以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。以下の説明に用いる各図面は模式的に示すものであり、各構成要素を図面上で認識できる程度の大きさで示すために、各部材の寸法関係や縮尺等を構成要素毎に異ならせて示している場合がある。したがって、本発明は、各図面に記載された各構成要素の数量や各構成要素の形状や各構成要素の大きさの比率や各構成要素の相対的な位置関係等に関して、図示の形態のみに限定されるものではない。
[一実施形態]
本発明の一実施形態は、例えば鉄筋コンクリート造の構造物を施工する(建築工事を実施する)際に行われる手順のうち、配筋検査をシステム化して、必要となる計測作業や記録作業などを機械化し自動化し、これによって、配筋検査を効率化し、配筋検査にかかる時間を短縮するための配筋検査システムについて例示するものである。
まず、本実施形態の配筋検査システムの概略構成について、図1,図2を用いて以下に説明する。図1は、本発明の一実施形態の配筋検査システムの外観を示す外観斜視図である。図2は、図1の配筋検査システムの概略構成を示すブロック構成図である。
本実施形態の配筋検査システム1は、図示のように、保持フレーム100(図2では不図示)と、携帯端末装置10と、撮像ユニット20などによって主に構成されている。
なお、本実施形態の配筋計測システム1においては、携帯端末装置10と撮像ユニット20とを別体の機器によって構成した例を示しているが、この形態に限られることはない。例えば、携帯端末装置10と撮像ユニット20とが一体的に一つの筐体で構成されるような形態で構成されていてもよい。
保持フレーム100は、携帯端末装置10と撮像ユニット20とを所定の形態に固定保持するための骨格部材である。当該保持フレーム100は、図1に示すように、携帯端末保持筐体101と、撮像ユニット載置棚102と、撮像ユニット固定腕103と、把持部104などによって主に構成されている。
携帯端末保持筐体101は、携帯端末装置10を、その表示画面を露呈した状態で収納し、固定保持すると共に、表示画面以外の外面を保護する筐体部材である。
撮像ユニット載置棚102は、撮像ユニット20を載置した状態で保持する平板状部材である。この撮像ユニット載置棚102の左右両側部が、後述する2つの把持部104の一部に固定されている。
撮像ユニット固定腕103は、上記撮像ユニット載置棚102上に載置された状態の撮像ユニット20の左右両側面を固定する腕状部材である。撮像ユニット固定腕103は、上記携帯端末保持筐体101の外底面に固定されている。
把持部104は、携帯端末保持筐体101の外底面において左右両端位置のそれぞれから外方に向けて突設し略環形状の握り部を有して形成されている構成部である。つまり、これら2つの把持部104のそれぞれは、一部が携帯端末保持筐体101と一体に固定されていると共に、他の一部には、撮像ユニット載置棚102が一体に固定されている。
このような構成により、2つの把持部104は、携帯端末保持筐体101と撮像ユニット載置棚102とのそれぞれを一体に支持すると共に、当該配筋検査システム1を携帯して使用する際のグリップ部としての機能を有している。
携帯端末装置10は、使用者(ユーザ)による操作を受けて撮像ユニット20の駆動制御を行なう制御装置としての機能を有すると共に、撮像ユニット20が取得した画像データ等の各種情報を受けて各種のデータ処理を行なうデータ処理装置としての機能も有する。さらに、携帯端末装置10は、上記データ処理結果などを表示する表示装置としての機能を有するほかに、階層的なメニュー表示などを行なって操作指示を受け入れるための操作入力装置としての機能をも有する。
携帯端末装置10は、制御部11と、記録部12と、操作部13と、タッチパネル14と、表示部15と、通信部16などを有して構成されている。
制御部11は、本配筋検査システム1の全体を統括的に制御する複数の制御回路等を含む構成部である。当該制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)等を用いたプロセッサ(processor;処理装置)などによって構成されている。そして、制御部11は、メモリ(不図示)に記憶されたプログラムにしたがって動作する。これにより、制御部11は、本配筋検査システム1の各構成部の制御を行う。また、これと同時に、制御部11は、通信部16を介して撮像ユニット20との間で通信を行って、撮像ユニット20の駆動制御を行なうと共に、撮像ユニット20から出力された画像データを含む各種の情報を受信し、各種のデータ処理を実行する。
制御部11は、例えば、表示制御部11aと、操作判定部11bと、記録制御部11cと、通信制御部11dと、画像処理部11eなどの制御回路を有して構成されている。
表示制御部11aは、表示部15を駆動制御することにより、入力された各種のデータを視認可能に表示する電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。
操作判定部11bは、操作部13,タッチパネル14からの操作指示信号を受けて、操作判定を行うと共に、その判定結果に応じて対応する指示を対応する構成部へと出力するための電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。
記録制御部11cは、記録部12を駆動制御することにより、入力された各種のデータを所定の記録媒体(不図示)の所定の記録領域に記録するための電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。また、操作判定部11bによってデータ読み出し操作指示が検出された場合には、記録制御部11cは、記録媒体に記録された画像データなどの各種データを、一時メモリ領域(不図示)へと読み出す制御も行う。ここで読み出された各種データは、例えば表示制御部11aの制御下において、所定の処理が施された後、表示部15へと送出され、視認可能な形態に表示される。
通信制御部11dは、通信部16を駆動制御することにより、撮像ユニット20などの外部機器との間の通信を確立し、データ通信や制御信号の送受信を行うための電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。
画像処理部11eは、撮像ユニット20によって取得され、当該撮像ユニット20から通信部16を介して入力される画像データを受けて、各種の画像信号処理を施すための電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。ここで、当該画像処理部11eにて行われる画像信号処理としては、例えばRGB画像生成処理,明るさ調整処理,ホワイトバランス調整処理,シャープネス調整処理,コントラスト調整処理等に加え、圧縮処理等を含む各種の信号処理である。なお、これらの信号処理は、その全てを当該画像処理部11eにて行うような構成に限られることはなく、例えば当該画像処理部11eにおいては、一部の処理(例えば圧縮処理)のみを行うようにしてもよい。その場合、その他の処理は、撮像ユニット20側にて行うようにしてもよい。
なお、制御部11には、上述した制御回路以外にも、各種の制御回路を含んで構成されているものであるが、上述した以外の制御回路については、本発明に直接関連しない部分であるので、その説明は省略する。
記録部12は、画像データのほか各種の情報(電気信号)を記録するための所定の記録媒体(不図示)と、その駆動回路(不図示)等を有して構成される構成部である。記録部12は、上記記録制御部11cによって駆動制御される。
操作部13は、当該携帯端末装置10における複数の操作部材(不図示)のそれぞれに対応する複数のスイッチ部材などを含んで構成される構成部である。
本携帯端末装置10においては、複数の操作部材のうちの一つが使用者(ユーザ)によって操作されると、操作部13に含まれる複数のスイッチ部材のうち、当該操作された操作部材に対応するスイッチ部材が作用する。当該スイッチ部材によって発生した操作指示信号は、上記操作判定部11bによって判定されて、その判定結果に応じて対応する指示が対応する構成部へと出力される。
タッチパネル14は、表示部15の表示面の全面を覆うように当該表示画に重畳させた形態で配置される操作部材の一種である。タッチパネル14は、表示部15の表示態様に対応して各種の操作指示信号を発生させることができるようにした操作部材の一種である。つまり、タッチパネル14は、使用者(ユーザ)の手指等の操作指示例えばタッチ操作やタップ操作,スワイプ操作,ピンチイン又はピンチアウト操作などを受けて、それぞれ対応する各種の操作指示信号を発生させる。
なお、タッチパネル14は、操作部13に含まれるものであるが、近年においては、さまざまな電子装置において盛んに適用されている操作部材の一つでもあり、特に重要構成部材となるものなので、操作部13とは別に表記している。
表示部15は、表示パネル(不図示)と、その駆動回路等(不図示)を有して構成され、所定の表示機能を実現する構成ユニットである。表示部15の表示パネルには、撮像ユニット20によって取得された画像データに基く画像や、各種設定プログラム等によって生成されるメニュー画像などが表示される。表示部15は、表示制御部11aによって駆動制御される。
なお、表示部15は、例えば液晶表示ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL;Organic Electro-Luminescence:OEL)ディスプレイ等が適用される。
通信部16は、撮像ユニット20などの外部機器との間で行われる通信を実現するための回路ユニットである。通信部16は、通信制御部11dによって駆動制御される。通信部16における通信方式としては、例えば無線方式のほか、有線方式を適用することができる。
本実施形態の配筋検査システム1に適用される携帯端末装置10としては、具体的には、例えば従来一般的に普及しているタブレット型やノート型の小型PC(personal computer)を利用することができる。この場合、それらのPCに対しては、本発明の配筋検査システムの作用を実現し得るアプリケーションプログラムを適宜インストールして使用する。これによって、本実施形態の携帯端末装置10を構成することができる。
携帯端末装置10のその他の構成については、従来一般的な構成の携帯端末装置と略同様であるものとして、その他の構成の説明は省略する。
次に、本実施形態の配筋検査システム1における撮像ユニット20の概略構成を説明する。当該撮像ユニット20は、少なくとも2つ若しくは2つ以上の撮像部(光学レンズ及び撮像素子)を備えて構成され、これら複数の撮像部の視差を利用することにより、いわゆる三次元(3D;Three dimensions)画像計測が可能な撮像装置である。なお、本実施形態においては、2つの撮像部を有して構成される形態を例示している。
即ち、撮像ユニット20は、制御部21と、2つの撮像部22L,22Rと、通信部24などによって主に構成されている。
ここで、2つの撮像部22L,22Rは、左画像取得用の左用撮像部22Lと、左画像取得用の右用撮像部22Rとである。
左用撮像部22Lは、主に光学レンズ23Lと撮像素子24Lとを有して構成されている。右用撮像部22Rは、主に光学レンズ23Rと撮像素子24Rとを有して構成されている。
ここで、光学レンズ23L,23Rは、被写体の光学像を結像させる複数のレンズと、これら複数のレンズのうちの所定のレンズを光軸方向若しくは光軸に直交する方向に移動させるための駆動機構等や、光量調節のための絞り機構等を備えて構成されている。
また、撮像素子24L,24Rは、光学レンズ23L,23Rによって結像された光学像を受けて順次光電変換し、これにより取得された画像信号を出力するいわゆる光電変換素子である。この撮像素子24L,24Rとしては、例えばCCD(Charge Coupled Device;電荷結合素子)型イメージセンサーやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補性金属酸化膜半導体)型イメージセンサー等が適用される。
なお、各撮像部22L,22R自体の構成については、本発明に直接関連しない部分であるので、その構成は、従来の一般的な形態の撮像装置に適用されているものと略同様であるものとして、その説明及び図示は省略する。
制御部21は、本撮像ユニット20を統括的に制御する複数の制御回路等を含む構成部である。当該制御部21は、例えばCPU(Central Processing Unit)等を用いたプロセッサ(processor;処理装置)などによって構成されている。そして、制御部21は、メモリ(不図示)に記憶されたプログラムにしたがって動作する。これにより、制御部21は、撮像ユニット20の各構成部の制御を行う。
また、制御部21は、通信部24を介して携帯端末装置10との間で通信を行うことで、当該携帯端末装置10の制御部11の制御下において、撮像ユニット20の駆動制御を行なうと共に、当該撮像ユニット20で取得された画像データを含む各種の情報を出力する機能を有する。
制御部21は、例えば撮像制御部21aと、通信制御部21bと、信号処理部21cなどの制御回路を有して構成されている。
撮像制御部21aは、2つの撮像部22L,22Rのそれぞれを駆動制御するための電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。上述したように、撮像ユニット20の制御部21は、携帯端末装置10の制御部11の制御下で作用する。したがって、例えば、2つの撮像部22L,22Rを駆動するための制御は、例えば、使用者(ユーザ)による携帯端末装置10のタッチパネル14を含む操作部材に対する所定の操作によって発生する撮影操作指示信号をトリガーとして開始される。
即ち、撮像制御部21aは、携帯端末装置10の制御部11からの撮像制御信号を、通信部16,24を介して受信して、2つの撮像部22L,22Rの駆動制御を行なう。ここで、2つの撮像部22L,22Rの駆動制御は、適切な画像データを取得するためになされる各種の制御処理、例えば露出制御処理,焦点調節制御処理等を含む一般的な撮像動作に関する制御である。
通信制御部21bは、通信部24を駆動制御することにより、携帯端末装置10との間の通信を確立し、データ通信や制御信号の送受信を行うための電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。
信号処理部21cは、2つの撮像部22L,22Rの各撮像素子24L,24Rによって取得された画像信号(アナログ信号)を受けて、各種の信号処理を施すための電子回路若しくはプログラムソフトウエア等である。この信号処理部21cにて行われる信号処理は、例えばアナログ−デジタル変換処理のほか、RGB画像生成処理,明るさ調整処理,ホワイトバランス調整処理,シャープネス調整処理,コントラスト調整処理等がある。これらの処理のうちの一部は、上述したように、携帯端末装置10側の画像処理部11eにて実行するような形態としてもよい。
通信部24は、携帯端末装置10との間で行われる通信を実現するための回路ユニットである。通信部24は、通信制御部21bによって駆動制御される。通信部24における通信方式としては、例えば無線方式のほか、有線方式を適用することができる。
撮像ユニット20のその他の構成については、従来一般的な構成の撮像装置と略同様であるものとして、その他の構成の説明は省略する。
このように構成される本実施形態の配筋検査システム1を使用する際の作用を、順を追って以下に説明する。図3は、本実施形態の配筋検査システムを、例えば工事現場などにおいて使用する際の状況を簡略に示す概念図である。
また、図4〜図17は、本実施形態の配筋検査システム1の表示部15に表示される表示画面の各種態様を示す図である。このうち、図4はログイン画面の表示例、図5はホーム画面の表示例、図6は精度チェック画面の表示例、図7は検査前サブメニュー画面の表示例、図8は検査簿取込画面の表示例、図9は検査前精度チェック画面の表示例、図10は検査選択画面の表示例、図11は検査対象画面の表示例、図12は黒板設定画面の表示例、図13は撮影画面の表示例、図14は範囲指定画面の表示例、図15は計測画面の表示例、図16は検査履歴画面の表示例、図17は検査簿書出し画面の表示例、である。
本実施形態の配筋検査システム1は、図3に示すように、屋外に持ち出して単独で使用することができるように構成されるいわゆるポータブルタイプの電子機器システムである。当該配筋検査システム1の使用者(ユーザ)としては、配筋検査を行なう担当者(例えば現場監督など)を想定している。
図3に示す使用者(ユーザ;検査担当者)110は、本配筋検査システム1を持参して、配筋検査を行なう工事現場へ出向いて、当該配筋検査システム1を使用して、検査対象とする工事済みの配筋200の鉄筋200aを撮影し、画像データを含む各種の情報を取得する。
そのために、使用者(ユーザ)は、現場へ出向く前に、まず事務所において、所定の準備作業を行う。
まず、使用者(ユーザ)は、所定の電源オン操作を行って、配筋検査システム1を起動させた後、配筋検査システム1の専用アプリケーションソフトウエアを所定の操作(例えば表示画面上の対応アイコンをダブルクリックするなどの操作)を行って起動させる。すると、配筋検査システム1の表示部15には、図4に示すようなログイン画面が表示される。
なお、図4に示す画面表示例では、携帯端末装置10の表示部15における全表示領域を用いて表示する形態を図示している。しかし、この表示例に限られることはなく、例えば、当該配筋検査システム専用アプリケーションソフトウエアを、表示部15の表示画面の一部を用いて表示するいわゆるウインドウ表示の形態とすることもできる。以下の説明で用いる図面においては、本発明に関連する表示のみを表示部15の全表示画面を用いて表示させる形態として図示している。
図4に示すように、配筋検査システム1のログイン画面は、画面上端の横長棒状領域にタイトルバー201が表示されている。このタイトルバー201には、起動中のアプリケーションソフトウエアの名称(タイトル)が表示されている。
図4の表示例では、名称(タイトル)を「配筋検査システム」としている。本実施形態の配筋検査システム1におけるアプリケーションソフトウエアの名称としては、これに限らず、例えば「配筋計測システム」などの名称なども考えられる。当該タイトルバー201は、それら予め決められた所定の名称(タイトル)が表示される領域である。
また、タイトルバー201には、電源(バッテリ)充電状況を示す充電アプリアイコン201aや、当該アプリケーションソフトウエアを終了するための終了アプリアイコン201b等も合わせて表示されている。
また、配筋検査システム1のログイン画面において、画面下端の横長棒状領域にはタスクバー202が表示されている。このタスクバー202は、使用頻度の高い他のアプリケーションソフトウエアを起動させるための複数のアプリアイコン202aや、起動中のアプリケーションソフトウエアを示す複数のアプリアイコン202bなどのほか、日時情報等202cが表示される領域である。
なお、タイトルバー201やタスクバー202の表示形態は、携帯端末装置10の基本ソフトウエア(OS;Operating System)に依存するものである。したがって、その表示形態は、図示の表示例に限られることはない。また、これらの領域(タイトルバー201,タスクバー202)の表示形態は、本発明に直接関連するものではない。
図4に示すログイン画面において、タイトルバー201及びタスクバー202以外の表示領域であって主要となる表示領域であるメイン表示領域203には、利用者名入力欄203aと、ログイン操作ボタン203bと、利用者名の入力を促すメッセージ表示203cと、ソフトウエアキーボード203dとが表示されている。なお、これらの表示や、各対応する機能については、一般的な電子端末装置において利用されているものと同様であるので、その詳細説明は省略する。
使用者(ユーザ)は、図4のログイン画面において、利用者名入力欄203aに対し、タッチパネル14に対応して機能するソフトウエアキーボード203dを用いて、利用者名(例えば自分の氏名)を入力する。その後、ログイン操作ボタン203bをタップ操作する。このような操作により、ログイン手続きは完了する。
なお、ログイン手続きの手順については、上述した一例に限られることはない。例えば、予め登録されたログインIDやパスワードを用いて、ログイン認証を強化した手続きとすることもできる。また、ネットワーク経由で外部サーバにアクセスし、大規模システムにログインしながら、当該配筋検査システムを運用するといったことも考えられる。
上述のようにして、当該配筋検査システム1へのログイン処理が完了すると、次に、表示部15の表示画面は、図5に示すホーム画面に切り換わる。
図5のホーム画面は、メインメニューの表示画面である。即ち、表示部15のメイン表示領域203には、当該画面がホーム画面であることを示す画面名表示203eと、複数のメニューボタン203fが表示されている。
ここで、複数のメニューボタン203fは、タッチパネル14のタップ操作に対応して機能する操作ボタン表示である。これら複数のメニューボタン203fは、メイン表示領域203において、所定の配列で並べて表示されている。
また、これら複数のメニューボタン203fのそれぞれには、配筋検査に関する複数の作業項目がボタン名称として付されている。
図5に示す表示例では、複数のメニューボタン203fの配置として、例えばメイン表示領域203のうちの左側領域に「オフィス業務」関連のメニューボタン203fを並べて配置し、同メイン表示領域203の右側領域に「現場業務」関連のメニューボタン203fを並べて配置している。
ここで、「オフィス業務」関連の機能群は、配筋検査の実行前若しくは配筋検査の実行後に主にオフィス(事務所)で行なわれる準備作業若しくは整理,編集作業などが含まれる。具体的には、例えば、配筋検査前のオフィス業務としての「検査前」機能群,「精度チェック」機能群などがあり、配筋検査後のオフィス業務としての「検査簿書き出し」機能群,「オプション業務」機能群などがある。
また、「現場業務」関連の機能群は、工事現場において行われる各種の作業である。具体的には、例えば、実際の配筋検査に関わる「検査」機能群と、検査結果に関する「検査履歴」機能群などである。
なお、これらの各メニューボタン203fに対応する機能の詳細な説明については、以下の説明中において、適宜その都度説明するものとする。
ここで、「オフィス業務」,「現場業務」は、当該配筋検査システム1を用いて行なう作業場所を示す情報でもある。そこで、これらの情報については、以下の説明において作業場所情報というものとする。
なお、図5のホーム画面においても、図4と同様に、タイトルバー201及びタスクバー202が表示されているが、このうち、タイトルバー201の一部の領域には、図4のログイン画面で入力したユーザー名201cと、ログアウト操作ボタン201dとが、図4の表示に加えて表示されている。
上述したように、ログイン後に表示されるホーム画面では、この時点で実行し得る複数の機能群のうち「オフィス業務」関連の機能群と、「現場業務」関連の機能群とを区別して表示することにより、使用者(ユーザ)がやるべきことを正しく選択することができるように、複数のメニューボタン203fの配置を工夫している。このような配置とすることにより、使用者(ユーザ)は迷うことなく所望の機能群を選択することができるようになる。
即ち、一般に配筋検査業務は、土木や建築に関する高度な技能や経験を必要としない業務であるため、例えば、新卒若しくは新人の現場監督としては業務に不慣れな人物などが担当することが多い仕事である。したがって、本実施形態の配筋検査システム1においては、そのような配筋検査自体に不慣れな使用者(ユーザ)が、必要な作業手順を十分に認識(把握)していなくても、配筋検査の決められた手順通りに、確実に検査を実施することができるように、操作手順のガイドとすることができる。
また、配筋検査業務は、鉄筋コンクリート造の構造物を作る過程において、配筋作業の後、コンクリートを入れる直前に実施される業務である。例えば、鉄道や高速道路の高架化工事など、大規模な構造物においては、配筋作業に数日から、数週間の日数を要するものがあり、毎日のような頻度で実施される業務ではない。したがって、使用者(ユーザ)が、久しぶりに配筋検査を行なう際に検査装置の操作を忘れてしまっていたとしても、確実に手順道理の操作をガイドすることができる。
図5のホーム画面において、使用者(ユーザ)は、これから、どの業務を行うかを複数のメニューボタン203fのうちの一つを選択する。具体的には、使用者(ユーザ)は、複数のメニューボタン203fのうちのいずれか一つのボタンをタップ操作する。すると、表示部15の表示画面は、操作されたメニューボタン203fに対応する表示画面へと切り換わる。
例えば、ホーム画面において、「精度チェック」を示すメニューボタン203fをタップ操作すると、図6の精度チェック画面に切り換わる。
図6の精度チェック画面は、撮像ユニット20の撮像機能が正常に動作するか否かの確認を行なう際の表示画面である。そのために、図6の精度チェック画面が表示されて、「精度チェック」機能群が作用すると、携帯端末装置10の制御部11は、通信部16,24を介して撮像ユニット20との間の通信を確立する制御を行なう。これにより、撮像ユニット20は携帯端末装置10の制御部11の制御下において作用する。
図6に示す精度チェック画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5と同様である。
また、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、左右2つの撮影ボタン203gと、画像表示領域203hと、所定のナビゲーションフロー204aと複数の操作指示ボタン204bなどが表示される領域であるナビゲーションバー204が表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が精度チェック画面であることを示す表示である。図6の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5の表示形態と同様である。
2つの撮影ボタン203gは、撮像ユニット20の撮像動作を指示する撮像指示信号を発生させるための操作ボタンである。これら2つの撮影ボタン203gは、使用者(ユーザ)の手指によるタッチパネル14へのタップ操作に対応して撮像指示信号を発生させる機能を有する操作ボタンである。
なお、実際に撮影動作を行うには、2つの撮影ボタン203gのうちの一方のみをタップ操作することにより、撮像制御部21a(図2参照)は、2つの撮像部22L,22Rを制御して、同時に2つの撮影画像データを取得する制御を行う。撮影ボタン203gは、利用者の利き手に配慮して2つ設けられている。したがって、2つの撮影ボタン203gは、どちらを操作しても同じ動作が行われる。
この場合において、2つの撮影ボタン203gのメイン表示領域203内における配置は、使用者(ユーザ)が立った状態で、当該配筋検査システム1を手に持って操作するとき、左右両手で当該配筋検査システム1の2つの把持部104を保持しつつ、かつ左右両手の例えば各親指を用いて2つの撮影ボタン203gをタップ操作しやすいような領域としている。
例えば、図6に示すように、当該2つの撮影ボタン203gのうちの一方はメイン表示領域203の右端寄りの所定の領域に、他方は左端寄りの所定の領域に、それぞれ設けられている。さらに、このとき、2つの撮影ボタン203gは、メイン表示領域203内において、上端寄りの位置に配置すればなおよい。
画像表示領域203hは、撮像ユニット20によって取得された画像データに基づく画像を表示する矩形状の表示領域である。この画像表示領域203hは、メイン表示領域203の略中央部分の大部分の領域が相当している。なお、図6の表示例では、精度チェック機能を利用している際の表示画面を示している。
ナビゲーションバー204は、メイン表示領域203の下端寄りの横長棒状領域に表示されている。このナビゲーションバー204には、所定のナビゲーションフロー204aと、複数の操作指示ボタン204bなどが表示されている。
ここで、ナビゲーションフロー204aは、配筋検査の作業に関する複数の機能群を表示するための表示形態の一種である。本実施形態で例示するナビゲーションフロー204aは、配筋検査における作業を細分化して機能群として入力する複数の入力部としての複数の機能群アイコンと、この複数の機能群アイコンのそれぞれに各対応する機能群を示し、対応の機能群アイコンの近傍に表示される機能名称表示とを含む表示形態である。
この場合において、配筋検査における作業のそれぞれを、複数の作業工程毎に細分化し、細分化された複数の作業工程に関して一纏めにしたものを所定の機能群という。そして、上記複数の機能群アイコンは、一つの機能群に対応して関連付けられており、機能群指示ボタンとして機能する。
各機能群アイコンは、規定の手順通りに直線上に並べられ、それぞれが連結された形態で表示されている。
したがって、ナビゲーションフロー204aは、実施中の検査機能群の名称を手順に沿って一覧する機能を有している。また、ナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業に対応する機能群アイコンを明示する機能を有している。つまり、使用者(ユーザ)は、現在、どの作業をしているのかを明確に認識することが容易にできる。これと同時に、ナビゲーションフロー204aは、次に行うべき作業を予め知ることも容易にできる。
このように、ナビゲーションフロー204aは、配筋検査自体に不慣れな使用者(ユーザ)が、必要な作業手順を十分に認識(把握)していなくても、配筋検査の決められた手順通りに確実に検査を進めることができるようにナビゲート(誘導)する表示である。
さらに、ナビゲーションフロー204aを用いると、例えば、配筋検査の作業中に、現在実施中の作業よりも以前の作業工程に戻ることを可能としている。この場合においては、後述するように、操作指示ボタン204bの「戻る」ボタンを用いれば、一工程ずつ作業手順を遡ることができる。したがって、一連の作業手順を把握していなくても(不慣れな使用者(ユーザ)でも)、戻るボタンを操作し続ければ、容易に以前の作業工程のうちの所望する作業工程に戻ることができる。
一方、ナビゲーションフロー204aの機能群アイコンは、各機能群が作業手順に従って順に並べて直線上に表示されているものである。したがって、配筋検査に習熟した使用者(ユーザ)であれば、配筋検査の一連の作業手順がわかっている(把握している)ので、数工程前の作業工程に戻りたいときには、直接所望の作業名を指定して、ナビゲーションフロー204aの対応する機能群アイコンへの操作を行えばよい。そうすると、当該所望の作業画面に切り換わり、当該所望の作業を即座に開始することができるようになる。したがって、習熟者にとってのナビゲーションフロー204aは、操作上の煩わしさを感じずに、良好な操作性を得ることができる表示であり操作である。
なお、複数の操作指示ボタン204bは、例えば、当該精度チェック画面において精度チェック機能を作用させる指示信号を発生させる「チェック」ボタンや、精度チェック画面から図5のホーム画面へと移動するための「戻る」ボタンなどである。図6の精度チェック画面の表示形態は以上である。
使用者(ユーザ)は、この精度チェック画面において、所定の精度チェック作業を実行する。その精度チェック作業としては、例えば、図6に示すようなチェック模様を有するサンプルボード300(予め用意されている附属品;不図示)を被写体として、撮像ユニット20による撮像動作を行なう(2つの撮影ボタン203gのうちの1つをタップ操作)。その結果取得された画像データに基づく画像が画像表示領域203hに表示される。ここで、使用者(ユーザ)は「チェック」ボタンをタップ操作する。すると、その指示信号を受けて、携帯端末装置10の制御部11は、取得された画像データ(サンプルボード300を被写体とする画像データ)に基づいて、所定の確認処理がプログラム的に行われる。これにより、当該撮像ユニット20が正常に動作しているか否かの確認判定処理がなされる。そして、その確認判定結果は、画像表示領域203h内の所定の領域を用いて、例えば文字情報等によって表示される(不図示)。
このような精度チェック作業は、当該配筋検査システム1を使用する際には、その検査当日において、少なくとも検査前の同システム起動当初の時点(例えば始業時など)と、当該検査終了後の同システム収納前の時点(例えば終業時など)に、それぞれ実行するのが望ましい。
なお、本実施形態の配筋検査システム1においては、当該精度チェック作業は、上述したように、オフィス業務として行なう以外にも、例えば工事現場に出て検査実施中における所望の時点で任意にいつでも実行することができるように構成されている。その際の、操作手順は後述するが、必ずしもホーム画面の「精度チェック」メニューボタン203fのタップ操作によらなくともよいような操作手順が構成されている。
そのような構成とすることにより、ホーム画面に「精度チェック」メニューボタン203fを置くことで、始業時と終業時には必ず精度チェック作業を実施するように、使用者(ユーザ)に促すことができる。一方、工事現場への移動後、検査前や検査中の任意の時点で精度チェック作業を実施できるようにすれば、例えば移動中に装置に対する意図しない衝撃が加わったような場合(落下,衝突等)に、念の為、正常動作の確認ができれば至便である。そうすれば、装置が故障していることに気が付かずに、検査を続行させてしまうといったミスを防ぐことができる。
使用者(ユーザ)は、精度チェック作業が済むと、画面上には、図示を省略しているが、所定形態のサブウインドウが表示される。このサブウインドウには、精度チェック結果が表示される。ここで、精度チェック結果が「問題なし」である場合には、サブウインドウには、精度に問題がない旨のメッセージ表示と、「OK」ボタンとが表示される。使用者(ユーザ)が「OK」ボタンをタップ操作すると、図5のホーム画面に切り換わる。一方、精度チェック結果が「問題あり」の場合には、サブウインドウには、精度に問題がある(異常である)旨のメッセージ表示と、再検査の案内メッセージ表示と、「再検査」ボタン,「戻る」ボタンなどが表示される。使用者(ユーザ)が「再検査」ボタンをタップ操作すれば、再度精度チェック作業が行われる。また、使用者(ユーザ)が「戻る」ボタンをタップ操作すると、図5のホーム画面に切り換わる。
次に、図5のホーム画面において、例えば「検査前」を示すメニューボタン203fをタップ操作すると、図7の検査前サブメニュー画面に切り換わる。
図7の検査前サブメニュー画面は、配筋検査を実施する前に、例えばオフィス等において実施される業務を機能別にまとめた複数の機能群をメニュー形式で表示する表示画面である。
図7に示す検査前サブメニュー画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5,図6と同様である。
また、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、複数のメニューボタン203fと、ナビゲーションバー204が表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が検査前サブメニュー画面であることを示す表示である。図7の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5,図6の表示形態と同様である。
複数のメニューボタン203fは、上述の図5のホーム画面におけるメニュー表示と略同様の表示形態である。図7の表示例では、検査前に実施する複数の機能群名称に応じて名称が異なる表示であるほかは、図5のメニューボタン203fと同様である。
即ち、図7の検査前サブメニュー画面においては、複数のメニューボタン203fとして、例えば「検査簿取込」機能,「鉄筋情報取込」機能,「事前検査設定」機能などがある。
ここで、「検査簿取込」機能は、配筋検査に必要な情報(例えば設計データなど)を外部システム(例えば自社サーバなど;不図示)から取り込む機能である。そのために、配筋検査システム1における携帯端末装置10の制御部11は通信部16を介して、不図示の外部機器との通信を行って、当該外部機器との間で情報データの送受信を行なうことができるように構成されている。これにより、携帯端末装置10は、必要な情報データを適宜取り込むことができる。
ここで、配筋検査を行う際に必要な情報は、例えば検査場所(工事現場)などを大まかに示す場所情報(例えば○○鉄道,□橋,△地点など)等の第1情報と、この第1情報に付属する複数の細部情報であって、例えば何をどのように検査するか示す第2情報(例えば、柱,識別番号,鉄筋の径,間隔,本数など)などがある。
ここで、取り込まれるデータファイル形式としては、所定の規格に沿って規定される汎用的なデータファイル、例えばXML(Extensible Markup Language)形式のデータフォーマットファイルなどが適用される。
また、「検査簿取込」機能においては、複数のデータファイルを同時に取り込むことができるようになっている。
「鉄筋情報取込」機能は、配筋検査において、得られた画像データに基づいて鉄筋径を特定するのに必要となる情報を外部ファイルとして取り込む機能である。ここで、外部ファイルとは、例えば鉄筋の納品時に、鉄筋のメーカーから入手できる鉄筋情報などである。また、鉄筋の規格は、JIS規格によって規定されているものであるが、自由度があるために、鉄筋径などの数値はメーカー別に異なることがある。そのために、配筋検査を行なおうとしている現場で使用されている鉄筋についての情報を、予め取り込んでおくことが必要になる。
通常の場合、鉄筋の調達は一括して行われる。また、調達先が変わることもあるため、鉄筋情報については、常に新しい情報に更新しておくのが望ましい。例えば、特定の工事現場においても、工期が長くなる場合には、調達先が変更される場合がある。そのような場合にも、常に新しい情報を取り込み安くしておけば、配筋検査において、常に正確な計測を行うことができる。したがって、この「鉄筋情報取込」機能は、オフィス業務として有用な機能である。
「事前検査設定」機能は、通常は現場で行われる作業ではあるが、事前に準備しておくことができる作業、例えば今回配筋検査を行なう対象の選択設定作業や、各対象物において必要となる「電子黒板」の作成作業などを行うための機能である。
ここで、「電子黒板」とは、例えば配筋検査の特定対象物に関連する各種の情報(例えば配筋検査を行った日付,時刻,場所等の基本情報と、配筋検査対象に関する特定情報(工事名,作業名,対象物名,会社名,その他のメモ等))を記載した情報データである。この電子黒板の情報データ(以下、黒板データという)は、検査対象物の画像データに関連付けされて記録される。そして、例えば、当該黒板データは、対応する画像データによって表示される画像中に黒板画像として重畳表示させることで、検査対象物の画像と黒板画像とを、同一平面上で視認可能な形態で表示するといったことが一般に行われている。
簡単に言えば、従来の工事写真において、関連情報が書き込まれた上で、工事画像(検査対象画像)と共に写し込まれる黒板を電子的に実現するものである。本実施形態の配筋検査システム1において使用される「電子黒板」は、検査時に特定の現場で取得される特定画像(検査対象画像)に関連付けされる情報データである。
これらの作業は、上述したように、オフィス業務として事前に行ってもよいし、現場においてその都度行ってもよいものである。しかしながら、予め事前に作成し得る情報のみで生成できるものであれば、現場において操作するよりも、事前にオフィス業務として行うことができれば、時間的な余裕を確保できるほか、検査時間を短縮することもでき、さらに、単純なミスをも防ぐことができて至便である。
ナビゲーションバー204は、図6の表示例と同様であるが、図7の検査前サブメニュー画面は、メニュー表示であって(実際の作業に入る前の段階である)のでナビゲーションフロー204aの表示はない。また、図7の表示例では、操作指示ボタン204bとして当該検査前サブメニュー画面から図5のホーム画面へと移動するための「戻る」ボタンのみが表示されている。
使用者(ユーザ)は、この検査前サブメニュー画面において、複数のメニューボタン203fのうちの一つを選択し、タップ操作を行なう。これにより、操作されたメニューボタン203fに対応する機能が起動する。例えば、ここで、「検査簿取込」メニューボタン203fがタップ操作されると、図8の検査簿取込画面に切り換わる。
図8の検査簿取込画面は、外部システム(例えば自社サーバなど;不図示)に記録済みの情報(配筋検査に必要な情報;例えば設計データなど)を取り込む際に用いる表示画面である。表示部15の所定の領域には、配筋検査に必要な各種の情報(例えば設計データなど)が、例えば一覧表形式で表示される。使用者(ユーザ)は、この検査簿取込画面において、取り込もうとする所望の情報をリスト内より選択し、自身の携帯端末装置10の記録部12に対して取り込む作業を行うことができる。
図8に示す検査簿取込画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5,図6,図7と同様である。
また、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、検査簿リスト表示領域203iと、スクロールバー203jと、所定の操作指示ボタン203kと、ナビゲーションバー204が表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が検査簿取込画面であることを示す表示である。図8の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5,図6,図7の表示形態と同様である。
検査簿リスト表示領域203iは、外部システム(例えば自社サーバなど;不図示)から読み出された情報(配筋検査に必要な情報;例えば設計データなど)のリスト情報を表示する表示領域である。この検査簿リスト表示領域203iは、メイン表示領域203の略全領域が相当している。
スクロールバー203jは、検査簿リスト表示領域203iにおいて全てを表示しきれない場合に隠れた表示部分を当該表示領域203i内に表示させるために、リスト情報の表示領域を画面の上下方向に移動させるための操作ボタンである。
所定の操作指示ボタン203kは、当該検査簿取込画面において一覧表形式で表示された検査簿のうち所望の検査簿を当該携帯端末装置10への追加を指示する「検査簿追加」ボタンである。この操作指示ボタン203kは、上述の図6,図7の操作指示ボタン204bと同様の表示形態としている。
ナビゲーションバー204は、図6の表示例と同様である。図8の検査簿取込画面では、ナビゲーションフロー204aの名称表示が「検査簿取込」となっている。また、複数の操作指示ボタン204bは、例えば、当該検査簿取込画面において検査簿の取り込み機能を作用させる指示信号を発生させる「取込」ボタンと、検査簿取込画面から前の状態、即ち図7の検査前サブメニュー画面へと移動するための「戻る」ボタンとがある。図8の検査簿取込画面の表示形態は以上である。
上述したように、図7の検査前サブメニュー画面から図8の検査簿取込画面に切り換わった直後の時点では、前回使用した時の未出力データなどが残っている場合には、それらの未出力データが表示される。
使用者(ユーザ)は、図8の検査簿取込画面において、まず、操作指示ボタン203k(「検査簿追加」ボタン)をタップ操作する。すると、当該携帯端末装置10の制御部11は、通信部16を介して外部システム(例えば自社サーバなど;不図示)との通信を確立する。そして、当該外部システムに記録済みの情報(配筋検査に必要な情報;例えば設計データなど)の一覧表情報を取り込む。これにより、検査簿リスト表示領域203iには、当該情報の一覧が表示される。この状態においては、外部から取り込まれたデータは、携帯端末装置10における不図示の揮発メモリ領域に記憶されている状態である。この状態で、使用者(ユーザ)は、検査簿リスト表示領域203iの表示中から所望の対象業を選択する(タップ操作)。すると、選択行は、選択されている旨の表示(例えば、別の背景色表示に変わるなど)がなされる。この状態で、操作指示ボタン204bの「取り込み」ボタンをタップ操作する。すると、選択行に対応する情報群が、記録部12の所定の記憶領域に保存される。
なお、ここで、使用者(ユーザ)は、スクロールバー203jを上下方向に操作することにより、取り込みを行いたい所望の情報に対応する項目を探すことができる。つまり、スクロールバー203jは、表示し切れていない部分の項目を表示させるための操作部である。
このようにして、所望の情報の取り込み操作が終了したら、使用者(ユーザ)は、検査簿取込画面において、「戻る」ボタン(204b)をタップ操作する。これにより、表示部15の表示画面は、図7の検査前サブメニュー画面へと切り換わる。さらに、この検査前サブメニュー画面で、「戻る」ボタン(204b)をタップ操作すれば、図5のホーム画面に切り換わる。
オフィス業務において行われる作業において、その他の作業について、以下に簡単に説明する。なお、個々の作業についての詳細は、本発明に直接関連しない部分であるので、図示を省略し、文章のみによって簡単に説明する。
図5のホーム画面において、オフィス業務に分類される機能群のうち、「検査簿書出し」機能と、「オプション業務」機能とは、主に配筋検査後に行われる作業である。
「検査簿書出し」機能は、検査結果を反映した帳票データ(検査簿)と、現場にて取得された複数の画像データについて、まとめて外部システム(例えば自社サーバなど;不図示)へと出力し保存させる機能である。
「オプション業務」機能では、通常、現場では実施しない例外的な業務を集約して機能別にサブメニューとして表示した表示画面が提供される。このオプション業務画面では、「検査者名登録」機能と、「立会者名登録」機能と、「キャリブデータ取込」機能と、「画像再読込・再計測」機能と、「アプリケーション」に関する機能などがある。
「検査者名登録」機能は、配筋検査を実施する会社(例えば建設会社など)の担当者の氏名を事前に登録する機能である。大きな工事現場では、配筋検査を複数人で実施することがある。したがって、予め登録された検査者が、常に当該配筋検査システム1の利用者であるとは限らない。したがって、複数の検査者を登録することができるようにしている。ここで登録された検査者名は、後述する検査選択画面(図10参照)において、所定の記入欄に検査者名を記載する際に、プルダウンメニューの選択操作によって設定することができるようになっている。
「立会者名登録」機能は、検査に立ち会う担当者(例えば発注者や施主など)の氏名を事前に登録する機能である。立会者名を複数登録できるようにしているのは、上述の検査者名を複数登録できるようにしているのと同様の理由である。ここで登録された立会者名も、後述する検査選択画面(図10参照)において、所定の記入欄に立会者名を記載する際に、プルダウンメニューの選択操作によって設定することができるようになっている。
「キャリブデータ取込」機能は、配筋検査の際に行われる計測処理に必要となるキャリブレーションデータ(例えば撮像ユニット20に関するカメラ情報など)を取り込む機能である。このキャリブレーションデータは、撮像ユニット20のメーカー側によって作成され、当該撮像ユニット20の出荷時に提供されるデータである。このキャリブレーションデータは、一度取り込んでおけば、撮像ユニット20が変更されない限り、以後の取り込み作業は不要である。
本実施形態の配筋検査システム1における撮像ユニット20は、例えば外部からの意図しない衝撃などが加わったような場合、基準値となるキャリブレーションデータに対して、計測データに大きなズレが生じる場合がある。この場合、精度チェック作業において異常を判定することができる。つまり、基準値となるキャリブレーションデータは、精度チェック処理時に参照されるデータである。
「画像再読込・再計測」機能は、計測に用いた画像データを再度取込んで再計測を行う機能である。例えば、一連の配筋検査を終えて、オフィスに戻ったあとになってから、何らかの理由で再計測を行いたいといった場合に使用される。この場合において、再計測を行う際の元となる画像データは、現場で取得された左右2枚の画像データである。この2つの画像データに基づいて、所定の画像処理を施すことによって再計測処理は実行される。
「アプリケーション」に関する機能は、例えば、当該配筋検査システム1に導入されている各種のアプリケーションソフトウエアのバージョン情報などを表示させることのできる機能である。
以上が「オフィス業務」関連として分類される各機能群の説明である。次に、「現場業務」関連として分類される各機能について、以下に説明する。
まず、使用者(ユーザ)は、本実施形態の配筋検査システム1を携帯して、配筋検査を所望する工事現場へと出向く。そして、所望の工事現場に到着したら、本配筋検査システム1を起動させた後、当該配筋検査システム1の専用アプリケーションソフトウエアを所定の操作を行って起動させる。これにより、配筋検査システム1の表示部15には、上述したように、図4で示すログイン画面が表示される。このログイン画面で行なうべき操作は、上述した通りである。
なお、図3は、このときの状況、即ち使用者(ユーザ)が工事現場において本配筋検査システム1を使用している状況を概念的に示している。
使用者(ユーザ)は、図4のログイン画面において、所定のログイン操作を行ってログイン処理が完了すると、図5のホーム画面が表示される。続いて、使用者(ユーザ)は、このホーム画面において、「検査」メニューボタン203fをタップ操作する。すると、図9に示す精度チェック画面へと切り換わる。
ここで、図9に示す精度チェック画面は、「検査」機能群に含まれる検査前精度チェックに対応する表示画面である。したがって、図6を用いて上述した精度チェック画面とは、表示形態が若干異なる。このことから、以下の説明においては、図9の精度チェック画面については、検査前精度チェック画面というものとし、図6の精度チェック画面とは区別する。なお、図6の精度チェック画面と、図9の精度チェック画面とは、基本的には略同様の表示形態である。したがって、表示形態の共通する部分についての説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に説明する。
図9の検査前精度チェック画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図8と同様である。
また、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、2つの撮影ボタン203gと、画像表示領域203hと、ナビゲーションバー204とが表示されている点も、図5〜図8と同様である。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が検査前精度チェック画面であることを示す表示である。図9の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図8の表示形態と同様である。
また、図9の検査前精度チェック画面においては、メイン表示領域203の所定の領域に操作指示ボタン203kが、さらに表示されている点が異なる。この操作指示ボタン203kは、精度チェック機能を作用させる指示信号を発生させる「チェック」ボタンである。この「チェック」ボタン(203k)は、図6の精度チェック画面における「チェック」ボタン(204b)と同等機能の操作部である。
さらに、図9の検査前精度チェック画面においては、ナビゲーションバー204におけるナビゲーションフロー204aの表示形態が、図6とは異なる。図9の表示画面では、上述したように「検査」機能群に含まれる複数の作業工程を直線上に並べて表示した形態のナビゲーションフロー204aが表示されている。そして、この場合において、「検査」機能群に含まれる複数の作業工程のうち、一つがマーキングされた形態で挟持されている。ここで、図9の表示例では、各作業工程は、各作業名称と、その近傍に表示される「○」印のアイコンとによって示されており、各「○」印アイコンが横方向に伸びる直線上に並べて配置した形態とされている。そして、各「○」印アイコンのうち、現在実施中の作業に対応する「○」印アイコンについては所定のマーキングが付されている。図9の表示例では、「○」印アイコンに変えて「●」印アイコンとすることで、現在実施中を示すマーキングとしている。これにより、使用者(ユーザ)は、「検査」機能群に含まれる複数の作業工程のうち、現在どの作業を実施中であるのかを、当該ナビゲーションフロー204aを目視するだけで容易に確認することができる。
また、ナビゲーションバー204における複数の操作指示ボタン204bは、例えば、ナビゲーションフロー204aにおいて現在実施中の作業から、一つ先の作業に進む指示信号を発生させる「進む」ボタンと、一つ前の作業に戻る指示信号を発生させる「戻る」ボタンとがある。図9の検査前精度チェック画面の表示形態は以上である。
なお、この図9の検査前精度チェック画面において行われる精度チェック作業は、上述の図6を用いて説明した精度チェック作業と同様であるので、その説明は省略する。
このように、本実施形態の配筋検査システム1においては、精度チェック作業を、上述したオフィス業務として行なう以外に、工事現場に出て検査機能を開始した時点で、まず最初に実行するようにしている(検査前精度チェック作業)。
また、さらに、この精度チェック作業は、検査実施中における所望の時点で任意にいつでも実行することもできる。その場合には、任意の時にナビゲーションフロー204aの「精度チェック」機能群アイコンをタップ操作すれば即座に実行できる。
このような構成とすることにより、工事現場において検査実行後には、任意の所望する時点でいつでも精度チェック作業を実施できる。したがって、例えば、移動中や検査中に装置に対する意図しない衝撃が加わったような場合(落下,衝突等)でも精度チェックを行うことができる。これにより、装置が故障していることに気が付かずに、検査を続行させてしまうといったミスを防ぐことができる。
使用者(ユーザ)は、図9の検査前精度チェック画面にて検査前精度チェック作業を済ませた後は、ナビゲーションバー204の操作指示ボタン204bのうちの「進む」ボタンをタップ操作する。これにより、表示部15の表示画面は、図9の検査前精度チェック画面から図10の検査選択画面へと切り換わる。
図10の検査選択画面は、上述の検査簿取込作業(図8参照)において外部システム(例えば自社サーバなど;不図示)から取り込んだ所望の情報(配筋検査に必要な情報;例えば設計データなど)を表示し、これから検査を行おうとする特定の検査対象情報を選択するための表示画面である。
図10の検査選択画面において、表示部15のメイン表示領域203には、携帯端末装置10に取り込み済みの配筋検査に必要な各種の情報(例えば設計データなど)が一覧表形式で表示される。この一覧表示は、図10の符号203oで示す検査候補リスト表示領域に表示されている。
使用者(ユーザ)は、検査選択画面において、検査候補リスト表示領域203oの各項目のうちから、これから検査を行おうとする特定の検査対象情報を選択する。図10は、当該特定の検査対象情報を選択した際の表示形態を示している。即ち、図10の検査選択画面において、メイン表示領域203の検査候補リスト表示領域203oの中から選択された項目が符号203nで示すように、例えば太枠線などを用いて、選択済みである旨の選択状態を示している。ここで、符号203nを選択済表示というものとする。
ここで、図10に示す検査選択画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図9と同様である。
また、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、検査候補リスト表示領域203oと、スクロールバー203jと、所定の操作指示ボタン203kと、その他情報選択欄203mと、ナビゲーションバー204とが表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が検査選択画面であることを示す表示である。図10の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図9の表示形態と同様である。
また、検査候補リスト表示領域203oは、当該携帯端末装置10に取り込み済みの情報の一覧表示領域であり、その表示形態は、上述の検査簿リスト表示領域203iに準じた形態である。
所定の操作指示ボタン203kは、選択した行を帳票形式で拡大表示させる指示信号を発生させるための「検査簿表示」ボタンである。この帳票形式の表示には、設計データと実測データが表示される。なお、実測値が存在していない状態であれば、実測値の欄はブランク表示になる。この操作指示ボタン203kは、上述の図8,図9の操作指示ボタン203kと同様の表示形態である。
ナビゲーションバー204は、図9の表示例と同様である。図10の検査選択画面では、ナビゲーションフロー204aにおいて、現在実施中の作業が「検査選択」作業中であることを示している。
さらに、図10の検査選択画面では、検査候補リスト表示領域203oの上端近傍領域に、その他情報選択欄203mが表示されている。当該その他情報選択欄203mでは、複数のプルダウンメニュー表示形式によって、その他の情報を選択設定することができる。ここで、その他の情報としては、例えば、「検査種別」情報,「写真サイズ」情報,「検査者名」情報,「立会者名」情報などである。各選択欄は、欄内の所定のアイコン(図10に示す表示例では「レ」で示す)をタップ操作すると、予め登録済みの情報が一覧表示されるプルダウンメニュー表示形式となっている。使用者(ユーザ)は、その一覧表示の中から、任意に所望の情報を選択し設定することができる。図10の検査選択画面の表示形態は以上である。
図9の検査前精度チェック画面から図10の検査選択画面に切り換わった直後の時点では、検査候補リスト表示領域203oには、前回の使用時に読み込み済みで未出力の情報があれば、それらの情報が表示される。
この状態の検査選択画面において、使用者(ユーザ)が、操作指示ボタン203kの「検査簿表示」ボタンをタップ操作すると、選択された1行が帳票形式で拡大表示される。
ここで、使用者(ユーザ)は、スクロールバー203jを上下方向に操作して、これから検査を行おうとする特定の検査対象情報を選択する。これにより、選択された項目には、選択された旨を示す選択済表示203nが表示される。
この状態の検査選択画面において、使用者(ユーザ)は、「進む」ボタン(204b)をタップ操作する。これにより、表示部15の表示画面は、図10の検査選択画面から図11の検査対象画面へと切り換わる。
図11の検査対象画面は、上述の検査選択作業(図10参照)において選択された特定の検査対象情報に含まれる詳細な情報表示を行なって、そのうちの必要とする詳細情報を選択するための表示画面である。ここで、選択された詳細情報は、後段の黒板設定画面(図12参照)での作業時に生成される「電子黒板」に、特定の検査対象情報の一部として反映される。
図11の検査対象画面において、表示部15のメイン表示領域203には、図10の検査選択画面で選択された特定の検査対象情報に含まれる詳細情報が一覧表形式で表示される。この特定検査対象情報の詳細表示の一覧表が表示される領域を、詳細情報一覧表示領域203pというものとする。
詳細情報一覧表示領域203pの検査対象欄には、チェックボックスが表示されている。このチェックボックスに対してタップ操作などによる選択操作を行なうと、当該チェックボックスには、図11に示すようなチェックマークが付与されて、選択されたことが明示される。
図11の検査対象画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図10と同様である。
また、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、詳細情報一覧表示領域203pと、縦スクロールバー203jaと、横スクロールバー203jbと、ナビゲーションバー204とが表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が検査対象画面であることを示す表示である。図11の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図10の表示形態と同様である。
また、詳細情報一覧表示領域203pは、上述したように、図10の検査選択画面で選択された特定の検査対象情報に含まれる詳細情報を一覧表形式で表示する領域である。
また、図11の検査対象画面では、縦スクロールバー203jaと横スクロールバー203jbが表示されている。これら(縦スクロールバー203ja及び縦スクロールバー203jb)は、詳細情報一覧表示領域203pに表示される一覧表が画面縦方向若しくは横方向で全てを表示しきれない場合に利用される操作ボタンである。
なお、図11の表示例では、一覧表の縦方向については、詳細情報一覧表示領域203pにおいて全てが表示されている状態にあることから、縦スクロールバー203jaは、反転表示(図11では点線で表示)されることで、当該操作が無効である旨が示されている。つまり、縦スクロールバー203ja,横スクロールバー203jbが表示されている状態では、詳細情報一覧表示領域203pに表示されている一覧表のうちの一部のみが表示されている状態であり、表示されていない部分(隠れた部分)の存在を明示していることになる。図11の検査対象画面の表示形態は以上である。
また、ナビゲーションバー204は、図9,図10の表示例と同様である。ナビゲーションバー204のナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業が「検査対象」作業中であることを示している。
上述したように、図11の検査対象画面においては、詳細情報一覧表示領域203pの一覧表のチェックボックスへのチェックマークの付与操作で、「電子黒板」に反映させるべき所定の情報の選択操作を行なう。
この選択操作が終了したら、図11の検査対象画面において、使用者(ユーザ)は、「進む」ボタン(204b)をタップ操作する。これにより、表示部15の表示画面は、図11の検査対象画面から図12の黒板設定画面へと切り換わる。
図12の黒板設定画面は、特定の検査対象物の電子的な情報を含む電子黒板を作成する作業のための表示画面である。
この黒板設定画面において生成される「電子黒板」には、上述の図11の検査対象画面にて選択された詳細情報のほかに、図12の黒板設定画面にて選択設定される各種の情報を表示させることができる。また、この黒板設定画面においては、「電子黒板」に表示させるために選択される各種の情報について、表示の順番や表示単位などを設定することができる。
図12の黒板設定画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図11と同様である。
また、図12の黒板設定画面において、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、黒板設定表示203sと、ナビゲーションバー204とが表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が黒板設定画面であることを示す表示である。図12の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図11の表示形態と同様である。
また、黒板設定表示203sは、所定の黒板フォーマット画像203rと、この黒板フォーマット画像203rの表示領域に記載させる各種の情報を選択する(プルダウン形式の)情報選択欄や(一覧表形式)の情報選択欄などを含む表示である。
ここで、所定の黒板フォーマット画像203rは、予め用意されている複数種類の黒板フォーマット画像203rのうちの一つが表示される。複数種類の黒板フォーマット画像203rのうち所望の黒板フォーマット画像203rを選択するには、例えば、当該黒板設定表示203sに表示中の黒板フォーマット画像203rの一部をタップ操作などすることにより、登録済みの複数種類の黒板フォーマット画像203rが順次表示される。こうして、所望の黒板フォーマット画像203rを表示さることで、表示中の黒板フォーマット画像203rが選択されている黒板フォーマット画像203rとなる。
また、ナビゲーションバー204は、図9,図10,図11の表示例と同様である。ナビゲーションバー204のナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業が「黒板設定」作業中であることを示している。
図12の黒板設定画面において、使用者(ユーザ)は、各情報選択欄に対する所定の操作を行って、「電子黒板」に記載するべき所定の情報の選択操作を行なう。
この操作が終了したら、図12の黒板設定画面において、使用者(ユーザ)は、「進む」ボタン(204b)をタップ操作する。これにより、表示部15の表示画面は、図12の黒板設定画面から図13の撮影画面へと切り換わる。
図13の撮影画面は、特定の検査対象物の画像(静止画像)を撮影するための表示画面である。ここで撮影される画像は、特定の検査対象物を、撮像ユニット20における左右2つの撮像部22L,22Rによってそれぞれ取得した2つの画像データに基づく画像である。この場合において、画像の表示形態は、左右2つの撮像部22L,22Rによって取得された2つの画像データのうちの一方のみ(例えば左画像のみ若しくは右側画像のみ)を表示する表示形態や、2つの画像の重複部分に対して所定の画像処理を施して立体的に視認し得るようにしたいわゆる3D画像を表示する表示形態、若しくは、2つの画像データのそれぞれに基づく各画像を左右に並べて表示する表示形態など、さまざまな表示形態に対応し得る。
図13の撮影画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図12と同様である。
また、図13の撮影画面において、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、左右2つの撮影ボタン203gと、画像表示領域203hと、所定の操作指示ボタン203kと、サブ画面領域203tと、タイトル表示203uと、黒板表示指示欄203vと、計測結果表示欄203wと、ナビゲーションバー204とが表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が撮影画面であることを示す表示である。図13の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図12の表示形態と同様である。
2つの撮影ボタン203gは、上述の精度チェック画面(図6,図9参照)の表示と同じ表示形態であり、同じ機能(撮像動作開始信号の発生機能)を有する。
画像表示領域203hは、撮像ユニット20によって取得された画像データに基づく画像と、「電子黒板」とを表示する矩形状の表示領域である。この画像表示領域203hは、メイン表示領域203の略中央部分の大部分の領域が相当している。
図13の表示例では、画像表示領域203hの全体を用いて撮影により取得された画像データに基づく撮影画像が表示されている。ここでは、特定の工事現場における床スラブの鉄筋構造を、検査対象物として撮影している場合の表示例を示している。
また、図13においては、当該撮影画像のうちの一部領域(左端寄りの領域)に、上述の黒板設定作業にて生成された「電子黒板」が重畳表示されている例を示している。なお、当該「電子黒板」画像の重畳表示は、黒板表示指示欄203vのチェックボックスを外すことで、非表示とすることができる。
所定の操作指示ボタン203kは、撮影の結果取得された画像データを記録媒体に記録するための「保存(計測なし)」ボタンである。なお、図13の撮影画面で実行される保存処理は、後段で行なわれる計測作業(処理)前の撮影画像データのみの保存である。このことから、この撮影画面での操作指示ボタン203kの名称として、「保存(計測なし)」との表示例となっている。この操作指示ボタン203kは、上述の図8〜図10等の操作指示ボタン203kと同様の表示形態である。
サブ画面領域203tは、一つ前の撮影により取得された画像データに基づく画像のサムネイルを表示するサブ表示領域である。サブ画面領域203tを設けることで、一つ前の検査エビデンスが取得できたことを確認することができる。したがって、次の作業に入るために、一つ前の画像を表示して確認するようにしている。
タイトル表示203uは、図10検査選択画面で選択され取り込まれた特定の検査対象物に関する情報に含まれるタイトル情報の表示である。
黒板表示指示欄203vは、画像表示領域203h内への「電子黒板」画像の表示又は非表示を指示する設定欄表示である。黒板表示指示欄203vはチェックボックスを有する表示形態となっている。使用者(ユーザ)は、このチェックボックスに対するタップ操作などを行うことによって、チェックボックスに対するチェックマークの挿入若しくは削除を行なうことで、黒板を表示するか否かの指示を明示することができる。図13の表示例では、黒板表示指示欄203vのチェックボックスにチェックマークが付与されて、画像表示領域203h内の所定の領域に「電子黒板」が表示されている状態を示している。
計測結果表示欄203wは、当該撮影画像データに基づいて行われる計測処理結果が表示される表示領域である。図13に示す撮影画面が表示されている時点では、計測結果表示欄203wは、計測処理前であるので、空欄状態の表示例となっている。
また、ナビゲーションバー204は、図9〜図12の表示例と同様である。ナビゲーションバー204のナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業が「撮影」作業中であることを示している。
図13の撮影画面において、使用者(ユーザ)は所定の撮影動作を実行する。この所定の撮像動作は、例えば2つの撮影ボタンのうちの1つをタップ操作することで開始される。そして、撮影動作の結果取得された静止画像データは、揮発メモリーからなる一時記憶領域(不図示)に一時的に記録される。なお、この一時記憶領域は、撮像ユニット20側に設けられていてもよいし、携帯端末装置10側に設けられていてもよい。
これと同時に、当該静止画像データは、所定の画像処理が施された後、表示部15へと伝送されて、画像表示領域203hに表示されると共に、対応する「電子黒板」画像が重畳表示される。
この画像を保存する場合には、撮影動作の後、「保存(計測なし)」ボタン(203k)をタップ操作する。これにより、当該撮影動作によって取得された静止画像データは、記録部12の記録媒体(不図示の不揮発メモリー)にデータファイルとして記録される。なお、この場合において、記録媒体(不図示)記録される画像データファイルは、例えば左右2つの撮像部22L,22Rによって取得された2つの画像データの両方を記録する形態であってもよいし、2つの画像データに基づいて所定の画像処理を施すことによって生成されるいわゆる3D画像データ形式のデータファイルとして記録するようにしてもよい。
このようにして、一連の撮影作業が終了したら、図13の撮影画面において、使用者(ユーザ)は、「進む」ボタン(204b)をタップ操作する。これにより、表示部15の表示画面は、図13の撮影画面から図14の範囲指定画面へと切り換わる。
図14の範囲指定画面は、前段の撮影作業で取得された2つの画像データに基づいて検査対象物の計測処理を行なうのに際し、画像領域の中の所定の領域を指定して計測対象範囲とするための表示画面である。ここで、検査対象物の計測としては、例えば鉄筋の径の計測、配筋された鉄筋の間隔の計測、鉄筋の本数などの計測などである。
また、画像領域の中の所定の領域を検査対象範囲として設定するのは、次のような理由による。例えば、画像中において、検査対象物の像にかかったり隠してしまうような突起物や障害物などが存在していた場合、計測結果に影響を及ぼし、正確な計測を行うことができない可能性がある。したがって、計測を行なうのに際しては、取得された画像データに基づく画像において、検査対象物が含まれている領域であって、かつ、当該検査対象物に対して突起物や障害物などが存在しない領域を、計測対象範囲として設定したい。
図14の範囲指定画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図13と同様である。
また、図14の範囲指定画面において、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、画像表示領域203hと、サブ画面領域203tと、タイトル表示203uと、黒板表示指示欄203vと、計測結果表示欄203wと、ナビゲーションバー204とが表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が範囲指定画面であることを示す表示である。図14の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図13の表示形態と同様である。
画像表示領域203hは、撮像ユニット20によって取得された画像データに基づく撮影画像301と、「電子黒板」302とを表示する矩形状の表示領域である。この画像表示領域203hは、メイン表示領域203の略中央部分の大部分の領域が相当している。また、この図14の範囲指定画面においては、画像表示領域203hは、タッチパネル14との連携により、画像表示領域203hのうちの一部領域をタップ操作などによって指定操作することになる。
図14の表示例では、画像表示領域203hのうち「電子黒板」302の表示領域以外の領域において、撮影画像301が表示されている領域のうちの一部を指定して、所望の範囲を指定した場合の例を示している。ここで、図14において点線で示す矩形枠で囲われる領域が範囲指定された領域を示すものとしている。そして、この範囲指定は、例えば所望の矩形領域における対角の二点(図中○印部分参照)をタップ操作するなどにより実現し得る。
サブ画面領域203t,タイトル表示203u,黒板表示指示欄203v,計測結果表示欄203wは、図13と同様の表示である。
また、ナビゲーションバー204は、図9〜図13の表示例と同様である。ナビゲーションバー204のナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業が「範囲指定」作業中であることを示している。
上述のようにして範囲指定作業が終了したら、図14の範囲指定画面において、使用者(ユーザ)は、「進む」ボタン(204b)をタップ操作する。これにより、表示部15の表示画面は、図14の範囲指定画面から図15の計測画面へと切り換わる。
図15の計測画面は、撮影作業(図13)で取得された2つの画像データに基づいて、前段の範囲指定作業で指定された画像領域の検査対象物に関する所定の計測処理を行なうための表示画面である。
図15の計測画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図14と同様である。
また、図15の計測画面において、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、画像表示領域203hと、複数の操作指示ボタン203kと、サブ画面領域203tと、タイトル表示203uと、黒板表示指示欄203vと、計測結果表示欄203wと、ナビゲーションバー204とが表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が範囲指定画面であることを示す表示である。図15の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図14の表示形態と同様である。
画像表示領域203hは、撮像ユニット20によって取得された画像データに基づく画像と、「電子黒板」とを表示する矩形状の表示領域である。
図15の表示例では、撮影画像301と、「電子黒板」302と、図14の範囲指定作業で設定済みの計測対象範囲の矩形枠(実線)と、後述する計測捜査結果を示す各種の表示などが画像表示領域203hの画像表示領域に表示されている状態を示している。
複数の操作指示ボタン203kは、計測作業中において行なうことのできる複数の操作指示に対応する各種ボタンである。例えば、複数の操作指示ボタン203kは、実行した操作指示をキャンセルして直前の状態に戻す「元に戻す」ボタン,画像上において使用者(ユーザ)が任意にタップ操作などにより指示する2点間の計測を行なうための「2点間計測」ボタン,計測結果付与された番号情報を修正する際の「番号修正」ボタン,計測結果画像上に付された線情報を修正する際の「線修正」ボタン,計測結果画像上に付された線情報を削除する際の「線削除」ボタン,計測結果を全て削除する際の「全削除」ボタン,計測結果を検査簿に保存した後に、保存された計測データを編集する際の「検査簿編集」ボタンなどである。
サブ画面領域203t,タイトル表示203u,黒板表示指示欄203v,計測結果表示欄203wは、図13,図14と同様の表示である。
また、ナビゲーションバー204は、図9〜図14の表示例と同様である。ナビゲーションバー204のナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業が「計測」作業中であることを示している。
なお、図15の計測画面においては、ナビゲーションバー204の操作指示ボタン204bは、「戻る」ボタンと「保存」ボタンである。また、図15の計測画面においては、ナビゲーションフロー204aの一部が異なる。即ち、前段の図14の範囲指定画面では、ナビゲーションフロー204aは、左から順に「ホーム」−「精度チェック」−「検査選択」−「検査対象」−「黒板設定」−「撮影」−「範囲指定」−「計測」の各機能が並べられて表示されている。この図14の範囲指定画面が、図15の計測画面に切り換わると、上記各機能のうち「撮影」機能が「分割撮影」機能の表示に切り換わる。つまり、計測作業では、新たに「分割撮影」機能を行なうことができるようになる。詳しくは、例えば、複数の操作指示ボタン203kのタップ操作にて、計測結果に対する各種の編集を行うことができる。これらの編集処理は、全て不図示の揮発メモリー上で行われる。各種の編集作業後、操作指示ボタン204bの「保存」ボタンをタップ操作すれば、画像と帳票に反映させる計測結果は、携帯端末装置10の記録部12の所定の記憶領域に保存される。そして、ナビゲーションフロー204aの「検査選択」「分割撮影」が活性化する。
この分割撮影機能は、次のような機能である。即ち、分割撮影機能とは、1回の撮影によって取得される1枚の画像によっては、検査対象の構造物が収まりきらない場合がある。本発明において配筋検査のための計測処理は、撮影画像データによって表示される画像に基づいて行なうようにしている。したがって、1枚の画像データに基づく画像に検査対象物が収まっていなければ、当該検査対象物に関する全ての計測処理を行うことができない。そこで、本実施形態の配筋検査システム1においては、検査対象の構造物が1枚の画像に収まらない場合には、複数回の撮影を行って複数枚の画像を取得することで、当該検査対象の構造物の全体の計測処理を行うことができるようにしている。
具体的には、例えば、通常の手順によって1枚目の撮影を行って計測処理を実行する。そのとき、1枚目の撮影によって取得された画像に検査対象物が収まっていない場合、即ち、追加の撮影が必要な場合には、当該検査対象物の残りの部分を追加撮影して、計測処理を行なう。そのために、まず、1枚目の「撮影」−「範囲指定」−「計測」の後、「計測」画面から「分割撮影」へと移動して、2枚目の撮影、即ち「分割撮影」を行った後、「範囲指定」−「計測」を実行する。このような作業工程を、検査対象物全体の計測が完了するまで繰り返す。
このように「分割撮影」を行なうと、撮影の都度取得される各種の検査情報は、保存後の検査簿上の特定対象の項目に関連付けられて、合算した形態で処理がなされる。したがって、複数回の撮影で得られた情報であっても、一つの特定対象物に関する情報として記録されるようになる。
ところで、この計測画面においては、図13で撮影された画像データに基づいて、図14で設定された計測対象範囲における配筋検査のための計測処理を行なうことができる。そのためには、まず、複数の操作指示ボタン203kのうち「2点間計測」ボタンをタップ操作した後、画像表示領域203hの計測対象範囲内の所望の計測対象の2点をタップ操作する。これにより、特定対象の計測処理が開始される。この計測処理の実行中には、画像表示領域203hの所定の位置に、例えば進捗インジケータ(progress indicator)が表示される。そして、計測処理が完了すると、その計測結果として、検出された鉄筋を明示する表示(鉄筋に沿う複数の線)た、検出された各鉄筋の種類や鉄筋径,本数の情報、各鉄筋間隔の実測値などの情報が撮影画像301に重畳表示される。
ここで、各種の修正を施したい場合には、複数の操作指示ボタン203kを用いて修正作業ができる。また、計測結果を削除した上で、計測のやり直しもできる。
上述のようにして計測作業が終了したら、図15の計測画面において、使用者(ユーザ)は、「保存」ボタン(204b)をタップ操作する。これにより、今回取得された各種計測データは、対象物に関連付けられた形態で、検査簿に保存される。
その後、使用者(ユーザ)は、次の検査対象物を選択するために、ナビゲーションフロー204aの「検査選択」機能をタップ操作する。すると、表示部15の表示画面は、図15の計測画面から図10の検査選択画面へと切り換わる。
以降、当該現場にて行うべき全ての検査を終了するまで、上述の作業を繰り返す。そうして、一通りの検査が終了したら、使用者(ユーザ)は、例えばナビゲーションフロー204aの「ホーム」機能をタップ操作するか、若しくはナビゲーションバー204の操作指示ボタン204bの「戻る」ボタンのタップ操作を複数回行う。これにより、当該配筋検査システム1の表示部15の表示画面は図5のホーム画面へと切り換わる。
このホーム画面には、本日実行して取得された配筋検査に関する各種データ(撮影画像データ及び計測データなど)を確認するための「検査履歴」機能群が用意されている。使用者(ユーザ)は、一連の検査作業が終了すると現場を離れてオフィスに戻ることになるが、その前に、本日の「検査履歴」を確認することができる。なお、この「検査履歴」機能群による確認作業は、現場で行ってもよいし、オフィスに戻ったあとで行ってもよい。
なお、一連の検査作業の終了時に、例えばナビゲーションフロー204aの「精度チェック」機能をタップ操作して、精度チェック作業を行うようにしてもよい。また、上述の検査履歴の確認作業の終了時には、ホーム画面に戻った後、ホーム画面から精度チェック機能群を選択するタップ操作により、精度チェック作業を行うようにしてもよい。
ここで、図16は検査履歴画面の表示例である。この図16の検査履歴画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、図5〜図15と同様である。
また、図16の検査履歴画面において、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、サムネイル画像一覧表示領域203xと、操作指示ボタン203kと、検査簿リスト203yと、計測結果リスト203zと、ナビゲーションバー204とが表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が範囲指定画面であることを示す表示である。図16の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、図5〜図15の表示形態と同様である。
サムネイル画像一覧表示領域203xは、配筋検査中に撮像ユニット20を用いて取得された画像データを示すサムネイル画像と対応するファイル名を並べて表示する表示領域である。このサムネイル画像一覧表示領域203xにおいて表示しきれない画像がある場合には、図16に示すように、ページ表示203xaが表示される。このページ表示203xaをタップ操作することにより、表示されていないサムネイル画像をサムネイル画像一覧表示領域203xに順繰りに表示させることができる。
操作指示ボタン203kは、サムネイル画像一覧表示領域203xに表示されているサムネイル画像の中から任意に選択した画像を拡大表示するための「拡大表示」ボタンである。サムネイル画像一覧表示領域203xから任意のサムネイル画像を選択した状態で、当該「拡大表示」ボタンをタップ操作すると、選択されている画像の拡大画像が、例えばサムネイル画像一覧表示領域203xの全体を用いて表示される。この場合、サムネイル画像一覧表示領域203xは、画像表示領域203hと同様に機能する。
検査簿リスト203yは、記録済みの検査データを一覧表示する表示欄である。ここで、当該表示領域に表示しきれない部分は、縦スクロールバーを操作することによって、表示させることができる。また、図16の表示例では、選択されている検査データの項目が、太枠線で明示されていることを示している。
計測結果リスト203zは、検査簿リスト203yにて選択されている検査データに関連する計測データの一覧表示欄である。この計測結果リスト203zにおいても、当該領域に表示しきれない部分は、縦スクロールバー若しくは横スクロールバーの操作により、任意に表示させることができる。
また、ナビゲーションバー204は、図6,図8の表示例と同様である。ナビゲーションバー204のナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業が「検査履歴」作業中であることを示している。なお、図16の表示例では、ナビゲーションバー204に操作指示ボタン204bは表示されない。前段処理に戻るためには、ナビゲーションフロー204aの「ホーム」機能群アイコン表示をタップ操作すればよい。
一連の確認作業が終了したら、使用者(ユーザ)は、オフィスに引き上げるか、若しくは本日の検査業務を終了する。その場合、例えば、使用者(ユーザ)は、ナビゲーションフロー204aの「ホーム」機能をタップ操作するか、若しくはナビゲーションバー204の操作指示ボタン204bの「戻る」ボタンのタップ操作を複数回行う。これにより、当該配筋検査システム1の表示部15の表示画面は図5のホーム画面へと切り換わる。そうして、当該配筋検査システム1のシャットダウン操作(不図示)を行なう。
なお、この時点のホーム画面を表示したときに、本日の業務終了時の精度チェック作業を行うようにしてもよい。
そうして、オフィスに戻った使用者(ユーザ)は、再度、配筋検査システム1を起動させて、図5のホーム画面を表示させる。この図5のホーム画面から複数のメニューボタン203fのうち「検査簿書出し」機能群を選択する。そして、検査簿書出し作業を実行する。図17は、検査簿書出し画面の表示例である。この図17の検査簿書出し画面において、タイトルバー201及びタスクバー202の表示形態は、上述した各画面と同様である。
また、図17の検査簿書出し画面において、表示部15のメイン表示領域203には、画面名表示203eと、検査簿リスト表示領域203iと、スクロールバー203jと、所定の操作指示ボタン203kと、ナビゲーションバー204が表示されている。
ここで、画面名表示203eは、当該画面が検査簿書出し画面であることを示す表示である。図17の表示例では、表示される名称が起動中の機能に対応して異なる表示であるほかは、上述の各画面の表示形態と同様である。
検査簿リスト表示領域203iは、本携帯端末装置10に記録されている配筋検査に関するリスト情報を表示する表示領域である。この検査簿リスト表示領域203iは、メイン表示領域203の略全領域が相当している。なお、図17の画面においては、検査簿リスト表示領域203iは、図8の同様の検査簿リスト表示領域203iに準じた表示形態として例示している。なお、図17の表示例では、リスト表示の左側側縁部にリスト表示の各項目に対応するチェックボックスを表示する要にしている。使用者(ユーザ)は、このチェックボックスへのタップ操作、若しくは後述する操作指示ボタン203kのタップ操作によって、検査簿への書き出し項目を選択若しくは選択解除を行うことができるようになっている。また、スクロールバー203jは、図8などの表示例と同様である。
操作指示ボタン203kは、検査簿リスト表示領域203iのチェックボックスへのチェックマークを一括挿入する「全選択」ボタンと、挿入されたチェックマークの一括解除を行なう「選択解除」ボタンとがある。
また、ナビゲーションバー204は、図8などの表示例と同様である。ナビゲーションバー204のナビゲーションフロー204aは、現在実施中の作業が「検査簿書出し」作業中であることを示している。また、図17の表示例では、ナビゲーションバー204の操作指示ボタン204bは、「戻る」ボタンと、「書き出し」ボタンとがある。
この検査簿書き出し画面では、書き出しを行なう所望の項目をチェックした後、操作指示ボタン204bの「書出し」ボタンをタップ操作する。これにより、本日取得した各種データは、所定の帳票データ(検査簿)に反映されると共に、現場にて取得された複数の画像データに関連付けされて、まとめて外部システム(例えば自社サーバなど;不図示)の所定の領域へと出力され保存される。
一連の検査簿書出し作業が終了したら、使用者(ユーザ)は、ナビゲーションフロー204aの「ホーム」機能をタップ操作して、表示部15の表示画面に図5のホーム画面を表示させる。そうして、当該配筋検査システム1のシャットダウン操作(不図示)を行なう。なお、このホーム画面を表示させた時点で、本日の業務終了時の精度チェック作業を行うようにしてもよい。
以上説明したように上記一実施形態によれば、配筋検査システム1の表示画面の一部領域に、検査手順をひと目で一覧できるような表示形態を備えたナビゲーションフロー204aを表示させると共に、このナビゲーションフロー204aにおいて実施中の作業に対応する機能アイコンを所定のマーキング表示によって明示させるようにしている。さらに、当該ナビゲーションフロー204aでは、所定の機能群(例えば配筋検査機能群)に含まれる複数の作業を順次実行する際には、ナビゲーションバー204内の操作指示ボタン204bのうち「戻る」ボタンと「進む」ボタンとを操作するのみで、手順通りの操作を行うことができ、また、前の作業手順に一工程ずつ遡ることが容易にできるようになる。
このような表示及び操作体系の工夫により、使用者(ユーザ)は、現在、どの作業をしているかを明確に認識しながら、次に行うべき作業を予め知ることが容易にでき、さらに、既に実行済みの作業工程に戻って確認することができる。
したがって、当該ナビゲーションフロー204aは、配筋検査に不慣れな使用者(ユーザ)に対して、配筋検査の決められた手順通りに確実に配筋検査を進めることができるようにナビゲートすることができる。
一方、配筋検査の作業中には、現在実施中の作業よりも以前の作業工程に戻って、作業を繰り返すといったことがある。そこで、ナビゲーションフロー204aにおいては、数工程前の所定の作業工程の機能群アイコンを直接指定することによって、当該所望の機能群アイコンに対応する作業工程まで側材に遡って、当該作業を繰り返して行なうことができる。
したがって、これにより、例えば配筋検査に習熟した使用者(ユーザ)に対して、操作上の煩わしさを感じさせずに、良好な操作性とすることができる表示であり操作手段である。
以上のように、例えば久しぶりに本実施形態の配筋検査システム1を使用して、当該配筋検査システム1を操作する人物が、例えば、当該配筋検査システム1を初めて操作するものとする。このような装置や検査に不慣れな使用者(ユーザ)であっても、迷わずに所望の作業(検査作業)を完了させることができる。
さらに当該配筋検査システム1において、操作に習熟した人にとって煩わしくない操作おも実現している。したがって、習熟者にとっては、無駄な操作を強いられることもなく、常に快適な操作性を提供することができる。
なお、本実施形態の配筋検査システム1においては、例えばプログラムで構成した部分を適宜、回路に置き換えることも可能である。上述の一実施形態の説明中において、「部」(セクションやユニット)として記載した部分は、専用の回路や、複数の汎用の回路を組み合わせて構成してもよく、必要に応じて、予めプログラムされたソフトウェアに従って動作を行うマイコン、CPUなどのプロセッサ、あるいはFPGAなどシーケンサを組み合わせて構成されてもよい。また、その制御の一部または全部を外部の装置が引き受けるような設計も可能である。この場合、有線や無線の通信回路が介在する通信として、例えばブルートゥース(登録商標)やWiFi(登録商標)、電話回線などで行えばよく、また、USB通信などで行っても良い。
また、専用の回路、汎用の回路や制御部を一体としてASICとして構成してもよい。機械的に位置制御される部位(例えば移動部など)は、様々なアクチュエータと、必要に応じて移動用の連結メカニズムによって構成されており、ドライバ回路によってアクチュエータが作動する。このドライバ回路もまた、特定のプログラムに従ってマイコンやASICなどが制御する。こうした制御は各種センサやその周辺回路が出力する情報によって、詳細な補正、調整などが行われても良い。
また、上述の操作手順を実現する制御や機能は、多くがソフトウエアプログラムにより実現されていることが多くある。そのソフトウエアプログラムは、コンピュータが読み取って実行することにより、上述の各制御や機能を実現することができる。そのソフトウエアプログラムは、コンピュータプログラム製品として、予め製品製造過程において上記記憶媒体や記憶部等、具体的には例えばフレキシブルディスク CD−ROM等 不揮発性メモリ等の可搬媒体やハードディスク 揮発性メモリ等の記憶媒体に、その全体あるいは一部を記憶又は記録されている電子データである。また、これとは別に、製品出荷時に流通や提供ができ、可搬媒体或いは通信回線を介して流通や提供ができるものがある。利用者は、製品出荷後であっても、自ら通信ネットワークやインターネット等を介して、それらのソフトウエアプログラムをダウンロードしてコンピュータにインストールしたり、あるいは記憶媒体から、対応する装置ユニット(撮像ユニット)を備えたコンピュータにインストールすることで動作させるようにすることができ、これによって、容易に本実施形態の配筋検査システムを実現することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用を実施することができることは勿論である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題が解決でき、発明の効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。この発明は、添付のクレームによって限定される以外にはそれの特定の実施態様によって制約されない。