JP2020167183A - 記録ヘッド用ヨークケースおよびプリンター - Google Patents

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Takeshi Murai
剛志 村井
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Abstract

【課題】記録ワイヤーの出力が大きい記録ヘッド用ヨークケース、および、高性能のプリンターを提供すること。【解決手段】基部と、前記基部から突出し、先端面と側面とを備える柱状をなすコア部と、を有し、少なくとも一部が軟磁性粉末の焼結体で構成されており、前記先端面の算術平均粗さRa1は、前記側面の算術平均粗さRa2よりも小さく、前記先端面の算術平均粗さRa1と前記側面の算術平均粗さRa2との差(Ra2−Ra1)が0.10μm以上1.50μm以下であることを特徴とする記録ヘッド用ヨークケース。【選択図】図7

Description

本発明は、記録ヘッド用ヨークケースおよびプリンターに関するものである。
ヨークケースが備える複数の鉄心と、各鉄心に対応する電磁コイルと、を備え、電磁コイルによって記録用レバーを駆動することにより、プラテン上を搬送されるシートに文字等を記録するドットインパクトプリンターが知られている。ドットインパクトプリンターでは、電磁コイルがボビンに巻き付けられており、このボビンをコア部に嵌め込むことによって、鉄心と電磁コイルとが組み立てられるようになっている。
例えば、特許文献1には、底面部から突設されているコアを有するフレームと、コアに巻き付けられた電磁石コイルと、を有する電磁石が開示されている。そして、電磁石コイルに通電すると、電磁石の周囲に磁気回路が形成され、コアが励磁されて吸引力が発生し、ワイヤーレバーのアーマチェア部がコアに吸引される。そして、吸引されたワイヤーレバーは、記録ワイヤーを突出動作させるので、記録ワイヤーをインクリボンに打ち当てることにより、インクリボンのインクをシートに付着させることができ、文字等が印字される。
特開2001−341333号公報
ドットインパクトプリンターでは、近年、記録ワイヤーによるインパクト力、すなわち出力を高めることが求められている。出力を高めることにより、複写式シートを用いた場合には一度に複写可能なシートの枚数を増やせるとともに、印字速度を高めることが可能になる。しかしながら、特許文献1に記載の電磁石では、コアが励磁されることで発生する磁気吸引力が弱いため、記録ワイヤーの出力が十分でないことが課題になっている。
本発明の適用例に係る記録ヘッド用ヨークケースは、
基部と、
前記基部から突出し、先端面と側面とを備える柱状をなすコア部と、
を有し、
少なくとも一部が軟磁性粉末の焼結体で構成されており、
前記先端面の算術平均粗さRa1は、前記側面の算術平均粗さRa2よりも小さく、
前記先端面の算術平均粗さRa1と前記側面の算術平均粗さRa2との差(Ra2−Ra1)が0.10μm以上1.50μm以下であることを特徴とする。
記録ヘッド用ヨークケースを備えるドットインパクトプリンターの一例を示す斜視図である。 図1に示す記録ヘッドの一例を示す断面図である。 図2に示す記録ヘッドが備えるサイドヨークの平面図である。 実施形態に係る記録ヘッド用ヨークケースを示す平面図である。 図4のX−X線断面図である。 図4に示すヨークケースのコア部にコイルを装着する様子を示す斜視図である。 図6に示すコイルが装着されたコア部周辺の縦断面図である。 図7に示すヨークケースの変形例を示す部分拡大断面図である。
以下、本発明の記録ヘッド用ヨークケースおよびプリンターの実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
1.ドットインパクトプリンター
まず、実施形態に係るプリンターであるドットインパクトプリンターについて説明する。
図1は、記録ヘッド用ヨークケースを備えるドットインパクトプリンターの一例を示す斜視図である。なお、図1では、説明の便宜のため、プリンターの外装を外した内部のみを図示している。また、以下の説明では、ドットインパクトプリンターを省略して単にプリンターともいう。さらに、以下の説明では、記録ヘッド用ヨークケースを単に「ヨークケース」ということもある。
図1に示すプリンター100は、記録ヘッド18が備える図示しない記録ワイヤーを、図示しないインクリボンを介してシート等の被印刷物に打ち付けてドットを記録することにより、文字や画像を印刷するドットインパクトプリンターである。
図1に示すプリンター100は、本体フレームとしてのベースフレーム14と、左サイドフレーム16および右サイドフレーム17と、記録ヘッド18およびキャリッジ19を備えた印刷機構部20と、プラテン21およびシート案内22を備えたシート搬送機構部23と、を有する。
ベースフレーム14の両端には、左サイドフレーム16および右サイドフレーム17がそれぞれ立設されている。そして、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に、図1に示すように、キャリッジ軸24が架け渡されて回動可能に支持され、プラテン21が架け渡されて回転自在に配設されている。
また、シート案内22は、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に配設されており、プラテン21との間でシートを搬送する。
ここで、記録ヘッド18は、後述するヨークケース1を含んでいる。ヨークケース1のコアにはコイルが装着され、このコイルへの通電により、記録ヘッド18が備える記録ワイヤーを駆動する。
2.記録ヘッド
次に、図1に示す記録ヘッド18の一例について説明する。
図2は、図1に示す記録ヘッド18の一例を示す断面図である。図3は、図2に示す記録ヘッド18が備えるサイドヨーク45の平面図である。
図2に示す記録ヘッド18は、ヘッド本体40と、ノーズ部41と、放熱器42と、を有している。そして、ヘッド本体40にノーズ部41が連結され、ヘッド本体40の外側に放熱器42が配置されている。
また、ヘッド本体40は、図2に示すように、前述したヨークケース1と、ヨーク44と、サイドヨーク45と、スプリングホルダー46と、ワイヤーレバー49と、レバー支点押さえばね51と、レバーホルダー52と、記録ワイヤー35と、を有している。そして、ヨークケース1の開口側に、略リング形状のヨーク44およびサイドヨーク45が順次積層されている。また、ヨークケース1の内側にはスプリングホルダー46が配置されている。さらに、ヨーク44およびサイドヨーク45は、それぞれ周方向に複数形成された凹部47および凹部48を含んでいる。そして、凹部47および凹部48には、各1本のワイヤーレバー49が収容されている。なお、図3では、図示の便宜のため、1本のワイヤーレバー49のみ示している。ワイヤーレバー49の基端部50は、レバー支点押さえばね51を介してレバーホルダー52により保持されている。一方、ワイヤーレバー49の先端部55には、記録ワイヤー35が1本ずつ装着されている。
また、図2に示すヘッド本体40は、復帰スプリング58を有している。そして、ワイヤーレバー49の先端部55付近が、スプリングホルダー46に内蔵された復帰スプリング58によってレバーホルダー52方向へ常時付勢されている。また、ワイヤーレバー49の基端部50は、ヨーク44の凹部47を構成するリング部56に接触可能に設けられている。
レバー支点押さえばね51は、複数のレバー押さえばね部57を備える板ばねである。レバー押さえばね部57がワイヤーレバー49の基端部50に付勢力を付与して押圧することにより、ワイヤーレバー49の基端部50が、ヨーク44のリング部56に常時接触して保持される。また、レバーホルダー52は、レバー支点押さえばね51のレバー押さえばね部57がワイヤーレバー49の基端部50に付勢力を付与するようにレバー支点押さえばね51を保持している。
ヨークケース1のコア部12には、コイル54が巻き付けられている。このコア部12とコイル54とで電磁石59が構成されている。電磁石59のコイル54に電流が流されると、電磁石59の周囲に磁気回路61が形成され、コア部12が励磁される。電磁石59の周囲に形成される磁気回路61は、磁束が、コア部12からワイヤーレバー49のアーマチェア部60および基端部50を経て、ヨークケース1の縁部112から再びコア部12へと循環して流れる磁気回路である。このような磁気回路61に基づいて、電磁石59には吸引力が発生し、ワイヤーレバー49のアーマチェア部60がコア部12に吸引される。これにより、ワイヤーレバー49は、基端部50の先端を支点Oとしてノーズ部41方向に回動する。その結果、記録ワイヤー35がノーズ部41の先端ガイドから突出するように作動する。
記録ワイヤー35の突出方向前方には、図示しないインクリボンおよびシートが設けられ、記録ワイヤー35をインクリボンに打ち当てると、インクリボンのインクがシートに付着する。これにより、シートに文字や画像を記録することができる。
3.ヨークケース
次に、実施形態に係る記録ヘッド用ヨークケースについて説明する。
図4は、実施形態に係る記録ヘッド用ヨークケースを示す平面図である。また、図5は、図4のX−X線断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図5の左側を「上」、右側を「下」として説明する。
図4に示すヨークケース1は、外形が円環状をなす板状部材である。そして、ヨークケース1には、平面視における中心部を、円形をなす中央孔101が貫通している。なお、ヨークケース1における平面視とは、板状部材であるヨークケース1の厚さ方向からの平面視のことを指す。
また、ヨークケース1は、上方が開放している凹部を有している。そして、この凹部の底に相当するのが基部10である。具体的には、基部10は、平面視形状が円環状である板状をなしている。そして、平面視において基部10の内周側、すなわち中央孔101側の縁には、上方に向かって突出する円環状の縁部111が設けられている。また、平面視において基部10の外側、すなわち中央孔101とは反対側の縁にも、上方に向かって突出する円環状の縁部112が設けられている。これにより、ヨークケース1は、前述した凹部の底に相当する基部10と、凹部の側壁に相当する縁部111および縁部112と、を備えている。
さらに、ヨークケース1は、平面視において基部10の縁部111と縁部112との間に設けられ、上方に向かって突出する複数のコア部12を備えている。コア部12は、基部10の周方向に沿って間欠的に設けられている。また、このコア部12は、平面視において縁部111および縁部112のいずれからも離間している。そして、コア部12の突出高さは、縁部111、112の突出高さと同じになっている。
なお、図4に示すヨークケース1は、一例として12個のコア部12を備えている。このとき、各コア部12と中央孔101の中心とを結ぶ直線を引いたとき、隣り合うコア同士の離角は、ヨークケース1全体で等しくなっている。つまり、図4に示すコア部12の配置は、中央孔101の中心を回転軸とする12回回転対称を満たす配置になっている。
また、ヨークケース1は、基部10を厚さ方向に貫通する貫通孔131、132を備えている。貫通孔131、132は、それぞれ平面視において基部10の縁部111と縁部112との間に設けられている。この貫通孔131、132は、それぞれ平面視において縁部111、112およびコア部12のいずれからも離間している。
具体的には、ヨークケース1は、12個の貫通孔131を備えている。そして、貫通孔131は、平面視においてコア部12と縁部111との間に設けられている。同様に、ヨークケース1は、12個の貫通孔132を備えている。そして、貫通孔132は、平面視においてコア部12と縁部112との間に設けられている。そして、これらの貫通孔131、132の配置も、中央孔101の中心を回転軸とする12回回転対称を満たす配置になっている。
ここで、図6は、図4に示すヨークケース1のコア部12にコイル54を装着する様子を示す斜視図である。
ヨークケース1は、少なくとも一部が軟磁性粉末の焼結体で構成されている。これにより、ヨークケース1は軟磁性を有する。そして、各コア部12には、図6に示すようにコイル54が装着され、電磁石59を構成している。コイル54は、ボビン542に巻き付けられた状態で、全てのコア部12に装着される。なお、図6では、1つのコア部12のみにコイル54が装着されている様子を示しており、他のコア部12についてはコイル54の図示を省略している。
図7は、図6に示すコイルが装着されたコア部周辺の縦断面図である。
図7に示すコア部12は、先端面121と、側面122と、を有している。先端面121は、図2においてワイヤーレバー49と当接または近接する面である。
一方、側面122は、コイル54が装着される面である。具体的には、前述したボビン542は、貫通孔544を有する筒状をなしており、外周には導線が巻き付けられてコイル54が形成されている。そして、ボビン542の貫通孔544にコア部12を挿入すると、貫通孔544の内面とコア部12の側面122とが、わずかなギャップを介して対向する。そうすると、コア部12は、コイル54によって効率よく励磁される。その結果、コア部12とコイル54とを有する電磁石59の周辺には、より磁束密度の大きい磁気回路61が形成され、ワイヤーレバー49をより強力に吸引することができる。
ここで、本実施形態では、コア部12の先端面121の表面粗さと側面122の表面粗さとを異ならせている。具体的には、コア部12の先端面121の算術平均粗さRa1が、側面122の算術平均粗さRa2よりも小さくなっている。そして、先端面121の算術平均粗さRa1と側面122の算術平均粗さRa2との差(Ra2−Ra1)が0.10μm以上1.50μm以下である。
このように表面粗さに差を設けることにより、コア部12によるワイヤーレバー49の磁気吸引力を強めつつ、コア部12に対してコイル54がずれるのを抑制することができる。
具体的には、コア部12の先端面121の表面粗さが相対的に小さいことにより、コア部12からワイヤーレバー49へとつながる磁気回路61の磁気抵抗を低減することができる。このため、磁気回路61の磁束密度を高めることができ、ワイヤーレバー49をより強力に吸引することができる。
一方、側面122の表面粗さが相対的に大きいことにより、側面122とコイル54との間に、より大きな摩擦抵抗を発生させることができる。これにより、コア部12とコイル54とがずれにくくなるため、例えばコア部12に向かってワイヤーレバー49が吸引された瞬間に、コイル54がずれてしまうことによる吸引力の減少が低減する。その結果、ワイヤーレバー49をより強力に吸引することができる。
以上のようにして、ワイヤーレバー49の磁気吸引力の増大を図ることができるため、記録ワイヤー35が文字や画像を記録する際の出力を高めることができる。これにより、例えば複写枚数を増やしたり、記録速度を高めたりすることができる。
また、先端面121の算術平均粗さRa1と側面122の算術平均粗さRa2との差(Ra2−Ra1)は、前述したように0.10μm以上1.50μm以下とされるが、好ましくは0.20μm以上1.00μm以下とされ、より好ましくは0.20μm以上0.90μm以下とされる。
なお、先端面121の算術平均粗さRa1と側面122の算術平均粗さRa2との差(Ra2−Ra1)が前記下限値を下回ると、両者の差が非常に小さくなるため、上述したような効果が期待できなくなる。一方、差(Ra2−Ra1)が前記上限値を上回ると、側面122とコイル54との間のギャップが大きくなる。このため、コア部12とコイル54とがずれにくくなるという効果よりも、ギャップの増大に伴う磁束密度の低下の影響が大きくなる。その結果、記録ワイヤー35の出力がかえって低下するおそれがある。
また、先端面121の算術平均粗さRa1は、好ましくは1.50μm以下とされ、より好ましくは1.00μm以下とされる。これにより、コア部12からワイヤーレバー49へとつながる磁気回路61の磁気抵抗を特に低減することができる。このため、磁気回路61の磁束密度を高めることができ、ワイヤーレバー49をさらに強力に吸引することができる。
さらに、側面122の算術平均粗さRa2は、好ましくは0.50μm以上5.00μm以下とされ、より好ましくは0.60μm以上3.00μm以下とされ、さらに好ましくは0.60μm以上1.50μm以下とされる。これにより、前述した側面122とコイル54との間において、互いにずれにくくするために必要な摩擦抵抗を確保することができ、かつ、表面粗さが大きすぎることによる磁気回路61の磁束密度の低下を最小限に留めることができる。その結果、ワイヤーレバー49の磁気吸引力をより高めることができる。
なお、先端面121の算術平均粗さRa1および側面122の算術平均粗さRa2は、例えばJIS B 0601:2013に規定された触針式の表面粗さ計による方法に準じて測定される。そして、先端面121の算術平均粗さRa1は、先端面121において取り得る最大長さの50%以上を測定長さとして測定する。また、側面122の算術平均粗さRa2は、コア部12の突出方向、すなわち、ヨークケース1の基部10から先端面121へと向かう方向において、先端面121の測定長さと同じ長さで測定する。そして、コア部12の突出長さの中心を通過する範囲において測定されるのが好ましい。
また、側面122の表面粗さが相対的に大きいことは、ヨークケース1の放熱性を高めることにも寄与する。側面122の表面粗さを大きくすることは、先端面121の表面粗さを大きくする場合に比べて、コア部12によるワイヤーレバー49の磁気吸引力の低下が比較的限定的である。このため、側面122の表面粗さを大きくすることにより、側面122の比表面積を大きくすることができ、コア部12の放熱効率が高くなる。その結果、コイル54に通電され、コア部12の温度が上昇した場合でも、コア部12の熱を比較的速く放熱して、温度上昇を抑制することができる。これにより、コア部12の高温化による磁気特性の低下を抑制することができ、記録ワイヤー35の出力の低下を抑制することができる。
図8は、図7に示すヨークケース1の変形例を示す部分拡大断面図である。
以下、変形例について説明するが、以下の説明では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
変形例に係るヨークケース1は、少なくともコア部12の構成が異なる。具体的には、図8に示すように、コア部12が、コア本体120と、コア本体120の表面を覆う被膜120aと、を有している。このような被膜120aを設けることにより、コア本体120が直接外気に触れるのを抑制することができる。これにより、コア本体120の酸素や水分等による劣化や発錆を抑制し、磁気特性の低下を抑制することができる。
なお、このような被膜120aが設けられるのは、コア部12に限られなくてもよい。例えば図8に示すように、被膜120aを基部10が有していてもよく、ヨークケース1全体が有していてもよい。
被膜120aとしては、例えば、めっき膜、蒸着膜、塗布膜等が挙げられるが、好ましくはめっき膜が用いられる。めっき膜は、一般にめっき浴に浸漬した状態で成膜することができる。このため、ヨークケース1全体に均一な厚さの被膜120aを形成するのに、めっき膜が好適である。すなわち、途切れが少なく、コア本体120の保護機能がより高い被膜120aを形成するのに、めっき膜が好ましく用いられる。めっき膜は、無電解めっき膜であっても、電解めっき膜であってもよい。
また、図8に示す、被膜120aが設けられているヨークケース1においても、図7に示すヨークケース1と同様、先端面121と側面122とで表面粗さに差が設けられている。つまり、被膜120aは、下地であるコア本体120の表面の凹凸に追従して成膜されるため、前述した先端面121と側面122との間に生じる表面粗さの差は、下地であるコア本体120の表面の凹凸の影響を受けている。したがって、図8に示すコア本体120では、下地先端面120−1と下地側面120−2とで表面粗さに差が設けられており、その結果、被膜120aの表面においても、先端面121の算術平均粗さRa1が側面122の算術平均粗さRa2よりも小さく、かつ、これらの差(Ra2−Ra1)が前述した範囲内に収まっている。これにより、本変形例でも、前述したような、コア部12によるワイヤーレバー49の磁気吸引力を強めつつ、コア部12に対してコイル54がずれるのを抑制するといった効果が得られる。
さらに、このような下地先端面120−1と下地側面120−2との表面粗さの差は、被膜120aの表面における表面粗さの差として現れるだけでなく、被膜120aがめっき膜である場合に、そのめっき膜の膜厚の差としても現れる。具体的には、めっき膜は、下地に凹凸が存在する領域と平滑な領域とが存在していた場合、凹凸が存在する領域では、平滑な領域に比べて、膜厚が厚くなる傾向がある。したがって、図8の場合、相対的に平滑である下地先端面120−1上に成膜されるめっき膜である被膜120aの膜厚は、相対的に表面粗さが大きい下地側面120−2上に成膜されるめっき膜である被膜120aの膜厚に比べて薄くなる。
このような膜厚の差があることにより、コア部12の先端面121では、コア本体120とワイヤーレバー49との距離を、より小さくすることができる。すなわち、下地先端面120−1上に成膜される被膜120aの膜厚が薄いことにより、コア本体120とワイヤーレバー49とを互いに近づけやすくなる。その結果、磁気回路61の磁気抵抗をより低減することができる。
被膜120aの膜厚の差は、特に限定されないが、下地側面120−2上における被膜120aの平均膜厚を1としたとき、下地先端面120−1上における被膜120aの平均膜厚が0.30以上0.97以下であるのが好ましく、0.40以上0.90以下であるのがより好ましい。このような差を設けることにより、ボビン542やコイル54との摩擦が生じる下地側面120−2上においては、被膜120aの膜厚を適度に厚く設ける一方、下地先端面120−1上においては被膜120aの膜厚を適度に薄くすることができる。その結果、摩擦による被膜120aの損傷等を抑えつつ、記録ワイヤー35の出力を高めることができるヨークケース1を実現することができる。
被膜120aの構成材料としては、例えば、Ni、Ti、Au、Cu、Al等、またはこれらを含む合金のような金属材料の他、樹脂材料、ガラス材料等が挙げられる。このうち、被膜120aの構成材料は、NiまたはNi合金であるのが好ましい。これにより、コア本体120の酸化や劣化をより確実に抑制することができる。
なお、上述したような被膜120aの膜厚の差は、必ず設けられている必要はなく、膜厚が均一であっても、逆の膜厚の差が生じていてもよい。その場合、例えばマスキング等を施して、膜厚に差が生じるような方法を用いるようにすればよい。
コア部12またはコア本体120の構成材料としては、例えば、磁束密度が大きい軟磁性材料であれば、特に限定されないが、Fe−Co系合金が好ましく用いられ、パーメンジュールがより好ましく用いられる。
パーメンジュールとしては、例えば、Fe−49Co−V、Fe−35Co、Fe−20Co−V等の種類が挙げられる。このうち、Fe−49Co−Vがさらに好ましく用いられる。なお、Fe−49Co−Vは、Coが47.0質量%以上52.0質量%以下の割合で含まれ、Vが0.030質量%以上2.0質量%未満の割合で含まれ、残部がFeおよび不純物である合金である。そして、所定量の添加物の添加も許容され、例えば、Si、Cr、Ni、Nb、Mn、Al、Mo、W等の添加が許容されるが、その添加量は、単独で2.0質量%以下、合計でも3.0質量%以下に限定されるのが好ましい。
なお、ヨークケース1は、少なくとも一部、例えばコア部12が軟磁性粉末の焼結体で構成される一方、その他の部位はそれ以外の材料で構成されている複合体であってもよい。そして、必要に応じて設けられる被膜120a以外については焼結体で構成されているのが好ましい。これにより、ヨークケース1の一体性が高まり、機械的強度が高くなる。
また、コア部12またはコア本体120の構成材料の保磁力は、できるだけ低いことが好ましいが、4.0[Oe]以下(320[A/m]以下)であるのが好ましく、3.0[Oe]以下(240[A/m]以下)であるのがより好ましい。このように保磁力が小さい材料を用いることにより、ヒステリシス損失が十分に抑制され、高速化および高出力化が可能なコア部12を実現することができる。
なお、軟磁性材料の保磁力は、例えば、株式会社玉川製作所製、TM−VSM1230−MHHLのような振動試料型磁力計により測定することができる。
以上のように、本実施形態に係るヨークケース1(記録ヘッド用ヨークケース)は、基部10と、基部10から突出し、先端面121と側面122とを備える柱状をなすコア部12と、を有し、少なくとも一部が軟磁性粉末の焼結体で構成されている。そして、先端面121の算術平均粗さRa1は、側面122の算術平均粗さRa2よりも小さく、先端面121の算術平均粗さRa1と側面122の算術平均粗さRa2との差(Ra2−Ra1)が0.10μm以上1.50μm以下である。
このようなヨークケース1によれば、磁気回路61の磁束密度を高めるとともに、コア部12に対してコイル54がずれてしまうことによる吸引力の減少が低減されるため、ワイヤーレバー49をより強力に吸引することができる。これにより、記録ワイヤー35が文字や画像を記録する際の出力を高めることができる。その結果、記録ヘッド18において、例えば複写枚数を増やしたり、記録速度を高めたりすることができる。
また、前述したプリンター100は、実施形態に係るヨークケース1(記録ヘッド用ヨークケース)を含む記録ヘッド18を備えている。前述したように、ヨークケース1は、記録ワイヤー35の出力を高め得るものであることから、例えば、複写枚数を増やしたり、記録速度を高めたりすることが可能な高性能のプリンター100を実現することができる。
4.ヨークケースの製造方法
次に、記録ヘッド用ヨークケースの製造方法について説明する。
前述したようなヨークケース1は、例えば粉末冶金法により製造される。粉末冶金法としては、金属粉末を成形し、得られた成形体を焼成して金属焼結体を得る方法である。成形方法としては、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法が挙げられるが、特に射出成形法が好ましく用いられる。
そして、得られた成形体に、脱脂処理および焼成処理を施すことにより、金属焼結体が得られる。その後、金属焼結体に対し、必要に応じて研削、研磨等の処理を施すようにしてもよい。
研削方法としては、例えば、砥石研削法、砥粒研削法等が挙げられる。また、研磨方法としては、例えば、ラップ研磨法、バフ研磨法、バレル研磨法等が挙げられる。
その後、必要に応じて、被膜120aを成膜する。以上のようにしてヨークケース1を製造することができる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、各図に示すヨークケースの形状は、一例であり、本発明はこの形状に限定されない。例えば、コアの数は、12個より少なくてもよいし、多くてもよい。そして、コアの配置は、回転対称を満たさない配置であってもよい。また、貫通孔の数も、それぞれ特に限定されない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.ヨークケースの製造
1.1 実施例1
まず、水アトマイズ法により製造したFe−49Co−Vの組成を有する軟磁性粉末を用いて、射出成形法により成形体を作製した。
次に、得られた成形体に脱脂処理および焼成処理を施すことにより、焼結体を得た。
次に、得られた焼結体について、部分的に研削処理および研磨処理を施した。これにより、焼結体のコア部に相当する部分の先端面と側面とで、表面粗さに差を形成し、ヨークケースを得た。
1.2 実施例2〜10
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてヨークケースを得た。なお、Niめっき膜の成膜にあたっては、無電解めっき法を採用した。
1.3 比較例1〜4
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてヨークケースを得た。
2.表面粗さの測定
次に、各実施例および各比較例で得られたヨークケースを切断し、コア部の先端面および側面の表面粗さを測定するとともに、両者の差を算出した。測定には、JIS B 0601:2013に規定された触針式の表面粗さ計を使用した。測定結果を表1に示す。
3.記録ワイヤーの出力の測定
次に、各実施例および各比較例で得られたヨークケースをドットインパクトプリンターに装着し、印字するように作動させた。
次に、その際の記録ワイヤーの出力を測定した。そして、比較例1のヨークケースを用いて測定された出力を100としたとき、各実施例および各比較例のヨークケースを用いて測定された出力の相対値を算出した。
算出結果を表1に示す。
Figure 2020167183
表1から明らかなように、各実施例で得られたヨークケースを用いた場合の記録ワイヤーの出力は、各比較例で得られたヨークケースを用いた場合の記録ワイヤーの出力に比べて高いことが認められた。特に、コア部の先端面と側面とで表面粗さの差を最適化することにより、出力の向上を図ることができた。このことから、本発明によれば、記録ワイヤーの出力が大きい記録ヘッド用ヨークケースを実現し得ることが認められた。
1…ヨークケース、10…基部、12…コア部、14…ベースフレーム、16…左サイドフレーム、17…右サイドフレーム、18…記録ヘッド、19…キャリッジ、20…印刷機構部、21…プラテン、22…シート案内、23…シート搬送機構部、24…キャリッジ軸、35…記録ワイヤー、40…ヘッド本体、41…ノーズ部、42…放熱器、44…ヨーク、45…サイドヨーク、46…スプリングホルダー、47…凹部、48…凹部、49…ワイヤーレバー、50…基端部、51…レバー支点押さえばね、52…レバーホルダー、54…コイル、55…先端部、56…リング部、57…レバー押さえばね部、58…復帰スプリング、59…電磁石、60…アーマチェア部、61…磁気回路、100…プリンター、101…中央孔、111…縁部、112…縁部、120…コア本体、120−1…下地先端面、120−2…下地側面、120a…被膜、121…先端面、122…側面、131…貫通孔、132…貫通孔、542…ボビン、544…貫通孔、O……支点

Claims (5)

  1. 基部と、
    前記基部から突出し、先端面と側面とを備える柱状をなすコア部と、
    を有し、
    少なくとも一部が軟磁性粉末の焼結体で構成されており、
    前記先端面の算術平均粗さRa1は、前記側面の算術平均粗さRa2よりも小さく、
    前記先端面の算術平均粗さRa1と前記側面の算術平均粗さRa2との差(Ra2−Ra1)が0.10μm以上1.50μm以下であることを特徴とする記録ヘッド用ヨークケース。
  2. 前記側面の算術平均粗さRa2は、0.50μm以上5.00μm以下である請求項1に記載の記録ヘッド用ヨークケース。
  3. 前記コア部は、コア本体と、前記コア本体の表面に設けられている被膜と、を有する請求項1または2に記載の記録ヘッド用ヨークケース。
  4. 前記被膜は、めっき膜である請求項3に記載の記録ヘッド用ヨークケース。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の記録ヘッド用ヨークケースを備えることを特徴とするプリンター。
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