JP2005339527A - 電力市場における入札支援システム - Google Patents

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島 正 俊 川
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見 高 浩 立
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雄 一 加名生
Hirotomo Obara
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Abstract

【課題】 電力市場の入札曲線およびその不確実性を考慮して自社の入札曲線を最適化するシステムをを提供する。
【解決手段】 電力価格および電力供給量の落札値をオークション方式で決める電力市場において、予め与えられた市場の電力供給曲線と電力需要曲線に対して、市場において落札される電力量あるいは収益あるいは供給高が最大になるように市場への入札曲線を決めるようにした。
【選択図】 図10

Description

本発明は,電力取引市場における入札支援システムに関する。
電力取引は2000年3月より段階的に自由化の範囲が拡大され、2005年には電力取引市場が設立される予定になっている。電力市場が開設されると電力価格が市場の状況で日々変動するようになる。このような状況では、発電業者や電力取引業者は電力という商品を取引する上で今日とは違った方法論を必要とする。また、電力価格の変動は取引を行う上でのリスクとなるため、何らかの方法でこのリスクを回避しつつ収益を最大化していく必要がある。
市場で扱われる電力商品としては、スポット市場で取引される商品と先渡し市場で扱われる先渡し商品がある。このうち、スポット市場は、翌日に受け渡される電力を前日に取引するため前日市場とも言われる。前日市場では、30分単位で電力の売買が行われる。この場合、電力を販売する側と購入する側がそれぞれ希望する電力量と価格を入札し、いわゆるオークション方式によって落札価格と落札高が決定される。
電力市場において想定されているオークションでは、電力を販売しようとする業者は、希望する電力価格pを電力値Dと対応させて入札する。例としては、5 MWまでは5 k\/MWh、10 MWまでは10 k\/MWh、15 MWまでは20 k\/MWh、20 MWまでは30 k\/MWh、というように、電力値の関数として電力価格を入札する。同様な関数を各時刻において作成し、30分単位の場合には48の入札曲線で一日分の電力を同時に入札する。ここでは、このような入札を入札曲線による入札と呼ぶ。この場合、入札曲線fi

p = fi(D)

と表すことができる。ここで、添え字のiはi番目の業者による入札曲線を意味する。市場開設者は、各々の取引業者から提出された入札曲線を集計し、積算(Aggregate)された入札曲線を作成する。この場合、各業者の入札電力のうち、価格の安い入札から順番に採用していき、最終的には一つの入札曲線(積算された入札曲線)を作成する。
一方、電力を購入しようとする業者も同様に希望の価格と量を入札する。電力購入者は、価格によらずに電力を必要とする場合が多いので、購入用の入札曲線は価格に対する勾配が大きくなる傾向がある。この極限として、

D = Di(=一定値)

のような入札曲線を用いることも可能である。これは、量のみを入札する場合に相当する。一般には、購入する側、販売する側がそれぞれ入札曲線による入札を行うが、以下では供給側のみが入札曲線で入札し、需要側は量のみを入札する場合の入札の方法によって従来方法の例を示す。
図1は、入札決定の様子を示している。ここでは、簡単のために供給側の入札業者は2社のみであるとする。需要側は何社でもかまわないが、総需要がD0であるとする。すなわち、
Figure 2005339527
であるとする。ここで、Diは需要側の各社の入札量であり、n社の合計がD0であることを意味している。
電力を販売する側(供給側)は、入札曲線で入札を行うものとし、その入札曲線が、図1のa)およびb)のようであるとする。この場合、各入札者は何MWまでは何¥/kWh、という形式で入札する。
一方、何¥/kWh 以上であれば、何MWまで販売可能という形式で入札する場合もあるが、同様に計算することが可能であるので、ここでは前者の場合を用いて説明する。
入札曲線は、曲線といっても、入力した価格と量の組によって階段状の線になるが、価格が一定になる範囲は自由に定めてよく、この範囲を細かくしていけばなめらかな曲線に近づく。ここでは、これらをすべて入札曲線と呼ぶ。
一方、市場の運営者は両者の入札曲線から価格の低い順に電力を落札していき、最終的に需要D0と供給がつりあったところが落札価格p0になる。この様子を示したものが図1のc)である。この時、同時にa)の入札者に対しても、b)の入札者に対しても、それぞれの落札高が決まる。この様子を示したものが図1のd)とe)である。この時、通常はa)の入札者に対しても、b)の入札者に対しても、その全落札電力が落札価格p0で買い取られることになる。買取価格は全体の落札価格ではなく、各入札者の入札価格ということも考えられるが、以下では買取価格は全体の落札価格であるとして、従来技術および本発明の特徴を説明していく。
図2と図3は具体的な数値例を示している。図2で、市場の入札曲線とは自社以外のすべての入札者の曲線を積算したものであり、積算された入札曲線とは自社の入札曲線と市場の入札曲線の積算、すなわち、市場に入札されたすべての入札曲線を積算したものである。入札に参加する業者は、図2にように電力と価格を組にして提出する。n+1個の数字の組を

(Di,j、pi,j) i = 0, ..., n

と表すと、これでj番目の業者の入札曲線は定義できる。
積算操作を定義すために、図3の入札曲線の縦軸と横軸を反転させたものを考える。この場合、j番目の業者の入札曲線は、

D = gj (p)

と表される。関数gj
Figure 2005339527
ri,j = di,j - di-1,j

と表現することができる。ここで、δ(x)はデルタ関数で、(D0, j、p0, j)=(0、0)とする。このように表現すると、m個の積算された入札曲線は、
Figure 2005339527
と表現することができる。
電力市場におけるオークションでは、供給側の入札者は通常は自社の発電機の発電コストに適当な利益を加えた価格で入札を行うのが普通であった。発電機の発電コストは一般に発電量が大きくなるにつれて増加する。また、複数の発電機を用いて電力供給する場合、より多くの電力を供給するためには、比較的に発電コストの高い発電機も動かさなくてはならない。従って、一般に供給量が多いほど発電コストが高くなる。この結果、入札曲線は一般に右上がり(電力値の増加関数)となる。
一方、市場での落札価格および落札高は、他社の入札量にも依存する。他社の入札曲線と積算された需要量がわかれば落札量および落札価格がわかるが、これらは他社の戦略によるものであり、その入札曲線は未知のものである。昨日の落札価格に関する情報は当然に得られる。その他の情報に関しては限られた情報しかない。市場によっては、全入札曲線を公表する場合もある。図4はカリフォルニア電力取引所(CalPX)における、1999年1月29日の午後6時の入札曲線の例である。この場合には、供給側(Supply Curve)も、需要側(Demand Curve)も曲線で入札している。これらの入札曲線から落札高D0と落札価格S0が決まっている様子がわかる。但し、CalPXの場合には入札曲線が公表されるのは数ヵ月後になる。日本の場合には、どこまで公表されるかわからないので、種々の場合を考慮して検討しておく必要がある。通常は、落札価格と落札量(株式市場における出来高)が公表されるものと想定される。
このような状況において、電力を販売しようとする者は何らかの方法で入札曲線を作成する必要がある。従来、この場合には上述のように発電コストに何らかの利益(マージン)を加えて入札曲線を作成するしかなかった。しかし、マージン率を大きくすると必ずしも希望するだけの電力を落札できない可能性がある。また、場合によっては十分な利益が得られないという場合もある。さらに、落札価格や落札量が不明であるのでリスクも伴う。従って、前日市場において入札曲線を作成する場合には、これらに対応した手段が必要になる。
電力市場としては、上述の前日市場の他に、先渡し商品(フォワード)を取引する先渡し市場が開設される予定である。先渡し商品とは、「将来のある時点で、予め決められた価格で商品を販売あるいは購入する」という契約である。類似した商品に、先物(フューチャーズ)がある。一般に、先渡し商品は電力取引業者間の相対での契約であり実際に商品を受け渡す時に決済されるが、先物商品は取引所を相手とする契約で、時価で毎日換算されて差金を決済するという違いがある。日本の電力市場では、先物は扱われない予定であるが、その代わり先渡しを取引する市場が開設される予定である。これは市場であるから原則的には相対ではなく先物と似た匿名の取引であるが、契約が成立した後に顕名にされ相対的な取引になる予定である。
先物や先渡しは将来の価格変動リスクをヘッジするために取引されるが、電力商品の場合にも、発電業者は先渡しを販売することで将来の収益を確定させることができるし、電力取引業者は卸電力の先渡しを買うことで需要家に電力を供給する場合の価格変動リスクを回避することができる。
市場以外での取引においても、先渡し市場における電力価格は取引の重要な指標になると考えられる。従って、電力取引においては先渡し価格(フォワード価格)を評価することが重要になる。フォワード価格は、将来のある時期に受け渡される商品の現在の価格であり、現在の電力価格とは別のものである。
一般に、市場で扱われている先渡し(あるいは先物)商品の受け渡し価格を、受け渡し時刻の関数としてプロットしたものを「フォワード曲線」という。これは将来の価格予測ではなく、「将来のある時点での電力を現在市場で買うと幾らか?」という価格であり、予測ではなく確定的なものである。
フォワード曲線は「その商品を今買えば幾らか」という情報であり、これはいわばその商品の値段であるから、電力を売買しようとするものは必ず参照すべき曲線である。電力の生産者(発電会社)の場合には発電コストを基準に価格を決めるため、一見、フォワード曲線を必要としないようにみえる。しかし、同じ条件であれば市場で取引されている価格より安く売る理由はないであろうから、市場価格を調査する必要がないわけではない。
金融・証券関連の先渡し商品の場合には、先渡し商品の市場価格が比較的容易に手に入る。しかし、電力商品の場合には市場規模が大きくないため、必要な先渡し商品の価格が市場から得られないことが多い。従って、経験的あるいは理論的な方法でフォワード曲線を作成する必要がある。すなわち、「将来のある時期に受け渡される商品を現在買えば幾らか」という価格を推定する必要があるわけである。
また、何らかの方法でフォワード曲線が得られたとすると、これは、あくまで本日のフォワード曲線ということになる。この場合、例えば、受け渡し時期が来年の1月の商品の価格がいくらで、7月の商品の価格がいくらであるというような情報が得られるが、来年の1月の商品を売買しようとしているトレーダーにとって重要なのは、「来年の1月の価格が、明日になると上がるか下がるか?」ということである。
トレーダーにとって、来年1月の価格が、「かなりの確度で明日上がる」と予想できるのであれば、その商品を今日に売る気にはなれない。逆に、「かなりの確度で明日下がる」と誰もが予想できるのであれば直ちに売りたいわけであるが、この場合には逆に、買おうとする業者はいない。
すなわち、ある特定の月の電力商品の価格が、「明日、上がるか下がるかわからない、あるいはトレーダーによって大きく見解が分かれる」というような状況でなければ、そもそも市場での取引は成立しない。
一方、「明日になっても価格が変わらない」ということも考えにくい。時間が経つにつれて、来年1月の気象予報も変わってくるし、需給の状況に関しても状況が変化してくる。すなわち、来年1月の電力商品の先渡し価格は毎日変化すると考えられる。従って、これまでの考え方では、電力の先渡し商品を売買しようとする業者は、いつ売買を行えばよいか判断ができないという問題があった。
通常、先渡し価格は現在の商品価格(スポット価格)と無関係ではない。スポット価格Sと先渡し価格fの差(S−f)をベーシスというが、株式の場合、この関係は金利rと配当qを用いて以下のように計算できる。
Figure 2005339527
従って、rとqの大小関係でベーシスは正にも負にもなりえる。
一方、商品の場合にはqは保管コスト(運送費用や保険を含む)であり、通常は負になる。従って、r−q>0であるから、f>Sとなり、ベーシスは負になる。すなわち、先渡し価格はスポット価格より高いと考えるのが普通である。この状態をコンタンゴ(順鞘)と呼ぶ。
保管の困難な商品や季節性の商品では、必ずしもコンタンゴにならない。この場合、qの代わりにコンビニエンス・イールド(保有収益)という概念が用いられる。このときにはqは正の値をとり、ベーシスは正にも負にもなりうる。コンビニエンス・イールドとは、その商品を現在に確保しておくことによる便益を数量化したものである。(もし、市場に先渡し商品が存在すれば、他の値はすべて既知なのでコンビニエンス・イールドは逆算できる。)
一般には、供給が限られている商品にはコンビニエンス・イールドが生じやすい。電力商品の流動性が悪いならば、コンビニエンス・イールドが大きくなる可能性がありqは大きくなる。この場合にはフォワード曲線は(rが小さければ)逆鞘(f<S)になりやすい。
電力の場合、流動性が低いこと、取引経験が不足していること、地域毎の特殊性があること等から、現状ではコンビニエンス・イールドを評価することは極めて難しいという問題がある。しかし、フォワード曲線の有無によっては取引方針が変わってくるため、結果的に収益に大きな影響を与える。従って、極めて難しいながらもフォワード曲線を作成しなければならないという問題があった。
先行技術文献
本発明は、未だ開設されていない電力市場において入札価格を評価し、リスクの管理を行い、入札戦略を策定するためのシステムに関するものであるため、先行技術文献は少ない。特に電力市場向けの入札曲線の作成方法に関する特許は本願出願人の知る限り公開されていない。不確実性を含めて電力価格を決定する特許としては、以下の特許文献1がある。
特許文献1は商品を電力に限っていはいないが、電力に当てはめると、需要が変動した場合に発電コスト等を考慮して損失が一定確率以下になるような電力価格を求めるものである。この場合、入札曲線の不確実性は考慮していないので、入札曲線の作成に用いることはできない。
特開2004−171180「価格決定装置」
上述したように,電力取引市場が開設された場合には、電力市場への入札曲線を作成する必要があるが、この入札曲線の作成方法が確立されていないという問題があった。現状では、発電コストにもとづいて入札するしかないが、この場合には希望の量が落札できなかったり、期待される利益が得られないという問題があった。
さらに、卸電力の先渡し市場で電力を売買する場合には、電力のフォワード曲線を作成する必要があるが、先渡し商品の取引量が少ないためフォワード曲線の作成が困難であるという問題があった。
そこで、本発明では、前日市場において市場の入札曲線およびその不確実性を考慮して自社の入札曲線を最適化する方法を提案する。また、需要と供給の関係を用いて、フォワード曲線を作成することを可能にするモデルを提案することを目的としている。
発明を解決するための手段
本発明による電力取引システムは、電力価格および電力供給量の落札値をオークション方式で決める電力市場において、予め与えられた市場の電力供給曲線と電力需要曲線に対して、市場において落札される電力量あるいは収益あるいは供給高が最大になるように市場への入札曲線を決めることを特徴とするものである。
上記の電力取引システムにおいて、予め与えられた電力供給曲線に対して、需要量の不確実性を考慮して市場において落札される電力量あるいは収益あるいは供給高が最大になるように入札曲線を決めることができる。
上記の電力取引システムにおいて、予め定められた多数の発電機からランダムにいくつかの発電機を選んで、その費用関数と需要の予測値から電力価格の変動を求めることができる。
上記の電力取引システムにおいて、入札曲線の作成において、電力量および電力価格の与えられたデータ値に従ってグリッドを構成し、このグリッドに従って生成可能な入札曲線のすべてあるいは一部を入札曲線とし、電力価格およびその変動を求めることができる。
上記の電力取引システムにおいて、予め与えられた供給曲線として直近に公表された実績値、あるいは日時や気温その他の条件が同様な日の実績値を用いて、最適な入札曲線を作成することができる。
上記の電力取引システムにおいて、予め与えられた供給曲線として、昨日あるいは日時や気温その他の条件が同様な日の落札高および落札価格の実績値を用いて、その値を満足するように作成された供給曲線を用いて、最適な入札曲線を作成することを特徴とする電力取引システム。
上記の電力取引システムにおいて、昨日あるいは日時や気温その他の条件が同様な日の落札高および落札価格の実績値を満足するように作成された多数の供給曲線を用いて落札価格の変動を評価し、最適な入札曲線を作成することことができる。
電力取引システムにおいて、電力需要の将来予測と、電力需要量あるいは電力供給量と電力価格の関係を用いて、将来の電力価格を予測し、これらから先渡し商品の受け渡し価格を評価することができる。
上記の電力取引システムにおいて、電力需要量あるいは電力供給量と電力価格の関係を求めるための手段として、自社あるいは他社の発電機の費用データを用いることができる。
上記の電力取引システムにおいて、将来の与えられた時刻における、予め定められた複数の発電機の費用関数と、市場における需要量の予測値から、先渡し電力商品の価格を評価し、また、これらの変動から収益の変動を評価することができる。
本発明による電力取引市場における入札曲線決定方法は、電力供給量と電力価格のグラフ上に収益評価のための仮の自社の入札曲線を入力する第1段階と、前記グラフ上に、直近の過去の他社の入札曲線、あるいは、類似の電力取引市場における過去の他社の入札曲線を入力する第2段階と、前記収益評価用の自社の入札曲線と前記他社の入札曲線とから総入荷曲線を生成する第3段階と、前記総入札曲線から電力の落札価格を出力する第4段階と、前記電力落札価格を評価する第5段階と、マージンを増減させて再度収益評価用の自社の入札曲線を作成する第6段階と、を有し、前記第1〜第6段階を繰り返して、電力量あるいは収益あるいは供給高が最大になる自社の落札曲線を出力する、ことを特徴とす
るものである。
次に本発明による「電力取引ステム」の実施の形態について図面に基づいて説明する。本発明では、明日の取引において、どのような戦略で入札を行えばよいかを判断する手段を与える。すなわち、いかなる入札曲線を作成すれば、収益が最大、あるいは販売額が最大、あるいはリスクが最小、その他の目的を達成できるかを評価する手段を提供する。
図5は本発明によって作成された入札曲線の例を示している。ここで、101は収益評価のために仮に作成した自社の入札曲線であり、入札者が自由に作成することができるものである。102は昨日あるいは同様な条件の過去の日の他社の入札曲線(自社以外を全て積算したもの)である。他社の入札曲線に関しては、それぞれ一社ごとの入札曲線を知る必要はなく、自社以外のすべての入札者の入札曲線がわかればよい。これには、自社を含めた市場の全入札曲線がわかれば十分である。ここから自社の入札曲線を差し引くことで他社の入札曲線がわかる。
103はこのようにして得られた他社の入札曲線と、収益評価のために作成した自社の入札曲線とを積算した総入札曲線である。従って、この総入札曲線は実際のものとは異なり、収益評価等に用いるための仮のものである。ここで、需要側の総電力が、例えばD0とわかれば、落札価格はp0となることがわかる。落札価格がわかれば、自社の入札に対する結果の落札量もわかる。同じ価格帯の入札が多数ある場合には、比例配分等の定められた方法で計算する。
翌日の入札戦略を考える場合、まったく情報がなければ落札価格がランダムに変化すると考えるしかない。しかし、この場合にも「いくらの価格を中心に、どのくらいの変動で」ランダムに変動するかを考える必要がある。このような作業を行わずに、「自社の都合だけで入札を行い、結果は市場にまかせる」という戦略はリスク管理上望ましくない。オークション・システムであるから、ざら場のように市場価格を見ながら「希望の価格の買いがあれば売る」といった戦略をとることはできない。基本的には「この価格でこの量を売りたい」という目標と、どのくらい売れるかどうかの予測作業が必要である。
スポット市場では売買しないという戦略も考えれるが、翌日の電力に余剰があり、市場にニーズがあって利益を得る機会があるのに実行しないということも通常は考えられない。また、発電機を持たない業者の場合には、需給のインバランスを最終的に調整するのはスポット市場であるので、スポット市場での入札は避けられない。
入札に際して最も簡単な戦略は、発電コストをベースに入札する方法である。これは「損をしなければよい、利益を最大化する必要はない」ということであり、結局は「何もしない方がまし」ということになりかねない。完全に予測ができなくとも、取引に際して最善を尽くすべきであることは当然であろう。
落札価格を予測するためには、他社の入札曲線が必要となる。最も簡単な方法は、昨日の入札曲線を使うことである。昨日の入札を見直して、他社の入札状況が同じであった場合、自社はどのような入札を行うべきであったかを再検討することは無駄ではない。昨日のデータが得られない場合には、過去において同様の条件に相当する日のデータを用いればよい。全入札曲線と自分の入札曲線がわかれば他社の入札曲線を推定することができる。図4に示したCalPXのように、市場によっては一定の期間が経過すれば入札曲線を公開している場合もある。従って、過去のデータを入手することは非現実的な仮定ではない。仮にこのようなデータを入手できなくても、昨日の落札価格は確実に知ることができる。昨日の総需要(出来高)も公表される可能性が高い。この場合は、入札曲線はある一点においては既知といえる。さらに、他社の持っている発電機の種類や数に関しても、ある程度まで推測が可能であろう。従って、入札曲線はある程度まで推定することは可能であると考えられる。
以上のような方法で、他社の入札曲線が推定できれば、自社の入札データをいろいろと変えて入札結果を検討することができる。
図5と図6は、この方法の一例を示したものである。図6は、図5の自社の入札曲線がコスト曲線に相当する仮定し、これに一定比率のマージンを加えて入札曲線を作成し、再度入札を行った場合の結果を示している。ここでは、マージン率と落札高、コストおよび利益の関係が示されている。マージン率が0の場合は、いわばコスト・ベースで利益率0で入札した場合に相当する。市場の落札価格で全ての電力を買いとる仕組みにより、この場合にも利益が出ていることがわかる。ここからマージンを加えていっても落札量は増えず利益は増加しない。ある値を超えると、落札ができなくなり、利益は急減する。
一方、驚くことにコスト以下の価格で入札しても利益が出ていることがわかる。しかも、この場合には落札高は逆に増加する。コストの60%程度の価格で入札しても利益が出ることがわかる。これは、入札価格を下げると落札高が増えるためであり、何らかの事情でできるだけ多くの電力を供給したい場合には考えられる戦略である。
図7と図8は他の検討例である。この例は、比較的に入札者が少ない場合である。従って、積算された電力量も少なく、入札曲線の形も粗くなっている。
図8は図6と同様に、自社の入札曲線に対してマージン率を考慮して計算した落札高、コストおよび利益を示している。この場合には、コスト以下で入札した場合に、利益は減少しないで落札高が増加するような領域も存在する。入札者が少ない場合には、自社の入札戦略が市場に与える影響が大きいため、落札価格は入札戦略に依存するようになる 図9は本取引システムの実施例1に係わる構成図を示している。ここでは、仮入力として入札曲線を入力する手段21と、過去のデータ22と発電機データ23から他社の入札曲線を作成する手段24によって、市場の入札曲線25を作成し、仮入力を評価し、それでよければその入力を本入力として入札を実施する。ここで、仮入力の結果が満足の行くものでなければ、仮入力を作成しなおして、同様な評価を行う。この評価方法を詳しく説明したものが図10である。
もし昨日の入札結果における総需要(出来高)がわからない場合、あるいは、わかっていても翌日の需要に不確実性がある場合には、需要を変化させて入札状況を検討することになる。この様子を示したものが、図11と図12である。図11からわかるように、需要が連続的に変化した場合にも価格は離散的に変化する。
図13および図14は、本取引支援システムの実施例を説明する図である。ここでは、需要量がランダムに変化した場合の落札価格が計算されている。ここでは需要の分布がいわゆる対数正規分布に従うと仮定して、その場合の落札価格の分布を計算している。この価格から自社の落札高、売上および利益が計算できるので、種々の入札曲線に対して価格を計算して、利益の期待値およびリスク(ばらつき)を計算することができる。
以上の結果では他社の入札曲線は固定的であると考えていた。しかし実際には他社の入札曲線にも大きな不確実性がある。これは、他社がいかなる戦略をとってくるか不明であるということもあるが、仮に他社が正直にコスト・ベースで入札を行ったとしても、どの発電機を入札に参加させるかわからないためでもある。従って、入札曲線の不確実性に対しても、シミュレーションを行う必要がある。
この場合、最も簡単な方法は、あらゆる場合を全て検討することである。しかし、この方法では計算量や計算時間が極めて大きくなる可能性があるため、計算方法および量に関してあらかじめ検討しておく必要がある。あらゆる場合といっても、入札曲線には単調増加であるという特徴がある。また、入札の単位も1MWごとであるとか、離散的な関数形になると考えられる。この様子を示したものが図15である。これは、入札曲線は価格も量も離散的に与えられ、その最大値はそれぞれpn、Dmであると仮定した場合の例である。また、価格、量の入札可能な値として、それぞれ最大値をn等分、m等分した値を取るとしている。従って、入札曲線は、図中に301、302、303等で示したように、原点と点Q1を結ぶ点線で示したグリッドに沿って書かれることになる。これは必ずしも最大入札量における価格がpnであるというわけではない。例えば、303と示した入札曲線では、Dmにおける価格はp2である。但し、303のような入札曲線は含まれていないので注意を要する。このような入札曲線を含めるには原点とQを結ぶような小さなグリッドを考える必要がある
このようなグリッドを考えると、可能な入札曲線の数Nを計算することができる。上の例では、
Figure 2005339527
になる。この値は、mやnが大きくなると非常に大きな値になる。例えば、m=n=5では、252通り、m=n=10では、184756通りになる。この程度の値であれば十分に計算可能であるが、前日市場の場合には1日程度の余裕があるので百万ケース程度の計算は十分に可能である。また、このグリッドの粗さも必ずしも現実に則している必要はなく、必要とする計算結果の精度を考えて粗くすることが可能である。但し、この方法の欠点は、例えば最大需要まで価格が0というような現実的にはありえないような場合まで検討結果に含めてしまう点である。このような場合には、図中にいくつかの点を決めておき、この点以下を通る曲線は排除するとか、重みを小さくするとかの手法を組み合わせることが考えられる。
一方、前に述べたように、ある点(昨日の値)を通る入札曲線を調べる場合には、図16のようなグリッドを作成すれば良い。この場合には、全領域をグリッド化するよりも計算量は少なくなる。
入札曲線の不確実性を調べるための他の方法は、発電機の費用データを用いる方法である。この場合、想定される発電機すべてを入力しておき、このうちのいくつかが入札に参加した場合の入札曲線を作成する。このようなシミュレーション行った結果が図17である。図17では、30台の発電機のコスト関数を入力し、その中からランダムに10台の発電機が入札に参加した場合の入札曲線を示している。この場合、需要が一定であっても、落札価格は変動する。この場合には、仮に発電機データが正確でなくても実際に可能性のある入札曲線が得られるという利点がある。
実際に図17の結果を用いて落札価格の分布を計算した例が図18である。この場合は、需要が70 MWで一定の場合の落札価格の分布を示している。このような価格分布は、リスク計算を行う場合に利用することができる。すなわち、価格の広がり(あるいは標準偏差)をリスクと考えることができる。この価格分布は確率論的に作成されたものではなく、想定される発電機を考慮した分析から得られたものであるため、より現実に近いものである。
同様な方法で将来のフォワード曲線と、その変動を評価することができる。この場合、発電機の費用データからコスト曲線あるいは市場価格を算出し、別途に求めた需要予測からフォワード価格を計算する。
この方法は、電力販売用の入札曲線の作成と同様な方法である。この入札曲線と、需要予測に相当する発電量からコストベースの電力価格が計算される。
図19は発電機のスケジュールを示した概念図を示している。ここでは、5台の発電機が記入されているが、これは何台でもかまわない。
図20は発電スケジュールからフォワード曲線を作成する方法の例を示している。ここでは、スケジュールに従って、ある時刻の発電機の組合わせが決まり、ここから入札曲線が計算され、需要データと組み合わせて電力価格が計算される。この場合、必ずしも入札曲線を作成しなくても単に発電機の組合わせから発電コストを求めて適当なマージンを加えて電力価格を計算してもかまわない。これはいわばスポット価格の予測であるから、金利およびコンビニエンス・イールドを用いて受渡し価格を評価することができる。コンビニエンス・イールドは市場取引が一件でもあれば計算ができる。しかし、評価者の入力データとすることも可能である。この場合、電力需給が逼迫している場合には大きな値を入れる。どのような値を入れるかは過去の取引実績を加味して入力することになる。
図21は需要の将来予測の例である。図22は、図21の需要の将来予測と発電機のスケジューリングから計算されたフォワード曲線のイメージ図を表している。細かい周期は1週間単位の需要の変動によるものである。但し、この例は概念を示すための図であるから、金利、コンビニエンス・イールドともに0としている。
図23は、本発明におけるシステムの画面例を示している。ここには、データ読み込み部、(フォワード)市場曲線作成部、市場予測、等のボタンがある。
図24は、本発明におけるシステムの画面例である。ここでは、入札曲線作成画面を示している。この場合は、1時間ごとに入札を行う例であり、30分ごとに入札を行う場合には48行の入力行が必要になる。
図25は、本発明におけるシステムの画面例である。ここでは、入札曲線作成画面を示している。
図26は、本発明におけるシステムの画面例である。ここでは、発電機の登録画面を示している。ここには、本発明に直接は必要ない項目も含まれているが、これらは一般的な情報として用いられる。
図27は、本発明におけるシステムの画面例である。シミュレーションのための設定条件を入力する画面を示している。
図28は、本発明における価格および需要予測システムの画面例である。これは、メイン画面を示している。
図29は、本発明における価格および需要予測システムの画面例である。これは、需要予測画面を示している。
図30は、本発明における価格および需要予測システムの画面例である。これは、需要と価格の関係を示す画面である。
図31は、本発明における価格および需要予測システムの画面例である。これは、価格の予測画面を示している。
電力市場におけるオークション方式での入札の例を示す図。 市場の入札曲線、自社の入札曲線およびこれらを積算した入札曲線の具体的な数値例を示す図。 積算された入札曲線の例を示すグラフ。 カルフォル二ア電力市場における積算された入札曲線の例を示す図。 自社の入札曲線と他社の入札曲線から積算された市場の入札曲線のグラフ。 自社の入札曲線に対してマージン率を考慮して計算した落札高、コストおよび利益のグラフ。 自社の入札曲線と他社の入札曲線(入札者が少ない場合)のグラフ。 自社の入札曲線に対してマージン率を考慮して計算した落札高、コストおよび利益(入札者が少ない場合)のグラフ。 本発明の入札システムの処理の流れを示すフローチャート。 本発明の入札システムの入札曲線作成部の処理の流れを示すフローチャート。 需要が変化した場合の落札価格および落札高のグラフ。 需要が変化した場合の売り上げ、コストおよび利益のグラフ。 需要の分布の例を示すグラフ。 需要の分布に対応した落札価格の分布の例を示すグラフ。 需要がDmで価格がpnの点までの入札曲線の例を示す図。 需要がDmで価格がpnの点を通る入札曲線の例を示す図。 入札に参加する発電機が変化した場合の入札曲線の変化を示すグラフ。 需要が70MWで一定の場合の落札価格の分布を示すグラフ。 発電機のスケジュールの例を示すグラフ。 発電スケジュールからフォワード曲線を作成する一例によるフローチャート。 需要の将来予測の例を示すグラフ。 需要の将来予測と発電機のスケジューリングから計算されたフォワード曲線の例を示すグラフ。 本発明の実施例におけるシステムの画面例(メイン画面)を示す図。 本発明の実施例におけるシステムの画面例(入札曲線作成画面)を示す図。 本発明の実施例におけるシステムの画面例(入札曲線作成画面)を示す図。 本発明の実施例におけるシステムの画面例(発電機の登録画面)を示す図。 本発明の実施例におけるシステムの画面例(入札曲線作成画面)を示す図。 本発明の他の実施例におけるシステムの画面例(メイン画面)を示す図。 本発明の他の実施例おけるシステムの画面例(需要予測画面)を示す図。 本発明の他の実施例におけるシステムの画面例(需要と価格の関係を示す画面)を示す図。 本発明の他の実施例におけるシステムの画面例(価格の予測画面)を示す図。
符号の説明
101 自社の入札曲線
102 他社の入札曲線を積算したもの
103 自社の入札曲線と他社の入札曲線を積算した総入札曲線
201 自社の入札曲線
202 他社の入札曲線を積算したもの
203 自社の入札曲線と他社の入札曲線を積算した総入札曲線
21 仮入力部
22 過去データの読み込み部
23 発電機データの読み込み部
24 他社の入札曲線作成部
25 全入札曲線作成部
26 仮入力の評価部
301 典型的な入札曲線
302 入札曲線の例
303 入札曲線の例

Claims (24)

  1. 取引市場における他者の買い入札の入札量と入札価格の組を予測する手段と、
    前記入札量と入札価格の組を記録する手段と、
    前記複数の入札の入札量と入札価格の組を集計して等価的な1件の買い入札の入札量と入札価格の組を計算する手段と、
    取引市場における他者の売り入札の入札量と入札価格の組を予測する手段と、
    前記入札量と入札価格の組を記録する手段と、
    前記複数の入札の入札量と入札価格の組を集計して等価的な1件の売り入札の入札量と入札価格の組を積算する手段と、
    入札者が取引市場に入札希望する入札量と入札価格の組を仮に入力する手段と、
    上記で計算された売りまたは買いの入札価格の組に入札者の入札量および入札価格の組を積算して、売りまたは買いの両方の入札量と入札価格の組から市場において落札される落札量および落札価格を計算する手段と、
    落札量および落札価格から収益を入札前に事前評価する手段と、を備えていることを特徴とする電力取引市場における入札支援システム。
  2. 入札量あるいは入札価格の入力値を与えられた範囲で増減させる手段と、
    落札量および落札価格を再評価する手段と、
    前記落札量および落札価格を記録する手段と、
    前記落札量および落札価格を比較する手段と、
    収益が最大になるように市場への入札量と入札価格の組を決める手段と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の電力取引市場における入札支援システム。
  3. 入札量あるいは入札価格の入力値を与えられた範囲で増減させる手段と、
    落札量および落札価格を再評価する手段と、
    前記落札量および落札価格を記録する手段と、
    前記落札量および落札価格を比較する手段と、
    落札量が最大になるように市場への入札量と入札価格の組を決める手段と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の電力取引市場における入札支援システム。
  4. 入札量あるいは入札価格の入力値を与えられた範囲で増減させる手段と、
    落札量および落札価格を再評価する手段と、
    落札量と落札価格の積から落札高を計算する手段と、
    前記落札高を記録する手段と、
    前記落札高を比較する手段と、
    落札高が最大になるように市場への入札量と入札価格の組を決める手段と、を備えていることを特徴とする請求項1記載の電力取引市場における入札支援システム。
  5. 1つの商品に対する複数の入札量と入札価格の組から入札曲線を作成する手段と、
    入札者以外の売り入札曲線を積算して等価的な1つの売り入札曲線を作成する手段と、
    入札者以外の買い入札曲線を積算して等価的な1つの買い入札曲線を作成する手段と、
    前記売りと買いの入札曲線を記録する手段と、
    前記売りおよび買いの入札曲線から落札量と落札価格を事前に評価する手段と、を備えていることを特徴とする電力取引市場における入札支援システム。
  6. 入札量として電力販売量を用い、入札価格として単位電力量あたりの電力販売価格を用い、与えられた電力商品ごとに入札者以外の売り入札曲線を作成する手段と、
    入札者以外の売り入札曲線と入札者の売り入札曲線を積算する手段と、
    前記積算された売り入札曲線と入札者以外の買い入札曲線から与えられた電力商品の落札量と落札価格を事前に評価する手段と、
    前記落札量および落札価格および電力の発電コストあるいは調達コストから入札による収益を評価する手段と、
    入札量あるいは入札価格を与えられた範囲で増減させる手段と、
    落札量および落札価格を再評価する手段と、
    前記落札量および落札価格を記録する手段と、
    前記落札量および落札価格を比較する手段と、
    収益が最大になるように市場への売り入札曲線を再構成する手段を備えていることを特徴とする電力取引市場における入札支援システム。
  7. 入札量として電力購入量を用い、入札価格として単位電力量あたりの電力購入価格を用い、与えられた電力商品ごとに入札者以外の買い入札曲線を作成する手段と、
    入札者以外の買い入札曲線と入札者の買い入札曲線を積算する手段と、
    前記積算された買い入札曲線と入札者以外の売り入札曲線から与えられた電力商品の落札量と落札価格を事前に評価する手段と、
    前記落札量および落札価格から電力の購入コストを評価する手段と、
    購入電力の販売価格を入力する手段と、
    前記販売価格と落札量から売上を計算する手段と、
    売上と購入コストから入札による収益を事前評価する手段と、
    入札量あるいは入札価格を与えられた範囲で増減させる手段と、
    落札量および落札価格を再評価する手段と、
    前記を記録する手段と、
    前記落札量および落札価格を比較する手段と、
    収益が最大になるように市場への買い入札曲線を再構成する手段と、を備えていることを特徴とする電力取引市場における入札支援システム。
  8. 前記入札者以外の買い入札曲線の特殊な場合として、入札価格によらず入札量が一定の買い入札曲線を用いて、価格に依存しない電力需要量を指定し、これを入力する手段と、
    前記需要量と売り入札曲線から落札価格を計算手段を有することを特徴とする請求項7記載の電力取引市場における入札支援システム。
  9. 電力販売量に相当する売り入札曲線を作成する手段と、
    電力需要量に相当する買い入札曲線を作成する手段と、
    買い入札曲線の不確実性に相当するパラメータを入力する手段と、
    前記パラメータを用いて買い入札曲線を複数作成する手段と、
    前記複数の買い入札曲線と売り入札曲線から複数の落札価格を計算する手段と、
    前記複数の落札価格の分布を表示する手段と、
    前記落札価格の分布から不確実性を評価する手段と、
    前記不確実性を考慮して落札される電力量あるいは収益あるいは売上高が最大になるように入札曲線を決める手段と、を有することを特徴とする電力取引市場における入札支援システム。
  10. 1からNまでの数字からM個(M≦N)の数字を重複なく選択することにより予め与えられたN台の発電機からM台の発電機を選択する手段と、
    選択されたM台の発電機のコスト関数から売り入札曲線を作成する手段と、
    前記売り入札曲線と市場における電力需要に相当する買い入札量の予測値から電力価格を計算する手段と、を有することを特徴とする請求項1記載の電力取引市場における入札支援システム。
  11. 1からNまでの数字からM個(M≦N)の数字を重複なくランダムに選択する作業をK回繰り返し、ランダムに選択されたM台の発電機のコスト関数からK個の売り入札曲線を作成する手段と、
    前記売り入札曲線と市場における電力需要に相当する買い入札量の予測値からK個の落札価格を計算する手段と、
    前記K個の落札価格の分布を表示する手段と、この分布から落札価格の不確実性を評価する手段と、を有することを特徴とする請求項10記載の入札支援システム。
  12. 前記入札曲線の作成手段において、入札電力量および入札電力価格の最小値および最大値を入力する手段と、
    電力量および電力価格の分割数を入力する手段と、
    前記データからグリッドを構成し、このグリッドに従って生成可能な入札曲線のすべてあるいは一部を入札曲線として選択する手段と、
    前記入札曲線から落札価格を計算する手段と、
    落札価格の分布を求める手段と、を有することを特徴とする請求項11に記載の電力取引市場における電力取引市場における入札支援システム。
  13. 計算された落札価格の分布から標準偏差あるいはパーセンタイル点をもとにリスクファクターを計算し、この値が許容可能な値以下になり、かつ収益が所定の値以上になるように入札曲線を作成する手段を有することを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の電力取引市場における電力取引市場における入札支援システム。
  14. 入札者が売りまたは買いを行なう場合の入札曲線を予測するために、直近に公表された入札曲線の実績値、あるいは日時や気温その他電力需要の条件が最も近い日の入札曲線を用いて入札者以外の入札曲線を作成し、入札者の入札曲線と積算して市場全体の売りまたは買いの入札曲線を作成し、これと市場における買いまたは売りの入札曲線の予測値から落札価格を予測することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の電力取引市場における入札支援システム。
  15. 入札者が売りまたは買いを行なう場合の入札曲線を予測するために、昨日あるいは日時や気温その他電力需要の条件が最も近い日の落札高および落札価格の実績値を用いて、その値を通るように作成された曲線を入札者以外の売りまたは買いの入札曲線として、入札者の入札曲線と積算して市場全体の売りまたは買いの入札曲線を作成し、これと市場における買いまたは売りの入札曲線の予測値から落札価格を予測する手段を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の電力取引市場における入札支援システム。
  16. 昨日あるいは日時や気温その他電力需要の条件が最も近い日の落札高および落札価格の実績値を満足するように作成された曲線を用いて多数の入札曲線を作成し、これに入札者の入札曲線を積算して市場の入札曲線を作成し、これから市場の落札価格を予測し、これを繰り返すことにより多数の落札価格を計算し、これらの分布から期待値と変動成分を計算し、与えられた条件にあう入札曲線を作成する手段を有することを特徴とする請求項15に記載の電力取引市場における入札支援システム。
  17. 計算された落札価格の分布から標準偏差あるいはパーセンタイル点をもとにリスクファクターを計算し、この値が許容可能な値以下になり、かつ収益が所定の値以上になるように入札曲線を作成する手段を有することを特徴とする請求項16に記載の電力取引市場における入札支援システム。
  18. 電力需要量の将来予測と、電力需要量あるいは電力供給量と電力価格の関係を用いて、将来の電力価格を予測し、これらから先渡し商品の受け渡し価格を評価する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電力取引市場における入札支援システム。
  19. 電力需要量あるいは電力供給量と電力価格の関係を求めるための手段として、自社あるいは他社の発電機の費用データを用いることを特徴とする請求項1に記載の電力取引市場における入札支援システム。
  20. 発電機の運転スケジュールをもとに、将来の与えられた時刻における、予め定められた複数の発電機の費用関数と、市場における需要量の予測値から、先渡し電力商品の価格を評価し、また、これらの変動から収益の変動を評価する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の電力取引市場における入札支援システム。
  21. 電力価格および電力供給量の落札値をオークション方式で決める電力市場において、予め与えられた市場の電力供給曲線と電力需要曲線に対して、市場において落札される電力量あるいは収益あるいは供給高が最大になるように市場への入札曲線を決める手段を有することを特徴とする電力取引市場における取引システム。
  22. 電力取引市場における過去の直近の電力供給者の入札量と入札価格の合計のデータを入力し、該データからシステムユーザーの電力供給者の入札量と入札価格を減じて市場入札曲線を生成する手段と、
    システムユーザーの電力供給者に、試行用入札量と入札価格を入力させる手段と、
    前記市場入力曲線と前記試行用入札量と入札価格を入力し、全電力供給者の入札量と入札価格の積算入札曲線を生成する手段と、
    電力取引市場における過去直近あるいは類似条件下の電力需要者の入札曲線を入力する手段と、
    前記積算入札曲線と前記電力需要者入札曲線とを入力し、前記電力需要者入札曲線の電力需要量と一致する前記積算入札曲線の電力供給量から、前記積算入札曲線の対応する予想入札価格を求める手段と、
    前記予想入札価格と前記システムユーザーの試行の入札量と入札価格とから、前記システムユーザーの試行用入札量と入札価格によるシステムユーザーの収益を計算する手段と、を有することを特徴とする電力取引市場における入札支援システム。
  23. 電力供給量と電力価格のグラフ上に収益評価のための仮の自社の入札曲線を入力する第1段階と、前記グラフ上に、直近の過去の他社の入札曲線、あるいは、類似の電力取引市場における過去の他社の入札曲線を入力する第2段階と、前記収益評価用の自社の入札曲線と前記他社の入札曲線とから総入荷曲線を生成する第3段階と、前記総入札曲線から電力の落札価格を出力する第4段階と、前記電力落札価格を評価する第5段階と、マージンを増減させて再度収益評価用の自社の入札曲線を作成する第6段階と、を有し、前記第1〜第6段階を繰り返して、電力量あるいは収益あるいは供給高が最大になる自社の落札曲線を出力する、ことを特徴とする電力取引市場における入札支援方法。
  24. 電力取引市場における過去の直近の電力供給者の入札量と入札価格の合計のデータを入力し、該データからシステムユーザーの電力供給者の入札量と入札価格を減じて市場入札曲線を生成する段階と、
    システムユーザーの電力供給者の試行用入札量と入札価格を入力する段階と、
    前記市場入力曲線と前記試行用入札量と入札価格を入力し、全電力供給者の入札量と入札価格の積算入札曲線を生成する段階と、
    電力取引市場における過去直近あるいは類似条件下の電力需要者の入札曲線を入力する段階と、
    前記積算入札曲線と前記電力需要者入札曲線とを入力し、前記電力需要者入札曲線の電力需要量と一致する前記積算入札曲線の電力供給量から、前記積算入札曲線の対応する予想入札価格を求める段階と、
    前記予想入札価格と前記システムユーザーの試行の入札量と入札価格とから、前記システムユーザーの試行用入札量と入札価格によるシステムユーザーの収益を計算する段階と、を有することを特徴とする電力取引市場における入札支援方法。
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