JP2020166354A - 約定価格決定装置及び約定価格決定方法 - Google Patents

約定価格決定装置及び約定価格決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力の買い手と売り手の利益を増やす約定価格決定装置及び方法を提供する。【解決手段】約定価格決定装置1は、希望買電価格を複数の希望買電者から取得し、希望売電価格を複数の希望売電者から取得する入札価格取得部131と、希望買電者にとって買電が必要な時刻までの余裕時間又は希望売電者にとって売電が必要な時刻までの余裕時間に対応する危急度を取得する危急度取得部132と、希望買電価格及び希望売電価格に基づいて算出した第1約定価格を含む第1約定結果を決定する第1決定部133と、危急度と、希望買電価格及び希望売電価格とに基づいて算出した第2約定価格を含む第2約定結果を決定する第2決定部134と、第1約定価格で約定する第1電力量の合計値と、第2約定価格で約定する第2電力量の合計値とを比較することによって、第1約定結果及び第2約定結果のどちらを採用するかを決定する約定結果選択部135と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、電力の売買をする際の約定価格を決定するための約定価格決定装置及び約定価格決定方法に関する。
従来、太陽光発電設備で発生した電力を売買する市場が形成されている。特許文献1には、電力の買い手から買電可能量及び希望買電価格の情報を取得し、電力の売り手から希望売電量及び希望売電価格の情報を取得し、取得した情報に基づいて、両者の要望を満たす形でマッチングする手法が開示されている。
特開2017−153274号公報
従来の手法を用いるシステムにおいては、売り手と買い手の両方の要望を満たす場合に約定価格を決定し、売買を成立させる。一方、約定価格が決定されなかった売り手及び買い手は、電力会社等の電力小売事業者との間で、希望買電価格よりも大幅に高い価格で買電をし、また希望売電価格よりも大幅に低い価格で売電をする必要がある。
ところで、売り手及び買い手の世帯には、発電をした電力及び買電をした電力を蓄積可能な蓄電池が設けられている場合がある。蓄電池に空き容量がある際に、売り手及び買い手には、実際に売電及び買電が必要となるタイミングまでに余裕がある。しかしながら、従来のシステムは、売り手及び買い手が要望を出すとすぐに約定価格を決定するため、売電及び買電が必要となるタイミングまでの余裕を考慮することができない。このような余裕を考慮することによって、電力小売事業者との間で買電及び売電をする必要がある電力量を売り手及び買い手の全体として削減できる可能性があり、売り手及び買い手の利益を向上する余地があった。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、電力の買い手と売り手の利益を増やすことができる約定価格決定装置及び約定価格決定方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様の約定価格決定装置は、所定のタイミングで、希望買電価格を複数の希望買電者から取得するとともに、希望売電価格を複数の希望売電者から取得する入札価格取得部と、前記希望買電者にとって買電が必要な時刻までの余裕時間又は前記希望売電者にとって売電が必要な時刻までの余裕時間に対応する危急度を取得する危急度取得部と、複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格のうち、前記希望買電価格が前記希望売電価格よりも高い一以上の前記希望買電価格と前記希望売電価格との組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて算出した第1約定価格を含む第1約定結果を決定する第1決定部と、前記危急度と、前記組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格とに基づいて算出した第2約定価格を含む第2約定結果を決定する第2決定部と、前記第1約定価格で約定する第1電力量の合計値と、前記第2約定価格で約定する第2電力量の合計値とを比較することによって、前記第1約定結果及び前記第2約定結果のどちらを採用するかを決定する約定結果選択部と、を有する。
前記約定結果選択部は、前記第2約定結果を採用すると決定した場合に、前記第2電力量が前記第1電力量よりも大きい前記希望買電者及び前記希望売電者の前記第2約定価格を、保留価格として記憶部に記憶させ、前記所定のタイミングより後のタイミングで、前記第1決定部又は前記第2決定部は、前記第2電力量が前記第1電力量よりも小さい前記希望買電者又は前記希望売電者の前記希望買電価格又は前記希望売電価格に基づいて、第3約定価格を算出し、前記約定価格決定装置は、前記第3約定価格と前記保留価格とを比較することによって、前記第3約定価格及び前記保留価格のどちらかを、前記第2電力量が前記第1電力量よりも大きい前記希望買電者又は前記希望売電者の約定結果として確定する保留価格確定部をさらに有してもよい。
前記保留価格確定部は、前記希望売電者の前記希望売電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格以上である場合に、前記保留価格を前記約定結果として確定し、前記希望売電者の前記希望売電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格未満である場合に、前記第3約定価格を前記約定結果として確定してもよい。
前記保留価格確定部は、前記希望買電者の前記希望買電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格未満である場合に、前記保留価格を前記約定結果として確定し、前記希望買電者の前記希望買電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格以上である場合に、前記第3約定価格を前記約定結果として確定してもよい。
前記所定のタイミングより後のタイミングで、前記第1決定部及び前記第2決定部が、前記第2電力量が前記第1電力量よりも小さい前記希望買電者及び前記希望売電者の前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて約定できなかった場合に、前記保留価格確定部は、小売電気事業者との間で買電及び売電をするための価格を前記約定結果として確定してもよい。
前記約定結果選択部は、前記第1電力量の合計値が前記第2電力量の合計値より大きい場合に前記第1約定結果を採用すると決定し、前記第1電力量の合計値が前記第2電力量の合計値以下である場合に前記第2約定結果を採用すると決定してもよい。
前記第2決定部は、複数の前記希望買電価格を前記危急度が小さな順に、前記危急度が同じ場合には前記希望買電価格が大きな順に並べるとともに、複数の前記希望売電価格を前記危急度が小さな順に、前記危急度が同じ場合には前記希望売電価格が小さな順に並べ、複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格を並べられた順に関連付けることによって、前記第2約定価格を算出してもよい。
前記第1決定部は、複数の前記希望買電価格を前記希望買電価格が大きな順に並べるとともに、複数の前記希望売電価格を前記希望売電価格が小さな順に並べ、複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格を並べられた順に関連付けることによって、前記第1約定価格を算出してもよい。
本発明の第2の態様の約定価格決定方法は、コンピュータが実行する、所定のタイミングで、希望買電価格を複数の希望買電者から取得するステップと、前記所定のタイミングで、希望売電価格を複数の希望売電者から取得するステップと、前記希望買電者にとって買電が必要な時刻までの余裕時間又は前記希望売電者にとって売電が必要な時刻までの余裕時間に対応する危急度を取得するステップと、複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格のうち、前記希望買電価格が前記希望売電価格よりも高い一以上の前記希望買電価格と前記希望売電価格との組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて算出した第1約定価格と、前記第1約定価格で約定する第1電力量とを含む第1約定結果を決定するステップと、前記危急度と、前記組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて算出した第2約定価格と、前記第2約定価格で約定する第2電力量とを含む第2約定結果を決定するステップと、前記第1電力量の合計値と、前記第2電力量の合計値とを比較することによって、前記第1約定結果及び前記第2約定結果のどちらを採用するかを決定するステップと、を有する。
本発明によれば、電力の買い手と売り手の利益を増やすことができるという効果を奏する。
約定価格決定装置の概要について説明するための図である。 約定価格決定装置と買い手及び売り手との関係を示す図である。 約定価格決定装置の構成を示す図である。 危急度について説明するための図である。 複数の買い手及び複数の売り手の入札量、入札価格及び危急度を示す図である。 第1決定処理について説明するための図である。 第1決定処理によって決定された第1約定結果を示す図である。 第2決定処理について説明するための図である。 第2決定処理によって決定された第2約定結果を示す図である。 第1約定結果及び第2約定結果を比較する図である。 保留価格確定部が確定する約定結果を示す図である。
[約定価格決定装置1の概要]
2009年に始まった太陽光発電の余剰電力買取制度(すなわち固定価格買取制度(以下、FITという))により太陽光発電(以下、PVという)の一般世帯への普及が進んできた。PVの電力(以下、PV電力という)のうち、世帯の自家消費で余った電力(以下、余剰電力という)は、FITにより電力会社(電力小売事業者)へ高価格(48円/kWh(2009年にFITを開始した世帯))での売電が保証されていた。
ところが、FITが適用される期間は10年であるため、2019年からFIT期間切れ世帯が続々と登場し始める。FIT期間切れ世帯の余剰電力は低価格(約10円/kWhなど)で電力会社に売却されることになるので、これらの世帯は、電力会社へ売電するよりも自家消費する方がよいとも考えられる。しかしながら、余剰電力を蓄積することができない場合、自家消費が少ない時間帯に生じる余剰電力は、低価格で電力会社へ売電するしか選択肢がない。
発電設備を有する世帯に蓄電池を導入することで、余剰電力を蓄電し、必要な時に自家消費することが可能になり、余剰電力の蓄電と自家消費により電気代を削減できるようになる。しかしながら、蓄電池の空き容量がPVの発電量に対して不足する場合には、やはり低価格で電力会社へ売電する必要がある。
このような場合に期待される他の手段として、世帯の余剰電力を他の世帯に対して売電する電力融通を行うことが考えられる。売り手(すなわち、希望売電者)が電力会社への売電価格(例えば、10円/kWh)より高価格で仲介事業者に売電をし、買い手(すなわち、希望買電者)が電力会社からの買電価格(例えば、30円/kWh)より低価格で仲介事業者から買電をすることができると、両者が金銭的なメリットを享受できる。このように、売り手及び買い手の両者が金銭的なメリットを享受できる約定価格を決定するために、本実施形態に係る約定価格決定装置1が使用される。
図1は、約定価格決定装置1の概要について説明するための図である。図1には、買い手としての買電世帯、売り手としての売電世帯、及び電力会社が示されている。また、図1には、買電を希望している買電世帯と、売電を希望している売電世帯との間で、電力を売買する際の約定価格を決定するための約定価格決定装置1が示されている。
約定価格決定装置1は、例えば電力の売買を仲介する仲介事業者により管理されるコンピュータである。約定価格決定装置1は、買い手と売り手との間の約定価格を決定し、約定結果を出力する。
売電世帯はPVを保有している世帯であり、余剰電力を売電できる。売電世帯は、約定価格決定装置1を介して買電世帯に売電する方法、又は電力会社に直接売電する方法のいずれかを選択することができる。また、全ての世帯は宅内消費する電力を、約定価格決定装置1を介して売電世帯から買電をする方法、又は電力会社から直接買電をする方法のいずれかを選択することができる。本明細書においては、約定価格決定装置1を介して電力を売買する時間単位として、30分を1コマとして扱い、1日48個の各コマについて売買することを想定する。1コマの時間単位は、30分に限られず、その他の値であってもよい。以下では特定のタイミングを表す際にコマiと表記し、コマiの次のコマをコマi+1と表記する。
一般的に、買い手はできるだけ低い価格で買電をすることを希望し、売り手はできるだけ高い価格で売電することを希望する。したがって、多くのケースでは需要と供給が一致しないため、約定価格決定装置1は、買い手と売り手とをマッチングする必要がある。なお、本明細書においては、買い手が希望する買電価格を希望買電価格といい、売り手が希望する売電価格を希望売電価格という。買い手が希望する買電の電力量を希望買電量といい、売り手が希望する売電の電力量を希望売電量という。以下では、希望買電価格及び希望売電価格を総称して入札価格といい、希望買電量及び希望売電量を総称して入札量という。
多数の買い手と多数の売り手が存在する場合、希望売電価格と、当該希望売電価格よりも高い希望買電価格との組合せが存在し得る。このような場合、約定価格決定装置1は、希望売電価格よりも高い価格を売り手に対する約定価格(以下、売電約定価格という)として決定し、希望買電価格よりも低い価格を買い手に対する約定価格(以下、買電約定価格という)として決定することで、売り手及び買い手に経済的利益を提供することができる。本明細書においては、売電約定価格及び買電約定価格を総称して約定価格という。
後述するように、約定価格決定装置1は、希望売電価格及び希望買電価格に加えて買い手及び売り手にとって売電及び買電が必要な時刻までの余裕時間に対応する危急度を用いることによって、約定価格を決定する。これにより、約定価格決定装置1は、買い手及び売り手の全体として約定量を増加させ、買い手及び売り手の利益を増やすことができる。
図2は、約定価格決定装置1と買い手及び売り手との関係を示す図である。約定価格決定装置1は、複数の買い手が使用する複数の買い手端末2(図2における買い手端末2−1、買い手端末2−2、・・・)と、複数の売り手が使用する複数の売り手端末3(図2における売り手端末3−1、売り手端末3−2、・・・)との間で通信する。買い手端末2及び売り手端末3は、ユーザが情報を入力する操作部と、情報を表示する表示部とを有していれば任意の端末であってよく、例えばスマートフォン又はコンピュータである。
約定価格決定装置1は、複数の買い手端末2のそれぞれから希望買電価格を取得し、複数の売り手端末3のそれぞれから希望売電価格を取得する。約定価格決定装置1は、取得した複数の希望買電価格及び複数の希望売電価格に基づいて、複数の買い手及び複数の売り手に対する約定価格を決定し、複数の買い手端末2及び複数の売り手端末3に対して約定価格を通知する。
[約定価格決定装置1の構成]
図3は、約定価格決定装置1の構成を示す図である。図3において、矢印は主なデータの流れを示しており、図3に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図3において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図3に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
約定価格決定装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。制御部13は、入札価格取得部131と、危急度取得部132と、第1決定部133と、第2決定部134と、約定結果選択部135と、保留価格確定部136とを有する。
通信部11は、ネットワークを介して買い手端末2及び売り手端末3との間でデータを送受信するための通信インターフェースであり、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを有する。通信部11は、買い手端末2及び売り手端末3から情報を受信し、受信した情報を制御部13に通知する。また通信部11は、制御部13が出力した情報を、買い手端末2及び売り手端末3に送信する。
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクドライブ等の記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを記憶している。
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、入札価格取得部131、危急度取得部132、第1決定部133、第2決定部134、約定結果選択部135及び保留価格確定部136として機能する。
本実施形態に係る約定価格決定装置1は、図2に示す具体的な構成に限定されない。約定価格決定装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。
[約定価格の決定処理の説明]
約定価格決定装置1による約定価格の決定処理について詳細に説明する。以下では電力市場取引の特定の1つのタイミング(すなわち、コマi)における買電と売電の入札に対して、約定価格決定装置1が約定価格の計算を実行する場合を例に、約定価格の決定処理の手順を説明する。
約定価格決定装置1は、約定価格の決定処理を行う前に、本取引市場の外部での電力の売買価格(例えば電力会社に対する売り価格と電力会社からの買い価格)を取得し、取得した売買価格を記憶部12に記憶させる。約定価格決定装置1は、手動操作により売買価格を取得してもよく、外部の売買価格を公開しているWebサイトから自動的に売買価格を取得してもよい。
買い手と売り手は、買い手端末2及び売り手端末3を通して、それぞれ買電入札と売電入札を行う。買い手端末2及び売り手端末3は、それぞれ入札を行う前に危急度を算出する。危急度は、買い手にとって買電が必要な時刻までの余裕時間又は前記希望売電者にとって売電が必要な時刻までの余裕時間に対応する値である。危急度は、0以上の値であり、その値が小さいほど早急に買電又は売電が必要であることを示し、その値が大きいほど買電又は売電が必要になるまで余裕があることを示す。蓄電池を有さない世帯は、電力が不足した又は電力が余ったタイミングでその都度買電又は売電をする必要があるため、常に危急度が0となる。
図4は、危急度について説明するための図である。図4は、売り手A、B、C、D、Eそれぞれについて、コマごとの発電量、消費量及び蓄電池の空き容量を表している。売り手は、コマiについて入札を行おうとしている。
コマごとの発電量は、PVによる発電量の予測値であり、例えば既知のPV発電予測方法によって過去の履歴、天気予報等の情報に基づいて算出される。コマごとの消費量は、電力の宅内消費の予測値であり、例えば既知の宅内消費電力予測方法によって過去の履歴、天気予報、買い手及び売り手のスケジュール、買い手及び売り手の位置情報等の情報に基づいて算出される。コマごとの空き容量は、現時点の蓄電池の空き容量に、コマごとの発電量を減算した後、コマごとの消費量を加算した値である。あるコマにおいて蓄電池の空き容量が不足する(すなわち蓄電池がそれ以上蓄電できない)と予測された場合には、蓄電池の空き容量は負の値になる。売り手A、Cは蓄電池を有してしないため、蓄電池の空き容量が表されていない。
売り手端末3は、蓄電池の空き容量に基づいて、自動的に売り手それぞれの危急度を決定する。図4に示す例において、売り手Bでは、コマi+2において蓄電池の空き容量が不足するため、売電が必要になる。そのため、売り手端末3は、売り手Bについて、入札を行うコマから、蓄電池の残り容量が最初に負の値になるコマ(すなわち、時刻)までのコマの数(すなわち、余裕時間)である2を、売り手Bの危急度として決定する。
また、売り手Eでは、コマi+1において蓄電池の空き容量が不足するため、売電が必要になる。そのため、売り手端末3は、売り手Eについて、入札を行うコマから、蓄電池の残り容量が最初に負の値になるコマまでのコマの数である1を、売り手Eの危急度として決定する。
売り手端末3は、蓄電池を有さない売り手A、C、及びコマiにおいて蓄電池の残り容量が負の値である売り手Dについて、PVで発電した電力を蓄積することができないため、危急度を0と決定する。
図4は売り手端末3が売電の危急度を決定する方法を示しているが、買い手端末3も同様に買電の危急度を決定する。ただし、買い手端末2は、買電の危急度は、蓄電池の空き容量の代わりに、蓄電池の残り容量に基づいて決定する。すなわち、買い手端末2は、入札を行うコマから、蓄電池の残り容量が負の値になるコマまでのコマの数を、買電の危急度として決定する。
買い手端末2及び売り手端末3は、買い手及び売り手のスケジュールや生活パターンに基づいて、危急度を決定してもよい。例えば買い手端末2は、買い手に食器洗い機や電気自動車の使用予定がある場合に、該使用予定の時刻(コマ)の前までに必要な量の電力の買電をして蓄電池へ蓄積するように、危急度を決定する。また、売り手端末3は、電気自動車の使用予定がある場合であって、該使用予定において必要となる量よりも多くの電力が蓄電池に蓄積されている場合に、該使用予定の時刻(コマ)の前までに蓄電池から余分な量の電力の売電をするように、危急度を決定する。
また、買い手端末2及び売り手端末3は、買い手及び売り手による危急度の入力を受け付けてもよい。この場合に、買い手及び売り手は、買い手端末2及び売り手端末3の操作部を用いて、危急度を設定する。
買い手端末2及び売り手端末3が危急度を決定した後、売り手は希望売電価格(円/kWh)と希望売電量(kWh)の情報を売り手端末3に入力して売電入札を行う。また、買い手は希望買電価格(円/kWh)と希望買電量(kWh)の情報を買い手端末2に入力して買電入札を行う。本実施の形態においては、買い手A、B、C、Dと売り手A、B、C、D、Eとが入札に参加したものとする。
図5は、複数の買い手及び複数の売り手の入札量、入札価格及び危急度を示す図である。図5に示す例において、例えば買い手Aの希望買電価格は25円/kWhであり、希望買電量は2kWhである。売り手Aの希望売電価格は12円/kWhであり、希望売電量は2kWhである。また、売り手Bの危急度は2であり、売り手Eの危急度は1であり、その他の危急度は0である。図5に示す例では、買電の危急度は全て0であるが、買電の危急度が1以上であってもよい。
入札価格取得部131は、ある特定コマ(コマi)の入札締め切り時刻になったタイミングで、複数の買い手端末2から希望買電価格及び希望買電量を取得するとともに、複数の売り手端末3から希望売電価格及び希望売電量とを取得する。入札価格取得部131は、取得した入札価格及び入札量を、記憶部12に記憶させる。また、危急度取得部132は、複数の買い手端末2から買電の危急度を取得するとともに、複数の売り手端末3から売電の危急度を取得する。危急度取得部132は、取得した危急度を、記憶部12に記憶させる。
第1決定部133及び第2決定部134は、それぞれ以下に説明する第1決定処理及び第2決定処理を実行することによって、記憶部12に記憶された情報を用いて約定価格を決定する。第1決定処理及び第2決定処理は、任意の順序で行われてもよく、並行して実行されてもよい。
[約定価格の第1決定処理]
第1決定処理では、第1決定部133は、複数の希望買電価格及び複数の希望売電価格のうち、希望買電価格が希望売電価格よりも高い一以上の希望買電価格と希望売電価格との組み合わせに含まれる希望買電価格及び希望売電価格に基づいて算出した第1約定価格を含む第1約定結果を決定する。すなわち、第1決定処理は、危急度を用いずに、希望買電価格及び希望売電価格に基づいて第1約定結果を決定する。例えば第1決定部133は、従来手法のブラインド・シングルプライスオークションを用いることにより約定価格を決定する。
図6は、第1決定処理について説明するための図である。図6の横軸は入札量を表しており、縦軸は入札価格を表している。第1決定部133は、複数の希望買電価格を希望買電価格が大きな順に並べるとともに、複数の希望売電価格を希望売電価格が小さな順に並べる。そして第1決定部133は、複数の希望買電価格及び複数の希望売電価格を並べられた順に関連付けることによって、第1約定価格を算出する。
具体的には、第1決定部133は、図6に示すように、複数の買い手の希望買電価格を示す線を希望買電価格が大きな順に並べた線と、複数の売り手の希望売電価格を示す線を希望売電価格が小さな順に並べた線との交点を約定点とする。線の縦方向の位置は入札価格に対応しており、線の長さは入札量に対応している。そして第1決定部133は、約定点に対応する価格を、約定点よりも左の入札に対する第1約定価格として決定する。図6に示す例の場合、第1決定部133は、第1約定価格を17円/kWhに決定し、第1約定価格で約定する第1電力量を6kWhに決定する。
第1決定部133は、決定した第1約定価格と、第1約定価格で約定する第1電力量とを含む第1約定結果を、複数の買い手及び複数の売り手それぞれの識別情報と関連付けて記憶部12に記憶させる。
図7は、第1決定処理によって決定された第1約定結果を示す図である。図7は、複数の買い手及び複数の売り手それぞれについて、第1約定結果が含む第1約定量及び第1約定価格と、入札量から第1約定量を減算した非約定量とを表している。図7に示す例では、買い手A、B、C及び売り手A、B、Cについては全部又は一部の入札量が約定し、買い手D及び売り手D、Eについては全部の入札量が約定しなかった。
[約定価格の第2決定処理]
第2決定処理では、第2決定部134は、危急度と、複数の希望買電価格及び複数の希望売電価格のうち、希望買電価格が希望売電価格よりも高い一以上の希望買電価格と希望売電価格との組み合わせに含まれる希望買電価格及び希望売電価格とに基づいて算出した第2約定価格を含む第2約定結果を決定する。すなわち、第2決定処理は、希望買電価格及び希望売電価格に加えて、危急度に基づいて第2約定結果を決定する。
図8は、第2決定処理について説明するための図である。図8の横軸は入札量を表しており、縦軸は入札価格を表している。第2決定部134は、複数の希望買電価格を危急度が小さな順に、危急度が同じ場合には希望買電価格が大きな順に並べるとともに、複数の希望売電価格を危急度が小さな順に、危急度が同じ場合には希望売電価格が小さな順に並べる。そして第2決定部134は、複数の希望買電価格及び複数の希望売電価格を並べられた順に関連付けることによって、第2約定価格を算出する。
具体的には、第2決定部134は、図8に示すように、複数の買い手の希望買電価格を示す線を危急度が小さな順に並べ、危急度が同じ場合には希望買電価格が大きな順に並べた線と、複数の売り手の希望売電価格を示す線を危急度が小さな順に並べ、危急度が同じ場合には希望売電価格が小さな順に並べた線との交点を約定点とする。線の縦方向の位置は入札価格に対応しており、線の長さは入札量に対応している。図6と比較すると、図8においては、危急度が1以上である売り手B、Eの順番が後ろ(すなわち後回し)に変化している。そして第2決定部134は、約定点に対応する価格を、約定点よりも左の入札に対する第2約定価格として決定する。図8に示す例の場合、第2決定部134は、第2約定価格を18円/kWhに決定し、第2約定価格で約定する第2電力量を6kWhに決定する。
第2決定部134は、決定した第2約定価格と、第2約定価格で約定する第2電力量とを含む第2約定結果を、複数の買い手及び複数の売り手それぞれの識別情報と関連付けて記憶部12に記憶させる。
図9は、第2決定処理によって決定された第2約定結果を示す図である。図9は、複数の買い手及び複数の売り手それぞれについて、第2約定結果が含む第2約定量及び第2約定価格と、入札量から第2約定量を減算した非約定量とを表している。図9に示す例では、買い手A、B、C及び売り手A、C、Dについては全部の入札量が約定し、買い手D及び売り手B、Eについては全部の入札量が約定しなかった。図7と比較すると、図9においては、危急度が大きい売り手Bの約定量が低下し、代わりに危急度が小さい売り手C、Dの約定量が増加している。
このように第2決定部134は、危急度が高い、すなわち買電及び売電が必要になる時刻までに余裕がある買い手及び売り手の約定を、後回しにする。一方、第2決定部134は、危急度が低い、すなわち蓄電池を有さない又は蓄電池の空き容量が少ないためにすぐに買電及び売電が必要な買い手及び売り手を優先的に約定させるため、買い手及び売り手が電力小売事業者との間で買電及び売電をする電力量を削減できる。
[約定結果の選択処理]
第1決定部133及び第2決定部134が第1約定結果及び第2約定結果を決定した後に、約定結果選択部135は、第1約定結果が含む第1電力量の合計値と、第2約定結果が含む第2電力量の合計値とを比較することによって、第1約定結果及び第2約定結果のどちらを採用するかを決定する。
図10は、第1約定結果及び第2約定結果を比較する図である。図10は、複数の買い手及び複数の売り手それぞれについて、第1約定結果の約定量(第1電力量)と、第2約定結果の約定量(第2電力量)と、第2電力量から第1電力量を減算した差と、約定価格とを表している。
約定結果選択部135は、第1電力量の合計値が第2電力量の合計値より大きい場合に第1約定結果を採用すると決定し、第1電力量の合計値が第2電力量の合計値以下である場合に第2約定結果を採用すると決定する。図10に示す例では、第1電力量の合計値である6kWhが第2電力量の合計値である6kWhと同じであるため、約定結果選択部135は、第2約定結果を採用すると決定する。
第2約定結果を採用すると決定した場合に、約定結果選択部135は、第2電力量が第1電力量よりも大きい買い手又は売り手の第2約定価格を、保留価格として保留し、該保留価格における約定量とともに記憶部12に記憶させる。図10に示す例では、売り手C、Dの第2約定価格は、コマiにおける保留価格として保留される。保留価格は、後述の保留価格確定部136による保留価格確定処理において最終的に確定される。図10において売り手C、Dの約定価格の欄には、保留価格確定処理でとり得る範囲である10円/kWh〜18円/kWhが表されている。範囲の下限である10円/kWhは、電力会社に対する売り価格であり、範囲の上限である18円/kWhは、第2約定価格である。
また、約定結果選択部135は、第2電力量が第1電力量と同じである買い手又は売り手の約定価格(第2約定価格)と、該約定価格における約定量とを、確定約定結果として記憶部12に記憶させるとともに、通信部11を介して買い手端末2及び売り手端末3へ送信する。図10に示す例では、買い手A、B、C及び売り手Aについて、約定価格の欄には確定約定結果としての第2約定価格である18円/kWhが表されている。
なお、図10の例において、売り手Bは、第2電力量が第1電力量よりも小さいため、第1約定結果ではなく第2約定結果が採用されたことによって、コマiの時点では約定量が低下して損をしている状態にある。これに対して、後述の保留価格確定部136による保留価格確定処理は、売り手Bに対して、約定量の低下分について最低でもコマiの第2約定価格を保証するため、第2約定結果が採用されたことによって最終的に売り手Bが損をすることはなくなる。
一方、第1電力量の合計値が第2電力量の合計値より大きい場合には、約定結果選択部135は、第1約定結果を採用すると決定する。この場合には、約定結果選択部135は、約定価格の保留を行わずに、全ての買い手及び売り手の約定価格(第1約定価格)と、該約定価格における約定量とを、確定約定結果として記憶部12に記憶させるとともに、通信部11を介して買い手端末2及び売り手端末3へ送信する。保留価格確定部136による保留価格確定処理は行われない。これにより、約定結果選択部135は、全体として約定量が減少しない場合のみ、危急度を考慮した約定結果を選択するため、危急度を考慮することによって買い手及び売り手の全体に不利益が生じないようにできる。
[保留価格確定処理]
あるタイミング(コマi)において約定結果選択部135の選択処理によって約定量が低下した買い手又は売り手(図10の売り手B)の入札は、該タイミングより後のタイミング(コマi+1以降)でも継続して第1決定部133及び第2決定部によって約定計算がなされる。具体的には、コマiで約定量が低下した買い手又は売り手は、コマiにおける入札量及び入札価格と、1コマ進むごとに1を減算した危急度を用いて、コマi+1以降でも継続して入札したものとみなされる。すなわち、売り手Bのコマiの危急度は2であったため、コマi+1の危急度は1となり、コマi+2の危急度は0となる。継続された入札は、危急度が0となったコマで約定しなかった場合に該コマで約定しなかったものと確定され、それより後のコマには継続されない。
第1決定部133及び第2決定部134は、継続された入札と、コマi+1において新たに受け付けた入札と併せて、上述の第1決定処理及び第2決定処理を行う。そして約定結果選択部135は、上述の選択処理により、第1決定部133又は第2決定部によって算出された約定価格を選択する。継続された入札は、コマi+1においても約定しなかった場合に、危急度が0になるまで繰り返し次のコマに継続される。
保留価格確定部136は、継続された入札がコマi+1以降で約定した場合に、第1決定部133又は第2決定部134が継続された入札の希望買電価格又は希望売電価格に基づいて算出した約定価格(第3約定価格)と、第3約定価格で約定する第3電力量とを取得する。
図11(a)〜図11(c)は、保留価格確定部136が確定する約定結果を示す図である。図11(a)〜図11(c)は、継続された入札及び保留価格に係る買い手及び複数の売り手それぞれについて、コマiにおける第2電力量から第1電力量を減算した差と、コマiにおける約定価格がとり得る範囲と、コマi+1以降において継続された入札の約定価格(第3約定価格)と、保留価格確定部136が確定する確定約定価格とを表している。
図11(a)は、第3約定価格が保留価格以上である場合に保留価格確定部136が確定する約定結果を示す。図11(b)は、第3約定価格が保留価格未満である場合に保留価格確定部136が確定する約定結果を示す。保留価格確定部136は、コマi+1以降で取得した第3約定価格と、コマiにおいて保留された保留価格とを比較することによって、第3約定価格及び保留価格のどちらかを、保留価格に係る買い手又は売り手(すなわち、コマiで第2電力量が第1電力量よりも大きかった買い手又は売り手)の約定結果として確定する。これに応じて、保留価格確定部136は、第3約定価格及び保留価格のどちらかを、継続された入札に係る買い手又は売り手(すなわち、コマiで第2電力量が第1電力量よりも小さかった買い手又は売り手)の約定結果として確定する。
より具体的には、売り手の希望売電価格に係る第3約定価格及び保留価格について、保留価格確定部136は、第3約定価格が保留価格以上である場合に、保留価格を保留価格に係る売り手の約定結果として確定し、第3約定価格を継続された入札に係る売り手の約定結果として確定する。一方、保留価格確定部136は、第3約定価格が保留価格未満である場合に、第3約定価格を保留価格に係る売り手の約定結果として確定し、保留価格を継続された入札に係る売り手の約定結果として確定する。これにより、継続された入札に係る売り手は、第3約定価格及び保留価格のうち、高い方の約定価格を得ることができる。
また、買い手の希望買電価格に係る第3約定価格及び保留価格について、保留価格確定部136は、第3約定価格が保留価格未満である場合に、保留価格を保留価格に係る買い手の約定結果として確定し、第3約定価格を継続された入札に係る買い手の約定結果として確定する。一方、保留価格確定部136は、第3約定価格が保留価格以上である場合に、第3約定価格を保留価格に係る買い手の約定結果として確定し、保留価格を継続された入札に係る買い手の約定結果として確定する。これにより、継続された入札に係る買い手は、第3約定価格及び保留価格のうち、安い方の約定価格を得ることができる。
図11(a)に示す例では、売り手Bの入札は、コマi+1以降で保留価格である18円/kWhよりも高い第3約定価格である20円/kWhで約定した。そのため、保留価格確定部136は、保留価格に係る売り手C、Dの約定価格を保留価格である18円/kWhと確定し、継続された入札に係る売り手Bの約定価格を第3約定価格である20円/kWhと確定する。
図11(b)に示す例では、売り手Bの入札は、コマi+1以降で保留価格である18円/kWhよりも低い第3約定価格である16円/kWhで約定した。そのため、保留価格確定部136は、保留価格に係る売り手C、Dの約定価格を第3約定価格である16円/kWhと確定し、継続された入札に係る売り手Bの約定価格を保留価格である18円/kWhと確定する。
これにより、保留価格確定部136は、コマiにおいて約定結果選択部135の選択処理によって約定量が低下した買い手又は売り手がそれより後のコマで約定した場合に、約定量の低下分について、約定した価格(第3約定価格)と、該買い手又は売り手がコマiで約定できていれば得られたはずの約定価格(保留価格)とのうち高い方を提供する。そのため、約定結果選択部135の選択処理によって約定量が低下した買い手又は売り手は、最低でも保留価格が保証されながら、より有利な約定価格で約定する機会を得ることができる。
一方、コマiにおいて約定結果選択部135の選択処理によって約定量が増加した買い手又は売り手は、第1決定処理(例えば従来手法のブラインド・シングルプライスオークション)のみを行う場合では電力会社との間で買電又は売電をするための価格で買電又は売電をする必要があったところ、第2決定処理を行うことによって電力会社との間で買電又は売電をするための価格よりも有利な第3約定価格及び保留価格のどちらかを得ることができる。
さらに、保留価格確定部136は、継続された入札がコマi+1以降で危急度が0になっても約定しなかった場合に、電力会社との間で買電又は売電をするための価格(電力会社に対する売り価格と電力会社からの買い価格)を、保留価格に係る買い手又は売り手の約定結果として確定する。このとき、保留価格確定部136は、保留価格を、継続された入札に係る買い手又は売り手の約定結果として確定する。
図11(c)は、継続された入札が約定しなかった場合に保留価格確定部136が確定する約定結果を示す。図11(c)に示す例では、売り手Bの入札は、コマi+1以降で危急度が0になっても約定しなかった。そのため、保留価格確定部136は、保留価格に係る売り手C、Dの約定価格を電力会社に対する売り価格である10円/kWhと確定し、継続された入札に係る売り手Bの約定価格を保留価格である18円/kWhと確定する。
これにより、保留価格確定部136は、コマiにおいて約定結果選択部135の選択処理によって約定量が低下した買い手又は売り手がそれより後のコマで約定できなかった場合であっても、約定量の低下分について該買い手又は売り手がコマiで約定できていれば得られたはずの約定価格(保留価格)を提供する。そのため、約定結果選択部135の選択処理によって約定量が低下した買い手又は売り手が最終的に損をすることはない。
一方、保留価格確定部136は、コマiにおいて約定結果選択部135の選択処理によって約定量が増加した買い手又は売り手については、最低でも電力会社との間で買電又は売電をするための価格を約定価格とするため、第1決定処理のみを行う場合よりも大きな不利益を発生させることはない。
保留価格確定部136は、確定した約定価格と、該約定価格における約定量とを、確定約定結果として記憶部12に記憶させるとともに、通信部11を介して買い手端末2及び売り手端末3へ送信する。
[実施形態の効果]
本実施形態に係る約定価格決定装置1においては、第1決定部133が危急度を用いずに第1約定結果を決定し、第2決定部134が危急度を用いて第2約定結果を決定し、約定結果選択部135が約定量の合計値に基づいて第1約定結果及び第2約定結果のどちらを採用するかを決定する。これにより、約定価格決定装置1は、買い手及び売り手の全体として約定量を増加させることによって、買い手及び売り手が電力小売事業者との間で買電及び売電をする電力量を削減し、買い手及び売り手の利益を増やすことができる。
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
1 約定価格決定装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 入札価格取得部
132 危急度取得部
133 第1決定部
134 第2決定部
135 約定結果選択部
136 保留価格確定部

Claims (9)

  1. 所定のタイミングで、希望買電価格を複数の希望買電者から取得するとともに、希望売電価格を複数の希望売電者から取得する入札価格取得部と、
    前記希望買電者にとって買電が必要な時刻までの余裕時間又は前記希望売電者にとって売電が必要な時刻までの余裕時間に対応する危急度を取得する危急度取得部と、
    複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格のうち、前記希望買電価格が前記希望売電価格よりも高い一以上の前記希望買電価格と前記希望売電価格との組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて算出した第1約定価格を含む第1約定結果を決定する第1決定部と、
    前記危急度と、前記組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格とに基づいて算出した第2約定価格を含む第2約定結果を決定する第2決定部と、
    前記第1約定価格で約定する第1電力量の合計値と、前記第2約定価格で約定する第2電力量の合計値とを比較することによって、前記第1約定結果及び前記第2約定結果のどちらを採用するかを決定する約定結果選択部と、
    を有する約定価格決定装置。
  2. 前記約定結果選択部は、前記第2約定結果を採用すると決定した場合に、前記第2電力量が前記第1電力量よりも大きい前記希望買電者及び前記希望売電者の前記第2約定価格を、保留価格として記憶部に記憶させ、
    前記所定のタイミングより後のタイミングで、前記第1決定部又は前記第2決定部は、前記第2電力量が前記第1電力量よりも小さい前記希望買電者又は前記希望売電者の前記希望買電価格又は前記希望売電価格に基づいて、第3約定価格を算出し、
    前記第3約定価格と前記保留価格とを比較することによって、前記第3約定価格及び前記保留価格のどちらかを、前記第2電力量が前記第1電力量よりも大きい前記希望買電者又は前記希望売電者の約定結果として確定する保留価格確定部をさらに有する、請求項1に記載の約定価格決定装置。
  3. 前記保留価格確定部は、前記希望売電者の前記希望売電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格以上である場合に、前記保留価格を前記約定結果として確定し、前記希望売電者の前記希望売電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格未満である場合に、前記第3約定価格を前記約定結果として確定する、請求項2に記載の約定価格決定装置。
  4. 前記保留価格確定部は、前記希望買電者の前記希望買電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格未満である場合に、前記保留価格を前記約定結果として確定し、前記希望買電者の前記希望買電価格に係る前記第3約定価格が前記保留価格以上である場合に、前記第3約定価格を前記約定結果として確定する、請求項2又は3に記載の約定価格決定装置。
  5. 前記所定のタイミングより後のタイミングで、前記第1決定部及び前記第2決定部が、前記第2電力量が前記第1電力量よりも小さい前記希望買電者及び前記希望売電者の前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて約定できなかった場合に、前記保留価格確定部は、小売電気事業者との間で買電及び売電をするための価格を前記約定結果として確定する、請求項2から4のいずれか一項に記載の約定価格決定装置。
  6. 前記約定結果選択部は、前記第1電力量の合計値が前記第2電力量の合計値より大きい場合に前記第1約定結果を採用すると決定し、前記第1電力量の合計値が前記第2電力量の合計値以下である場合に前記第2約定結果を採用すると決定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の約定価格決定装置。
  7. 前記第2決定部は、複数の前記希望買電価格を前記危急度が小さな順に、前記危急度が同じ場合には前記希望買電価格が大きな順に並べるとともに、複数の前記希望売電価格を前記危急度が小さな順に、前記危急度が同じ場合には前記希望売電価格が小さな順に並べ、複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格を並べられた順に関連付けることによって、前記第2約定価格を算出する、請求項1から6のいずれか一項に記載の約定価格決定装置。
  8. 前記第1決定部は、複数の前記希望買電価格を前記希望買電価格が大きな順に並べるとともに、複数の前記希望売電価格を前記希望売電価格が小さな順に並べ、複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格を並べられた順に関連付けることによって、前記第1約定価格を算出する、請求項1から7のいずれか一項に記載の約定価格決定装置。
  9. コンピュータが実行する、
    所定のタイミングで、希望買電価格を複数の希望買電者から取得するステップと、
    前記所定のタイミングで、希望売電価格を複数の希望売電者から取得するステップと、
    前記希望買電者にとって買電が必要な時刻までの余裕時間又は前記希望売電者にとって売電が必要な時刻までの余裕時間に対応する危急度を取得するステップと、
    複数の前記希望買電価格及び複数の前記希望売電価格のうち、前記希望買電価格が前記希望売電価格よりも高い一以上の前記希望買電価格と前記希望売電価格との組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて算出した第1約定価格と、前記第1約定価格で約定する第1電力量とを含む第1約定結果を決定するステップと、
    前記危急度と、前記組み合わせに含まれる前記希望買電価格及び前記希望売電価格に基づいて算出した第2約定価格と、前記第2約定価格で約定する第2電力量とを含む第2約定結果を決定するステップと、
    前記第1電力量の合計値と、前記第2電力量の合計値とを比較することによって、前記第1約定結果及び前記第2約定結果のどちらを採用するかを決定するステップと、
    を有する約定価格決定方法。
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