JP2020166043A - レジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜、レジスト下層膜の形成方法及びパターニングされた基板の製造方法 - Google Patents

レジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜、レジスト下層膜の形成方法及びパターニングされた基板の製造方法 Download PDF

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慎也 中藤
Shinya Nakafuji
慎也 中藤
大貴 中津
Daiki Nakatsu
大貴 中津
智章 谷口
Tomoaki Taniguchi
智章 谷口
遼祐 一二三
Ryosuke Hifumi
遼祐 一二三
和憲 高梨
Kazunori Takanashi
和憲 高梨
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Abstract

【課題】有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜、レジスト下層膜の形成方法及びパターニングされた基板の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、フラーレン誘導体と溶媒とを含有し、上記フラーレン誘導体が、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基及び炭素−窒素三重結合含有基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を有するレジスト下層膜形成用組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜、レジスト下層膜の形成方法及びパターニングされた基板の製造方法に関する。
半導体デバイスの製造にあっては、例えば、基板上に有機下層膜、ケイ素含有膜などのレジスト下層膜を介して積層されたレジスト膜を露光及び現像してレジストパターンを形成する多層レジストプロセスが用いられている。このプロセスでは、このレジストパターンをマスクとしてレジスト下層膜をエッチングし、得られたレジスト下層膜パターンをマスクとしてさらに基板をエッチングすることで、基板に所望のパターンを形成し、パターニングされた基板を得ることができる(特開2004−177668号公報参照)。
このようなレジスト下層膜形成用組成物に用いられる材料について、種々の検討が行われている(国際公開第2011/108365号参照)。
特開2004−177668号公報 国際公開第2011/108365号
本発明のレジスト下層膜及びレジスト下層膜形成用組成物は、上述の有機下層膜及びこれを形成する組成物である。
多層レジストプロセスにおける有機下層膜には、有機溶媒耐性、エッチング耐性及び耐熱性が要求される。
有機下層膜には、形成された有機下層膜パターンをマスクとして基板をエッチングする際に、有機下層膜パターンの曲がりが少ない、すなわち曲がり耐性に優れることも要求される。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜形成用組成物、レジスト下層膜、レジスト下層膜の形成方法及びパターニングされた基板の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、フラーレン誘導体と溶媒とを含有し、上記フラーレン誘導体が、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基及び炭素−窒素三重結合含有基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を有するレジスト下層膜形成用組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、当該レジスト下層膜形成用組成物から形成されるレジスト下層膜である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板に直接又は間接に当該レジスト下層膜形成用組成物を塗工する工程を備えるレジスト下層膜の形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、基板に直接又は間接に当該レジスト下層膜形成用組成物を塗工する工程と、上記塗工工程により形成されたレジスト下層膜に直接又は間接にレジストパターンを形成する工程と、上記レジストパターンをマスクとしたエッチングを行う工程とを備えるパターニングされた基板の製造方法である。
本発明のレジスト下層膜形成用組成物によれば、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。本発明のレジスト下層膜は、溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れている。本発明のレジスト下層膜形成方法によれば、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。本発明のパターニングされた基板の製造方法によれば、当該レジスト下層膜を形成することにより、良好なパターン形状を有するパターニングされた基板を製造することができる。従って、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
図1は、曲がり耐性の評価方法を説明するための模式的平面図である。
<レジスト下層膜形成用組成物>
当該レジスト下層膜形成用組成物は、フラーレン誘導体(以下、「[A]化合物」ともいう)と溶媒(以下、「[B]溶媒」ともいう)とを含有する。当該レジスト下層膜形成用組成物は、[A]化合物及び[B]溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。
当該レジスト下層膜形成用組成物は、[A]化合物と[B]溶媒とを含有することにより、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。したがって、当該レジスト下層膜形成用組成物は、多層レジストプロセスにおいて好適に用いることができる。
以下、各成分について説明する。
[[A]化合物]
[A]化合物は、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基及び炭素−窒素三重結合含有基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基(以下、「基(i)」ともいう)と、フラーレン骨格とを有する化合物を意味する。「炭素−炭素三重結合含有基」とは、2つの隣接する炭素原子間に三重結合を含む基を意味する。「炭素−炭素二重結合含有基」とは、2つの隣接する炭素原子間に二重結合を含む基のうち、エチレン性の二重結合を含む基を意味する。「炭素−窒素三重結合含有基」とは、隣接する炭素原子と窒素原子との間に三重結合を含む基を意味する。[A]化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[A]化合物は、上記基(i)を有することにより、当該レジスト下層膜形成用組成物により形成されるレジスト下層膜の有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性が向上する。その理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。[A]化合物が有する基(i)が架橋構造を形成し、レジスト下層膜が硬化することにより有機溶媒耐性及び耐熱性が向上すると考えられる。また、[A]化合物は、炭素原子の含有割合が高く、水素原子の含有割合が低いため、エッチング耐性及び曲がり耐性が向上すると考えられる。
(フラーレン骨格)
フラーレン骨格とは、フラーレンを由来とする構造である。フラーレン骨格は、上記基(i)以外の基又は構造有していてもよい。フラーレンとは、炭素原子のみを構成原子とし、複数の5員環及び複数の6員環の閉殻構造を有する炭素クラスターの総称である。フラーレンとしては、C60(バックミンスター・フラーレン)に限られず、例えばC70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96、炭素数が100以上の高次のものなどが挙げられる。中でも、入手が容易である観点から、C60又はC70が好ましく、C60がより好ましい。
なお、本明細書において、炭素数が限定されないフラーレン骨格を下記式(A)で表す。
Figure 2020166043
(基(i))
基(i)は、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基、炭素−窒素三重結合含有基又はこれらの組み合わせである。
炭素−炭素三重結合含有基としては、例えば炭素−炭素三重結合を含む炭化水素基などが挙げられる。炭素−炭素三重結合を含む炭化水素基としては、下記式(1)で表される基が好ましい。
Figure 2020166043
上記式(1)中、sは、1〜3の整数である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。sが2以上の場合、複数のRは互いに同一又は異なる。*は、上記式(1)で表される基以外の部分との結合部位を示す。
「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」には、飽和炭化水素基及び不飽和炭化水素基が含まれる。「鎖状炭化水素基」とは、環構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味し、直鎖状炭化水素基及び分岐鎖状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味し、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む(但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい)。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する(但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に脂環構造や鎖状構造を含んでいてもよい)。
で表される炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の(s+1)価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の(s+1)価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の(s+1)価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
炭素数1〜20の(s+1)価の鎖状炭化水素基としては、例えばメタン、エタン、n−プロパン、i−プロパン等のアルカンから(s+1)個の水素原子を除いた基、エテン、プロペン、ブテン等のアルケンから(s+1)個の水素原子を除いた基、エチン、プロピン、ブチン等のアルキンから(s+1)個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
炭素数3〜20の(s+1)価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルカンから(s+1)個の水素原子を除いた基、シクロプロペン、シクロペンテン、シクロヘキセン等のシクロアルケン基から(s+1)個の水素原子を除いた基、ノルボルナン、アダマンタン等の橋かけ環炭化水素から(s+1)個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
炭素数6〜20の(s+1)価の芳香族炭化水素基としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン等のアレーンから(s+1)個の芳香環及び/又はアルキル基上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
で表される炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
炭素数3〜10の1価の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、ノルボルニル基等の橋かけ環炭化水素基などが挙げられる。
sとしては、1又は2が好ましい。
としては、単結合、炭素数1〜20の(s+1)価の鎖状炭化水素基又は炭素数6〜20の(s+1)価の芳香族炭化水素基が好ましく、単結合、炭素数1〜20のアルカンから(s+1)個の水素原子を除いた基、若しくは炭素数6〜20のアレーンから(s+1)個の芳香環及び/又はアルキル基上の水素原子を除いた基がより好ましく、単結合、メタンから(s+1)個の水素原子を除いた基、ベンゼンから(s+1)個の芳香環上の水素原子を除いた基、若しくはトルエンから(s+1)個の芳香環上及び/又はメチル基上の水素原子を除いた基がさらに好ましい。
としては、水素原子又は炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
炭素−炭素二重結合含有基としては、炭素−炭素二重結合を含む炭化水素基などが挙げられる。炭素−炭素二重結合を含む炭化水素基としては、下記式(2)で表される基が好ましい。
Figure 2020166043
上記式(2)中、tは、1〜3の整数である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の(t+1)価の炭化水素基である。R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。tが2以上の場合、複数のRは互いに同一又は異なり、複数のRは互いに同一又は異なり、複数のRは互いに同一又は異なる。**は、上記式(2)で表される基以外の部分との結合部位を示す。
で表される炭素数1〜20の(t+1)価の炭化水素基としては、例えば上記式(1)におけるRで表される炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基として例示した基と同様の基などが挙げられる。
、R及びRで表される炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(1)におけるRで表される炭素数1〜10の1価の炭化水素基として例示した基と同様の基などが挙げられる。
tとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
としては、単結合、炭素数1〜20の(t+1)価の鎖状炭化水素基又は炭素数6〜20の(t+1)価の芳香族炭化水素基が好ましく、単結合、炭素数1〜20のアルキル基からt個の水素原子を除いた基、炭素数6〜20のアリール基からt個の水素原子を除いた基又は炭素数6〜20のアラルキル基からt個の水素原子を除いた基がより好ましく、単結合、メチル基からt個の水素原子を除いた基、フェニル基からt個の水素原子を除いた基又はベンジル基からt個の水素原子を除いた基がさらに好ましい。
、R及びRとしては、水素原子又は炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
炭素−窒素三重結合含有基としては、例えばシアノ基又はシアノ基で置換された炭化水素基などが挙げられる。炭素−窒素三重結合含有基としては、下記式(3)で表される基が好ましい。
Figure 2020166043
上記式(3)中、uは、1〜3の整数である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の(u+1)価の炭化水素基である。***は、上記式(3)で表される基以外の部分との結合部位を示す。
で表される炭素数1〜20の(u+1)価の炭化水素基としては、例えば上記式(1)におけるRで表される炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基として例示した基と同様の基などが挙げられる。
uとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
としては、単結合、炭素数1〜20の(u+1)価の鎖状炭化水素基又は炭素数6〜20の(u+1)価の芳香族炭化水素基が好ましく、単結合、炭素数1〜20のアルキル基からu個の水素原子を除いた基、炭素数6〜20のアリール基からu個の水素原子を除いた基又は炭素数6〜20のアラルキル基からu個の水素原子を除いた基がより好ましく、単結合、メチル基からu個の水素原子を除いた基、フェニル基からu個の水素原子を除いた基又はベンジル基からu個の水素原子を除いた基がさらに好ましい。
基(i)としては、炭素−炭素三重結合含有基又は炭素−窒素三重結合含有基が好ましく、炭素−炭素三重結合含有基がより好ましい。
[A]化合物としては、例えば基(i)がフラーレン骨格に直接結合した化合物、基(i)がフラーレン骨格に連結基を介して結合した化合物が挙げられる。
基(i)がフラーレン骨格に直接結合した化合物としては、例えば下記式(I)で表される化合物(以下、「化合物(I)」ともいう)などが挙げられる。
Figure 2020166043
上記式(I)中、aは、1〜10の整数である。Z及びZは、それぞれ独立して、水素原子又は上記基(i)である。但し、Z及びZの少なくとも一方は上記基(i)である。aが2以上の場合、複数のZは互いに同一又は異なり、複数のZは互いに同一又は異なる。Aは、フラーレン骨格である。
及びZで表される基(i)は、上記基(i)として説明した通りである。
aとしては、1〜8が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、2〜4が特に好ましく、2又は3が最も好ましい。
及びZは共に上記基(i)であることが好ましい。
基(i)がフラーレン骨格に連結基を介して結合した化合物としては、例えば下記式(II)で表される化合物(以下、「化合物(II)」ともいう)、下記式(III)で表される化合物(以下、「化合物(III)」ともいう)などが挙げられる。
Figure 2020166043
上記式(II)中、bは、1〜10の整数である。cは、1〜5の整数である。Rは、フラーレン骨格を構成する炭素鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を含む構造である。Lは、2価の連結基である。Zは、上記基(i)である。Zが複数の場合、Zは互いに同一又は異なる。Aは、フラーレン骨格である。
上記式(III)中、dは、1〜10の整数である。Rは、水素原子又は−L−Zである。Lは2価の連結基である。Zは、上記基(i)である。Zが複数の場合、Zは互いに同一又は異なる。Aは、フラーレン骨格である。
「環員数」とは、環構造を構成する原子数をいい、多環の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
で表される環員数3〜20の環構造としては、例えば環員数3〜20の脂環構造、環員数6〜20の芳香環構造などが挙げられる。
環員数3〜20の脂環構造としては、環員数3〜20の脂肪族炭素環構造、環員数3〜20の脂肪族複素環構造などが挙げられ、これらの中でも、環員数3〜6の脂肪族炭素環構造、環員数3〜6の脂肪族複素環構造が好ましい。
環員数6〜20の芳香環構造としては、環員数6〜20の芳香族炭素環構造、環員数6〜20の芳香族複素環構造などが挙げられる。
及びLで表される2価の連結基としては、例えば2価のヘテロ原子含有基などが挙げられる。2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。
化合物(I)としては、例えば下記式(I−1)で表される化合物(以下、「化合物(I−1)」ともいう)などが挙げられる。化合物(II)としては、例えば下記式(II−1)〜(II−6)で表される化合物(以下、「化合物(II−1)〜(II−6)」ともいう)などが挙げられる。これらの中でも、曲がり耐性をより向上できる観点から、化合物(I−1)、化合物(II−1)、化合物(II−3)、化合物(II−4)又は化合物(II−5)が好ましい。
Figure 2020166043
上記式(I−1)及び式(II−1)〜(II−6)中、nは1〜10の整数である。Aは、フラーレン骨格である。
nとしては、1〜9が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜7がさらに好ましく、1〜6が特に好ましい。
[A]化合物は、上記基(i)以外の基又は構造を有していてもよい。
([A]化合物の合成方法)
[A]化合物は、例えばC60フラーレンと基(i)を与える化合物とを反応させることによりC60フラーレンに基(i)を直接付加する方法、C60フラーレンと連結基を与える化合物とを反応させることによりC60フラーレンに連結基を直接付加した後、基(i)を与える化合物とさらに反応させることによりC60フラーレンに連結基を介して基(i)を付加する方法などが挙げられる。
[A]化合物の含有割合の下限としては、当該レジスト下層膜形成用組成物における[B]溶媒以外の全成分に対して、80質量%が好ましく、85質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、99.9質量%が好ましく、99質量%が好ましく、95質量%がさらに好ましい。[A]化合物の含有割合を上記範囲とすることで、当該レジスト下層膜形成用組成物により形成されるレジスト下層膜のエッチング耐性及び曲がり耐性をより向上させることができる。
[[B]溶媒]
[B]溶媒は、[A]化合物及び必要に応じて含有する任意成分を溶解又は分散することができれば特に限定されない。
[B]溶媒としては、例えば炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、含窒素系溶媒などが挙げられる。[B]溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
炭化水素系溶媒としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えばジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等の酢酸モノエステル系溶媒、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル系溶媒などが挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール等のモノアルコール系溶媒、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等の多価アルコール系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の鎖状ケトン系溶媒、シクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えばn−ブチルエーテル等の鎖状エーテル系溶媒、テトラヒドロフラン等の環状エーテル系溶媒等の多価アルコールエーテル系溶媒、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
含窒素系溶媒としては、例えばN,N−ジメチルアセトアミド等の鎖状含窒素系溶媒、N−メチルピロリドン等の環状含窒素系溶媒などが挙げられる。
[B]溶媒としては、炭化水素系溶媒又はエステル系溶媒が好ましく、脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒又は多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒がより好ましく、シクロヘキサン、トルエン又は酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルがさらに好ましい。
当該レジスト下層膜形成用組成物における[B]溶媒の含有割合の下限としては、50質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、70質量%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、99.9質量%が好ましく、99質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。
[任意成分]
当該レジスト下層膜形成用組成物は、任意成分として、酸発生剤(以下、「[C]酸発生剤」ともいう)、架橋剤(以下、「[D]架橋剤」ともいう)、界面活性剤などを含有していてもよい。これらの任意成分は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
([C]酸発生剤)
[C]酸発生剤は、放射線又は熱の作用により酸を発生する成分である。当該レジスト下層膜形成用組成物が[C]酸発生剤を含有することで、発生した酸により[A]化合物等の架橋反応が促進され、形成されるレジスト下層膜の硬度を高めることができる。[C]酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[C]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物などが挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
スルホニウム塩としては、例えばトリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネートなどが挙げられる。
テトラヒドロチオフェニウム塩としては、例えば1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートなどが挙げられる。
ヨードニウム塩としては、例えばジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホネートなどが挙げられる。
アンモニウム塩としては、例えばトリエチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリエチルアンモニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートなどが挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えばN−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロ−n−ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル−1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドなどが挙げられる。
[C]酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましく、ヨードニウム塩がより好ましく、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネートがさらに好ましい。
当該レジスト下層膜形成用組成物が[C]酸発生剤を含有する場合、[C]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。[C]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該レジスト下層膜形成用組成物により形成されるレジスト下層膜の硬度をより向上させることができる。
([D]架橋剤)
[D]架橋剤は、熱や酸の作用により、当該レジスト下層膜形成用組成物に含まれる[A]化合物同士の架橋結合を形成するか、又は自らが架橋構造を形成する成分である。当該レジスト下層膜形成用組成物が[D]架橋剤を含有することで、形成されるレジスト下層膜の硬度を高めることができる。[D]架橋剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
架橋剤としては、例えば多官能(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物、アルコキシアルキル基含有フェノール化合物、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物などが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
エポキシ化合物としては、例えばノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂などが挙げられる。ナフタレン型エポキシ樹脂としては、例えば1,1−ビス(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1−(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)−1−(2−グリシジルオキシナフチル)メタンなどが挙げられる。
ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物としては、例えば2−ヒドロキシメチル−4,6−ジメチルフェノール、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、3,5−ジヒドロキシメチル−4−メトキシトルエン[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール]などが挙げられる。
アルコキシアルキル基含有フェノール化合物としては、例えばメトキシメチル基含有フェノール化合物、エトキシメチル基含有フェノール化合物等が挙げられる。
アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物としては、例えば(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレア等の一分子内に複数個の活性メチロール基を有する含窒素化合物であって、そのメチロール基の水酸基の水素原子の少なくとも一つが、メチル基やブチル基等のアルキル基によって置換された化合物等が挙げられる。なお、アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物は、複数の置換化合物を混合した混合物でもよく、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含むものであってもよい。
[D]架橋剤としては、エポキシ化合物が好ましく、ナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましく、1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)メタンがさらに好ましい。
当該レジスト下層膜形成用組成物が[D]架橋剤を含有する場合、[D]架橋剤の含有量の下限としては、[A]化合物100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。[D]架橋剤の含有量を上記範囲とすることで、当該レジスト下層膜形成用組成物により形成されるレジスト下層膜の硬度をより向上させることができる。
[レジスト下層膜形成用組成物の調製方法]
当該レジスト下層膜形成用組成物は、[A]化合物、[B]溶媒、及び必要に応じて、任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合物を孔径0.1μm以下のメンブランフィルター等で濾過することにより調製できる。
<レジスト下層膜>
当該レジスト下層膜は、当該レジスト下層膜形成用組成物から形成される。当該レジスト下層膜は、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れる。
<レジスト下層膜の形成方法>
当該レジスト下層膜の形成方法は、基板に直接又は間接に当該レジスト下層膜形成用組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)を備える。上記基板に間接に当該レジスト下層膜形成用組成物を塗工する場合としては、例えば上記基板に形成された後述のケイ素含有膜上に当該レジスト下層膜形成用が形成された場合などが挙げられる。
当該レジスト下層膜の形成方法によれば、上記塗工工程において当該レジスト下層膜形成用組成物を用いるため、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。
当該レジスト下層膜の形成方法は、上記塗工工程により形成された塗工膜を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)をさらに備えることが好ましい。
以下、各工程について説明する。
[塗工工程]
本工程では、基板に直接又は間接に当該レジスト下層膜形成用組成物を塗工する。上記塗工方法は特に限定されず、例えば回転塗工、流延塗工、ロール塗工などの適宜の方法で実施することができる。これにより塗工膜が形成され、この塗工膜に含まれる[A]化合物の架橋反応及び[B]溶媒の揮発などが起こることによりレジスト下層膜が形成される。
基板としては、例えばシリコン基板、アルミニウム基板、ニッケル基板、クロム基板、モリブデン基板、タングステン基板、銅基板、タンタル基板、チタン基板等の金属又は半金属基板などが挙げられ、これらの中でもシリコン基板が好ましい。上記基板は、窒化ケイ素膜、アルミナ膜、二酸化ケイ素膜、窒化タンタル膜、窒化チタン膜などが形成された基板でもよい。
[加熱工程]
本工程では、上記塗工工程により形成された塗工膜を加熱する。これによりレジスト下層膜の形成が促進される。
上記塗工膜の加熱は、通常、大気下で行われるが、窒素雰囲気下で行ってもよい。加熱における温度の下限としては、150℃が好ましく、200℃がより好ましい。上記温度の上限としては、600℃が好ましく、400℃がより好ましい。加熱における時間の下限としては、15秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、1,200秒が好ましく、600秒がより好ましい。
なお、本工程においては、上記塗工膜を加熱してレジスト下層膜を形成するが、当該レジスト下層膜形成用組成物が[C]酸発生剤を含有し、この[C]酸発生剤が感放射線性酸発生剤である場合には、露光と加熱とを組み合わせることによりレジスト下層膜の形成をより促進することができる。この露光に用いられる放射線としては、酸発生剤の種類に応じて適宜選択することができ、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線などが挙げられる。
形成されるレジスト下層膜の平均厚みとの下限としては、30nmが好ましく、50nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。上記平均厚みの上限としては、3,000nmが好ましく、2,000nmがより好ましく、500nmがさらに好ましい。なお、レジスト下層膜の平均厚みは、分光エリプソメータ(J.A.WOOLLAM社の「M2000D」)を用いて測定した値である。
<パターニングされた基板の製造方法>
当該パターニングされた基板の製造方法は、基板に直接又は間接にレジスト下層膜形成用組成物を塗工する工程(塗工工程)と、上記塗工工程により形成されたレジスト下層膜に直接又は間接にレジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」ともいう)と、上記レジストパターンをマスクとしたエッチングを行う工程(以下、「エッチング工程」ともいう)とを備える。
当該パターニングされた基板の製造方法によれば、上記塗工工程において有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜が形成されるため、良好なパターン形状を有するパターニングされた基板を製造することができる。
当該パターニングされた基板の製造方法は、必要に応じて、上記塗工工程により形成された塗工膜を加熱する工程(以下、「加熱工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。
当該パターニングされた基板の製造方法は、必要に応じて、上記塗工工程又は上記加熱工程により形成されたレジスト下層膜に直接又は間接にケイ素含有膜を形成する工程(以下、「ケイ素含有膜形成工程」ともいう)をさらに備えていてもよい。
以下、各工程について説明する。
[塗工工程]
本工程では、基板に直接又は間接に当該レジスト下層膜形成用組成物を塗工する。本工程は、上述の当該レジスト下層膜の形成方法における塗工工程と同様である。
[加熱工程]
本工程では、上記塗工工程により形成された塗工膜を加熱する。本工程は、上述の当該レジスト下層膜の形成方法における加熱工程と同様である。
[ケイ素含有膜形成工程]
本工程では、上記塗工工程又は上記加熱工程により形成されたレジスト下層膜に直接又は間接にケイ素含有膜を形成する。上記レジスト下層膜に間接にケイ素含有膜を形成する場合としては、例えば上記レジスト下層膜上にレジスト下層膜の表面改質膜が形成された場合などが挙げられる。上記レジスト下層膜の表面改質膜とは、例えば水との接触角が上記レジスト下層膜とは異なる膜である。
ケイ素含有膜は、ケイ素含有膜形成用組成物の塗工、化学蒸着(CVD)法、原子層堆積(ALD)などにより形成することができる。ケイ素含有膜をケイ素含有膜形成用組成物の塗工により形成する方法としては、例えばケイ素含有膜形成用組成物を当該レジスト下層膜に直接又は間接に塗工して形成された塗工膜を、露光及び/又は加熱することにより硬化等させる方法などが挙げられる。上記ケイ素含有膜形成用組成物の市販品としては、例えば「NFC SOG01」、「NFC SOG04」、「NFC SOG080」(以上、JSR(株))等を用いることができる。化学蒸着(CVD)法又は原子層堆積(ALD)により、酸化ケイ素膜、窒化ケイ素膜、酸化窒化ケイ素膜、アモルファスケイ素膜を形成することができる。
上記露光に用いられる放射線としては、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線などが挙げられる。
塗工膜を加熱する際の温度の下限としては、90℃が好ましく、150℃がより好ましく、200℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、550℃が好ましく、450℃がより好ましく、300℃がさらに好ましい。形成されるケイ素含有膜の平均厚みの下限としては、1nmが好ましく、10nmがより好ましく、20nmがさらに好ましい。上記上限としては、20,000nmが好ましく、1,000nmがより好ましく、100nmがさらに好ましい。なお、ケイ素含有膜の平均厚みは、レジスト下層膜の平均厚みと同様に、上記分光エリプソメータを用いて測定した値である。
[レジストパターン形成工程]
本工程では、上記レジスト下層膜に直接又は間接にレジストパターンを形成する。この工程を行う方法としては、例えばレジスト組成物を用いる方法、ナノインプリント法を用いる方法、自己組織化組成物を用いる方法などが挙げられる。上記レジスト下層膜に間接にレジストパターンを形成する場合としては、例えば、上記ケイ素含有膜上にレジストパターンを形成する場合などが挙げられる。
上記レジスト組成物を用いる方法は、具体的には、形成されるレジスト膜が所定の厚みとなるようにレジスト組成物を塗工した後、プレベークすることによって塗工膜中の溶媒を揮発させることにより、レジスト膜を形成する。
上記レジスト組成物としては、例えば感放射線性酸発生剤を含有するポジ型又はネガ型の化学増幅型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド系感光剤とを含有するポジ型レジスト組成物、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤とを含有するネガ型レジスト組成物などが挙げられる。
レジスト組成物における溶媒以外の全成分の含有割合の下限としては、0.3質量%が好ましく、1質量%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。また、レジスト組成物は、一般に、例えば孔径0.2μm以下のフィルターでろ過して、レジスト膜の形成に供される。なお、本工程では、市販のレジスト組成物をそのまま使用することもできる。
レジスト組成物の塗工方法としては、例えば回転塗工法等が挙げられる。プレベークの温度及び時間は、使用されるレジスト組成物の種類などに応じて適宜調整することができる。上記温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。上記時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
次に、選択的な放射線照射により上記形成されたレジスト膜を露光する。露光に用いられる放射線としては、レジスト組成物に使用される感放射線性酸発生剤の種類に応じて適宜選択することができ、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、γ線等の電磁波、電子線、分子線、イオンビーム等の粒子線などが挙げられる。これらの中で、遠紫外線が好ましく、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、Fエキシマレーザー光(波長157nm)、Krエキシマレーザー光(波長147nm)、ArKrエキシマレーザー光(波長134nm)又は極端紫外線(波長13.5nm等、以下、「EUV」ともいう)がより好ましく、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光又はEUVがさらに好ましい。
上記露光後、解像度、パターンプロファイル、現像性等を向上させるためポストベークを行うことができる。このポストベークの温度としては、使用されるレジスト組成物の種類等に応じて適宜調整されるが、上記温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。ポストベークの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
次に、上記露光されたレジスト膜を現像液で現像してレジストパターンを形成する。この現像は、アルカリ現像であっても有機溶媒現像であってもよい。現像液としては、アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどの塩基性水溶液が挙げられる。これらの塩基性水溶液には、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類などの水溶性有機溶媒、界面活性剤などを適量添加することもできる。また、有機溶媒現像の場合、現像液としては、例えば上述の組成物の[B]溶媒として例示した種々の有機溶媒等が挙げられる。
上記現像液での現像後、洗浄し、乾燥することによって、所定のレジストパターンが形成される。
[エッチング工程]
本工程では、上記レジストパターンをマスクとしたエッチングを行う。エッチングの回数としては1回でも、複数回、すなわちエッチングにより得られるパターンをマスクとして順次エッチングを行ってもよいが、より良好な形状のパターンを得る観点からは、複数回が好ましい。複数回のエッチングを行う場合、ケイ素含有膜、レジスト下層膜及び基板の順に順次エッチングを行う。エッチングの方法としては、ドライエッチング、ウエットエッチング等が挙げられる。これらの中で、基板のパターンの形状をより良好なものとする観点から、ドライエッチングが好ましい。このドライエッチングには、例えば酸素プラズマ等のガスプラズマなどが用いられる。上記エッチングにより、所定のパターンを有するパターニングされた基板が得られる。
ドライエッチングとしては、例えば公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、マスクパターン、エッチングされる膜の元素組成等により適宜選択することができ、例えばCHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O、HO等の酸素系ガス、H、NH、CO、CO、CH、C、C、C、C、C、C、HF、HI、HBr、HCl、NO、NH、BCl等の還元性ガス、He、N、Ar等の不活性ガスなどが挙げられる。これらのガスは混合して用いることもできる。レジスト下層膜のパターンをマスクとして基板をエッチングする場合には、通常、フッ素系ガスが用いられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[レジスト下層膜の平均厚み]
レジスト下層膜の平均厚みは、分光エリプソメータ(J.A.WOOLLAM社の「M2000D」)を用いて測定した。
<[A]化合物の合成>
下記式(A−1)〜(A−7)で表される化合物(以下、「化合物(A−1)〜(A−7)」ともいう)を以下に示す手順により合成した。
Figure 2020166043
[合成例1](化合物(A−1)の合成)
反応容器に、窒素雰囲気下、C60フラーレン200mg、トルエン200mlを加えた後、室温で0.5Mのリチウムトリメチルシリルアセチリド/テトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう)溶液1.6mlを加えた。室温で1時間反応させたのち、THF50ml、4−エチニルベンジルブロミド0.35gを加え、室温で2時間、60Cで2時間反応させた。酢酸で反応を停止させ、不溶分をろ別した。得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体を得た。反応容器に、上記中間体60mg、炭酸カリウム18mg、THF60ml、メタノール15mlを加え、室温で2時間反応させた。1N塩酸溶液で反応溶液を中和し、有機層を減圧濃縮した後、二硫化炭素/ヘキサンで再沈殿することで化合物(A−1)を得た。
[合成例2](化合物(A−2)の合成)
反応容器に、窒素雰囲気下、C60フラーレン500mg、3−ブロモ−1,5−ビス(トリメチルシリル)ペンタ−1,4−ジイン0.60ml、トルエン500mlを加えた後、室温で1,8−ジアザビジクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下、「DBU」ともいう)0.60mlを加えた。室温で2時間反応させたのち、酢酸で反応を停止させ、不溶分をろ別した。得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体を得た。反応容器に、上記中間体200mg、炭酸カリウム150mg、THF200ml、メタノール20mlを加え、室温で2時間反応させた。トルエン50mlを加え、不溶分をろ別した。得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A−2)を得た。
[合成例3](化合物(A−3)の合成)
反応容器に、窒素雰囲気下、C60フラーレン300mg、4−トリメチルシリルエチニルベンズアルデヒド255mg、N−メチルグリシン226mg、トルエン170mlを加えた後、100Cで8時間反応させた。不溶分をろ別した後、得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体を得た。反応容器に、上記中間体200mg、炭酸カリウム150mg、THF200ml、メタノール20mlを加え、室温で2時間反応させた。トルエン50mlを加え、不溶分をろ別した。得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A−3)を得た。
[合成例4](化合物(A−4)の合成)
反応容器に、窒素雰囲気下、C60フラーレン100mg、4−ジメチルアミノピリジン44mg、トルエン80mlを加えた後、室温で1時間反応させた。アセチレンジカルボン酸ジメチル60mgを加え、室温で0.5時間反応させた。さらに、3,5−ジエチニルフェノール1.0gを加え、室温で5時間反応させた。不溶分をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A−4)を得た。
[合成例5](化合物(A−5)の合成)
反応容器に、窒素雰囲気下、C60フラーレン90mg、1−プロパルギルイサチン50mg、o−ジクロロベンゼン40mlを加えた後、−10℃でトリス(ジエチルアミノ)ホスフィン0.1gを滴下して加えた。−10℃で8時間反応させたのち、溶媒を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A−5)を得た。
[合成例6](化合物(A−6)の合成)
反応容器に、窒素雰囲気下、C60フラーレン100mg、4−ジメチルアミノピリジン54mg、トルエン80mlを加えた後、室温で1時間反応させた。アセチレンジカルボン酸ジプロパルギル63mgを加え、室温で0.5時間反応させた。さらに、プロパルギルアルコール0.1mlを加え、室温で5時間反応させた。不溶分をろ別し、得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A−6)を得た。
[合成例7](化合物(A−7)の合成)
反応容器に、窒素雰囲気下、C60フラーレン300mg、4−シアノベンズアルデヒド157mg、N−メチルグリシン226mg、トルエン170mlを加えた後、100Cで8時間反応させた。不溶分をろ別した後、得られたろ液を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物(A−7)を得た。
<レジスト下層膜形成用組成物の調製>
レジスト下層膜形成用組成物の調製に用いた[A]化合物、[B]溶媒、[C]酸発生剤及び[D]架橋剤について以下に示す。
[[A]化合物]
実施例:上記合成した化合物(A−1)〜(A−7)
比較例:下記式(a−1)で表される化合物(以下、「化合物(a−1)」ともいう)(東京化成工業(株))
Figure 2020166043
[[B]溶媒]
B−1:トルエン
B−2:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
B−3:シクロヘキサノン
[[C]酸発生剤]
C−1:ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート(下記式(C−1)で表される化合物)
Figure 2020166043
[[D]架橋剤]
D−1:1,1−ビス(2,7−ジグリシジルオキシナフチル)メタン(下記式(D−1)で表される化合物)
Figure 2020166043
[実施例1]
[A]化合物としての(A−1)8質量部を[B]溶媒としての(B−1)92質量部に溶解した。得られた溶液を孔径0.1μmのメンブランフィルターでろ過して、レジスト下層膜形成用組成物(J−1)を調製した。
[実施例2〜9及び比較例1〜2]
下記表1に示す種類及び含有量の各成分を使用した以外は実施例1と同様に操作して、レジスト下層膜形成用組成物(J−2)〜(J−9)及び(CJ−1)〜(CJ−2)を調製した。表1中の「−」は、該当する成分を使用しなかったことを示す。
Figure 2020166043
<レジスト下層膜の形成>
上記調製したレジスト下層膜形成用組成物を、シリコンウエハ(基板)上に、スピンコーター(東京エレクトロン(株)の「CLEAN TRACK ACT12」)を用いて回転塗工法により塗工した。次に、実施例1〜9及び比較例1〜2については大気雰囲気下にて、実施例9については窒素雰囲気下にて、下記表2に示す加熱温度(℃)及び加熱時間(秒)で加熱した後、23℃で60秒間冷却することにより、平均厚み200nmのレジスト下層膜を形成して、基板上にレジスト下層膜が形成されたレジスト下層膜付き基板を得た。
<評価>
上記得られたレジスト下層膜形成用組成物及びレジスト下層膜付き基板を用い、有機溶媒耐性、エッチング耐性、曲がり耐性及び耐熱性について下記方法により評価を行った。評価結果を下記表2に合わせて示す。
[有機溶媒耐性]
上記得られたレジスト下層膜付き基板をシクロヘキサノン(室温)に1分間浸漬した後、圧縮空気を20秒間吹き付けて、上記基板を乾燥させた。浸漬前後の膜の平均厚みを測定した。浸漬前の膜の平均厚みをX、浸漬後の膜の平均厚みをXとして、(X−X)×100/Xで求められる数値の絶対値を算出し、膜厚変化率(%)とした。有機溶媒耐性は、膜厚変化率が1%未満の場合は「A」(良好)と、1%以上の場合は「B」(不良)とした。
[エッチング耐性]
上記得られたレジスト下層膜付き基板におけるレジスト下層膜を、エッチング装置(東京エレクトロン(株)の「TACTRAS」)を用いて、CF/Ar=110/440sccm、PRESS.=30MT、HF RF(プラズマ生成用高周波電力)=500W、LF RF(バイアス用高周波電力)=3000W、DCS=−150V、RDC(ガスセンタ流量比)=50%、30秒の条件にて処理し、処理前後のレジスト下層膜の平均厚みからエッチング速度(nm/分)を算出した。次いで、比較例2のエッチング速度を基準として比較例2に対する比率を算出し、エッチング耐性の尺度とした。エッチング耐性は、上記比率が1.00未満の場合は「A」(良好)と、1.00以上の場合は「B」(不良)と評価した。なお、表2中の「*」は、エッチング耐性の評価基準であることを示す。
[耐熱性]
上記得られたレジスト下層膜付き基板のレジスト下層膜を削ることにより粉体を回収し、レジスト下層膜の粉体をTG−DTA装置(NETZSCH社の「TG−DTA2000SR」)による測定で使用する容器に入れ、加熱前の質量を測定した。次に、上記TG−DTA装置を用いて、窒素雰囲気下、10℃/分の昇温速度にて400℃まで加熱し、400℃における粉体の質量を測定した。そして、下記式により質量減少率(%)を測定し、この質量減少率を耐熱性の尺度とした。
={(m1−m2)/m1}×100
ここで、上記式中、Mは、質量減少率(%)であり、m1は、加熱前の質量(mg)であり、m2は、400℃における質量(mg)である。
耐熱性は、試料となる粉体の質量減少率が小さいほど、レジスト下層膜の加熱時に発生する昇華物やレジスト下層膜の分解物が少なく、良好である。すなわち、質量減少率が小さいほど、高い耐熱性であることを示す。耐熱性は、質量減少率が5%未満の場合は「A」(極めて良好)と、5%以上の場合は「B」(不良)と評価した。
[曲がり耐性]
上記調製したレジスト下層膜形成用組成物を、平均厚み500nmの二酸化ケイ素膜が形成されたシリコン基板上に、上記スピンコーターを用いて回転塗工法により塗工した後、大気雰囲気下にて350℃で60秒間加熱し、平均厚み200nmのレジスト下層膜が形成された膜付き基板を得た。上記得られた膜付き基板上に、ケイ素含有膜形成用組成物(JSR(株)の「NFC SOG080」)を回転塗工法により塗工した後、大気雰囲気下にて200℃で60秒間加熱し、さらに300℃で60秒間加熱して、平均厚み50nmのケイ素含有膜を形成した。上記ケイ素含有膜上に、ArF用レジスト組成物(JSR(株)の「AR1682J」)を回転塗工法により塗工し、大気雰囲気下にて130℃で60秒間加熱(焼成)して、平均厚み200nmのレジスト膜を形成した。レジスト膜を、ArFエキシマレーザー露光装置(レンズ開口数0.78、露光波長193nm)を用いて、ターゲットサイズが100nmの1対1のラインアンドスペースのマスクパターンを介して、露光量を変化させて露光した後、大気雰囲気下にて130℃で60秒間加熱(焼成)し、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて、25℃で1分間現像し、水洗、乾燥して、ラインパターンの線幅が30nmから100nmである200nmピッチのラインアンドスペースのレジストパターンが形成された基板を得た。
上記レジストパターンをマスクとして、上記エッチング装置を用いて、CF=200sccm、PRESS.=85mT、HF RF(プラズマ生成用高周波電力)=500W、LF RF(バイアス用高周波電力)=0W、DCS=−150V、RDC(ガスセンタ流量比)=50%の条件にてケイ素含有膜をエッチングし、ケイ素含有膜にパターンが形成された基板を得た。次に、上記ケイ素含有膜パターンをマスクとして、上記エッチング装置を用いて、O=400sccm、PRESS.=25mT、HF RF(プラズマ生成用高周波電力)=400W、LF RF(バイアス用高周波電力)=0W、DCS=0V、RDC(ガスセンタ流量比)=50%の条件にてレジスト下層膜をエッチングし、レジスト下層膜にパターンが形成された基板を得た。上記レジスト下層膜パターンをマスクとして、上記エッチング装置を用いて、CF=180sccm、Ar=360sccm、PRESS.=150mT、HF RF(プラズマ生成用高周波電力)=1,000W、LF RF(バイアス用高周波電力)=1,000W、DCS=−150V、RDC(ガスセンタ流量比)=50%、60秒の条件にて二酸化ケイ素膜をエッチングし、二酸化ケイ素膜にパターンが形成された基板を得た。
その後、上記二酸化ケイ素膜にパターンが形成された基板について、各線幅のレジスト下層膜パターンの形状を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズの「CG−4000」)にて250,000倍に拡大した画像を得た。上記画像の処理を行うことによって、図1に示すように、観察された形状における長さ1,000nmのレジスト下層膜パターン3(ラインパターン)の横側面3aについて、100nm間隔で10か所測定した線幅方向の位置Xn(n=1〜10)と、これらの線幅方向の位置の平均値の位置Xaから計算された標準偏差を3倍にした3シグマの値をLER(ラインエッジラフネス)とした。レジスト下層膜パターンの曲がりの度合いを示すLERは、レジスト下層膜パターンの線幅が細くなるにつれて増大する。曲がり耐性は、LERが5.5nmとなるレジスト下層膜パターンの線幅が40.0nm未満である場合を「A」(良好)と、40.0nm以上である場合を「B」(不良)と評価した。なお、図1で示すレジスト下層膜パターンの曲り具合は、実際より誇張して記載している。
Figure 2020166043
表2の結果から分かるように、実施例のレジスト下層膜形成用組成物から形成されたレジスト下層膜は、比較例のレジスト下層膜形成用組成物から形成されたレジスト下層膜と比較して、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れていた。
本発明のレジスト下層膜形成用組成物によれば、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。本発明のレジスト下層膜は、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れている。本発明のレジスト下層膜形成方法によれば、有機溶媒耐性、エッチング耐性、耐熱性及び曲がり耐性に優れるレジスト下層膜を形成することができる。本発明のパターニングされた基板の製造方法によれば、当該レジスト下層膜の形成方法を用いて当該レジスト下層膜を形成することにより、良好なレジストパターンを形成することができる。従って、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
3 レジスト下層膜パターン
3a レジスト下層膜パターンの横側面

Claims (9)

  1. フラーレン誘導体と溶媒とを含有し、
    上記フラーレン誘導体が、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基及び炭素−窒素三重結合含有基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を有するレジスト下層膜形成用組成物。
  2. 上記炭素−炭素三重結合含有基が下記式(1)で表される請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 2020166043
    (式(1)中、sは、1〜3の整数である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基である。Rは、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。sが2以上の場合、複数のRは互いに同一又は異なる。*は、式(1)で表される基以外の部分との結合部位を示す。)
  3. 上記炭素−炭素二重結合含有基が下記式(2)で表される請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 2020166043
    (式(2)中、tは、1〜3の整数である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の(t+1)価の炭化水素基である。R、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。tが2以上の場合、複数のRは互いに同一又は異なり、複数のRは互いに同一又は異なり、複数のRは互いに同一又は異なる。**は、式(2)で表される基以外の部分との結合部位を示す。)
  4. 上記炭素−窒素三重結合含有基が、下記式(3)で表される請求項1に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
    Figure 2020166043
    (式(3)中、uは、1〜3の整数である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の(u+1)価の炭化水素基である。***は、式(3)で表される基以外の部分との結合部位を示す。)
  5. 溶媒以外の全成分における上記フラーレン誘導体の含有割合が80質量%以上である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用組成物。
  6. レジスト下層膜形成用組成物から形成されるレジスト下層膜であって、
    上記レジスト下層膜形成用組成物が、
    フラーレン誘導体と溶媒とを含有し、
    上記フラーレン誘導体が、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基及び炭素−窒素三重結合含有基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を有するレジスト下層膜。
  7. 基板に直接又は間接にレジスト下層膜形成用組成物を塗工する工程
    を備え、
    上記レジスト下層膜形成用組成物が、
    フラーレン誘導体と溶媒とを含有し、
    上記フラーレン誘導体が、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基及び炭素−窒素三重結合含有基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を有するレジスト下層膜の形成方法。
  8. 基板に直接又は間接にレジスト下層膜形成用組成物を塗工する工程と、
    上記塗工工程により形成されたレジスト下層膜に直接又は間接にレジストパターンを形成する工程と、
    上記レジストパターンをマスクとしたエッチングを行う工程と
    を備え、
    上記レジスト下層膜形成用組成物が、
    フラーレン誘導体と溶媒とを含有し、
    上記フラーレン誘導体が、炭素−炭素三重結合含有基、炭素−炭素二重結合含有基及び炭素−窒素三重結合含有基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を有するパターニングされた基板の製造方法。
  9. レジストパターン形成工程前に、
    上記塗工工程により形成されたレジスト下層膜に対し直接又は間接にケイ素含有膜を形成する工程
    をさらに備える請求項8に記載のパターニングされた基板の製造方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023145923A1 (ja) * 2022-01-31 2023-08-03 日産化学株式会社 ナノインプリント用レジスト下層膜形成組成物

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