坂本
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Abstract

【課題】蛍光体が迅速に沈降して上層に透明状態の樹脂層を形成することで蛍光体層と樹脂層との境界が明瞭と成り、色度等にバラつきが生じない発光素子封止用シリコーン樹脂組成物及びこの硬化物によって発光素子が封止された光半導体装置を提供する。【解決手段】1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノビニルポリシロキサン(A)と、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)と、付加反応に必要な硬化触媒(C)と、蛍光体(D)とから成り、オルガノビニルポリシロキサン(A)中のケイ素原子に結合した水酸基の含有量がオルガノビニルポリシロキサン(A)の総質量の200質量ppm以下であることを特徴とする発光素子封止用シリコーン樹脂組成物及びこれで発光素子が封止された光半導体装置である。【選択図】なし

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)等の発光素子を封止する発光素子封止用シリコーン樹脂組成物及びこの硬化物によって発光素子が封止された光半導体装置に関し、詳しくは、蛍光体を含み、硬化の際に該蛍光体が迅速に沈降して上層にある透明状態の樹脂層と明瞭な境界を形成する発光素子封止用シリコーン樹脂組成物及びこの硬化物によって発光素子が封止された光半導体装置に関する。
従来、発光素子が樹脂で封止された光半導体装置の一つであるLEDは、発光素子の光により励起される蛍光体を樹脂中に含有させ、発光素子からの光と蛍光体の励起光を混合することにより、用途に応じた所定の色度の光を得ている。
得られる所定の光は、蛍光体の樹脂中での分散状態によって色度のバラつきが生じることがあり、該色度のバラつきを抑制するため、複数の発光素子が実装された発光装置に関する特許文献1では、基板と、基板上に密集して実装された複数の発光素子と、蛍光体を含有せず、複数の発光素子の素子間に配置された第1の樹脂と、蛍光体を含有し、複数の発光素子の露出部の周囲を覆う第2の樹脂とを有する発光装置が提案されている。
該発光装置では、発光素子の間に配置される第1の樹脂は蛍光体を含有せず、発光素子の露出部を覆う第2の樹脂に蛍光体を含有させて、蛍光体層における光の通過距離を一定とすることで上記色度のバラつきを抑制するとしている。しかしながら第2の樹脂に含有されている蛍光体の分散状態が、加熱硬化時の樹脂粘度の低下等によって僅かな沈降や不均一な沈降が生じると、蛍光体による励起光が不均一となり結果として得られる色度にバラつきが生じる場合があるという課題がある。
これに対して、特許文献2では、基板と、該基板上に実装された発光素子と、該発光素子を封止する、波長変換材料を混練した封止樹脂とを備えた発光素子パッケージの製造方法において、基板に撥液剤パターンを形成する撥液剤パターン形成工程と、上記基板における撥液剤パターンの内側に発光素子を実装する実装工程と、上記撥液剤パターンの内側に上記波長変換材料を混練した封止樹脂を塗付する塗付工程と、無風状態にて封止樹脂内の波長変換材料を沈降させる沈降工程とを含む発光素子パッケージの製造方法が提案されている。該発光素子パッケージの製造方法は、蛍光体である波長変換材料を混練した封止樹脂中の該波長変換材料を、無風状態で加熱して沈降させることにより、発光素子の上面及びその周囲に一定膜厚の波長変換材料の堆積層を形成することで、得られる光の色度のバラつきを抑制するとしている。
また、特許文献3の請求項7では、該特許文献3の請求項1〜6のいずれかに記載の発光ダイオード素子の製造方法であって、蛍光物質を有する透光性樹脂をパッケージ内に注入する工程と、前記パッケージに振動を与えることにより、蛍光物質を有する層をパッケージの底面上に形成する工程と、前記透光性樹脂を加熱硬化する工程と、を備える発光ダイオード素子の製造方法が提案されている。該発光ダイオード素子の製造方法は、振動と加熱により透光性樹脂中の蛍光物質を沈殿させることで、パッケージの底面に均一な厚みの層に形成することで色度のバラつきを抑制するとしている。
しかしながら、特許文献2及び特許文献3では、製造工程において、無風状態での加熱や振動等といった微妙でどちらかというと精密な制御を必要とする操作を行わなければならないという課題があり、またこれらの操作を確立させるためには時間とコストが掛かる場合があるという課題がある。
一方、特許文献4では、底面上を搭載部とした凹部が設けられた基体に発光素子が搭載され、前記凹部に前記発光素子を封止する蛍光体を含有した透光性樹脂材を硬化させた樹脂封止部が形成された発光装置において、前記凹部の内周壁面は、壁面全体と前記底面とのなす角度が鋭角となる傾斜面に形成されている発光装置が提案されている。該発光装置では、内周壁面に蛍光体を定着させることなくそのまま沈降させて底面に沈殿させることにより、蛍光体を底面や発光素子上に平均的に分布した層を形成することで、色度のバラつきを抑制しつつ、信頼性の低下を抑止するとしている。
しかしながら、特許文献4では発光素子を搭載する基体の凹部の内周面を鋭角に傾斜させるという独特の形状の工夫があるものの、結局は蛍光体を含有した透光性樹脂材の該蛍光体を、発光素子上に平均的に分布した層と成るように沈降させて底面に沈殿させる必要があり、透光性樹脂材中の蛍光体の沈降挙動が不均一で沈降により平均的に分布した層とならない場合は、そもそも色度のバラつきが完全には解消しない場合があるという課題がある。
WO2016/194404号公報 特開2012−44048号公報 特開2006−245020号公報 特開2010−27756号公報
本発明が解決しようとする課題は、製造工程における無風状態での加熱や振動等といった微妙でどちらかというと精密な制御を必要とする操作が不要で、また基体の内周面等に独特に形状を設ける必要がなく、通常の加熱工程における硬化の際に蛍光体が迅速に沈降して上層に透明状態の樹脂層を形成することで蛍光体層と樹脂層との境界が明瞭と成り、結果として均一な蛍光体層が容易に形成されて、発光素子からの光と蛍光体による励起光の混合によって得られる光の色度にバラつきが生じない発光素子封止用シリコーン樹脂組成物及びこの硬化物によって発光素子が封止された光半導体装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノビニルポリシロキサン(A)と、
1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)と、
付加反応に必要な硬化触媒(C)と、
蛍光体(D)とから成り、
オルガノビニルポリシロキサン(A)中のケイ素原子に結合した水酸基の含有量がオルガノビニルポリシロキサン(A)の総質量の200質量ppm以下であることを特徴とする発光素子封止用シリコーン樹脂組成物を提供する。
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の発光素子封止用シリコーン樹脂組成物の硬化物で発光素子が封止されていることを特徴とする光半導体装置を提供する。
本発明の発光素子封止用シリコーン樹脂組成物は、オルガノビニルポリシロキサン(A)中のケイ素原子に結合した水酸基の含有量がオルガノビニルポリシロキサン(A)の総質量の200質量ppm以下であることにより、該オルガノビニルポリシロキサン(A)、オルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)、硬化触媒(C)、及び蛍光体(D)とを均一に混合した際に、通常の加熱硬化の工程によって蛍光体が迅速に沈降して上層に透明状態の樹脂層が形成される効果がある。特に沈降した蛍光体層と上層の樹脂層との境界は明瞭で、蛍光体が蛍光体層の本体部の上部にモヤモヤと曇った状態で存在する不明瞭な層が存在することがなく、このため、発光素子を封止した際、発光素子からの光と蛍光体による励起光の混合によって得られる光の色度、及び明るさにバラつきが生じることが無い、という効果がある。
また、本発明に係る発光素子封止用シリコーン樹脂組成物で発光素子が封止された光半導体装置は、同様に発光素子からの光と蛍光体による励起光の混合によって得られる光の色度、及び明るさにバラつきが生じることが無い、という効果がある。
以下、本発明に係る発光素子封止用シリコーン樹脂組成物について具体的に説明する。
<オルガノビニルポリシロキサン(A)>
本発明に使用するオルガノビニルポリシロキサン(A)は、1分子中にSiH基と反応するケイ素結合アルケニル基を少なくとも2個有し、該アルケニル基はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基などの炭素−炭素二重結合である。該オルガノポリシロキサン(A)は例えば主鎖がジオルガノシロキサンの繰返し単位であり、末端がトリオルガノシロキサン構造であるものが例示され、分岐や環状構造を有するものであってもよい。末端や繰返し単位中のケイ素に結合するオルガノ基としてはメチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。具体例としては、両末端にビニル基を有するメチルポリシロキサンが挙げられる。
またオルガノビニルポリシロキサン(A)中のケイ素原子に結合した水酸基の含有量は、オルガノビニルポリシロキサン(A)の総質量の200質量ppm以下であることが好ましく、200質量ppm超では蛍光体の沈降が緩慢になる傾向があり、沈降した蛍光体層と上層の樹脂層との境界が不明瞭となる。ここでいう水酸基の含有量は、プロトンNMR(NMR AvanceIII(500MHz)、BRUNKER社製)によって測定し、以下に示す実施例及び比較例の水酸基の含有量は、該測定方法で検出限界以上であって既知量の水酸基を含むオルガノビニルポリシロキサン(A1´)又は同(A2´)の配合量から、オルガノビニルポリシロキサン(A)の総質量に対する水酸基含有量を算出したものである。
<オルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)>
本発明に使用するオルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する。ケイ素原子に結合している水素原子の含有量は1.0mmol/g〜20.0mmol/gであることが好ましく、1.0mmol/g以上であると硬化性がよくなり、硬さも得やすくなる。水素原子の含有量が20.0mmol/g超であると、硬化物表面にタックが生じやすくなる。良好な硬さを得るためには水素原子含有比率が1.5mmol/g以上であることがより好ましい。タックを生じ難くするためには水素原子含有量は10.0mmol/g未満であることがより好ましい。ケイ素原子に結合するオルガノ基としては、メチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。該オルガノ水素(ポリ)シロキサンは、例えば直鎖状または分岐鎖状、であってもよく、具体例としては、メチル水素ポリシロキサンが挙げられる。
また、オルガノビニルポリシロキサン(A)の全アルケニル基に対するオルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)のケイ素原子結合水素基のモル比は0.1〜4.0であることが好ましく、該モル比が0.1未満及び4.0超では、硬化物として十分な強度を得ることが出来ない。
<付加反応に必要な硬化触媒(C)>
付加反応に必要な硬化触媒(C)は、上記(A)成分と上記(B)成分のヒドロシリル化反応を促進させるために添加され、ヒドロシリル化反応の触媒活性を有する公知の金属、金属化合物、金属錯体などを用いることができる。特に白金、白金化合物、それらの錯体を用いることが好ましい。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、助触媒を併用してもよい。硬化触媒(C)の配合量は組成物全体に対して0.1ppm〜1000ppmとすることが好ましく、より好ましくは0.5〜200ppmであり、さらにより好ましくは1〜50ppmである。
<蛍光体(D)>
本発明に使用する蛍光体(D)は、例えば黄色蛍光体としては、Y(Al,Ga)12;Ce、(Y,Gd)Al12;Ce等のYAG系蛍光体、LaSi11:Ce等のLSN系蛍光体、TbAl12;Ce等のTAG系蛍光体、CaGa;Eu等の硫化物系蛍光体、(Sr,Ca,Ba)SiO;Eu等のシリケート系蛍光体、Ca−α−Sialon;Eu等のオキシナイトライド系蛍光体が挙げられ、緑色蛍光体としては、SrGa;Eu、(Ba,Sr)SiO;Eu、CaScSi12;Ce、CaSc;Ce、β−Sialon;Eu、(Sr,Ba)Si;Eu、BaSi12;Eu等が挙げられ、赤色蛍光体としては(Ca,Sr)Si;Eu、CaAlSiN;Eu等のCASN系蛍光体、(Sr,Ca)S;Eu、(Sr,Ba)SiO;Eu、KSiF;Mn等が挙げられ、青色蛍光体としては、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(POCl;Eu、(Ba,Sr)MgAl1017;Eu、SrSiAl19ON31;Eu、(Sr,Ba)MgSi;Eu等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら蛍光体は単独でも2種以上を任意の比率及び組み合わせでも用いることができる。2種類以上の蛍光体を用いるとLEDの演色性が向上する。
本組成物には、その他任意の成分として、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、エチニルシクロヘキサノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、1,3ジビニルテトラメチルジシロキサン等の脂肪族不飽和結合を有する化合物、ベンゾトリアゾール等の反応抑制剤を含有してもよい。この反応抑制剤は硬化性を抑制しない程度の含有量として(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して0.0001〜1重量部の範囲内であることが好ましい。
また、本組成物には、その接着性を向上させるために接着性付与剤を含有してもよい。この接着性付与剤としては、エポキシ基またはアルコキシ基含有有機ケイ素化合物、またはそれらの縮合物を用いても良い。このアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示され、特に、メトキシ基であることが好ましい。また、この有機ケイ素化合物のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン置換アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基等のエポキシ基含有一価有機基;3−メタクリロキシプロピル基等のアクリル基含有一価有機基;水素原子が例示される。またこの有機ケイ素化合物は前記(A)成分又は(B)成分と反応し得る基を有することが好ましく、具体的には、ケイ素原子結合アルケニル基またはケイ素原子結合水素原子を有することが好ましい。また、各種の基材に対して良好な接着性を付与できることから、この有機ケイ素化合物は一分子中に少なくとも1個のエポキシ基含有一価有機基を有するものであることが好ましい。
また、本組成物には、さらに耐熱性を向上させるために酸化防止剤を含有してもよい。この酸化防止剤としては一般的に使用されているものを用いる事ができる。例えばヒンダートフェノール系の他、リン系、ヒンダートアミン系、チオエーテル系酸化防止剤が挙げられる。この酸化防止剤の含有量として(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して0.0001〜1重量部の範囲内であることが好ましい。
また本組成物には発明の目的を損なわない程度に、その他任意成分として粘度調整、硬さ調整のために炭酸カルシウム、硅砂、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、二酸化ケイ素、メラミン等の無機充填材を含有してもよく、有機充填材、硬化樹脂の補強のためにガラス繊維等の補強材、軽量化及び粘度調整などのためにシラスバルーン、ガラスバルーン等の中空体を添加できる。その他、酸化防止剤、有機顔料、蛍光顔料、腐食防止剤などを適宜使用することができる。
本発明の請求項2に記載の光半導体装置は、上記請求項1に記載の発光素子封止用シリコーン樹脂組成物の硬化物により光半導体(LED)等の発光素子が封止されている光半導体装置である。
次に、本発明である発光素子封止用シリコーン樹脂組成物について、実施例及び比較例により詳細に説明する。
<実施例及び比較例>
ケイ素原子に結合した水酸基を有しないオルガノビニルポリシロキサン(A)として、MVi単位とQ単位を有する重量平均分子量5,500(重量平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定される値を言う。以下同様。)の分岐鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A1)及び、末端MVi単位で封止され重量平均分子量42,000の直鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A2)を使用し、ケイ素原子に結合した水酸基を有するオルガノビニルポリシロキサン(A)として、MVi単位とQ単位を有し、水酸基の含有量が1500質量ppmであり、重量平均分子量1,900の分岐鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A1´)及び、末端が水酸基で封止され、水酸基の含有量が24,000質量ppmで、側鎖にビニル基を有する重量平均分子量1,400の直鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A2´)を使用し、オルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)として、側鎖にヒドロキシシリル基を有し、重量平均分子10,400のジメチル水素ポリシロキサン(B1)(水素原子の含有量は7mmol/g)を使用し、付加反応に必要な硬化触媒(C)として、白金−ビニルダイマー錯体(白金含有量12重量%)を使用し、蛍光体(D)として、CaAlSiN;EuのCASN系赤色蛍光体(蛍光体(D1))(体積による50%累積平均粒子径;17μm)及びLaSi11:CeのLSN系黄色蛍光体(蛍光体(D2))(同粒子径;16μm)を使用し、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノールを使用し、接着性付与剤として、トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートを使用し、表1に示す配合(配合量は質量部)にて均一に混合し、実施例1乃至実施例4及び比較例1及び比較例2の発光素子封止用シリコーン樹脂組成物を得た。なお、上記略号はそれぞれ以下の構造式で表される。
Vi単位:(CH(CH=CH)SiO1/2
Q単位:SiO4/2
<評価項目及び評価方法>
<蛍光体の沈降性>
表1の配合にて均一に混合した発光素子封止用シリコーン樹脂組成物を、混合後23℃にて15時間静置し、その後150℃4時間加熱し硬化物を得る。該硬化物の断面を協和光学社製 光学顕微鏡ME−LUX2S−3L(倍率50倍)で観察し、配合した蛍光体(D)の沈殿状態を確認した。蛍光体の沈殿層が形成され上部の樹脂層との境界が明瞭なものを○、蛍光体の沈殿層が形成されてはいるが上部の樹脂層との境界が明瞭でなく境界部分に蛍光体が浮遊した状態になっているものを×と評価した。
<粘度>
表1の配合にて均一に混合した各発光素子封止用シリコーン樹脂組成物を23℃にて、レオメーター Discovery HR2(TA insutruments社製)を用いてせん断速度 5.0sec−1 で測定した。
<全光線透過率>
表1の配合から蛍光体(D)を除いた各発光素子封止用シリコーン樹脂組成物を150℃4時間で金型により硬化させ、厚み2mmの試験体を作製し、該試験体をヘイズメーター(株式会社東洋精機製作所)を用いてD65光源における全光線透過率(%)を測定した。
<評価結果>
評価結果を表2に示す。

Claims (2)

  1. 1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合アルケニル基を有するオルガノビニルポリシロキサン(A)と、
    1分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノ水素(ポリ)シロキサン(B)と、
    付加反応に必要な硬化触媒(C)と、
    蛍光体(D)とから成り、
    オルガノビニルポリシロキサン(A)中のケイ素原子に結合した水酸基の含有量がオルガノビニルポリシロキサン(A)の総質量の200質量ppm以下であることを特徴とする発光素子封止用シリコーン樹脂組成物。
  2. 請求項1記載の発光素子封止用シリコーン樹脂組成物の硬化物で発光素子が封止されていることを特徴とする光半導体装置。

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