JP2020167100A - 被覆電線 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]導体であるカーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材を被覆する被覆層と、を備え、
前記カーボンナノチューブ線材が前記被覆層で被覆されることにより形成される空間内に含まれる水分の含有量が、前記カーボンナノチューブ線材に対し0.1質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、被覆電線。
[2]前記空間内に含まれる水分の含有量が、前記カーボンナノチューブ線材に対し0.5質量%以上5質量%以下である、[1]に記載の被覆電線。
[3]前記カーボンナノチューブ線材の少なくとも一方の端部に遮水部が設けられてい
る、[1]又は[2]に記載の被覆電線。
[4]前記遮水部が樹脂材料で形成されている、[3]に記載の被覆電線。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る被覆電線1は、導体であるカーボンナノチューブ線材(以下、「CNT線材」ということがある。)10と、CNT線材10を被覆する被覆層20と、を備え、CNT線材10の外周面に被覆層20が被覆されている。すなわち、CNT線材10の長手方向に沿って被覆層20が被覆されている。被覆電線1では、CNT線材10の外周面全体が、被覆層20によって被覆されているため、被覆層20はCNT線材10の外周面と直接、接している。
CNT線材10は、カーボンナノチューブ集合体(以下、「CNT集合体」ということがある。)から形成されており、CNT集合体がカーボンナノチューブ素線(以下、「CNT素線」ということがある。)11として使用される。CNT線材10は、1本のCNT素線11からなる単線であってもよく、複数本のCNT素線11が束ねられて形成されていてもよい。複数本のCNT素線11を束ねる場合、CNT線材10は、複数本のCNT素線11をさらに撚り合わせた撚り線であってもよい。CNT線材10を撚り線の形態とすることで、CNT線材10を太線化することができ、強度が向上する。CNT線材10の円相当直径は、特に限定されないが、例えば、0.01mm以上50mm以下である。なお、図1では、便宜上、CNT素線11の本数は複数本としている。
で表すことができる。撚り線で撚りをかけた場合のCNT線材10の撚り数(T/m)は、10以上1000以下であることが好ましく、20以上500以下であることがより好ましい。CNT線材10の撚り数が10以上1000以下であることにより、強度が向上する。
記載しているが、CNT素線11には、3層構造以上の層構造を有するCNT、単層構造の層構造を有するCNTも含まれていてもよく、3層構造以上の層構造を有するCNT又は単層構造の層構造を有するCNTから形成されていてもよい。
NT素線11は径方向の導電性と比較して長手方向の導電性に優れている特性を有する。複数のCNT素線11が束ねられた又は撚り合わされたCNT線材10は、その長手方向の導電性に優れ、一方で複数のCNT素線11間の導電性は小さい。よって、被覆電線1のCNT線材10は、金属製の線材と比較して、径方向の導電性を抑えつつ、長手方向に優れた導電性を発揮する。
ることができる。尚、CNT線材10が複数のCNT素線11から構成される場合、空間内に含まれる含水量は、複数のCNT素線11を有するCNT線材10の重さを基準に測定される。また、被覆電線1が後述する遮水部を備える場合、重さ(b)は、被覆電線1の重さから遮水部の重さがさらに除かれることで算出される。
次に、被覆電線1に用いるCNT線材10の外周面を被覆する被覆層20について説明する。
本実施形態に係る被覆電線1において、CNT線材10の少なくとも一方の端部に遮水部が設けられていてもよい。ここで、端部とはCNT線材10の長手方向における先端部分を意味する。図3に示すように、遮水部30を介して、CNT線材10と外部に配置される端子40とが接続される。CNT線材10の一方又は両方の端部に遮水部30を設けることにより、CNT線材10の端部が外部に露出される状態を防止し、CNT線材10が被覆層20で被覆されることにより形成される上述の空間内に存在する水分が被覆電線1内に封止される。これにより、空間内に含まれる水分の過度の蒸発が抑制され、空間内の含水状態を長期に維持することができる。また、遮水部は、樹脂材料から形成されていることが好ましい。これにより、遮水部を介して、導体と外部に配置される金属線、端子等の接続部の腐食を防止することができる。このような樹脂材料は、導体であるCNT線材10への皮膜形成を容易にするため、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等であることが好ましい。尚、被覆電線1を一定の湿度環境下で使用する場合、CNT線材10の少なくとも一方の端部を密閉しなくても、CNT線材10が被覆層20で被覆されることにより形成される空間の湿度環境は維持されるため、このような場合、遮水部30は必ずしも設けられていなくてもよい。
次に、本発明の実施形態に係る被覆電線1の製造方法例について説明する。被覆電線1は、まず、CNT11aを作製し、得られた複数のCNT11aからCNT素線11を作製する。撚り線の場合、複数本のCNT素線11を撚り合わせて撚り線とする。その後、CNT素線11又は撚り線としたCNT線材10に噴霧器により水を吹きかけて所定の水分が付着したCNT線材10を作製する。なお、水分の付着量は、水を吹きかける前と吹きかけた後のCNT線材10の重量変化から算出する。さらに、CNT線材10の外周面に被覆層20(例えば、絶縁被覆層)を被覆することで、被覆電線1を製造することがで
きる。
特許第5135620号公報、特許第5131571号公報、特許第5288359号公報)、液晶紡糸(特表2014-530964号公報)等の方法で作製することができる。
実施例1〜9及び比較例1〜2について、以下の製造工程により被覆電線を作製した。
先ず、浮遊触媒法で円相当直径0.05mmのCNT素線を作製した。次いで、得られたCNT素線を下記表1に示す本数及び撚り数にて撚り合わせてCNT線材の撚り線を作製した。さらに、撚り線とした各CNT線材に噴霧器を用いて水を吹きかけ、所定量の水分が付着したCNT線材を作製した。
通常の電線製造用押出成形機を用いて、所定量の水分が付着したCNT線材の外周面にポリプロピレン樹脂(PP)を押出被覆することにより厚さ0.05mmの絶縁被覆層を形成した。こうして、各実施例及び比較例における被覆電線を作製した。
CNT線材が被覆層で被覆されることにより形成される空間内に含まれる水分の含有量は、CNT線材に水を吹きかける前の重量を、水を吹きかけた後の被覆電線から被覆層の重量を除いた重量から除して算出し、続いてCNT線材に対する水分の含有量を算出した。水を吹きかける前のCNT線材は、乾燥処理したものを用いた。
水分を付着する前のCNT線材を20cmの長さで切り出し、ソースメータ(「ケースレー2400」 Keithley社製)を用いて、0.1mAの電流を流したときの抵抗値を計測し、その計測値をR1とした。次いで、含水した後の被覆電線も同様にCNT線材の抵
抗値を計測し、その計測値をR2とした。抵抗値の変化率((R2/R1)×100)を算出し、その比率が90%以下であれば、含水後に抵抗値が低下して導電性が向上していると判断し、導電性に優れていると評価した。
水分を付着する前のCNT線材を20cmの長さで切り出し、ソースメータ(「ケースレー2400」 Keithley社製)を用いて、印加電流が2000A/cm2となるように電流を流し、一定時間ごとに抵抗値の変化を記録した。測定開始時と10分間経過後の抵抗値を比較し、その増加率を算出した。ここで増加率とは、例えば、測定開始時に対して、10分経過後の抵抗値が1.2倍である場合、増加率は20%であることを意味する。CNT線材は温度の変化に比例して抵抗値が増加するため、抵抗値の増加率が小さいほど放熱性に優れると判断することができる。次いで、含水した後の被覆電線も同様にCNT線材の抵抗値の増加率を計測した。この時、印加電流(I2)は、水分を付着する前のCNT線材と同じジュール熱が発生するようにするため、上記抵抗値の変化率で測定したR1、R2より、下記式(1)で表される値に設定した。水分を付着する前のCNT線材の抵抗値の増加率(含水前の抵抗値の増加率)と、含水した後の被覆電線におけるCNT線材の抵抗値の増加率(含水後の抵抗値の増加率)の変化率(放熱性の変化率)を下記(2)より算出し、放熱性の変化率が80%以下である場合、含水後に放熱性が向上していると判断し、放熱性に優れていると評価した。
(2)
は優れた放熱性も示していた。さらに、実施例1〜9では、被覆電線の内部に一定の水分が含まれている状態であっても導体の腐食が生じなかった。そのため、得られた被覆電線は、高湿度下、水中においても使用できるため、水が存在する環境下でも導体の腐食を防止し、耐久性が向上した被覆電線が得られたと判断できる。
10 カーボンナノチューブ線材
11 カーボンナノチューブ素線
11a カーボンナノチューブ
20 被覆層
30 遮水部
40 端子
Claims (4)
- 導体であるカーボンナノチューブ線材と、前記カーボンナノチューブ線材を被覆する被覆層と、を備え、
前記カーボンナノチューブ線材が前記被覆層で被覆されることにより形成される空間内に含まれる水分の含有量が、前記カーボンナノチューブ線材に対し0.1質量%以上20質量%以下であることを特徴とする、被覆電線。 - 前記空間内に含まれる水分の含有量が、前記カーボンナノチューブ線材に対し、0.5質量%以上5質量%以下である、請求項1に記載の被覆電線。
- 前記カーボンナノチューブ線材の少なくとも一方の端部に遮水部が設けられている、請求項1又は2に記載の被覆電線。
- 前記遮水部が樹脂材料で形成されている、請求項3に記載の被覆電線。
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