以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、情報処理装置としての、かつ、携帯型の端末装置としてのタブレット装置と、サーバ装置とがネットワークを介して接続された情報処理システムについて説明する。
図2は本発明の実施の形態における情報処理システムを示す概念図である。
図において、10は情報処理システム、11はタブレット装置、12はサーバ装置、DBは該サーバ装置12に配設された第1の記憶部としての図面データベースである。前記タブレット装置11及びサーバ装置12は、インターネット等のネットワークNtを介して接続され、情報処理システム10を構成し、タブレット装置11とサーバ装置12との間で各種のデータの送受信が行われる。
前記情報処理システム10が、建築現場、工事現場、測量現場等の作業現場、例えば、建築現場において操作者が作業の進捗状況等を確認するために利用される場合、操作者が前記タブレット装置11を使用して建築現場の複数の確認箇所における確認対象物について確認を行い、確認結果をサーバ装置12に送信し、確認結果が前記図面データベースDBに記録される。
そのために、前記タブレット装置11としては、建築現場に持ち込むことができるように、薄型で、比較的軽量であり、かつ、携帯するのに適した寸法のものが使用される。本実施の形態においては、情報処理装置としてタブレット装置11が使用されているが、タブレット装置11に代えて、ノートパソコン、携帯電話、スマートフォン等を使用することができる。
そして、前記図面データベースDBに、建築現場を表す図面、すなわち、元図の図面データDti(i=1、2、…)が建築現場ごとに記録される。また、前記図面データベースDBには、前記図面データDtiのほかに、後述される確認ポイントPtj(j=1、2、…)(図5)に関する確認ポイント情報、及び各確認対象物についての確認結果を表す確認済データが図面データに対応させて記録される。前記確認ポイントPtjは、建築現場における各確認対象物の位置に設定される。
なお、図面データDtiは、可搬性を有し、各種のサイズに作成された元図を表すデータであり、図面データDtiに基づいてタブレット装置11の図面表示画面ds1に表示される図面gri(i=1、2、…)は、元図と同じ内容を有する。
次に、サーバ装置12について説明する。
図3は本発明の実施の形態におけるサーバ装置の制御ブロック図である。
サーバ装置12は、制御部としてのCPU(中央演算処理装置)21、第2の記憶部としてのROM(READ ONLY MEMORY:読取専用メモリ)23、第3の記憶部としてのRAM(RANDOM ACCESS MEMORY:読書自在メモリ)24、通信部25、表示部26、操作部27、第1の記憶媒体としての大容量の記憶装置13等を備え、該記憶装置13に前記図面データベースDBが形成される。
前記CPU21は、ROM23に記録された各種のプログラムに従ってサーバ装置12の全体の制御(情報処理)を行うとともに、前記記憶装置13に記録された図面管理プログラムに従って図面データDtiの管理を行う。
前記ROM23には、CPU21によって実行される各種のプログラム、該各プログラムを実行するために必要なパラメータ等が記録される。
前記RAM24は、CPU21が各種の処理を行う際にデータを一時的に記録するバッファとして機能するとともに、CPU21が各種の処理を行う際にワーキングメモリとして機能する。
前記通信部25は、サーバ装置12をネットワークNtに接続するための通信用インタフェースである。前記CPU21は、通信部25を介して、例えば、操作者が作業の進捗状況等を確認しようとする建築現場の図面データをタブレット装置11に送信したり、タブレット装置11から前記確認済データを受信したりする。
そして、前記表示部26は、液晶ディスプレイ等から成る表示デバイスであり、所定の画面に図面データベースDBに記録された図面データDtiの図面griを表示したり、タブレット装置11に送信した図面データの図面を表示したりする。
また、前記操作部27は、キーボード、マウス等から成る入力デバイスであり、操作者が操作部27を操作することによって、CPU21に所定の事項が入力される。なお、前記表示部26がタッチパネルで形成されている場合、表示部26は操作部としても機能する。
次に、タブレット装置11について説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるタブレット装置の制御ブロック図である。
タブレット装置11は、制御部としてのCPU31、第4の記憶部としてのROM33、第5の記憶部としてのRAM34、通信部35、表示部36、操作部37、画像入力部としての電子カメラ45、第2の記憶媒体としての大容量の記憶装置46等を備える。
該記憶装置46は、例えば、ハードディスク、EEPROM(ELECTORICALLY ERASABLE PROGRAMMABLE ROM)等から成り、図示されない図面表示プログラムが記録される。また、記憶装置46には、第1のデータ記憶部としての図面データ記憶部48、及び第2のデータ記憶部としての確認済データ記憶部50が配設され、前記図面データ記憶部48に、サーバ装置12から送信された図面データが記録され、確認済データ記憶部50に前記確認済データが記録される。
前記CPU31は、ROM33に記録された各種のプログラムに従ってタブレット装置11の全体の制御を行う。
また、CPU31は、ネットワークNtを介して、サーバ装置12の図面データベースDBに記録された図面データDtiのうちの、建築現場の図面データを検索し、取得する。
そして、CPU31は、前記記憶装置46に記録された、図面を表示するためのプログラムに従って動作する図面表示処理部Pr11、後述されるマークを表示するためのプログラムに従って動作する指標表示処理部Pr12、確認の実施状況を表示するためのプログラムに従って動作する実施状況表示処理部Pr13、確認済データを記録するためのプログラムに従って動作するデータ記録処理部としての確認済データ記録処理部Pr14等を備える。
サーバ装置12から図面データが送信されると、前記図面表示処理部Pr11は、図面データを処理して図面表示画面ds1に図面gr1を表示し、前記指標表示処理部Pr12は図面表示画面ds1に表示された図面gr1上に確認ポイントPtjを表すマークを表示し、前記実施状況表示処理部Pr13は図面表示画面ds1上に後述される一覧部Ls1(図5)を表示し、確認済データ記録処理部Pr14は確認済データを確認済データ記憶部50に記録する。
また、図面表示処理部Pr11は、サーバ装置12から送信された図面データを拡大したり、縮小したりして図面表示画面ds1に所定の寸法で図面gr1を表示する。
そして、指標表示処理部Pr12は、確認ポイントPtjを表すマークにおける表示内容を変更し、実施状況表示処理部Pr13は、確認対象物についての確認の実施状況を表す一覧部Ls1における表示内容を変更する。
前記ROM33には、CPU31によって実行されるプログラム、該プログラムを実行するために必要なパラメータ等が記録される。
前記RAM34は、CPU31が各種の処理を行う際にデータを一時的に記録するバッファとして機能するとともに、CPU31が各種の処理を行う際にワーキングメモリとして機能する。
前記通信部35は、タブレット装置11をネットワークNtに接続するための通信用インタフェースである。CPU31は、通信部35を介してサーバ装置12から図面データを受信することによって取得したり、確認済データをサーバ装置12に送信したりする。
なお、本実施の形態において、CPU31は、通信部35を介して図面データを取得するようになっているが、USB(UNIVERSAL SERIAL BUS)メモリ等の半導体メモリを介して図面データを取得することができる。また、CPU31は、タブレット装置11の記憶装置46から図面データを直接取得することができる。その場合、タブレット装置11と、図面データが記録されたパソコンとが有線又は無線で接続され、CPU31は、パソコンを介して図面データを取得し、記憶装置46にあらかじめ記録する。
前記表示部36は、液晶ディスプレイ等から成り、表示画面がタッチパネルで形成された表示デバイスであり、図面表示処理部Pr11は、表示部36に図面表示画面ds1を形成し、該図面表示画面ds1に、サーバ装置12から送信された図面データに基づいて所定の寸法で図面gr1を表示する。
また、前記操作部37は、入力デバイスであり、操作者が操作部37を操作することによって、CPU31に所定の事項が入力される。なお、操作部37をキーボード、マウス等によって形成することができる。
本実施の形態においては、前記表示部36がタッチパネルで形成されているので、操作部37はタッチパネル上に形成される。操作者は、タッチパネル上の操作要素としてのキー等に操作媒体としての指でタッチすることによって、所定の事項を入力することができる。
そのために、操作者がタッチパネル上の所定の位置に指でタッチすると、前記表示部36は操作者が指でタッチした位置を所定のサンプリング周期でサンプリングし、リアルタイムでタッチパネル上の座標値の時間的変化を追跡する。
なお、表示部36は、タッチパネル上で、操作者が指をタッチしたまま移動させたとき、指のスライド動作を検出し、操作者が2本の指をタッチしたまま広げたとき、指のピンチ動作を検出し、操作者が指を弾いたとき、指のフリック動作を検出し、操作者がタッチパネルに指を短時間タッチしたとき、指のタップ動作を検出する。
前記電子カメラ45は、撮像素子を備え、被写体、本実施の形態においては、確認対象物の写真を撮影するのに伴って、ディジタルの画像データから成る写真データを生成するディジタルカメラである。操作者が、タブレット装置11の所定の箇所に形成されたシャッタ(スイッチ)を押下するか、又はタッチパネル上に形成されたシャッタに指でタッチすると、電子カメラ45によって写真が撮影される。
なお、端末装置としてスマートフォンを使用した場合、図面データベースDBの図面データDtiを検索する際の効率性、操作性等が低くなる。その場合、操作者は、サーバ装置12の操作部27を操作することによって、所望の図面データを検索し、検索した図面データをスマートフォンに送信することができる。
次に、図面データDtiについて説明する。
建築用の設計図面を元図とするA0判、A1判等の大判の図面データDtiは、比較的高い密度(600〔dpi〕又は400〔dpi〕)で図面データベースDBに記録される。
ここで、A0判の図面データの元図の寸法は、縦が841〔mm〕、横が1189〔mm〕であるので、600〔dpi〕の解像度(密度)で作成すると、縦が19866〔ドット〕、横が28087〔ドット〕になり、これを面の画素数で表すと、約5億6千万〔ドット〕になり、非常に膨大なデータ量になる。
一方、タブレット装置11の表示部36に形成される図面表示画面ds1の寸法は、一般的に、縦が786〔ドット〕、横が1024〔ドット〕程度で形成され、面の画素数で表すと、78万6千〔ドット〕になる。
したがって、表示部36の図面表示画面ds1に表示される図面gr1は、図面データに対して約700分の1の解像度で表示されることになる。そして、図面データをサーバ装置12からタブレット装置11に送信し、表示部36の図面表示画面ds1に図面gr1を表示しようとすると、図面データ記憶部48のメモリ容量等の制約から、表示に要する時間、すなわち、表示時間が長くなり、数〔秒〕から数十〔秒〕になってしまう。
ところで、建築現場において確認対象物について確認を行うに当たり、表示部36の図面表示画面ds1においては、必ずしも高い解像度で図面gr1を表示する必要はなく、140〔dpi〕〜150〔dpi〕程度の解像度があれば十分である。
また、表示部36の図面表示画面ds1が、例えば、縦が786〔ドット〕であり、確認対象物について確認を行う際に、図面gr1について6倍の倍率までの拡大が要求される場合、図面データの縦のドット数は、
768〔ドット〕×6=4608〔ドット〕
あれば十分である。
これをA0判の図面データに当てはめると、元図の寸法は縦が841〔mm〕であるので、図面gr1の解像度は、
((4608/841)×25.4)=139.2〔dpi〕
になる。
すなわち、縦が786〔ドット〕程度の図面表示画面ds1に、縦のドット数が4608〔ドット〕の図面gr1を139.2〔dpi〕の解像度で表示する場合、図面gr1の表示時間を十分に短くすることができる。
そこで、本実施の形態において、前記図面表示処理部Pr11は、サーバ装置12から送信された図面データの解像度を600〔dpi〕から150〔dpi〕に変更する処理を行い、変更後の解像度で図面gr1を表示するようにしている。
なお、タブレット装置11の処理速度が高い場合は、解像度が、例えば、200〔dpi〕であっても、表示時間を短くすることができる。すなわち、解像度の値は、タブレット装置11の処理速度、図面の拡大の倍率等によって決まる。
また、解像度を変更しても、図面表示画面ds1に表示された図面gr1上の位置を、元図の図面データ上の位置に対応させて算出することができ、元図上の確認対象物の位置に対応させて図面表示画面ds1上で確認ポイントを設定することができる。
次に、表示部36に形成される図面表示画面ds1について説明する。
図4は本発明の実施の形態における表示部に形成される図面表示画面の例を示す第1の図、図5は本発明の実施の形態における表示部に形成される図面表示画面の例を示す第2の図、図6は本発明の実施の形態における入力画面の例を示す図、図7は本発明の実施の形態における表示部に形成される図面表示画面の例を示す第3の図である。
建築現場において、操作者は、例えば、図に示されるように、タブレット装置11を左手で持ち、右手で操作部37を操作する。
操作者が、表示部36(図1)に形成されたメニュー画面等を操作することによって、ネットワークNtを介してタブレット装置11とサーバ装置12(図2)とを接続し、図面データをダウンロードすると、サーバ装置12において、CPU21が、図面データベースDBから建築現場の図面データを読み出し、タブレット装置11に送信する。
タブレット装置11のCPU31は、サーバ装置12から送信された図面データを受信して取得すると、図面データ記憶部48に記録する。
続いて、図面表示処理部Pr11は、表示部36に図面表示画面ds1を形成し、図面データ記憶部48から図面データを読み出し、図面表示画面ds1に、図4に示されるような図面gr1を表示する。なお、この場合、図面gr1として、家の間取りを示す平面図が表示される。
前記図面表示画面ds1には、前記図面gr1と共に、縮尺表示部Ar1、及び第1、第2のスケール表示部Ar2、Ar3が表示される。この場合、縮尺表示部Ar1には、表示されている図面gr1の縮尺、本実施の形態においては、「1/100」が、第1のスケール表示部Ar2には、図面gr1のX方向のスケールが、第2のスケール表示部Ar3には、図面gr1のY方向のスケールが表示される。
ところで、建築現場において確認対象物について確認を行うに当たり、図面gr1上で確認対象物の位置が表示されていることが好ましい。
そこで、本実施の形態においては、操作者が、確認対象物について確認を開始する前に、図面gr1上の所定の位置、すなわち、各確認対象物の位置をあらかじめ特定し、各確認対象物の位置に確認ポイントPtjを設定することができるようになっている。この場合、5個の確認ポイントPt1〜Pt5が設定される。そのために、図面表示画面ds1において、図面gr1上の、確認を行おうとする確認対象物の位置に操作者が指でタッチすると、CPU31は、操作者の指がタッチした位置のX方向及びY方向の座標を読み込み、図面gr1上で確認対象物の位置を特定し、確認対象物の位置を確認ポイントPtjとして設定する。
また、操作者が操作部37を操作すると、表示部36に確認対象物についての確認の内容を指示事項として入力するためのウインドウ(入力画面)が形成され、操作者は、該ウインドウにおいて確認の内容を表す指示事項を入力することができる。CPU31は、入力された指示事項を確認ポイントPtjに対応させて図面データ記憶部48に記録する。
本実施の形態において、前記指示事項は、確認対象物の確認事項、確認対象物の写真の撮影の有無、及び確認対象物についてのコメントの入力の有無であるが、確認対象物の写真の枚数、写真を撮影する際の電子カメラ45の向き等を追加することができる。なお、指示事項は文章、図等によって表すことができる。
続いて、操作者が操作部37を操作すると、表示部36に各確認ポイントPtjの属性情報を入力するためのウインドウが形成され、操作者は、該ウインドウにおいて各項目ごとに属性情報を入力する。CPU31は、入力された属性情報を確認ポイントPtjに対応させて図面データ記憶部48に記録する。
本実施の形態において、属性情報の項目は、確認ポイントPtjにおいて確認対象物の写真が撮影されたかどうか(写真の有無)、及び確認対象物についてコメントが入力されたかどうかの前記各指示事項についての確認の実施状況、確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認の順番、確認ポイントが設定されたタイミング等から成る。なお、操作者は、前記各項目のほかに、所望の属性情報の項目を、確認対象物についての確認を開始する前、又は開始した後に追加することができる。
そして、各項目の属性は、各指示事項についての確認の実施状況が変化したとき、確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認の順番が変化したとき、確認ポイントが設定されたタイミングが変化したとき等に変化させられる。
次に、前記指標表示処理部Pr12は、確認ポイントPtjごとの指示事項及び属性情報を図面データ記憶部48から読み出し、指示事項及び属性情報に基づいて、図5に示されるように、図面表示画面ds1に図面gr1に重ねて、各確認対象物の位置に確認ポイントPtjのマークを表示する。
また、前記実施状況表示処理部Pr13は、指示事項及び属性情報に基づいて、図面gr1に隣接する領域Ar11に一覧部Ls1を表示し、一覧部Ls1に、各確認ポイントPtjと、該各確認ポイントPtjにおける指示事項、及び指示事項の実施状況とをそれぞれ対応させてリストで表示する。
図5において、前記確認ポイントPtjを表すマークは、確認ポイントごとの確認対象物について確認を行うための指示事項の内容によって形状が異なり、白抜きの矢印の形状、及び白抜きの多角形、本実施の形態においては、五角形の形状を有する。そして、各マークの指す方向が、確認ポイントPtjの位置から確認対象物を見たときの方向と一致させられる。
すなわち、確認ポイントPt1のマークは、矢印の形状を有し、矢印の中が白色にされ、矢印の中に数字「1」が表示され、確認ポイントPt2のマークは、矢印の形状を有し、矢印の中が白色にされ、矢印の中に数字「2」が表示され、確認ポイントPt3のマークは、矢印の形状を有し、矢印の中が白色にされ、矢印の中に数字「3」が表示され、確認ポイントPt4のマークは、矢印の形状を有し、矢印の中が白色にされ、矢印の中に数字「4」が表示され、確認ポイントPt5のマークは、五角形の形状を有し、五角形の中が白色にされ、五角形の中に数字「5」が表示される。各数字「1」〜「5」は確認ポイントPtjを識別するとともに、確認対象物についての確認を行う順番を示すために付与される。なお、本実施の形態においては、前記各数字が、確認対象物についての確認を行う順番を示すために連続して表示されるが、確認ポイントPtjの属性ごとにグループを分けて表示することができる。
また、本実施の形態においては、マークの中に数字が表示されるようになっているが、マークの外に、マークに隣接させて数字を表示することができる。さらに、マークに隣接させて、数字のほかに、確認ポイントPtjの属性を表す文字、図形等を表示することができる。このようにすることによって、マークが所定の色で塗り潰された場合でも、マークの外に表示された数字、文字、図形等を十分に視認することができる。
この場合、確認ポイントPt1〜Pt4と確認ポイントPt5とは指示事項が異なるので、確認ポイントPt1〜Pt4のマークが矢印の形状を有するのに対して、確認ポイントPt5マークは五角形の形状を有する。
前記一覧部Ls1には、「No.1」〜「No.5」で表される各確認ポイントPtjごとに、指示事項、及び確認の内容の実施状況がリストで表示される。この場合、確認の実施状況は、確認対象物の写真が撮影されたかどうか、及び確認対象物についてのコメントが入力されたかどうかである。
すなわち、確認ポイントPt1の指示事項は、「障子の汚れ確認」であり、操作者は、障子の汚れ具合を確認するために、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてコメントを入力をすることになるが、確認が行われていないので、写真及びコメントの欄に「未」の文字が表示される。
また、確認ポイントPt2の指示事項は、「窓枠歪み確認」であり、操作者は、窓枠の歪み具合を確認するために、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてコメントを入力をすることになるが、確認が行われていないので、写真及びコメントの欄に「未」の文字が表示される。
そして、確認ポイントPt3の指示事項は、「棚板汚れ確認」であり、操作者は、棚板の汚れ具合を確認するために、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてコメントを入力をすることになるが、確認が行われていないので、写真及びコメントの欄に「未」の文字が表示される。
また、確認ポイントPt4の指示事項は、「窓ガラス傷確認」であり、操作者は、窓ガラスの傷の有無を確認するために、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてコメントを入力をすることになるが、確認が行われていないので、写真及びコメントの欄に「未」の文字が表示される。
そして、確認ポイントPt5の指示事項は、「水道流れ確認」であり、操作者は、水道の流れを確認することになるが、確認対象物の写真を撮影する必要がないので、写真の欄に「不要」が表示される。また、確認対象物についてコメントを入力をすることになるが、確認が行われていないので、コメントの欄に「未」の文字が表示される。
CPU31は、確認ポイントPtjと指示事項及び属性情報とを対応させて、確認ポイント情報としてサーバ装置12に送信し、サーバ装置12のCPU21は、図面データに対応させて、確認ポイント情報を図面データベースDBに記録する。
なお、本実施の形態においては、タブレット装置11を操作することによって、確認ポイントPtjが設定されるようになっているが、サーバ装置12の図面データベースDBにアクセス可能な端末装置、例えば、コンピュータを操作することによって、確認ポイントPtjを設定することができる。例えば、建築現場から離れた事務所にいる管理者が事務所のコンピュータを操作して、ネットワークNtを介してサーバ装置12にアクセスし、確認ポイントPtjを設定することができる。これにより、建築現場における確認効率を向上させることができる。また、確認対象物についての確認漏れが発生するのを防止することができる。
このようにして、タブレット装置11において確認ポイントPtjが設定され、サーバ装置12において、図面データに対応させて確認ポイント情報が図面データベースDBに記録されると、操作者は、建築現場において、各確認ポイントPtjの確認対象物について確認を開始する。
まず、操作者が、タブレット装置11とサーバ装置12とを接続し、サーバ装置12から建築現場の図面データ、及び該図面データに対応する確認ポイント情報をダウンロードすると、サーバ装置12のCPU21は、図面データベースDBから図面データ及び確認ポイント情報を読み出し、タブレット装置11に送信する。
タブレット装置11のCPU31は、サーバ装置12から送信された図面データ及び確認ポイント情報を受信して取得し、図面データ記憶部48に記録する。
次に、CPU31の図面表示処理部Pr11は、表示部36に図面表示画面ds1を形成し、取得した図面データの図面gr1を表示する。また、指標表示処理部Pr12は、確認ポイント情報における確認ポイントPtj及び属性情報に基づいて、図面gr1に重ねて各確認ポイントPtjをマークで表示し、実施状況表示処理部Pr13は、図面gr1に隣接させて一覧部Ls1を表示する。
そして、操作者は、マークの中に表示された数字の順に、マークに指でタッチすることによって、各確認ポイントPtjを順次選択し、選択した確認ポイントの確認対象物について、指示事項に従って確認を行う。
この場合、操作者が確認ポイントを表すマークに指でタッチすると、CPU31は、表示部36に図示されない確認作業用の入力画面を形成し、記憶装置46から表形式の帳票データを読み出し、入力画面に図6に示されるような帳票61を表示する。
該帳票61には、領域Ar21に、確認ポイントPtjを表す番号が表示され、領域Ar22に、各確認ポイントPtjの図面上の位置が表示され、領域Ar23に、確認対象物についての確認の指示事項が表示され、領域Ar24に、確認対象物について操作者がコメントを入力するための入力スペースが形成され、領域Ar25に、操作者が確認対象物の写真データを入力するための入力スペースが形成される。なお、各確認ポイントPtjの図面上の位置は、各図面データに付加されている確認ポイントPtjごとのX方向及びY方向の座標で表される。
そして、操作者が領域Ar24、Ar25に短時間タッチすると、表示部36は、タップ動作を検出し、操作者に、領域Ar24、Ar25における入力スペースへの入力を促す。
操作者は、確認ポイントPtjが設定された位置、すなわち、確認対象物の位置において、確認の指示事項に従って、マークが指す方向に電子カメラ45を向けて確認対象物の写真を撮影し、写真データを領域Ar25の入力スペースに入力する。また、操作者は、確認対象物について確認を行った後、操作部37を操作して確認対象物についてのコメントを作成し、領域Ar24の入力スペースに入力する。この場合、領域Ar25に確認対象物を撮影した写真を複数枚入力することができ、領域Ar24に複数のコメントを入力することができる。
なお、確認対象物の写真及び確認対象物についてのコメントのほかに、属性情報の項目が設定されている場合、帳票61に、属性情報の項目について入力を行うための入力スペースが形成され、操作者は、属性情報の項目について入力スペースにコメント等を入力する。
本実施の形態においては、帳票61が確認ポイントPtjごとに表示されるようになっているが、すべての確認ポイントPtjに対して一つの帳票を表示することができる。
このようにして帳票61に写真データ及びコメントが入力されると、前記確認済データ記録処理部Pr14は、写真データ及びコメントを図面gr1上の位置に対応させて確認済データとして図面データ記憶部50に記録するとともに、サーバ装置12に送信する。そして、サーバ装置12において、CPU21は確認済データを図面データに対応させて図面データベースDBに記録する。したがって、操作者は、各確認対象物についての最新の確認の実施状況を知ることができる。
なお、写真データに、確認のための指示事項に入力された情報に基づく情報、例えば、工事名、測定位置、日付等を重畳して図面データ記憶部50に記録し、図面データベースDBに記録することができる。
また、確認済データは、図面データベースDBにアクセス可能な端末装置間で共有されるので、複数の操作者が、同じ建築現場で確認ポイントPtjにおける確認対象物について確認を行う場合、常に最新の確認済データをサーバ装置12から取得することができる。したがって、各操作者が一つの確認対象物について重複して確認を行うことがない。
そして、各確認ポイントPtjにおいて、操作者が順番に確認対象物について確認を行い、各確認ポイントPtjの属性情報が変化させられると、図7に示されるように、図面表示画面ds1における各確認ポイントPtj及び一覧部Ls1の表示内容が変更される。
すなわち、確認ポイントPtjにおける指示事項に従って確認対象物の写真が撮影され、確認対象物についてのコメントが入力されて、所定の確認対象物についての確認が終了すると、確認ポイントを表すマークの色が変更され、一覧部Ls1における写真及びコメントの欄に「完了」の文字が表示される。また、確認対象物の写真が撮影されているが、コメントが入力されていない場合のように、確認対象物の確認の一部が終了していない場合には、確認ポイントを表すマークの形状が変更される。
例えば、確認ポイントPt1の指示事項の「障子の汚れ確認」については、確認対象物の写真が撮影され、確認対象物についてのコメントが入力され、確認対象物についての確認が終了しているので、確認ポイントPt1を表すマークが、付与された数字を判別することができる程度に所定の色で塗り潰され、一覧部Ls1の写真及びコメントの欄に「完了」の文字が表示される。
また、確認ポイントPt2の指示事項の「窓枠歪み確認」については、確認対象物についての確認が終了しているので、確認ポイントPt2を表すマークが、付与された数字を判別することができる程度に所定の色で塗り潰され、写真及びコメントの欄に「完了」の文字が表示される。
そして、確認ポイントPt3の指示事項の「棚板汚れ確認」については、確認対象物の写真が撮影されておらず、確認対象物についてのコメントが入力されておらず、確認対象物についての確認が終了していないので、確認ポイントPt3を表すマークは変更されず、写真及びコメントの欄は「未」の文字のままである。
また、確認ポイントPt4の指示事項の「窓ガラス傷確認」については、確認対象物の写真が撮影されておらず、確認対象物についてのコメントが入力されていて、確認対象物の確認の一部が終了していないので、確認ポイントPt4を表すマークの形状が変更され、矢印の前端に、確認ポイントの属性(確認の実施状況)が変化させられたことを表す付加マーク、本実施の形態においては、星印が付与され、写真の欄に「未」の文字が、コメントの欄に「完了」の文字が表示される。なお、付加マークの付与に代えて、確認ポイントPt4を表すマークを、確認対象物についての確認が終了したマークを塗り潰す色と異なる色で塗り潰すこともできる。
そして、確認ポイントPt5の指示事項の「水道流れ確認」については、確認対象物の写真を撮影する必要がなく、確認対象物についてのコメントが入力されておらず、確認対象物についての確認が終了していないので、確認ポイントPt5を表すマークの形状は変更されず、写真の欄に「不要」が、コメントの欄に「未」の文字が表示されたままになる。
また、前記確認ポイントPt3における確認対象物の確認が終了しないまま、確認ポイントPt4における確認対象物についての確認が開始されているので、一覧部Ls1における確認ポイントPt3を表す「No.3」の部分が、文字を判別することができる程度に所定の色で塗り潰される。
このようにしてすべての確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認が終了すると、CPU31は、確認が終了したことを表すメッセージ、マーク等を図面表示画面ds1に表示する。
また、確認済データ記録処理部Pr14は、確認ポイントPtjに対応させて、各確認対象物の写真データ、各確認対象物についてのコメント等を、確認済データとして、図面gr1上の位置に対応させて確認済データ記憶部50に記録する。
続いて、CPU31は、確認済データ記憶部50に記録された確認済データをサーバ装置12に送信し、サーバ装置12のCPU21は、確認ポイントごとに、確認済データを、図面データにおける図面上の位置に対応させて図面データベースDBに記録する。
本実施の形態においては、すべての確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認が終了すると、確認済データが確認済データ記憶部50に記録され、サーバ装置12に送信されるようになっているが、各確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認が行われるたびに、確認済データを確認済データ記憶部50に記録し、サーバ装置12に送信するようにすることができる。また、操作者の指示に基づいて、任意のタイミングで確認済データを確認済データ記憶部50に記録し、サーバ装置12に送信することができる。
このように、本実施の形態においては、所定の確認ポイントにおいて確認対象物についての確認が行われない場合、確認ポイントを表すマークが塗り潰されず、一覧部Ls1における指示事項の欄に「未」の文字が表示されるので、操作者は、すべての確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認が終了しているかどうかを容易に把握することができる。したがって、各確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認漏れが発生するのを防止することができる。
また、所定の確認ポイントにおいて、確認対象物についての確認の一部が終了していない場合、確認ポイントを表すマークの形状が変更され、例えば、付加マークが付与され、所定の確認ポイントにおいて確認対象物についての確認が終了しないまま、次の確認ポイントにおいて確認対象物についての確認が開始された場合、一覧部Ls1において、確認対象物についての確認が終了していない確認ポイントを表す部分が所定の色で塗り潰されるので、各確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認漏れが発生するのを一層防止することができる。
また、複数の操作者が同じ確認対象物について確認を行う必要がある場合でも、各操作者が一つの確認対象物を重複して確認してしまうことがないので、確認効率を一層向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、マークの中に表示される数字が、確認対象物についての確認の順序を考慮して付与され、マークの中に表示された数字の順に確認対象物の確認が行われるようになっているが、マークの中に表示された数字の順にかかわらず、確認対象物の確認を行うことができる。
また、操作者は、必要に応じて、マークの中に表示される数字を変更し、確認作業の順番を変更することができる。さらに、操作者が確認ポイントを選択した順にマークの中に数字を自動的に表示するようにすることができる。なお、マークに付与された数字の順に確認対象物についての確認が行われない場合、CPU31は、マークに付与された数字の順に確認対象物についての確認が行われていないことを操作者に通知するために、図面表示画面ds1に所定のメッセージを表示する。
そして、本実施の形態においては、マークの形状によって指示事項を識別するようになっているが、マークの形状のほかに、マークの色によって指示事項を識別するようにすることができる。
さらに、本実施の形態においては、各確認ポイントPtjにおいて確認対象物についての確認が行われると、確認ポイントPtjを表すマークが塗り潰されるようになっているが、マークの形状、色等を変更するようにすることができる。
また、本実施の形態においては、各確認ポイントPtjにおいて確認対象物についての確認が行われると、一覧部Ls1の指示事項の写真及びコメントの欄に「完了」の文字が表示されるようになっているが、指示事項の写真及びコメントの欄に、確認対象物についての確認が終了したことを表すマーク、確認対象物の写真のサムネイル、入力したコメントの文章等を表示することができる。なお、欄が小さい場合は、操作者が容易に認識することができるように短い語を表示したり、欄が大きい場合は、確認対象物の写真のサムネイルを大きくしたり、実際に入力されたコメントを表示したりすることができる。
さらに、コメントの欄にコメントを入力するに当たり、あらかじめ登録されているコメントをリストで表示し、リストからコメントを選択することができる。
ところで、建築現場において、確認対象物についての確認を行っているときに、例えば、所定の確認対象物において予期しない不具合が発見された場合等、想定していた確認対象物以外の確認対象物について確認を行う必要が生じることがある。
そこで、本実施の形態においては、確認作業を行っているときに、確認ポイントを追加することができるようになっている。
図8は本発明の実施の形態における表示部に形成される図面表示画面の例を示す第4の図である。
図において、11はタブレット装置、ds1は該タブレット装置11の表示部36(図1)に形成される図面表示画面、gr1は該図面表示画面ds1に表示される図面、Ptj(j=1、2、…)は複数の、本実施の形態においては、6個の確認ポイント、Ls2は一覧部である。
この場合、確認ポイントPtj及び一覧部Ls2には、あらかじめ5個の確認ポイントPt1〜Pt5が設定されていて、各確認ポイントPt1〜Pt5における確認対象物について確認が開始される。
そして、操作者が図面gr1上のあらかじめ設定された確認ポイントにタッチすると、前述されたように、表示部36に入力画面が形成され、該入力画面に帳票61が表示される。続いて、操作者が、帳票61に表示された確認ポイントの指示事項に基づいて確認対象物について確認を行い、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてのコメントを入力すると、CPU31は確認ポイントについての属性情報を更新する。すなわち、確認済データ記録処理部Pr14は、指示事項に基づく確認の内容の実施状況、確認ポイントにおける確認対象物についての確認の順番、確認ポイントが、確認対象物についての確認が開始される前にあらかじめ設定されていたか、又は確認が開始された後に追加して設定されたか等の属性情報を更新し、確認済データとして確認済データ記憶部50に記録する。
そして、例えば、確認ポイントPt1、Pt2の確認対象物について確認が終了したタイミングで、所定の確認対象物、本実施の形態においては、玄関について確認を行う必要が生じると、操作者は、図面表示画面ds1に表示された図面gr1上で玄関の位置に指でタッチし、それに伴って、CPU31は、図面データにおいて玄関を確認対象物として設定し、玄関の位置に確認ポイントPt6を設定する。
続いて、操作者が、操作部37を操作して、確認ポイントPt6の確認対象物についての指示事項を入力すると、CPU31は、表示部36に入力画面を形成し、該入力画面に帳票61を表示する。そして、操作者が、帳票61に表示された確認ポイントPt6の指示事項に基づいて確認対象物について確認を行い、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてのコメントを入力し、確認ポイントPt6の属性情報、すなわち、確認対象物についての確認が開始された後に確認ポイントPt6が追加して設定されたことを入力すると、指標表示処理部Pr12は、前記属性情報に基づいて、図面gr1に重ねて、玄関の位置に確認ポイントPt6を表すマークを表示する。確認ポイントPt6を表すマークは、確認ポイントPt6の属性(設定タイミング)が確認ポイントPt1〜Pt5の属性と異なるので、確認ポイントPt1〜Pt5と異なる形状、本実施の形態においては、円形の形状にされる。この場合、確認ポイントPt6を表すマークは、確認ポイントPt6において確認対象物についての確認が開始されるまでは白抜きの円形にされ、確認ポイントPt6において確認が終了すると、図に示されるように、付与された数字を判別することができる程度に所定の色で塗り潰される。
また、実施状況表示処理部Pr13は、一覧部Ls2の表示内容を変更し、確認ポイントPt6を表す欄「No.6」を追加し、確認ポイントPt6における指示事項として「玄関 ひび確認」を表示し、写真及びコメントの欄を形成する。この場合、確認ポイントPt6における確認対象物についての確認は終了しているので、写真及びコメントの欄には「完了」の文字が表示される。
さらに、前記確認ポイントPt3〜Pt5において確認対象物についての確認が行われないまま、確認ポイントPt6において確認対象物についての確認が開始されているので、確認ポイントPt3〜Pt5を表すマークの形状が変更され、矢印の前端に、確認ポイントの属性(確認ポイントの設定)が異なることを表す付加マーク、本実施の形態においては、三角形が付与され、一覧部Ls2における確認ポイントPt3〜Pt5を表す「No.3」〜「No.5」の部分が、文字を判別することができる程度に所定の色で塗り潰される。
追加された確認ポイントPt6において確認対象物についての確認が行われると、確認済データ記録処理部Pr14は、各確認対象物の写真データ、各確認対象物についてのコメント等を、確認済データとして、図面gr1上の位置に対応させて確認済データ記憶部50に記録するとともに、サーバ装置12に送信する。そして、サーバ装置12において、CPU21は、確認済データを、図面データにおける図面上の位置に対応させて図面データベースDBに記録する。
次に、建築現場において、確認ポイントPtjを設定する際の情報処理システム10の動作について説明する。
図9は本発明の実施の形態における確認ポイントを設定する際の情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
まず、タブレット装置11(図1)において、操作者が、タブレット装置11をサーバ装置12に接続し、サーバ装置12から建築現場の図面データをダウンロードすることによって取得すると、CPU31は図面データを図面データ記憶部48に記録する。
CPU31の図面表示処理部Pr11は、表示部36に図面表示画面ds1を作成し、取得した図面データの図面gr1を表示する。
次に、操作者が、図面gr1上の、確認を行おうとする確認対象物の位置において、図面表示画面ds1にタッチすると、CPU31は、操作者がタッチした位置のX方向及びY方向の座標を読み込み、図面上で、確認対象物の位置を特定し、確認対象物の位置を確認ポイントPtjとして設定する。
そして、操作者が操作部37を操作すると、表示部36に確認対象物についての確認の内容を指示事項として入力するためのウインドウ(入力画面)が形成され、操作者は該ウインドウにおいて確認の内容を表す指示事項を入力する。CPU31は、入力された指示事項を確認ポイントPtjに対応させて図面データ記憶部48に記録する。
続いて、操作者が操作部37を操作すると、表示部36に各確認ポイントPtjの属性情報を入力するためのウインドウが形成され、操作者は該ウインドウにおいて項目ごとに属性情報を入力する。CPU31は、入力された属性情報を確認ポイントPtjに対応させて図面データ記憶部48に記録する。
このようにして、各確認ポイントPtjについて、指示事項及び属性情報が図面データ記憶部48に記録されると、前記図面表示処理部Pr11は、確認ポイントPtjごとの属性情報を図面データ記憶部48から読み出し、属性情報に基づいて、図面表示画面ds1に表示された図面gr1に重ねて、各確認対象物の位置に、確認ポイントPtjを表すマークを表示する。
そして、CPU31は、確認ポイントPtjに対応させた前記指示事項及び属性情報を、確認ポイントPtjの情報、すなわち、確認ポイント情報として、サーバ装置12に送信し、サーバ装置12において、CPU21は、図面データに対応させて確認ポイント情報を図面データベースDBに記録する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 操作者はサーバ装置12から図面データを取得する。
ステップS2 図面表示処理部Pr11は図面gr1を表示する。
ステップS3 CPU31は図面gr1上で確認対象物の位置を特定し、確認ポイントPtjとして設定する。
ステップS4 操作者は指示事項を入力する。
ステップS5 操作者は確認ポイントPtjの属性情報を入力する。
ステップS6 図面表示処理部Pr11は属性情報に基づいて図面gr1に重ねてマークを表示する。
ステップS7 CPU31は確認ポイント情報をサーバ装置12に送信し、処理を終了する。
次に、建築現場において、確認対象物について確認を行う際の情報処理システム10の動作について説明する。
図10は本発明の実施の形態における確認対象物について確認を行う際の情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
まず、タブレット装置11(図1)において、操作者が、タブレット装置11をサーバ装置12に接続し、サーバ装置12から図面データ、及び該図面データに対応する確認ポイント情報をダウンロードすることによって取得すると、CPU31は図面データ及び確認ポイント情報を図面データ記憶部48に記録する。
次に、CPU31の図面表示処理部Pr11は、表示部36に図面表示画面ds1を形成し、取得した図面データの図面gr1を表示し、指標表示処理部Pr12は、確認ポイント情報における属性情報に基づいて、図面gr1上に各確認ポイントPtjをマークで表示し、実施状況表示処理部Pr13は、図面gr1に隣接させて一覧部Ls1を表示する。
そして、操作者が、図面gr1上の、確認を行おうとする確認対象物の位置において、確認ポイント又は図面表示画面ds1にタッチすると、CPU31は、操作者がタッチした位置のX方向及びY方向の座標を読み込み、図面データ上で、確認対象物の位置を特定し、確認対象物の位置が確認ポイントPtjとしてあらかじめ設定されているかどうかを判断する。
確認対象物の位置が確認ポイントPtjとしてあらかじめ設定されている場合、操作者は各確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認を開始する。
すなわち、操作者は、各確認ポイントPtjにおいて、確認ポイント情報の指示事項に基づいて確認対象物についての確認を行い、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてのコメントを入力する。なお、確認対象物の写真及び確認対象物についてのコメントのほかに、属性情報の項目が設定されている場合、操作者は、属性情報を入力する。
そして、CPU31の確認済データ記録処理部Pr14は、撮影された確認対象物の写真及び入力されたコメントを確認済データとして、図面gr1上の位置と対応させて確認済データ記憶部50に記録する。なお、CPU31は、確認済データをサーバ装置12に送信し、サーバ装置12において図面データベースDBに記録することができる。また、CPU31は、すべての確認対象物についての確認が終了したときに、確認済データをサーバ装置12に送信し、サーバ装置12において図面データベースDBに記録することができる。
確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認が終了すると、CPU31は、確認ポイントについての属性情報を更新する。すなわち、CPU31は、指示事項に基づく確認の内容の実施状況、確認ポイントにおける確認対象物についての確認の順番、確認ポイントが、確認対象物についての確認が開始される前にあらかじめ設定されているか、又は確認が開始された後に追加して設定されたか等の属性情報を更新し、確認済データとして確認済データ記憶部50に記録する。
一方、確認対象物の位置が確認ポイントPtjとして設定されていない場合、CPU31は、操作者がタッチした位置のX方向及びY方向の座標を読み込み、図面上で、確認対象物の位置を特定し、確認対象物の位置を新規の確認ポイントとして設定する。
そして、操作者が操作部37を操作すると、表示部36に確認対象物についての確認の内容を指示事項として入力するためのウインドウ(入力画面)が形成され、操作者は該ウインドウにおいて確認の内容を表す指示事項を入力する。
CPU31は、入力された指示事項を新規の確認ポイントに対応させて図面データ記憶部48に記録する。
また、CPU31は、新規の確認ポイントに対応させた前記指示事項及び属性情報を、確認ポイント情報としてサーバ装置12に送信し、サーバ装置12において、CPU21は、確認ポイント情報を図面データに対応させて図面データベースDBに記録する。なお、CPU31は、すべての確認対象物についての確認が終了したときに、確認ポイント情報をサーバ装置12に送信し、サーバ装置12において図面データベースDBに記録することができる。
続いて、操作者は、新規の確認ポイントにおける確認対象物についての確認を行い、確認対象物の写真を撮影し、確認対象物についてのコメントを入力する。
確認済データ記録処理部Pr14は、新規の確認ポイントにおける確認対象物の写真データ、確認対象物についてのコメント等を、確認済データとして、図面gr1上の位置に対応させて確認済データ記憶部50に記録するとともに、サーバ装置12に送信する。
そして、サーバ装置12のCPU21は、図面データに対応させて新規の確認ポイントの確認済データを図面データベースDBに記録する。なお、CPU31は、すべての確認対象物についての確認が終了したときに、新規の確認ポイントの確認済データをサーバ装置12に送信し、サーバ装置12において図面データベースDBに記録することができる。
続いて、操作者が操作部37を操作すると、表示部36に新規の確認ポイントの属性情報を入力するためのウインドウが形成され、操作者は該ウインドウにおいて項目ごとに属性情報を入力する。
次に、前記図面表示処理部Pr11は、新規の確認ポイントの属性情報を図面データ記憶部48から読み出し、属性情報に基づいて、図面表示画面ds1に表示された図面gr1に重ねて、各確認対象物の位置に新規の確認ポイントのマークを表示する。
そして、CPU31は、新規の確認ポイントに対応させた前記指示事項及び属性情報を、新規の確認ポイント情報として、サーバ装置12に送信し、サーバ装置12において、CPU21は、図面データに対応させて新規の確認ポイント情報を図面データベースDBに記録する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 操作者はサーバ装置12から図面データ及び確認ポイント情報を取得する。
ステップS12 指標表示処理部Pr12は確認ポイントを表示し、実施状況表示処理部Pr13は一覧部Ls1を表示する。
ステップS13 操作者は確認ポイント又は図面表示画面ds1にタッチする。
ステップS14 CPU31は確認ポイントPtjとしてあらかじめ設定されているかどうかを判断する。確認ポイントPtjとしてあらかじめ設定されている場合はステップS15に進み、確認ポイントPtjとして設定されていない場合はステップS17に進む。
ステップS15 操作者は確認ポイントPtjの指示事項に基づいてコメントを入力する。
ステップS16 CPU31は確認ポイントPtjの属性情報を更新し、ステップS20に進む。
ステップS17 操作者は指示事項を入力する。
ステップS18 操作者は確認対象物の写真を撮影し、コメントを入力する。
ステップS19 操作者は新規の確認ポイントの属性情報を入力する。
ステップS20 図面表示処理部Pr11は属性情報に基づいて図面gr1にマークを表示する。
ステップS21 CPU21は図面データに対応させて確認ポイント情報を記録し、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、図面gr1上の所定の位置に設定された確認ポイントPtjを表すマークが、図面gr1に重ねて表示され、操作者が、図面gr1上で確認ポイントを選択し、指示事項に従って確認対象物について確認を行うと、前記確認ポイントの属性が変化させられるのに伴ってマークにおける表示内容が変更されるので、すべての確認ポイントについて確認対象物の確認が終了しているかどうかを容易に確認することができる。したがって、各確認ポイントPtjにおける確認対象物についての確認漏れが発生するのを防止することができ、確認効率を向上させることができる。
そして、複数の操作者が同じ確認対象物について確認を行う必要がある場合でも、同じ確認対象物について重複して確認してしまうことがないので、確認効率を一層向上させることができる。
本実施の形態においては、情報処理装置としてのタブレット装置11について説明しているが、本発明をカメラ付き携帯電話、PDA(PERSONAL DIGITAL ASSISTANT)等に適用することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。